JP2645793B2 - 摺動面構成体 - Google Patents

摺動面構成体

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JP2645793B2
JP2645793B2 JP5127834A JP12783493A JP2645793B2 JP 2645793 B2 JP2645793 B2 JP 2645793B2 JP 5127834 A JP5127834 A JP 5127834A JP 12783493 A JP12783493 A JP 12783493A JP 2645793 B2 JP2645793 B2 JP 2645793B2
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crystal
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hhh
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勝宗 田畑
義和 藤澤
健児 堂坂
貴浩 郡司
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    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/02Light metals
    • F05C2201/021Aluminium

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  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、相手部材との摺動面を
構成する摺動面構成体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種摺動面構成体としては、例
えば内燃機関用ピストンにおいて、Al合金製母材のラ
ンド部およびスカート部外周面に、耐摩耗性の向上を狙
って設けられるFeメッキ層が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、内燃機
関が高速、且つ高出力化の傾向にある現在の状況下で
は、従来の摺動面構成体はオイル保持性、つまり保油性
が十分でなく、また初期なじみ性も悪いため耐焼付き性
が乏しいという問題があり、その上、耐摩耗性について
も改善すべき点がある。
【0004】本発明は前記に鑑み、結晶構造を特定する
ことによって、十分な保油性と良好な初期なじみ性を持
ち、これにより耐焼付き性を向上させることができ、ま
た無潤滑下においても優れた耐摩耗性を発揮し得る前記
摺動面構成体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る摺動面構成
体は、体心立方構造を持つ金属結晶の集合体より構成さ
れ、その集合体は、ミラー指数で(hhh)面を摺動面
側に向けた多数の(hhh)配向性金属結晶を有し、そ
れら(hhh)配向性金属結晶の少なくとも一部は、摺
動面では六角錐状または六角錐台状をなす六稜金属結晶
であり、前記摺動面において、前記(hhh)配向性金
属結晶である前記六稜金属結晶の面積率AA≧60%
であることを特徴とする。
【0006】
【作用】体心立方構造を持つ金属結晶の集合体がミラー
指数で(hhh)面を摺動面側に向けた多数の(hh
h)配向性金属結晶を有する場合、それら(hhh)配
向性金属結晶の少なくとも一部を、摺動面において六角
錐状または六角錐台状をなす金属結晶、即ち6本の稜線
を持つ六稜金属結晶にすることができる。この六稜金属
結晶は、三角錐状または三角錐台状をなす(hhh)配
向性金属結晶、即ち3本の稜線を持つ三稜金属結晶に比
べて平均粒径が小さく、且つ粒径も略均一である。(h
hh)配向性金属結晶において、粒径と高さとの間には
相関関係があり、したがって粒径が略均一である、とい
うことは高さも略等しいということである。
【0007】摺動面における六稜金属結晶の面積率Aを
前記のように設定すると、それら六稜金属結晶におい
て、相隣るものは相互に食込んだ状態を呈する。これに
より摺動面は、三稜金属結晶より形成される場合に比べ
て表面積を拡大され、また多数の極微細な山部と、それ
ら山部の間に形成された多数の極微細な谷部と、山部相
互の食込みに因る多数の極微細な沢部とからなる非常に
入組んだ様相を呈するので、摺動面構成体の保油性が極
めて良好となる。また六稜金属結晶における先端部側の
優先的摩耗によって摺動面構成体の初期なじみ性も良好
である。これにより摺動面構成体の耐焼付き性を向上さ
せることができる。
【0008】さらに六稜金属結晶の均一微細化に伴い、
局部的な高面圧化を回避すると共に摺動荷重の微細分化
を達成することができ、これにより摺動面構成体は、潤
滑下では勿論のこと、無潤滑下においても優れた耐摩耗
性を発揮する。ただし、六稜金属結晶の面積率AがA<
60%では、摺動面構成体の耐焼付き性および耐摩耗性
が低下する。
【0009】
【実施例】図1,図2において、内燃機関用ピストン1
はAl合金製母材2を有し、その母材2のランド部31
およびスカート部32 外周面に、メッキ処理により層状
摺動面構成体4が形成される。
【0010】図3に示すように、摺動面構成体4は体心
立方構造(bcc構造)を持つ金属結晶の集合体より構
成される。その集合体は、ミラー指数で(hhh)面
を、シリンダボア内壁5との摺動面4a側に向けた多数
の(hhh)配向性金属結晶を有する。
【0011】前記のようにbcc構造を持つ金属結晶の
集合体がミラー指数で(hhh)面を摺動面4a側に向
けた多数の(hhh)配向性金属結晶を有する場合、そ
れら(hhh)配向性金属結晶の少なくとも一部を、図
4に示すように摺動面4aにおいて六角錐状(または六
角錐台状)をなす金属結晶、即ち6本の稜線6を持つ六
稜金属結晶7にすることができる。この六稜金属結晶7
は、三角錐状(または三角錐台状)をなす(hhh)配
向性金属結晶、即ち3本の稜線を持つ三稜金属結晶に比
べて平均粒径が小さく、且つ粒径も略均一である。(h
hh)配向性金属結晶において、粒径と高さとの間には
相関関係があり、したがって粒径が略均一である、とい
うことは高さも略等しいということである。
【0012】しかも、これら六稜金属結晶7において、
相隣るものは相互に食込んだ状態を呈する。これにより
摺動面4aは、三稜金属結晶より形成される場合に比べ
て表面積を拡大され、また多数の極微細な山部8と、そ
れら山部8の間に形成された多数の極微細な谷部9と、
山部8相互の食込みに因る多数の極微細な沢部10(図
5参照)とからなる非常に入組んだ様相を呈するので、
摺動面構成体4の保油性が極めて良好となる。また六稜
金属結晶7における先端部側の優先的摩耗によって摺動
面構成体4の初期なじみ性も良好である。
【0013】さらに六稜金属結晶7の均一微細化に伴
い、局部的な高面圧化を回避すると共に摺動荷重の微細
分化を達成することができ、これにより摺動面構成体4
は、潤滑下では勿論のこと、無潤滑下においても優れた
耐摩耗性を発揮する。
【0014】図6に示すように、摺動面4aに沿う仮想
面11に対する(hhh)面の傾きは六稜金属結晶7の
傾きとなって現われるので、摺動面構成体4の保油性、
初期なじみ性および耐摩耗性に影響を与える。そこで、
(hhh)面が仮想面11に対してなす傾き角θは0°
≦θ≦15°に設定される。この場合、(hhh)面の
傾き方向については限定されない。傾き角θがθ>15
°になると、摺動面構成体4の保油性、初期なじみ性お
よび耐摩耗性が低下する。
【0015】bcc構造を持つ金属結晶としては、F
e、Cr、Mo、W、Ta、Zr、Nb、V等の単体ま
たは合金の結晶を挙げることができる。
【0016】本発明に係る摺動面構成体4を形成するた
めのメッキ処理において、電気Feメッキ処理を行う場
合の基本的条件は、表1,表2の通りである。
【0017】通電法としてはパルス電流法が適用され、
パルス条件は、最大パルス電流IMAX 1〜40A/d
2 、ONタイム 0.1〜6msec、OFFタイム
1〜20msecであり、したがって表2における平
均陰極電流密度はパルス電流の平均値である。
【0018】
【表1】 有機系添加剤としては、尿素、サッカリン等が用いられ
る。
【0019】
【表2】 前記条件下で行われる電気Feメッキ処理において、平
均陰極電流密度、メッキ浴pH等によって(hhh)配
向性Fe結晶の析出、その存在量等を制御する。
【0020】メッキ処理としては、電気メッキ処理の外
に、例えば気相メッキ法であるPVD法、CVD法、ス
パッタ法、イオンプレーティング等を挙げることができ
る。スパッタ法によりW、Moメッキを行う場合の条件
は、例えばAr圧力 0.2〜1.0Pa、Ar加速電
力 直流1.0〜1.5kW、母材温度 150〜30
0℃である。CVD法によりWメッキを行う場合の条件
は、例えば原材料 WF6 、ガス流量 2〜15cc/mi
n 、チャンバ内圧力 50〜300Pa、母材温度 4
00〜600℃である。
【0021】以下、具体例について説明する。
【0022】Al合金製母材2のランド部31 およびス
カート部32 外周面に、電気Feメッキ処理を施すこと
によりFe結晶の集合体より構成された厚さ15μmの
摺動面構成体4を形成して複数の内燃機関用ピストン1
を製造した。
【0023】表3,表4は、摺動面構成体4の例1〜1
6における電気Feメッキ処理条件を示す。なお、メッ
キ処理時間は、例1〜16における厚さを前記のように
15μmに設定すべく、10〜60分間の範囲内で種々
変化させた。表4において、「パルス不使用」とは直流
法を適用した場合である。
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】 表5,表6は、例1〜16における摺動面4aの結晶形
態、六稜Fe結晶の面積率Aおよび平均粒径d、各配向
性Fe結晶の存在率Sならびに硬さをそれぞれ示す。
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】 六稜Fe結晶の面積率Aは、摺動面4aの面積をB、そ
の摺動面4aにおいて全部の六稜Fe結晶が占める面積
をCとしたとき、A=(C/B)×100(%)として
求められた。また六稜Fe結晶の粒径は、頂点を挟んで
相対向する両角部間の距離、即ち、三つの距離の平均値
である。
【0028】存在率Sは、例1〜16のX線回折図(X
線照射方向は摺動面4aに対して直角方向)に基づいて
次のような方法で求められたものである。一例として、
例1について説明すると、図7は例1のX線回折図であ
り、各配向性Fe結晶の存在率Sは次式から求められ
た。なお、例えば{110}配向性Fe結晶とは、{1
10}面を摺動面4a側に向けた配向性Fe結晶を意味
する。 {110}配向性Fe結晶:S110 ={(I110 /IA
110 )/T}×100、 {200}配向性Fe結晶:S200 ={(I200 /IA
200 )/T}×100、 {211}配向性Fe結晶:S211 ={(I211 /IA
211 )/T}×100、 {310}配向性Fe結晶:S310 ={(I310 /IA
310 )/T}×100、 {222}配向性Fe結晶:S222 ={(I222 /IA
222 )/T}×100 ここで、I110 、I200 、I211 、I310 、I222 は各
結晶面のX線反射強度の測定値(cps)であり、また
IA110 、IA200 、IA211 、IA310 、IA222
ASTMカードにおける各結晶面のX線反射強度比で、
IA110 =100、IA200 =20、IA211 =30、
IA310 =12、IA222 =6である。さらにTは、T
=(I110 /IA110 )+(I200 /IA200 )+(I
211 /IA211 )+(I310 /IA310 )+(I222
IA222 )である。
【0029】図8は、例1における摺動面4aの結晶構
造を示す顕微鏡写真であり、(a)は1000倍、
(b)は5000倍である。図8において、多数の六角
錐状をなす六稜Fe結晶が観察される。表5に示すよう
に、六稜Fe結晶の面積率AはA=99%、平均粒径d
はd=3μmである。この六稜Fe結晶は(hhh)
面、したがって{222}面を摺動面4a側に向けた
{222}配向性Fe結晶である。この場合、{22
2}配向性Fe結晶の存在率Sは、表5,図7に示すよ
うに、S=97.3%である。
【0030】図9は例6のX線回折図である。図10
は、例6における摺動面4aの結晶構造を示す顕微鏡写
真であり、(a)は1000倍、(b)は5000倍で
ある。図10において、多数の六稜Fe結晶と三稜Fe
結晶とが観察される。表5に示すように六稜Fe結晶の
面積率AはA=60%、平均粒径dはd=3μmであ
る。この場合、{222}配向性Fe結晶の存在率S
は、表5,図9に示すように、S=65.2%である。
この存在率Sは六稜および三稜Fe結晶を含んだ値であ
る。
【0031】図11は、例8における摺動面4aの結晶
構造を示す顕微鏡写真(10000倍)である。図11
において、多数の三稜Fe結晶が観察される。この三稜
Fe結晶、したがって{222}配向性Fe結晶の存在
率Sは、表5に示すように、S=43%である。
【0032】図12は例9における摺動面4aの結晶構
造を示す顕微鏡写真であり、(a)は1000倍、
(b)は5000倍である。(c)は、断面の結晶構造
を示す顕微鏡写真(10000倍)である。図12にお
いて、多数の六稜Fe結晶が観察される。表6に示すよ
うに六稜Fe結晶の面積率AはA=99%、平均粒径d
はd=2μmである。この場合、{222}配向性Fe
結晶の存在率Sは、表6に示すようにS=98.6%で
ある。
【0033】図13は、例12における摺動面4aの結
晶構造を示す顕微鏡写真であり、(a)は1000倍、
(b)は5000倍である。図13において、多数の六
稜Fe結晶が観察される。表6に示すように、六稜Fe
結晶の面積率AはA=98%、平均粒径dはd=5μm
である。この場合、{222}配向性Fe結晶の存在率
Sは、表6に示すように、S=97.1%である。
【0034】次に、例1〜14,16について、チップ
オンディスク方式による焼付きテストを行って、六稜F
e結晶の面積率Aと焼付き発生荷重との関係を求めたと
ころ、表7,図14の結果を得た。テスト条件は次の通
りである。ディスクの材質Al−10重量%Si合金、
ディスクの回転速度 15m/sec 、給油量 0.3ml
/min 、摺動面構成体より製作されたチップの摺動面の
面積 1cm2
【0035】
【表7】 図14は、表7をグラフ化したもので、図中、点(1)
〜(14),(16)は例1〜14,16にそれぞれ対
応する。
【0036】表7,図14から明らかなように、六稜F
e結晶の面積率AがA≧60%である例1〜6,9〜1
3においては、摺動面4aの保油性および初期なじみ性
が良好になるので、焼付き発生荷重が例7,8,14,
16に比べて大幅に向上するものである。特に、六稜F
e結晶の面積率AがA≧90%において、その平均粒径
dをd≦3μmに設定された例1〜3,9,10は、d
>3μmに設定された例12,13に比べて焼付き発生
荷重が飛躍的に向上することが明らかである。
【0037】また、例1〜14について、無潤滑下でチ
ップオンディスク方式による摩耗テストを行って、六稜
Fe結晶の面積率Aと、チップの摩耗量との関係を求め
たところ、表8,図15の結果を得た。テスト条件は次
の通りである。ディスクの材質 Al−10重量%Si
合金、ディスクの回転速度 0.5m/sec 、荷重10
0N、摺動距離 1km、摺動面構成体より製作されたチ
ップの摺動面の面積1cm2 。摩耗量はチップの面積1cm
2 当りの減量(mg)である。
【0038】
【表8】 図15は、表8をグラフ化したもので、図中、点(1)
〜(14)は例1〜14のチップにそれぞれ対応する。
【0039】表8,図15から明らかなように、六稜F
e結晶の面積率AがA≧60%である例1〜6,9〜1
3のチップは、例7,8,14のチップに比べて摩耗量
が少なく、したがって無潤滑下においても良好な耐摩耗
性を有する。
【0040】図16は、例1〜8,15,16における
{222}配向性Fe結晶の存在率Sと焼付き発生荷重
との関係を示す。焼付き発生荷重は、例1〜8,16に
ついては表7の通りであり、例15の場合は、前記と同
一条件下での焼付きテストにおいて、500Nであるこ
とが判明した。図16において、点(1)〜(8),
(15),(16)は例1〜8,15,16にそれぞれ
対応する。
【0041】図16において、前記存在率SがS≧90
%の領域は摺動面4a全体が略六稜Fe結晶より形成さ
れている領域であり、また43%<S<90%の領域は
摺動面4a全体が六稜Fe結晶および三稜Fe結晶より
形成されている領域である。さらにS=43%では例8
のように摺動面4a全体が略三稜Fe結晶より形成され
る。そして、S<43%の領域では、存在率Sの低下に
伴い三稜Fe結晶が減少すると共に微細粒状Fe結晶が
増加し、S≦21%の領域では、例16のように摺動面
4a全体が略微細粒状Fe結晶より形成される。
【0042】図16から明らかなように、{222}配
向性Fe結晶の存在率SがS≧90%である例1〜3に
おいては、摺動面4aの保油性および初期なじみ性が極
めて良好になるので、焼付き発生荷重が例4〜7および
8に比べて飛躍的に向上することが判る。例15,16
は保油性等が悪いため、焼付き発生荷重が例8に比べて
極端に低下する。
【0043】摺動面構成体は、例えば次のような内燃機
関用部品等の摺動部に適用される。ピストン(リング
溝)、ピストンリング、ピストンピン、コンロッド、ク
ランクシャフト、軸受メタル、オイルポンプロータ、オ
イルポンプロータハウジング、カムシャフト、スプリン
グ(端面)、スプリングシート、スプリングリテーナ、
コッタ、ロッカアーム、ローラベアリングアウタケー
ス、ローラベアリングインナケース、バルブステム、バ
ルブフェイス、油圧タペット、ウオータポンプロータシ
ャフト、プーリ、ギア、トランスミッションシャフト
部、クラッチプレート、ワッシャ、ボルト(座面、ねじ
部)。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、結晶構造を前記のよう
に特定することによって、優れた耐焼付き性を有し、ま
た無潤滑下においても優秀な耐摩耗性を発揮する摺動面
構成体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピストンの側面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】体心立方構造およびその(hhh)面を示す斜
視図である。
【図4】摺動面構成体の一例を示す要部平面図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】体心立方構造における(hhh)面の傾きを示
す説明図である。
【図7】摺動面構成体の例1におけるX線回折図であ
る。
【図8】摺動面構成体の例1における摺動面の結晶構造
を示す顕微鏡写真であって、(a)は1000倍、
(b)は5000倍である。
【図9】摺動面構成体の例6におけるX線回折図であ
る。
【図10】摺動面構成体の例6における摺動面の結晶構
造を示す顕微鏡写真であって、(a)は1000倍、
(b)は5000倍である。
【図11】摺動面構成体の例8における摺動面の結晶構
造を示す顕微鏡写真(10000倍)である。
【図12】(a),(b)は摺動面構成体の例9におけ
る摺動面の結晶構造を示す顕微鏡写真であって、(a)
は1000倍、(b)は5000倍であり、(c)は例
9の断面における顕微鏡写真(10000倍)である。
【図13】摺動面構成体の例12における摺動面の結晶
構造を示す顕微鏡写真であって、(a)は1000倍、
(b)は5000倍である。
【図14】六稜Fe結晶の面積率と焼付き発生荷重との
関係を示すグラフである。
【図15】無潤滑下における六稜Fe結晶の面積率とチ
ップの摩耗量との関係を示すグラフである。
【図16】{222}配向性Fe結晶の存在率と焼付き
発生荷重との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
4 摺動面構成体 4a 摺動面 7 六稜金属結晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 郡司 貴浩 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−135614(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体心立方構造を持つ金属結晶の集合体よ
    り構成され、その集合体は、ミラー指数で(hhh)面
    を摺動面側に向けた多数の(hhh)配向性金属結晶を
    有し、それら(hhh)配向性金属結晶の少なくとも一
    部は、摺動面では六角錐状または六角錐台状をなす六稜
    金属結晶であり、前記摺動面において、前記(hhh)
    配向性金属結晶である前記六稜金属結晶の面積率A
    ≧60%であることを特徴とする摺動面構成体。
  2. 【請求項2】 前記(hhh)配向性金属結晶である前
    六稜金属結晶の平均粒径dがd≦3μmである、請求
    項1記載の摺動面構成体。
  3. 【請求項3】 前記(hhh)配向性金属結晶の存在率
    S≧90%である、請求項1または2記載の摺動面
    構成体。
JP5127834A 1993-04-30 1993-04-30 摺動面構成体 Expired - Fee Related JP2645793B2 (ja)

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US08/236,901 US5503942A (en) 1993-04-30 1994-04-29 Inorganic skin film
DE4415123A DE4415123C2 (de) 1993-04-30 1994-04-29 Anorganischer Oberflächenfilm und Verfahren zur Bildung eines derartigen Oberflächenfilms
FR9405238A FR2704561B1 (fr) 1993-04-30 1994-04-29 Film superficiel inorganique et procédé de formation de celui-ci.
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