JP2015014548A - 放射線遮蔽容器、放射線遮蔽函体、及び放射性廃棄物の収容方法 - Google Patents

放射線遮蔽容器、放射線遮蔽函体、及び放射性廃棄物の収容方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本願発明の課題は、従来の放射性廃棄物の保管技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、放射線を的確に遮蔽し、短期間かつ低コストで保管設備を設置するとともに、遮蔽物の軽量化を図った放射性廃棄物の保管技術を提供することである。【解決手段】本願発明の放射線遮蔽函体は、2以上を組み合わせることによって放射性廃棄物を収容する放射線遮蔽容器を形成するものである。放射線遮蔽函体は、底板と複数の壁板によって構成され、自立可能な形状となっている。底板と複数の壁板で囲まれる内部には、充填材を入れるための充填空間が形成され、複数の壁板のうち対向する一対の壁板の間には、壁板を連結する補強材が設けられている。【選択図】図1

Description

本願発明は、放射線に汚染された土壌や、草木、がれきなど放射線に汚染された廃棄物(以下、これらを総称して「放射性廃棄物」という。)の保管に関するものであり、より具体的には、放射性廃棄物を保管するための放射線遮蔽函体と、放射性廃棄物を収容する方法に関するものである。
我が国は地震が頻発する国として知られ、近年では、東北地方太平洋沖地震をはじめ、兵庫県南部地震、新潟県中越地震など大きな地震が発生し、そのたびに甚大な被害を被ってきた。特に東日本大震災では、津波によって計り知れない被害を受けたうえ、さらに福島原子力発電所の原子炉が損壊するという事故に見舞われた。原子炉事故に伴い大量に放出された放射性物質は、エアロゾルなどの形で広域に移流拡散し、降雨に伴って地上に降下沈着した結果、地域住民の生活環境に大きな影響を及ぼすに至った。
このような背景の下、放射性物質汚染対処特別措置法が施行され、放射性物質が沈着した土壌や、草木、がれき等の除去といったいわゆる除染措置が鋭意進められている。地域の被ばくリスク低減のため除染措置は不可欠であるものの、この除染措置には難題が山積している。特に、放射性物質に汚染された廃棄物の仮置き、中間貯蔵や最終処分といった処分場所がいまだ確保されていないことは、極めて重要な問題である。なぜなら、除染によって生じる除染廃棄物の処分場所の確保がボトルネックとなり、除染措置が思うように進められていないからである。
仮置き場さえ十分に確保されていない一方で除染措置は継続して進められており、その結果、発生した土壌や、草木、がれきといった放射性廃棄物は、例えば民家の庭など暫定的に確保した仮置き場(以下、「暫定的仮置き場」という。)で保管されている。
放射性廃棄物は放射線を放出するものであり、暫定的仮置き場で保管する場合であっても放射線を遮蔽する必要がある。前記した放射性物質汚染対処特別措置法は、人の健康や生活環境に及ぼす影響を速やかに低減することを目的としており、これによれば放射性廃棄物(特定廃棄物)は環境省令で定める基準に従って保管し処分することを義務付けている。例えば、放射性廃棄物はその放射能濃度によって保管方法が分けられており、放射能濃度が中濃度(8,000Bq/kg超、10万Bq/kg以下)のものは管理型処分場で保管し、放射能濃度が高濃度(10万Bq/kg超)のものは中間貯蔵施設(十分な水密性、強度及び耐久力を有する外周仕切設備を備えた遮断型処分場等)で保管するよう規定している。このように、放射性廃棄物は慎重に保管すべきものであり、暫定的仮置き場で保管する場合もやはり放射線を遮蔽する何らかの対策を講じる必要がある。
ところで、放射線はセシウムなどの放射性物質にある原子核が崩壊して放出されるものである。放射性物質から放射された放射線は、人体を含む「物体」に衝突するとその物質内にある原子や分子の電子を弾き飛ばして電離(イオン化)させる。このとき、放射線に備わるエネルギーが費やされ、すべてのエネルギーが消費されると放射線は衝突した物体に留まり、エネルギーが残っていればその物体を通過する。つまり、同じエネルギーを持つ放射線であれば、多くの電子を有する物体ほど留まりやすく、逆に電子が少ない物体ほど透過しやすい。ここで、物質の質量は原子中にある陽子と中性子の数に比例し、陽子の数と電子の数が等しいことを考えれば、物質の質量が大きいほど放射線を留めやすい、すなわち遮蔽しやすいこととなる。
以上のことから、放射性廃棄物からの放射線を遮蔽するためには、周囲を重量のある遮蔽物で覆うことが考えられる。これまでも、放射性廃棄物を遮蔽物で覆う種々の手法が提案されてきた。例えば特許文献1では、プレキャストコンクリート製の「保管ボックス」で放射性廃棄物を保管することを提案している。この保管ボックスは、本体であるボックス状ブロックと蓋パネルからなり、ボックス状ブロックの内面には遮水シートが敷設されている。
特開2013−068601号公報
先にも述べたとおり仮置き場等が確保されていない現状では、市街地等における除染措置で発生する放射性廃棄物を、暫定的仮置き場で保管している。このとき放射性廃棄物は、容量1m程度のトンパック(あるいはフレコンパック)と呼ばれる袋状の容器に収容されて保管されるのが一般的である。そしてトンパックに収められた放射性廃棄物は、民家の庭など手近なヤードを暫定的仮置き場として保管されている。
環境省による「除去土壌の保管に係るガイドライン」では放射線を遮蔽するため放射性廃棄物の側面及び上部を遮蔽物で覆うこととしており、例えば30cmの覆土を行うと放射線は1/40に低減されることを示している。しかしながら、暫定的仮置き場で保管される場合、ヤード広さの制限もあってトンパックをプラスチック製のドラム缶に収容するにとどまるケースが多くみられる。極端な例では、トンパックに詰めた放射性廃棄物を暫定的仮置き場に野ざらし状態で放置しているケースさえある。
特許文献1が提案する手法によれば、放射性廃棄物をコンクリートで覆うことから相当の遮蔽効果が期待できるうえ、短期間で保管設備を設置することができるとともに、保管設備の移動や撤去も比較的容易にできるという利点がある。しかしながら、放射線を遮蔽するためには相当の重量が必要であることを考えれば、必然的にコンクリート製の保管ボックスは大きな重量物となる。このような保管ボックスは、製作費がかかるうえに、運搬や設置のため種々の重機を要し施工費もかさむ。特に、重量の大きな保管ボックスを設置するためにはクレーン等の揚重機が必要となるが、民家の庭など狭いヤードでは揚重機を配置するスペースが確保できないことも考えられる。
本願発明の課題は、従来の放射性廃棄物の保管技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、放射線を的確に遮蔽し、短期間かつ低コストで保管設備を設置するとともに、遮蔽物の軽量化を図った放射性廃棄物の保管技術を提供することである。
本願発明は、放射線を遮蔽する遮蔽物として中空の函体を用い、現地にて重量物としての遮蔽物を完成させるという点に着目してなされたものであり、これまでにない発想に基づいて行われた発明である。
本願発明の「放射線遮蔽函体」は、2以上を組み合わせることによって放射性廃棄物を収容する「放射線遮蔽容器」を形成するものである。放射線遮蔽函体は、底板と複数の壁板によって構成され、自立可能な形状となっている。底板と複数の壁板で囲まれる内部には、充填材を入れるための充填空間が形成され、複数の壁板のうち対向する一対の壁板の間には、壁板を連結する補強材が設けられている。この補強材の効果で、充填空間に土砂等の充填材を入れても、放射線遮蔽函体のはらみ出しを防ぐことができる。
本願発明の放射線遮蔽函体は、他の放射線遮蔽函体と接合するための係止部を具備したものとすることもできる。この係止部を、他の放射線遮蔽函体の係止部と嵌合させることによって、他の放射線遮蔽函体との接合が強固になるうえ、より確実に放射線を遮蔽することができる。
本願発明の放射線遮蔽函体は、底板が壁体に脱着可能に取り付けられたものとすることもできる。充填空間内に充填材が入った状態でも、底板の取り外しが可能であることから、放射線遮蔽容器を撤去する際、放射線遮蔽函体を引き上げるだけで容易に充填材を取り除くことができる。
本願発明の放射性廃棄物の収容方法は、函体設置工程と、容器形成工程、収容工程を備えた方法である。函体設置工程では、2以上の放射線遮蔽函体を設置する。この放射線遮蔽函体は、底板と複数の壁板によって構成され、自立可能な形状となっている。容器形成工程では、2以上の放射線遮蔽函体を組み合わせるとともに、放射線遮蔽函体を構成する底板と複数の壁板で囲まれた充填空間に充填材を入れて、放射線遮蔽容器を形成する。収容工程では、放射線遮蔽容器内に放射性廃棄物を収容する。なお、放射線遮蔽函体を構成する複数の壁板のうち対向する一対の壁板の間には補強材が設けられており、充填空間に充填材を入れたときの放射線遮蔽函体のはらみ出しを防止することができる。
本願発明の放射性廃棄物の収容方法は、係止部を具備する放射線遮蔽函体を使用した放射線遮蔽容器によって、放射性廃棄物を収容する方法とすることもできる。この係止部は、他の放射線遮蔽函体と接合するためのものであり、この場合の容器形成工程は、放射線遮蔽函体の係止部を他の放射線遮蔽函体の係止部と嵌合させることによって放射線遮蔽函体を組み合わせる。
本願発明の放射性廃棄物の収容方法は、放射線遮蔽函体を撤去する撤去工程を備えた方法とすることもできる。撤去工程では、充填空間内に充填材が入った状態で底板を取り外し、放射線遮蔽函体を引き上げて充填空間から充填材を取り除く。
本願発明の放射線遮蔽函体、及び放射性廃棄物の収容方法には、次のような効果がある。
(1)放射線遮蔽函体が中空のため軽量であり、運搬や設置が極めて容易である。特に設置の際に揚重機を必要としないので、狭い暫定的仮置き場でも難なく放射線遮蔽函体を設置することができ、様々な場所で幅広く採用することができる。
(2)従来のコンクリート製品に比べ軽量であり、つまり製作費や運搬・設置に係る費用が著しく低減される。
(3)充填空間に入れる充填材には土砂等を利用することができるので、この点でも容易かつ低コストで実施することができる。
(4)充填空間には一対の壁板を連結する補強材が設けられているので、充填材によって放射線遮蔽函体の一部が膨らむ、いわゆる「はらみ出し」を防止することができる。
(5)放射線遮蔽函体が、他の放射線遮蔽函体と接合するための係止部を具備することによって、他の放射線遮蔽函体との接合が強固になるうえ、より確実に放射線を遮蔽することができる。
(6)放射線遮蔽函体の底板を脱着可能に取り付けることによって、放射線遮蔽容器を撤去する際、放射線遮蔽函体を引き上げるだけで容易に充填材を取り除くことができる。
本願発明の放射線遮蔽函体を示す斜視図。 (a)は本願発明の複数の放射線遮蔽函体を組み合わせる状況を示す説明図、(b)は充填空間内に充填材を投入する状況を示す説明図、(c)は放射線遮蔽容器内に放射性廃棄物を収容する状況を示す説明図、(d)は放射性廃棄物を蓋で覆う状況を示す説明図。 脱着可能な底板を示す斜視図。 (a)は放射線遮蔽函体に設けられたカギ型の係止部を説明する平面図、(b)は凹凸型の係止部を説明する平面図。 本願発明の放射性廃棄物の収容方法の主な流れを示すフロー図。
本願発明の放射線遮蔽函体、及び放射性廃棄物の収容方法の実施形態の一例を図に基づいて説明する。
1.全体概要
図1は、本願発明の放射線遮蔽函体100を示す斜視図である。この図に示すように放射線遮蔽函体100は、他の支えなく佇立姿勢を維持する(以下、「自立する」という。)ことが可能な形状であり、板状の部材で構成された中空構造となっている。
2以上の放射線遮蔽函体100を組み合わせると、放射性廃棄物200の収容が可能な放射線遮蔽容器300を形成する。図2は、本願発明の放射線遮蔽函体100を用いて放射線遮蔽容器300を形成し、この放射線遮蔽容器300内に放射性廃棄物200を収容するまでの過程を示す説明図である。
図2に示すように、まずは2以上の放射線遮蔽函体100を組み合わせ(図2の(a))、その状態で放射線遮蔽函体100の中空部分である充填空間に土砂等の充填材400を投入する(図2の(b))。ここまでの工程で形成された放射線遮蔽容器300の中に、トンパック等に詰められた放射性廃棄物200を収容し(図2の(c)、上部から蓋500で覆って(図2の(d))、放射性廃棄物200を所定期間だけ保管する。
以下、本願発明の実施形態の例について具体的に説明する。
2.放射線遮蔽函体
図1を参照して、放射線遮蔽函体100を詳細に説明する。放射線遮蔽函体100は、既述のとおり複数の板状部材で構成され、この図では壁板101と、底板102、側板103によって構成されている。また、壁板101や底板102で囲まれた内部には、中空である充填空間104が形成されている。そして、この充填空間104には複数の補強材105が設けられ、外壁板101aと内壁板101bとを連結している。
(自立形状)
本願発明の放射線遮蔽函体100は、自立することのできる形状を呈している。図1に示す放射線遮蔽函体100は平面視でL字の形状となっており、他の支えがなくとも転倒することがない。もちろん放射線遮蔽函体100は、平面視がL字の形状であるのものに限らず、自立可能な形状であれば種々の形状を採用することができる。
(壁板と底板)
放射線遮蔽函体100を構成する壁板101や底板102、側板103は、軽量な部材とすることが望ましい。放射線遮蔽函体100の軽量化を図り、これに係る運搬や設置を容易にするためである。ただし壁板101には、充填空間104内の充填材400による側圧に耐える程度の強度が求められる。壁板101や底板102、側板103としては、薄肉の鋼板、合成樹脂製板、木製板や合板などが例示できる。また、プラパール(登録商標)という製品を、壁板101や底板102、側板103に用いることもできる。
図1に示す放射線遮蔽函体100は平面視がL字形状であり、4つの壁板101(2つの外壁板101aと、2つの内壁板101b)と、2つの底板102、2つの側板103で構成されている。これらの板材を従来から用いられている手法によって組み合わせることで、放射線遮蔽函体100は形成される。例えば、板材どうしをボルトやビス等を用いて連結したり、あるいは板材どうしを溶接や溶着、熱融着等によって接合したり、その他種々の方法によって板材を組み合わせ、放射線遮蔽函体100は形成される。板材としてプラパールを用いた場合は、専用のジョイント部材(Pジョイント)によって板材どうしを連結することができる。なお、4つの壁板101を用いると説明したが、L字形の壁板101を作成し、2つの壁板101によって図1の放射線遮蔽函体100を形成することもできる。また、壁板101と底板102を一体とした部材や、壁板101と側板103を一体とした部材を組み合わせて形成することもできる。あるいは母型を利用して、放射線遮蔽函体100を一体的に一部材で形成してもよい。
(充填空間と補強材)
壁板101や底板102、側板103によって囲まれた内部は、充填材400を詰めることのできる充填空間104が形成されている。この充填空間104の寸法は適宜設計することができ、例えば充填材400として土砂を採用した場合、充填空間104の幅を30cm程度とすることができる。環境省が示す30cmの覆土によれば放射線は1/40に低減されることから、30cm幅で充填された土砂(充填材400)も、同等の効果を発揮すると考えられる。なお、土砂を充填材400とする場合は、放射線を受けていない土砂を採用することが望ましい。また、充填材400としては土砂のほか種々の材料を用いることができるが、放射線の遮蔽効果を考えると相当の単位体積重量を有する材料を選ぶことが望ましい。
充填空間104内に充填材400を詰めると壁板101には側圧がかかり、壁板101がはらみ出すことが考えられる。このはらみ出しは、板材間に隙間を生じ、結果的に放射線の遮蔽効果を低減させるおそれもある。そこで、充填空間104内には補強材105が設けられる。この補強材105は、対向する一対の壁板101を連結するもので、図1では対向する外壁板101aと内壁板101bとを連結している。したがって補強材105は、それぞれの壁板101に固定される。補強材105が外壁板101aと内壁板101bとを連結する結果、充填材400による側圧がかかっても壁板101のはらみ出しを防止することができるわけである。
補強材105を壁板101に固定する手法は、従来から用いられている溶着や接着や熱融着、ボルトやビス等による接合といった手法を用いることができる。なお、補強材105を底板102に固定することもできるが、後に説明するように、底板102と壁板101とを脱着可能に取り付けた場合は、補強材105は底板102に固定されない。
補強材105としては、図1に示す板状のもののほか、セパレータを用いることもできる。このセパレータは、コンクリート打設用の型枠などに用いられるもので、外壁板101aと内壁板101bを貫通して固定し、双方を連結するものである。設置するセパレータの寸法や配置間隔は、放射線遮蔽函体100の形状や大きさに応じて適宜設計される。
(脱着式の底板)
底板102は、壁板101と側板103に取り付けられるが、脱着可能とすることもできる。図3は、脱着可能な底板102を示す斜視図である。この図に示すように、底板102に折返し部を設け、この折返し部を壁板101や側板103に当て、ボルトやビス、その他の接合材によって底板102を取り付ける。この結果、放射線遮蔽函体100の充填空間104内に充填材400を詰めた状態でも、側方からボルト等を外すことができる。つまり、放射線遮蔽函体100を撤去する際、底板102と壁板101等を分離したうえで壁板101等を引き上げることができ、容易に放射線遮蔽函体100から充填材400を取り除くことができるわけである。もちろん底板102を脱着可能に取り付ける手法は、充填材400を詰めた状態で底板102を取り外すことができれば、図3の手法に限らず他の手法を採用することができる。
(放射線遮蔽容器)
2以上の放射線遮蔽函体100を組み立てたものが、放射線遮蔽容器300である。図2に示すように、放射線遮蔽容器300の内部には収容空間が形成され、この収容空間に放射性廃棄物200を収容する。充填材400が充填された放射線遮蔽函体100は相当な重量物となっており、収容した放射性廃棄物200からの放射線を適切に遮蔽することができる。また、図2(d)に示すように、放射性廃棄物200を収容した後、上部に蓋500を設置することもできる。この蓋500は、板状のものでも良いし、シート状のものとすることもできる。なお、蓋500の裏面(放射性廃棄物200に接近する面)に遮蔽シートを貼り付けておくと、放射線の遮蔽効果の面からより好適となる。
放射線遮蔽函体100に設けられる係止部106を利用して、放射線遮蔽容器300を組み立てることもできる。図4は、放射線遮蔽函体100に設けられた係止部106を説明する平面図であり、(a)は係止部106をカギ型とした図、(b)は係止部106を凹凸型とした図である。この図に示すように、それぞれの放射線遮蔽函体100に係止部106を設けた場合、接合される双方の係止部106を嵌合させることによって、2以上の放射線遮蔽函体100を組み立てる。この結果、放射線遮蔽函体100はより強固に接合されるうえに、放射性廃棄物200からの放射線をより適切に遮蔽することができるわけである。
図4(a)では、放射線遮蔽函体100の一部を欠損させることで、端部にカギ型(階段形状)の係止部106を設けている。この欠損した空間に、接合する他方の放射線遮蔽函体100の一部を嵌合させ、同様に、接合する他方の放射線遮蔽函体100の欠損部に自身の一部を嵌合させて、双方の放射線遮蔽函体100を組み合わせる。図4(b)では、放射線遮蔽函体100の一方の端部を凸型に形成し、他方の端部を凹型に形成して係止部106を設けている。この場合、接合する一方の放射線遮蔽函体100に形成された凸型の係止部106を、他方の放射線遮蔽函体100に形成された凹型の係止部106に嵌合させて、双方の放射線遮蔽函体100を組み合わせる。
3.放射性廃棄物の収容方法
図5を参照して、本願発明の放射性廃棄物の収容方法を説明する。図5にも示すように本方法は、「収容ステップ」と、「仮置きステップ」、「撤去ステップ」に大別されるが、本願発明は主に「収容ステップ」を構成する。便宜上、ここでは暫定的仮置き場に放射性廃棄物200を保管する場合で説明する。なお、ここで説明する方法は、「2.放射線遮蔽函体」で説明した放射線遮蔽函体100を用いる方法であり、重複を避けるため既に説明した内容はここでは省略する。
まず、計画された暫定的仮置き場に2以上の放射線遮蔽函体100を搬入する(Step10)。なお、放射線遮蔽函体100はあらかじめ工場等で製造され、そこから暫定的仮置き場まで搬送される。搬入された放射線遮蔽函体100は、それぞれ予定された位置に設置され(Step20)、例えば係止部106を利用して所定の形状となるよう放射線遮蔽函体100を組み立てる(Step30)。なお、放射線遮蔽函体100の形状によっては、3以上の放射線遮蔽函体100を用いて組み立てることもある。
組み立てられた2以上の放射線遮蔽函体100に充填材400を投入する(Step40)。この充填材400は、放射線遮蔽函体100に設けられた充填空間104内に充填され、この結果、放射線遮蔽函体100は所望の重量物となる。ここまでの工程で形成されるのが、放射線遮蔽容器300である。
放射線遮蔽容器300の内部には収容空間が形成されており、この収容空間に放射性廃棄物200を収容する(Step50)。既述のとおり、放射性廃棄物200を収容した後、上部に蓋500を設置することもできる(Step60)。放射性廃棄物200を収容できると、所定期間この状態を維持し、放射性廃棄物200を保管する(Step70)。
仮置き場、あるいは中間貯蔵が確保され、収容した放射性廃棄物200の移送先が決まれば、放射線遮蔽容器300から放射性廃棄物200を取り出し、目的地に向けて搬出する(Step80)。その後、放射線遮蔽容器300を撤去するが、このとき底板102が脱着可能に取り付けられていれば、まず底板102から取り外す(Step90)。そして、底板102から分離された放射線遮蔽函体100を引き上げて、収容空間104内の充填材400を取り除く(Step100)。最後に、取り除かれた充填材400と、取り外した底板102を暫定的仮置き場から搬出する(Step110)。
本願発明の放射線遮蔽函体、及び放射性廃棄物の収容方法は、除染後に排出される放射性廃棄物に利用する場合に限らず、原子力発電所で適切に使用した後に処分される材料や部品を、一時的に保管する場合にも利用することができる。本願発明は、いままさに喫緊の課題となっている放射性廃棄物の保管場所に対して好適な解決策を提供することを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明である。
100 放射線遮蔽函体
101 (放射線遮蔽函体の)壁板
101a (壁板のうちの)外壁板
101b (壁板のうちの)内壁板
102 (放射線遮蔽函体の)底板
103 (放射線遮蔽函体の)側板
104 (放射線遮蔽函体の)充填空間
105 (放射線遮蔽函体の)補強材
106 (放射線遮蔽函体の)係止部
200 放射性廃棄物
300 放射線遮蔽容器
400 充填材
500 蓋
本願発明は、放射線に汚染された土壌や、草木、がれきなど放射線に汚染された廃棄物(以下、これらを総称して「放射性廃棄物」という。)の保管に関するものであり、より具体的には、放射性廃棄物を保管するための放射線遮蔽函体と、放射性廃棄物を収容する方法に関するものである。
我が国は地震が頻発する国として知られ、近年では、東北地方太平洋沖地震をはじめ、兵庫県南部地震、新潟県中越地震など大きな地震が発生し、そのたびに甚大な被害を被ってきた。特に東日本大震災では、津波によって計り知れない被害を受けたうえ、さらに福島原子力発電所の原子炉が損壊するという事故に見舞われた。原子炉事故に伴い大量に放出された放射性物質は、エアロゾルなどの形で広域に移流拡散し、降雨に伴って地上に降下沈着した結果、地域住民の生活環境に大きな影響を及ぼすに至った。
このような背景の下、放射性物質汚染対処特別措置法が施行され、放射性物質が沈着した土壌や、草木、がれき等の除去といったいわゆる除染措置が鋭意進められている。地域の被ばくリスク低減のため除染措置は不可欠であるものの、この除染措置には難題が山積している。特に、放射性物質に汚染された廃棄物の仮置き、中間貯蔵や最終処分といった処分場所がいまだ確保されていないことは、極めて重要な問題である。なぜなら、除染によって生じる除染廃棄物の処分場所の確保がボトルネックとなり、除染措置が思うように進められていないからである。
仮置き場さえ十分に確保されていない一方で除染措置は継続して進められており、その結果、発生した土壌や、草木、がれきといった放射性廃棄物は、例えば民家の庭など暫定的に確保した仮置き場(以下、「暫定的仮置き場」という。)で保管されている。
放射性廃棄物は放射線を放出するものであり、暫定的仮置き場で保管する場合であっても放射線を遮蔽する必要がある。前記した放射性物質汚染対処特別措置法は、人の健康や生活環境に及ぼす影響を速やかに低減することを目的としており、これによれば放射性廃棄物(特定廃棄物)は環境省令で定める基準に従って保管し処分することを義務付けている。例えば、放射性廃棄物はその放射能濃度によって保管方法が分けられており、放射能濃度が中濃度(8,000Bq/kg超、10万Bq/kg以下)のものは管理型処分場で保管し、放射能濃度が高濃度(10万Bq/kg超)のものは中間貯蔵施設(十分な水密性、強度及び耐久力を有する外周仕切設備を備えた遮断型処分場等)で保管するよう規定している。このように、放射性廃棄物は慎重に保管すべきものであり、暫定的仮置き場で保管する場合もやはり放射線を遮蔽する何らかの対策を講じる必要がある。
ところで、放射線はセシウムなどの放射性物質にある原子核が崩壊して放出されるものである。放射性物質から放射された放射線は、人体を含む「物体」に衝突するとその物質内にある原子や分子の電子を弾き飛ばして電離(イオン化)させる。このとき、放射線に備わるエネルギーが費やされ、すべてのエネルギーが消費されると放射線は衝突した物体に留まり、エネルギーが残っていればその物体を通過する。つまり、同じエネルギーを持つ放射線であれば、多くの電子を有する物体ほど留まりやすく、逆に電子が少ない物体ほど透過しやすい。ここで、物質の質量は原子中にある陽子と中性子の数に比例し、陽子の数と電子の数が等しいことを考えれば、物質の質量が大きいほど放射線を留めやすい、すなわち遮蔽しやすいこととなる。
以上のことから、放射性廃棄物からの放射線を遮蔽するためには、周囲を重量のある遮蔽物で覆うことが考えられる。これまでも、放射性廃棄物を遮蔽物で覆う種々の手法が提案されてきた。例えば特許文献1では、プレキャストコンクリート製の「保管ボックス」で放射性廃棄物を保管することを提案している。この保管ボックスは、本体であるボックス状ブロックと蓋パネルからなり、ボックス状ブロックの内面には遮水シートが敷設されている。
特開2013−068601号公報
先にも述べたとおり仮置き場等が確保されていない現状では、市街地等における除染措置で発生する放射性廃棄物を、暫定的仮置き場で保管している。このとき放射性廃棄物は、容量1m3程度のトンパック(あるいはフレコンパック)と呼ばれる袋状の容器に収容されて保管されるのが一般的である。そしてトンパックに収められた放射性廃棄物は、民家の庭など手近なヤードを暫定的仮置き場として保管されている。
環境省による「除去土壌の保管に係るガイドライン」では放射線を遮蔽するため放射性廃棄物の側面及び上部を遮蔽物で覆うこととしており、例えば30cmの覆土を行うと放射線は1/40に低減されることを示している。しかしながら、暫定的仮置き場で保管される場合、ヤード広さの制限もあってトンパックをプラスチック製のドラム缶に収容するにとどまるケースが多くみられる。極端な例では、トンパックに詰めた放射性廃棄物を暫定的仮置き場に野ざらし状態で放置しているケースさえある。
特許文献1が提案する手法によれば、放射性廃棄物をコンクリートで覆うことから相当の遮蔽効果が期待できるうえ、短期間で保管設備を設置することができるとともに、保管設備の移動や撤去も比較的容易にできるという利点がある。しかしながら、放射線を遮蔽するためには相当の重量が必要であることを考えれば、必然的にコンクリート製の保管ボックスは大きな重量物となる。このような保管ボックスは、製作費がかかるうえに、運搬や設置のため種々の重機を要し施工費もかさむ。特に、重量の大きな保管ボックスを設置するためにはクレーン等の揚重機が必要となるが、民家の庭など狭いヤードでは揚重機を配置するスペースが確保できないことも考えられる。
本願発明の課題は、従来の放射性廃棄物の保管技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、放射線を的確に遮蔽し、短期間かつ低コストで保管設備を設置するとともに、遮蔽物の軽量化を図った放射性廃棄物の保管技術を提供することである。
本願発明は、放射線を遮蔽する遮蔽物として中空の函体を用い、現地にて重量物としての遮蔽物を完成させるという点に着目してなされたものであり、これまでにない発想に基づいて行われた発明である。
本願発明の「放射線遮蔽函体」は、2以上を組み合わせることによって放射性廃棄物を収容する「放射線遮蔽容器」を形成するものである。放射線遮蔽函体は、底板と複数の壁板によって構成され、放射線遮蔽容器を平面分割した形状であって、自立可能な形状となっている。底板と複数の壁板で囲まれる内部には、充填材を入れるための充填空間が形成され、複数の壁板のうち対向する一対の壁板の間には、壁板を連結する補強材が設けられている。この補強材の効果で、充填空間に土砂等の充填材を入れても、放射線遮蔽函体のはらみ出しを防ぐことができる。
本願発明の放射線遮蔽函体は、他の放射線遮蔽函体と接合するための係止部を具備したものとすることもできる。この係止部を、他の放射線遮蔽函体の係止部と嵌合させることによって、他の放射線遮蔽函体との接合が強固になるうえ、より確実に放射線を遮蔽することができる。
本願発明の放射線遮蔽函体は、底板が壁体に脱着可能に取り付けられたものとすることもできる。充填空間内に充填材が入った状態でも、底板の取り外しが可能であることから、放射線遮蔽容器を撤去する際、放射線遮蔽函体を引き上げるだけで容易に充填材を取り除くことができる。
本願発明の放射性廃棄物の収容方法は、函体設置工程と、容器形成工程、収容工程を備えた方法である。函体設置工程では、2以上の放射線遮蔽函体を設置する。この放射線遮蔽函体は、底板と複数の壁板によって構成され、放射線遮蔽容器を平面分割した形状であって、自立可能な形状となっている。容器形成工程では、2以上の放射線遮蔽函体を組み合わせるとともに、放射線遮蔽函体を構成する底板と複数の壁板で囲まれた充填空間に充填材を入れて、放射線遮蔽容器を形成する。収容工程では、放射線遮蔽容器内に放射性廃棄物を収容する。なお、放射線遮蔽函体を構成する複数の壁板のうち対向する一対の壁板の間には補強材が設けられており、充填空間に充填材を入れたときの放射線遮蔽函体のはらみ出しを防止することができる。
本願発明の放射性廃棄物の収容方法は、係止部を具備する放射線遮蔽函体を使用した放射線遮蔽容器によって、放射性廃棄物を収容する方法とすることもできる。この係止部は、他の放射線遮蔽函体と接合するためのものであり、この場合の容器形成工程は、放射線遮蔽函体の係止部を他の放射線遮蔽函体の係止部と嵌合させることによって放射線遮蔽函体を組み合わせる。
本願発明の放射性廃棄物の収容方法は、放射線遮蔽函体を撤去する撤去工程を備えた方法とすることもできる。撤去工程では、充填空間内に充填材が入った状態で底板を取り外し、放射線遮蔽函体を引き上げて充填空間から充填材を取り除く。
本願発明の放射線遮蔽函体、及び放射性廃棄物の収容方法には、次のような効果がある。
(1)放射線遮蔽函体が中空のため軽量であり、運搬や設置が極めて容易である。特に設置の際に揚重機を必要としないので、狭い暫定的仮置き場でも難なく放射線遮蔽函体を設置することができ、様々な場所で幅広く採用することができる。
(2)従来のコンクリート製品に比べ軽量であり、つまり製作費や運搬・設置に係る費用が著しく低減される。
(3)充填空間に入れる充填材には土砂等を利用することができるので、この点でも容易かつ低コストで実施することができる。
(4)充填空間には一対の壁板を連結する補強材が設けられているので、充填材によって放射線遮蔽函体の一部が膨らむ、いわゆる「はらみ出し」を防止することができる。
(5)放射線遮蔽函体が、他の放射線遮蔽函体と接合するための係止部を具備することによって、他の放射線遮蔽函体との接合が強固になるうえ、より確実に放射線を遮蔽することができる。
(6)放射線遮蔽函体の底板を脱着可能に取り付けることによって、放射線遮蔽容器を撤去する際、放射線遮蔽函体を引き上げるだけで容易に充填材を取り除くことができる。
本願発明の放射線遮蔽函体を示す斜視図。 (a)は本願発明の複数の放射線遮蔽函体を組み合わせる状況を示す説明図、(b)は充填空間内に充填材を投入する状況を示す説明図、(c)は放射線遮蔽容器内に放射性廃棄物を収容する状況を示す説明図、(d)は放射性廃棄物を蓋で覆う状況を示す説明図。 脱着可能な底板を示す斜視図。 (a)は放射線遮蔽函体に設けられたカギ型の係止部を説明する平面図、(b)は凹凸型の係止部を説明する平面図。 本願発明の放射性廃棄物の収容方法の主な流れを示すフロー図。
本願発明の放射線遮蔽函体、及び放射性廃棄物の収容方法の実施形態の一例を図に基づいて説明する。
1.全体概要
図1は、本願発明の放射線遮蔽函体100を示す斜視図である。この図に示すように放射線遮蔽函体100は、他の支えなく佇立姿勢を維持する(以下、「自立する」という。)ことが可能な形状であり、板状の部材で構成された中空構造となっている。
2以上の放射線遮蔽函体100を組み合わせると、放射性廃棄物200の収容が可能な放射線遮蔽容器300を形成する。図2は、本願発明の放射線遮蔽函体100を用いて放射線遮蔽容器300を形成し、この放射線遮蔽容器300内に放射性廃棄物200を収容するまでの過程を示す説明図である。
図2に示すように、まずは2以上の放射線遮蔽函体100を組み合わせ(図2の(a))、その状態で放射線遮蔽函体100の中空部分である充填空間に土砂等の充填材400を投入する(図2の(b))。ここまでの工程で形成された放射線遮蔽容器300の中に、トンパック等に詰められた放射性廃棄物200を収容し(図2の(c)、上部から蓋500で覆って(図2の(d))、放射性廃棄物200を所定期間だけ保管する。
以下、本願発明の実施形態の例について具体的に説明する。
2.放射線遮蔽函体
図1を参照して、放射線遮蔽函体100を詳細に説明する。放射線遮蔽函体100は、既述のとおり複数の板状部材で構成され、この図では壁板101と、底板102、側板103によって構成されている。また、壁板101や底板102で囲まれた内部には、中空である充填空間104が形成されている。そして、この充填空間104には複数の補強材105が設けられ、外壁板101aと内壁板101bとを連結している。
(自立形状)
本願発明の放射線遮蔽函体100は、自立することのできる形状を呈している。図1に示す放射線遮蔽函体100は平面視でL字の形状となっており、他の支えがなくとも転倒することがない。もちろん放射線遮蔽函体100は、平面視がL字の形状であるのものに限らず、自立可能な形状であれば種々の形状を採用することができる。
(壁板と底板)
放射線遮蔽函体100を構成する壁板101や底板102、側板103は、軽量な部材とすることが望ましい。放射線遮蔽函体100の軽量化を図り、これに係る運搬や設置を容易にするためである。ただし壁板101には、充填空間104内の充填材400による側圧に耐える程度の強度が求められる。壁板101や底板102、側板103としては、薄肉の鋼板、合成樹脂製板、木製板や合板などが例示できる。また、プラパール(登録商標)という製品を、壁板101や底板102、側板103に用いることもできる。
図1に示す放射線遮蔽函体100は平面視がL字形状であり、4つの壁板101(2つの外壁板101aと、2つの内壁板101b)と、2つの底板102、2つの側板103で構成されている。これらの板材を従来から用いられている手法によって組み合わせることで、放射線遮蔽函体100は形成される。例えば、板材どうしをボルトやビス等を用いて連結したり、あるいは板材どうしを溶接や溶着、熱融着等によって接合したり、その他種々の方法によって板材を組み合わせ、放射線遮蔽函体100は形成される。板材としてプラパールを用いた場合は、専用のジョイント部材(Pジョイント)によって板材どうしを連結することができる。なお、4つの壁板101を用いると説明したが、L字形の壁板101を作成し、2つの壁板101によって図1の放射線遮蔽函体100を形成することもできる。また、壁板101と底板102を一体とした部材や、壁板101と側板103を一体とした部材を組み合わせて形成することもできる。あるいは母型を利用して、放射線遮蔽函体100を一体的に一部材で形成してもよい。
(充填空間と補強材)
壁板101や底板102、側板103によって囲まれた内部は、充填材400を詰めることのできる充填空間104が形成されている。この充填空間104の寸法は適宜設計することができ、例えば充填材400として土砂を採用した場合、充填空間104の幅を30cm程度とすることができる。環境省が示す30cmの覆土によれば放射線は1/40に低減されることから、30cm幅で充填された土砂(充填材400)も、同等の効果を発揮すると考えられる。なお、土砂を充填材400とする場合は、放射線を受けていない土砂を採用することが望ましい。また、充填材400としては土砂のほか種々の材料を用いることができるが、放射線の遮蔽効果を考えると相当の単位体積重量を有する材料を選ぶことが望ましい。
充填空間104内に充填材400を詰めると壁板101には側圧がかかり、壁板101がはらみ出すことが考えられる。このはらみ出しは、板材間に隙間を生じ、結果的に放射線の遮蔽効果を低減させるおそれもある。そこで、充填空間104内には補強材105が設けられる。この補強材105は、対向する一対の壁板101を連結するもので、図1では対向する外壁板101aと内壁板101bとを連結している。したがって補強材105は、それぞれの壁板101に固定される。補強材105が外壁板101aと内壁板101bとを連結する結果、充填材400による側圧がかかっても壁板101のはらみ出しを防止することができるわけである。
補強材105を壁板101に固定する手法は、従来から用いられている溶着や接着や熱融着、ボルトやビス等による接合といった手法を用いることができる。なお、補強材105を底板102に固定することもできるが、後に説明するように、底板102と壁板101とを脱着可能に取り付けた場合は、補強材105は底板102に固定されない。
補強材105としては、図1に示す板状のもののほか、セパレータを用いることもできる。このセパレータは、コンクリート打設用の型枠などに用いられるもので、外壁板101aと内壁板101bを貫通して固定し、双方を連結するものである。設置するセパレータの寸法や配置間隔は、放射線遮蔽函体100の形状や大きさに応じて適宜設計される。
(脱着式の底板)
底板102は、壁板101と側板103に取り付けられるが、脱着可能とすることもできる。図3は、脱着可能な底板102を示す斜視図である。この図に示すように、底板102に折返し部を設け、この折返し部を壁板101や側板103に当て、ボルトやビス、その他の接合材によって底板102を取り付ける。この結果、放射線遮蔽函体100の充填空間104内に充填材400を詰めた状態でも、側方からボルト等を外すことができる。つまり、放射線遮蔽函体100を撤去する際、底板102と壁板101等を分離したうえで壁板101等を引き上げることができ、容易に放射線遮蔽函体100から充填材400を取り除くことができるわけである。もちろん底板102を脱着可能に取り付ける手法は、充填材400を詰めた状態で底板102を取り外すことができれば、図3の手法に限らず他の手法を採用することができる。
(放射線遮蔽容器)
2以上の放射線遮蔽函体100を組み立てたものが、放射線遮蔽容器300である。図2に示すように、放射線遮蔽容器300の内部には収容空間が形成され、この収容空間に放射性廃棄物200を収容する。充填材400が充填された放射線遮蔽函体100は相当な重量物となっており、収容した放射性廃棄物200からの放射線を適切に遮蔽することができる。また、図2(d)に示すように、放射性廃棄物200を収容した後、上部に蓋500を設置することもできる。この蓋500は、板状のものでも良いし、シート状のものとすることもできる。なお、蓋500の裏面(放射性廃棄物200に接近する面)に遮蔽シートを貼り付けておくと、放射線の遮蔽効果の面からより好適となる。
放射線遮蔽函体100に設けられる係止部106を利用して、放射線遮蔽容器300を組み立てることもできる。図4は、放射線遮蔽函体100に設けられた係止部106を説明する平面図であり、(a)は係止部106をカギ型とした図、(b)は係止部106を凹凸型とした図である。この図に示すように、それぞれの放射線遮蔽函体100に係止部106を設けた場合、接合される双方の係止部106を嵌合させることによって、2以上の放射線遮蔽函体100を組み立てる。この結果、放射線遮蔽函体100はより強固に接合されるうえに、放射性廃棄物200からの放射線をより適切に遮蔽することができるわけである。
図4(a)では、放射線遮蔽函体100の一部を欠損させることで、端部にカギ型(階段形状)の係止部106を設けている。この欠損した空間に、接合する他方の放射線遮蔽函体100の一部を嵌合させ、同様に、接合する他方の放射線遮蔽函体100の欠損部に自身の一部を嵌合させて、双方の放射線遮蔽函体100を組み合わせる。図4(b)では、放射線遮蔽函体100の一方の端部を凸型に形成し、他方の端部を凹型に形成して係止部106を設けている。この場合、接合する一方の放射線遮蔽函体100に形成された凸型の係止部106を、他方の放射線遮蔽函体100に形成された凹型の係止部106に嵌合させて、双方の放射線遮蔽函体100を組み合わせる。
3.放射性廃棄物の収容方法
図5を参照して、本願発明の放射性廃棄物の収容方法を説明する。図5にも示すように本方法は、「収容ステップ」と、「仮置きステップ」、「撤去ステップ」に大別されるが、本願発明は主に「収容ステップ」を構成する。便宜上、ここでは暫定的仮置き場に放射性廃棄物200を保管する場合で説明する。なお、ここで説明する方法は、「2.放射線遮蔽函体」で説明した放射線遮蔽函体100を用いる方法であり、重複を避けるため既に説明した内容はここでは省略する。
まず、計画された暫定的仮置き場に2以上の放射線遮蔽函体100を搬入する(Step10)。なお、放射線遮蔽函体100はあらかじめ工場等で製造され、そこから暫定的仮置き場まで搬送される。搬入された放射線遮蔽函体100は、それぞれ予定された位置に設置され(Step20)、例えば係止部106を利用して所定の形状となるよう放射線遮蔽函体100を組み立てる(Step30)。なお、放射線遮蔽函体100の形状によっては、3以上の放射線遮蔽函体100を用いて組み立てることもある。
組み立てられた2以上の放射線遮蔽函体100に充填材400を投入する(Step40)。この充填材400は、放射線遮蔽函体100に設けられた充填空間104内に充填され、この結果、放射線遮蔽函体100は所望の重量物となる。ここまでの工程で形成されるのが、放射線遮蔽容器300である。
放射線遮蔽容器300の内部には収容空間が形成されており、この収容空間に放射性廃棄物200を収容する(Step50)。既述のとおり、放射性廃棄物200を収容した後、上部に蓋500を設置することもできる(Step60)。放射性廃棄物200を収容できると、所定期間この状態を維持し、放射性廃棄物200を保管する(Step70)。
仮置き場、あるいは中間貯蔵が確保され、収容した放射性廃棄物200の移送先が決まれば、放射線遮蔽容器300から放射性廃棄物200を取り出し、目的地に向けて搬出する(Step80)。その後、放射線遮蔽容器300を撤去するが、このとき底板102が脱着可能に取り付けられていれば、まず底板102から取り外す(Step90)。そして、底板102から分離された放射線遮蔽函体100を引き上げて、収容空間104内の充填材400を取り除く(Step100)。最後に、取り除かれた充填材400と、取り外した底板102を暫定的仮置き場から搬出する(Step110)。
本願発明の放射線遮蔽函体、及び放射性廃棄物の収容方法は、除染後に排出される放射性廃棄物に利用する場合に限らず、原子力発電所で適切に使用した後に処分される材料や部品を、一時的に保管する場合にも利用することができる。本願発明は、いままさに喫緊の課題となっている放射性廃棄物の保管場所に対して好適な解決策を提供することを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明である。
100 放射線遮蔽函体
101 (放射線遮蔽函体の)壁板
101a (壁板のうちの)外壁板
101b (壁板のうちの)内壁板
102 (放射線遮蔽函体の)底板
103 (放射線遮蔽函体の)側板
104 (放射線遮蔽函体の)充填空間
105 (放射線遮蔽函体の)補強材
106 (放射線遮蔽函体の)係止部
200 放射性廃棄物
300 放射線遮蔽容器
400 充填材
500 蓋
本願発明は、放射線に汚染された土壌や、草木、がれきなど放射線に汚染された廃棄物(以下、これらを総称して「放射性廃棄物」という。)の保管に関するものであり、より具体的には、放射性廃棄物を保管するための放射線遮蔽函体と、放射性廃棄物を収容する方法に関するものである。
我が国は地震が頻発する国として知られ、近年では、東北地方太平洋沖地震をはじめ、兵庫県南部地震、新潟県中越地震など大きな地震が発生し、そのたびに甚大な被害を被ってきた。特に東日本大震災では、津波によって計り知れない被害を受けたうえ、さらに福島原子力発電所の原子炉が損壊するという事故に見舞われた。原子炉事故に伴い大量に放出された放射性物質は、エアロゾルなどの形で広域に移流拡散し、降雨に伴って地上に降下沈着した結果、地域住民の生活環境に大きな影響を及ぼすに至った。
このような背景の下、放射性物質汚染対処特別措置法が施行され、放射性物質が沈着した土壌や、草木、がれき等の除去といったいわゆる除染措置が鋭意進められている。地域の被ばくリスク低減のため除染措置は不可欠であるものの、この除染措置には難題が山積している。特に、放射性物質に汚染された廃棄物の仮置き、中間貯蔵や最終処分といった処分場所がいまだ確保されていないことは、極めて重要な問題である。なぜなら、除染によって生じる除染廃棄物の処分場所の確保がボトルネックとなり、除染措置が思うように進められていないからである。
仮置き場さえ十分に確保されていない一方で除染措置は継続して進められており、その結果、発生した土壌や、草木、がれきといった放射性廃棄物は、例えば民家の庭など暫定的に確保した仮置き場(以下、「暫定的仮置き場」という。)で保管されている。
放射性廃棄物は放射線を放出するものであり、暫定的仮置き場で保管する場合であっても放射線を遮蔽する必要がある。前記した放射性物質汚染対処特別措置法は、人の健康や生活環境に及ぼす影響を速やかに低減することを目的としており、これによれば放射性廃棄物(特定廃棄物)は環境省令で定める基準に従って保管し処分することを義務付けている。例えば、放射性廃棄物はその放射能濃度によって保管方法が分けられており、放射能濃度が中濃度(8,000Bq/kg超、10万Bq/kg以下)のものは管理型処分場で保管し、放射能濃度が高濃度(10万Bq/kg超)のものは中間貯蔵施設(十分な水密性、強度及び耐久力を有する外周仕切設備を備えた遮断型処分場等)で保管するよう規定している。このように、放射性廃棄物は慎重に保管すべきものであり、暫定的仮置き場で保管する場合もやはり放射線を遮蔽する何らかの対策を講じる必要がある。
ところで、放射線はセシウムなどの放射性物質にある原子核が崩壊して放出されるものである。放射性物質から放射された放射線は、人体を含む「物体」に衝突するとその物質内にある原子や分子の電子を弾き飛ばして電離(イオン化)させる。このとき、放射線に備わるエネルギーが費やされ、すべてのエネルギーが消費されると放射線は衝突した物体に留まり、エネルギーが残っていればその物体を通過する。つまり、同じエネルギーを持つ放射線であれば、多くの電子を有する物体ほど留まりやすく、逆に電子が少ない物体ほど透過しやすい。ここで、物質の質量は原子中にある陽子と中性子の数に比例し、陽子の数と電子の数が等しいことを考えれば、物質の質量が大きいほど放射線を留めやすい、すなわち遮蔽しやすいこととなる。
以上のことから、放射性廃棄物からの放射線を遮蔽するためには、周囲を重量のある遮蔽物で覆うことが考えられる。これまでも、放射性廃棄物を遮蔽物で覆う種々の手法が提案されてきた。例えば特許文献1では、プレキャストコンクリート製の「保管ボックス」で放射性廃棄物を保管することを提案している。この保管ボックスは、本体であるボックス状ブロックと蓋パネルからなり、ボックス状ブロックの内面には遮水シートが敷設されている。
特開2013−068601号公報
先にも述べたとおり仮置き場等が確保されていない現状では、市街地等における除染措置で発生する放射性廃棄物を、暫定的仮置き場で保管している。このとき放射性廃棄物は、容量1m3程度のトンパック(あるいはフレコンパック)と呼ばれる袋状の容器に収容されて保管されるのが一般的である。そしてトンパックに収められた放射性廃棄物は、民家の庭など手近なヤードを暫定的仮置き場として保管されている。
環境省による「除去土壌の保管に係るガイドライン」では放射線を遮蔽するため放射性廃棄物の側面及び上部を遮蔽物で覆うこととしており、例えば30cmの覆土を行うと放射線は1/40に低減されることを示している。しかしながら、暫定的仮置き場で保管される場合、ヤード広さの制限もあってトンパックをプラスチック製のドラム缶に収容するにとどまるケースが多くみられる。極端な例では、トンパックに詰めた放射性廃棄物を暫定的仮置き場に野ざらし状態で放置しているケースさえある。
特許文献1が提案する手法によれば、放射性廃棄物をコンクリートで覆うことから相当の遮蔽効果が期待できるうえ、短期間で保管設備を設置することができるとともに、保管設備の移動や撤去も比較的容易にできるという利点がある。しかしながら、放射線を遮蔽するためには相当の重量が必要であることを考えれば、必然的にコンクリート製の保管ボックスは大きな重量物となる。このような保管ボックスは、製作費がかかるうえに、運搬や設置のため種々の重機を要し施工費もかさむ。特に、重量の大きな保管ボックスを設置するためにはクレーン等の揚重機が必要となるが、民家の庭など狭いヤードでは揚重機を配置するスペースが確保できないことも考えられる。
本願発明の課題は、従来の放射性廃棄物の保管技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、放射線を的確に遮蔽し、短期間かつ低コストで保管設備を設置するとともに、遮蔽物の軽量化を図った放射性廃棄物の保管技術を提供することである。
本願発明は、放射線を遮蔽する遮蔽物として中空の函体を用い、現地にて重量物としての遮蔽物を完成させるという点に着目してなされたものであり、これまでにない発想に基づいて行われた発明である。
本願発明の「放射線遮蔽容器」は、放射性廃棄物を収容して保管するものであり、放射線遮蔽函体を2以上組み合わせた壁体と、この壁体に平面的に囲まれた収容空間を備えたものである。壁体を構成する放射線遮蔽函体の上面は全面開口であり、この放射線遮蔽函体の内部には充填材が充填されている。収容空間は、放射性廃棄物を取り出し可能に収容できる上部開放の空間である。放射線遮蔽函体は、底板と複数の壁板によって構成され、自立可能な形状となっている。さらに放射線遮蔽函体は、底板と複数の壁板で囲まれる内部に充填材を入れるための充填空間が形成され、複数の壁板のうち対向する一対の壁板の間には、壁板を連結する補強材が設けられている。この補強材の効果で、充填空間に土砂等の充填材を入れても、放射線遮蔽函体のはらみ出しを防ぐことができる。
本願発明の「放射線遮蔽函体」は、2以上を組み合わせることによって放射性廃棄物を収容して保管する「放射線遮蔽容器」を形成するものである。放射線遮蔽函体は、底板と複数の壁板によって構成され、自立可能な形状となっている。底板と複数の壁板で囲まれる内部には、充填材を入れるための充填空間が形成され、複数の壁板のうち対向する一対の壁板の間には、壁板を連結する補強材が設けられている。この補強材の効果で、充填空間に土砂等の充填材を入れても、放射線遮蔽函体のはらみ出しを防ぐことができる。また、放射線遮蔽函体の底板は、壁体に脱着可能に取り付けられており、充填空間内に充填材が入った状態でも、底板の取り外しが可能である。したがって、放射線遮蔽容器を撤去する際、放射線遮蔽函体を引き上げるだけで容易に充填材を取り除くことができる。
本願発明の放射線遮蔽函体は、他の放射線遮蔽函体と接合するための係止部を具備したものとすることもできる。この係止部を、他の放射線遮蔽函体の係止部と嵌合させることによって、他の放射線遮蔽函体との接合が強固になるうえ、より確実に放射線を遮蔽することができる。
本願発明の放射性廃棄物の収容方法は、函体設置工程と、容器形成工程、収容工程、放射性廃棄物を取り出す工程を備えた方法である。函体設置工程では、2以上の放射線遮蔽函体を設置する。この放射線遮蔽函体は、底板と複数の壁板によって構成され、自立可能な形状となっている。容器形成工程では、2以上の放射線遮蔽函体を組み合わせるとともに、放射線遮蔽函体を構成する底板と複数の壁板で囲まれた充填空間に、全面開口された放射線遮蔽函体の上面から充填材を入れて、放射線遮蔽函体に平面的に囲まれた収容空間を有する放射線遮蔽容器を形成する。収容工程では、放射線遮蔽容器の収容空間に放射性廃棄物を収容する。放射性廃棄物を取り出す工程では、放射性廃棄物を所定期間(例えば、放射性廃棄物の移送先が決まるまで)保管した後、収容空間の上部から放射性廃棄物を取り出す。なお、放射線遮蔽函体を構成する複数の壁板のうち対向する一対の壁板の間には補強材が設けられており、充填空間に充填材を入れたときの放射線遮蔽函体のはらみ出しを防止することができる。
本願発明の放射性廃棄物の収容方法は、放射線遮蔽函体を撤去する撤去工程を備えた方法とすることもできる。この場合、容器形成工程では、2以上の放射線遮蔽函体を組み合わせるとともに、放射線遮蔽函体を構成する底板と複数の壁板で囲まれた充填空間に、全面開口された放射線遮蔽函体の上面から充填材を入れて、放射線遮蔽容器を形成する。また、撤去工程では、充填空間内に充填材が入った状態で底板を取り外し、放射線遮蔽函体を引き上げて充填空間から充填材を取り除く。
本願発明の放射性廃棄物の収容方法は、係止部を具備する放射線遮蔽函体を使用した放射線遮蔽容器によって、放射性廃棄物を収容する方法とすることもできる。この係止部は、他の放射線遮蔽函体と接合するためのものであり、この場合の容器形成工程は、放射線遮蔽函体の係止部を他の放射線遮蔽函体の係止部と嵌合させることによって放射線遮蔽函体を組み合わせる。
本願発明の放射線遮蔽函体、及び放射性廃棄物の収容方法には、次のような効果がある。
(1)放射線遮蔽函体が中空のため軽量であり、運搬や設置が極めて容易である。特に設置の際に揚重機を必要としないので、狭い暫定的仮置き場でも難なく放射線遮蔽函体を設置することができ、様々な場所で幅広く採用することができる。
(2)従来のコンクリート製品に比べ軽量であり、つまり製作費や運搬・設置に係る費用が著しく低減される。
(3)充填空間に入れる充填材には土砂等を利用することができるので、この点でも容易かつ低コストで実施することができる。
(4)充填空間には一対の壁板を連結する補強材が設けられているので、充填材によって放射線遮蔽函体の一部が膨らむ、いわゆる「はらみ出し」を防止することができる。
(5)放射線遮蔽函体が、他の放射線遮蔽函体と接合するための係止部を具備することによって、他の放射線遮蔽函体との接合が強固になるうえ、より確実に放射線を遮蔽することができる。
(6)放射線遮蔽函体の底板を脱着可能に取り付けることによって、放射線遮蔽容器を撤去する際、放射線遮蔽函体を引き上げるだけで容易に充填材を取り除くことができる。
本願発明の放射線遮蔽函体を示す斜視図。 (a)は本願発明の複数の放射線遮蔽函体を組み合わせる状況を示す説明図、(b)は充填空間内に充填材を投入する状況を示す説明図、(c)は放射線遮蔽容器内に放射性廃棄物を収容する状況を示す説明図、(d)は放射性廃棄物を蓋で覆う状況を示す説明図。 脱着可能な底板を示す斜視図。 (a)は放射線遮蔽函体に設けられたカギ型の係止部を説明する平面図、(b)は凹凸型の係止部を説明する平面図。 本願発明の放射性廃棄物の収容方法の主な流れを示すフロー図。
本願発明の放射線遮蔽函体、及び放射性廃棄物の収容方法の実施形態の一例を図に基づいて説明する。
1.全体概要
図1は、本願発明の放射線遮蔽函体100を示す斜視図である。この図に示すように放射線遮蔽函体100は、他の支えなく佇立姿勢を維持する(以下、「自立する」という。)ことが可能な形状であり、板状の部材で構成された中空構造となっている。
2以上の放射線遮蔽函体100を組み合わせると、放射性廃棄物200の収容が可能な放射線遮蔽容器300を形成する。図2は、本願発明の放射線遮蔽函体100を用いて放射線遮蔽容器300を形成し、この放射線遮蔽容器300内に放射性廃棄物200を収容するまでの過程を示す説明図である。
図2に示すように、まずは2以上の放射線遮蔽函体100を組み合わせ(図2の(a))、その状態で放射線遮蔽函体100の中空部分である充填空間に土砂等の充填材400を投入する(図2の(b))。ここまでの工程で形成された放射線遮蔽容器300の中に、トンパック等に詰められた放射性廃棄物200を収容し(図2の(c)、上部から蓋500で覆って(図2の(d))、放射性廃棄物200を所定期間だけ保管する。
以下、本願発明の実施形態の例について具体的に説明する。
2.放射線遮蔽函体
図1を参照して、放射線遮蔽函体100を詳細に説明する。放射線遮蔽函体100は、既述のとおり複数の板状部材で構成され、この図では壁板101と、底板102、側板103によって構成されている。また、壁板101や底板102で囲まれた内部には、中空である充填空間104が形成されている。そして、この充填空間104には複数の補強材105が設けられ、外壁板101aと内壁板101bとを連結している。
(自立形状)
本願発明の放射線遮蔽函体100は、自立することのできる形状を呈している。図1に示す放射線遮蔽函体100は平面視でL字の形状となっており、他の支えがなくとも転倒することがない。もちろん放射線遮蔽函体100は、平面視がL字の形状であるのものに限らず、自立可能な形状であれば種々の形状を採用することができる。
(壁板と底板)
放射線遮蔽函体100を構成する壁板101や底板102、側板103は、軽量な部材とすることが望ましい。放射線遮蔽函体100の軽量化を図り、これに係る運搬や設置を容易にするためである。ただし壁板101には、充填空間104内の充填材400による側圧に耐える程度の強度が求められる。壁板101や底板102、側板103としては、薄肉の鋼板、合成樹脂製板、木製板や合板などが例示できる。また、プラパール(登録商標)という製品を、壁板101や底板102、側板103に用いることもできる。
図1に示す放射線遮蔽函体100は平面視がL字形状であり、4つの壁板101(2つの外壁板101aと、2つの内壁板101b)と、2つの底板102、2つの側板103で構成されている。これらの板材を従来から用いられている手法によって組み合わせることで、放射線遮蔽函体100は形成される。例えば、板材どうしをボルトやビス等を用いて連結したり、あるいは板材どうしを溶接や溶着、熱融着等によって接合したり、その他種々の方法によって板材を組み合わせ、放射線遮蔽函体100は形成される。板材としてプラパールを用いた場合は、専用のジョイント部材(Pジョイント)によって板材どうしを連結することができる。なお、4つの壁板101を用いると説明したが、L字形の壁板101を作成し、2つの壁板101によって図1の放射線遮蔽函体100を形成することもできる。また、壁板101と底板102を一体とした部材や、壁板101と側板103を一体とした部材を組み合わせて形成することもできる。あるいは母型を利用して、放射線遮蔽函体100を一体的に一部材で形成してもよい。
(充填空間と補強材)
壁板101や底板102、側板103によって囲まれた内部は、充填材400を詰めることのできる充填空間104が形成されている。この充填空間104の寸法は適宜設計することができ、例えば充填材400として土砂を採用した場合、充填空間104の幅を30cm程度とすることができる。環境省が示す30cmの覆土によれば放射線は1/40に低減されることから、30cm幅で充填された土砂(充填材400)も、同等の効果を発揮すると考えられる。なお、土砂を充填材400とする場合は、放射線を受けていない土砂を採用することが望ましい。また、充填材400としては土砂のほか種々の材料を用いることができるが、放射線の遮蔽効果を考えると相当の単位体積重量を有する材料を選ぶことが望ましい。
充填空間104内に充填材400を詰めると壁板101には側圧がかかり、壁板101がはらみ出すことが考えられる。このはらみ出しは、板材間に隙間を生じ、結果的に放射線の遮蔽効果を低減させるおそれもある。そこで、充填空間104内には補強材105が設けられる。この補強材105は、対向する一対の壁板101を連結するもので、図1では対向する外壁板101aと内壁板101bとを連結している。したがって補強材105は、それぞれの壁板101に固定される。補強材105が外壁板101aと内壁板101bとを連結する結果、充填材400による側圧がかかっても壁板101のはらみ出しを防止することができるわけである。
補強材105を壁板101に固定する手法は、従来から用いられている溶着や接着や熱融着、ボルトやビス等による接合といった手法を用いることができる。なお、補強材105を底板102に固定することもできるが、後に説明するように、底板102と壁板101とを脱着可能に取り付けた場合は、補強材105は底板102に固定されない。
補強材105としては、図1に示す板状のもののほか、セパレータを用いることもできる。このセパレータは、コンクリート打設用の型枠などに用いられるもので、外壁板101aと内壁板101bを貫通して固定し、双方を連結するものである。設置するセパレータの寸法や配置間隔は、放射線遮蔽函体100の形状や大きさに応じて適宜設計される。
(脱着式の底板)
底板102は、壁板101と側板103に取り付けられるが、脱着可能とすることもできる。図3は、脱着可能な底板102を示す斜視図である。この図に示すように、底板102に折返し部を設け、この折返し部を壁板101や側板103に当て、ボルトやビス、その他の接合材によって底板102を取り付ける。この結果、放射線遮蔽函体100の充填空間104内に充填材400を詰めた状態でも、側方からボルト等を外すことができる。つまり、放射線遮蔽函体100を撤去する際、底板102と壁板101等を分離したうえで壁板101等を引き上げることができ、容易に放射線遮蔽函体100から充填材400を取り除くことができるわけである。もちろん底板102を脱着可能に取り付ける手法は、充填材400を詰めた状態で底板102を取り外すことができれば、図3の手法に限らず他の手法を採用することができる。
(放射線遮蔽容器)
2以上の放射線遮蔽函体100を組み立てたものが、放射線遮蔽容器300である。図2に示すように、放射線遮蔽容器300の内部には収容空間が形成され、この収容空間に放射性廃棄物200を収容する。充填材400が充填された放射線遮蔽函体100は相当な重量物となっており、収容した放射性廃棄物200からの放射線を適切に遮蔽することができる。また、図2(d)に示すように、放射性廃棄物200を収容した後、上部に蓋500を設置することもできる。この蓋500は、板状のものでも良いし、シート状のものとすることもできる。なお、蓋500の裏面(放射性廃棄物200に接近する面)に遮蔽シートを貼り付けておくと、放射線の遮蔽効果の面からより好適となる。
放射線遮蔽函体100に設けられる係止部106を利用して、放射線遮蔽容器300を組み立てることもできる。図4は、放射線遮蔽函体100に設けられた係止部106を説明する平面図であり、(a)は係止部106をカギ型とした図、(b)は係止部106を凹凸型とした図である。この図に示すように、それぞれの放射線遮蔽函体100に係止部106を設けた場合、接合される双方の係止部106を嵌合させることによって、2以上の放射線遮蔽函体100を組み立てる。この結果、放射線遮蔽函体100はより強固に接合されるうえに、放射性廃棄物200からの放射線をより適切に遮蔽することができるわけである。
図4(a)では、放射線遮蔽函体100の一部を欠損させることで、端部にカギ型(階段形状)の係止部106を設けている。この欠損した空間に、接合する他方の放射線遮蔽函体100の一部を嵌合させ、同様に、接合する他方の放射線遮蔽函体100の欠損部に自身の一部を嵌合させて、双方の放射線遮蔽函体100を組み合わせる。図4(b)では、放射線遮蔽函体100の一方の端部を凸型に形成し、他方の端部を凹型に形成して係止部106を設けている。この場合、接合する一方の放射線遮蔽函体100に形成された凸型の係止部106を、他方の放射線遮蔽函体100に形成された凹型の係止部106に嵌合させて、双方の放射線遮蔽函体100を組み合わせる。
3.放射性廃棄物の収容方法
図5を参照して、本願発明の放射性廃棄物の収容方法を説明する。図5にも示すように本方法は、「収容ステップ」と、「仮置きステップ」、「撤去ステップ」に大別されるが、本願発明は主に「収容ステップ」を構成する。便宜上、ここでは暫定的仮置き場に放射性廃棄物200を保管する場合で説明する。なお、ここで説明する方法は、「2.放射線遮蔽函体」で説明した放射線遮蔽函体100を用いる方法であり、重複を避けるため既に説明した内容はここでは省略する。
まず、計画された暫定的仮置き場に2以上の放射線遮蔽函体100を搬入する(Step10)。なお、放射線遮蔽函体100はあらかじめ工場等で製造され、そこから暫定的仮置き場まで搬送される。搬入された放射線遮蔽函体100は、それぞれ予定された位置に設置され(Step20)、例えば係止部106を利用して所定の形状となるよう放射線遮蔽函体100を組み立てる(Step30)。なお、放射線遮蔽函体100の形状によっては、3以上の放射線遮蔽函体100を用いて組み立てることもある。
組み立てられた2以上の放射線遮蔽函体100に充填材400を投入する(Step40)。この充填材400は、放射線遮蔽函体100に設けられた充填空間104内に充填され、この結果、放射線遮蔽函体100は所望の重量物となる。ここまでの工程で形成されるのが、放射線遮蔽容器300である。
放射線遮蔽容器300の内部には収容空間が形成されており、この収容空間に放射性廃棄物200を収容する(Step50)。既述のとおり、放射性廃棄物200を収容した後、上部に蓋500を設置することもできる(Step60)。放射性廃棄物200を収容できると、所定期間この状態を維持し、放射性廃棄物200を保管する(Step70)。
仮置き場、あるいは中間貯蔵が確保され、収容した放射性廃棄物200の移送先が決まれば、放射線遮蔽容器300から放射性廃棄物200を取り出し、目的地に向けて搬出する(Step80)。その後、放射線遮蔽容器300を撤去するが、このとき底板102が脱着可能に取り付けられていれば、まず底板102から取り外す(Step90)。そして、底板102から分離された放射線遮蔽函体100を引き上げて、収容空間104内の充填材400を取り除く(Step100)。最後に、取り除かれた充填材400と、取り外した底板102を暫定的仮置き場から搬出する(Step110)。
本願発明の放射線遮蔽函体、及び放射性廃棄物の収容方法は、除染後に排出される放射性廃棄物に利用する場合に限らず、原子力発電所で適切に使用した後に処分される材料や部品を、一時的に保管する場合にも利用することができる。本願発明は、いままさに喫緊の課題となっている放射性廃棄物の保管場所に対して好適な解決策を提供することを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明である。
100 放射線遮蔽函体
101 (放射線遮蔽函体の)壁板
101a (壁板のうちの)外壁板
101b (壁板のうちの)内壁板
102 (放射線遮蔽函体の)底板
103 (放射線遮蔽函体の)側板
104 (放射線遮蔽函体の)充填空間
105 (放射線遮蔽函体の)補強材
106 (放射線遮蔽函体の)係止部
200 放射性廃棄物
300 放射線遮蔽容器
400 充填材
500 蓋

Claims (6)

  1. 2以上を組み合わせることで、放射性廃棄物を収容する放射線遮蔽容器を形成する、放射線遮蔽函体であって、
    底板と複数の壁板によって、自立可能な形状で構成され、
    前記底板と前記複数の壁板で囲まれる内部には、充填材を入れるための充填空間が形成され、
    前記充填空間を形成する前記複数の壁板のうち対向する一対の壁板の間に、該一対の壁板を連結する補強材が設けられた、ことを特徴とする放射線遮蔽函体。
  2. 他の放射線遮蔽函体と接合するための係止部を、さらに具備し、
    前記係止部を、他の放射線遮蔽函体の係止部と嵌合させることによって、他の放射線遮蔽函体と接合して前記放射線遮蔽容器を形成する、ことを特徴とする請求項1記載の放射線遮蔽函体。
  3. 前記底板は、前記複数の壁体に脱着可能に取り付けられ、
    前記充填空間内に前記充填材が入った状態で、前記底板の取り外しが可能である、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の放射線遮蔽函体。
  4. 放射性廃棄物を収容する方法であって、
    底板と複数の壁板によって自立可能な形状で構成される放射線遮蔽函体を、2以上設置する函体設置工程と、
    前記2以上の放射線遮蔽函体を組み合わせるとともに、前記放射線遮蔽函体を構成する前記底板と前記複数の壁板で囲まれた充填空間に充填材を入れて、放射線遮蔽容器を形成する容器形成工程と、
    前記放射線遮蔽容器内に、放射性廃棄物を収容する収容工程と、を備え、
    前記充填空間を形成する前記複数の壁板のうち対向する一対の壁板の間に補強材が設けられ、前記充填材を充填したときのはらみ出しを防止し得る、ことを特徴とする放射性廃棄物の収容方法。
  5. 前記放射線遮蔽函体は、他の放射線遮蔽函体と接合するための係止部を具備し、
    前記容器形成工程は、前記放射線遮蔽函体の前記係止部を、他の放射線遮蔽函体の係止部に嵌合させることによって、2以上の放射線遮蔽函体を組み合わせる、ことを特徴とする請求項4記載の放射性廃棄物の収容方法。
  6. 前記放射線遮蔽函体を撤去する撤去工程を、さらに備え、
    前記撤去工程は、前記充填空間内に前記充填材が入った状態で、前記底板を取り外すとともに、前記放射線遮蔽函体を引き上げて、前記充填材を前記充填空間から取り除く、ことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の放射性廃棄物の収容方法。
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