JP6322359B2 - 放射線遮蔽壁、放射線遮蔽壁の施工方法及び放射線遮蔽壁の修復方法 - Google Patents

放射線遮蔽壁、放射線遮蔽壁の施工方法及び放射線遮蔽壁の修復方法 Download PDF

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本発明は、放射線遮蔽壁、放射線遮蔽壁の施工方法及び放射線遮蔽壁の修復方法に関する。
近年、医療現場において、放射線治療が種々行われているが、患者の患部に照射された放射線が、拡散したり、人体を貫通したりして治療施設から漏れ出ることを抑制するために、放射線治療施設は厚いコンクリート壁により区画されており、場合によっては、コンクリート壁と鉄、鉛などの金属板とを組みあわせて放射線を遮蔽している。このため、放射線治療用の装置を交換する場合など、コンクリート壁を取り壊して装置を交換し、再度、コンクリート壁を構築する工事が更に必要となり、取り壊した壁材が放射線に汚染されている場合には、その廃棄にも工数が掛かるという問題がある。
また、原子力発電所や放射線治療装置において事故等が発生し、放射線が漏れ出した場合、コンクリート壁により区画された領域に立ち入ることは困難であり、このため、簡易な方法で構築可能であり、目的とする放射線を効果的に遮蔽する手段が求められている。
放射線のなかでも、γ線は、鉄や鉛板である程度の遮蔽が可能であるが、中性子線については、エネルギー量により挙動が変わることから、効果的な遮蔽が困難であり、有効な遮蔽方法が求められているのが現状である。
γ線を効果的に遮蔽しうる鉛板は高価で取り扱いや廃棄が困難であることから、鉛板を使用せずに、低コストで効果的にγ線を遮蔽するために、鉄板を、複数の硫酸バリウム含有石膏ボード板で挟み込む放射線遮蔽壁が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、中性子線を遮蔽する材料として、カルシウムアルミネート系セメントや半水石膏に、結晶水を含有するボレート骨材を含有してなる遮蔽材が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、固定壁に代えて枠体を有するブロックを該枠体と支柱とで支持してなる遮蔽壁が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2010−32270公報 特公昭58−6704号公報 特開2011−169883号公報
特許文献1に記載の遮蔽壁では、所要厚さの鉄板を必要とするため、設置箇所に制限があり、また、中性子線の遮蔽には有効ではないという問題がある。また、特許文献2に記載の遮蔽材は、当該文献に記載されるように、耐水性に劣り、且つ、材料が酸性であるために、鉄筋などの酸性条件下で強度低下を生じやすい支持材を有する用途には使用し難いという問題があった。
特許文献3に記載の遮蔽材は、厚みや高さが適宜調整され、容易に構築できるものの、枠体や支持体といった放射線を遮蔽し難い領域が存在するために、遮蔽性が充分に得られず、設置場所や目的とする放射線遮蔽方向に制限があるという問題がある。
本発明は、これらの課題を考慮してなされたものであり、本発明の目的は、簡易に設置することができ、γ線、中性子線など目的に応じた放射線を効果的に遮蔽しうる放射線遮蔽壁を提供することを課題とする。
本願発明者らは、上記問題に鑑みて鋭意検討した結果、含水率が高く軽量な乾式石膏ブロックを用いることで上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下の構成を含む。
<1> 乾式石膏ブロックが積み重ねられて構築された放射線遮蔽壁であり、前記乾式石膏ブロックは、石膏及び水のみからなる放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(a)、水と石膏とホウ素、ホウ素化合物、ガドリニウム、カドミウム、及びリチウムからなる群より選択される元素又はその同位体の少なくとも1種とを含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(b)、及び水と石膏と鉛、タングステン、ビスマス、鉄、酸化鉄、鉄鉱石、磁鉄鉱、赤鉄鉱、重晶石、バリウム、及びバリウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種の粒子と、を含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(c)の少なくとも2種を含み、前記壁の厚み方向へ、前記乾式石膏ブロック(a)、前記乾式石膏ブロック(b)及び前記乾式石膏ブロック(c)から選ばれた、互いに放射線遮蔽効果が異なる2種以上の前記乾式石膏ブロックで自立するように構築された壁を複数配列した放射線遮蔽壁。
本実施形態の放射線遮蔽壁は、乾式石膏ブロックを積み重ねて構築されるため、コンクリート製の放射線遮蔽壁と比較して施工・解体・移転・変更が容易である。また、石膏は放射化元素を殆ど含まないので、放射線が到達した場合においても放射化し難いため、放射線汚染廃棄物の発生が従来法と比較して低減され、放射化していない乾式石膏ブロックは再利用が可能となるという利点をも有する。
さらに、石膏ボードで放射線遮蔽壁を構築する場合には、石膏ボードを支えるフレームが必要となり、このフレームが放射化する恐れがあるが、乾式石膏ブロックを積み重ねて構築された放射線遮蔽壁は、フレームを必要とせず壁が構成できるので、目的に応じて積み重ねることで遮蔽目的や構築場所の選択肢がより広くなる。
<2> 前記乾式石膏ブロックは、石膏がα型半水石膏である乾式α石膏ブロックである、<1>に記載の放射線遮蔽壁。
乾式石膏ブロックの形成にα石膏を用いることで、汎用のβ石膏に比較し、含水率、及び、密度がより高いために遮蔽能がより改良され、形成された乾式石膏ブロックはより放射化され難いものとなる。
<3> さらに、乾式石膏ブロックにおける石膏がβ型半水石膏である乾式β石膏ブロックを含み、前記乾式β石膏ブロックは、前記乾式α石膏ブロックの上部に積み重ねられる<2>に記載の放射線遮蔽壁。
> 壁を正面から見たとき、乾式石膏ブロックの合せ面は、壁の表面から裏面に亘って直線面ではない、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の放射線遮蔽壁。
本実施形態によれば、直進性を持っている放射線(特に中性子)が、乾式石膏ブロックの合せ面を貫通し、放射線遮蔽壁の裏側に漏れることを効果的に防止できる。合わせ面が直線面ではないブロックの形状としては、例えば、ブロックの縦断面形状が、菱形、蝶々形、矢印形等が挙げられる。
> 壁の厚み方向へ複数の乾式石膏ブロックが積まれ、壁の表面側の乾式石膏ブロックの端面の裏面側には乾式石膏ブロックの面が位置している、<1>〜<>のいずれか1項に記載の放射線遮蔽壁。
本実施形態によれば、乾式石膏ブロックの端面に沿って直進して、放射線遮蔽壁における乾式石膏ブロックの合わせ面に浸入した放射線が裏面部の乾式石膏ブロック端面で遮蔽され、遮蔽壁の裏面側へ貫通することを抑制し、より高い放射線遮蔽効果が得られる。
<6> 前記乾式石膏ブロックは、石膏及び水のみからなる放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(a)、水と石膏とホウ素、ホウ素化合物、ガドリニウム、カドミウム、及びリチウムからなる群より選択される元素又はその同位体の少なくとも1種とを含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(b)、及び水と石膏と鉛、タングステン、ビスマス、鉄、酸化鉄、鉄鉱石、磁鉄鉱、赤鉄鉱、重晶石、バリウム、及びバリウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種の粒子と、を含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(c)の3種を含み、前記乾式石膏ブロック(a)、前記乾式石膏ブロック(b)、及び前記乾式石膏ブロック(c)のそれぞれにより自立するように構築された壁を、壁の厚み方向に備えた、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の放射線遮蔽壁。
石膏と水とを主成分とする放射線遮蔽材組成物に、さらに、ホウ素系化合物などを含有させることで、該組成物を用いて形成された乾式石膏ブロック(b)は、特に中性子線の遮蔽効果がより向上する。
石膏と水とを主成分とする放射線遮蔽材組成物に、さらに、鉛やバリウム系化合物などを含有させることで、該組成物を用いて形成された乾式石膏ブロック(c)は、特にγ線の遮蔽効果がより向上する。
<7> 石膏及び水のみからなる放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(a)、水と石膏とホウ素、ホウ素化合物、ガドリニウム、カドミウム、及びリチウムからなる群より選択される元素又はその同位体の少なくとも1種とを含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(b)、及び水と石膏と鉛、タングステン、ビスマス、鉄、酸化鉄、鉄鉱石、磁鉄鉱、赤鉄鉱、重晶石、バリウム、及びバリウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種の粒子と、を含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(c)から選ばれる1種の乾式石膏ブロックを、高さ方向に積み重ねて自立することができる第1の壁を構築する工程と、前記第1の壁の厚み方向の、放射線の入射方向とは反対側に、第1の壁を構築した乾式石膏ブロックとは放射線遮蔽効果の異なる乾式石膏ブロックを積み重ねて自立することができる第2の壁を構築する工程と、を含む放射線遮蔽壁の施工方法。
<8> 石膏及び水のみからなる放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(a)、水と石膏とホウ素、ホウ素化合物、ガドリニウム、カドミウム、及びリチウムからなる群より選択される元素又はその同位体の少なくとも1種とを含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(b)、及び水と石膏と鉛、タングステン、ビスマス、鉄、酸化鉄、鉄鉱石、磁鉄鉱、赤鉄鉱、重晶石、バリウム、及びバリウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種の粒子と、を含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(c)から選ばれる1種の乾式石膏ブロックを、高さ方向に積み重ねて自立することができる第1の壁を構築し、その後、前記第1の壁の厚み方向の、放射線の入射方向とは反対側に、第1の壁を構築した乾式石膏ブロックとは放射線遮蔽効果の異なる乾式石膏ブロックを積み重ねて自立することができる第2の壁を構築して得られた放射線遮蔽壁において、放射化した第1の壁を構築した乾式石膏ブロックを除去する工程と、前記乾式石膏ブロックを除去した領域に、新たに、乾式石膏ブロックを高さ方向に積み重ねて第1の壁を再構築する工程と、を含む、放射線遮蔽壁の修復方法。
以下に、本発明の好ましい態様を示す。
<A> 石膏及びのみからなる放射線遮蔽組成物からなる乾式石膏ブロックを乾式石膏ブロック(a)とし、石膏と水とホウ素、ホウ素化合物、ガドリニウム、カドミウム、及びリチウムからなる群より選択される元素又はその同位体の少なくとも1種とを含む放射線遮蔽材組成物からなる乾式石膏ブロックを乾式石膏ブロック(b)とし、石膏と水と鉛、タングステン、ビスマス、鉄、酸化鉄、鉄鉱石、磁鉄鉱、赤鉄鉱、重晶石、バリウム、及びバリウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種の粒子とを含む放射線遮蔽材組成物からなる乾式石膏ブロックを乾式石膏ブロック(c)とし、乾式石膏ブロック(a)、乾式石膏ブロック(b)及び乾式石膏ブロック(c)より選択される少なくとも1種を壁の厚み方向に複数配置して構成された、放射線遮蔽壁。
本実施形態によれば、種々の添加剤を用いた乾式石膏ブロックの積み方を変化させることで、下記<B>〜<E>の態様に示すように、遮蔽対象の放射線毎に最適な放射線遮蔽壁が容易に構築できる。
<B> 前記乾式石膏ブロック(a)が壁の厚み方向へ複数積まれてなり、中性子線を遮蔽する、<A>に記載の放射線遮蔽壁。
含水率の高い乾式石膏ブロックを壁の厚み方向に複数積むことで、中性子線のより高い遮蔽効果を得ることができる。
<C> 放射線遮蔽壁の放射線入射側に前記乾式石膏ブロック(a)が配置され、その裏面に前記乾式石膏ブロック(b)及び前記乾式石膏ブロック(c)の少なくともいずれかが配置してなり、中性子線を遮蔽する<A>に記載の放射線遮蔽壁。
放射線の放出される側に放射化され難い乾式石膏ブロックを積み、その背面にホウ素系化合物やバリウム系化合物を含む乾式石膏ブロックを配置することで、中性子線の遮蔽効果がより高くなり、γ線もより高い効率で遮蔽しうる遮蔽壁が形成される。
<D> 放射線遮蔽壁の放射線入射側に前記乾式石膏ブロック(b)が配置され、その裏面に前記乾式石膏ブロック(c)が配置されてなり、中性子線を遮蔽する<A>に記載の放射線遮蔽壁。
ホウ素化合物などを含む乾式石膏ブロックとバリウム系化合物などの金属系化合物を含む乾式石膏ブロックとを組み合わせて配置することで、より高い放射線遮蔽効果が得られ、特に、中性子線、高エネルギー素粒子の遮蔽により適した放射線遮蔽壁が構築できる。
<E> 前記乾式石膏ブロック(c)が壁の厚み方向へ複数積まれてなり、γ線を遮蔽する、<A>に記載の放射線遮蔽壁。
バリウム系化合物などの金属系化合物を含む乾式石膏ブロックを、複数組み合わせて配置することで、γ線に対するより高い遮蔽効果が得られる。
本発明によれば、簡易に設置することができ、γ線、中性子線など目的に応じた放射線を効果的に遮蔽しうる放射線遮蔽壁を提供することができる。
(A)は、本発明に係る乾式石膏ブロックの一態様を示す斜視図であり、図(B)はその側面図である。 (A)は図1に示す乾式石膏ブロックが複数積まれてなる本発明の放射線遮蔽壁の一態様を示す斜視図であり、(B)はその側面図である。 (A)は直方体の乾式石膏ブロックが複数積まれてなる本発明の放射線遮蔽壁の一態様を示す斜視図であり、(B)はその側面図である。 (A)は側面の合せ面が、壁の表面から裏面に亘って直線面ではない形状を示す乾式石膏ブロックが複数積まれてなる本発明の放射線遮蔽壁の一態様を示す斜視図であり、(B)はその側面図である。 (A)は上下の合わせ面が直線面ではない態様を示す乾式石膏ブロックが複数積まれてなる本発明の放射線遮蔽壁の一態様を示す斜視図であり、(B)はその側面図である。 (A)〜(D)目的に応じた放射線を遮蔽する放射線遮蔽壁における乾式石膏ブロック(a)〜乾式石膏ブロック(c)の積み方を示すモデル図である。 (A)〜(C)使用後の石膏ブロックの再利用を想定した放射線遮蔽壁における乾式石膏ブロック(a)〜乾式石膏ブロック(c)の積み方を示すモデル図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の放射線遮蔽壁は、乾式石膏ブロックが積み重ねられて構築された放射線遮蔽壁であり、前記乾式石膏ブロックは、石膏及び水のみからなる放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(a)、水と石膏とホウ素、ホウ素化合物、ガドリニウム、カドミウム、及びリチウムからなる群より選択される元素又はその同位体の少なくとも1種とを含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(b)、及び水と石膏と鉛、タングステン、ビスマス、鉄、酸化鉄、鉄鉱石、磁鉄鉱、赤鉄鉱、重晶石、バリウム、及びバリウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種の粒子と、を含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(c)の少なくとも2種み、前記壁の厚み方向へ、前記乾式石膏ブロック(a)、前記乾式石膏ブロック(b)及び前記乾式石膏ブロック(c)から選ばれた、互いに放射線遮蔽効果が異なる2種以上の前記乾式石膏ブロックで構築された壁を複数配列した放射線遮蔽壁である。
〔乾式石膏ブロック〕
本発明の放射線遮蔽壁〔以下、適宜、「遮蔽壁」と称する〕に使用される乾式石膏ブロック〔以下、適宜、単に「石膏ブロック」と称する〕は、水と石膏とを含む放射線遮蔽材組成物により成形されてなり、好ましくは、壁を正面から見たとき、乾式石膏ブロック同士の合せ面は、壁の表面から裏面に亘って直線面ではない形状を有する。
なお、本明細書では、遮蔽壁10の放射線が入射する側の面を遮蔽壁の「表面」と、放射線の入射する面とは反対側の面を「裏面」と、それぞれ称することがある。
図1(A)本発明の放射線遮蔽壁10に使用される石膏ブロック12の一態様を表す斜視図及び側面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す石膏ブロック12の側面図、及び、石膏ブロック12と組み合わせて使用される、遮蔽壁10の端面に用いるための1/2サイズの変型石膏ブロック14を示す側面図である。
図1(A)に示す石膏ブロック12は、側面図に記載された矢印方向からの放射線を遮蔽する目的で使用され、該石膏ブロック12の上面、下面は直線面を有しないために、石膏ブロック12、14を積み重ねて構築された遮蔽壁10では、上下面における目地部分(継ぎ目部分)を放射線が貫通することがない。
図2(A)は、図1(A)、(B)に示す石膏ブロック12、14を積み重ねて構築された遮蔽壁10の斜視図であり、図2(B)は該遮蔽壁10の側面図である。
図2(B)に示されるように、側面図に明らかなように、石膏ブロック12、14の上下の接合面では継ぎ目において放射線が貫通しない態様となっており、図2(A)に示されるように、壁の厚み方向へ複数の乾式石膏ブロックを積んで形成される場合には、壁の表面側の乾式石膏ブロック12端面の裏面側に、2列目の乾式石膏ブロック12の表面が位置するように配置することで、石膏ブロック12の側面の目地からの放射線の貫通を防止することができる。
乾式石膏ブロックの形状は、図1〜図2に示すものに限定されず、様々な形状とすることができる。以下に、本発明に係る乾式石膏ブロックの変型例を用いて構築された放射線遮蔽壁について、図面を挙げて説明する。
例えば、図3に示す実施形態例の如く、乾式石膏ブロック22は直方体の形状を有するものであってもよい。図3(A)は、直方体の乾式石膏ブロック22が複数積まれてなる本発明の放射線遮蔽壁20の一態様を示す斜視図であり、(B)はその側面図である。本実施形態によれば、石膏ブロック22の上下面及び側面は、壁を正面から見たとき、乾式石膏ブロックの合せ面が、壁の表面から裏面に亘って直線面ではあるが、これを、壁の厚み方向へ複数列積む場合に、壁の表面側の乾式石膏ブロック22の側面の裏面側及び上下面の裏面側に、図3(A)に示すように乾式石膏ブロック22の面が位置するように積むことで、得られた遮蔽壁20において、合わせ目(目地)部分の放射線の貫通が防止される。
また、図4(A)は、側端面が壁の表面から裏面に亘って直線面ではない形状を示す乾式石膏ブロック32が複数積まれてなる本発明の放射線遮蔽壁30の一態様を示す斜視図であり、(B)はその斜視図である。図4に示す実施形態例では、壁を正面から見たとき、乾式石膏ブロック32の側面の合せ面は、壁の表面から裏面に亘って直線面ではなく、上下の合わせ面は壁の表面から裏面に亘って直線面となる。このような形状の石膏ブロック32では、両側部の接合面では継ぎ目において放射線が貫通しない態様となっており、壁の厚み方向へ複数列積む場合に、図4(B)に示すように、放射線遮蔽壁30の表面側の乾式石膏ブロック32の上下面の裏面に、乾式石膏ブロック32の面が位置するように積むことで、上下の目地における放射線の貫通を防止することができる。
図5(A)は、上下面の合わせ面が直線面ではない態様を示す乾式石膏ブロック42が複数積まれてなる本発明の放射線遮蔽壁40の一態様を示す斜視図であり、(B)はその斜視図である。図5に示す実施形態においては、壁を正面から見たとき、乾式石膏ブロック42の上下面の合せ面は、壁の表面から裏面に亘って直線面ではなく、側部の合わせ面は壁の表面から裏面に亘って直線面となる。このような形状の石膏ブロック42では、上下面の合わせ目では、継ぎ目において放射線が貫通しない態様となっており、壁の厚み方向へ複数列積む場合に、壁の側端面の乾式石膏ブロック42の裏面に、乾式石膏ブロック42の面が位置するように積むことで、遮蔽壁40において、目地における放射線の貫通を防止することができる。
図5(A)に用いられる乾式石膏ブロック42は、図5(B)の側面図に示す面が上下面となるように積むことも可能であり、その場合には、側面の合せ面は、壁の表面から裏面に亘って直線面ではなく、上下の合わせ面は壁の表面から裏面に亘って直線面となる。この方向で積む場合には、壁の厚み方向へ複数列積む場合に、乾式石膏ブロック42の上下面の裏面に、乾式石膏ブロック42の面が位置するように積むことで、目地における放射線の貫通を防止することができる。
このように、乾式石膏ブロックは、本発明の主旨を逸脱しない限りにおいて、目的に応じて種々の形状をとりうる。例えば、石膏ブロックの上下面及び側面の少なくともいずれかが、壁を正面から見たとき、乾式石膏ブロックの合せ面が、壁の表面から裏面に亘って直線面ではない場合には、直線面ではない面を有する箇所では、1列でも合わせ面(目地)における放射線の貫通を抑制しうる。このため、2列目以降も同じ積み方としてもよい。また、石膏ブロックの上下面及び側面のいずれか、或いは、双方が、壁を正面から見たとき、乾式石膏ブロックの合せ面が、壁の表面から裏面に亘って直線面である場合においても、図3(A)に示すように、2列目以降の積み方を選択することで、目地における放射線の貫通が抑制される。
〔放射線遮蔽材組成物〕
乾式石膏ブロック12を構成する放射線遮蔽材組成物は、少なくとも水と石膏とを含む。
即ち、放射線、特に遮蔽が困難とされる中性子線は、弾性散乱によるエネルギー吸収により遮蔽することが有効であるために、水素密度の高い材料を用いることが好ましく、そのような観点から、石膏を選択したものである。なお、汎用のコンクリートも含水率は高いものの、成形性、硬化速度が、本発明に係る石膏を主剤とする組成物に比較して劣り、得られたブロックの重量が同じ形状においてはより大きくなり、構築や移動が困難であるため、本発明においては石膏を主剤とする組成物を用いる。
放射線遮蔽材組成物に用いる石膏は、公知の硫酸カルシウムを含有する石膏材料であって、水を含んで速やかに硬化しうる材料であれば、任意に選択して用いることができる。石膏の種類については「石膏石灰ハンドブック 技報堂(1972年刊)」に詳細に記載されており、ここに記載の硬化性石膏であればいずれも使用しうる。
石膏の種類としては、水で硬化する半水石膏(CaSO・1/2HO:三方晶)を好ましく用いることができる。半水石膏としては結晶系の相違により、一般的にはα型半水石膏(α石膏)とβ型半水石膏(β石膏)に分類され、いずれも用いることができる。なかでも、比重が大きく、迅速に硬化し、且つ、硬化物の密度や圧縮強度がより高いという点ではα石膏が好ましい。一方、β石膏は標準混水量が90%と、α石膏の35%に対してより高いために、強度を必要としない箇所に使用する場合には、高い中性子線遮蔽効果を有する石膏ブロックとすることが期待できる。強度を必要としない箇所としては、例えば、比較的荷重の掛らない当該放射線遮蔽壁の上部に存する壁などが挙げられ、そのような箇所に好適に使用される。
放射線遮蔽材組成物は、少なくとも石膏と水とを含有するが、組成物中の石膏と水の含有比率は、石膏100質量部に対して、水が20質量部〜40質量部の範囲であることが好ましい。
また、本発明に係る放射線遮蔽材組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、流動性向上のための界面活性剤等の添加剤を必要に応じて併用してもよい。
本発明に係る放射線遮蔽材組成物には、石膏に加えてさらに、各種放射線に対する放射線遮蔽性を向上させる目的で、以下に述べる如き放射線遮蔽能を有する成分を併用することも好ましい態様である。
前記放射線遮蔽材組成物に、さらに、ホウ素、ホウ素化合物、ガドリニウム、カドミウム、及びリチウムからなる群より選択される元素又はその同位体の少なくとも1種の熱中性子吸収断面の大きな元素を含有することで、得られる石膏ブロックの中性子線、特に、熱中性子以下のエネルギーを有する中性子線の遮蔽効率をより向上させることができる。同位体としては、例えば、ホウ素であれば、11B、10Bなどが挙げられる。ここで、熱中性子吸収断面の大きな元素とは、「放射線物理と加速器安全の工学 第2版」(中村尚司 著)地人書館、155ページ、図3.45に記載されている水素の弾性散乱H(n,n)Hよりも大きい断面積を持つものをいう。代表的には、10B、Li、Cd、Gdなどが挙げられる。
なかでも、効果が高く、入手が容易であることから、ホウ素又はその同位体或いは、コレマナイト、硼酸、無水硼酸、BCなどから選ばれるホウ素化合物が好ましい。
また、熱中性子以上のエネルギーの中性子(例えば、速中性子など)に対しては、弾性散乱によるエネルギー吸収がより有効であるため、水素密度の高い材料、例えば、ポリエチレン、パラフィン、コンクリートなどを添加することが好ましい。これらはいずれも、添加後に硬化するものであれば、流動状態、例えば、粘性の高い液状成分として放射線遮蔽材組成物に添加してもよく、粒子、骨材、ゲル状物などの固形分として放射線遮蔽材組成物に添加してもよい。
本発明に使用される石膏は既述のように含水率が高いため、弾性散乱による中性子の遮蔽材として適している。また、放射線遮蔽材組成物における水に代えて、或いは、水に加えて、より水素密度の高い「重水」を添加することも中性子線遮蔽効果の観点からは好ましい。
上記中性子線遮蔽効果向上のために用いられる各化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物の添加量としては、石膏100質量部に対し、150質量部〜10質量部の範囲であることが効果の観点から好ましく、100質量部〜25質量部の範囲であることがより好ましい。
前記放射線遮蔽材組成物が、さらに、鉛、タングステン、ビスマス、鉄、酸化鉄、鉄鉱石、磁鉄鉱、赤鉄鉱、重晶石、バリウム、及びバリウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種の粒子を含有することで、γ線の遮蔽硬化を向上することができる。即ち、γ線は、密度の高い材料により効果的に遮蔽されるので、上記の如く金属粒子を含有させることも好ましい態様である。これらの中でも、遮蔽性向上効果が高く、入手が容易であり、ハンドリング性に優れると言った観点から、バリウムや、硫酸バリウムなどのバリウム化合物が好ましい。
上記γ線遮蔽効果向上のために用いられる各粒子は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粒子の添加量としては、石膏100質量部に対し、400質量部〜40質量部の範囲であることが効果の観点から好ましく、250質量部〜100質量部の範囲であることがより好ましい。
石膏ブロックを形成するには、放射線遮蔽材組成物を所定の型枠内に投入し、乾燥すればよく、流動性を考慮すれば、放射線遮蔽材組成物の固形分濃度は10質量%〜60質量%の範囲であることがハンドリング性の観点から好ましい。
得られた石膏ブロックは、耐水性向上のため、撥水剤や耐水性塗料を表面に塗布したり、カルシウムと反応して硬化するカリ石鹸やカルボン酸塩水溶液を塗布したり、水溶性アクリルペイントを石膏の5質量%〜10質量%の範囲で添加したりする等の手段をとってもよい。
〔放射線遮蔽壁〕
上記で得られた石膏ブロック12を積み重ねることで放射線遮蔽壁10が形成される。
図2(A)に記載のように、石膏ブロック12、14を積み重ねて遮蔽壁を構築するとき石膏ブロック12を必要な高さになるまで、1段から高さ方向に順次積み重ね、幅方向も必要な幅となるまで並列に積むことで所定の面積の遮蔽壁10が形成される。また、必要な遮蔽率を達成するために、放射線の入射方向から複数列の石膏ブロック12、14を、最表面に位置する積まれた石膏ブロックと同様に、積むことで全体の遮蔽壁10の厚みを大きくすることができ、放射線遮蔽に使用しうる領域が調整される。このとき、図2(A)の斜視図に示すように、壁の厚み方向へ複数列の石膏ブロック12、14を積んで遮蔽壁10の厚みを大きくする場合には、壁の表面側の乾式石膏ブロック12の側端面の裏面側に、2列目の石膏ブロック12の表面が位置するように配置することで、石膏ブロック12の側面の目地からの放射線の貫通を防止することができる。
本発明においては、石膏ブロックを積むことにより放射線遮蔽壁10が形成されるため、任意の場所に任意の面積で簡易に遮蔽壁を構築できる。また、必要に応じて簡易に移動させることもできる。
遮蔽壁10を所定の場所に固定する場合には、図2(B)の側面図に示されるように、石膏ブロック12、14の最下面と床などの基板との間を固定化剤16で固定してもよい。固定化剤としては、例えば、石膏やモルタルなどが挙げられ、簡易に使用しうる点、硬化速度が速い点、放射線遮蔽能に優れる点などから石膏が好ましい。
放射線遮蔽壁10の構築に使用する石膏ブロック12の種類、言い換えれば、石膏ブロック12、14を構成する放射線遮蔽材組成物の種類と積み方を変更することで、遮蔽しようとする放射線の種類と目的とする遮蔽率に最適な遮蔽壁10が簡易に形成される。以下、その詳細な態様について説明する。
石膏ブロック12の積み方を説明する便宜上、以下、石膏及びのみからなる放射線遮蔽材組成物により形成された石膏ブロックを石膏ブロック(a)、水と石膏とホウ素、ホウ素化合物、ガドリニウム、カドミウム、及びリチウムからなる群より選択される元素又はその同位体の少なくとも1種(以下に示す実施形態では、具体的には、コレマナイト)とを含有する放射線遮蔽材組成物により形成された石膏ブロックを石膏ブロック(b)、水と石膏と鉛、タングステン、ビスマス、鉄、酸化鉄、鉄鉱石、磁鉄鉱、赤鉄鉱、重晶石、バリウム、及びバリウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種の粒子(以下に示す実施形態では、具体的には、硫酸バリウム)とを含有する放射線遮蔽材組成物により形成された石膏ブロックを石膏ブロック(c)と称する。
既述のように、石膏ブロック(a)は、含水率が高いため、中性子線、特に、熱中性子以上のエネルギーの中性子(例えば、速中性子など)の遮蔽に有効であり、図6(A)のモデル図に示すように、石膏ブロック(a)〔図6中(a)と記載〕のみを複数列積んで構成された遮蔽壁16は、γ線の遮蔽にも有効ではあるが、中性子線の遮蔽により適する。
また、石膏ブロック(b)〔図6中(b)と記載〕は、既述の如く、熱中性子吸収断面の大きな元素を含むことから、中性子線、特に、熱中性子以下のエネルギーを有する中性子線の遮蔽に有効であり、図6(B)に示すように、放射線の入射面に石膏ブロック(a)を積み、その裏面に、石膏ブロック(b)を積むことにより、中性子線遮蔽能をより高めた遮蔽壁とすることができる。
石膏ブロック(c)〔図6中(c)と記載〕は、高密度の粒子を含むため、γ線の遮蔽に有効であり、さらに、石膏ブロック(c)を積むことにより、γ線の遮蔽能をより高めた遮蔽壁とすることができる。
中性子線の遮蔽に有効な別の態様として、図6(C)に示すように、放射線の入射面に石膏ブロック(a)を積み、その裏面に、石膏ブロック(b)を積む態様を挙げることができる。
γ線を主として遮蔽する場合には、図6(D)に示すように、石膏ブロック(c)を複数列積む態様をとることができる。
さらに、図7(A)に記載のように、表面側に石膏ブロック(a)を複数列積み、その後ろに石膏ブロック(b)及び石膏ブロック(c)を積むことで遮蔽壁とした場合、例えば、表面の放射線を最も強く浴びる列の石膏ブロック(a)が放射化した場合〔図7(A)〕、最表面の列に積まれた石膏ブロック(a)のみを除去して〔図7(B)〕、新たな石膏ブロック(a)を積むことで〔図7(C)〕、構築当初と同様の機能を有する遮蔽壁が形成でき、且つ、石膏ブロックを全て入れ替える必要がないために、放射線に汚染された廃棄物の量を少なくすることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に制限されるものではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用の変型例の範囲を含むことはいうまでもない。
(実施例1−1〜1−6)
(放射線遮蔽材組成物1の調製)
下記処方1に記載の各成分を容器に投入し、室温(25℃)にて、充分に撹拌混合して放射線遮蔽材組成物1を得た。
(処方1)
・α石膏 100質量部
・水(水道水) 30質量部
(乾式石膏ブロックの成形)
図1(A)に示す形状であって、放射線の通過方向の厚みが6cmの型枠に、得られた放射線遮蔽材組成物1を投入し、常温(25℃)で、約1時間乾燥し、硬化した後、型枠を外して実施例1に使用する石膏ブロック(a)を得た。
また、厚みのより薄い石膏ブロック(a−2)は、石膏ブロック(a)を3cm厚に加工することで得た。
(放射線遮蔽壁)
得られた石膏ブロック(a)を放射線の入射方向に向かい一列に積んで実施例1−1の放射線遮蔽壁を形成した。
同様に、壁の表面側の乾式石膏ブロックの端面の裏面側には乾式石膏ブロックの面を位置させて、側面の継ぎ目を一致しないように位置を決めて2列積んで実施例1−2の放射線遮蔽壁を形成した。
同様に、壁の表面側の乾式石膏ブロックの端面の裏面側には乾式石膏ブロックの面を位置させて、側面の継ぎ目が互いに一致しないように3列積んで実施例1−3の放射線遮蔽壁を形成した。
また、得られた石膏ブロック(a−2)を放射線の入射方向に向かい一列に積んで実施例1−4の放射線遮蔽壁を形成した。
同様に、壁の表面側の乾式石膏ブロックの端面の裏面側には乾式石膏ブロックの面を位置させて、側面の継ぎ目を一致しないように位置を決めて3列積んで実施例1−5の放射線遮蔽壁を形成した。
同様に、壁の表面側の乾式石膏ブロックの端面の裏面側には乾式石膏ブロックの面を位置させて、側面の継ぎ目が互いに一致しないように6列積んで実施例1−6の放射線遮蔽壁を形成した。
(放射線遮蔽壁の評価)
実施例1−1〜実施例1−3の放射線遮蔽壁について、放射線の線源を、γ線として、Co−60:「コバルト−60」(10MBq)及びCs−137:「セシウム−137」(10MBq)にて遮蔽実験を実施した。また、実施例1−4〜実施例1−6の放射線遮蔽壁について、放射線の線源を、中性子線としてCf−252:「カリフォルニウム−252」(3.7MBq)にて遮蔽実験を実施した。結果を下記表1〜2に示す。
表1に示すように、石膏ブロック(a)はブロック1列の遮蔽壁においても、23%〜28%のγ線遮蔽率を達成しており、石膏ブロック(a)を3列積んで形成した放射線遮蔽壁によれば、厚さ18cmにて、γ線は70%を超える遮蔽率が達成されることが確認された。この遮蔽率は、γ線においては20mm鉛等量を超える高い遮蔽率である。また、表2に示すように、石膏ブロック(a−2)はブロック1列の遮蔽壁においても、20%の中性子線遮蔽率を達成しており、石膏ブロック(a−2)を6列積んで形成した放射線遮蔽壁によれば、厚さ18cmにて、中性子線は70%を超える遮蔽率が達成されることが確認された。従って、前記各実施例の放射線遮蔽壁は、簡易な方法で構築でき、優れた放射線遮蔽性を有する放射線遮蔽壁であることがわかる。
(実施例2−1〜2−6)
(放射線遮蔽材組成物2の調製)
下記処方2に記載の各成分を容器に投入し、実施例1-1と同様にして放射線遮蔽材組成物2を得た。
(処方2)
・α石膏 100質量部
・コレマナイト 100質量部
・水(水道水) 35質量部
(乾式石膏ブロックの成形)
図1(A)に示す形状であって、放射線の通過方向の厚みが6cmの型枠に、得られた放射線遮蔽材組成物2を投入し、常温(25℃)で、約1時間乾燥し、硬化した後、型枠を外して実施例1に使用する石膏ブロック(b)を得た。
また、厚みのより薄い石膏ブロック(b−2)は、石膏ブロック(b)を3cm厚に加工することで得た。
(放射線遮蔽壁)
得られた石膏ブロック(b)を放射線の入射方向に向かい一列に積んで実施例2−1の放射線遮蔽壁を形成した。
同様に、壁の表面側の乾式石膏ブロック(b)の端面の裏面側には乾式石膏ブロックの面を位置させて、側面の継ぎ目を一致しないように位置を決めて2列積んで実施例1−2の放射線遮蔽壁を形成した。
同様に、壁の表面側の乾式石膏ブロック(b)の端面の裏面側には乾式石膏ブロックの面を位置させて、側面の継ぎ目が互いに一致しないように3列積んで実施例1−3の放射線遮蔽壁を形成した。
また、得られた石膏ブロック(b−2)を放射線の入射方向に向かい一列に積んで実施例2−4の放射線遮蔽壁を形成した。
同様に、壁の表面側の乾式石膏ブロックの端面の裏面側には乾式石膏ブロックの面を位置させて、側面の継ぎ目を一致しないように位置を決めて3列積んで実施例2−5の放射線遮蔽壁を形成した。
同様に、壁の表面側の乾式石膏ブロックの端面の裏面側には乾式石膏ブロックの面を位置させて、側面の継ぎ目が互いに一致しないように6列積んで実施例2−6の放射線遮蔽壁を形成した。
(放射線遮蔽壁の評価)
実施例2−1〜実施例2−6の放射線遮蔽壁について、実施例1−1〜実施例1−6とそれぞれ同様にして遮蔽実験を実施した。結果を下記表3〜4に示す。
表3に示すように、石膏ブロック(b)はブロック1列の遮蔽壁においても、24%〜28%の放射線遮蔽率を達成しており、石膏ブロック(b)を3列積んで形成した放射線遮蔽壁によれば、γ線は約65%の遮蔽率が達成されることが確認された。表4に示すように、石膏ブロック(b−2)はブロック1列の遮蔽壁においても、22%の中性子線遮蔽率を達成しており、石膏ブロック(b−2)を6列積んで形成した放射線遮蔽壁によれば、中性子線は77%の遮蔽率が達成されることが確認され、石膏ブロック(b)は特に中性子線遮蔽効果が高いことがわかる。
(実施例3−1〜3−6)
(放射線遮蔽材組成物3の調製)
下記処方3に記載の各成分を容器に投入し、実施例1−1と同様にして放射線遮蔽材組成物3を得た。
(処方3)
・α石膏 100質量部
・硫酸バリウム 100質量部
・水(水道水) 35質量部
(乾式石膏ブロックの成形)
図1(A)に示す形状であって、放射線の通過方向の厚みが6cmの型枠に、得られた放射線遮蔽材組成物3を投入し、常温(25℃)で、約1時間乾燥し、硬化した後、型枠を外して実施例3に使用する石膏ブロック(c)を得た。
また、厚みのより薄い石膏ブロック(c−2)は、石膏ブロック(c)を3cm厚に加工することで得た。
(放射線遮蔽壁)
得られた石膏ブロック(c)を放射線の入射方向に向かい一列に積んで実施例3−1の放射線遮蔽壁を形成した。
同様に、壁の表面側の乾式石膏ブロックの端面の裏面側には乾式石膏ブロックの面を位置させて、側面の継ぎ目を一致しないように位置を決めて2列積んで実施例3−2の放射線遮蔽壁を形成した。
同様に、壁の表面側の乾式石膏ブロックの端面の裏面側には乾式石膏ブロックの面を位置させて、側面の継ぎ目が互いに一致しないように3列積んで実施例3−3の放射線遮蔽壁を形成した。
また、得られた石膏ブロック(c−2)を放射線の入射方向に向かい一列に積んで実施例3−4の放射線遮蔽壁を形成した。
同様に、壁の表面側の乾式石膏ブロックの端面の裏面側には乾式石膏ブロックの面を位置させて、側面の継ぎ目を一致しないように位置を決めて3列積んで実施例3−5の放射線遮蔽壁を形成した。
同様に、壁の表面側の乾式石膏ブロックの端面の裏面側には乾式石膏ブロックの面を位置させて、側面の継ぎ目が互いに一致しないように6列積んで実施例3−6の放射線遮蔽壁を形成した。
(放射線遮蔽壁の評価)
実施例3−1〜実施例3−6の放射線遮蔽壁と同様にして放射線の遮蔽実験を実施した。結果を下記表5〜6に示す。
表5に示すように、石膏ブロック(c)はブロック1列の遮蔽壁においても、34%〜45%のγ線遮蔽率を達成しており、石膏ブロック(c)を3列積んで形成した放射線遮蔽壁によれば、γ線は約78%〜88%の遮蔽率が達成されることが確認された。この遮蔽率は、γ線においては23mm〜31cm鉛等量である高い遮蔽率である。また、表6に示すように、石膏ブロック(c−2)はブロック1列の遮蔽壁においても、17%の中性線遮蔽率を達成しており、石膏ブロック(c−2)を6列積んで形成した放射線遮蔽壁によれば、中性子線は67%の遮蔽率が達成されることが確認された。上記の結果より、石膏ブロック(c)は特にγ線遮蔽効果が高いことがわかる。
このように、前記各実施例の放射線遮蔽壁は、簡易に構築でき、高い放射線遮蔽性を有することが確認された。
10、20、30、40 放射線遮蔽壁
12、22、32、42 乾式石膏ブロック

Claims (8)

  1. 乾式石膏ブロックが積み重ねられて構築された放射線遮蔽壁であり、
    前記乾式石膏ブロックは、石膏及び水のみからなる放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(a)、水と石膏とホウ素、ホウ素化合物、ガドリニウム、カドミウム、及びリチウムからなる群より選択される元素又はその同位体の少なくとも1種とを含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(b)、及び水と石膏と鉛、タングステン、ビスマス、鉄、酸化鉄、鉄鉱石、磁鉄鉱、赤鉄鉱、重晶石、バリウム、及びバリウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種の粒子と、を含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(c)の少なくとも2種を含み、
    前記壁の厚み方向へ、前記乾式石膏ブロック(a)、前記乾式石膏ブロック(b)及び前記乾式石膏ブロック(c)から選ばれた、互いに放射線遮蔽効果が異なる2種以上の前記乾式石膏ブロックで自立するように構築された壁を複数配列した放射線遮蔽壁。
  2. 前記乾式石膏ブロックは、石膏がα型半水石膏である乾式α石膏ブロックである、請求項1に記載の放射線遮蔽壁。
  3. さらに、乾式石膏ブロックにおける石膏がβ型半水石膏である乾式β石膏ブロックを含み、前記乾式β石膏ブロックは、前記乾式α石膏ブロックの上部に積み重ねられる請求項2に記載の放射線遮蔽壁。
  4. 壁を正面から見たとき、乾式石膏ブロックの合せ面は、壁の表面から裏面に亘って直線面ではない、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の放射線遮蔽壁。
  5. 壁の厚み方向へ複数の乾式石膏ブロックが積まれ、壁の表面側の乾式石膏ブロックの端面の裏面側には乾式石膏ブロックの面が位置している、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の放射線遮蔽壁。
  6. 前記乾式石膏ブロックは、石膏及び水のみからなる放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(a)、水と石膏とホウ素、ホウ素化合物、ガドリニウム、カドミウム、及びリチウムからなる群より選択される元素又はその同位体の少なくとも1種とを含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(b)、及び水と石膏と鉛、タングステン、ビスマス、鉄、酸化鉄、鉄鉱石、磁鉄鉱、赤鉄鉱、重晶石、バリウム、及びバリウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種の粒子と、を含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(c)の3種を含み、
    前記乾式石膏ブロック(a)、前記乾式石膏ブロック(b)、及び前記乾式石膏ブロック(c)のそれぞれにより自立するように構築された壁を、壁の厚み方向に備えた請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の放射線遮蔽壁。
  7. 石膏及び水のみからなる放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(a)、水と石膏とホウ素、ホウ素化合物、ガドリニウム、カドミウム、及びリチウムからなる群より選択される元素又はその同位体の少なくとも1種とを含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(b)、及び水と石膏と鉛、タングステン、ビスマス、鉄、酸化鉄、鉄鉱石、磁鉄鉱、赤鉄鉱、重晶石、バリウム、及びバリウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種の粒子と、を含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(c)から選ばれる1種の乾式石膏ブロックを、高さ方向に積み重ねて自立することができる第1の壁を構築する工程と、
    前記第1の壁の厚み方向の、放射線の入射方向とは反対側に、第1の壁を構築した乾式石膏ブロックとは放射線遮蔽効果の異なる乾式石膏ブロックを積み重ねて自立することができる第2の壁を構築する工程と、を含む放射線遮蔽壁の施工方法。
  8. 石膏及び水のみからなる放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(a)、水と石膏とホウ素、ホウ素化合物、ガドリニウム、カドミウム、及びリチウムからなる群より選択される元素又はその同位体の少なくとも1種とを含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(b)、及び水と石膏と鉛、タングステン、ビスマス、鉄、酸化鉄、鉄鉱石、磁鉄鉱、赤鉄鉱、重晶石、バリウム、及びバリウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種の粒子と、を含有する放射線遮蔽材組成物により形成された乾式石膏ブロック(c)から選ばれる1種の乾式石膏ブロックを、高さ方向に積み重ねて自立することができる第1の壁を構築し、
    その後、前記第1の壁の厚み方向の、放射線の入射方向とは反対側に、第1の壁を構築した乾式石膏ブロックとは放射線遮蔽効果の異なる乾式石膏ブロックを積み重ねて自立することができる第2の壁を構築して得られた放射線遮蔽壁において、
    放射化した第1の壁を構築した乾式石膏ブロックを除去する工程と、
    前記乾式石膏ブロックを除去した領域に、新たに、乾式石膏ブロックを高さ方向に積み重ねて第1の壁を再構築する工程と、を含む、放射線遮蔽壁の修復方法。
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