JP2015152464A - 放射線遮蔽体及び放射線遮蔽構造 - Google Patents

放射線遮蔽体及び放射線遮蔽構造 Download PDF

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典孝 辻本
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Abstract

【課題】 放射線遮蔽能に優れ、安価、軽量及び簡便に放射線遮蔽構造を建築することが可能であり、かつ、容易にその撤去が可能な放射線遮蔽体及び放射線遮蔽構造の提供。
【解決手段】 放射線遮蔽能を有する放射線遮蔽部と、前記放射線遮蔽部を内部に収容する筐体部とを備え、前記放射線遮蔽部は、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む無機質粉体を70重量%超含有する、ことを特徴とする放射線遮蔽体。
【選択図】なし

Description

本発明は、放射線遮蔽体及び放射線遮蔽構造に関し、さらに詳しくは、放射線遮蔽能に優れ、安価、軽量で簡便に放射線遮蔽構造を建築することが可能な放射線遮蔽体及び放射線遮蔽構造に関する。
東日本大震災時の福島原発事故により原発周辺に放射性物質が放出された地域においては、汚染された土壌を洗浄し、徐洗することが必要とされる。除洗作業は、汚染された土壌にゼオライトなどの放射性物質を吸収する物資をまき、その表層土を回収する等の方法で着実に進められてきた。
除洗作業により、回収された汚染土壌はフレキシブルコンテナバックなどに集められ、仮置場に集約されている。汚染土壌を保管する仮置場付近では、放射線量が高いため、立ち入りを禁止し、一定の距離を確保する等、厳しく設置基準が定められている。仮置場では、人体に影響がないレベル(年間1ミリSv)になるように放射能を遮蔽するため、汚染土壌を放射能に汚染されていない土壌で覆い、周囲をコンクリート壁で囲う。
今後、除染作業が進めば進むほど新たな仮置場や、さらには、中間処理施設の建設が必要となるが、仮置場を設置する度に必要となる遮蔽用土壌やその設置作業に携わる作業員の不足が問題となってきている。また、仮置場は、一時的に汚染土壌を保管するための施設であるが、放射線の遮蔽を、土壌やコンクリートで行っていると、仮置場の撤去時に、新たな大量の汚染土壌や汚染コンクリートの残骸を発生させることとなる。
そこで、放射能遮蔽性能を損なうことなく、短期間で、簡便かつ安価に仮置場や中間貯蔵施設を建設することが可能で、さらに、その撤去も容易である工法や素材の開発が急務となっている。
ガンマ線等の放射線を遮蔽する材料としては、鉛(Pb)やタングステン(W)などの重金属が知られており、従来より、これらの重金属をコンクリート以外の材料に含有させた放射線遮蔽材が用いられている。例えば、鉛をゴム状の材料に練り込んだシート材料が開発されており、薄くて使いやすく優れた遮蔽性能を発揮する。しかし、鉛は放射線遮蔽能力に大変優れているが、環境負荷の観点からは好ましくない。
また、特許文献1には、タングステン粉末やタングステン化合物粉末をゴム状の材料に練り込んだシート材料が開示されており、また、特許文献2には、タングステン粉末、粉末状のスズ材料及び熱可塑性樹脂を含む放射線遮蔽体が開示されている。しかしながら、タングステンは環境の観点からは安全ではあるが、高価であるため、タングステン粉末を含む上記材料は、大量の汚染物質を貯蔵するための設備等に用いる放射線遮蔽材としては適さない。
さらに、特許文献3には、内部に複数の中空部を有するアルミニウム又はアルミニウム合金からなる板状の中空型材と、前記中空部に充填される放射線遮蔽能を有するタングステン、鉛、鉄、ニッケル、ボロン、ガドリウム、サマリウム、それらの合金、セメント、樹脂、水、ホウ酸水などの充填材と、からなる放射線遮蔽用パネルが開示されているが、ガンマ線を遮蔽する材料としては、鉛やタングステン等の重金属を用いるものであり、やはり環境性や価格の面で問題がある。
一方、また、特許文献4では、フェライト粉末を60重量%以上含む形成材料を所定形状後に焼成することにより、焼成後の密度が3.5g/cm以上とされて放射線遮蔽効果が高められた構造物構築用成形体が開示されているが、焼成工程を必須とするため、仮置場、中間処理施設等を短時間で効率的に構築することは困難であった。
特開2013−242270号公報 特開2013−122398号公報 特開2013−040784号公報 特開2013−224933号公報
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点に鑑み、放射線遮蔽能に優れ、安価、軽量で、簡便に放射線遮蔽構造を建築することが可能であり、かつ、容易にその撤去が可能な放射線遮蔽体及び放射線遮蔽構造を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む無機質粉体を特定量含有する放射線遮蔽体、あるいは、前記放射線遮蔽体を、放射性廃棄物の周囲に配置する放射線遮蔽構造を採用することにより、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の放射線遮蔽体は、放射線遮蔽能を有する放射線遮蔽部と、前記放射線遮蔽部を内部に収容する筐体部とを備え、前記放射線遮蔽部は、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む無機質粉体を70重量%超含有することを特徴とする。
好ましくは、前記無機質粉体が、フライアッシュ、下水汚泥焼却灰又はこれらの混合物を含む。
好ましくは、前記筐体部が中空パネル材である。また、好ましくは、前記筐体部が、容器または袋体である。
また、本発明の放射線遮蔽構造は、放射性廃棄物の周囲に、前記放射線遮蔽体を配置し、放射線量が所望の線量まで低減された空間を創出するることを特徴とする
また、好ましくは、前記放射線遮蔽体が、前記放射性廃棄物の周囲を取り囲むように配置される。
また、好ましくは、前記放射線遮蔽体が、前記放射性廃棄物を含まない空間を取り囲むように配置され、前記取り囲まれた空間の放射線量を低減させる。
本発明の放射線遮蔽体は、コンクリート材と比較して、放射能遮蔽能力に優れ、より軽量、安価であり、かつ、予め、所望の形状に仕上げることができるため、より簡便かつ短時間に、少人数で設置を行うことができる。さらに、前記放射線遮蔽体の使用後は、容易に撤去が可能である。
図1は、本発明に係る放射線遮蔽体の構成例を示す図である。 図2は、本発明に係る放射線遮蔽構造の構成例を示す図である。
1.放射線遮蔽体
本発明の放射線遮蔽体は、放射線遮蔽能を有する放射線遮蔽部と、前記放射線遮蔽部を内部に収容する筐体部とを備え、放射線遮蔽部は、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む無機質粉体を70重量%超含有する。
上記放射線遮蔽部は、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む無機質粉体を含有することにより、コンクリートと比較して、放射線遮蔽性能に優れ、かつ、安価な放射線遮蔽体を提供する。また、上記筐体部に、上記放射線遮蔽部を収納することにより、所望の形状を有する、軽量な放射線遮蔽体を提供することが可能となり、より簡便かつ短時間に、上記放射線遮蔽体の設置を行うことができる。さらに、上記放射線遮蔽体の使用後は、容易に撤去が可能であり、焼却により、減容することができる。
なお、本明細書において、「放射線遮蔽部」とは、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む無機質粉体を充填/分散させた部分であり、かつ、実質的に放射線遮蔽能を有する部分をいう。ここで、「実質的に放射線遮蔽能を有する」とは、同体積を有する通常のコンクリート(密度2.3g/cm)と比較した場合、同程度の重量又はより軽量であり、かつ、よりガンマ線遮蔽能に優れることをいう。
また、本明細書において、「無機質粉体」とは、平均粒径が1000μm以下の粉体をいう。ここで、「平均粒径」とは、ブレーン法(JIS R5201準拠)により測定した比表面積径をいう。
以下、本発明の放射線遮蔽体に用いられる各材料について項目ごとに説明する。
(1)無機質粉体
(i)種類
本発明に用いられる無機質粉体は、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含むものであれば、特に限定されず、従来公知の無機質粉体を用いることができる。上記無機質粉体は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記無機質粉体における二酸化ケイ素の含有量は、無機質粉体全量に対して、好ましくは20重量%以上、より好ましくは40〜75重量%、さらに好ましくは55〜60重量%である。また、酸化アルミニウムの含有量は、無機質粉体全量に対して、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15〜35重量%、さらに好ましくは25〜30重量%である。二酸化ケイ素および酸化アルミニウムの含有量が上記範囲であることにより、放射線遮蔽性能に優れる。なお、本明細書において、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムの含有量とは、無機質粉体を構成する珪素及びアルミニウムを酸化物換算した量をいう。
上記無機質粉体としては、環境特性の観点から、燃焼灰であることが好ましく、フライアッシュ、下水汚泥焼却灰及びこれらの混合物であることがより好ましい。
上記フライアッシュ及び上記下水汚泥焼却灰は、石炭又は下水汚泥を燃焼することにより得られる燃焼灰である。フライアッシュは、もともと火力発電所で発生した廃棄物であり、それを再利用して放射能遮蔽材を製造するため、新たなゴミを生成しないという点でも極めて環境特性に優れる。
上記フライアッシュは、JIS A6201−1999で定義されており、二酸化ケイ素を20重量%以上含有する。また、上記フライアッシュは、一般に酸化アルミニウムを10重量%以上含む。上記フライアッシュとしては、市販のものを用いることもでき、「フライアッシュI種」(JIS I種、四電ビジネス社製、商品名:フライアッシュ)、「フライアッシュII種」(JIS II種、四電ビジネス社製、商品名:四電フライアッシュ)、「フライアッシュIV種」(JIS IV種、四電ビジネス社製、商品名:エコアッシュ)などを好適に用いることができる。
また、下水汚泥焼却灰は、一般に二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む。
上記下水汚泥焼却灰としては、例えば東京都下水道サービス社製の商品名「スーパーアッシュ」が挙げられる。
また、上記無機質粉体は、上記成分以外に、炭酸カルシウム、タルク、酸化カルシウム等を適宜、含むことができる。特に、樹脂材料に上記無機質粉体を混合して用いる場合、これらの成分を含むことによって、より強度、寸法安定性及び耐水性を良好にすることが可能となる。
(ii)平均粒径
上記無機質粉体の平均粒径の範囲は、1000μm以下であり、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは10〜100μmである。なお、平均粒径は、ブレーン法(JIS R 5201に準拠)により測定した比表面積から求めた、比表面積径である。
なお、平均粒径は、無機質粉体を粉砕したり、ふるい分け等することにより、所望の範囲とすることができるが、市販のフライアッシュI種(JISI種、四電ビジネス社製)等を用いることにより、特に粒径を調製することなく、上記無機質粉体として好適に用いることができる。
(iii)含有量
上記無機質粉体は、放射線遮蔽部100重量%に対して、70重量%超、好ましくは75〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%含有される。含有量が上記範囲であることにより、放射線遮蔽性能、特にガンマ線遮蔽能に優れる。
また、放射線遮蔽体をより容易に製造するという観点から、上記放射線遮蔽部は、実質的に上記無機質粉体のみからなることが好ましく、より好ましくは、実質的にフライアッシュ、下水汚泥焼却灰及びこれらの混合物のみからなる。ここで、「実質的に無機質粉体のみからなる」とは、放射線遮蔽部において、90重量%以上、より好ましくは95重量%以上の上記無機質粉体を含むことをいう。
上記無機質粉体として、フライアッシュ、下水汚泥焼却灰などの焼却灰を用いた場合、所望の形状を有する筐体内部に上記焼却灰を充填することにより、より迅速、容易かつ安価に放射線遮蔽体の製造をすることが可能となり、さらに、環境特性にも優れたものとなる。
(2)放射線遮蔽部
(i)かさ密度
本発明における放射線遮蔽部のかさ密度としては、コンクリートの2.3g/cmと比較して、同程度又は軽量であれば、特に限定されない。上記放射線遮蔽部の密度としては、1.5〜2.3g/cmが好ましく、1.6〜2.0g/cmがより好ましい。密度は、上記無機質粉体の粒径、含有量や、後述する樹脂等の任意成分の含有量等を調製することにより所望の密度とすることができる。
(ii)その他の材料
また、上記放射線遮蔽部には、上記無機質粉体以外に、任意成分として、固着材を0〜30重量%含有することができる。
本発明に用いられる固着材としては、特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂、ポルトランドセメント等のセメント材料などを用いることができる。
また、上記放射線遮蔽部には、その他、必要に応じて、収縮防止剤、骨材、ガラス繊維等を含んでもよい。
(3)筐体部
本発明の放射線遮蔽体は、上記放射線遮蔽部を内部に収容する筐体部を備える。上記筐体部としては、上記放射線遮蔽部を内部に収納できるものであれば、特に形状、材質等は限定されず、必要に応じて所望の形状に形成された筐体を用いることができ、例えば、中空パネル材、容器、袋体等を用いることができる。
(i)中空パネル材
本発明の放射線遮蔽体は、例えば、図1(a)に示されるように、内部に1つ以上の中空部を有する中空パネル材を筐体部3として備え、上記放射性遮蔽部2が、上記パネル材の中空部に配置されることもできる。筐体部として、所望の形状を有する中空パネル材を用いることにより、組み立て作業が容易となる。
上記中空パネル材への上記無機質粉体等の充填方法としては、特に限定されないが、例えば、あらかじめ、中空部を有する所望の形状にパネル材を成形し、その後、前記中空部に無機質粉体を充填したり、樹脂材料内に無機質粉体を分散させたものを充填したりする方法等が挙げられる。
例えば、上記中空パネル材の中空部に、無機質粉体としてフライアッシュのみを充填することができ、この場合、フライアッシュそのものは結合力がないので、パネル内部に充填する場合は粉体が脱落しないように両端を止める等の工夫が必要となる。
上記中空パネル材の形状としては、使用目的や用途等に応じ様々で適宜選択でき、限定されるものではないが、放射線遮蔽壁等の組み立て部材として、上記パネル材を備える放射性遮蔽材を用いる場合、矩形状の中実長尺形状、もしくは矩形状の中空部を有するパネル材を形成し、後工程で、無機質粉体を充填する事が好ましい。また、パネル材のエッジに嵌合部を設けて互いに接合したり、柱に接合したりできるように構成されることが好ましく、これにより施工が容易となる。
上記中空パネル材としては、金属、金属以外の無機材、樹脂及び木材からなる群から1種類以上の材料を選択することができ、具体的には、金属、セラミック、ガラス、繊維強化プラスチック(FRP)、プラスチック等、パネル材を形成するものであれば、目的に応じて、適宜、材料を選択することができる。これらの中でも減容の観点からは、焼却できるプラスチック素材が好ましい。
(ii)容器又は袋体
本発明の放射線遮蔽体は、例えば、図1(b)に示されるように、内部に中空部を有する容器または袋体を筐体部3として備え、放射性遮蔽部2を、内部に収容してもよい。筐体部として、容器又は袋体を用いることにより、より簡便、迅速に放射線遮蔽体及び放射線遮蔽構造を構築することが可能となる。
上記容器又袋体の形状、材質等については、特に限定されず、使用目的や用途等に応じ様々で適宜選択できるが、好ましくは、放射能物質により汚染された汚染土壌等を保管するための保管容器やフレキシブルコンテナバック等が用いられる。上記保管容器やフレキシブルコンテナバックを筐体部として用い、内部にフライアッシュ、下水汚泥焼却灰などの焼却灰を充填することにより、より簡便、迅速に放射線の遮蔽を行うことが可能となる。
2.放射線遮蔽構造
本発明の放射線遮蔽構造は、放射性廃棄物の周囲に、上記放射線遮蔽体を配置し、放射線量が所望の線量まで低減された空間を創出することを特徴とする。
上記の放射線量が低減された空間とは、所望の線量まで低減されたものが創出されていれば、その形状は特に限定されるものではなく、前記放射線遮蔽体の配置の仕方により、その空間の形状を制御することができ、前記放射線遮蔽体の配置の仕方も用途に応じて任意のものである。
また、放射線の線量は、放射線遮蔽部の厚さや密度を適宜調製することにより、所望の線量に適宜、調製することができる。
本発明の放射線遮蔽構造においては、放射線遮蔽体の形状は特に限定されず、設置環境に応じた適切な形状とすることができる。
実施形態の一例を図2に示す。図2上段に示されるように、上記放射線遮蔽体が、放射性廃棄物の周囲を矩形状、円形状または多角形状となるように、放射線遮蔽体を配置することにより、上記放射性廃棄物の周囲を取り囲むように配置されてもよく、また、図2下段に示されるように、上記放射線遮蔽体が、上記放射性廃棄物を含まない空間を取り囲むように配置されてもよい。
一般的に用いられる従来のタイプの建築資材として上記放射線遮蔽体を用いる場合、ハンドリングの容易さや任意の形状の放射線遮蔽エリアを短時間で構築するという観点からパネル状の成型体、フレキシブルコンテナバック等を筐体部として用いることが好ましい。
本発明の放射線遮蔽構造の具体例としては、輸送、運搬、貯蔵の際に用いる放射線遮蔽容器、放射性廃棄物の廃棄、貯蔵用の仮置場、建造物等が挙げられる。
例えば仮置場においては、仮置場から放出される放射線が周囲の環境に影響を及ぼさないよう汚染土壌から放出される放射線を遮断、遮蔽するように放射線遮蔽体が配置される。また、フレキシブルコンテナバックにフライアッシュ、下水汚泥焼却灰などの焼却灰を充填した放射線遮蔽体を用いた場合、放射線遮蔽体を土嚢のように放射性廃棄物の周囲に配置するだけで、簡単に放射線を遮蔽することができる。
また、建物内部の放射線透過を遮蔽する場合、放射線量が多い空間の建物外壁、床、天井等に配置することができる。
なお、従来のコンクリート製、金属製等の放射線遮蔽構造と組み合わせて、前記放射線遮蔽体を含む構成にすることにより、本発明の放射線遮蔽構造を形成してもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。また、これらの実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、その他の様々な形態で実施されることが可能である。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例で用いた評価法は、以下の通りである。
1.放射線遮蔽率
放射能遮蔽率は東京都立産業技術センターにて測定依頼を行った。
測定方法及び器具は下記のとおりである。
測定方法:床から1mの高さで、線源と検出器測定中心までの距離を25cmとし、その間に試料がない場合とある場合の線量率について、それぞれ10回測定した平均値からバックグランドの線量率を差し引いた値より、遮蔽率を求めた。遮蔽率は(1−試料有/試料無)×100により求めた。
線源: セシウム137線源 10MBq(日本アイソトープ協会 照射線量率標準ガンマ線源 CS454CE 線源番号 8101)
測定器:NaIシンチレーションサーベイメータ アロカ TCS−172B
2.密度
サンプルの寸法より体積を求め、電子重量計により質量を求めることで、密度を算出した。
3.減容率
サンプルを陶器性の受け皿にいれ、初期重量を測定した後、小型マッフル炉(東和耐火工業(株)社製)にいれ、除除に昇温し、最終的に600℃×3h加熱後、サンプルを取り出し、重量を測定することで、その差分を初期重量で割り算出した。
(実施例1)
市販の90mm厚FRP(繊維強化プラスチック)中空板((株)栗本鐵工所クリアルファ)を200mm×200mmに切断し、端部をパッキンで抑え内部に無機質粉体であるフライアッシュI種(JISI種、四電ビジネス社製ファイナッシュ)を中空部に充填し、所定量充満させた後、密封し内部の粉体がこぼれないように端部をシールして、サンプルを得た。
得られたサンプルの評価結果を表1に示す。
(実施例2)
熱硬化性樹脂として、トランスフランケミカルズ社製フラン樹脂(粘度2700mPa・s、水分含有率7.4%)19重量部に無機質粉体であるフライアッシュI種(JISI種、四電ビジネス社製ファイナッシュ)を78重量部、硬化剤として、パラトルエンスルホン酸3重量部を添加した後、ホモディスパーを用い、1000rpm10分間攪拌し、フラン樹脂組成物を調整した。
実施例1のFRPの中空部に実施例2記載のフラン樹脂組成物を注入し、200×200×90mmのサンプルを得た。
得られたサンプルの評価結果を表1に示す。
(実施例3)
日本マタイ社製フレキシブルコンテナバック(製品名「MAICON」;銘柄「MH−3」)を切断し、200mm×200mm×90mmの袋体を作成した。この袋体に無機質粉体であるフライアッシュI種(JISI種、四電ビジネス社製ファイナッシュ)を充填し、内部の粉体がこぼれないように端部を紐で縛り、200×200×90mmのサンプルを得た。
得られたサンプルの評価結果を表1に示す。
(比較例1)
ポルトランドセメント23.2重量%、水12.7重量%、細骨材26.7重量%、粗骨材37.2重量%、混和剤(AE剤)0.2重量%をハンドミキサーで攪拌し、20cm角の型枠に流しんだあと水分を乾燥させることで、200×200×90mm角四方の製品を得た。評価結果を表1に示す。
得られたサンプルの評価結果を表1に示す。
Figure 2015152464
(評価結果)
実施例1〜5の放射線遮蔽体は、比較例1のコンクリートを用いた放射線遮蔽体した場合、比重が小さいにも関わらず、放射線(ガンマ線)の遮蔽率が高く、優れた放射線遮蔽能を有する。また、実施例1〜5の放射線遮蔽体は、燃焼による減容率も高く、特に無機粉体としてフライアッシュを使用しているため環境特性に優れる。
本発明の放射線遮蔽体は、放射線遮蔽能に優れ、安価、軽量及び簡便に所望の形状に放射線遮蔽構造を建築することが可能であり、かつ、容易にその撤去が可能であるため、特に、仮置場、中間貯蔵施設等の放射性廃棄物を大量に保管するための建築物の建築材として好適に用いることができる。
1 放射線遮蔽体
2 放射線遮蔽部
3 筐体部
10 放射線遮蔽構造
11 放射線性廃棄物
12 放射線汚染エリア

Claims (7)

  1. 放射線遮蔽能を有する放射線遮蔽部と、
    前記放射線遮蔽部を内部に収容する筐体部とを備え、
    前記放射線遮蔽部は、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む無機質粉体を70重量%超含有する、ことを特徴とする放射線遮蔽体。
  2. 前記無機質粉体が、フライアッシュ、下水汚泥焼却灰又はこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の放射線遮蔽体。
  3. 前記筐体部が中空パネル材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線遮蔽体。
  4. 前記筐体部が、容器または袋体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線遮蔽体。
  5. 放射性廃棄物の周囲に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の放射線遮蔽体を配置し、放射線量が所望の線量まで低減された空間を創出 することを特徴とする放射線遮蔽構造。
  6. 前記放射線遮蔽体が、前記放射性廃棄物の周囲を取り囲むように配置されることを特徴とする請求項5に記載の放射線遮蔽構造。
  7. 前記放射線遮蔽体が、前記放射性廃棄物を含まない空間を取り囲むように配置され、前記取り囲まれた空間の放射線量を低減させることを特徴とする請求項5に記載の放射線遮蔽構造。
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