JP6514903B2 - 遮蔽壁 - Google Patents
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Description
また、特許文献1には、金属製遮蔽壁を、作業場所等の周囲を囲むように設置する発明が開示されている。
また、本発明によれば、例えば樹脂製の容器を用いることで、軽量化を実現できる。さらに、放射線遮蔽体の設置時には、空の容器を設置した後で容器に水を充填する一方、放射線遮蔽体の移動時、撤去時には、容器から水を抜いた後で空の容器を運べばよいので、可搬性に優れる。したがって、設置時、移動時、撤去時に重機等を使用する必要がなく、重機等が進入できない狭隘な場所にも設置可能であるので、放射線遮蔽体の設置自由度が高い。
図2に示すように、放射線遮蔽体1は、支持枠10と、支持枠10の内部に配置された袋体20とを備える。なお、支持枠10は、特許請求の範囲における「支持体」に相当するものである。
支持枠10は、袋体20を支持するための金属製部材であり、例えばアルミニウム等の軽量金属で形成されている。支持枠10,10同士が連結(連設)されることで、休憩場所Sの周囲を囲む遮蔽壁が形成される。なお、支持枠10は、木製でもよい。
図3に示すように、支持枠10は、左右一対の縦材11,11と、前後一対の下横材12,12と、前後一対の上横材13,13と、四つのブレース14,14…とで構成されている。支持枠10は、複数の部材に分解可能に構成されている。支持枠10の上下端および前後端には、矩形状の開口部15a〜15dがそれぞれ形成されている。
袋体20は、軟質性かつ透明性(透光性)を有する樹脂製の容器である。袋体20の内部には、水30が充填されている。袋体20は、水30が充填された状態において、縦長の直方体を呈している。袋体20は、水30が充填されていない状態において、折り畳み可能に構成されている。袋体20は、複数の隔室21を内部に有している。本実施形態では、隔室21は、縦6列×横3列の合計18室設けられている。隣接する隔室21同士の間は、鉛直状や水平状の隔壁22で仕切られている。隔壁22には、隣接する隔室21同士を互いに連通する連通孔23が形成されている。連通孔23は、円形状を呈している。
このとき、軽量金属製の支持枠10を用いることで、重機等を使用することなく設置作業を行える。
このとき、水30は、自重作用によって鉛直下向きに流れ、袋体20の下部から上部へと徐々に溜まっていく。また、水30は、連通孔23を通じて下側や左右両側の隔室21へ流入する。
なお、全ての支持枠10を設置した後に、袋体20の設置作業および注水作業を行ってもよいし、1つの支持枠10を設置する毎に、袋体20の設置作業および注水作業を行ってもよい。
特に、本実施形態によれば、ガンマ線および中性子線の両方を遮蔽できる水30を用いることで、中性子線を遮蔽できない清浄土や金属を用いる場合に比較して、放射線遮蔽体1の用途が広がる点で技術的意義を有している。
また、袋体20が自立しない場合であっても、放射線遮蔽体1を構築することができる。
さらに、支持枠10で袋体20を支持する構成を採用した場合であっても、休憩場所Sの内外に面する開口部15c,15dを備えるので、外光を支障なく採り込むことができる。
このように保管が容易になるので、例えば、原子力発電所の周辺自治体の備蓄として放射線遮蔽体1を用意しておくことも可能となる。
これに対し、本実施形態によれば、複数の放射線遮蔽体1を水平方向に並べて設置するので、土嚢袋に比較して、地震時等における安定性を高めることができる。
図6に示すように、第1放射線遮蔽体60は、第1支持枠60Aと、第1支持枠60Aの内部に配置される第1袋体60Bと、第1支持枠60Aと第1袋体60Bとの間に配置される第1金網60Cとを備えている。第1支持枠60Aおよび第1金網60Cは、特許請求の範囲における「支持体」に相当するものである。なお、図6では、第1支持枠60Aおよび第1金網60Cを一部破断して描いている。
第1支持枠60Aは、第1袋体60Bを外側から支持する部材である。図7に示すように、本実施形態の第1支持枠60Aは、地面G上に設置される基礎枠61と、基礎枠61の左右両端部に設置される一対の端部支持枠62,62と、端部支持枠62,62同士を連結する複数の連結横材63,63…と、端部支持枠62,62の上端部同士を連結する第1天井横材64とを備えている。
本実施形態の基礎枠61は、4つの外側下横材61a,61a…と、2つの内側下横材61b,61bと、3つの第1脚部61c,61c…と、3つの第1ベースプレート61d,61d…とを有している。
端部支持枠62は、第1袋体60Bを左右側方から支持する機能を備えている。本実施形態の端部支持枠62は、外側下横材61aに立設された縦材62aと、縦材62aを挟んで対向する一対の斜材62b,62bと、縦材62aと各斜材62b,62bとを連結する複数の端部横材62c,62c…とを有している。縦材62a、斜材62bおよび端部横材62cは、それぞれ単管で構成されている。
連結横材63は、第1袋体60Bを前又は後から支持する機能を備えている。連結横材63は、単管で構成されている。本実施形態の連結横材63は、端部支持枠62,62の前方の斜材62b,62bの間、および、後方の斜材62b,62bの間に6つずつ設置されている。上下に並ぶ6つの斜材62b,62b…は、相互に間隔を空けて離間している。連結横材63の長手方向の端部は、ジョイントJ9を介して斜材62bに接続されている。
第1天井横材64は、第1袋体60Bのベルト65h,65i(図6参照)が係止される部材であり、単管で構成されている。第1天井横材64は、一方の縦材62aの上端部から他方の縦材62aの上端部へ向けて水平に延出している。第1天井横材64の長手方向の端部は、ジョイントJ4を介して縦材62aに接続されるとともに、ジョイントJ4,J6を介して斜材62b,62bの上端部に接続されている。
図8に示すように、第1袋体60Bは、側面視で台形状の容器である。第1袋体60Bの水平断面積は、下方へ向かう程大きくなっていて、第1支持枠60Aの内部空間の水平断面積よりも一回り大きく形成されている。第1袋体60Bの内部には、水60Dが充填されている。なお、第1袋体60Bは、側面視で三角形状にされてもよい。
第1金網60Cは、第1袋体60Bの各側部65b〜65eの側方に1つずつ(合計4つ)設置されている、前側部65bおよび後側部65cの側方に位置する第1金網60Cは、台形状を呈している。左側部65dおよび右側部65eの側方に位置する第1金網60Cは、矩形状を呈している。第1金網60Cは、第1支持枠60Aと第1袋体60Bとの間に挟み込まれて設置され、第1袋体60Bを補強する補強部材として機能している。
図9に示すように、第2放射線遮蔽体70は、第2支持枠70Aと、第2支持枠70Aの内部に配置される第2袋体70Bと、第2支持枠70Aと第2袋体70Bとの間に配置される第2金網70Cとを備えている。第2支持枠70Aおよび第2金網70Cは、特許請求の範囲における「支持体」に相当するものである。
第2支持枠70Aは、第2袋体70Bを外側から支持する部材である。図10に示すように、本実施形態の第2支持枠70Aは、4つの支柱71,71…と、2つの第2脚部72,72および第2ベースプレート73,73と、2つの下側連結横材74,74と、4つの上側連結横材75,75…と、複数の中間連結横材76,76…と、第2天井横材77とを備えている。なお、第2支持枠70Aは、特許請求の範囲における「支持体」に相当するものである。
4つの支柱71,71…は、四角柱の側縁を成すように設置されている。支柱71は、単管で構成されている。
第2脚部72,72は、対角に位置する支柱71,71に垂設している。本実施形態の第2脚部72は、右前方の支柱71と左後方の支柱71に垂設している。第2脚部72の上端部は、ジョイントJ10を介して支柱71の下端部に接続されている。第2ベースプレート73は、第2脚部72の下端部に取り付けられている。第2ベースプレート73は、鋼板で構成されている。第2脚部72の内側には、端太材Eが設置されている。端太材Eは、角材で構成されている。
下側連結横材74は、隣接する支柱71,71の下端部同士を連結するものであり、単管で構成されている。下側連結横材74は、第2袋体70Bを側方から支持する機能を備えている。本実施形態の下側連結横材74は、左右前方の支柱71,71を連結するとともに、前後右方の支柱71,71を連結している。支柱71を挟んで隣接する下側連結横材74,74の長手方向の一端部同士は、共通のジョイントJ10を介して支柱71の下端部に接続されている。下側連結横材74の長手方向の他端部は、ジョイントJ11を介して支柱71の下端部に接続されている。
上側連結横材75は、隣接する支柱71,71の上端部同士を連結するものであり、単管で構成されている。隣接する上側連結横材75,75の長手方向の端部同士は、共通のジョイントJ12を介して支柱71の上端部に接続されている。上側連結横材75,75が交わる部位には、直角状の上側角部75aが形成されている。
中間連結横材76は、隣接する支柱71,71の中間部同士を連結するものであり、単管で構成されている。中間連結横材76は、第2袋体70Bを側方から支持する機能を備えている。本実施形態の中間連結横材76は、隣接する支柱71,71の間に5本ずつ(合計20本)設置されている。上下に並ぶ5本の中間連結横材76,76は、相互に間隔を空けて離間している。隣接する中間連結横材76,76の長手方向の端部同士は、共通のジョイントJ13を介して支柱71の途中部に接続されている。
第2天井横材77は、対角に位置する支柱71,71の上端部同士の間に設置されるものであり、単管で構成されている。第2天井横材77には、第2袋体70Bのベルト78iが係止される(図9参照)。第2天井横材77は、1つの上側角部75aからこの上側角部75aの対角に位置する上側角部75aへ向けて水平に延出している。第2天井横材77の長手方向の端部は、ジョイントJ14を介して上側連結横材75の長手方向の端部に接続されている。
図11に示すように、第2袋体70Bは、縦長の直方体を呈する容器である。第2袋体70Bの水平断面積は、上下の全長に亘って一定であり、第2支持枠70Aの内部空間の水平断面積よりも一回り大きく形成されている。第2袋体70Bの内部には、水70Dが充填されている。
第2金網70Cは、第2袋体70Bの各側部78c〜78fの側方に1つずつ(合計4つ)設置されている、第2金網70Cは、第2支持枠70Aと第2袋体70Bとの間に挟み込まれて設置され、第2袋体70Bを補強する補強部材として機能している。
図12に示すように、第3放射線遮蔽体80は、第1支持枠60Aと第2支持枠70Aとの間の隙間を塞ぐための袋体である。第3放射線遮蔽体80の内部には、水80Aが充填されている。なお、第1支持枠60Aと第2支持枠70Aとを隙間なく繋げて、第3放射線遮蔽体80を省いてもよい。
以上の手順を経て遮蔽壁100が構築される。
また、ベルト78iを第2天井横材77の外周に回して結ぶことによって、第2袋体70Bを第2天井横材77に保持できるので、第2袋体70Bへの注水作業を簡便かつ迅速に行える。
また、第2金網70Cが第2袋体70Bと第2支持枠70Aとの間に配置されるので、第2金網70Cによって第2袋体70Bを補強して耐圧性を高めることができる。
図14および図15に示すように、本実施形態の放射線遮蔽体110は、支持体120と、支持体120の内部に配置される袋体150(図15参照)とを備えている。なお、袋体150は、支持体120の内部空間に配置可能であれば、その形状等は特段限定されるものでない。袋体150として、例えば第1実施形態の袋体20や第2実施形態の第2袋体70B等を用いてもよいし、複数の袋体を積み重ねてもよい。袋体150の内部には、水150Aが充填されている。
支持体120は、上部が開口する金属製の箱体である。支持体120は、支持枠130と、支持枠130と袋体150との間に配置される補強パネル140とを備えている。
底枠材131は、地面G上に設置されるものである。底枠材131は、例えば複数のH型鋼を梯子状に組み合わせて構成されている。底枠材131の左右方向の中央および外側は、複数の(例えば3枚の)敷鉄板139,139…を介して、地面G上に設置されている。
支持材132は、底枠材131の前側面および後側面に設置されるものである。支持材132は、例えばH型鋼で構成されていて、底枠材131の前側面または後側面から底枠材131の前方または後方に向かって延出している。本実施形態の支持材132は、底枠材131を挟んで前後両側に3つずつ設置されている。左右に並ぶ3つの支持材132,132…は、相互に間隔を空けて配置されている。支持材132は、左右方向の中央および外側の中間支柱134に対応する位置に設けられていて、敷鉄板139を介して地面G上に設置されている。
隅支柱133は、底枠材131の四隅に立設されている。隅支柱133は、例えば相互に結合した2つのC型鋼で構成されている。
中間支柱134は、底枠材131の前縁および後縁(長手方向縁部)に立設されている。本実施形態の中間支柱134は、例えばH型鋼のみで構成されたものと、相互に結合した2つのC型鋼で構成されたものとがある。中間支柱134は、底枠材131の前縁および後縁に複数設置されている。左右に並ぶ中間支柱134,134…は、左右の隅支柱133,133の間において、相互に間隔を空けて配置されている。
連結横材135は、左右に隣り合う中間支柱134,134の間、左右に隣り合う中間支柱134と隅支柱133の間、前後に隣り合う隅支柱133,133の間を連結するものである。連結横材135は、例えばC型鋼で構成されている。本実施形態の連結横材135は、隣り合う支柱の間において、上下に相互に離間して3つ設置されている。
天井横材136は、左右に隣り合う中間支柱134,134の上端部同士、左右に隣り合う中間支柱134と隅支柱133の上端部同士、前後に隣り合う隅支柱133,133の上端部同士を連結するものである。天井横材136は、例えばC型鋼で構成されている。
繋ぎ材137は、前後に対向する2つの中間支柱134,134同士を連結するものであり、中間支柱134の外側への倒れを抑制する機能を備えている。繋ぎ材137は、例えばL型鋼で構成されている。本実施形態の繋ぎ材137は、前後に対向する2つの中間支柱134,134の間において、上下に相互に離間して3つ設置されている。
方杖138は、支持材132の先端と中間支柱134の上端部側を繋ぐものであり、中間支柱134の外側への倒れを抑制する機能を備えている。方杖138は、例えばL型鋼で構成されている。方杖138は、支持材132の先端から中間支柱134の上端部側へ向けて斜め上方に立ち上がっている。本実施形態の方杖138は、支持枠130の前後両側に3つずつ設置されている。繋ぎ材137と方杖138は、異なる中間支柱134に連結されている。
補強パネル140は、デッキプレートから成る。以下の説明では、支持枠130の底面、側面、端面に配置される補強パネル140を区別するときには、底パネル141、側面パネル142、エンドパネル143として別の名称を使用する。
底パネル141は、底枠材131上に設置されるものである。底パネル141は、底枠材131と袋体150との間に挟み込まれて設置され、袋体150の底部を補強する補強部材として機能している。
2つの側面パネル142,142は、前後に対向していて、支持枠130の前部および後部を内側から覆うものである。側面パネル142は、支持枠130(中間支柱134、連結横材135、天井横材136)と、袋体150との間に挟み込まれて設置され、袋体150の前部および後部を補強する補強部材として機能している。
2つのエンドパネル143,143は、左右に対向していて、支持枠130の左部および右部を内側から覆うものである。エンドパネル143は、側面パネル142,142の左右の端部同士の間に設置されている。エンドパネル143は、支持枠130(連結横材135、天井横材136)と、袋体150との間に挟み込まれて設置され、袋体150の左部および右部を補強する補強部材として機能している。
なお、本実施形態では底枠材131および底パネル141を備えたが、底枠材131および底パネル141を省略してもよい。この場合、隅支柱133、中間支柱134、袋体150は、地面G上、あるいは、基礎コンクリート、敷鉄板、砕石等からなる基盤上に設置される。
10 支持枠(支持体)
11 縦枠
12 下横枠
13 上横枠
14 ブレース
15a〜15d 開口部
16 空間
20 袋体(容器)
21 隔室
22 隔壁
23 連通孔
26 本体部
27 屋根部
30 水
S 休憩場所
W 作業員
100 遮蔽壁
60 第1放射線遮蔽体
60A 第1支持枠(支持体)
60B 第1袋体(容器)
60C 第1金網(支持体、補強部材)
60D 水
70 第2放射線遮蔽体
70A 第2支持枠(支持体)
70B 第2袋体(容器)
70C 第2金網(支持体、補強部材)
70D 水
80 第3放射線遮蔽体
80A 水
110 放射線遮蔽体
120 支持体
130 支持枠
140 補強パネル(補強部材)
150 袋体(容器)
150A 水
Claims (7)
- 複数の放射線遮蔽体と、隣り合う前記両放射線遮蔽体の間に配置される袋体とを備える遮蔽壁であって、
前記各放射線遮蔽体は、水が充填される容器と、前記容器を外側から支持する支持体と、
を備えており、
前記袋体には、水が充填されており、
前記袋体が前記支持体に密着していることを特徴とする遮蔽壁。 - 前記支持体は、前記容器の外側に配置される支持枠と、前記容器と前記支持枠との間に配置される補強部材とを備えることを特徴とする請求項1に記載の遮蔽壁。
- 前記容器の縦断面形状は、下方へ向かうほど広がる三角形状又は台形状に形成されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の遮蔽壁。
- 前記容器は、互いに連通する複数の隔室を内部に有しており、
前記水は、前記隔室に充填されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の遮蔽壁。 - 前記支持体同士が連結されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の遮蔽壁。
- 前記容器は、袋体であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の遮蔽壁。
- 前記容器の少なくとも一部は、透明又は半透明であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の遮蔽壁。
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