JP3120310B2 - 一方向摺動部材 - Google Patents

一方向摺動部材

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JP3120310B2
JP3120310B2 JP04350297A JP35029792A JP3120310B2 JP 3120310 B2 JP3120310 B2 JP 3120310B2 JP 04350297 A JP04350297 A JP 04350297A JP 35029792 A JP35029792 A JP 35029792A JP 3120310 B2 JP3120310 B2 JP 3120310B2
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sliding surface
sliding
crystal
metal
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義和 藤澤
康 川人
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貴浩 郡司
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Honda Motor Co Ltd
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/02Valve drive
    • F01L1/04Valve drive by means of cams, camshafts, cam discs, eccentrics or the like
    • F01L1/047Camshafts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L2301/00Using particular materials
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一方向摺動部材、特に相
手部材との摺動面を持つ摺動面構成体を備えた一方向摺
動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種一方向摺動部材としては、
例えば内燃機関用カムシャフトが知られている。このカ
ムシャフトは、一般に鋳鉄より構成され、そのノーズ部
には耐焼付き性の向上を狙って、チル層、窒化層等の摺
動面構成体が設けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、内燃機
関が高速、且つ高出力化の傾向にある現在の状況下で
は、従来の摺動面構成体はオイル保持性、つまり保油性
が十分でなく、また初期なじみ性も悪いため耐焼付き性
が乏しいという問題がある。
【0004】本発明は前記に鑑み、結晶構造を特定する
ことによって十分な保油性と良好な初期なじみ性を持
ち、これにより耐焼付き性を向上させることができるよ
うにした摺動面構成体を持つ前記一方向摺動部材を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、相手部材との
摺動面を持つ摺動面構成体を備えた一方向摺動部材であ
って、前記摺動面構成体は、前記摺動面に沿う仮想面よ
り突出して前記摺動面を形成する複数の角錐状金属結晶
の集合体よりなり、その集合体は、前記金属結晶の底面
中央部を通り、且つ前記仮想面に直角をなすように前記
金属結晶の頂点側へ延びる基準線と、前記金属結晶の頂
点および前記底面中央部を通り、且つ前記基準線よりも
摺動方向前側に存する直線とのなす傾き角θが0°≦θ
≦30°である金属結晶を含み、その傾き角θを持つ金
属結晶の存在率SはS≧20%であることを特徴とす
る。この場合、前記金属結晶は体心立方構造を持ち、且
つミラー指数で(hhh)面を摺動面側に向けた(hh
h)配向性金属結晶であるか、またはミラー指数で(h
00)面を摺動面側に向けた(h00)配向性Ni結晶
および(3hhh)面を摺動面側に向けた(3hhh)
配向性Ni結晶の少なくとも一方である。
【0006】
【作用】前記傾き角θを持つ角錐状金属結晶の存在率S
を前記のように設定すると、相隣る両角錐状金属結晶は
相互に食込んだ状態を呈する。これにより摺動面は、多
数の山部と、それら山部の間に形成された多数の谷部
と、山部相互の食込みに因る多数の沢部とからなる入組
んだ様相を呈するので、摺動面構成体の保油性が良好と
なる。また角錐状金属結晶が前記のような方向の傾き角
θを持つ場合、その結晶により潤滑油を摺動面側へ掻寄
せることができるので、これによっても摺動面構成体の
保油性の向上が図られる。さらに角錐状金属結晶におけ
る先端部側の優先的摩耗によって摺動面構成体の初期な
じみ性も良好である。ただし、角錐状金属結晶の存在率
SがS<20%では、その金属結晶の減少に伴い摺動面
の様相が単純化傾向となるので、摺動面構成体の保油性
および初期なじみ性が低下する。また角錐状金属結晶の
傾き角θがθ>30°では前記掻寄せ作用が減退する。
【0007】
【実施例】図1において、一方向摺動部材としての内燃
機関用カムシャフト1は、鋳鉄製母材2を有し、その母
材2のカム3、したがってノーズ部4およびベース円部
5外周面に、相手部材であるロッカアームスリッパ6と
の摺動面7を持つ層状摺動面構成体8がメッキ処理によ
り形成される。
【0008】図2、図3に示すように、摺動面構成体8
は、柱状晶9の先端部を構成すると共に摺動面7に沿う
仮想面10より突出して摺動面7を形成する複数の角錐
状金属結晶11の集合体よりなる。その集合体は、金属
結晶11の底面中央部aを通り、且つ仮想面10に直角
をなすように金属結晶の頂点b側へ延びる基準線cと、
金属結晶11の頂点bおよび底面中央部aを通り、且つ
基準線cよりも摺動方向、したがって回転方向d前側に
存する直線eとのなす傾き角θが0°≦θ≦30°であ
る金属結晶11を含み、その傾き角θを持つ金属結晶1
1の存在率SはS≧20%に設定される。
【0009】角錐状金属結晶11の存在率Sを前記のよ
うに設定すると、図4、図5に明示するように、相隣る
両角錐状金属結晶11は相互に食込んだ状態を呈する。
これにより摺動面7は、多数の山部12と、それら山部
12の間に形成された多数の谷部13と、山部12相互
の食込みに因る多数の沢部14とからなる入組んだ様相
を呈するので、摺動面構成体8の保油性が良好となる。
また角錐状金属結晶11が前記のような方向の傾き角θ
を持つ場合、その結晶11により潤滑油を摺動面7側へ
掻寄せることができるので、これによっても摺動面構成
体8の保油性の向上が図られる。さらに角錐状金属結晶
11における先端部側の優先的摩耗によって摺動面構成
体8の初期なじみ性も良好である。
【0010】前記傾き角θを有する角錐状金属結晶11
の形成は、カム3と陽極との間に角錐状金属結晶11の
傾き角θを制御するスリットを介在させ、またカム3を
回転させながら、メッキ処理を行うことによって達成さ
れる。
【0011】図6に示すように、角錐状金属結晶11が
体心立方構造(bcc構造)を持つ場合には、その金属
結晶11はミラー指数で(hhh)面を摺動面7側に向
けた三角錐状の(hhh)配向性金属結晶である。体心
立方構造を持つ金属結晶において、ミラー指数で(2h
hh)面を摺動面7側に向けた(2hhh)配向性金属
結晶は略サイコロ形をなし、その角部が摺動面7の一部
を構成するような場合、それは顕微鏡によれば、小角錐
状(三角錐を含む)金属結晶と観察されるが、本発明に
おける三角錐状金属結晶には(2hhh)配向性金属結
晶は含まれない。また摺動面7をX線回折すると、(h
hh)面以外の結晶面が検出されることがあっても、そ
の摺動面7における(hhh)面の存在率が40%以上
であれば、その摺動面は顕微鏡によって略三角錐状金属
結晶より構成されている、と観察される。
【0012】図7に示すように、角錐状金属結晶11が
面心立方構造(fcc構造)を持つ場合には、その金属
結晶11は、ミラー指数で(h00)面を摺動面7側に
向けた四角錐状の(h00)配向性金属結晶およびミラ
ー指数で(3hhh)面を摺動面7側に向けた四角錐状
の(3hhh)配向性金属結晶の少なくとも一方であ
る。
【0013】bcc構造を持つ金属結晶としては、F
e、Cr、Mo、W、Ta、Zr、Nb、V等の単体ま
たは合金の結晶を挙げることができる。またfcc構造
を持つ金属結晶としては、Pb、Ni、Cu、Pt、A
l、Ag、Au等の単体または合金の結晶を挙げること
ができる。
【0014】本発明における摺動面構成体8を形成する
場合のメッキ処理において、電気Feメッキ処理を行う
場合の基本的条件は表1,表2の通りである。
【0015】
【表1】 有機系添加剤としては、尿素、サッカリン等が用いられ
る。
【0016】
【表2】 表3、表4は電気Niメッキ処理の場合を示す。
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】 前記条件下で行われる電気Fe,Niメッキ処理におい
て、陰極電流密度、メッキ浴pH、有機系添加剤の配合
量等によって(hhh)配向性Fe結晶、(h00),
(3hhh)配向性Ni結晶の晶出、その存在量を制御
する。
【0019】メッキ処理としては、電気メッキ処理の外
に、真空メッキ処理、例えば気相メッキ法(PVD法、
CVD法)、スパッタ法、イオンプレーティング等を挙
げることができる。スパッタ法によりW、Moメッキを
行う場合の条件は、例えばAr圧力 0.8Pa、Ar
加速電力 直流1kW、母材温度 100℃である。ま
たスパッタ法によりPt、Alメッキを行う場合の条件
は、例えばAr圧力0.8Pa、Ar加速電力 直流5
00W、母材温度 100℃である。CVD法によりW
メッキを行う場合の条件は、例えば原材料 WF6 、ガ
ス流量 10cc/min 、チャンバ内圧力 100P
a、母材温度 500℃である。またCVD法によりA
lメッキを行う場合の条件は、例えば原材料 Al(C
3 3、ガス流量 2cc/min 、チャンバ内圧力
100Pa、母材温度 500℃である。
【0020】以下、具体例について説明する。
【0021】JIS FC25よりなる鋳鉄製母材2の
チル層を有するカム3外周面に、電気Feメッキ処理を
施すことによりFe結晶の集合体より構成された摺動面
構成体8を形成して複数の内燃機関用カムシャフト1を
製造した。
【0022】表5、表6は、摺動面構成体8の例1〜5
における電気Feメッキ処理条件を示す。
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】 表7は、例1〜5における傾き角θが0°≦θ≦30°
の三角錐状Fe結晶の存在率Sおよび硬さをそれぞれ示
す。
【0025】
【表7】 存在率Sは、図2に示す摺動面構成体8の回転方向d断
面を検鏡して、回転方向dにおける単位長さ100μm
当りの三角錐状Fe結晶の総数を求め、次いでその総数
に対する0°≦θ≦30°の三角錐状Fe結晶の割合を
求めたものである。
【0026】図8は、例2における摺動面4aの結晶構
造を示す顕微鏡写真(1500倍)である。図8におい
て、多数の三角錐状Fe結晶が観察され、それらの中に
傾き角θを持つものが存在することが判る。
【0027】次に、JIS FC25よりなる鋳鉄製母
材2のチル層を有するカム3外周面に、電気Niメッキ
処理を施すことによりNi結晶の集合体より構成された
摺動面構成体8を形成して複数の内燃機関用カムシャフ
ト1を製造した。
【0028】表8、表9は、各摺動面構成体8の例6〜
8における電気Niメッキ処理条件を示す。
【0029】
【表8】
【0030】
【表9】 表10は、例6〜8における傾き角θが0°≦θ≦30
°の四角錐状Ni結晶の存在率Sおよび硬さをそれぞれ
示す。
【0031】
【表10】 存在率Sは、例1〜5と同様の方法で求められたもので
ある。
【0032】次に、例1〜8のカムシャフトを機関に組
込んで焼付きテストを行い、傾き角θが0°≦θ≦30
°である三角錐状Fe結晶および四角錐状Ni結晶の存
在率Sと焼付き発生面圧との関係を求めたところ、図9
の結果を得た。テスト条件は次の通りである。カムシャ
フトの回転数 2000rpm 、給油量 10ml/min、
油温 100℃、ロッカアームスリッパの材質 Fe系
焼結材。
【0033】図9において、線x1 は三角錐状Fe結晶
を有する例1〜5に関するテスト結果を示し、図中、点
(1)〜(5)は例1〜5にそれぞれ対応する。線x2
は四角錐状Ni結晶を有する例6〜8に関するテスト結
果を示し、図中、点(6)〜(8)は例6〜8にそれぞ
れ対応する。
【0034】図9から、傾き角θが0°≦θ≦30°で
ある三角錐状Fe結晶および四角錐状Ni結晶の存在率
SがそれぞれS≧20%である例1〜4,6,7の場
合、摺動面構成体の耐焼付き性が向上することが判る。
【0035】次に、三角錐状Fe結晶の存在率SがS=
97%で、それら三角錐状Fe結晶の傾き角θがそれぞ
れ0°、30°、45°の摺動面構成体8を備えた3本
のカムシャフト1を前記と同様の方法で製造した。
【0036】このような摺動面構成体8を得るための電
気Feメッキ処理条件は次の通りである。メッキ浴 2
00g/リットルの硫酸第1鉄を含む溶液、メッキ浴p
H6、メッキ浴温度 50℃、陰極電流密度 1A/dm
2 。三角錐状Fe結晶の傾き角θは電極の配置を変える
ことによって制御した。
【0037】また四角錐状Ni結晶の存在率SがS=9
5%で、それら四角錐状Ni結晶の傾き角θがそれぞれ
0°、30°、45°の摺動面構成体8を備えた3本の
カムシャフト1を前記と同様の方法で製造した。
【0038】このような摺動面構成体8を得るための電
気Niメッキ処理条件は次の通りである。メッキ浴 3
00g/リットルの硫酸ニッケルおよび90g/リット
ルの塩化ニッケルを含む溶液、メッキ浴pH 3、メッ
キ浴温度 55℃、陰極電流密度 10A/dm2 。四角
錐状Ni結晶の傾き角θは電極の配置を変えることによ
って制御した。
【0039】それらカムシャフトについて、前記と同一
条件で焼付きテストを行い、三角錐状Fe結晶および四
角錐状Ni結晶の傾き角θと焼付き発生荷重との関係を
求めたところ、図10の結果を得た。図中、線y1 が三
角錐状Fe結晶を有する場合に、また線y2 が四角錐状
Ni結晶を有する場合にそれぞれ該当する。図10から
傾き角θを0°≦θ≦30°に設定することによって、
摺動面構成体の耐焼付き性が向上することが判る。
【0040】図11,12は、一方向摺動部材の他の実
施例としての歯車151 を示す。この場合、歯車151
は相手歯車152 と噛合する歯部16の回転方向d前側
に存する側面17、図示例では回転方向d後側に存する
側面18、頂面19および歯底20に亘り一連に層状摺
動面構成体8が前記と同様の方法で形成される。
【0041】摺動面構成体8は、図3に示すように摺動
面7に沿う仮想面10より突出して摺動面7を形成する
複数の角錐状金属結晶11の集合体よりなる。その集合
体は、回転方向d前側の側面17において、金属結晶1
1の底面中央部aを通り、且つ仮想面10に直角をなす
ように金属結晶11の頂点b側へ延びる基準線cと、金
属結晶11の頂点bおよび底面中央部aを通り、且つ基
準線cよりも歯底20側に存する直線eとのなす傾き角
θが0°≦θ≦30°である金属結晶11を含み、その
傾き角θを持つ金属結晶11の存在率SはS≧20%に
設定される。
【0042】摺動面構成体8は、図13に示すような三
角錐台状、四角錐台状等の角錐台状金属結晶21の集合
体または角錐台状金属結晶21および角錐状金属結晶1
1の集合体からも構成される。
【0043】この角錐台状金属結晶21の傾き角θは、
カム3において、金属結晶21の下底面中央部fを通
り、且つ仮想面10に直角をなすように金属結晶21の
上底面22側へ延びる基準線cと、金属結晶21の上底
面中央部gおよび前記下底面中央部fを通り、且つ基準
線cよりも回転方向d前側に存する直線eとのなす角度
と規定される。傾き角θが0°≦θ≦30°である角錐
台状金属結晶21の存在率SはS≧20%である。また
角錐台状金属結晶21と角錐状金属結晶11とが混在す
る場合、それら金属結晶21,11の存在率の和SはS
≧20%である。歯車151 の回転方向d前側の側面1
7においては、前記傾き角θを規定する場合、「回転方
向d前側」は「歯底20側」と読み換えられる。前記の
ような角錐台状金属結晶は、角錐状金属結晶の頂部に研
削加工を施すことによって得られるが、角錐状金属結晶
の集合体よりなる摺動面構成体の初期摩耗後において
は、少なくとも一部の角錐状金属結晶は角錐台状金属結
晶となる。
【0044】本発明は、カムシャフトおよび歯車に限ら
ず、ロッカアーム、ロッカアームシャフト、デイファレ
ンシャルピニオンシャフト、バランサシャフト、メイン
シャフト、カウンターシャフト、クランクシャフト、オ
イルポンプ、ウォータポンプ等にも適用され、また間欠
的に一方向に直線的摺動を行う摺動部材にも適用され
る。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、結晶構造を前記のよう
に特定することによって、耐焼付き性の優れた一方向摺
動部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カムシャフトの断面図である。
【図2】図1の2矢示部の拡大図である。
【図3】角錐状金属結晶の傾きを示す説明図である。
【図4】摺動面構成体の一例を示す要部斜視図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】体心立方構造およびその(hhh)面を示す斜
視図である。
【図7】面心立方構造およびその(h00)面、(3h
hh)面を示す斜視図である。
【図8】摺動面構成体の一例における、摺動面を含む断
面の結晶構造を示す顕微鏡写真である。
【図9】0°≦θ≦30°の三角錐状Fe結晶および四
角錐状Ni結晶の存在率Sと焼付き発生面圧との関係を
示すグラフである。
【図10】三角錐状Fe結晶および四角錐状Ni結晶の
傾き角θと焼付き発生面圧との関係を示すグラフであ
る。
【図11】歯車の断面図である。
【図12】図11の12矢示部の拡大図である。
【図13】角錐台状金属結晶の傾きを示す説明図であ
る。
【符号の説明】
6 ロッカアームスリッパ(相手部材) 7 摺動面 8 摺動面構成体 10 仮想面 11 角錐状金属結晶 20 歯底 21 角錐台状金属結晶 22 上底面 a 底面中央部 b 頂点 c 基準線 d 回転方向(摺動方向) e 直線 f 下底面中央部 g 上底面中央部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 55/06 F16H 55/06 // C25D 3/12 101 C25D 3/12 101 3/20 3/20 (72)発明者 郡司 貴浩 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭56−47589(JP,A) 特開 昭56−51589(JP,A) 特開 昭56−96088(JP,A) 特開 平3−126671(JP,A) 特開 平4−114971(JP,A) 特開 平4−357322(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 53/02 F16H 55/06 F16C 3/06 F16C 33/12 F16L 1/04 F16L 1/18 C25D 3/12 101 C25D 3/20

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相手部材(6)との摺動面(7)を持つ
    摺動面構成体(8)を備えた一方向摺動部材であって、
    前記摺動面構成体(8)は、前記摺動面(7)に沿う仮
    想面(10)より突出して前記摺動面(7)を形成する
    複数の角錐状金属結晶(11)の集合体よりなり、前記
    金属結晶(11)は体心立方構造を持ち、且つミラー指
    数で(hhh)面を摺動面側に向けた(hhh)配向性
    金属結晶であり、前記集合体は、前記金属結晶(11)
    の底面中央部(a)を通り、且つ前記仮想面(10)に
    直角をなすように前記金属結晶(11)の頂点(b)側
    へ延びる基準線(c)と、前記金属結晶(11)の頂点
    (b)および前記底面中央部(a)を通り、且つ前記基
    準線(c)よりも摺動方向(d)前側に存する直線
    (e)とのなす傾き角θが0°≦θ≦30°である金属
    結晶(11)を含み、その傾き角θを持つ金属結晶(1
    1)の存在率SはS≧20%であることを特徴とする一
    方向摺動部材。
  2. 【請求項2】 相手部材(6)との摺動面(7)を持つ
    摺動面構成体(8)を備えた一方向摺動部材であって、
    前記摺動面構成体(8)は、前記摺動面(7)に沿う仮
    想面(10)より突出して前記摺動面(7)を形成する
    複数の角錐台状金属結晶(21)の集合体よりなり、
    記金属結晶(21)は体心立方構造を持ち、且つミラー
    指数で(hhh)面を摺動面側に向けた(hhh)配向
    性金属結晶であり、前記集合体は、前記金属結晶(2
    1)の下底面中央部(f)を通り、且つ前記仮想面(1
    0)に直角をなすように前記金属結晶(21)の上底面
    (22)側へ延びる基準線(c)と、前記金属結晶(2
    1)の上底面中央部(g)および前記下底面中央部
    (f)を通り、且つ前記基準線(c)よりも摺動方向
    (d)前側に存する直線(e)とのなす傾き角θが0°
    ≦θ≦30°である金属結晶(21)を含み、その傾き
    角θを持つ金属結晶(21)の存在率SはS≧20%で
    あることを特徴とする一方向摺動部材。
  3. 【請求項3】 相手部材(6)との摺動面(7)を持つ
    摺動面構成体(8)を備えた一方向摺動部材であって、
    前記摺動面構成体(8)は、前記摺動面(7)に沿う仮
    想面(10)より突出して前記摺動面(7)を形成する
    複数の角錐状金属結晶(11)および角錐台状金属結晶
    (21)の集合体よりなり、前記両金 属結晶(11,2
    1)はそれぞれ体心立方構造を持ち、且つミラー指数で
    (hhh)面を摺動面側に向けた(hhh)配向性金属
    結晶であり、前記集合体は、前記角錐状金属結晶(1
    1)の底面中央部(a)を通り、且つ前記仮想面(1
    0)に直角をなすように前記角錐状金属結晶(11)の
    頂点(b)側へ延びる基準線(c)と、前記角錐状金属
    結晶(11)の頂点(b)および前記底面中央部(a)
    を通り、且つ前記基準線(c)よりも摺動方向(d)前
    側に存する直線(e)とのなす傾き角θが0°≦θ≦3
    0°である角錐状金属結晶(11)、ならびに前記角錐
    台状金属結晶(21)の下底面中央部(f)を通り、且
    つ前記仮想面(10)に直角をなすように前記角錐台状
    金属結晶(21)の上底面(22)側へ延びる基準線
    (c)と、前記角錐台状金属結晶(21)の上底面中央
    部(g)および前記下底面中央部(f)を通り、且つ前
    記基準線(c)よりも摺動方向(d)前側に存する直線
    (e)とのなす傾き角θが0°≦θ≦30°である角錐
    台状金属結晶(21)を含み、前記傾き角θを持つ角錐
    状金属結晶(11)および角錐台状金属結晶(21)の
    存在率の和SはS≧20%であることを特徴とする一方
    向摺動部材。
  4. 【請求項4】 一方向摺動部材は、歯部(16)の回転
    方向(d)前側に存する側面(17)に、摺動面(7)
    を持つ摺動面構成体(8)を備えた歯車(151 )であ
    って、前記摺動面構成体(8)は、前記摺動面(7)に
    沿う仮想面(10)より突出して前記摺動面(7)を形
    成する複数の角錐状金属結晶(11)の集合体よりな
    り、その集合体は、前記金属結晶(11)の底面中央部
    (a)を通り、且つ前記仮想面(10)に直角をなすよ
    うに前記金属結晶(11)の頂点(b)側へ延びる基準
    線(c)と、前記金属結晶(11)の頂点(b)および
    前記底面中央部(a)を通り、且つ前記基準線(c)よ
    りも歯底(20)側に存する直線(e)とのなす傾き角
    θが0≦θ≦30°である金属結晶(11)を含み、そ
    の傾き角θを持つ金属結晶(11)の存在率SはS≧2
    0%であることを特徴とする一方向摺動部材。
  5. 【請求項5】 一方向摺動部材は、歯部(16)の回転
    方向(d)前側に存する側面(17)に、摺動面(7)
    を持つ摺動面構成体(8)を備えた歯車(151 )であ
    って、前記摺動面構成体(8)は、前記摺動面(7)に
    沿う仮想面(10)より突出して前記摺動面(7)を形
    成する複数の角錐台状金属結晶(21)の集合体よりな
    り、その集合体は、前記金属結晶(21)の下底面中央
    部(f)を通り、且つ前記仮想面(10)に直角をなす
    ように前記金属結晶(21)の上底面(22)側へ延び
    る基準線(c)と、前記金属結晶(21)の上底面中央
    部(g)および前記下底面中央部(f)を通り、且つ前
    記基準線(c)よりも歯底(20)側に存する直線
    (e)とのなす傾き角θが0°≦θ≦30°である金属
    結晶(21)を含み、その傾き角θを持つ金属結晶(2
    1)の存在率SはS≧20%であることを特徴とする一
    方向摺動部材。
  6. 【請求項6】 一方向摺動部材は、歯部(16)の回転
    方向(d)前側に存する側面(17)に、摺動面(7)
    を持つ摺動面構成体(8)を備えた歯車(151 )であ
    って、前記摺動面構成体(8)は、前記摺動面(7)に
    沿う仮想面(10)より突出して前記摺動面(7)を形
    成する複数の角錐状金属結晶(11)および角錐台状金
    属結晶(21)の集合体よりなり、その集合体は、前記
    角錐状金属結晶(11)の底面中央部(a)を通り、且
    つ前記仮想面(10)に直角をなすように前記角錐状金
    属結晶(11)の頂点(b)側へ延びる基準線(c)
    と、前記角錐状金属結晶(11)の頂点(b)および前
    記底面中央部(a)を通り、且つ前記基準線(c)より
    も歯底(20)側に存する直線(e)とのなす傾き角θ
    が0°≦θ≦30°である角錐状金属結晶(11)、な
    らびに前記角錐台状金属結晶(21)の下底面中央部
    (f)を通り、且つ前記仮想面(10)に直角をなすよ
    うに前記角錐台状金属結晶(21)の上底面(22)側
    へ延びる基準線(c)と、前記角錐台状金属結晶(2
    1)の上底面中央部(g)および前記下底面中央部
    (f)を通り、且つ前記基準線(c)よりも歯底(2
    0)側に存する直線(e)とのなす傾き角θが0°≦θ
    ≦30°である角錐台状金属結晶(21)を含み、前記
    傾き角θを持つ角錐状金属結晶(11)および角錐台状
    金属結晶(21)の存在率の和SはS≧20%であるこ
    とを特徴とする一方向摺動部材。
  7. 【請求項7】 前記金属結晶(11,21)は体心立方
    構造を持ち、且つミラー指数で(hhh)面を摺動面側
    に向けた(hhh)配向性金属結晶である、請求項4
    5または6記載の一方向摺動部材。
  8. 【請求項8】 前記金属結晶(11,21)は面心立方
    構造を持ち、且つミラー指数で(h00)面を摺動面側
    に向けた(h00)配向性金属結晶および(3hhh)
    面を摺動面側に向けた(3hhh)配向性金属結晶の少
    なくとも一方である、請求項4,5または6記載の一方
    向摺動部材。
  9. 【請求項9】 相手部材(6)との摺動面(7)を持つ
    摺動面構成体(8)を備えた一方向摺動部材であって、
    前記摺動面構成体(8)は、前記摺動面(7)に沿う仮
    想面(10)より突出して前記摺動面(7)を形成する
    複数の角錐状金属結晶(11)の集合体よりなり、前記
    金属結晶(11)はミラー指数で(h00)面を摺動面
    側に向けた(h00)配向性Ni結晶および(3hh
    h)面を摺動面側に向けた(3hhh)配向性Ni結晶
    の少なくとも一方であり、前記集合体は、前記金属結晶
    (11)の底面中央部(a)を通り、且つ前記仮想面
    (10)に直角をなすように前記金属結晶(11)の頂
    点(b)側へ延びる基準線(c)と、前記金属結晶(1
    1)の頂点(b)および前記底面中央部(a)を通り、
    且つ前記基準線(c)よりも摺動方向(d)前側に存す
    る直線(e)とのなす傾き角θが0°≦θ≦30°であ
    る金属結晶(11)を含み、その傾き角θを持つ金属結
    晶(11)の存在率SはS≧20%であることを特徴と
    する一方向摺動部材。
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