JPH06230178A - 放射線遮蔽体及び放射線遮蔽装置並びに放射性廃棄物の解体方法 - Google Patents

放射線遮蔽体及び放射線遮蔽装置並びに放射性廃棄物の解体方法

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JPH06230178A
JPH06230178A JP1476193A JP1476193A JPH06230178A JP H06230178 A JPH06230178 A JP H06230178A JP 1476193 A JP1476193 A JP 1476193A JP 1476193 A JP1476193 A JP 1476193A JP H06230178 A JPH06230178 A JP H06230178A
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shielding
shield
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成良 岩倉
Hidetoshi Kanai
秀俊 金井
Toshiyori Takahashi
敏依 高橋
Kazue Ota
和恵 太田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】作業性・解体性・移動性を確保し任意形状で使
用でき収納性が優れ放射線漏洩を防止できる放射線遮蔽
体・遮蔽装置・放射性廃棄物解体方法を提供する。 【構成】遮蔽体1は平板2a,2bと側板12a,12
bと、天板22a及び底板22bとの6枚のアクリル板
で構成される遮蔽容器50と、クッション11a及び1
1bとを有する。小さい遮蔽体1としてバラバラに持ち
運び使用時には組み立てて注水口4から注水し使用する
ので移動性がよい。8個の遮蔽体1のクッション11
a,11bどうしを互いに接触させ自由な角度で連結し
任意の形状に組み合わせて使用できる。使用後はバラバ
ラの遮蔽体1として収納し収納性は良い。平板2a水5
平板2bとを透かして切断を行うことより、放射性廃棄
物6を目で確認しながら容易に作業できる。遮蔽体1及
びクッション11a,11bには水5が充填され、かつ
クッション11a,11bどうしが接触して連結される
ので、連結部は完全に密着され隙間が生じず放射線漏洩
が完全に防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、原子力発電所
で発生する放射性廃棄物の解体作業を行う際に使用する
放射線遮蔽体に係わり、特に、作業目的に応じて任意の
形状に組み合わせることができ、収納性がよく、かつ遮
蔽性に優れた放射線遮蔽体及び放射線遮蔽装置並びにこ
れを用いた放射性廃棄物の解体方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所内において使用され製品寿
命に達した機器類や配管等は、その更新の際に放射性廃
棄物として主に200リットルオープンドラム缶に収納
され、保管庫に貯蔵・保管されている。特に金属廃棄物
は、収納する際にその形状・重量・放射線汚染程度等に
より切断・解体することが要求される。この解体作業に
おいて、廃棄物の放射能汚染が著しい場合は、作業員の
被曝防止のための遮蔽装置を設置し遠隔操作によって切
断を行うことが必要となる。
【0003】放射性廃棄物の解体作業の概念図を図5に
示す。図5において、放射性廃棄物106は、作業員1
07によって操作されるプラズマ切断装置108によっ
て切断される。この際、作業員107の被曝を防止する
ためにプラズマ切断装置108と作業員との間には、予
め作業スペース等を考慮して寸法・形状等が設計された
放射線遮蔽装置120が設置される。
【0004】放射線遮蔽装置に関する公知技術例とし
て、以下のものがある。 特開昭59−12398号公報 この公知技術は、放射線遮蔽装置において、水を満たし
た長方形の箱状容器をキャスタ式車輪を備えた移動台車
に搭載して構成することにより、放射線遮蔽装置の移動
を容易にし、また使用における形状を変化させるもので
ある。
【0005】また同様に、放射線遮蔽を目的とする構造
体に関する公知技術例として、以下のものがある。 特開昭57−40496号公報 この公知技術は、内部に水を保持する放射線遮蔽体にお
いて、ガラス・透明プラスチック等で構成することによ
り、透明性を必要とする場合にも対応できる構成とする
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には以下の問題点が存在する。公知技術におい
ては、(1)箱状容器は鉄又はステンレス鋼で構成されて
おり透過性に欠ける。よって被切断物の切断状態を目視
で確認することが困難であり作業性が悪い。(2)解体作
業完了後に汚染された遮蔽装置自体を廃棄処理する際
に、金属製箱状容器の解体作業に多大な労力を要すると
ともに、解体片が多くなって取扱いが面倒である。
【0007】公知技術においては、(3)遮蔽装置を移
動することが困難である。(4)放射性廃棄物に対し多方
向から作業するための形状について考慮されていない。
【0008】また、公知技術の遮蔽体を公知技術の
遮蔽装置の箱状容器に適用した場合においては、上記
(1)〜(4)の問題点は解決されるが、以下の(5)〜(7)の問
題点がある。 (5)遮蔽装置全体としてある程度の形状自在性を有する
が、各箱状容器は蝶番式連結具でアコーディオン式に連
結・固定されるので、作業目的に応じ連結する箱状容器
の個数や連結する箇所を設計段階であらかじめ決定して
おく必要がある。また、一旦決定して製作した後は使用
できる形状が一定範囲に限定され、異なる作業場所・作
業状況・作業環境への汎用性が不十分である。したがっ
て、それらに対応して何種類もの遮蔽装置をあらかじめ
準備する必要が生じ、不経済である。
【0009】(6)放射性廃棄物を多方向より観察し又は
切断する場合は、放射性廃棄物を取り囲むように円弧形
状若しくは完全な円形形状を構成させる必要がある。こ
のとき蝶番式連結具による方法では多数の箱状容器のす
べて同じ側(放射性廃棄物を配置する側、すなわち円弧
の内側)にこの蝶番連結具を設置することとなるが、か
かる構成とすると不使用時に折り畳んで収納する際に折
り畳みが制約され極めて不便である。また完全な円形形
状を構成させる場合には少なくとも一ヶ所の開口部が必
ず生じるので、二以上の遮蔽装置を併用するか又は別途
遮蔽手段を講じる必要がある。
【0010】(7)連結部分は箱状容器の一辺と一辺とが
対向しており遮蔽に寄与する厚さが極めて薄いうえ、蝶
番式連結具による連結では連結部に隙間が生じる可能性
があり、放射線漏洩の危険が高い。またキャスタ式車輪
の部分は遮蔽が全くされておらずここより放射線が漏洩
する。よって作業員の被曝が十分低減できない。
【0011】本発明の目的は、作業性・解体性・移動性
を確保しつつ、任意形状で使用でき収納性が優れ、かつ
放射線漏洩を完全に防止できる放射線遮蔽体及び放射線
遮蔽装置並びに放射性廃棄物の解体方法を提供すること
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、放射線を遮蔽する放射線遮蔽体に
おいて、透過性部材で構成された直立する2つの板を前
面と背面とにそれぞれ備え内部に中性子吸収材が充填さ
れる箱状の容器と、前記箱状の容器の側面にそれぞれ設
けられ該箱状の容器に連通する2つの袋体とを有するこ
とを特徴とする放射線遮蔽体が提供される。
【0013】好ましくは、前記放射線遮蔽体において、
前記透過性部材は、透明プラスチック、アクリル、透明
樹脂のうちの一つであることを特徴とする放射線遮蔽体
が提供される。
【0014】また好ましくは、前記放射線遮蔽体におい
て、前記透過性部材及び袋体は、可燃性材料により構成
されることを特徴とする放射線遮蔽体が提供される。
【0015】さらに好ましくは、前記放射線遮蔽体にお
いて、前記袋体は、プラスチック、ゴム、樹脂のうちの
一つであることを特徴とする放射線遮蔽体が提供され
る。
【0016】また好ましくは、前記放射線遮蔽体におい
て、前記中性子吸収材は、水、ほう素を含有した水のう
ちの一つであることを特徴とする放射線遮蔽体が提供さ
れる。
【0017】さらに好ましくは、前記放射線遮蔽体にお
いて、前記直立する2つの板に補強材を設けたことを特
徴とする放射線遮蔽体が提供される。
【0018】また好ましくは、前記放射線遮蔽体におい
て、前記箱状の容器へ注水する注水口と、該箱状の容器
から排水する排水口とを設けたことを特徴とする放射線
遮蔽体が提供される。
【0019】上記目的を達成するために、本発明によれ
ば、複数個の前記放射線遮蔽体を有する放射線遮蔽装置
において、前記複数個の放射線遮蔽体は互いに前記袋体
を接して鎖状に配置されていることを特徴とする放射線
遮蔽装置が提供される。
【0020】好ましくは、複数個の前記放射線遮蔽体を
有する放射線遮蔽装置において、前記複数個の放射線遮
蔽体は互いに前記袋体を接して略円形に配置されている
ことを特徴とする放射線遮蔽装置が提供される。
【0021】上記目的を達成するために、本発明によれ
ば、放射性廃棄物を切断する切断手段と作業者との間に
放射線を遮蔽する遮蔽手段を配置し、その遮蔽手段を介
して前記切断手段を遠隔操作し前記放射性廃棄物を切断
する放射性廃棄物の解体方法において、前記遮蔽手段は
複数個の前記放射線遮蔽体であり、その複数個の放射線
遮蔽体をそれぞれの袋体が互いに接するように略円形に
配置し、それぞれの前記箱状の容器と袋体とに中性子吸
収材を充填して放射線を遮蔽しつつ前記切断手段により
放射性廃棄物を切断することを特徴とする放射性廃棄物
の解体方法が提供される。
【0022】
【作用】以上のように構成した本発明においては、箱状
の容器の前面と背面とは透過性部材の板であることによ
り、作業者は目視により切断状況を確認しながら容易に
作業することができる。また、遮蔽体は箱状の容器と袋
体とで構成されこれに中性子吸収材を充填して使用する
ことにより、遮蔽体自体の解体性に優れかつ解体後の廃
棄物としての物量が少ない。さらに、比較的大きさが小
さい遮蔽体としてバラバラに持ち運んでゆき所定の場所
で組み立てて使用することにより移動性がよい。また、
複数の遮蔽体の箱状の容器側面に設けられた袋体どうし
を互いに接触させて自由な角度で連結し連続体として使
用することにより、容易に任意の形状に組合せて使用す
ることができる。さらに、使用後は連結を解いてバラバ
ラの遮蔽体として収納することにより、収納性は良好で
ある。また、箱状の容器及び袋体には熱中性子を減衰す
る中性子吸収材が充填され、かつ袋体どうしが接触して
連結されることにより、連結部は完全に密着され隙間が
生じず放射線漏洩が完全に防止される。
【0023】また、透過性部材として透明プラスチッ
ク、アクリル、透明樹脂のうちの一つを用いることによ
り、使用後に可燃性廃棄物として焼却することができ廃
棄物としての物量を低減できる。
【0024】さらに、袋体及び透過性部材を可燃性材料
で構成することにより、使用後に可燃性廃棄物として焼
却することができ廃棄物としての物量を低減できる。
【0025】また、直立する2つの板に補強材を設ける
ことにより、水圧による板の変形を防止し健全性を保
つ。
【0026】さらに、箱状の容器に注水口を設けること
により、所定の場所に移動させた後に注水して使用する
ことが可能となって移動時の重量が軽くなり移動性がさ
らに向上する。また箱状の容器に排水口を設けることに
より、使用後に排水口から排水し解体作業がさらに容易
となる。
【0027】また、本発明においては、複数個の放射線
遮蔽体が互いに前記袋体を接して略円形に配置されてい
ることにより、遮蔽体の位置を変えず切断手段の場所を
変えれば別方向からの切断が可能であり、また複数の切
断手段を同時に使用して切断作業を行える。
【0028】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図4により
説明する。本実施例の放射線遮蔽体の構造を図1及び図
2に示す。図1は遮蔽体1の全体構造図であり、図2は
そのII−II線断面図である。
【0029】図1及び図2において、遮蔽体1は、前面
と背面とにそれぞれ直立する2枚の平板2a,2bと、
両側面の2枚の側板12a,12bと、天板22a及び
底板22bとの6枚のアクリル板で構成される遮蔽容器
50と、側板12a及び12bにそれぞれ設けられた透
明膜(例えばプラスチック、ゴム、樹脂等の可燃性材料
の膜)の袋体であるクッション11a及び11bとを有
する。
【0030】天板22aには、使用時に遮蔽容器50内
に中性子吸収材である水5を注入するための注水口4が
少なくとも1箇所に設けられている。また前面の平板2
aには、使用後に遮蔽容器50から水を排水するための
ドレン口10が下方の少なくとも1箇所に設けられてい
る。
【0031】遮蔽容器50の内部には、平板2a及び2
bの子午線方向に等間隔で金属製又は樹脂製の補強材3
が取付けられている。各補強材3の底板22bに接する
部分には注入された水5を導通させるための開口部3a
が設けられており、また各補強材3のピッチは注水口4
から充填される水5の静水圧により決められる。廃棄物
の大きさが小さく水5の水位が低くても足りる場合は、
静水圧が小さいので補強材3を省略した構造とすること
もできる。また水5は、例えば、MUWP(純水補給水
系)、MUWC(復水補給水系)等の系統からの水を利
用する。
【0032】2枚の平板2a,2bの間隔は、廃棄物の
放射能濃度により決定される。また、平板2a及び2b
にはそれぞれ、切断部の状態を拡大して見るためのレン
ズ9a,9bが取り付けられており、その高さは作業に
最も適するように(例えば作業員の目の高さに)決定さ
れる。
【0033】両側面の側板12a,12bの下方の底板
22bに接する部分には開口部11c,11dがそれぞ
れ設けられており、これによってクッション11a,1
1bと遮蔽容器50の内部とが連通している。
【0034】なお遮蔽体1の形状・寸法は、廃棄物の形
状・寸法、切断作業を行う場所等の条件によって最適な
寸法・形状を選択する。
【0035】上記構成の遮蔽体1を用いた放射線遮蔽装
置を図3に示す。図3において、放射線遮蔽装置150
は、8個の遮蔽体1が互いにクッション11a,11b
を接して略円形に配置されて構成される。このときある
遮蔽体1のクッション11aと、これと隣りあう遮蔽体
1のクッション11bとは、左右から押さえつけられ隙
間なく密着されている。
【0036】またそれぞれの遮蔽体1において、遮蔽容
器50の天板22aの注水口4から水(図示せず)が注
入され、この水は側板12aに設けられた開口部12
c、及び側板12bに設けられた開口部12dを通じて
それぞれクッション11a及び11bに流入する。すな
わち遮蔽容器50及びクッション11a及び11bの内
部に水が満たされている。
【0037】以上において、移動時には比較的大きさが
小さい遮蔽体1としてバラバラに持ち運んでゆき、使用
時には所定の場所で組み立てて注水し使用することによ
り移動性がよい。また、8個の遮蔽体1の遮蔽容器50
の側板12a,12bに設けられたクッション11a,
11bどうしを互いに接触させることにより自由な角度
で連結し容易に任意の形状に組み合わせて使用できる。
さらに、使用後は連結を解いてバラバラの遮蔽体1とし
て収納することより収納性は良好である。また、平板2
a及び2bに補強材3を設けることにより、水圧による
変形を防止し健全性を保つ。
【0038】この遮蔽装置150を用いた放射性廃棄物
の解体作業を図4に示す。図4において、略円形の遮蔽
装置150の中に放射性廃棄物6及び放射性廃棄物6を
切断するマニプレータ8を設置し、作業者7は放射性廃
棄物6からの放射線を防護しつつ遮蔽装置150を介し
てマニプレータ8を遠隔操作し、マニプレータ8の先端
に取付けたプラズマ切断トーチ8aにより放射性廃棄物
6の解体作業を行う。この際、作業者7は遮蔽容器50
前面のアクリルの平板2a、水5、遮蔽容器50のアク
リルの平板2bとを透かして切断を行う。また切断部の
状態を詳細に観察する場合には、前面の平板2a及び背
面の平板2bに取り付けたレンズ9a,9bによって拡
大して観察する。
【0039】以上において、作業者7はアクリルの平板
2a、水5、アクリルの平板2bとを透かして切断を行
うことより、放射性廃棄物6の切断状況を広範囲に渡っ
て確認しながら容易に作業をすることができる。遮蔽装
置150を移動することなくマニプレータ8のみの場所
を円弧に沿って変えることにより別方向からの切断がで
き、また複数のマニプレータ8を同時に使用して切断作
業を行うことができる。さらに遮蔽体1及びクッション
11a,11bには水5が充填され、かつクッション1
1a,11bどうしが接触して連結されることより、連
結部は完全に密着され隙間が生じず放射線漏洩が完全に
防止される。
【0040】次に、上記解体作業終了時には、遮蔽装置
150の遮蔽体1自体が汚染しているので、遮蔽体1を
解体し除却する必要がある。まず中性子吸収材である水
をドレン口10から機器ドレン系等の系統へ排出し、遮
蔽容器50及びクッション11a,11bを解体する。
また補強材3が金属製の場合には適切な長さに切断すれ
ばドラム缶数個程度で収納可能でありドラム缶貯蔵庫に
て保管する。補強材3を樹脂とした場合には、遮蔽容器
50及びクッション11a,11bと同様に焼却でき
る。
【0041】以上において、遮蔽容器50は6枚のアク
リル板で構成されクッション11a,11bは可燃性材
料の薄い膜で構成されていることにより、遮蔽体1は解
体性に優れており、かつ解体後遮蔽容器50もクッショ
ン11a,11bも可燃性廃棄物として焼却することが
でき物量を低減できる。また遮蔽容器50のドレン口1
0から使用後に水を排水することにより解体作業が容易
となる。
【0042】本実施例によれば、遮蔽容器50の前面の
平板2aと背面の平板2bとはアクリル板であるので、
作業者7は目視により切断状況を確認しながら容易に作
業することができる。また詳細に観察する場合にはレン
ズ9a,9bにより拡大観察できる。さらに、平板2a
及び2bに補強材3を設けることにより、水圧による変
形を防止し健全性を保つことができる。また、遮蔽体1
はアクリル製の遮蔽容器50と可燃性材料のクッション
11a,11bとで構成され使用後には水5をドレン口
10より排出するので遮蔽体1自体の解体性に優れ、か
つ解体後はすべて可燃性廃棄物として焼却するので物量
が少ない。さらに、比較的大きさが小さい遮蔽体1とし
てバラバラに持ち運んでゆき所定の場所で組み立てた後
注水口4から注水して使用するので移動性がよい。ま
た、8個の遮蔽体1の遮蔽容器50の側板12a,12
bに設けられたクッション11a,11bどうしを互い
に接触させて自由な角度で連結し遮蔽装置150として
使用するので、容易に任意の形状に組合せて使用するこ
とができる。よって作業スペース及び放射性廃棄物6の
形状に制約されず自由に作業場所を選定できる。また既
存の他の遮蔽装置との組合せにより遮蔽装置を構成する
こともできる。さらに遮蔽装置150を移動することな
くマニプレータ8のみの場所を変えれば別方向からの切
断ができ、また複数のマニプレータ8を同時に使用して
切断作業を行うことができる。さらに、使用後は連結を
解いてバラバラの遮蔽体1として収納するので、収納性
は良好である。また、遮蔽体1及びクッション11a,
11bには水5が充填され、かつクッション11a,1
1bどうしが接触して連結されるので、連結部は完全に
密着され隙間が生じず放射線漏洩が完全に防止される。
よって作業者7の被曝低減が可能である。
【0043】なお、水5の代わりに、熱中性子吸収能力
がより優れているほう酸水(ほう素を含有した水)を用
いることもでき、この場合、被切断物の放射線濃度や遮
蔽体1の構造に応じて十分なな遮蔽効果が期待できるよ
うな濃度を選択することができる。また、上記遮蔽装置
150は8個の遮蔽体1を略円形に配置したが、この形
状や8個に限定されるものではなく、遮蔽容器50の側
板12a,12bに設けられたクッション11a,11
bどうしを互いに接触させて自由な角度で鎖状に連結し
て配置することによって、任意の形状・個数に組合せて
使用することができる。また、上記遮蔽容器50におい
て、前面の平板2a、背面の平板2b、側板12a及び
12b、天板22a、底板22bをすべてアクリル板で
構成したが、他の透明性の部材、例えば、ガラス、透明
プラスチック、アクリル、透明樹脂等でも良い。さらに
前面の平板2aと背面の平板2bのみが透明性の部材で
あれば足り、その他の4枚は非透明の有色材でもよい。
視界は遮蔽容器50の平板2a及び2bが透明であるこ
とで十分確保されるからである。またクッション11a
及び11bとを透明な袋体としたが、同様に必ずしも透
明でなくても足りる。このときこれらが可燃性でない材
料であっても遮蔽容器50は中空構造であるので、解体
後の物量を低減する効果は十分ある。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、箱状の容器の前面と背
面とは透過性部材の板であるので、作業者は目視により
切断状況を確認しながら容易に作業することができる。
詳細に観察する場合はレンズにより拡大観察できる。ま
た、遮蔽体は箱状の容器と袋体とで構成されこれに中性
子吸収材を充填して使用するので、遮蔽体自体の解体性
に優れかつ解体後の廃棄物としての物量が少ない。さら
に、比較的大きさが小さい遮蔽体としてバラバラに持ち
運んでゆき所定の場所で組み立てて使用するので移動性
がよい。また、複数の遮蔽体の箱状の容器側面に設けら
れた袋体どうしを互いに接触させて自由な角度で連結し
連続体として使用するので、容易に任意の形状に組合せ
て使用することができる。よって作業スペース及び被切
断物の形状に制約されず自由に作業場所を選定できる。
また既存の他の遮蔽装置との組合せにより遮蔽装置を構
成することもできる。さらに、使用後は連結を解いてバ
ラバラの遮蔽体として収納するので、収納性は良好であ
る。また、箱状の容器及び袋体には熱中性子を減衰する
中性子吸収材が充填され、かつ袋体どうしが接触して連
結されるので、連結部は完全に密着され隙間が生じず放
射線漏洩が完全に防止される。よって作業者の被曝低減
が可能である。
【0045】また、透過性部材として透明プラスチッ
ク、アクリル、透明樹脂のうちの一つを用いるので、使
用後に可燃性廃棄物として焼却することができ廃棄物と
しての物量を低減できる。
【0046】さらに、透過性部材及び袋体を可燃性材料
で構成するので、使用後に可燃性廃棄物として焼却する
ことができ廃棄物としての物量を低減できる。
【0047】また、直立する2つの板に補強材を設ける
ことにより、水圧による板の変形を防止し健全性を保つ
ことができる。
【0048】さらに、箱状の容器に注水口を設けるの
で、所定の場所に移動させた後に注水して使用すること
が可能となって移動時の重量が軽くなり移動性がさらに
向上する。また箱状の容器に排水口を設けるので、使用
後に排水口から排水し解体作業がさらに容易となる。
【0049】また本発明によれば、複数個の放射線遮蔽
体が互いに前記袋体を接して略円形に配置されているの
で、遮蔽体の位置を変えず切断手段の場所を変えれば別
方向からの切断が可能であり、また複数の切断手段を同
時に使用して切断作業を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の放射線遮蔽体の全体構造図で
ある。
【図2】放射線遮蔽体の断面図である。
【図3】放射線遮蔽装置の全体構造図である。
【図4】放射線遮蔽装置を用いた放射性廃棄物の解体作
業を示す図である。
【図5】従来技術による放射性廃棄物の解体作業を示す
図である。
【符号の説明】
1 遮蔽体 2a,b 平板 3 補強材 4 注水口 5 水 6 放射性廃棄物 7 作業者 8 マニプレータ 10 ドレン口 11a,b クッション 50 遮蔽容器 150 遮蔽装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 和恵 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線を遮蔽する放射線遮蔽体におい
    て、 透過性部材で構成された直立する2つの板を前面と背面
    とにそれぞれ備え内部に中性子吸収材が充填される箱状
    の容器と、その箱状の容器の側面にそれぞれ設けられ前
    記箱状の容器に連通する2つの袋体とを有することを特
    徴とする放射線遮蔽体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の放射線遮蔽体において、
    前記透過性部材は、透明プラスチック、アクリル、透明
    樹脂のうちの一つであることを特徴とする放射線遮蔽
    体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の放射線遮蔽体において、
    前記透過性部材及び袋体は、可燃性材料により構成され
    ることを特徴とする放射線遮蔽体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の放射線遮蔽体において、
    前記袋体は、プラスチック、ゴム、樹脂のうちの一つで
    あることを特徴とする放射線遮蔽体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の放射線遮蔽体において、
    前記中性子吸収材は、水、ほう素を含有した水のうちの
    一つであることを特徴とする放射線遮蔽体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の放射線遮蔽体において、
    前記直立する2つの板に補強材を設けたことを特徴とす
    る放射線遮蔽体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項記載の放射
    線遮蔽体において、前記箱状の容器へ注水する注水口と
    該箱状の容器から排水する排水口とを設けたことを特徴
    とする放射線遮蔽体。
  8. 【請求項8】 複数個の請求項1〜7のいずれか1項記
    載の放射線遮蔽体を有する放射線遮蔽装置において、前
    記複数個の放射線遮蔽体は互いに前記袋体を接して鎖状
    に配置されていることを特徴とする放射線遮蔽装置。
  9. 【請求項9】 複数個の請求項1〜7のいずれか1項記
    載の放射線遮蔽体を有する放射線遮蔽装置において、前
    記複数個の放射線遮蔽体は互いに前記袋体を接して略円
    形に配置されていることを特徴とする放射線遮蔽装置。
  10. 【請求項10】 放射性廃棄物を切断する切断手段と作
    業者との間に放射線を遮蔽する遮蔽手段を配置し、その
    遮蔽手段を介して前記切断手段を遠隔操作し前記放射性
    廃棄物を切断する放射性廃棄物の解体方法において、 前記遮蔽手段は複数個の請求項1〜7のいずれか1項記
    載の放射線遮蔽体であり、その複数個の放射線遮蔽体を
    それぞれの袋体が互いに接するように略円形に配置し、
    それぞれの前記箱状の容器と袋体とに中性子吸収材を充
    填して放射線を遮蔽しつつ前記切断手段により放射性廃
    棄物を切断することを特徴とする放射性廃棄物の解体方
    法。
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