JP3120482U - 列盤の連結構造 - Google Patents

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Abstract


【課題】列盤の連結作業をすべて一方の盤側で行えるようにする連結構造の提供。
【解決手段】配電盤などの隣接する盤11.12の側壁は、鍵穴状の連結孔15の内周縁を連結ボルト13とナット14で締め付けて連結されている。この連結孔15は、ナット14が挿通される丸孔部16と、この丸孔部16に連続形成されて連結ボルト13の軸部18が回転自在に収容される長孔部17とを有している。一方、ナット14の座金22の切欠面23には、長孔部17に係合してナット14の回転を制限するストッパ24が固定されている。このストッパ24が長孔部17に係合した状態で連結ボルト13の軸部18にナット14が締め付けられている。
【選択図】図1

Description

本考案は、配電盤や監視制御盤などが列盤となるときに、互いの盤を連結ボルトとナットを用いて連結する列盤の連結構造に関する。
周知のように、開閉器・計器類・保安装置などを収容する配電盤や監視制御盤の列盤は、耐震対策および盤間の隙間を無くす観点から、連結ボルトとナットを用いて、隣接する盤を締め付けている。
図8に基づき概略を説明すれば、配電盤などの隣接する盤1.2の側壁には、図8(a)に示すように、円形の連結孔3が連通形成されている。この連結孔3には、図8(b)に示すように、連結ボルト4の軸部5が一方の盤1側から挿入されている。この連結ボルト4の軸部5には他方の盤2側でナット6の締付作業が行われている。
すなわち、他方の盤2側で、スパナ工具を用いて、ナット6の回転を抑えると同時に、一方の盤1側で、ドライバー工具を用いて、連結ボルト4の頭部7を回転させることによって、連れ回りを防止しつつ、ナット6が締結されている。
しかしながら、配電盤などが扉構造のときには、一人では連結ボルト4とナット6の双方に手が届かない場合があるので、扉を外したり、あるいは二人で作業しなければならず、作業性が悪化するおそれがある。
また、盤1.2の部品実装状況によっては、作業員が手を入れる作業スペースが確保できず、連結作業が困難な場合もあった。
そこで、前記従来の問題を解決すべく、請求項1記載の考案は、列盤の隣接する側壁に形成された連結孔の内周縁を連結ボルトとナットにより締め付けて前記側壁を連結する列盤の連結構造であって、前記連結孔は、前記ナットが挿通される丸孔部と、この丸孔部に連続形成されて連結ボルトの軸部が収容される長孔部とを有し、前記ナットに前記長孔部に係合して前記ナットの回転を制限するストッパを設け、このストッパが前記長孔部に係合した状態で、前記連結ボルトの軸部に前記ナットを締め付けることを特徴としている。
この考案によれば、一方の盤側からナットを丸孔部に挿通した後に、ストッパを長孔部に係合させると、ナットの回転が制限されるため、一方の盤側で連結ボルトの頭部を回転させて連結作業を行うことができる。
このストッパは、例えば請求項2記載の考案のように、前記ナットの座面から前記連結ボルトの頭部に向かって延設されている。
請求項3記載の考案は、列盤の隣接する側壁に形成された連結孔の内周縁を連結ボルトとナットにより締め付けて前記側壁を連結する列盤の連結構造であって、前記連結孔は、前記連結ボルトの頭部が挿通される丸孔部と、この丸孔部に連続形成されて連結ボルトの軸部が収容される長孔部とを有し、前記連結ボルトに前記長孔部内に係合して前記連結ボルトの軸部の回転を制限するストッパを設け、このストッパが前記長孔部に係合した状態で前記連結ボルトの軸部に前記ナットを締め付けることを特徴としている。
この考案によれば、一方の盤側から連結ボルト頭部を丸孔部に挿通した後に、ストッパを長孔部に係合させると、連結ボルトの回転が制限されるため、一方の盤側でナットを回転させて連結作業を行うことができる。
このストッパは、例えば請求項4記載の考案のように、連結ボルトの頭部の座面から前記ナットに向かって延設されている。
請求項1〜4記載の考案によれば、両盤の連結作業が、すべて一方の盤側で行えることから、配電盤などが扉構造の場合であっても、扉を取外すことなく、一人で連結作業を行うことができ、作業性が向上する。また、いずれかの盤内に作業スペースが確保できない場合(作業員の手が入らないなど)にも、一方の盤側で連結作業を行うことができる。
(1)第1実施形態
図1〜図4は、本考案の第1実施形態に係る列盤の連結構造を示し、図1に示すように、開閉器・計器類・保安装置などを収容する配電盤や監視制御盤の隣接する盤11.12は、連結ボルト13とナット14を用いて締付連結されている。
この両盤11.12の側壁は、図2に示すように、それぞれの対応する位置に鍵穴状の連結孔(ダルマ孔)15が連通して形成されている。この両連結孔15は、同形状に形成され、円形状の丸孔部16と、この丸孔部16の下側に連続形成された細長の長孔部17とを有している。
このうち丸孔部16は、前記ボルト13の頭部と前記ナット14と挿通可能な内径に形成されている一方、長孔部17は、前記連結ボルト13の軸部18を収容可能な内径に形成されている。
また、前記連結ボルト13の座面には、図1に示すように、頭部19の締付圧力を均一化するばね座金20および平座金21が装着されている一方、軸部18の外周に前記ナット14のねじ穴が螺合している。
そして、前記ナット14の座面には、図3(a)に示すように、ナット14の締付圧力を均一化する座金22が溶接されている。この座金22は、図3(b)(c)に示すように、外周部の切欠面23にナット14の回転を制限するプレート状のストッパ24を有している。
このストッパ24は、一方の側端部25が前記切欠面23に溶接などの手段で固定されているとともに、図1に示すように、他方の側端部25aが前記連結ボルト13の頭部19の方向に向かって延設されている。
具体的には、前記ストッパ24は、長手方向の長さが前記長孔部17の内径よりも若干短く設定され、肉厚が各盤1.2の肉厚よりもやや厚く設定されている。これにより前記ストッパ24は、連結ボルト13の軸部18を長孔部17内に降下させると前記長孔部17に係合して、前記ナット14の回転を制限している。
したがって、この連結ボルト13とナット14を用いて、隣接する両盤11.12を連結するに際しては、従来と同様な手法のみならず、一方の盤側11ですべての連結作業を行うことができる。
この連結作業を、図4(a)(b)に基づき説明すれば、まず、連結ボルト16の軸部18にナット14を螺着した組ボルトの状態のまま、ナット14を一方の盤11側から、両盤11.12の両丸孔部16に挿通するとともに、図4(a)の矢印Pに示すように、連結ボルト13の軸部18を長孔部17内に降下させる。
つぎに、一方の盤11側で連結ボルト13の頭部19を、ドライバー工具やスパナ工具を用いて一方向に回転させる。このときストッパ24は、図4(b)に示すように、両盤11.12の長孔部17内に係合するため、ナット14の連れ回りが防止される。
これにより一方の盤11側で連結ボルト13の頭部19を一方向に回転させると連結ボルト13の軸部18が、ナット14のねじ穴に順次螺入する。したがって、一方の盤11側の作業のみで両長孔部17の内周縁が締め付けられ、両盤11.12が連結されて列盤構造となる。
この結果、両盤11.12の連結作業が、すべて一方の盤11側で行え、他方の盤12が扉構造の場合であっても、扉を取外すことなく、一人で連結作業を行うことができ、作業性が向上する。
また、部品実装状況などによって、他方の盤12内に作業員の手を入れる作業スペースを確保できない場合にも、一方の盤11側ですべての連結作業を行うことができる。
(2)第2実施形態
図5は、本考案の第2実施形態に係る列盤の連結構造を示している。ここでは前記ストッパ24は、図5(a)に示すように、コ字状に折曲形成され、図5(b)(c)に示すように、中央側端部30が前記切欠面23に溶接などの手段で固定されている一方、両端部31.32が前記連結ボルト13の軸部18の方向に向かって延設されている。
この両端部31,32の高さは、各盤11.12の肉厚よりも高く設定されているとともに、両端部31.32間の距離は、前記長孔部17の内径よりも若干短く設定されている。
したがって、連結ボルト13の軸部18を長孔部17内に降下させれば、ストッパ24の両端部31.32が、長孔部17に係合して、ナット14の回転を制限する。これによっても連結ボルト13の頭部19を回転させた場合にナット14の連れ回りが防止され、一方の盤11側のみで列盤の連結作業を行うことができる。
(3)第3実施形態
図6は、本考案の第3実施形態に係る列盤の連結構造を示している。ここではばね座金20および平座金21に代わって、図6(a)(b)に示すように、前記連結ボルト13の頭部19の座面に、外周部が切り欠かれた座金が33溶接されている。この座金33は、切欠面34に前記連結ボルト13の回転を制限するプレート状のストッパ35を有している。
具体的には、前記ストッパ35は、図6(b)(c)に示すように、一方の側端部36が前記切欠面34に溶接などの手段で固定されているとともに、他方の側端部36aが前記ナット14の方向に向かって延設されている。
また、前記ストッパ35は、長手方向の長さが前記長孔部17の内径よりも若干短く設定され、肉厚が各盤11.12の肉厚よりもやや厚く設定されている。
したがって、この連結ボルト13とナット14を用いて、隣接する両盤11.12を連結するに際しては、まず、連結ボルト16の軸部18にナット14を螺着した組ボルトの状態のまま、連結ボルト13の頭部19を一方の盤11側から、両盤11.12の両丸孔部16に挿通するとともに、連結ボルト13の軸部18を長孔部17内に降下させる。
つぎに、一方の盤11側でナット14を、スパナ工具などを用いて一方向に回転させる。このときストッパ35は、両盤11.12の長孔部17内に係合するため、連結ボルト13の連れ回りが防止される。
したがって、一方の盤11側でナット14を一方向に回転させるだけで、連結ボルト13の軸部18が、ナット14のねじ穴に順次螺入する。これにより一方の盤11側の作業のみで両長孔部17の内周縁が締め付けられ、両盤11.12が連結されて列盤構造となる。
この結果、両盤11.12の連結作業が、すべて一方の盤11側で行え、他方の盤12が扉構造の場合であっても、扉を取外すことなく、一人で連結作業を行うことができ、作業性が向上する。
また、部品実装状況などによって、他方の盤12内に作業員の手を入れる作業スペースを確保できない場合にも、一方の盤11側ですべての連結作業を行うことができる。
(4)第4実施形態
図7は、本考案の第4実施形態に係る連結構造を示している。ここでは前記ストッパ26は、図7(a)に示すように、コ字状に折曲形成されており、図7(b)(c)に示すように、中央側端部37が前記切欠面34に溶接などの手段で固定されている一方、両端部38.39が前記ナット14の方向に向かって延設されている。
この両端部38.39の高さは、各盤11.12の肉厚よりも高く設定されているとともに、両端部38.39間の距離は、前記長孔部17の内径よりも若干短く設定されている。
したがって、連結ボルト13の軸部18を長孔部17内に降下させれば、ストッパ35の両端部38.39が、長孔部18に係合して、連結ボルト13の回転を制限する。これによってもナット14を回転させた場合に連結ボルト13の連れ回りが防止され、一方の盤11側の作業のみで両長孔部17の内周縁を締め付けることができる。
なお、第3実施形態および第4実施形態においては、ストッパ24を有するナット14を用いることなく、例えば背景技術のナット6などを使用して、列盤の締付作業を行うことができる。
本考案の第1実施形態に係る列盤の連結構造を示す縦断面図。 同 盤の裏面図。 (a)はナットの正面図、(b)はナットの底面図、(c)はナットの側面図。 (a)はナットを丸孔部に挿通した状態の正面図、(b)は連結ボルトの軸部を長孔部に降下させた状態の正面図。 (a)は本考案の第2実施形態に係るナットの正面図、(b)は同底面図、(c)は同側面図。 (a)は本考案の第3実施形態に係る連結ボルトの正面図、(b)は同底面図、(c)は同側面図。 (a)は本考案の第4実施形態に係る連結ボルトの正面図、(b)は同底面図、(c)は同側面図。 (a)は従来の盤の裏面図、(b)は従来の列盤の連結構造を示す縦断面図。
符号の説明
10.11…盤
13…連結ボルト
14…ナット
15…連結孔
16…丸孔部
17…長孔部
18…軸部
19…頭部
24.35…ストッパ

Claims (4)

  1. 列盤の隣接する側壁に形成された連結孔の内周縁を連結ボルトとナットにより締め付けて前記側壁を連結する列盤の連結構造であって、
    前記連結孔は、前記ナットが挿通される丸孔部と、この丸孔部に連続形成されて連結ボルトの軸部が収容される長孔部とを有し、
    前記ナットに前記長孔部に係合して前記ナットの回転を制限するストッパを設け、
    このストッパが前記長孔部に係合した状態で、前記連結ボルトの軸部に前記ナットを締め付けることを特徴とする列盤の連結構造。
  2. 前記ストッパを、前記ナットの座面から前記連結ボルトの頭部に向かって延設したことを特徴とする請求項1記載の列盤の連結構造。
  3. 列盤の隣接する側壁に形成された連結孔の内周縁を連結ボルトとナットにより締め付けて前記側壁を連結する列盤の連結構造であって、
    前記連結孔は、前記連結ボルトの頭部が挿通される丸孔部と、この丸孔部に連続形成されて連結ボルトの軸部が収容される長孔部とを有し、
    前記連結ボルトに前記長孔部内に係合して前記連結ボルトの軸部の回転を制限するストッパを設け、
    このストッパが前記長孔部に係合した状態で前記連結ボルトの軸部に前記ナットを締め付けることを特徴とする列盤の連結構造。
  4. 前記ストッパを、前記連結ボルトの頭部の座面から前記ナットに向かって延設したことを特徴とする請求項3記載の列盤の連結構造。
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