JP3119153B2 - 低圧鋳造金型用冷却水供給装置 - Google Patents

低圧鋳造金型用冷却水供給装置

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JP3119153B2 JP08071836A JP7183696A JP3119153B2 JP 3119153 B2 JP3119153 B2 JP 3119153B2 JP 08071836 A JP08071836 A JP 08071836A JP 7183696 A JP7183696 A JP 7183696A JP 3119153 B2 JP3119153 B2 JP 3119153B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型から冷却水を
漏出させずに、量産において安定して、安全に冷却水を
金型へ供給し、排水する低圧鋳造金型の冷却水供給方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】金型鋳造において、鋳造欠陥対策あるい
は鋳造サイクル短縮のため、金型の水冷却が広く使用さ
れている。そして、金型と配管の接続部あるいは金型の
割れ部から冷却水の漏出がないように、金型へ供給する
冷却水は金型の冷却水出側から容積形ポンプまたは減圧
タンクによって吸引することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アルミニウム合金の低
圧鋳造では、溶湯温度が700〜720℃であり、定常
状態の金型表面温度は400〜500℃の高温になって
いる。このような高温の金型を水で冷却する場合、冷却
水量が十分にあり、その冷却水の熱容量が除熱すべき金
型の熱量よりも大きい時は、冷却水は液体状態で安定し
て流動する。この際には、冷却水は広く使用されている
ターボ形あるいは容積形ポンプで安定して吸引すること
ができる。しかし、除熱すべき熱量が大きくなってくる
と、冷却水の一部が気化し、気液二相流となって冷却水
が冷却経路を流動しはじめる。前記のように、冷却水中
に気体が混入すると、ポンプは冷却水や気体をさまざま
な体積比で吸引することになり、液体と気体の加圧時の
容積変化が異なるため電動式のターボ形あるいは容積形
ポンプの回転している羽根もしくは往復運動しているピ
ストンにかかる負荷は大きく変動してしまうこととな
る。そのため、ポンプの稼働が不安定となり、冷却水を
安定して吸引できず、さらにはポンプが破損にいたるお
それもある。
【0004】低圧鋳造では、金型を400℃程度まで予
熱してから鋳造開始となるので、鋳造立ち上がり後しば
らくは、冷却水経路も温度が高く、冷却水の気化が前記
の場合のみではなく、日常的に発生する。そこで、減圧
タンクの使用が提案されたが、この場合、その容量が十
分にあったとしても金型と減圧タンク間の配管の口径が
不十分であると、配管内の背圧が発生し、冷却水の一部
が気化した場合の流体を完全に吸引できない場合があっ
た。また、設備的に容積がある程度大きくなってしまう
ため、例えばピット内へ簡便に設置するのがたいへん困
難である。
【0005】このような問題点に関し、気液二相流の状
態でも安定して冷却水を吸引し、かつ、設備的にも小型
にできるポンプとして、圧縮エアーによって駆動するダ
イアフラム式ポンプの使用が提案されている。このポン
プは冷却水と接する駆動部がダイアフラムで構成されて
おり、その駆動源は従来の電動機ではなく、圧縮エアー
である。そして、圧縮エアーでダイアフラムを往復運動
させて吸引力を得る。しかしながら、このダイヤフラム
式ポンプを低圧鋳造用金型の冷却水供給に適用した場合
には安定して使用することが出来なかった。本発明はこ
の問題点を解決するためになされたもので、ダイヤフラ
ム式ポンプを低圧鋳造用金型の冷却水供給に適用した場
合に、安定して、安全に使用することが出来る冷却水供
給装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、低圧鋳造用金
型に冷却水を供給する低圧鋳造金型用冷却水供給装置に
おいて、金型に接続された冷却水供給管と、前記冷却水
供給管より大きな口径の冷却水排水管により金型と接続
された耐熱性のダイヤフラムで構成された圧縮エアーに
よって稼働するダイアフラム式ポンプを有し、金型内冷
却水路を負圧に保持することを特徴とする低圧鋳造金型
用冷却水供給装置である。また、種々検討の結果冷却水
排水管の口径を冷却水供給管の口径の2倍以上とすると
良い。また、ダイヤフラム式ポンプが圧縮エアーに潤滑
油を供給する機構と、余分な潤滑油を潤滑油供給機構に
戻す機構を有すると安定して操業できる。金型内冷却水
路の圧力を検出し、設定圧力以上になった場合に、警告
を発するまたは冷却水供給を止める機構を有すると、安
全に操業することが出来る。
【0007】本願発明に係わる低圧鋳造金型用冷却水供
給装置は、圧縮エアーによって稼働するダイアフラム式
ポンプによって金型冷却水路を負圧に維持し続けること
で、金型割れ部あるいは、金型接続部からの冷却水の漏
出を防止することができる。また、低圧鋳造では金型表
面温度がダイカスト鋳造に比較して高いため、金型へ冷
却水を導入すると、気化する場合が多い。しかし、本願
発明は耐熱性のダイヤフラムで構成されたポンプを使用
することにより、冷却水が高温の液相のみあるいは、気
液二相であっても安定して、冷却水を吸引し続けること
が可能である。さらに、金型冷却水排水管の口径を冷却
水供給管の口径より大きくすることによって、冷却水気
化による体積膨張を配管容積で吸収し、配管内にプラス
圧を発生させず、ポンプによる吸引を有効に行うことが
出来る。特に冷却水排水管の口径を冷却水供給管の口径
の2倍以上であると、冷却水気化による体積膨張が起こ
っても安定して使用することが出来る。また、ダイヤフ
ラム式ポンプが圧縮エアーに潤滑油を供給する機構と、
余分な潤滑油を潤滑油供給機構に戻す機構を有すること
により、従来ルブリケータのみで行ない、ルブリケータ
内の潤滑油タンクが空になった場合は人手で補充してい
たが、それを自動的にリサイクルさせることにより、人
為的な潤滑油切れによるトラブルがなくなり、長期にわ
たってポンプを安定して稼働させることが可能となっ
た。金型冷却水路の圧力を常に圧力センサーで検出し、
設定圧力以上(例えばプラス圧)になった場合に、警告
を発するまたは冷却水供給を止める機構を有することに
より、安全に操業することが出来る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る低圧鋳造金型
用冷却水供給装置の望ましい実施例を、図1、図2を参
照して説明する。1〜2Kg/cm2程度の水圧でポン
プ1から冷却水供給管2を通じて、低圧鋳造用金型3へ
冷却水が供給される。金型3の冷却水出側からの冷却水
排水管4は、潤滑油を含んだ乾燥エアー7で稼働するダ
イアフラム式ポンプ5に導かれ、金型3の冷却水入り側
圧力センサー6の圧力P6は大気圧よりも負圧に維持し
ている。冷却水供給管2の口径が3/8B(断面積約1
27mm2)に対して、冷却水排水管4の口径を約5倍
の1B(断面積約598mm2)とすることにより、金
型3内の冷却水が一部気化し体積が膨張しても、ダイヤ
フラム式ポンプ5の吸引力により、金型3の冷却水入側
圧力センサー6部まで負圧を維持できる。圧縮エアー7
で駆動するダイヤフラム式ポンプ5は−700〜−75
0mmHgの吸引力P5を維持するように乾燥圧縮エア
ー7をこのダイヤフラム式ポンプ5へ導入すると、金型
3の冷却水入り側圧力センサー6の圧力P6は0〜−3
00mmHgの負圧を示し、金型3での冷却水の洩出を
防止している。
【0009】鋳造機稼働中は冷却水入側センサー6が圧
力P6を常に監視し、もし、この圧力P6が設定値(例え
ばプラス圧)より大きくなり、負圧を維持できなくなっ
たら冷却水供給配管上の外部タイマーで制御される電磁
弁8(solA)が閉となり冷却水の供給を止めるか、
あるいはブザー(図示せず)により警告を発する。ま
た、圧縮エアーで駆動するダイヤフラム式ポンプ5の、
駆動源となる乾燥圧縮エアー7配管上には、外部タイマ
ーで制御される電磁弁9(solB)、ルブリケータ1
0、ルブリケータからの潤滑油の回収器11、回収した
潤滑油をルブリケータ10へ戻すためのエアー駆動式ピ
ストン12、前記ピストン12へ供給する乾燥エアーを
制御する外部タイマーを持つ電磁弁13(solC)が
設置されている。電磁弁9の開閉によってダイヤフラム
ポンプ5の稼働が制御されているが、同時に、この電磁
弁9の動きに合わせて電磁弁13を制御し、回収器11
内の潤滑油をエアー駆動式ピストン12によってルブリ
ケーター10へもどすようにしている。さらに、吸引さ
れた冷却水は温度が50〜100℃程度まで上昇してい
るので、クーリングタワー14等を通じて20〜30℃
の温度まで冷やし、再度、ポンプ1で金型へ冷却水を供
給する。
【0010】本冷却水供給装置を効果的に稼働させるた
めのそれぞれの電磁弁のタイムチャートの一例は図2の
ようになる。solA(電磁弁8が)ONになり冷却水
が金型へ供給される。このsolA(電磁弁8)がON
になるt1秒前にsolB(電磁弁9)をONにし、事
前に配管内を吸引しておく。こうすることで、solA
(電磁弁8)がONとなって冷却水が金型へ導入される
時は、配管内は確実に負圧になっている。さらに、so
lB(電磁弁9)がONとなってダイヤフラム式ポンプ
5が稼働開始すると同時に、設定時間t2秒おきに、t3
秒回収器11の中の潤滑油をピストン12でルブリケー
ター10へ戻す。こうすることで、潤滑油は確実にルブ
リケーター10へリサイクルされ、潤滑油切れによるト
ラブルを事前に防止できる。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、ダイヤフラム式ポンプ
を低圧鋳造用金型の冷却水供給に適用した場合に、安定
して、安全に使用することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する場合の装置の全般的構成
関係を示した図である。
【図2】本発明方法を実施する際のそれぞれの電磁弁の
ON/OFFに関するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 送水ポンプ、 2 給水配管、 3 低圧鋳造金
型、 4 排水配管、5 ダイヤフラム式ポンプ、 6
圧力センサー、 P6 その圧力値、7 乾燥圧縮エ
アー、 10 ルブリケーター、 11 潤滑油回収器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 18/04 B22C 9/06 F25D 9/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低圧鋳造用金型に冷却水を供給する冷却
    水供給装置において、金型に接続された冷却水供給管
    と、前記冷却水供給管より大きな口径の冷却水排水管に
    より金型と接続され耐熱性のダイヤフラムで構成された
    ダイアフラム式ポンプを有し、金型内冷却水路を負圧に
    保持することを特徴とする低圧鋳造金型用冷却水供給装
    置。
  2. 【請求項2】 前記冷却水排水管の口径を前記冷却水供
    給管の口径の2倍以上としたことを特徴とする請求項1
    に記載の低圧鋳造金型用冷却水供給装置。
  3. 【請求項3】 前記ダイヤフラム式ポンプが圧縮エアー
    によって稼働することを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の低圧鋳造金型用冷却水供給装置。
  4. 【請求項4】 前記ダイヤフラム式ポンプが圧縮エアー
    に潤滑油を供給する機構と、余分な潤滑油を潤滑油供給
    機構に戻す機構を有することを特徴とする請求項1乃至
    請求項3のいずれかに記載の低圧鋳造金型用冷却水供給
    装置。
  5. 【請求項5】 金型内冷却水路の圧力を検出し、設定圧
    力以上になった場合に、警告を発するまたは冷却水供給
    を止める機構を有することを特徴とする請求項1乃至請
    求項4のいずれかに記載の低圧鋳造金型用冷却水供給装
    置。
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