JP3119719B2 - 光学レンズ - Google Patents

光学レンズ

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JP3119719B2
JP3119719B2 JP04135719A JP13571992A JP3119719B2 JP 3119719 B2 JP3119719 B2 JP 3119719B2 JP 04135719 A JP04135719 A JP 04135719A JP 13571992 A JP13571992 A JP 13571992A JP 3119719 B2 JP3119719 B2 JP 3119719B2
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輝夫 阪上
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呉羽化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学レンズに関し、更
に詳しくは、架橋共重合体よりなる極めて軽量な光学レ
ンズに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学レンズにおいては、種々の無
機ガラスレンズが使用されてきたが、最近においては、
合成樹脂レンズが、その軽量性、加工性、安定性、染色
性、大量生産性、コストの低減可能性等を有することか
ら、無機ガラスレンズと共に広く使用され始めている。
【0003】光学レンズ材料に要求される種々の物性の
うち、低比重であることは極めて重要なことである。比
重の小さい材料よりなる光学レンズを用いれば、例え
ば、顕微鏡、写真機、望遠鏡などの光学機器や眼鏡レン
ズにおいて重要な位置を占めるレンズ系の軽量化を図る
ことが可能となる。このため、合成樹脂レンズ材料にお
いても、さらに低比重化を図り、無機ガラスレンズ材料
に対する優位性を強調する傾向にある。例えば、眼鏡用
合成樹脂レンズ材料として現在最も普及しているものに
「CR−39」と称されるジエチレングリコールビスア
リルカーボネート樹脂がある。この樹脂の比重は1.3
1(温度20℃における値をいう。以下において同
じ。)である。また、最近、高屈折率レンズ材料とし
て、ハロゲン原子や硫黄原子を含む光学レンズ材料が知
られているが、このような光学レンズ材料の比重は1.
3〜1.4程度に集中している。
【0004】一方、比較的比重の小さい光学レンズ材料
として、ポリスチレン(比重:1.02)、ポリメチル
メタクリレート(比重:1.20)やポリカーボネート
(比重:1.19)等の熱可塑性樹脂が知られている。
しかし、これらの光学レンズ材料は、耐熱性、耐溶剤
性、機械的強度等の諸性能において満足できないもので
あり、高い架橋密度と低い比重とを兼ね備えた光学レン
ズ材料の開発が強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来に
おいては、高い架橋密度で、しかも低比重という優れた
物理的特性を有すると共に、良好な光学的特性を有する
合成樹脂レンズは知られていない。本発明は、このよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
架橋密度が高くて耐熱性や耐溶剤性等に優れ、しかも低
比重という優れた物理的特性を有すると共に、良好な光
学的特性を有する架橋共重合体よりなる光学レンズを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の光学レンズは、
下記化3で示される二官能性単量体(A1 成分)と三乃
至四官能性アクリレート及び/又はメタクリレート(A
2 成分)とからなり、A1 成分に対するA2 成分の混合
比率が重量比で0.05〜0.8である架橋性単量体混
合物(A成分)20〜70重量%と、下記化4で示され
る単量体(B成分)30〜80重量%とよりなる混合単
量体が少なくとも80重量%の割合で含有されてなる単
量体組成物を共重合して得られる架橋共重合体よりなる
ことを特徴とする。
【0007】
【化3】 (化3中、Xは水素原子又はメチル基を表し、nは4〜
22の整数である。)
【0008】
【化4】 (化4中、Rは炭素数6〜22のアルキル基を表し、X
は水素原子又はメチル基を表す。)
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の光学レンズは架橋共重合体よりなるものであり、
当該架橋共重合体は、特定の架橋性単量体混合物(A成
分)と、特定のアクリレート系単量体(B成分)とより
なる混合単量体が必須の単量体成分して含有されてなる
単量体組成物を共重合して得られるものである。
【0010】<A成分>A成分は、上記化3で示される
二官能性単量体(A1 成分)と三乃至四官能性アクリレ
ート及び/又はメタクリレート(A2 成分)とからなる
架橋性単量体混合物である。
【0011】(1)A1 成分 共重合反応により架橋共重合体を構成するA1 成分は、
上記化3で示されるアルキレンジアクリレート又はアル
キレンジメタクリレート(以下、「アルキレンジ(メ
タ)アクリレート」ともいう。)である。A1 成分であ
るアルキレンジ(メタ)アクリレートを示す化3におい
て、アルキレン基の繰り返し数nの値は、得られる架橋
共重合体の物理的特性に重要な関連があり、本発明にお
いて、nの値は4〜22、好ましくは4〜18の整数と
される。nの値が4〜22の範囲にあるアルキレンジ
(メタ)アクリレートをA1 成分として用いることによ
り、高い架橋密度及び低比重という優れた物理的特性を
有する架橋共重合体を得ることができる。nの値が4未
満であると、得られる架橋共重合体の低比重化を十分に
達成することができない。また、当該架橋共重合体の架
橋点間分子鎖が短いものとなり、架橋密度が高くなりす
ぎることから実用強度の低下をもたらす。一方、nの値
が22を超えると、得られる架橋共重合体の架橋密度が
十分高いものとならず、このような架橋共重合体よりな
る光学レンズは、表面硬度が低く、耐熱性に劣るものと
なる。このように、nの値が4〜22の範囲内にあるア
ルキレンジ(メタ)アクリレートであれば、本発明の光
学レンズの使用目的に応じて種々のものを選択してA1
成分として使用することができる。
【0012】化3で示されるアルキレンジ(メタ)アク
リレートの具体例としては、1,4−ブタンジオールジ
アクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレー
ト、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,5
−ペンタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジメタクリレート、1,7−ヘプタンジオールジアクリ
レート、1,7−ヘプタンジオールジメタクリレート、
1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,8−オ
クタンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオ
ールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタク
リレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、
1,10−デカンジオールジメタクリレート、1,12
−ドデカンジオールジアクリレート、1,12−ドデカ
ンジオールジメタクリレート、1,18−ステアリルジ
オールジアクリレート、1,18−ステアリルジオール
ジメタクリレート、1,22−ベヘニルジオールジアク
リレート、1,22−ベヘニルジオールジメタクリレー
ト等を挙げることができ、これらは単独で或いは2種以
上混合して用いることもできる。
【0013】(2)A2 成分 A1 成分と併用されて架橋共重合体を構成するA2 成分
は、三乃至四官能性アクリレート及び/又はメタクリレ
ートよりなるものである。このA2 成分は、上記A1
分及び以下に示すB成分と共重合可能な単量体であっ
て、架橋共重合体の架橋密度をより効率よく高めるもの
である。このA2 成分が併用されてなる架橋性単量体混
合物(A成分)が混合単量体中に含まれていることによ
り、得られる架橋共重合体の架橋密度を効率よく高める
ことができ、かつ比重を小さく維持することが可能とな
る。この結果、A1 成分を単独で用いる場合に比べ、得
られる架橋共重合体よりなる光学レンズの諸性能が改良
される。具体的には、比重を1.10以下に保ち、か
つ、耐熱性の向上、耐溶剤性の向上、研磨性の向上など
光学レンズの使用目的に応じて、適する単量体を選択し
て用いることができる。
【0014】このような三乃至四官能性のアクリレート
及びメタクリレートの具体例としては、トリメチロール
プロパントリアクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、グリ
セリントリアクリレート、グリセリントリメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラメタクリレート等を挙げることが
でき、これらは単独で或いは2種以上混合して用いるこ
ともできる。
【0015】(3)A1 成分とA2 成分との混合比率 架橋性単量体混合物(A成分)を構成する上記A1 成分
及びA2 成分において、A1 成分に対するA2 成分の混
合比率(重量比)は0.05〜0.8とされ、好ましく
は0.1〜0.6とされる。この比率が0.05未満で
ある場合には、架橋が不十分で耐熱性及び耐溶剤性に劣
るものとなる。一方、この比率が0.8を超えると、得
られる架橋共重合体の架橋密度が高くなりすぎて、光学
レンズは脆く破損しやすくなる傾向がある。また、各単
量体成分間の相溶性が低下するため、得られる架橋共重
合体は透明性に劣り、光学レンズとして使用することが
できない。
【0016】<B成分>共重合反応により架橋共重合体
を構成するB成分は、上記化4で示されるアルキルアク
リレート又はアルキルメタクリレート(以下、「アルキ
ル(メタ)アクリレート」ともいう。)である。
【0017】B成分であるアルキル(メタ)アクリレー
トを示す化4において、アルキル基Rの炭素数も、得ら
れる架橋共重合体の物理的特性に重要な関連があり、本
発明において、アルキル基Rの炭素数は6〜22、好ま
しくは8〜18とされる。アルキル基Rの炭素数が6未
満であると、得られる架橋共重合体において、1.10
以下の低比重化を達成することができない。一方、アル
キル基Rの炭素数が22を超えると、得られる架橋共重
合体よりなる光学レンズは、耐熱性に劣り、実用的なも
のとならない。このように、アルキル基Rの炭素数が6
〜22の範囲内にあるアルキル(メタ)アクリレートで
あれば、光学レンズの使用目的に応じて種々のものを選
択してB成分として使用することができる。
【0018】化4で示されるアルキル(メタ)アクリレ
ートの具体例としては、n−ヘキシルアクリレート、n
−ヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレー
ト、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルアクリ
レート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、n−ラウリルアクリレート、n−ラウリルメタクリ
レート、n−ステアリルアクリレート、n−ステアリル
メタクリレート、イソステアリルアクリレート、イソス
テアリルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イ
ソデシルメタクリレート、トリデシルアクリレート、ト
リデシルメタクリレート、ベヘニルアクリレート、ベヘ
ニルメタクリレート等を挙げることができ、これらは単
独であるいは2種以上混合して用いることもできる。
【0019】<A成分とB成分との組成割合>以上のA
成分(A1 成分とA2 成分とからなる架橋性単量体混合
物)と、B成分とにより、必須の単量体成分である混合
単量体が構成される。混合単量体構成する上記A成分と
びB成分との組成割合としては、〔A成分:B成分(重
量比)〕が20:80〜70:30となる割合、好まし
くは25:75〜60:40となる割合とされる。混合
単量体におけるA成分の割合が70重量%を超えると、
得られる架橋共重合体の架橋密度が高くなり過ぎて、光
学レンズは、脆く破損しやすいものとなり、また、1.
10以下の低比重化を達成することができない。一方、
A成分の割合が20重量%未満では、架橋が不十分とな
り、光学レンズの耐熱性や耐溶剤性が劣る。
【0020】<C成分>架橋共重合体を得るために用い
られる単量体組成物は、上記の混合単量体を必須成分と
するものであるが、単量体組成物を構成する任意成分と
して、混合単量体を構成する各成分と共重合可能な単量
体(C成分)が含まれていてもよい。このC成分によっ
て、得られる光学レンズの屈折率、染色性、表面特性等
を調節することもできる。例えば、光学レンズの表面に
ハードコート層を形成する場合に、当該ハードコート層
との相溶性に優れる単量体をC成分として用いることに
より、ハードコート層との密着性を向上させることがで
きる。又、C成分によって単量体組成物の粘度を調節
し、重合型への注入性を改良することもできる。
【0021】斯かる単量体(C成分)の具体例として
は、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸基含有単
量体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート等の水酸基含有単量体、スチ
レン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−
メトキシスチレン、4−クロルスチレン、4−ヒドロキ
シメチルスチレン、2−エチルスチレン、4−エチルス
チレン、4−ブロモスチレン、2,4,6−トリブロモ
スチレン等の芳香族ビニル化合物、2,2−ビス[4−
(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,
2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プ
ロパン等のジ(メタ)アクリレート等を挙げることがで
きる。
【0022】単量体組成物におけるこのC成分の割合
は、本発明の主旨を逸脱しない範囲、具体的には単量体
組成物の0〜20重量%の範囲とされ、好ましくは0〜
15重量%の範囲とされる。C成分の割合が20重量%
を超える場合、すなわち、必須成分である混合単量体の
割合が80重量%未満となる場合には、比重を1.10
以下に保ち、かつ諸性能に優れた光学レンズを得るとい
う本発明の目的を達成することができない。
【0023】A成分及びB成分よりなる混合単量体の共
重合反応、あるいは当該混合単量体とC成分とからなる
単量体組成物の共重合反応は、通常のラジカル重合開始
剤により進行する。従って、これらの共重合反応のため
の重合方式、反応の条件などは通常のラジカル重合反応
の場合と同様であってよい。しかしながら、A1 成分と
して使用されるアルキレンジ(メタ)アクリレートは二
官能性単量体であり、又、A2 成分は、三官能性単量体
若しくは四官能性単量体であるので、架橋反応が進行
し、その結果、生成する架橋共重合体の溶解あるいは溶
融を伴う処理を行うことは事実上不可能となるため、目
的とする光学レンズとしての形状が直接的に得られる注
型重合法を利用することが好ましい。
【0024】注型重合法は周知の技術であり、そのまま
本発明に適用することができる。注型重合用容器として
は、板状、レンズ状、円筒状、角柱状、円錐状、球状、
その他の、目的乃至用途に応じて設計された鋳型又は型
枠、その他の容器が使用される。その材質は、無機ガラ
ス、プラスチック、金属、その他の目的に応じた任意の
ものを選択することができる。実際の重合反応は、混合
単量体を必須成分とする単量体組成物と重合開始剤とよ
りなる混合物を注型重合用容器内に投入し、加熱するこ
とによって実施することができるが、別の反応容器を用
いて予め単量体組成物をある程度まで反応させ、粘度が
高くなったプレポリマー又はシロップを注型重合用容器
内に投入して重合を完結する態様によって行うこともで
きる。所要の単量体組成物及び重合開始剤は、その全量
を一時に混合してもよいし、また段階的に混合してもよ
い。単量体組成物には、生成する共重合体に期待される
用途に応じて、帯電防止剤、着色剤、充填剤、紫外線吸
収剤、熱安定剤、酸化防止剤、その他の補助資材を含有
させることができる。
【0025】
【作用】本発明の光学レンズに係る架橋共重合体は混合
単量体を必須成分とする単量体組成物を共重合して得ら
れるものであり、当該混合単量体は、特定のアルキレン
ジ(メタ)アクリレート(A1 成分)と、三乃至四官能
性アクリレート及び/又はメタクリレート(A2 成分)
と、特定のアルキル(メタ)アクリレート(B成分)と
が特定の割合で含有されてなるものである。従って、本
発明の光学レンズは、後述する実施例からも明らかなよ
うに、架橋密度が高くて耐熱性や耐溶剤性に優れ、1.
10以下の極めて低い比重を有するものとなり、更に、
良好な光学的特性をも有するものとなる。
【0026】本発明の光学レンズは、これを構成する架
橋共重合体が、以上のように特定の単量体組成物から得
られる点に特徴を有するものである。従って、当該架橋
共重合体によって実際の光学レンズを得るためには、従
来から利用されている手段を適用することができる。す
なわち、注型重合法によって直接的に特定の形状を有す
る光学レンズを得る手段、板状体又は塊状体から目的と
する形状の光学レンズを削りだす手段などを利用するこ
とができる。この光学レンズには、更に必要に応じて、
表面研磨処理、帯電防止処理、その他の後処理を行うこ
とができ、これによって所望の性能を有する光学レンズ
を得ることができる。更に、光学レンズの表面硬度を高
くするために、表面に適宜の無機材料を塗被したり、有
機系コート剤をディッピングなどにより塗被することも
可能である。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明がこれらによって限定されるものではない。な
お、以下の実施例及び比較例において、「部」は「重量
部」を表す。また、重合仕込量は、特に断りのないかぎ
り純分で示している。
【0028】各実施例及び比較例により得られた光学レ
ンズの諸性能は、以下のようにして評価した。 (1)透明性:JIS K7105に基づく可視光線透
過率の測定。 (2)屈折率,アッベ数:温度20℃においてアッベの
屈折計を用いて測定。 (3)比重:レンズの重量M及び水中重量wを測定し、
計算〔M/(M−w)〕により求めた。 (4)表面硬度:JIS K5400に基づく鉛筆硬度
の測定。 (5)耐熱性:JIS K7206に準じて針入度が
0.4mmとなる温度(針入温度)の測定。 (6)耐有機溶剤性:アセトン及びベンゼンの各々にレ
ンズを浸漬し、24時間後、外観状態を目視により観察
した。
【0029】<実施例1>1,9−ノナンジオールジメ
タクリレート(A1 成分)40部と、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート(A2 成分)7部と、イソステ
アリルメタクリレート(B成分)53部とを混合して混
合単量体よりなる単量体組成物を調製し、この単量体組
成物に、ターシャリブチルパーオキシネオデカノエート
1.2部を添加して十分に混合した。この混合液をガラ
ス製のレンズ用モールド中に注入して、50℃で10時
間、60℃で8時間、80℃で3時間、100℃で2時
間と順次に異なる温度で加熱して重合を完結させ、これ
により、−3.75ジオプターの無色透明なレンズを製
造した。このレンズは、可視光線透過率が92%、屈折
率が1.490、アッベ数が60であり、比重は1.0
12と十分に小さいものであった。また、このレンズの
表面硬度は3H、針入温度は89℃であり、更に、アセ
トン及びベンゼンに全く不溶であって耐有機溶剤性に富
むものであった。
【0030】<実施例2>1,10−デカンジオールジ
メタクリレート(A1 成分)23部と、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート(A2 成分)10部と、イソ
ステアリルメタクリレート(B成分)60部と、α−メ
チルスチレン(C成分)7部とを混合して単量体組成物
を調製したこと以外は実施例1と同様にして重合を行
い、−2.00ジオプターの無色透明なレンズを製造し
た。このレンズは、可視光線透過率が92%、屈折率が
1.4956、アッベ数が50.6であり、比重は1.
008と十分に小さいものであった。また、このレンズ
の表面硬度は2H、針入温度は86℃であり、更に、ア
セトン及びベンゼンに全く不溶であって耐有機溶剤性に
富むものであった。
【0031】<実施例3>1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート(A1 成分)35部と、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート(A2 成分)5部と、イソス
テアリルメタクリレート(B成分)50部と、α−メチ
ルスチレン(C成分)10部とを混合して単量体組成物
を調製したこと以外は実施例1と同様にして重合を行
い、+2.25ジオプターの無色透明なレンズを製造し
た。このレンズは、可視光線透過率が91%、屈折率が
1.508、アッベ数が48であり、比重は1.070
と十分に小さいものであった。また、このレンズの表面
硬度は3H、針入温度は95℃であり、更に、アセトン
及びベンゼンに全く不溶であって耐有機溶剤性に富むも
のであった。
【0032】<実施例4>1,9−ノナンジオールジメ
タクリレート(A1 成分)45部と、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート(A2 成分)5部と、ラウリル
メタクリレート(B成分)40部と、2,2−ビス[4
−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン(C
成分)5部と、α−メチルスチレン(C成分)5部とを
混合して単量体組成物を調製したこと以外は実施例1と
同様にして重合を行い、+1.00ジオプターの無色透
明なレンズを製造した。このレンズは、可視光線透過率
が91.4%、屈折率が1.514、アッベ数が43で
あり、比重は1.05と十分に小さいものであった。ま
た、このレンズの表面硬度は2H、針入温度は96℃で
あり、更に、アセトン及びベンゼンに全く不溶であって
耐有機溶剤性に富むものであった。
【0033】<実施例5>1,9−ノナンジオールジア
クリレート(A1 成分)17部と、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート(A2 成分)9部、イソステアリ
ルメタクリレート(B成分)65部と、スチレン(C成
分)4部と、α−メチルスチレン(C成分)5部とを混
合して単量体組成物を調製したこと以外は実施例1と同
様にして重合を行い、+3.00ジオプターの無色透明
なレンズを製造した。このレンズは、可視光線透過率が
91%、屈折率が1.496、アッベ数が53であり、
比重は0.9996と極めて小さいものであった。ま
た、このレンズの表面硬度は2H、針入温度は83℃で
あり、更に、アセトン及びベンゼンに全く不溶であって
耐有機溶剤性に富むものであった。
【0034】<実施例6>1,4−ブタンジオールジメ
タクリレート(A1 成分)35部と、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート(A2 成分)10部と、ラウリ
ルメタクリレート(B成分)49部と、スチレン(C成
分)4部と、α−メチルスチレン(C成分)2部とを混
合して単量体組成物を調製したこと以外は実施例1と同
様にして重合を行い、−4.25ジオプターの無色透明
なレンズを製造した。このレンズは、可視光線透過率が
91.3%、屈折率が1.507、アッベ数が53であ
り、比重は1.036と十分に小さいものであった。ま
た、このレンズの表面硬度は2H、針入温度は82℃で
あり、更に、アセトン及びベンゼンに全く不溶であって
耐有機溶剤性に富むものであった。
【0035】<実施例7>1,22−ベヘニルジオール
ジメタクリレート(A1 成分)40部と、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート(A2 成分)10部と、n
−ヘキシルメタクリレート(B成分)35部と、スチレ
ン(C成分)13部と、α−メチルスチレン(C成分)
2部とを混合して単量体組成物を調製したこと以外は実
施例1と同様にして重合を行い、+3.75ジオプター
の無色透明なレンズを製造した。このレンズは、可視光
線透過率が91%、屈折率が1.509、アッベ数が5
4であり、比重は1.033と十分に小さいものであっ
た。また、このレンズの表面硬度は2H、針入温度は7
9℃であり、更に、アセトン及びベンゼンに全く不溶で
あって耐有機溶剤性に富むものであった。
【0036】<実施例8>1,9−ノナンジオールジメ
タクリレート(A1 成分)45部と、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート(A2 成分)5部と、ベヘニル
アクリレート(B成分)40部と、2,2−ビス[4−
(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン(C成
分)5部と、α−メチルスチレン(C成分)5部とを混
合して単量体組成物を調製したこと以外は実施例1と同
様にして重合を行い、+1.25ジオプターの無色透明
なレンズを製造した。このレンズは、可視光線透過率が
91%、屈折率が1.508、アッベ数が45であり、
比重は1.030と十分に小さいものであった。また、
このレンズの表面硬度は2H、針入温度は94℃であ
り、更に、アセトン及びベンゼンに全く不溶であって耐
有機溶剤性に富むものであった。
【0037】以上のように、実施例1〜8の各レンズに
係る架橋共重合体は、優れた光学的特性と、低比重とい
う良好な物理的特性と、良好な機械的強度、耐熱性及び
耐有機溶剤性を発現させる高い架橋密度とをバランスよ
く有しており、光学レンズとして極めて好ましいもので
あることが理解される。
【0038】<比較例1>1,10−デカンジオールジ
メタクリレート(A1 成分)23部と、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート(A2 成分)20部と、イソ
ステアリルメタクリレート(B成分)50部と、α−メ
チルスチレン(C成分)7部とを混合して単量体組成物
を調製したこと以外は実施例1と同様にして重合を行っ
てレンズを製造した。このレンズの比重は1.016と
小さいものであった。しかし、このレンズは白濁が強く
生じて使用に耐えないものであった。これは、架橋性単
量体混合物(A成分)中におけるA2 成分の比率が高過
ぎて、各単量体成分間の相溶性が低下したからであると
理解される。
【0039】<比較例2>1,10−デカンジオールジ
メタクリレート(A1 成分)23部と、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート(A2 成分)1部と、イソス
テアリルメタクリレート(B成分)69部と、α−メチ
ルスチレン(C成分)7部とを混合して単量体組成物を
調製したこと以外は実施例1と同様にして重合を行って
レンズを製造した。このレンズは透明性を有し、比重は
0.984と極めて小さいものであった。しかし、この
レンズは、室温において、指の力で容易に変形する柔軟
なものであり、また、針入温度が50℃以下であって耐
熱性が相当に小さく使用に耐えないものであった。これ
は、架橋性単量体混合物(A成分)中におけるA2 成分
の比率が低過ぎたからであると理解される。
【0040】<比較例3>1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート(A1 成分)10部と、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート(A2 成分)5部と、イソス
テアリルメタクリレート(B成分)75部と、α−メチ
ルスチレン(C成分)10部とを混合して単量体組成物
を調製したこと以外は実施例1と同様にして重合を行っ
てレンズを製造した。このレンズは透明性を有し、比重
は0.993と極めて小さいものであった。しかし、こ
のレンズは、室温において、指の力で容易に変形する柔
軟なものであり、また、耐熱性が相当に小さくて使用に
耐えないものであった。これは、混合単量体中における
架橋性単量体混合物(A成分)の割合が低過ぎたからで
あると理解される。
【0041】<比較例4>1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート(A1 成分)84部と、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート(A2 成分)5部と、イソス
テアリルメタクリレート(B成分)1部と、α−メチル
スチレン(C成分)10部とを混合して単量体組成物を
調製したこと以外は実施例1と同様にして重合を行って
レンズを製造した。このレンズの比重は1.14と大き
いものであり、本発明の目的を満足するものではなかっ
た。また、得られたレンズは非常に脆く、50cmの高
さから落下させたところ、レンズが破損し、実用強度に
欠けるものであった。これは、混合単量体中における架
橋性単量体混合物(A成分)の割合が高過ぎて、架橋密
度が高くなり過ぎたからであると理解される。
【0042】<比較例5>1,9−ノナンジオールジメ
タクリレート(A1 成分)35部と、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート(A2 成分)15部と、ラウリ
ルメタクリレート(B成分)20部と、2,2−ビス
[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン
(C成分)25部と、α−メチルスチレン(C成分)5
部とを混合して単量体組成物を調製したこと以外は実施
例1と同様にして重合を行って+1.00ジオプターの
無色透明なレンズを製造した。このレンズの比重は1.
130と大きいものであり、本発明の目的を満足するも
のではなかった。これは、必須成分である混合単量体
(A成分及びB成分)の割合が低過ぎたからであると理
解される。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明の光学レンズは、
高い無色透明性を有するとともに光学レンズに要求され
る好適な光学的特性を満足する。また、光学レンズを構
成する架橋共重合体は、その比重が1.10以下と極め
て小さく、かつ高度な架橋構造を有するものであって機
械的強度、耐熱性、耐溶剤性などの物理的特性にも優れ
ており、性能バランスの極めて良好なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 1/04 C08F 220/18 C08F 220/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1で示される二官能性単量体(A
    1 成分)と三乃至四官能性アクリレート及び/又はメタ
    クリレート(A2 成分)とからなり、A1 成分に対する
    2 成分の混合比率が重量比で0.05〜0.8である
    架橋性単量体混合物(A成分)20〜70重量%と、 下記化2で示される単量体(B成分)30〜80重量%
    とよりなる混合単量体が少なくとも80重量%の割合で
    含有されてなる単量体組成物を共重合して得られる架橋
    共重合体よりなることを特徴とする光学レンズ。 【化1】 (化1中、Xは水素原子又はメチル基を表し、nは4〜
    22の整数である。) 【化2】 (化2中、Rは炭素数6〜22のアルキル基を表し、X
    は水素原子又はメチル基を表す。)
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