JP2013170892A - 放射線防護体 - Google Patents

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裕 道脇
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Abstract

【課題】放射線を遮蔽して特定の防護対象を放射線から防護する。
【解決手段】放射線を吸収する放射線吸収部2を備える。そして、放射線吸収部2は、放射線吸収部の厚さをx、γ線に対する減衰係数をμ、比例定数(原始減衰係数)をε、質量体積密度をρ、放射線遮蔽容器に透過前の放射線強度をI、放射線遮蔽容器に透過後の放射線強度をIをとしたとき、下記(1)式によって算出される厚さを有する。
【数1】
Figure 2013170892

【選択図】図1

Description

本発明は、放射線を遮蔽して特定の防護対象を放射線から防護する放射線防護体に関する。
日本では、2011年3月11日の大震災の後、原子力発電所の事故があり、大量の放射性物質が飛散したと考えられ、これ以降、ゴミ焼却場の焼却灰、下水処理場の汚泥、河川、海洋、被災地の瓦礫等から、放射性物質が確認されている。除染作業を行ってはいるが、大量に飛散された放射性物質を完全に除染するのには、時間がかかる。そこで、除染作業を行うことに平行して、放射線を遮蔽して防護する必要がある。
本発明は、以上のような背景に基づいて成されたものであり、放射線を遮蔽して特定の防護対象を放射線から防護する放射線防護体を提供することを目的とする。
本発明に係る放射線防護体は、放射線を遮蔽して放射線から防護対象を防護する放射線防護体であって、放射線を吸収する放射線吸収部を備えている。そして、放射線吸収部は、下記(1)式を満たす構成とされる。
Figure 2013170892
j:1からnまでの自然数
n:放射線吸収部の層数であって、1以上の自然数
μ:j番目の放射線吸収部を構成する物質固有のγ線に対する減衰係数
:j番目の放射線吸収部の厚さ
e:自然対数の底
:外部から入射する放射線の放射線防護体透過前の放射線強度
:n層の放射線吸収部を有する放射線防護体透過後の放射線強度
ε:j番目の放射線吸収部を構成する物質固有の比例定数(原始減衰係数)
ρ:j番目の放射線吸収部を構成する物質固有の質量体積密度
特に、n=1とした場合、すなわち放射線吸収部を単層で構成する場合には、上記(1)式は下記(2)式のように表され、外部から入射する放射線の放射線吸収部透過前の強度Iに対する放射線吸収部透過後の放射線強度Iの比、すなわち所望の減衰率I/Iと、放射線吸収部固有のγ線に対する減衰係数μを与えることによって放射線吸収部の厚さxを如何程にすればよいかを算出することが出来る。
Figure 2013170892
x:放射線吸収部の厚さ
μ:放射線吸収部を構成する物質固有のγ線に対する減衰係数
e:自然対数の底
:放射線防護体(放射線吸収部)透過前の放射線強度
I:放射線防護体(放射線吸収部)透過後の放射線強度
ε:比例定数(原始減衰係数)
ρ:質量体積密度
本発明は、上記(1)式を満たす構成とされる放射線吸収部によって、外部から防護対象に向けて放出された放射線を低減することが出来る。従って、本発明では、防護対象を放射線から防護することが出来る。
本発明を適用した放射線防護体を示した断面図である。 本発明を適用した放射線防護体の使用例を示した平面図である。 容器本体に更なる層を設けた放射線防護体を示した断面図である。 容器本体に他の更なる層を設けた放射線防護体を示した断面図である。 複数個積み重ねた放射線防護体を示した断面図である。 パネル状に設けた放射線防護体を示した断面図である。 容器本体に係合部及び被係合部を設けた放射線防護体を示した断面図である。 防護対象に対して鋭角(鈍角)に設けた放射線防護体を示した断面図である。 千鳥状に設置した放射線防護体を示した断面図である。 平面視略「く」字状に設けた放射線防護体を示した断面図である。
以下、本発明を適用した放射線防護体について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明を適用した放射線防護体1は、例えば、積み上げ可能なブロック体であって、放射線を吸収する放射線吸収部2を備えている。放射線防護体1は、複数個を積み重ねて或いは組み合わせて、図2に示すように、防護対象3の周囲を囲むように設置されることで、外部からの放射線を遮蔽して防護対象3を放射線から防護する。具体的には、放射線防護体1によって、防護対象3を囲む内側壁1aと、内側壁1aと離間して設けられ、出入口1bを防護する外側壁1cとが形成される。防護対象3は、内側壁1aによって放射線から防護されるとともに、外側壁1cによって出入口1bを介して侵入する放射線から防護される。防護対象3は、例えば、住宅、学校、病院、校庭、公園等、子供の出入りが多い建物や場所である。なお、これらはあくまで一例であり、防護対象3は、これらに限定されるものではない。
放射線吸収部2は、図1に示すように、例えば、積み上げ可能なブロック状に形成された固定層である。放射線吸収部2は、下記表1に示す元素周期表の第1の周期から第7の周期の元素を少なくとも1つ含む材質で形成されている。より具体的には放射線吸収部2は、例えば、鉄系素材や鉛系素材等主成分とする金属類、陶器素材や磁器素材等を主成分とするセラミックス類、板ガラスやガラスカレット等のガラス質を主成分とするガラス類、コンクリート、アスファルト、天然樹脂や合成樹脂類やゴム類等の高分子化合物類、木類或いはそれらから構成される複合材料によって、例えば繊維強化材化するなどして構成される。また、放射線吸収部2の表面には防錆層や耐食層、耐水層、防水層、ガスバリア層、緩衝層、耐酸性や耐塩基性等を有する耐薬品層、耐蝕層、耐熱層、耐紫外線層等を設けても好い。
Figure 2013170892
更に、放射線吸収部2は、下記(3)式によって算出される厚さを有するように設けることが出来る。
Figure 2013170892
x:放射線吸収部の厚さ
μ:放射線吸収部を構成する物質固有のγ線に対する減衰係数
e:自然対数の底
:放射線防護体(放射線吸収部)透過前の放射線強度
I:放射線防護体(放射線吸収部)透過後の放射線強度
ε:比例定数(原始減衰係数)
ρ:質量体積密度
ここで、原始減衰係数εについて説明する。γ線の物質中での減衰のメカニズムは、物質(電子を含む)と光(γ線)との光電効果並びに物質(電子を含む)と光(γ線)の散乱現象であるコンプトン効果によるものが支配的であると考えられる。つまり、γ線の減衰係数μは、原子核子や電子の数量の関数であり、物質の質量体積密度ρに比例すると考えられる。すなわち、μ∝ρと表される。従って、物質固有に定まる減衰係数μは、μ=ερと表される。ここでεは、比例定数扱いとする原始減衰係数である。
下記表2は、γ線の減衰性をまとめたものである。表2の左欄は、γ線のエネルギーの大きさ毎の各種物質の線吸収係数(γ線に対する減衰係数)の実測値をまとめたものである(三井金属エンジニアリング株式会社のHP参照。)。表2の右欄は、左欄の値をそれぞれの質量体積密度ρで割った値を示している。表2から分かるように、減衰の大きさは、γ線のエネルギーの大きさによって異なる。その一方で、同じエネルギーレベルを物質間で比較すると、原始減衰係数εは、ほぼ一定であると考えられる。
Figure 2013170892
参考として、放射線吸収部2が例えばコンクリートであり、外部から防護対象3に向けて放出されるγ線のエネルギーが2MeVであり、このγ線を20分の1まで減衰するのに必要な放射線吸収部2の厚さを算出する。なお、ここでは、コンクリートの質量体積密度ρ=2.3g/cmとする。例えば、表2のγ線のエネルギーが2MeVの場合の原始減衰係数ε=0.048cm/gを用いれば、コンクリートの減衰係数μは、μ=ερ=0.048×2.3=0.11(cm−1)となる。従って、放射線吸収部2の厚さxは、x=−(1/0.11)log(1/20)=27.1(cm)と算出される。
すなわち、放射線防護体1は、放射線吸収部2がコンクリートであり、外部から防護対象3に向けて放出されるγ線のエネルギーが2MeVであり、このγ線を20分の1まで減衰するのに必要な放射線吸収部2の厚さは27.1cmである。換言すると、放射線防護体1は、放射線吸収部2がコンクリートの場合、放射線吸収部2の厚さを27.1cmとすることで、外部から防護対象3に向けて放出されたエネルギーが2MeVのγ線を、20分の1まで減衰することが出来る。
以上のように、放射線防護体1は、上記(1)式によって算出された厚さを有する固体層から成る放射線吸収部2によって、外部から防護対象3に向けて放出される放射線を低減することが出来る。従って、放射線防護体1は、防護対象3を放射線から防護することが出来る。
更に、放射線防護体1は、例えば、積み上げ可能なブロック体であって、積み上げることによって、図2のような防護壁を形成することが出来る。
なお、放射線吸収部2には、図3に示すように、放射線吸収部2の全面に、更なる層4を1層又は複数層設けるようにしても良い。また、放射線吸収部2には、放射線吸収部2の少なくとも一面に、更なる層4を1層又は複数層設けるようにしても良い。このような更なる層4は、固体層又は流体層であって、上記表1に示す元素周期表の第1の周期から第7の周期の元素を少なくとも1つ含む材質で形成されている。従って、放射線防護体1は、放射線の遮蔽性、機械的強度や耐久性の向上を図ることが出来る。勿論、放射線吸収部2は固体のみならず流体で構成してもよく、その流体としては、液相体の他、ゲル状体、スラリー状体、粉体、粒体、或いはそれらの混合体、若しくは、注入時には、流体でありながら、注入後に硬化して固体化するものであってもよい。本発明の放射線防護体は、これらの配合によって、放射線の減衰率を調整することが出来る。
また、放射線防護体1は、更なる層4を、放射線吸収部2と同様に、放射線を吸収する吸収層として用いるようにしても良い。この際、放射線防護体1は、下記(4)式を満たすように設けられる。このような場合であっても、放射線防護体1は、下記(4)式によって算出された厚さを有する放射線吸収部2によって、外部から防護対象3に向けて放出される放射線を低減することが出来る。更に、放射線防護体1は、更なる層4を吸収層として用いる分、放射線吸収部2の厚さを薄くするなどの調整が出来、全体として小型化を図ることが出来る。
Figure 2013170892
j:1からnまでの自然数
n:放射線吸収部の層数であって、1以上の自然数
μ:j番目の放射線吸収部を構成する物質固有のγ線に対する減衰係数
:j番目の放射線吸収部の厚さ
e:自然対数の底
:外部から入射する放射線の放射線防護体透過前の放射線強度
:n層の放射線吸収部を有する放射線防護体透過後の放射線強度
ε:j番目の放射線吸収部を構成する物質固有の比例定数(原始減衰係数)
ρ:j番目の放射線吸収部を構成する物質固有の質量体積密度
また、放射線吸収部2は、固体層に限定されるものではなく、流体層であっても良い。
この場合、放射線防護体1は、図3に示すように、放射線を吸収する放射線吸収部2と、放射線吸収部2を収容する更なる層4である容器本体5とを有する。
容器本体5は、図3に示すように、断面矩形の箱状に設けられ、内部に収容部5aを有する。容器本体5は、固体層であって、上記表1に示す元素周期表の第1の周期から第7の周期の元素を少なくとも1つ含む材質で形成されている。より具体的には容器本体5は、例えば、鉄系素材や鉛系素材等主成分とする金属類、陶器素材や磁器素材等を主成分とするセラミックス類、板ガラスやガラスカレット等のガラス質を主成分とするガラス類、コンクリート、アスファルト、天然樹脂や合成樹脂類やゴム類等の高分子化合物類、木類或いはそれらから構成される複合材料によって、例えば繊維強化材化するなどして構成される。また、容器本体5の表面には防錆層や耐食層、耐水層、防水層、ガスバリア層、緩衝層、耐酸性や耐塩基性等を有する耐薬品層、耐蝕層、耐熱層、耐紫外線層等を設けても好い。更に、容器本体5の収容部5a内には、放射線を吸収する放射線吸収部2が収容されている。
放射線吸収部2は、流体層であって、上記表1に示す元素周期表の第1の周期から第7の周期の元素を少なくとも1つ含む材質で形成されている。より具体的には放射線吸収部2は、例えば、鉄系素材や鉛系素材等主成分とする金属類、陶器素材や磁器素材等を主成分とするセラミックス類、板ガラスやガラスカレット等のガラス質を主成分とするガラス類、コンクリート、アスファルト、天然樹脂や合成樹脂類やゴム類等の高分子化合物類、木類或いはそれらから構成される複合材料等を含んで構成することが可能であるが、流動可能な状態に構成する。勿論、放射線吸収部2を成す流体としては、液相体の他、ゲル状体、スラリー状体、粉体、粒体、或いはそれらの混合体、若しくは、注入時には、流体でありながら、注入後に硬化して固体化するものであってもよい。本発明の放射線防護体においては、これらの配合によって、放射線の減衰率を調整することが出来る。例えば、放射線吸収部2は、入手が容易な水や海水等で設けられている。
特に、放射線吸収部2を、水を主成分として成る流体によって構成した場合には、水分子に含まれる水素原子の数量が非常に多くなる。水素原子は、中性子線の質量と非常に近く、多量の水分子中においてファンデルワールス力を多分に受けながら、また水素結合をしながら略静止状態にあることから、それらの水素原子に外部から飛来してきた中性子線が衝突すると、中性子線の運動エネルギーが著しく減衰し、平均18回程度の水素原子との衝突によって放射線として有していた強力な運動エネルギーの殆どを失うことになる。従って、放射線吸収部2を、水を主成分として成る流体によって構成した場合には、放射線の一種であるγ線を減衰させられるだけでなく、中性子線の運動エネルギーも吸収させることが出来て好ましい。
放射線吸収部2は、予め容器本体5の収容部5a内に注入しておくようにしても良く、放射線防護体1を設置作業現場に運搬後に、容器本体5の収容部5a内に注入するようにしても良い。更に、放射線吸収部2は、設置作業現場に運搬後に、設置前に容器本体5の収容部5a内に注入するようにしても良く、設置後に容器本体5の収容部5a内に注入するようにしても良い。
更に、放射線吸収部2は、上記(4)式によって算出される厚さを有するように設けられている。
具体的に、放射線吸収部2が例えば水であり、外部からのγ線のエネルギーが2MeVであり、このγ線を20分の1まで減衰するのに必要な放射線吸収部2の厚さを算出する。上記表2のγ線のエネルギーが2MeVの場合の水の原始減衰係数ε=0.048cm/gを用いれば、水の減衰係数μは、μ=ερ=0.048×1.00=0.048(cm−1)となる。従って、放射線吸収部2の厚さxは、x=−(1/0.048)log(1/20)=62.4(cm)と算出される。
すなわち、放射線防護体1は、放射線吸収部2が水であり、外部からのγ線のエネルギーが2MeVであり、このγ線を20分の1まで減衰するのに必要な放射線吸収部2の厚さは62.4cmである。換言すると、放射線防護体1は、放射線吸収部2が水の場合、放射線吸収部2の厚さを62.4cmとすることで、防護対象3に向けて放出されたエネルギーが2MeVのγ線を、20分の1まで減衰することが出来る。
以上のように、放射線防護体1は、容器本体5に設けられ、上記(4)式によって算出された厚さを有する流体層から成る放射線吸収部2によって、外部から防護対象3に向けて放出された放射線を低減することが出来る。従って、放射線防護体1は、防護対象3を放射線から防護することが出来る。
また、放射線防護体1は、放射線吸収部2が流体層であるので、予め放射線吸収部2を容器本体5の収容部5a内に注入しておくことに限らず、設置作業現場に運搬後に、放射線吸収部2を容器本体5の収容部5a内に注入することが出来る。従って、放射線防護体1は、設置作業現場まで、放射線吸収部2を容器本体5の収容部5a内に設けていない軽量化した状態で、運搬することが出来る。
なお、容器本体5には、図4に示すように、他の更なる層6を設けるようにしても良い。他の更なる層6は、容器本体5の収容部5a側の全面及び容器本体5の外部側の全面に、一層又は複数層設けるようにしても良く、これらの面のうちの少なくとも一面に、一層又は複数層設けるようにしても良い。このような他の更なる層6は、固体層又は流体層であって、上記表1に示す元素周期表の第1の周期から第7の周期の元素を少なくとも1つ含む材質で形成されている。従って、放射線防護体1は、放射線の遮蔽性、機械的強度、耐久性等の向上を図ることが出来る。
また、放射線防護体1は、容器本体5を、放射線吸収部2と同様に、放射線を吸収する吸収層として用いるようにしても良い。この際、放射線防護体1は、上記(4)式を満たすように設けられる。更に、放射線防護体1は、他の更なる層6が設けられている場合、容器本体5と他の更なる層6とを、放射線吸収部2と同様に、放射線を吸収する吸収層として用いるようにしても良い。この際、放射線防護体1は、上記(4)式を満たすように設けられる。更に、放射線防護体1は、他の更なる層6が設けられている場合、他の更なる層6を、放射線吸収部2と同様に、放射線を吸収する吸収層として用いるようにしても良い。この際、放射線防護体1は、上記(4)式を満たすように設けられる。このような場合であっても、放射線防護体1は、上記(4)式によって算出された厚さを有する放射線吸収部2によって、外部から防護対象3に向けて放出された放射線を低減することが出来る。更に、放射線防護体1は、容器本体5や他の更なる層6を吸収層として用いる分、放射線吸収部2の厚さを薄くするなどの調整が可能であり、全体として小型化を図ることが出来る。
また、放射線防護体1は、容器本体5を、上部及び/又は下部に開口部が形成されるようにしても良い。更に、放射線防護体1は、図5に示すように、上部及び下部に連結手段を兼ねる開口部が形成され、下部の開口部が栓体12で閉止された容器本体5上に、上部及び下部に連結手段を兼ねる開口部が形成された容器本体5を複数個積み重ねて、最上段に下部及び上部に連結手段を兼ねる開口部が形成された容器本体5を設けて、積み重ねられた容器本体5の収容部5a内に、放射線吸収部2を収容するようにしても良い。このように構成することで、容器本体5内部を空にしておきながら複数の容器本体5を連結手段を兼ねる開口部同士を互い連結させて連通させ、組み上がった時点で、最上段の上部の開口部から流体である放射線吸収部2を注入することが可能で、最下段に位置する容器本体5の収容部5aの内部に至るまで全ての連結された容器本体5内に、放射線吸収部2を行き渡らせることが可能となる。
また、放射線防護体1は、図6に示すように、所定の高さを有する板状(パネル状)に設けられ、積み重ねることなく、複数個を、例えば、H形鋼等から成る支柱13を適宜間隔で地面から鉛直に立設し、隣接する支柱13,13間にパネル状に設けられた放射線防護体1を挿嵌して並設することで、防護対象3の周囲を囲むようにしても良い。なお、放射線防護体1を、パネル状に形成する場合には、容器本体5の内部に補強用リブやフランジを設けてもよい。これにより、放射線防護体1は、容易に設置作業を行うことが出来る。
また、放射線防護体1は、容器本体5に、他の放射線防護体1と係合する係合部10と、他の放射線防護体1の係合部10に係合される被係合部11とを有するようにしても良い。例えば、係合部10は、図7に示すように、容器本体5の上面及び底面に設けられた凸部であって、被係合部11は、容器本体5の底面及び側面に設けられた凹部である。従って、放射線防護体1は、複数個を積み重ねて又は並べて設置される際に、係合部10と被係合部11とが係合することで、ずれ止めを図ることが出来る。なお、係合部10及び被係合部11は、上述したものに限定されるものではなく、放射線防護体1と他の放射線防護体1とが係合することでずれ止めを図ることが出来るものであれば、如何なるものであっても良い。
また、放射線防護体1は、図8に示すように、防護対象3の床面又は地面に対して鈍角又は鋭角に設けるようにしても良い。これにより、放射線防護体1は、厚さt1を、防護対象3の床面又は地面に対して略直角に設けた場合の厚さt2よりも薄くしても、放射線が透過する透過距離t3が、防護対象3の床面又は地面に対して略直角に設けた場合と略同じ距離となるので、防護対象3の床面又は地面に対して略直角に設けた場合と略同様に、放射線を低減することが出来る。なお、放射線吸収部等の媒質中における散乱効果や所謂スカイシャイン効果は支配的な放射線強度ではないことからここでは省略している。
また、放射線防護体1は、防護対象3の周囲の全周に設置されるようにしても良く、防護対象3の周囲の一部に設置されるようにしても良い。例えば、放射線防護体1の対象が建物の場合には、建物の窓の周囲だけに設置されるようにしても良い。更に、放射線防護体1は、防護対象3に設置されるようにしても良い。
また、放射線防護体1は、図9に示すように、防護対象3の周囲に千鳥状に設置されるようにしても良い。これにより、放射線防護体1は、防護対象3を放射線から防護しながらも、外部からの風を取り入れることが出来る。更に、放射線防護体1は、図10に示すように、平面視略「く」字状に設け、防護対象3の周囲に所定の間隔をあけて並べて設置するようにしても良い。これにより、放射線防護体1は、防護対象3を放射線から防護しながらも、外部からの風を取り入れるなど通気性を確保することも可能である。
また、放射線防護体1は、放射線吸収部2及び更なる層4を、光透過性を有する材質で形成されるようにしても良い。これにより、放射線防護体1は、防護対象3を放射線から防護しながらも、外部から光(可視光)を取り入れることも可能となる。
1 放射線防護体、1a 内側壁、1b 出入口、1c 外側壁、2 放射線吸収部、3 防護対象、4 更なる層、5 容器本体、5a 収容部、6 他の更なる層、10 係合部、11 被係合部、12、栓体、13 支柱

Claims (5)

  1. 放射線を吸収する放射線吸収部を備え、
    上記放射線吸収部は、下記(1)式を満たす構成とされ、放射線を遮蔽して放射線から防護対象を防護することを特徴とする放射線防護体。
    Figure 2013170892
    j:1からnまでの自然数
    n:放射線吸収部の層数であって、1以上の自然数
    μ:j番目の放射線吸収部を構成する物質固有のγ線に対する減衰係数
    :j番目の放射線吸収部の厚さ
    e:自然対数の底
    :外部から入射する放射線の放射線防護体透過前の放射線強度
    :n層の放射線吸収部を有する放射線防護体透過後の放射線強度
    ε:j番目の放射線吸収部を構成する物質固有の比例定数(原始減衰係数)
    ρ:j番目の放射線吸収部を構成する物質固有の質量体積密度
  2. 上記放射線吸収部は、固体層又は流体層であることを特徴とする請求項1に記載の放射線防護体。
  3. 上記放射線吸収部に設けられた少なくとも一つの更なる層を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線防護体。
  4. 上記更なる層は、固体層及び/又は流体層であることを特徴とする請求項3に記載の放射線防護体。
  5. 上記放射線防護体は、複数の上記放射線防護体同士を互いに連結する連結手段を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の放射線防護体。
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