JP3121265B2 - 放射線遮蔽体 - Google Patents

放射線遮蔽体

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    • G21FPROTECTION AGAINST X-RADIATION, GAMMA RADIATION, CORPUSCULAR RADIATION OR PARTICLE BOMBARDMENT; TREATING RADIOACTIVELY CONTAMINATED MATERIAL; DECONTAMINATION ARRANGEMENTS THEREFOR
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    • G21F3/04Bricks; Shields made up therefrom

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線環境下の作
業者を放射線被ばくから防護するために用いられる放射
線遮蔽体の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】近年、放射線下の作業は、医療及び一般
作業,原子力プラント共に、安全性を含めて法規制下に
基づき一般化されており、各産業において十分な保守点
検が行われている。しかし放射線環境下の作業は、全産
業分野で必要不可欠なものであり、そのような状況下で
は、作業に従事する作業員の放射線被ばくを低減するた
め、必要な処置が採られる。その一つに、例えば実開昭
61−147998号公報に提案されている如き放射線遮蔽体を
利用する方法がある。これは、放射線が遮蔽液体として
の水によって減衰させられる特性を利用し、合成樹脂布
やゴムからなる可撓性の袋体に水を注入して放射線を出
す恐れのある設備や機器を被ってしまうものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記実
用新案で提案されている放射線遮蔽体は次のような点で
実用上の欠点があり、実際の使用に際して機能及び実務
上の改善を行う必要があった。
【0004】具体的には、従来の遮蔽体は、袋体の強度
範囲内で使用するため袋体内に袋体と同材質の補強壁を
有しているが、放射線線源の大きさに見合った遮蔽効果
を要する袋体の厚さ及び強度が必要となった場合その重
量は相当なものであり、補強壁だけでは袋体が使用中に
変形及び損傷をきたす恐れがあり、過大な外力等への強
度を向上させる構造改善の必要があった、また、その取
扱い性や収納性等についても改善の余地があった。
【0005】本発明の目的は、従来考案された前記の如
き遮蔽体について使用中の条件変化等において自身の自
重及び遮蔽厚さの変化等による自重の増加により変形を
きたすことなく、十分な被ばく低減のため遮蔽効果を有
するとともに取扱い性および収納性の良い放射線遮蔽体
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第1手段は、可撓性を有する袋体内に遮蔽液体を入れ
た放射線遮蔽体において、前記袋体の面に一体にして前
記袋体の材質よりも高強度の補強棒乃至は補強管を縦に
して且つ間隔を開けて断続的に複数本装備してあること
を特徴とした放射線遮蔽体であり、遮蔽体液を入れられ
た袋体は袋体の材質よりも高強度の補強棒乃至は補強管
により下膨れ等の変形が抑制され、所定の遮蔽厚さを維
持し、所定の遮蔽性能を発揮する上、かたづける際に
は、補強棒乃至は補強管は断続的に装備してあるから、
補強棒乃至は補強管同志の間を折ること乃至は補強棒乃
至は補強管を折らないで巻き込むようにして巻くことに
よりコンパクトにして取り扱いやすく且つかたづけ易い
という作用効果が得られる。
【0007】同じく第2手段は、第1手段において、前
記袋体の面の形状が外側に突き出た縦リブを有する形状
を備え、前記縦リブに前記袋体の材質よりも高強度の補
強棒乃至は補強管が入れられていることを特徴とした放
射線遮蔽体であり、第1手段による作用効果に加えて、
縦リブも放射線遮蔽体の変形を抑制するように作用す
【0008】同じく第3手段は、第1手段において、前
記補強棒乃至は補強管同志を固定する連結具を備えたこ
とを特徴とした放射線遮蔽体であり、前記補強棒乃至は
補強管同志が連結具で固定できるから、補強が強化さ
れ、より一層袋体の変形が抑制できる。
【0009】同じく第4手段は、第3手段において、前
記連結具は補強棒乃至は補強管に対して着脱自在である
ことを特徴とした放射線遮蔽体であり、第3手段による
作用効果に加えて、連結具を補強棒乃至は補強管から
せば、コンパクトにして扱いや易くかたづけ易い作用効
果も得られる。
【0010】第5手段は、第1手段から第4手段までの
いずれか一手段において、前記補強棒乃至は補強管に車
輪が取付けられていることを特徴とした放射線遮蔽体で
あり、第1手段から第4手段までのいずれか一手段によ
る作用効果に加えて、車輪が転がることにより、遮蔽体
が移動し易く、放射線遮蔽体の取扱い性が向上するとい
う作用効果が得られる。
【0011】第6手段は、第1手段から第5手段までの
いずれか一手段において、前記補強棒乃至は補強管同志
は伸縮自在なリンク機構で連結されていることを特徴と
した放射線遮蔽体であり、第1手段から第5手段までの
いずれか一手段による作用効果に加えて、リンク機構を
伸縮して袋体を変形させることなく広く展開したり、狭
く収納したりする作用により、取扱いや収納作業性が向
上する効果が得られる。
【0012】第7手段は、第1手段から第6手段までの
いずれか一手段の放射線遮蔽体を複数体備え、前記各放
射線遮蔽体同志を前記各放射線遮蔽体に備わる補強棒乃
至は補強管同志を連結具により連結してある放射線遮蔽
体であり、複数の放射線遮蔽体を連結具により連結して
崩れることなく広い放射線防護面を作り出すことができ
るという作用効果が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】合成樹脂布又はゴム板若しくはそ
れらの複合体からなる可撓性の袋体をなしている図1の
放射線遮蔽体1は、図2のように中が中空上であり、そ
の中には遮蔽液体として水が入れられる。
【0014】その水を入れるために、図1の様に、放射
線遮蔽体1の下部側面には注水口3が、上部側面には排
気口4が備えられている。
【0015】注水口3も排気口4も栓などにより塞いだ
り開けたりすることが自在である。放射線遮蔽体1の外
側面には、放射線遮蔽体1の袋体と同材質の縦リブが間
隔おいて副数本袋体と一体に備わる。
【0016】縦リブの中には、補強管2が入れられて袋
体と一体になっている。
【0017】その補強管2は、金属性でも非金属性でも
良いが、袋体よりも曲げ強度が大きなものを選択する。
【0018】放射線遮蔽体1を使用する際には、注水口
3と排気口4とを栓を取り外して開ける。
【0019】そして、注水口3から水を注入して袋体の
内部空気を排気口4から排出することにより放射線遮蔽
体1内を水で満たし、放射線を遮蔽できる厚みにする。
【0020】その後に注水口3と排気口4とを栓で閉じ
る。
【0021】水を内部に含むことにより増加した自重に
より、放射線遮蔽体1は下部が膨らみ上部が放射線遮蔽
に不十分なほどに薄くなるように変形しようとするが、
その変形は縦リブとその縦リブ中の補強管2の強度によ
り阻止されて、放射線遮蔽に十分な厚みが全面に維持で
きる。
【0022】放射線遮蔽体1を使用後には、注水口3と
排気口4とを開いて放射線遮蔽体1内の水を抜き、各補
強管2の間の面を折るようにしてコンパクトに折りたた
むか、各補強管2を折り曲げないようにして巻いてから
かたづけるようにする。
【0023】このようにすると、コンパクトであるがゆ
えに取扱いが楽で少ないスペースにかたづけることがで
きる。
【0024】補強管2の強度は、放射線遮蔽体1内の水
が地震などの外力によってゆすられても放射線遮蔽体1
の変形が大きく起こらないように設定すればより良い。
【0025】補強管2は縦方向に長い方向性を持つ上、
互いに連結されていないから、水平方向の倒れが懸念さ
れるが、その場合には、図3のように複数の補強管2を
両端が曲げられた連結具5aで連結して互いに水平方向
の補強を行わせる。
【0026】連結具5aでも連結は、まず連結具5aの
曲げられた一端を補強管2の端部に差し込んで、曲げら
れた他端を補強希望方向に位置している他の補強管2の
端部に差し込んで行う。
【0027】かたづける際には、連結具5aを補強管2
から抜いて巻くか折りたたむかして行う。
【0028】連結具5aは、図4に示すとおり、補強管
2に着脱自在に差し込まれた差し込み金具間を金属製の
チェーンで連結した構成の連結具5bに置き換えて使用
しても良い。
【0029】縦方向に広い面を放射線防護面として構築
したい場合には、上述した水を注入した放射線遮蔽体1
を図5のように複数個上下方向に重ねて採用する。
【0030】重ねる際には、補強管2が上下方向に一直
線に重なるようにして重ねる位置を調整する。
【0031】重ねる際には、図6のように、上下方向途
中に補強管2よりも大径な鍔を有する連結具6を上下方
向に重なった各補強管2に差し込んで上下方向の補強管
同志を一連化し、上段の放射線遮蔽体1が倒れにくくず
れにくくする。
【0032】水平方向に広い面を放射線防護面として構
築したい場合には、上述した水を注入した放射線遮蔽体
1を図7のように複数個水平方向に隣接して採用する。
【0033】隣接した各放射線遮蔽体1の最隣接しあう
補強管2同志は連結具7aにより連結されている。
【0034】この連結具7aはU字型の棒状部材で構成
され、図8の様に、一方の放射線遮蔽体1の補強管2に
連結具の一端が差し込まれ、他方の放射線遮蔽体1の補
強管2に他端が差し込まれて、両放射線遮蔽体1は連結
されて互いの相対的位置のずれが抑制され、放射線が漏
れる隙間が生じにくい。
【0035】さらには、連結具7bを用いるとさらに相
対的位置のずれが抑制され、放射線が漏れる隙間がさら
に生じにくい。
【0036】連結具7bは、図9のように、断面コの字
型の部材であり、連結具7bは一方の放射線遮蔽体1の
縦リブと他方の放射線遮蔽体1の縦リブとを包含するよ
うに挾み込み、その挾み込む箇所は上下方向2乃至3ヵ
所に分散している。
【0037】この連結具7bは、連結具7aと同時に使
用しても単独で使用してもよい。
【0038】いずれの場合でも連結具7bは各放射線遮
蔽体1間の隙間が生じるのを抑制する。
【0039】上述の放射線遮蔽体1をもっと運び易く取
扱い易くするためには、図10から図13までに示す構
造が採用される。
【0040】すなわち、図10と図11では、放射線遮
蔽体1の補強管2の下端に車輪8の付いた走行手段を差
し込み、車輪8の転動作用により移動しやすくする。
【0041】このようにすると、水の入った放射線遮蔽
体1を容易に移動させて放射線遮蔽位置への設置を容易
に達成でき、かたづける際の移動も容易である。
【0042】図12と図13では、図10と図11と同
様に車輪8を備えるが、さらには次のような構造が加え
られている。
【0043】すなわち、縦リブは途中上下2ヵ所取り払
われて補強管2が剥き出しになっている。
【0044】その剥き出しの補強管2部分には上下方向
に移動自在にスライダーが装備され、隣接するスライダ
ー同志間はX字型に交差したリンク9が上下回転自在に
枢着されている。
【0045】そのX字型に組まれたリンク9の交差部は
回転自在に枢着されている。
【0046】このような伸縮自在なリンク機構は、リン
ク機構を左右方向に伸長させることで放射線遮蔽体1を
迅速に広く展開して使用状態とすることができ、かたづ
ける際には水を放射線遮蔽体1内から抜いてからリンク
機構を縮ませると放射線遮蔽体1は迅速に折りたたまれ
て収納に適するコンパクトな形状になる。
【0047】この例でも車輪8が備わるから、移動を伴
う取扱いが容易である。
【0048】上記の各実施例では、補強管2を補強手段
として採用したが、管状ではなく中実な棒、すなわち補
強棒を補強手段として補強管2と置き換えて採用しても
良い。
【0049】この場合には、各種の連結具は中空な管状
の部材により構成され、嵌まる側と嵌められる側とが逆
転する。
【0050】そして車輪8の取付けに際しても同様に逆
転する。
【0051】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、補強棒乃至は
補強管が放射線遮蔽体の型崩れを抑制するから、確実に
放射線遮蔽機能を達成することが出来るとともに型崩れ
しにくいにもかかわらずコンパクトにして取扱いが容易
になる。
【0052】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
による効果に加えて、放射線遮蔽体の型崩れを抑制する
のに縦リブの強度も活用出来る。
【0053】請求項3の発明によれば、請求項1の発明
による効果に加えて、前記補強棒乃至は補強管同志を連
結具が固定するから、補強がより強固になって放射線遮
蔽体の型崩れによる放射線遮蔽機能の低下をより確実に
阻止することができる。
【0054】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
による効果に加えて、連結具を外してコンパクトにして
取扱いが容易になる。
【0055】請求項5の発明によれば、請求項1から請
求項4までのいずれか一項の発明による効果に加えて、
放射線遮蔽体の移動が楽に行えて取扱い性が向上する。
【0056】請求項6の発明によれば、請求項1から請
求項5までいずれか一項による発明の効果に加えて、リ
ンク機構により放射線遮蔽体の展開と収納作業とが容易
に実施できる。
【0057】請求項7の発明によれば、請求項1から請
求項6までのいずれか一項の放射線遮蔽体の効果を広い
面に渡って達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による放射線遮蔽体の斜視図で
ある。
【図2】図1の放射線遮蔽体の一部分を水平断面で表示
した図である。
【図3】図1の放射線遮蔽体に連結具を採用した場合の
その連結具近傍の半断面表示図である。
【図4】図3の連結具を他の連結具に取替えた場合のそ
の連結具近傍の半断面表示図である。
【図5】図1の放射線遮蔽体を複数段にて使用する場合
の全体斜視図である。
【図6】図5の上下多段の放射線遮蔽体の重ね合わせ部
の連結状態を縦断面にて示した図である。
【図7】図1の放射線遮蔽体を水平方向に複数並列にて
使用する場合の全体斜視図である。
【図8】図7の連結部近傍の拡大立面図である。
【図9】図7の放射線遮蔽体において使用できる他の連
結具の上平面図である。
【図10】図1の放射線遮蔽体に車輪を取付けた状態を
示す斜視図である。
【図11】図10の車輪取付け近傍の縦断面図である。
【図12】図10の放射線遮蔽体にリンク機構を取付け
た状態の斜視図である。
【図13】図12のリンク機構部の拡大図である。
【符号の説明】
1…放射線遮蔽体、2…補強管、3…注水口、4…排気
口、5a,5b,6,7a,7b…連結具、8…車輪、
9…リンク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大森 哲 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式 会社 日立エンジニアリングサービス内 (72)発明者 水落 晃 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式 会社 日立エンジニアリングサービス内 (56)参考文献 特開 平6−230178(JP,A) 特開 平9−230090(JP,A) 特開 平9−230092(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21F 3/00 G21F 3/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性を有する袋体内に遮蔽液体を入れた
    放射線遮蔽体において、前記袋体の面に一体にして前記
    袋体の材質よりも高強度の補強棒乃至は補強管を縦にし
    て且つ間隔を開けて断続的に複数本装備してあることを
    特徴とした放射線遮蔽体。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記袋体の面の形状が
    外側に突き出た縦リブを有する形状を備え、前記縦リブ
    に前記袋体の材質よりも高強度の補強棒乃至は補強管が
    入れられていることを特徴とした放射線遮蔽体。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記補強棒乃至は補強
    管同志を固定する連結具を備えたことを特徴とした放射
    線遮蔽体。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記連結具は補強棒乃
    至は補強管に対して着脱自在であることを特徴とした放
    射線遮蔽体。
  5. 【請求項5】請求項1から請求項4までのいずれか一項
    において、前記補強棒乃至は補強管に車輪が取付けられ
    ていることを特徴とした放射線遮蔽体。
  6. 【請求項6】請求項1から請求項5までいずれか一項に
    おいて、前記補強棒乃至は補強管同志は伸縮自在なリン
    ク機構で連結されていることを特徴とした放射線遮蔽
    体。
  7. 【請求項7】請求項1から請求項6までのいずれか一項
    の放射線遮蔽体を複数体備え、前記各放射線遮蔽体同志
    を前記各放射線遮蔽体に備わる補強棒乃至は補強管同志
    を連結具により連結してある放射線遮蔽体。
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