JP3119720B2 - 光学レンズ - Google Patents
光学レンズInfo
- Publication number
- JP3119720B2 JP3119720B2 JP04135720A JP13572092A JP3119720B2 JP 3119720 B2 JP3119720 B2 JP 3119720B2 JP 04135720 A JP04135720 A JP 04135720A JP 13572092 A JP13572092 A JP 13572092A JP 3119720 B2 JP3119720 B2 JP 3119720B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- lens
- parts
- monomer
- stearyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学レンズに関し、更
に詳しくは、架橋共重合体よりなる極めて軽量な光学レ
ンズに関する。
に詳しくは、架橋共重合体よりなる極めて軽量な光学レ
ンズに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学レンズにおいては、種々の無
機ガラスレンズが使用されてきたが、最近においては、
合成樹脂レンズが、その軽量性、加工性、安定性、染色
性、大量生産性、コストの低減可能性等を有することか
ら、無機ガラスレンズと共に広く使用され始めている。
機ガラスレンズが使用されてきたが、最近においては、
合成樹脂レンズが、その軽量性、加工性、安定性、染色
性、大量生産性、コストの低減可能性等を有することか
ら、無機ガラスレンズと共に広く使用され始めている。
【0003】光学レンズ材料に要求される種々の物性の
うち、低比重であることは極めて重要なことである。比
重の小さい材料よりなる光学レンズを用いれば、例え
ば、顕微鏡、写真機、望遠鏡などの光学機器や眼鏡レン
ズにおいて重要な位置を占めるレンズ系の軽量化を図る
ことが可能となる。このため、合成樹脂レンズ材料にお
いても、さらに低比重化を図り、無機ガラスレンズ材料
に対する優位性を強調する傾向にある。例えば、眼鏡用
合成樹脂レンズ材料として現在最も普及しているものに
「CR−39」と称されるジエチレングリコールビスア
リルカーボネート樹脂がある。この樹脂の比重は1.3
1(温度20℃における値をいう。以下において同
じ。)である。また、最近、高屈折率レンズ材料とし
て、ハロゲン原子や硫黄原子を含む光学レンズ材料が知
られているが、このような光学レンズ材料の比重は1.
3〜1.4程度に集中している。
うち、低比重であることは極めて重要なことである。比
重の小さい材料よりなる光学レンズを用いれば、例え
ば、顕微鏡、写真機、望遠鏡などの光学機器や眼鏡レン
ズにおいて重要な位置を占めるレンズ系の軽量化を図る
ことが可能となる。このため、合成樹脂レンズ材料にお
いても、さらに低比重化を図り、無機ガラスレンズ材料
に対する優位性を強調する傾向にある。例えば、眼鏡用
合成樹脂レンズ材料として現在最も普及しているものに
「CR−39」と称されるジエチレングリコールビスア
リルカーボネート樹脂がある。この樹脂の比重は1.3
1(温度20℃における値をいう。以下において同
じ。)である。また、最近、高屈折率レンズ材料とし
て、ハロゲン原子や硫黄原子を含む光学レンズ材料が知
られているが、このような光学レンズ材料の比重は1.
3〜1.4程度に集中している。
【0004】一方、比較的比重の小さい光学レンズ材料
として、ポリスチレン(比重:1.02)、ポリメチル
メタクリレート(比重:1.20)やポリカーボネート
(比重:1.19)等の熱可塑性樹脂が知られている。
しかし、これらの光学レンズ材料は、耐熱性、耐溶剤
性、機械的強度等の諸性能において満足できないもので
あり、高い架橋密度と低い比重とを兼ね備えた光学レン
ズ材料の開発が強く望まれている。
として、ポリスチレン(比重:1.02)、ポリメチル
メタクリレート(比重:1.20)やポリカーボネート
(比重:1.19)等の熱可塑性樹脂が知られている。
しかし、これらの光学レンズ材料は、耐熱性、耐溶剤
性、機械的強度等の諸性能において満足できないもので
あり、高い架橋密度と低い比重とを兼ね備えた光学レン
ズ材料の開発が強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来に
おいては、高い架橋密度で、しかも低比重という優れた
物理的特性を有すると共に、良好な光学的特性を有する
合成樹脂レンズは知られていない。本発明は、このよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
架橋密度が高くて耐熱性や耐溶剤性等に優れ、しかも低
比重という優れた物理的特性を有すると共に、良好な光
学的特性を有する架橋共重合体よりなる光学レンズを提
供することにある。
おいては、高い架橋密度で、しかも低比重という優れた
物理的特性を有すると共に、良好な光学的特性を有する
合成樹脂レンズは知られていない。本発明は、このよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
架橋密度が高くて耐熱性や耐溶剤性等に優れ、しかも低
比重という優れた物理的特性を有すると共に、良好な光
学的特性を有する架橋共重合体よりなる光学レンズを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の光学レンズは、
1,12−ステアリルジメタクリレート又は1,12−
ステアリルジアクリレート(A成分)50〜90重量%
と、下記化2で示される単量体(B成分)10〜50重
量%とよりなる混合単量体が少なくとも80重量%の割
合で含有されてなる単量体組成物を共重合して得られる
架橋共重合体よりなることを特徴とする。
1,12−ステアリルジメタクリレート又は1,12−
ステアリルジアクリレート(A成分)50〜90重量%
と、下記化2で示される単量体(B成分)10〜50重
量%とよりなる混合単量体が少なくとも80重量%の割
合で含有されてなる単量体組成物を共重合して得られる
架橋共重合体よりなることを特徴とする。
【0007】
【化2】 (化2中、Rは炭素数6〜22のアルキル基を表し、X
は水素原子又はメチル基を表す。)
は水素原子又はメチル基を表す。)
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の光学レンズは架橋共重合体よりなるものであり、
当該架橋共重合体は、特定の架橋性単量体であるA成分
と、特定のアクリレート系単量体であるB成分とよりな
る混合単量体が必須の単量体成分として含有されてなる
単量体組成物を共重合して得られるものである。
発明の光学レンズは架橋共重合体よりなるものであり、
当該架橋共重合体は、特定の架橋性単量体であるA成分
と、特定のアクリレート系単量体であるB成分とよりな
る混合単量体が必須の単量体成分として含有されてなる
単量体組成物を共重合して得られるものである。
【0009】<A成分>共重合反応により架橋共重合体
を構成するA成分は、1,12−ステアリルジメタクリ
レート又は1,12−ステアリルジアクリレート(以
下、「1,12−ステアリルジ(メタ)アクリレート」
ともいう。)である。
を構成するA成分は、1,12−ステアリルジメタクリ
レート又は1,12−ステアリルジアクリレート(以
下、「1,12−ステアリルジ(メタ)アクリレート」
ともいう。)である。
【0010】A成分である1,12−ステアリルジ(メ
タ)アクリレートは、ラジカル重合性の不飽和二重結合
を分子中に2個有しているので、これを用いて得られた
共重合体は強固な三次元架橋構造を有するものとなる。
これにより、当該共重合体、すなわち、本発明の光学レ
ンズを構成する架橋共重合体は、優れた耐熱性及び耐有
機溶剤性並びに良好な研磨特性を有するものとなる。ま
た、A成分である1,12−ステアリルジ(メタ)アク
リレートは、アルキレン基〔−(CH2 )12−〕よりな
る比較的長い主鎖に、アルキル基(−C6 HH13)より
なる側鎖が結合した構造を有するものであるため、その
分子容が大きいものである。従って、この1,12−ス
テアリルジ(メタ)アクリレートは、直鎖状のジアクリ
レート系化合物に比べ、得られる架橋共重合体の低比重
化に大きく寄与するものとなる。
タ)アクリレートは、ラジカル重合性の不飽和二重結合
を分子中に2個有しているので、これを用いて得られた
共重合体は強固な三次元架橋構造を有するものとなる。
これにより、当該共重合体、すなわち、本発明の光学レ
ンズを構成する架橋共重合体は、優れた耐熱性及び耐有
機溶剤性並びに良好な研磨特性を有するものとなる。ま
た、A成分である1,12−ステアリルジ(メタ)アク
リレートは、アルキレン基〔−(CH2 )12−〕よりな
る比較的長い主鎖に、アルキル基(−C6 HH13)より
なる側鎖が結合した構造を有するものであるため、その
分子容が大きいものである。従って、この1,12−ス
テアリルジ(メタ)アクリレートは、直鎖状のジアクリ
レート系化合物に比べ、得られる架橋共重合体の低比重
化に大きく寄与するものとなる。
【0011】<B成分>共重合反応により架橋共重合体
を構成するB成分は、上記化2で示されるアルキルアク
リレート又はアルキルメタクリレート(以下、「アルキ
ル(メタ)アクリレート」ともいう。)である。
を構成するB成分は、上記化2で示されるアルキルアク
リレート又はアルキルメタクリレート(以下、「アルキ
ル(メタ)アクリレート」ともいう。)である。
【0012】B成分であるアルキル(メタ)アクリレー
トを示す化2において、アルキル基Rの炭素数は、得ら
れる架橋共重合体の物理的特性に重要な関連があり、本
発明において、アルキル基Rの炭素数は6〜22とされ
る。アルキル基Rの炭素数が6未満であると、得られる
架橋共重合体において、1.10以下の低比重化を達成
することができない。一方、アルキル基Rの炭素数が2
2を超えると、得られる架橋共重合体よりなる光学レン
ズは、耐熱性に劣り、実用的なものとならない。このよ
うに、アルキル基Rの炭素数が6〜22の範囲内にある
アルキル(メタ)アクリレートであれば、光学レンズの
使用目的に応じて種々のものを選択してB成分として使
用することができる。
トを示す化2において、アルキル基Rの炭素数は、得ら
れる架橋共重合体の物理的特性に重要な関連があり、本
発明において、アルキル基Rの炭素数は6〜22とされ
る。アルキル基Rの炭素数が6未満であると、得られる
架橋共重合体において、1.10以下の低比重化を達成
することができない。一方、アルキル基Rの炭素数が2
2を超えると、得られる架橋共重合体よりなる光学レン
ズは、耐熱性に劣り、実用的なものとならない。このよ
うに、アルキル基Rの炭素数が6〜22の範囲内にある
アルキル(メタ)アクリレートであれば、光学レンズの
使用目的に応じて種々のものを選択してB成分として使
用することができる。
【0013】化2で示されるアルキル(メタ)アクリレ
ートの具体例としては、n−ヘキシルアクリレート、n
−ヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレー
ト、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルアクリ
レート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、n−ラウリルアクリレート、n−ラウリルメタクリ
レート、n−セチルアクリレート、n−セチルメタクリ
レート、n−ステアリルアクリレート、n−ステアリル
メタクリレート、イソステアリルアクリレート、イソス
テアリルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イ
ソデシルメタクリレート、トリデシルアクリレート、ト
リデシルメタクリレート、ベヘニルアクリレート、ベヘ
ニルメタクリレート等を挙げることができ、これらは単
独であるいは2種以上混合して用いることもできる。
ートの具体例としては、n−ヘキシルアクリレート、n
−ヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレー
ト、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルアクリ
レート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、n−ラウリルアクリレート、n−ラウリルメタクリ
レート、n−セチルアクリレート、n−セチルメタクリ
レート、n−ステアリルアクリレート、n−ステアリル
メタクリレート、イソステアリルアクリレート、イソス
テアリルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イ
ソデシルメタクリレート、トリデシルアクリレート、ト
リデシルメタクリレート、ベヘニルアクリレート、ベヘ
ニルメタクリレート等を挙げることができ、これらは単
独であるいは2種以上混合して用いることもできる。
【0014】<A成分とB成分との組成割合>以上のA
成分と、B成分とにより、必須の単量体成分である混合
単量体が構成される。混合単量体における上記A成分と
B成分との組成割合としては、〔A成分:B成分(重量
比)〕が50:50〜90:10となる割合、好ましく
は55:45〜85:15となる割合とされる。混合単
量体におけるA成分の割合が90重量%を超えると、得
られる架橋共重合体の架橋密度が高くなり過ぎて、光学
レンズは、脆く破損しやすいものとなる。一方、A成分
の割合が50重量%未満では、架橋が不十分となり、光
学レンズの耐熱性や耐溶剤性が劣るものとなる。
成分と、B成分とにより、必須の単量体成分である混合
単量体が構成される。混合単量体における上記A成分と
B成分との組成割合としては、〔A成分:B成分(重量
比)〕が50:50〜90:10となる割合、好ましく
は55:45〜85:15となる割合とされる。混合単
量体におけるA成分の割合が90重量%を超えると、得
られる架橋共重合体の架橋密度が高くなり過ぎて、光学
レンズは、脆く破損しやすいものとなる。一方、A成分
の割合が50重量%未満では、架橋が不十分となり、光
学レンズの耐熱性や耐溶剤性が劣るものとなる。
【0015】<C成分>架橋共重合体を得るために用い
られる単量体組成物は、上記の混合単量体を必須成分と
するものであるが、単量体組成物を構成する任意成分と
して、混合単量体を構成する各成分と共重合可能な共重
合性単量体(C成分)が含まれていてもよい。このC成
分によって、得られる光学レンズの屈折率、染色性、表
面特性等を調節することもできる。例えば、光学レンズ
の表面にハードコート層を形成する場合に、当該ハード
コート層との相溶性に優れる共重合性単量体をC成分と
して用いることにより、ハードコート層との密着性を向
上させることができる。又、C成分によって単量体組成
物の粘度を調節し、重合型への注入性を改良することも
できる。
られる単量体組成物は、上記の混合単量体を必須成分と
するものであるが、単量体組成物を構成する任意成分と
して、混合単量体を構成する各成分と共重合可能な共重
合性単量体(C成分)が含まれていてもよい。このC成
分によって、得られる光学レンズの屈折率、染色性、表
面特性等を調節することもできる。例えば、光学レンズ
の表面にハードコート層を形成する場合に、当該ハード
コート層との相溶性に優れる共重合性単量体をC成分と
して用いることにより、ハードコート層との密着性を向
上させることができる。又、C成分によって単量体組成
物の粘度を調節し、重合型への注入性を改良することも
できる。
【0016】斯かる共重合性単量体(C成分)の具体例
としては、アクリル酸、メタクリル酸、β−メタクリロ
イルオキシエチルハイドロゲンフタレート、β−アクリ
ロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、β−メタ
クリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート等の
カルボン酸基含有単量体、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシ1−アクリロキシ3−メタクリロキシプロパ
ン、3−クロロ2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
等の水酸基含有単量体、スチレン、α−メチルスチレ
ン、4−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−
クロルスチレン、4−ヒドロキシメチルスチレン、2−
エチルスチレン、4−エチルスチレン、4−ブロモスチ
レン等の芳香族ビニル化合物、2,2−ビス[4−(メ
タクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−
ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパ
ン、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラメタクリレート、ジトリメチロー
ルプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロ
パンテトラメタクリレート等の多官能(メタ)アクリレ
ート等を挙げることができ、これらは単独であるいは2
種以上混合して用いることもできる。
としては、アクリル酸、メタクリル酸、β−メタクリロ
イルオキシエチルハイドロゲンフタレート、β−アクリ
ロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、β−メタ
クリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート等の
カルボン酸基含有単量体、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシ1−アクリロキシ3−メタクリロキシプロパ
ン、3−クロロ2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
等の水酸基含有単量体、スチレン、α−メチルスチレ
ン、4−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−
クロルスチレン、4−ヒドロキシメチルスチレン、2−
エチルスチレン、4−エチルスチレン、4−ブロモスチ
レン等の芳香族ビニル化合物、2,2−ビス[4−(メ
タクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−
ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパ
ン、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラメタクリレート、ジトリメチロー
ルプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロ
パンテトラメタクリレート等の多官能(メタ)アクリレ
ート等を挙げることができ、これらは単独であるいは2
種以上混合して用いることもできる。
【0017】単量体組成物におけるこのC成分の割合
は、本発明の主旨を逸脱しない範囲、具体的には単量体
組成物の0〜20重量%の範囲とされる。C成分の割合
が20重量%を超える場合、すなわち、必須成分である
混合単量体の割合が80重量%未満となる場合には、比
重を1.10以下に保ち、かつ諸性能に優れた光学レン
ズを得るという本発明の目的を達成することができな
い。
は、本発明の主旨を逸脱しない範囲、具体的には単量体
組成物の0〜20重量%の範囲とされる。C成分の割合
が20重量%を超える場合、すなわち、必須成分である
混合単量体の割合が80重量%未満となる場合には、比
重を1.10以下に保ち、かつ諸性能に優れた光学レン
ズを得るという本発明の目的を達成することができな
い。
【0018】A成分及びB成分よりなる混合単量体の共
重合反応、あるいは当該混合単量体とC成分とからなる
単量体組成物の共重合反応は、通常のラジカル重合開始
剤により進行する。従って、これらの共重合反応のため
の重合方式、反応の条件などは通常のラジカル重合反応
の場合と同様であってよい。しかしながら、A成分とし
て使用される1,12−ステアリルジ(メタ)アクリレ
ートは二官能性単量体であるので、架橋反応が進行し、
その結果、生成する架橋共重合体の溶解あるいは溶融を
伴う処理を行うことは事実上不可能となるため、目的と
する光学レンズとしての形状が直接的に得られる注型重
合法を利用することが好ましい。
重合反応、あるいは当該混合単量体とC成分とからなる
単量体組成物の共重合反応は、通常のラジカル重合開始
剤により進行する。従って、これらの共重合反応のため
の重合方式、反応の条件などは通常のラジカル重合反応
の場合と同様であってよい。しかしながら、A成分とし
て使用される1,12−ステアリルジ(メタ)アクリレ
ートは二官能性単量体であるので、架橋反応が進行し、
その結果、生成する架橋共重合体の溶解あるいは溶融を
伴う処理を行うことは事実上不可能となるため、目的と
する光学レンズとしての形状が直接的に得られる注型重
合法を利用することが好ましい。
【0019】注型重合法は周知の技術であり、そのまま
本発明に適用することができる。注型重合用容器として
は、板状、レンズ状、円筒状、角柱状、円錐状、球状、
その他の、目的乃至用途に応じて設計された鋳型又は型
枠、その他の容器が使用される。その材質は、無機ガラ
ス、プラスチック、金属、その他の目的に応じた任意の
ものを選択することができる。実際の重合反応は、混合
単量体を必須成分とする単量体組成物と重合開始剤とよ
りなる混合物を注型重合用容器内に投入し、加熱するこ
とによって実施することができるが、別の反応容器を用
いて予め単量体組成物をある程度まで反応させ、粘度が
高くなったプレポリマー又はシロップを注型重合用容器
内に投入して重合を完結する態様によって行うこともで
きる。所要の単量体組成物及び重合開始剤は、その全量
を一時に混合してもよいし、また段階的に混合してもよ
い。単量体組成物には、生成する共重合体に期待される
用途に応じて、帯電防止剤、着色剤、充填剤、紫外線吸
収剤、熱安定剤、酸化防止剤、その他の補助資材を含有
させることができる。
本発明に適用することができる。注型重合用容器として
は、板状、レンズ状、円筒状、角柱状、円錐状、球状、
その他の、目的乃至用途に応じて設計された鋳型又は型
枠、その他の容器が使用される。その材質は、無機ガラ
ス、プラスチック、金属、その他の目的に応じた任意の
ものを選択することができる。実際の重合反応は、混合
単量体を必須成分とする単量体組成物と重合開始剤とよ
りなる混合物を注型重合用容器内に投入し、加熱するこ
とによって実施することができるが、別の反応容器を用
いて予め単量体組成物をある程度まで反応させ、粘度が
高くなったプレポリマー又はシロップを注型重合用容器
内に投入して重合を完結する態様によって行うこともで
きる。所要の単量体組成物及び重合開始剤は、その全量
を一時に混合してもよいし、また段階的に混合してもよ
い。単量体組成物には、生成する共重合体に期待される
用途に応じて、帯電防止剤、着色剤、充填剤、紫外線吸
収剤、熱安定剤、酸化防止剤、その他の補助資材を含有
させることができる。
【0020】
【作用】本発明の光学レンズに係る架橋共重合体は混合
単量体を必須成分とする単量体組成物を共重合して得ら
れるものであり、当該混合単量体は、特定の架橋性単量
体である1,12−ステアリルジ(メタ)アクリレート
(A成分)と、特定のアルキル(メタ)アクリレート
(B成分)とが特定の割合で含有されてなるものであ
る。従って、本発明の光学レンズは、後述する実施例か
らも明らかなように、架橋密度が高くて耐熱性や耐溶剤
性に優れ、1.10以下の極めて低い比重を有するもの
となり、更に、良好な光学的特性をも有するものとな
る。
単量体を必須成分とする単量体組成物を共重合して得ら
れるものであり、当該混合単量体は、特定の架橋性単量
体である1,12−ステアリルジ(メタ)アクリレート
(A成分)と、特定のアルキル(メタ)アクリレート
(B成分)とが特定の割合で含有されてなるものであ
る。従って、本発明の光学レンズは、後述する実施例か
らも明らかなように、架橋密度が高くて耐熱性や耐溶剤
性に優れ、1.10以下の極めて低い比重を有するもの
となり、更に、良好な光学的特性をも有するものとな
る。
【0021】本発明の光学レンズは、これを構成する架
橋共重合体が、以上のように特定の単量体組成物から得
られる点に特徴を有するものである。従って、当該架橋
共重合体によって実際の光学レンズを得るためには、従
来から利用されている手段を適用することができる。す
なわち、注型重合法によって直接的に特定の形状を有す
る光学レンズを得る手段、板状体又は塊状体から目的と
する形状の光学レンズを削りだす手段などを利用するこ
とができる。この光学レンズには、更に必要に応じて、
表面研磨処理、帯電防止処理、その他の後処理を行うこ
とができ、これによって所望の性能を有する光学レンズ
を得ることができる。更に、光学レンズの表面硬度を高
くするために、表面に適宜の無機材料を塗被したり、有
機系コート剤をディッピングなどにより塗被することも
可能である。
橋共重合体が、以上のように特定の単量体組成物から得
られる点に特徴を有するものである。従って、当該架橋
共重合体によって実際の光学レンズを得るためには、従
来から利用されている手段を適用することができる。す
なわち、注型重合法によって直接的に特定の形状を有す
る光学レンズを得る手段、板状体又は塊状体から目的と
する形状の光学レンズを削りだす手段などを利用するこ
とができる。この光学レンズには、更に必要に応じて、
表面研磨処理、帯電防止処理、その他の後処理を行うこ
とができ、これによって所望の性能を有する光学レンズ
を得ることができる。更に、光学レンズの表面硬度を高
くするために、表面に適宜の無機材料を塗被したり、有
機系コート剤をディッピングなどにより塗被することも
可能である。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明がこれらによって限定されるものではない。な
お、以下の実施例及び比較例において、「部」は「重量
部」を表す。また、重合仕込量は、特に断りのないかぎ
り純分で示している。
本発明がこれらによって限定されるものではない。な
お、以下の実施例及び比較例において、「部」は「重量
部」を表す。また、重合仕込量は、特に断りのないかぎ
り純分で示している。
【0023】各実施例及び比較例により得られた光学レ
ンズの諸性能は、以下のようにして評価した。 (1)透明性:JIS K7105に基づく可視光線透
過率の測定。 (2)屈折率,アッベ数:温度20℃においてアッベの
屈折計を用いて測定。 (3)比重:レンズの重量M及び水中重量wを測定し、
計算〔M/(M−w)〕により求めた。 (4)表面硬度:JIS K5400に基づく鉛筆硬度
の測定。 (5)耐熱性:JIS K7206に準じて針入度が
0.4mmとなる温度(針入温度)の測定。 (6)耐有機溶剤性:アセトン及びベンゼンの各々にレ
ンズを浸漬し、24時間後、外観状態を目視により観察
した。
ンズの諸性能は、以下のようにして評価した。 (1)透明性:JIS K7105に基づく可視光線透
過率の測定。 (2)屈折率,アッベ数:温度20℃においてアッベの
屈折計を用いて測定。 (3)比重:レンズの重量M及び水中重量wを測定し、
計算〔M/(M−w)〕により求めた。 (4)表面硬度:JIS K5400に基づく鉛筆硬度
の測定。 (5)耐熱性:JIS K7206に準じて針入度が
0.4mmとなる温度(針入温度)の測定。 (6)耐有機溶剤性:アセトン及びベンゼンの各々にレ
ンズを浸漬し、24時間後、外観状態を目視により観察
した。
【0024】<実施例1>1,12−ステアリルジメタ
クリレート(A成分)80部と、n−ステアリルメタク
リレート(B成分)15部と、セチルメタクリレート
(B成分)5部とを混合して混合単量体よりなる単量体
組成物を調製し、この単量体組成物に、ターシャリブチ
ルパーオキシネオデカノエート1.2部を添加して十分
に混合した。この混合液をガラス製のレンズ用モールド
中に注入して、50℃で10時間、60℃で8時間、8
0℃で3時間、100℃で2時間と順次に異なる温度で
加熱して重合を完結させ、これにより、−2.00ジオ
プターの無色透明なレンズを製造した。このレンズは、
可視光線透過率が92%、屈折率が1.4938、アッ
ベ数が50.7であり、比重は0.994と極めて小さ
いものであった。また、このレンズの表面硬度は3H、
針入温度は94℃であり、更に、アセトン及びベンゼン
に全く不溶であって耐有機溶剤性に富むものであった。
クリレート(A成分)80部と、n−ステアリルメタク
リレート(B成分)15部と、セチルメタクリレート
(B成分)5部とを混合して混合単量体よりなる単量体
組成物を調製し、この単量体組成物に、ターシャリブチ
ルパーオキシネオデカノエート1.2部を添加して十分
に混合した。この混合液をガラス製のレンズ用モールド
中に注入して、50℃で10時間、60℃で8時間、8
0℃で3時間、100℃で2時間と順次に異なる温度で
加熱して重合を完結させ、これにより、−2.00ジオ
プターの無色透明なレンズを製造した。このレンズは、
可視光線透過率が92%、屈折率が1.4938、アッ
ベ数が50.7であり、比重は0.994と極めて小さ
いものであった。また、このレンズの表面硬度は3H、
針入温度は94℃であり、更に、アセトン及びベンゼン
に全く不溶であって耐有機溶剤性に富むものであった。
【0025】<実施例2>1,12−ステアリルジアク
リレート(A成分)66.4部と、n−ステアリルアク
リレート(B成分)12.45部と、セチルアクリレー
ト(B成分)4.15部と、イソステアリルメタクリレ
ート(B成分)10部と、スチレン(C成分)2部と、
α−メチルスチレン(C成分)5部とを十分に混合して
単量体組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にし
て重合を行い、−4.25ジオプターの無色透明なレン
ズを製造した。このレンズは、可視光線透過率が91.
3%、屈折率が1.4992、アッベ数が53であり、
比重は0.997と極めて小さいものであった。また、
このレンズの表面硬度は2H、針入温度は82℃であ
り、更に、アセトン及びベンゼンに全く不溶であって耐
有機溶剤性に富むものであった。
リレート(A成分)66.4部と、n−ステアリルアク
リレート(B成分)12.45部と、セチルアクリレー
ト(B成分)4.15部と、イソステアリルメタクリレ
ート(B成分)10部と、スチレン(C成分)2部と、
α−メチルスチレン(C成分)5部とを十分に混合して
単量体組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にし
て重合を行い、−4.25ジオプターの無色透明なレン
ズを製造した。このレンズは、可視光線透過率が91.
3%、屈折率が1.4992、アッベ数が53であり、
比重は0.997と極めて小さいものであった。また、
このレンズの表面硬度は2H、針入温度は82℃であ
り、更に、アセトン及びベンゼンに全く不溶であって耐
有機溶剤性に富むものであった。
【0026】<実施例3>1,12−ステアリルジメタ
クリレート(A成分)56部と、n−ステアリルメタク
リレート(B成分)10.5部と、セチルメタクリレー
ト(B成分)3.5部と、イソステアリルメタクリレー
ト(B成分)15部と、α−メチルスチレン(C成分)
8部と、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート
(C成分)7部とを十分に混合して単量体組成物を調製
したこと以外は実施例1と同様にして重合を行い、+
3.00ジオプターの無色透明なレンズを製造した。こ
のレンズは、可視光線透過率が91%、屈折率が1.5
02、アッベ数が55.3であり、比重は1.015と
十分に小さいものであった。また、このレンズの表面硬
度は2H、針入温度は92.5℃であり、更に、アセト
ン及びベンゼンに全く不溶であって耐有機溶剤性に富む
ものであった。
クリレート(A成分)56部と、n−ステアリルメタク
リレート(B成分)10.5部と、セチルメタクリレー
ト(B成分)3.5部と、イソステアリルメタクリレー
ト(B成分)15部と、α−メチルスチレン(C成分)
8部と、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート
(C成分)7部とを十分に混合して単量体組成物を調製
したこと以外は実施例1と同様にして重合を行い、+
3.00ジオプターの無色透明なレンズを製造した。こ
のレンズは、可視光線透過率が91%、屈折率が1.5
02、アッベ数が55.3であり、比重は1.015と
十分に小さいものであった。また、このレンズの表面硬
度は2H、針入温度は92.5℃であり、更に、アセト
ン及びベンゼンに全く不溶であって耐有機溶剤性に富む
ものであった。
【0027】<実施例4>1,12−ステアリルジメタ
クリレート(A成分)47部と、ラウリルメタクリレー
ト(B成分)45部と、ペンタエリスリトールテトラア
クリレート(C成分)8部とを十分に混合して単量体組
成物を調製したこと以外は実施例1と同様にして重合を
行い、+1.00ジオプターの無色透明なレンズを製造
した。このレンズは、可視光線透過率が91.4%、屈
折率が1.494、アッベ数が52であり、比重は1.
010と十分に小さいものであった。また、このレンズ
の表面硬度は2H、針入温度は88℃であり、更に、ア
セトン及びベンゼンに全く不溶であって耐有機溶剤性に
富むものであった。
クリレート(A成分)47部と、ラウリルメタクリレー
ト(B成分)45部と、ペンタエリスリトールテトラア
クリレート(C成分)8部とを十分に混合して単量体組
成物を調製したこと以外は実施例1と同様にして重合を
行い、+1.00ジオプターの無色透明なレンズを製造
した。このレンズは、可視光線透過率が91.4%、屈
折率が1.494、アッベ数が52であり、比重は1.
010と十分に小さいものであった。また、このレンズ
の表面硬度は2H、針入温度は88℃であり、更に、ア
セトン及びベンゼンに全く不溶であって耐有機溶剤性に
富むものであった。
【0028】<実施例5>1,12−ステアリルジメタ
クリレート(A成分)66部と、ラウリルメタクリレー
ト(B成分)24部と、2,2−ビス[4−(メタクリ
ロキシエトキシ)フェニル]プロパン(C成分)5部
と、α−メチルスチレン(C成分)5部とを十分に混合
して単量体組成物を調製したこと以外は実施例1と同様
にして重合を行い、−3.75ジオプターの無色透明な
レンズを製造した。このレンズは、可視光線透過率が9
1.2%、屈折率が1.506、アッベ数が52であ
り、比重は1.04と十分に小さいものであった。ま
た、このレンズの表面硬度は2H、針入温度は90℃で
あり、更に、アセトン及びベンゼンに全く不溶であって
耐有機溶剤性に富むものであった。
クリレート(A成分)66部と、ラウリルメタクリレー
ト(B成分)24部と、2,2−ビス[4−(メタクリ
ロキシエトキシ)フェニル]プロパン(C成分)5部
と、α−メチルスチレン(C成分)5部とを十分に混合
して単量体組成物を調製したこと以外は実施例1と同様
にして重合を行い、−3.75ジオプターの無色透明な
レンズを製造した。このレンズは、可視光線透過率が9
1.2%、屈折率が1.506、アッベ数が52であ
り、比重は1.04と十分に小さいものであった。ま
た、このレンズの表面硬度は2H、針入温度は90℃で
あり、更に、アセトン及びベンゼンに全く不溶であって
耐有機溶剤性に富むものであった。
【0029】<実施例6>1,12−ステアリルジメタ
クリレート(A成分)70部と、ベヘニルメタクリレー
ト(B成分)23部と、スチレン(C成分)2部と、α
−メチルスチレン(C成分)5部とを十分に混合して単
量体組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にして
重合を行い、−4.00ジオプターの無色透明なレンズ
を製造した。このレンズは、可視光線透過率が91.2
%、屈折率が1.4982、アッベ数が55であり、比
重は0.995と極めて小さいものであった。また、こ
のレンズの表面硬度は2H、針入温度は80℃であり、
更に、アセトン及びベンゼンに全く不溶であって耐有機
溶剤性に富むものであった。
クリレート(A成分)70部と、ベヘニルメタクリレー
ト(B成分)23部と、スチレン(C成分)2部と、α
−メチルスチレン(C成分)5部とを十分に混合して単
量体組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にして
重合を行い、−4.00ジオプターの無色透明なレンズ
を製造した。このレンズは、可視光線透過率が91.2
%、屈折率が1.4982、アッベ数が55であり、比
重は0.995と極めて小さいものであった。また、こ
のレンズの表面硬度は2H、針入温度は80℃であり、
更に、アセトン及びベンゼンに全く不溶であって耐有機
溶剤性に富むものであった。
【0030】<実施例7>1,12−ステアリルジメタ
クリレート(A成分)47部と、n−ヘキシルメタクリ
レート(B成分)45部と、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート(C成分)8部とを十分に混合して単量
体組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にして重
合を行い、+1.50ジオプターの無色透明なレンズを
製造した。このレンズは、可視光線透過率が91%、屈
折率が1.498、アッベ数が52であり、比重は1.
033と十分に小さいものであった。また、このレンズ
の表面硬度は2H、針入温度は90℃であり、更に、ア
セトン及びベンゼンに全く不溶であって耐有機溶剤性に
富むものであった。
クリレート(A成分)47部と、n−ヘキシルメタクリ
レート(B成分)45部と、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート(C成分)8部とを十分に混合して単量
体組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にして重
合を行い、+1.50ジオプターの無色透明なレンズを
製造した。このレンズは、可視光線透過率が91%、屈
折率が1.498、アッベ数が52であり、比重は1.
033と十分に小さいものであった。また、このレンズ
の表面硬度は2H、針入温度は90℃であり、更に、ア
セトン及びベンゼンに全く不溶であって耐有機溶剤性に
富むものであった。
【0031】以上のように、実施例1〜7の各レンズに
係る架橋共重合体は、優れた光学的特性と、低比重とい
う良好な物理的特性と、良好な機械的強度、耐熱性及び
耐有機溶剤性を発現させる高い架橋密度とをバランスよ
く有しており、光学レンズとして極めて好ましいもので
あることが理解される。
係る架橋共重合体は、優れた光学的特性と、低比重とい
う良好な物理的特性と、良好な機械的強度、耐熱性及び
耐有機溶剤性を発現させる高い架橋密度とをバランスよ
く有しており、光学レンズとして極めて好ましいもので
あることが理解される。
【0032】<比較例1>1,12−ステアリルジメタ
クリレート(A成分)40部と、n−ステアリルメタク
リレート(B成分)7.5部と、セチルメタクリレート
(B成分)2.5部と、イソステアリルメタクリレート
(B成分)50部とを混合して単量体組成物を調製した
こと以外は実施例1と同様にして重合を行ってレンズを
製造した。このレンズは透明性を有し、比重は0.96
4と極めて小さいものであった。しかし、このレンズ
は、室温において、指の力で容易に変形する柔軟なもの
であり、また、針入温度が50℃以下であって耐熱性が
相当に小さく使用に耐えないものであった。これは、混
合単量体中におけるA成分の割合が低過ぎたからである
と理解される。
クリレート(A成分)40部と、n−ステアリルメタク
リレート(B成分)7.5部と、セチルメタクリレート
(B成分)2.5部と、イソステアリルメタクリレート
(B成分)50部とを混合して単量体組成物を調製した
こと以外は実施例1と同様にして重合を行ってレンズを
製造した。このレンズは透明性を有し、比重は0.96
4と極めて小さいものであった。しかし、このレンズ
は、室温において、指の力で容易に変形する柔軟なもの
であり、また、針入温度が50℃以下であって耐熱性が
相当に小さく使用に耐えないものであった。これは、混
合単量体中におけるA成分の割合が低過ぎたからである
と理解される。
【0033】<比較例2>1,12−ステアリルジメタ
クリレート(A成分)94部と、n−ステアリルメタク
リレート(B成分)4.5部と、セチルメタクリレート
(B成分)1.5部とを混合して単量体組成物を調製し
たこと以外は実施例1と同様にして重合を行ってレンズ
を製造した。このレンズは透明性を有し、屈折率が1.
4976であった。また、比重は1.008と十分に小
さいものであった。しかし、このレンズは非常に脆く、
50cmの高さから落下させたところ、レンズが破砕
し、また、「コバ」を研磨する際にレンズにひび割れが
生じ、実用的な強度に欠けるものであった。これは、混
合単量体中におけるA成分の割合が高過ぎて、架橋密度
が高くなり過ぎたからであると理解される。
クリレート(A成分)94部と、n−ステアリルメタク
リレート(B成分)4.5部と、セチルメタクリレート
(B成分)1.5部とを混合して単量体組成物を調製し
たこと以外は実施例1と同様にして重合を行ってレンズ
を製造した。このレンズは透明性を有し、屈折率が1.
4976であった。また、比重は1.008と十分に小
さいものであった。しかし、このレンズは非常に脆く、
50cmの高さから落下させたところ、レンズが破砕
し、また、「コバ」を研磨する際にレンズにひび割れが
生じ、実用的な強度に欠けるものであった。これは、混
合単量体中におけるA成分の割合が高過ぎて、架橋密度
が高くなり過ぎたからであると理解される。
【0034】<比較例3>1,12−ステアリルジメタ
クリレート(A成分)47部と、メチルメタクリレート
45部と、ペンタエリスリトールテトラアクリレート
(C成分)8部とを十分に混合して単量体組成物を調製
したこと以外は実施例1と同様にして重合を行い、+
1.00ジオプターの無色透明なレンズを製造した。こ
のレンズは、屈折率が1.494であった。しかし、こ
のレンズの比重は1.108と大きいものであり、本発
明の目的を満足するものではなかった。これは、上記化
2におけるアルキル基Rの炭素数が1であるメチルメタ
クリレートを用いたからであると理解される。
クリレート(A成分)47部と、メチルメタクリレート
45部と、ペンタエリスリトールテトラアクリレート
(C成分)8部とを十分に混合して単量体組成物を調製
したこと以外は実施例1と同様にして重合を行い、+
1.00ジオプターの無色透明なレンズを製造した。こ
のレンズは、屈折率が1.494であった。しかし、こ
のレンズの比重は1.108と大きいものであり、本発
明の目的を満足するものではなかった。これは、上記化
2におけるアルキル基Rの炭素数が1であるメチルメタ
クリレートを用いたからであると理解される。
【0035】<比較例4>1,12−ステアリルジメタ
クリレート(A成分)40部と、ラウリルメタクリレー
ト(B成分)15部と、2,2−ビス[4−(メタクリ
ロキシエトキシ)フェニル]プロパン(C成分)40部
と、α−メチルスチレン(C成分)5部とを十分に混合
して単量体組成物を調製したこと以外は実施例1と同様
にして重合を行ってレンズを製造した。このレンズは透
明性を有し、屈折率は1.526であった。しかし、こ
のレンズの比重は1.142と大きいものであり、本発
明の目的を満足するものではなかった。これは、必須成
分である混合単量体(A成分及びB成分)の割合が80
重量%未満であったからであると理解される。
クリレート(A成分)40部と、ラウリルメタクリレー
ト(B成分)15部と、2,2−ビス[4−(メタクリ
ロキシエトキシ)フェニル]プロパン(C成分)40部
と、α−メチルスチレン(C成分)5部とを十分に混合
して単量体組成物を調製したこと以外は実施例1と同様
にして重合を行ってレンズを製造した。このレンズは透
明性を有し、屈折率は1.526であった。しかし、こ
のレンズの比重は1.142と大きいものであり、本発
明の目的を満足するものではなかった。これは、必須成
分である混合単量体(A成分及びB成分)の割合が80
重量%未満であったからであると理解される。
【0036】<比較例5>1,12−ドデシルジアクリ
レート80部と、n−ステアリルメタクリレート(B成
分)15部と、セチルメタクリレート(B成分)5部と
を混合して単量体組成物を調製したこと以外は実施例1
と同様にして重合を行ってレンズを製造した。このレン
ズの比重は1.102と大きいものであり、本発明の目
的を満足するものではなかった。これは、A成分の代わ
りに、側鎖を有しない直鎖状のジアクリレート化合物を
用いたからであると理解される。
レート80部と、n−ステアリルメタクリレート(B成
分)15部と、セチルメタクリレート(B成分)5部と
を混合して単量体組成物を調製したこと以外は実施例1
と同様にして重合を行ってレンズを製造した。このレン
ズの比重は1.102と大きいものであり、本発明の目
的を満足するものではなかった。これは、A成分の代わ
りに、側鎖を有しない直鎖状のジアクリレート化合物を
用いたからであると理解される。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明の光学レンズは、
高い無色透明性を有するとともに光学レンズに要求され
る好適な光学的特性を満足する。また、光学レンズを構
成する架橋共重合体は、その比重が1.10以下と極め
て小さく、かつ高度な架橋構造を有するものであって表
面硬度、耐熱性、耐溶剤性などの物理的特性にも優れて
おり、性能バランスの極めて良好なものである。
高い無色透明性を有するとともに光学レンズに要求され
る好適な光学的特性を満足する。また、光学レンズを構
成する架橋共重合体は、その比重が1.10以下と極め
て小さく、かつ高度な架橋構造を有するものであって表
面硬度、耐熱性、耐溶剤性などの物理的特性にも優れて
おり、性能バランスの極めて良好なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 1/04 C08F 220/18 C08F 220/28
Claims (1)
- 【請求項1】 1,12−ステアリルジメタクリレート
又は1,12−ステアリルジアクリレート(A成分)5
0〜90重量%と、 下記化1で示される単量体(B成分)10〜50重量%
とよりなる混合単量体が少なくとも80重量%の割合で
含有されてなる単量体組成物を共重合して得られる架橋
共重合体よりなることを特徴とする光学レンズ。 【化1】 (化1中、Rは炭素数6〜22のアルキル基を表し、X
は水素原子又はメチル基を表す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04135720A JP3119720B2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | 光学レンズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04135720A JP3119720B2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | 光学レンズ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05307103A JPH05307103A (ja) | 1993-11-19 |
JP3119720B2 true JP3119720B2 (ja) | 2000-12-25 |
Family
ID=15158309
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04135720A Expired - Fee Related JP3119720B2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | 光学レンズ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3119720B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI482814B (zh) | 2007-03-16 | 2015-05-01 | Mitsubishi Gas Chemical Co | 光學材料用樹脂組成物及由該組成物得到之光學材料 |
-
1992
- 1992-04-30 JP JP04135720A patent/JP3119720B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05307103A (ja) | 1993-11-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0437961B2 (ja) | ||
JPH0710897B2 (ja) | プラスチックレンズ | |
JP3119719B2 (ja) | 光学レンズ | |
JP3119720B2 (ja) | 光学レンズ | |
JPH05303003A (ja) | 光学材料用組成物及び光学材料 | |
JPH0643467B2 (ja) | 光学材料の製造方法 | |
US5942303A (en) | Resin composition for polymerization casting and optical material | |
JPS61167901A (ja) | 有機光学材料 | |
JP3119712B2 (ja) | 光学レンズ | |
JPH1114801A (ja) | 合成樹脂製レンズ | |
JPH0445401A (ja) | 高アッベ数レンズ | |
JP2900597B2 (ja) | 光学用樹脂 | |
JPH0551419A (ja) | 高屈折率合成樹脂光学材料 | |
JP2795347B2 (ja) | 高屈折率樹脂レンズ | |
JPH04225007A (ja) | 高屈折率高強度光学用樹脂 | |
JP2000009901A (ja) | 合成樹脂製レンズ | |
JP4108191B2 (ja) | 合成樹脂製レンズ | |
JPH03140312A (ja) | 重合性組成物 | |
JPH04296307A (ja) | 光学用樹脂 | |
JPS60203607A (ja) | レンズ | |
JPH11174201A (ja) | プラスチックレンズ用組成物およびプラスチックレンズ | |
JPH05188201A (ja) | 光学用材料 | |
JPS63215706A (ja) | 高屈折率樹脂レンズ材料 | |
JPH051116A (ja) | 光学用樹脂 | |
JPH0320721B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20000926 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |