JP4393711B2 - モータの冷却及び潤滑が改善された液体チラー - Google Patents

モータの冷却及び潤滑が改善された液体チラー Download PDF

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Description

【0001】
背景技術
本出願は、「オイルフリー液体チラー(Oil-Free Liquid Chiller)」を名称とする同日に出願され、同一人に譲渡された米国特許出願、「遠心チラーのためのオイル及び冷媒ポンプ(Oil and Refrigerant Pump for Centrifugal Chiller)」を名称とする同一人に譲渡されかつ許可された米国特許08/965,495並びにこれらから派生し得るあらゆる分割出願に関連するものである。
【0002】
本発明は、液体チラーに関する。本発明は特に、建物の空気調和或いは産業プロセス用途に用いられる液体、特に水を冷却するための遠心式冷凍機に関連する。本発明は、特に、改善されたモータ冷却及び潤滑構造を有する遠心冷凍チラーに関する。
【0003】
冷凍チラーは、水などの液体温度を制御するために冷媒を用いて、多くの場合、産業プロセスや建物に於ける空気調和に於いてこのような液体を冷媒として用いるために用いられる機械である。大容量冷凍チラーは通常遠心式圧縮機により駆動され、そのためにこのような場合は、遠心チラーと呼ばれる。
【0004】
遠心圧縮機は、渦巻形ハウジング内に於いて、1つ又は複数のインペラを高速で回転することにより、冷媒ガスに対して、それを圧縮するように作用する圧縮機である。遠心圧縮機のインペラ、そのようなインペラが取り付けられた軸、更にいわゆる直結駆動式圧縮機の場合には圧縮機駆動モータのロータなどは、数千ポンドに達しないまでも数百ポンドの重量を有する。このように物理的に大型かつ大重量のチラー部品を数千RPMもの相対的に高速で回転させることは、特有の且つ困難な軸受潤滑の問題を提起する。同様に、このような部品を駆動するためのモータが発生する熱も多量であって、モータの運転に伴う温度は、特に特定の運転条件或いは負荷条件下に於いて、相対的にかなり高くなる。従って、圧縮機駆動モータを積極的に冷却することが必要となる。
【0005】
遠心チラーを潤滑しモータを冷却する構造はかなり発達している。しかしながら、建物や産業プロセスに於いて最大のエネルギー消費者であることの多いチラーの全体的な効率を改善せんとする要望が常に望まれる。同時に、環境的な配慮からこのようなチラーに用い得る冷媒の種類も制限されている。
【0006】
最近の、より環境に優しい冷媒の特性は、チラーのモータ冷却システムの有効性及び信頼性を低下させる傾向がある。これは最近の冷媒がより低圧の冷媒であるためで、特にある運転条件が存在する場合にこのような冷媒を用いることは、それが用いられるチラーシステムに於いて発生する圧力差をかなり小さくする。旧来から、モータを冷却するためにチラーの圧縮機駆動モータへ冷媒を移動させ或いはそれを補助するために、このような圧力差が利用されてきた。
【0007】
例えば、このようなチラーの世界最大のメーカである本件発明の譲受人により製造されたチラーで、より新しい低圧冷媒を用い、圧力差を利用して冷媒を移動させるチラーの最新式チラーに於いては、チラー運転時には常に冷媒がモータへ供給されかつモータから戻されることを確実にするために、いわゆる低ヘッド運転に対して制限が課されている。低ヘッド限界とはチラーシステムの高圧側及び低圧側の間で測定される圧力の差であり、この圧力差はチラー運転中に冷媒をチラーの圧縮機駆動モータに供給し、かつそれを戻すことを確実にするのに最低限十分な圧力差である。現在用いられている或るチラーに於いては、低ヘッド限界は約5PSIである。
【0008】
通常低ヘッド限界に到達することはないが、より新しい低圧冷媒が用いられる場合には、ある稀な運転条件下に於いて低ヘッド限界に到達する場合があり得る。このような条件が存在することは、それが稀であったり、ごく短時間であったりしても、モータの過熱を回避するために或る程度の時間チラーをシャットダウンすることになる可能性があり、シャットダウン中には、冷却液体を発生させることを目的として用いるチラーがその目的に必要な冷却液体を発生させることが出来なくなる。チラーが、大きな工場や商業施設、官公庁或いは学校の建物などに於いて空気調和に用いられている場合や、コンピュータチップ、化学薬品などの最終生成物を製造するために特定の温度に冷却された液体を継続的に供給することが必要な工業プロセスに用いられている場合に於いて、チラーのダウンタイムは、いかなることがあっても回避しなければならない。現在のシステムが、冷媒供給源の位置と冷媒利用位置(即ち圧縮機駆動モータ)と、或る時には使用後に戻される位置との間に圧力差が存在することが前提となって運転されているため、冷媒利用位置は、冷媒供給源の位置よりも低圧でなければならない。従来型或いは現行型遠心チラーの場合、モータ冷却に用いる冷媒は通常、チラーの相対的に高圧な凝縮器からモータに対して、それを冷却するために冷媒が接触するべき、圧縮機駆動モータを収容するハウジングに向けてオリフィスを通過するのが一般的である。オリフィスは、相対的に高圧な凝縮器と、(1)低圧のモータハウジング或いは(2)モータハウジングから冷媒が戻されるべき位置との間の圧力境界として機能する。
【0009】
凝縮器からモータに向けて送り出される液冷媒のかなりの部分が、オリフィスを通過する際に、モータを冷却する作用を発揮する前にガスにフラッシュするため、このようなシステムに於いてモータを冷却するためにモータに供給される冷媒はそれが完全な液状でモータに供給される場合に比べて、モータを冷却する上でかなり効果が失われる。従って、現行型モータ冷却構造は効果的ではあるが、駆動モータに送り込まれる冷媒の実際の冷却効果や全体的なチラー効率は、冷媒がガス成分を含むことによりかなり減じられている。
【0010】
チラー効率を高め、特に新規な冷媒の出現及びその使用により運転条件によってチラーに存在することもしないこともある圧力差を利用せず、それに依存もしないチラーモータ冷却システムが望まれることから、チラーの全運転範囲で運転可能な、モータ冷却プロセスに起因するチラー効率の低減を最小化し得るようなモータ冷却システムを提供する必要が存在する。このようなチラーモータ冷却システムについての変更に関連して、また、(1)或る程度の量の冷媒がチラーの潤滑システムに入り込み、(2)或る程度の量の潤滑剤がチラーの冷凍サイクルに入り込むことから、チラーの潤滑システムの信頼性を高め、チラーの冷凍サイクルに入り込んだオイルをより好適にチラーの潤滑システムに戻し、オイルを潤滑システム内に維持するために、チラーの潤滑システムを改善することの必要性及び機会も存在する。
【0011】
発明の開示
本発明の目的は、液冷媒を用いて遠心チラーの圧縮機駆動モータを冷却することにある。
【0012】
本発明の別の目的は、圧縮機のモータを冷却することがチラー効率に対して寄生的効果が生じないように、遠心チラーに於ける圧縮機のモータを冷却することにある。
【0013】
本発明の更に別の目的は、モータを冷却するために用いる液冷媒がモータ冷却のためにモータに供給される前にフラッシュすることを極力或いは完全に回避することにより、遠心チラーのモータ運転温度を大幅に低下させることにある。
【0014】
本発明の更に別の目的は、モータを冷却するためにチラーの圧縮機駆動モータに液冷媒を送り込むために冷凍チラー内に存在する圧力差を利用すること或いはそれに依存することを回避し、同時にモータの冷却構造がチラー効率に対して及ぼす悪影響を最小化することにある。
【0015】
本発明の更に別の目的は、チラーの冷凍サイクルに入り込んだオイルをチラーのオイル供給タンクへより好適に戻し得るような改善されたチラー潤滑システムを提供することにある。
【0016】
本発明の更に別の目的は、好ましくは単一のポンプ機構を用いて従来型システムより優れたモータ冷却効果を発揮し得るように、あらゆるチラーの運転条件下に於いて、チラーの運転中に潤滑を必要とする冷凍チラー内の面に対して潤滑剤を供給し、同時にこのようなチラーの圧縮機駆動モータに対してモータ冷却のために液冷媒を供給することにある。
【0017】
本発明の更に別の目的は、チラーの起動時にオイル供給タンク内に発生する圧力降下及びオイルの発泡(フォーミング)の結果として生じるチラーのオイル供給タンクからチラーの冷凍サイクルへの潤滑剤の損失を最小化し得るような冷凍チラーに於ける潤滑システムを提供することにある。
【0018】
本発明の更に別の目的は遠心チラーの圧縮機の吸込領域などに蓄積する油を潤滑のために再利用するべき位置に向けて戻すためにエゼクタなどの装置を必要とすることにある。
【0019】
以下の好適実施例の説明及び添付の図面を参照することにより明らかとなる本発明のこれら及び他の目的は、好適実施例により達成される。好適実施例の遠心冷凍チラーに於いては、(i)飽和液冷媒を凝縮器に戻すことを可能にし、それによって冷媒のモータ冷却効果を改善しかつ全体的なチラーの効率を改善するような方法で、飽和液冷媒がモータの冷却のためにシステム凝縮器からチラーの圧縮機駆動モータにポンプされ、(ii)ここに同一の装置によりまたあらゆるチラーの運転条件下に於いてオイルがオイル供給タンクからチラーの潤滑を必要とする面にポンプされ、このようなオイルの一部がチラーの冷凍サイクル内入り込んだ後もそれを確実に戻すようにしている。
【0020】
実施例
まず図1及び2に関連して、遠心チラー10は圧縮機部12と、凝縮器14と、蒸発器16とからなる。冷媒ガスは、圧縮機部12内で圧縮され、渦型排出室18から、チラー10の圧縮機部12を凝縮器14に接続するパイプ20に送り出される。
【0021】
凝縮器14に送り込まれた高圧であって比較的高温の圧縮冷媒ガスは、通常入口22から凝縮器内に流れ込み、出口24から凝縮器外に流れ出す液体により冷却される。この液体は、通常水道水或いはクーリングタワーに送り込まれた後、戻された水であり、圧縮機から凝縮器に供給される冷媒に対して熱交換により昇温された後に凝縮器外に送り出される。
【0022】
凝縮器14内に於いて引き起こされる熱交換プロセスの結果、そこに供給された比較的高温の圧縮冷媒ガスは冷却され、凝縮し、凝縮器の底部に滞留する。凝縮した冷媒は、排出管26から凝縮器14外に流出し、好適実施例に於いては、エコノマイザ28に送り込まれる。冷媒は次に、主に液状をなして、エコノマイザ28から蒸発器16に供給される。ここで留意すべきことは、効率を向上させるための装置であるエコノマイザ28は、本発明の好適実施例に於いて用いられているが、エコノマイザの使用は必須ではない。
【0023】
エコノマイザが用いられた場合、凝縮器14から流出した液冷媒は、エコノマイザに送り込まれる前に、第1の計量装置32を通過し、蒸発器に流入する前に、前記エコノマイザの下流側に位置する第2の計量装置34を通過する。両計量装置32、34は、多くの場合固定オリフィスからなる。これらのオリフィスを流れる液冷媒の一部は、それらによって引き起こされる圧力降下のために、それらを通過するに伴い蒸発する。
【0024】
液冷媒が計量装置32を通過してエコノマイザ28に送り込まれる結果、エコノマイザ内で発生する冷媒ガスは、比較的高圧の状態にある。このガスは、パイプ36によりエコノマイザ28外に送り出され、チラー10の圧縮機部12の或る位置に送り込まれ、そこで、圧縮されつつある比較的低圧のガスと混合される。この混合プロセスにより、モータ駆動される圧縮機のインペラの回転により引き起こされる圧力上昇とは別に、圧縮されつつあるガスの圧力を上昇させる。そのため、圧縮機及びそのモータがガスを圧縮する際に必要となる仕事量が軽減され、チラーの全体的効率が向上する。
【0025】
更に、図3にも示されるように好適実施例に於いて、圧縮機部12は、軸42上に第1のインペラ38及び第2のインペラ40がそれぞれ回転するように取り付けられている二段式装置からなる。各インペラ38、40は、これらを通過するガスに対して作用し、多段プロセスとしてガスの圧力を上昇させる。インペラ38,40が取り付けられ、好適実施例の場合には更に圧縮機駆動モータ46のロータ44が取り付けられた軸42は、軸受48及び軸受パッケージ50により回転可能に支持され、モータ46のステータ52は、モータバレルとも呼ばれるモータハウジング54内に固着される。軸受48及び軸受パッケージ50は、その潤滑のためにオイルの供給を受ける必要があり、好適実施例の場合にはチラー10が運転中にはモータを冷却するためにモータ46に対して液冷媒を供給する必要がある。
【0026】
再び図1及び2に関連して、またエコノマイザ28から流出する冷媒の流れに関連して、液冷媒は第2の計量装置34を介してエコノマイザ28から流出する。液冷媒が計量装置34を通過することにより、それを通過する液冷媒に更なる圧力降下が引き起こされ、この冷媒の別の部分がガスにフラッシュし、このようなフラッシングのために冷媒が更に冷却される。このようにして比較的低温となった低圧液冷媒は蒸発器16に供給され、そこで、入口56から蒸発器に流入し出口58から流出する水などの比較的温かい媒体を冷却して熱交換を行う。このようにして冷却された冷媒は、チラーが冷却対象とする熱負荷と熱交換可能に接触すべく供給される。
【0027】
蒸発器を流れる媒体を冷却し、それによって昇温される過程に於いて、蒸発器に供給された液冷媒は蒸発し、パイプ60を介して低圧吸込ガスとして再びチラーの圧縮機部12に送り込まれる。チラーが運転し続ける間、冷媒ガスは、継続かつ反復プロセスに於いて再び圧縮される。
【0028】
継続して図1及び2に関連し、更に、図4に関連して、本発明のチラーの潤滑及びモータ冷却構造の特徴並びにそれらの相互関係を更に詳しく説明する。この点に関して、オイル供給タンク62がチラー10に取り付けられ、オイル供給タンク62は、物理的に凝縮器14の下側に配置される。好ましくは、本発明と同一人に譲渡された同一出願人の米国特許出願08/965,495号に開示されかつクレームされている形式のポンプであるポンプ機構64が、潤滑のためのオイル及びモータを冷却するための液冷媒の両者をポンプするためにチラー内に於いて用いられており、その詳細を以下に説明する。本発明のポンプ64は、上記した同一出願人による特許出願に開示されかつクレームされた二重の目的を果たす形式のものであるのが好ましいが、一方がオイルをポンプ可能であって、他方が液冷媒をポンプ可能であるような、別個のポンプ或いはポンプ機構を用いることもでき、それも本発明の範囲内に含まれるものであることを了解されたい。
【0029】
凝縮器14から圧縮機駆動モータへポンプ64により液冷媒をポンプする点に関して、この様なポンプ作用は、オイル供給タンク及びポンプ64が物理的に凝縮器14の下側に配置されている場合に有用である。ポンプ64が凝縮器14の下側に配置されていることにより、ライン112内に或る程度のヘッドが維持され、それによってモータを冷却するために液冷媒を凝縮器14からポンプ64に供給することができる。凝縮器14から供給される冷媒は飽和液体であることから、極僅かの圧力降下があった場合でもガスにフラッシュし易い。飽和液冷媒をポンプしようとする際には、このような圧力降下は本質的に発生し易い。飽和液冷媒のガスへのフラッシングは、それをポンプしようとする際に発生し、ポンプキャビテーションを発生させる。ポンプ或いは関連するシステムが適正に設計されていない場合には、最終的には、フラッシング/キャビテーションのプロセスは自己増幅的に発生することから、このような飽和液体を継続してポンプすることが不可能になる。
【0030】
以下に詳しく説明するように、ポンプ機構64は特有の設計に基づくものであって、それがポンプするべき冷媒のソースよりも物理的に下側に配置されていることと相まって、ポンプされた飽和液冷媒のフラッシングを概ね引き起こすことなく、従ってポンプキャビテーションを発生させることなく、飽和液冷媒をそれを利用する部分に向けてポンプすることが可能となる。発明者の知る限りに於いて、ポンプ64は、液体チラーに関連して用いられたものとしては、あらゆるチラーの運転条件下に於いて信頼性高く飽和液冷媒をポンプし得る最初のポンプである。圧力差ではなくポンプ64を用いて、モータを冷却するために液冷媒をチラーの駆動モータに供給する利点を以下に説明する。
【0031】
ポンプ機構64は、オイルを、オイル供給タンク62から、同様に本件出願人に譲渡された米国特許5,675,978号に開示され、かつクレームされた形式であることが好ましいマニホールド66に送る。オイルは、ライン68を経てエコノマイザ28に送り込まれ、ここでその内部に配置されたオイル冷却熱交換器70内に流入する。熱交換器70は、チラーが運転中にあってはエコノマイザ内に存在する液冷媒内に浸されている。エコノマイザ28内に熱交換器70が用いられていることにより、現行のチラーの多くに見られるような別個の外付けオイル冷却熱交換器を用いる必要をなくし、液冷媒内に熱交換器70を浸すことにより、このような多くの外付け熱交換器に比較して、オイル冷却効率を向上させることができる。
【0032】
潤滑用オイルは、熱交換器70を通過するに伴い冷却され、続いてライン72を経てチラーの圧縮機部12に供給され、再び図3に関連して、軸42を回転可能に支持する軸受48、50へと送られる。オイルは、チラーの圧縮機部12の軸受を潤滑するために利用された後、圧縮機部12からドレンされる。これは、圧縮機部12が、オイル供給タンクの上方に配置されていることによるものである。好適実施例に於いては、オイルは更にパイプ74を介してオイル供給タンクに戻される。
【0033】
ここで留意すべきことは、遠心チラーに於いては一般的であるように、潤滑のために用いられたオイルの一部は、圧縮機軸受及びシールを通過してチラーの冷凍サイクル内に入り込み、システム冷媒と共にチラーシステム内に運ばれることとなる。これはチラーのオイル供給量に対して相対的に僅かな量であるが、長時間の後には、このような潤滑剤をチラーの潤滑システムに戻すような特別な方策を採らない限り、チラーのオイルの好ましくない程大きな部分が、冷凍サイクル内に送り込まれることとなる。
【0034】
チラーの冷凍サイクル内に入り込んだ潤滑剤は、その部分がチラーシステムに於ける低温かつ低圧の部分であることから、システム蒸発器の底部に運ばれ、そこに滞留する傾向がある。しかしながら、蒸発器内に送り込まれた潤滑剤の一部は、パイプ60から、チラーの圧縮機部12の吸込ハウジング76に向けて流出する吸込ガスと共に蒸発器外に運び出される。吸込ハウジング76に運ばれた潤滑剤の少なくとも一部は冷媒から分離され、その内部に滞留する。本発明の好適実施例に於いては、吸込ハウジング76に集められたオイルを、ハウジング76をオイル供給タンク62に接続するライン78を介して戻すための構造が提供される。このオイル戻しプロセス及びその装置を以下に詳しく説明する。
【0035】
本発明に基づくチラー10の潤滑システムの他の部分或いは特徴としては、ベントライン80があり、これによって、オイル供給タンク62の内部が蒸発器16に向けてベントされ、それによって蒸発器内にチラー運転中に於いて発生する比較的低圧の状態と同じ低圧状態が維持される。チラー10の潤滑システムの運転に対するベントライン80の影響を以下に説明し、更に本発明のベントライン80が省略されているような別の実施例の運転を以下に説明する。
【0036】
更に、チラー潤滑システムに関連して、また上記したように、僅かな量の潤滑剤が遠心チラーの圧縮機部の吸込ハウジング内に集められるばかりでなく、潤滑剤もチラーの蒸発器底部に収集される傾向がある。従って、オイルがチラーの蒸発器の底部に向けて移動し、そこに滞留することにより長時間の後にオイルが枯渇するような事態を回避するために、チラーの蒸発器底部に集まるオイルに富む液体をオイル供給タンクに戻すための対策が必要となる。
【0037】
それに関連して、本発明に基づく好適実施例は、オイルを回収するためのエゼクタ装置を備えている。エゼクタ装置は、チラー運転中に於いてしばしばその存在が認められるオイル及び液冷媒のオイルに富む混合体が滞留するような蒸発器16の底部に向けて開かれたパイプ82及び、チラーの運転中にあっては高圧ガスが存在するような凝縮器14の一部に向けて開かれたライン84を含む。ライン82、84は互いに接続されて、エゼクタ86を構成する。このエゼクタ86は、凝縮器14からの高圧ガスのブリードを利用して、低圧蒸発器16の底部からオイルに富む液体を引き出し、チラーのオイル供給タンク内に取り込む。フィルタ88をライン82に設け、エゼクタ装置により蒸発器16の底部から引き出される粒子や異物を捕捉することができる。蒸発器は、前記したように比較的低圧の位置にあるため、通常チラーシステム内の粒子や異物の蓄積場となりがちである。粒子や異物をオイル供給タンクに送り込むのを防止するようなフィルタ88の使用以外等の構造について以下に説明する。
【0038】
やはり図1〜4に示され、またチラー10の冷凍サイクル内に於ける冷媒の流れにも示されるように、主な冷凍サイクルの部品は、直列流を構成するように接続された圧縮機部12と、凝縮器14と、蒸発器16等からなる。好適な実施例に於いては、エコノマイザ28は、凝縮器と蒸発器との間の冷媒流路内に配置されている。
【0039】
多くの遠心チラー構造に於いて、圧縮機駆動モータを冷却するために伝統的に液冷媒が用いられてきたが、このようなモータを冷却するための液冷媒の供給は、通常チラーシステム内に存在する圧力差を利用して行われていた。このような圧力差は、チラー凝縮器等のような比較的高圧の供給源の位置から、液冷媒を、モータを冷却するために、比較的低圧の圧縮機モータバレルに向けて、オリフィスを介して送り込むようになっている。このような冷媒は、しばしば、冷凍サイクルに於ける圧力が同様に低い位置に於いて、このような圧力差により、チラーの冷凍サイクルに戻されるようになっている。
【0040】
現行型或いは従来型遠心チラーに於いて、モータ冷却のために圧縮機駆動モータに液冷媒を供給することは、圧力差に依存して供給する限りに於いて、通常その供給過程に於いて、このような液冷媒のかなりの部分をフラッシングによりガス化させることを伴う。これは、モータの冷却プロセスに於いてモータに供給される冷媒が二相流即ち気液混合流をなし、モータと熱交換可能に接触させるために単相の液冷媒を供給する場合に比較して、かなり熱伝達能力が低下する。これは、ガスが、液体と比較して作動媒体として劣ることによるものである。実際、現行型或いは従来型モータ冷却システムに於いて、モータに供給される液冷媒の10重量%もの割合が、モータ冷却に対して何らかの貢献を行う前にガスにフラッシュしてしまうと考えられている。体積に換算すると、冷却のためにモータに供給される冷媒のガス割合はこれより遥かに大きくなる。
【0041】
上記したように、新規且つ環境に優しい冷媒は、極めて過酷な或いは比較的稀に発生するようなチラーの運転条件下に於いて、モータを冷却するためにチラーの圧縮機の駆動モータに液冷媒を供給するために十分な圧力差を期待することができない。このような問題は、特定の状況下に於いては、過熱や潤滑剤の枯渇等による損害からチラーの圧縮機部分の部品を完全に保護するためには、このような運転条件が発生した場合には、チラーをシャットダウンするという必要を生じさせる。
【0042】
主に図4に示されるように、本発明のポンプ機構64は2つのインペラ90、92を有し、これらは共通軸94により駆動され、上記したような運転条件が発生した場合でもチラー10をシャットダウンさせる必要を解消するものである。軸94は、電気モータ96により駆動される。モータ96及び、軸94を回転可能に支持する軸受は何れも、オイル供給タンク内でこれらの部分を浸しているオイルにより冷却及び潤滑される。
【0043】
ポンプインペラ92は、オイル供給タンク外に位置するインペラハウジング98内に配置され、軸94が貫通する図示されないシールにより、オイル供給タンク内の潤滑剤99に対して分離されている。インペラ92及びハウジング98は互いに共同して第1のポンプ機構を構成し、インペラ90及びそれを受容するハウジング91は、第2のポンプ機構を構成する。インペラハウジング98は、インペラ92がライン112を介して液冷媒の供給を受ける凝縮器14及び、ポンプ64が液冷媒を圧縮機駆動モータハウジング54に供給するための冷媒ライン100の両者と連通している。
【0044】
主に図3、4に示されるように、環状通路101はモータステータ52を外囲し、冷媒ライン100と連通している。環状通路101内に或いはそれを通過するようにポンプされた液冷媒は、モータステータの外面を冷却する働きを行い、ステータ52を貫通する複数の通路102を介して計量され、ロータステータ間のギャップ103に至り、ここでステータ52及びロータ44を冷却する働きを更に行う。冷媒は、ロータステータ間のギャップ103及び環状通路101から、軸性方向両端にて開かれたモータステータ52の上部に沿う切込み部104内に流れ込む。冷媒は、モータロータ及びステータの両者の両端に対して、それらに向けて流れることにより冷却する働きを行う。この冷媒は、更にモータハウジング54の底部に流れ込み、そこに於いてライン106、108を介して凝縮器14に戻る方向にドレンされる。
【0045】
モータハウジングの位置からモータ冷却用冷媒を供給し、それをモータハウジングに戻すためにモータハウジング54は凝縮器の圧力に維持され、またポンプ64によりモータ46に供給される液冷媒には殆ど圧力降下が起こらないため、ポンプ64により圧縮機駆動モータに供給される冷媒は、モータに対して冷却効果を発揮する前にフラッシュしにくく、概ね完全に液体の状態で圧縮機駆動モータに供給される。圧力差に依存して圧縮機駆動モータへの冷媒の供給及び該モータからの冷媒の戻しを実現するような従来或いは現行のチラーシステムに於いては、通常圧縮機駆動モータに供給される気液二相冷媒に比較して、モータに供給される単相の液冷媒は大幅に高い熱交換能力を有することから、このような構成は、本発明の圧縮機モータ冷却構造の熱交換率を大幅に向上させる。従って、真の液体によるモータ46の冷却が本発明により実現される。
【0046】
本発明に於けるモータバレルは、全体として通常よりも高い温度で運転する。何故なら、モータ冷却用冷媒は、チラーシステムに於いて比較的高温位置である凝縮器から供給され、そこに戻されるためである。モータを冷却するためにバレル内でモータに供給される冷媒は、それが液状であるため、特にモータのホットスポット(高温部分)に対して極めて冷却効果が高い。この点に関して、或る過酷な条件下に於いて本発明に基づくチラーを運転する際に、モータの或る位置に於けるピーク温度は、同様に過酷な条件下で、圧力差に依存してモータ冷却冷媒を供給するような現行型或いは従来型チラーシステムに於ける同位置のモータ温度に比較して100゜F以上低いことが見出された。
【0047】
本発明により達成される大幅に低いモータの運転温度は、チラーシステム効率を全体として向上させ、モータの寿命を延長し、チラーの信頼性を向上させる。これらの結果は、やはり、概ねガスを含まない液冷媒を駆動モータに対して供給し、それに対して接触させるようにポンプすることにより得られるものである。このようなポンプ作用は、モータを冷却するための液冷媒をシステム凝縮器から供給を受けるようにしたこと、ヘッド圧を与えるように冷媒ポンプの或る所定の高さ位置に凝縮器を配置したこと、駆動モータを冷却するために利用された冷媒を、それがポンプにより送り出された供給源である凝縮器に再び戻すことによるものである。モータ46を冷却する過程の間にモータに供給された液冷媒の一部はフラッシュしてガスになるが、これはこのような熱交換を活性する前には引き起こされず、モータバレル内にて液状に留まるこのような冷媒の一部は、上記したようにハウジング54からドレンされ、既にフラッシュした冷媒ガスの部分と共に、ライン106、108を介して凝縮器14に戻される。
【0048】
冷媒を、凝縮器からモータバレルを経て循環させ、モータを冷却するために凝縮器に戻し、モータバレルを凝縮器の圧力に維持することの他の重要な利点について以下に説明する。この点に関連して、チラー10は、駆動モータから発生した熱をチラー自体の外側の位置に排出し得る能力を有するので、本発明に基づくモータ冷却構造を用いることにより、より効率的となる。これは、チラー効率に対するモータ冷却に伴う規制的な影響を排除することができる。特に、モータを冷却するために用いられた液冷媒を圧縮機モータハウジングからシステム凝縮器に戻すことにより、それにより運ばれるモータの熱が、凝縮器に流れ込み、それを通過し、それから流出する媒体に伝達される。従って、この媒体及び媒体により運ばれる熱はチラーの外部に運び出される。
【0049】
従来型システム或いは現行型システムの或るものに於いては、圧縮機駆動モータを冷却するために用いられる冷媒は通常圧力差により相対的に低圧位置にあるシステム蒸発器に送り込まれる。システム蒸発器の目的が、チラーが冷却すべき外部熱負荷を冷却する際に利用するためにその内部を通過する冷媒を冷却することにあることから、モータ熱を低圧のシステム蒸発器に運ぶことにより、このようなチラーシステムに於けるモータの冷却は、システムの全体的な効率に対して規制的な影響を及ぼしていた。本発明のチラーに於いては、モータ熱は、多くの従来型及び現行型チラーシステムに於いて引き起こされるようなチラーシステム効率に対するモータ冷却の規制的な影響を排除するように、凝縮器を介してチラーシステムの外部に運び出されるようになっている。
【0050】
モータを冷却するために用いられる冷媒が凝縮器から供給され且つそこに戻されることに基づく本発明に基づくモータ冷却構造の更に別の重要な利点は、チラーの外部からモータ46の電力リード線57に対するアクセスを与えるような圧縮機モータバレル或いはハウジング55が何れも、モータの電力リード線の部分に於いてハウジング55内に於いて凝縮が起こるほど低温とならないことである。圧力差に依存して圧縮機駆動モータに冷媒を供給し、モータを冷却した冷媒がシステム蒸発器に戻されるようなシステムにおいては、モータバレルを比較的低温の蒸発器と連通させることによって、モータバレルに配置されたモータは比較的非効果的に冷却されるにも関わらずモータバレル自体は比較的低温となり、本発明に基づき冷却されたモータよりも100゜F以上高温となる。従来型システムに於けるモータバレルが、或る温度及び湿度条件下に於いては相対的に低温となるため、その内部に取り付けられたモータの一部が相対的に高温となっても、モータバレルの外側にあるモータリードハウジング55の内部は、その内部で凝縮が起こるほど低温となる場合がある。このような位置に於ける凝縮は、可能な限り回避されるべきである。
【0051】
本発明のモータ冷却構造に於いて、モータハウジング54は、全体として、モータに供給される冷媒が、相対的に高温の凝縮器から供給され、再びそれに戻されることにより、モータを冷却する冷媒が相対的に低温の蒸発器に供給されるような現行型或いは従来型の圧力差依存形式のモータ冷却システムに比較してより高温で運転する。しかしながら、本発明において駆動モータに供給される冷媒は概ね液状であることから、モータ自体に対してより大きな冷却効果を発揮する。従って、本発明のモータバレルは、いかなる運転条件或いは環境条件下に於いてもモータリードハウジング55に内で凝縮が起こらないように十分高温に維持され、しかもモータ自体は、特により高温の部分に於いてより好適に冷却され、従来型チラーシステムに於けるモータ冷却構造に比較して、チラーシステム効率を高めるようにしてモータを冷却することができる。
【0052】
図1〜4に加えて、図5に示されるように、ポンプ64の冷媒ポンプインペラ94がポンプ作用を行う際の液冷媒の供給に関連して、このような冷媒は凝縮器14のウェル110から供給される。冷媒インペラ92は、液冷媒をその位置からポンプし、ライン112を介して圧縮機駆動モータに送り、ポンプされた液冷媒の圧力を、プロセスに於ける凝縮器圧力を超える圧力に上昇させる。図5から明らかであるように、凝縮器ウェル110は、堰118により2つの部分114、116により分割されている。図2に示されるように、凝縮器14の長さに関連してウェル110の位置は、凝縮器14の長い部分がウェル110の部分116に対して冷媒を供給し、凝縮器の短い部分がウェル110の部分114に対して冷媒を供給するように定められている。
【0053】
モータを冷却するために用いられる液冷媒は、凝縮器14からウェル110の部分116外へポンプ64によって送り出される。ウェル110の部分116が、凝縮器の長い部分により冷媒の供給を受け、その内部で凝縮した液冷媒により満たされることから、部分114に比較して優先的に冷媒の供給を受け、常に一杯となるように液冷媒により満たされる。このようにポンプ64に対して液冷媒を優先的に供給するのは、過酷な低負荷条件下のように、凝縮器14内に生成される液冷媒の量が少ないような場合でも、チラー運転時は常にチラーの圧縮機駆動モータがモータ冷却のための液冷媒の供給を受けるようにするためである。本件出願人により製造されている遠心チラーに於いては、チラーは、図3に示される入口ガイドベーン120が完全に閉であるような過酷な低負荷条件下に於いても運転することができることに留意されたい。このようなガイドベーンは、チラー容量を制御するために用いられ、このような状況下に於いては、チラーの圧縮機は、閉である入口ガイドベーンから漏れ込む僅かな量の冷媒ガスを圧縮するだけのために運転する。
【0054】
ガイドベーン120が完全に閉位置にあるとき、チラー10は、その冷却能力の約10%しか発揮せず、そのため、それだけ低減された熱負荷をより効率的に冷却することができる。このような状況に於いては、凝縮器14内にて生成される液冷媒量は微小であるが、ウェル110の部分116に於いて十分な量の液冷媒を確保することができ、部分116が一杯となった時には、液冷媒は、部分114に溢れ出し、チラーの冷凍サイクルに於ける利用に供することができる。
【0055】
更に図6及び7をも参照して、滞留したオイルを圧縮機12の吸込ハウジング76からオイル供給タンク62に戻すための装置について説明する。この点に関して、前記したように、吸込ガス内に取り込まれた潤滑剤は、パイプ60を経て吸込ハウジング76に移動する際に、相対的に低圧位置に於いて圧縮機構造と衝突することにより吸込ハウジング内にて分離され、同部分に滞留する傾向がある。多くの既存型或いは従来型システムに於いては、このように分離されたオイルを吸込ハウジングからオイル供給タンクに戻すことは、チラー内の圧力差に依存するエゼクタにより達成されるが、このような圧力差は、チラーシステムに用いられるようになった新規な冷媒を用いた場合には、システムの運転条件によっては得ることができない場合がある。多くの場合、このような目的のために、エゼクタを間欠的に運転させることで十分であるが、十分な量のオイルが吸込ハウジング内に蓄積された場合は常に、チラーの運転条件に拠らず、潤滑剤を圧縮機の吸込ハウジングからチラーのオイル供給タンクに戻すためのより信頼性が高く単純な装置が有利である。本発明のチラーに於いては、あらゆるチラーの運転条件下に於いて、また吸込ハウジング内に所定量のオイルが蓄積された時は常に、蓄積した潤滑剤を吸込ハウジング76からオイル供給タンク62へと戻し得るような装置が提供される。
【0056】
まず図6に示されるように、十分な量の潤滑剤が吸込ハウジング76内の位置140に滞留すると、潤滑剤はこの部分から管路78に溢れ出し、この管路は吸込ハウジング76から管路内に流れ込む潤滑剤の保持容積を画定する。管路78内には逆止弁142が配置され、この逆止弁142が配置され、この逆止弁は本実施例の場合、ばね144及びライン74内に存在する圧力により所定の力を以て付勢され、所定量の潤滑剤がハウジング76から管路78に溢れ出すまで閉状態に維持される。弁を閉状態に維持する付勢力に対して逆止弁142の弁要素146を変位させるのに十分な量の潤滑剤が管路78に向けて溢れ出し、逆止弁を潤滑剤が流れ得るようになった場合に於いて、潤滑剤は管路78から、逆止弁142を通過して、ライン74を介してオイル供給タンクに戻されるようになる。図6は、十分な量の潤滑剤が管路78内に流れ込み、弁要素146を変位させ、逆止弁142を経てライン74に至るような潤滑剤の流れが引き起こされた状態を示している。図7は、管路78の潤滑剤が空となり、逆止弁142を潤滑剤が通過し得るのに十分な程に、位置140からの溢れ出す潤滑剤により再び満たされて弁要素146の付勢力に打ち克つまでに至っていない状態を示している。
【0057】
図6及び7の場合、逆止弁142は、ライン74と連通した状態で示され、このラインは再びオイル供給タンク62の内部に接続されている。前記したように、潤滑剤は、軸受48、50を潤滑するために用いられた場所から、オイル供給タンクに戻される際もパイプ74を流れる。容易に理解できるように、管路78及び逆止弁142は、図示されているようにパイプ74を介して供給タンク62の内部に連通する代わりに、供給タンク62の内部に対して直接連通するように配置することもできる。弁要素146を付勢する力及びこのような力に打ち克つために管路78を満たさなければならない潤滑剤の量は、言うまでもなく、管路78内に十分な量のオイルが蓄積した時に、オイルが連続的に供給タンク62に戻されるような量に予め設定される。通常、逆止弁142の両端には、弁要素146が着座した状態に維持され、管路78が流れに対して遮断されるように僅かな圧力差が存在することから、この場合ばね144からなる弁要素146に対して作用する付勢機構の使用を省略することも可能であることに留意されたい。
【0058】
図8を参照して、図6及び7に示されたオイル戻し装置の変形実施例について説明する。図8の実施例に於いては、管路78内のオイルの量が、その下流の管路74内に存在する圧力に打ち克つのに十分である場合は常に、管路78内に逆止弁機構を設ける代わりに、オイルが供給タンク62に戻る向きに流れるべきオリフィス148が管路78内に設けられている。図6及び7に示された実施例の場合と同様に、管路78のサイズは、その内部に所定量のオイルが貯容された時は必ずあらゆるシステム運転条件下に於いてオイルの僅かな流れがオリフィス148を必ず通過するように定められる。図8に示された実施例では、オリフィス148の適切なサイズを決定する点に関して設計上困難な問題を提起するが、構造的にはより単純であって、その点について図6及び7に示された実施例よりも信頼性が高い。図6及び7に示された実施例及び図8に示された実施例は何れも、吸込ハウジングからオイルを戻すためにエゼクタを必要とせず、それに要する費用を節約することができ、また、エゼクタと異なり、その運転のためにシステムの圧力差の存在を必要とすることなく、オイルを戻すための動力源として蓄積されたオイルの重量に依存するものであるため、より信頼性高くオイルをこのような位置から戻すことができる。
【0059】
更に図9、10及び11に示されるように、また前記したように、図1及び2に示された好適実施例において、フィルタ88をライン82に設け、それによって蒸発器16の底部に滞留するオイルに富む流体をオイル供給タンク62に戻すことができる。図9、10及び11は、交換可能なフィルタではなく、チラー10内に恒久的に組み込まれた構造により混合体内の粒子及び異物を分離し捕捉し得るような装置を示している。何れの場合も、当該装置は膨張容量を画定し、それに流れ込む混合物の流速を低下させるように運転する。これにより、混合物内に懸濁状態に通常保有される異物を、混合物内で沈殿させ、このような装置に捕捉することが可能となる。
【0060】
まず図9に於いて、直立パイプ状の構造が示されている。流れは、蒸発器16の底部から入口152を経てセパレータ150の下部に至る。この部分に於いて混合物の流速が低下する。その内部の粒子は、相対的に重いため、セパレータのトラップ部分154内に沈殿し、その内部に滞留する。セパレータ150からライン82を経てオイル供給タンクに戻される流体は、粒子及び異物を比較的含まない。図10及び11に示される後記する実施例と同様に、セパレータ150は、蒸発器16からオイル供給タンクに運び出され得る大型の粒子或いは異物の概ね全てを捕捉し得るようなサイズが与えられた沈殿物トラップ154が用いられているため、何ら保守或いは交換を要しない。
【0061】
図10の装置は、水量調節管と同様な、順送り(progressive)沈殿物トラップ構造を備えており、沈殿物は流れが下流に向かうに伴い通常ハウジング160を通過する際に減速されて、流れから分離される。蓄積した沈殿物は、流れから遮蔽され、図示されるように一連の順送りバリア壁162によりハウジング内に保持される。
【0062】
図11は、遠心式沈殿物分離構造を示している。図11の分離構造170に於いて、凝縮器16から流れ出す流体は、側壁入口172から接線方向に沿って構造170内に導入される。構造170は円筒形をなすため、入口172から導入された流体は渦流をなす。流体内の粒子は、やがて構造170の相対的に平静な中心部に向かい、粒子トラップ174に向けて下向きに沈殿する。粒子が相対的に取り除かれ潤滑剤に富む液体がパイプ82を介して構造170の中心部から排出され、チラーのオイル供給タンクに供給される。
【0063】
図9、10及び11に示された装置は、多くの場合、チラーの運転の初期時間に装置内に送り込まれる沈殿物を捕捉するように設計されていることに留意されたい。このような沈殿物は、凝縮器及び蒸発器内のフィン付きチューブから剥離した銅の薄片、溶接スラグ、作業所内の砂等、チラーを閉じ、冷媒を導入する前に極力チラーの内部を清浄にしようとしても、チラー製造直後からその内部に留まるような異物からなる。このような沈殿物は、通常チラーの冷凍サイクルを経て、送り込まれる最初の冷媒の流れにより蒸発器の底部に送り込まれ沈殿するものであって、継続的に生成されるものではない。継続してチラーシステムの冷媒或いはその潤滑剤と共に循環する沈殿物の殆どは、微細且つ軽量であって、懸濁状態に保持され、やがてチラーのオイル供給タンクに取り付けられたマニホールド66に関連する図1及び2に示されるようなフィルタ67により捕捉される。図9、10及び11に示された装置の目的は、繰り返しとなるが、製造直後からチラーシステム内に残留するより重い粒子或いは異物を即座且つ永久的に捕捉するためのものである。しかしながら、容易に理解できるように、このような構造の内部のアクセスを確保し、このような異物を取り除くことも容易に可能であって、本発明の範囲内に含まれる。
【0064】
図1、2、4及び12を参照して、オイル供給タンクのライン80を介して蒸発器16にベントすることに付随して発生し得る問題を除去するような、軸受48、50を潤滑するために用いられたオイルをオイル供給タンク62に戻すための別の実施例を説明する。実際、図12に示された実施例は、オイルをチラー10のベアリング部分からオイル供給タンクに戻す点に関しては、最も好適な実施例である可能性がある。
【0065】
上記したように、図1、2に示された実施例に於いては、オイル供給タンク62はライン80を介して蒸発器16にベントされる。ベントされたオイルは、それに取り込まれた或る程度の量の冷媒を含むため、供給タンク62内のオイル99は、過酷なチラーのスタートアップ条件下に於いては激しく発泡することがある。このような冷媒は、オイル供給タンク内に於いて、液体として或いはそれに取り込まれた気泡としてオイル内に残留する。この冷媒が存在するのは、オイルに富む液体を、蒸発器の底部からライン82を介してオイル供給タンクに戻すことによるものであり(この液体のオイル以外の部分は液冷媒からなる)、また、モータ冷却過程に於いてモータバレル54内に於いてガスにフラッシュした液冷媒が軸シールを介してオイルにより潤滑される軸受42、48に送られ、更にオイル供給タンクに戻されることに拠るものである。
【0066】
比較的過酷な運転条件下に於いては、蒸発器16内の圧力は、チラーのスタートアップ直後に直ちに降下する。好適実施例に於いては、タンク62が蒸発器16にベントされているため、蒸発器16内の圧力降下は、オイル供給タンク内に対応する圧力降下を引き起こし、これは更にオイル供給タンク62内にてオイルに取り込まれた液冷媒がフラッシュしてガス化し、その内部に取り込まれた冷媒の泡を解放する。これは、オイル供給タンク62内のオイルを激しく泡立たせる。このような状況に於ける蒸発器16内の圧力は、オイル供給タンク62内の圧力よりも低くなることから、殆どがオイルからなるオイル供給タンク内に形成した泡は、オイル供給タンクから引き出され、蒸発器に送り込まれる。これは、オイル供給タンク内のオイルの供給を枯渇させ、オイルの欠乏を原因とするチラーのシャットダウンを引き起こす場合がある。
【0067】
図12に示された実施例に於いては、オイル供給タンクから蒸発器16に至るベントライン80が省略され、軸受48、50から潤滑剤をオイル戻しライン74を経てオイル供給タンクに戻すために遠隔マニホールド180が用いられている。マニホールド180は、冷媒が混入したオイルが、圧縮機軸受部分からライン182、184を介して連通するような単純な円筒からなる。図1、2に示された実施例を思い返してみると、オイル戻しライン182、184は、ライン74に直結されていた。図12に示された別の実施例に於いては、その間にマニホールド180が介在している。
【0068】
マニホールド180が膨張容量を画定するため、ライン182、184から流れ込む冷媒ガス及びオイルが、分離して、オイルがその底部に沈殿し、ガスがその上部領域に収集されるような部分を提供する。このようなガスはライン186を介してマニホールド180から吸込ハウジング76等の適宜な低圧部分にベントされる。冷媒が除去されるように分離された潤滑剤は、マニホールド180からライン74を経て送り出され、オイル供給タンク62に戻される。
【0069】
図12に示された別の実施例の場合でも、オイル供給タンクがチラー内の低圧部分に対してマニホールド180を介して連通しているため、マニホールド180を用いた場合でも、チラーの過酷なスタートアップ条件下に於いては、オイル供給タンク62内で発泡し得る。しかしながら、ベントのためにリモートマニホールド180を用いているため、供給タンク62が蒸発器に直接ベントされておらず、また、マニホールド180がオイル供給タンク内に供給される冷媒の量を減少させるため、過酷なチラーのスタートアップ条件下に於いてオイル供給タンク内に発生する泡の量は比較的少なく、しかもその内部に保持される。そのため、このような発泡によるオイル供給タンクからの潤滑剤の損失が回避される。容易に理解されるように、マニホールド180は単純な構造を有し、何ら可動部分を含まない。図12に示された実施例に於いてはマニホールド180が吸込ハウジング76にベントされるものとして示されているが、それが蒸発器に向けてベントされるものとしても、それがオイル供給タンクから離れた位置にあるため同様の結果を得ることができる。
【0070】
再び図1及び2を参照して、本発明の別の側面、即ちチラーの圧縮機部12の可変速運転を可能にするような可変速駆動コントローラ190の使用に関する説明を行う。コントローラ190は物理的に大型且つ高電圧のコントローラであって、電力供給ライン192から圧縮機駆動モータ46に、可変速圧縮機運転のために電力供給を制御する点に於いて、多量の熱を発生する。コントローラ190が信頼性高く機能し得るためには、それを積極的に冷却しなければならない。
【0071】
現在の所、コントローラ190は、多くの大型チラーコントローラ及び駆動装置と同様に、空気により冷却されるようにコントローラ製造者により設計されている。しかしながら、本発明のチラーは、飽和液冷媒を、それ程フラッシュさせることなくポンプするという原始的課題を解決するものであることから、コントローラ190を、その発熱部品を冷却するために、液冷媒をそれに対してポンプすることにより効率的、効果的且つ信頼性高く冷却することが考えられる。このような冷却は、モータを冷却するためにライン100を介してモータバレル54にポンプされる液冷媒の一部を、分岐ライン192を介してコントローラハウジングの内部に送り込むことにより達成し得ることが想定される。液冷媒は、冷却を必要とする電力部品と熱交換を行うために供給される。
【0072】
冷却のためにコントローラ190に供給された冷媒は、ライン194を介してドレンされ、凝縮器駆動モータを冷却するために用いられた後に戻される冷媒と概ね同様の要領を以てチラーの凝縮器に戻される。容易に理解できるように、コントローラを冷却するための構造の運転も、冷却のための冷媒を比較的高圧の凝縮器から得るようにし、それを冷却する位置にポンプした後に、冷媒を比較的高圧の凝縮器に戻すようなモータを冷却する技術的思想に基づくもので、このことは、飽和液冷媒をそれ程フラッシュさせることなくポンプし得るということに基づくものである。
【0073】
本発明の好ましい実施例及び別の実施例、変更等について説明してきたが、本発明は先に示した実施例に限定されるものではなく、本発明の思想から逸脱することなしに、当業者は請求の範囲内において付加及び変更が可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づく冷凍チラーの端面図である。
【図2】 本発明に基づく冷凍チラーの側面図である。
【図3】 本発明のチラーの圧縮機部分の断面図である。
【図4】 本発明のチラーのオイル供給タンク及びポンプ機構の断面図である。
【図5】 本発明のチラーの凝縮器に於ける堰部分を示し、また液冷媒を凝縮器から、モータの冷却のために液冷媒をチラー駆動モータに供給するポンプへと、供給するための構造を示す図。
【図6】 冷媒をチラーの圧縮機の吸込領域からチラーのオイル供給タンクへと戻すための本発明の構造を示す図。
【図7】 冷媒をチラーの圧縮機の吸込領域からチラーのオイル供給タンクへと戻すための本発明の構造を示す図。
【図8】 図6及び7に示されたオイル戻し構造の別の実施例を示す図。
【図9】 チラーシステムの蒸発器の底部に集められるオイルに富む液体をチラーのオイル供給タンクに戻すためにライン内において始末された異物を捕捉するための装置を示す図。
【図10】 チラーシステムの蒸発器の底部に集められるオイルに富む液体をチラーのオイル供給タンクに戻すためにライン内において始末された異物を捕捉するための装置を示す図。
【図11】 チラーシステムの蒸発器の底部に集められるオイルに富む液体をチラーのオイル供給タンクに戻すためにライン内において始末された異物を捕捉するための装置を示す図。
【図12】 潤滑剤をチラーの圧縮機部分からチラーのオイル供給タンクへと戻すための部分が本発明のチラーの別の実施例になっている以外は、図3と同様の図である。

Claims (72)

  1. 液体チラーであって、
    圧縮機と、
    前記圧縮機を駆動するモータと、
    前記モータを受容するハウジングと、
    前記モータハウジングの内部と連通し、前記圧縮機からの冷媒を受容するための凝縮器と、
    前記凝縮器からの冷媒を受容し、かつ冷媒を送り込むために前記圧縮機に接続された蒸発器と、
    前記圧縮機に対して物理的に下側に配置されたオイル供給タンクと、
    潤滑のために前記オイル供給タンクから前記圧縮機に向けてオイルを供給し、前記モータ冷却のために前記凝縮器から前記モータに向けて圧力差を利用せずに冷媒を供給する、二重の機能を有するポンプとを有し、
    モータ冷却のために前記モータに供給される前記冷媒の少なくとも大部分が、前記モータハウジングから前記凝縮器に向けて戻されることを特徴とする液体チラー。
  2. 前記ポンプが、液冷媒をポンプするための第1のポンプ機構と、オイルをポンプするための第2のポンプ機構とを有し、前記オイル供給タンク及び前記第1及び第2のポンプ機構が前記凝縮器よりも物理的に下側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液体チラー。
  3. エコノマイザを更に有し、前記エコノマイザが前記凝縮器から前記冷媒を第1の圧力にて受け入れ、前記エコノマイザが冷媒ガスを前記圧縮機に、液冷媒を前記蒸発器に、それぞれ前記第1の圧力よりも低い圧力にて供給することを特徴とする請求項2に記載の液体チラー。
  4. 前記第1及び第2のポンプ機構が単一のモータにより駆動され、それぞれ物理的に前記凝縮器の下側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の液体チラー。
  5. 前記圧縮機が、前記蒸発器から前記圧縮機に供給された吸込ガスから分離されたオイルが沈殿する位置を画定し、当該チラーが更に前記圧縮機の位置から前記分離されたオイルが流れ込むべき保持容積と、前記保持容積から前記オイル供給タンクへのオイルの流れを制御可能に許容するための装置とを有することを特徴とする請求項3に記載の液体チラー。
  6. 前記保持容積から前記オイル供給タンクへのオイルの流れを制御可能に許容するための前記装置が逆止弁からなり、前記逆止弁が、それを閉に保持するような付勢力に打ち克つのに十分な程度のオイルの量を前記保持容積が貯容するようになったときに前記保持容積から前記オイル供給タンクへのオイルの流れを許容することを特徴とする請求項5に記載の液体チラー。
  7. マニホールドを更に有し、前記マニホールドが前記圧縮機及び前記オイル供給タンクに連通し、前記マニホールドが、前記圧縮機を潤滑するために用いられた後のオイルを受容し、オイル及びそれに混入した冷媒を互いに分離するような容量を画定し、前記マニホールド内にて冷媒から分離されたオイルが前記オイル供給タンクに戻され、前記マニホールドにて前記オイルから分離された冷媒がそれと同圧或いは低圧力下にある前記チラー内の位置に向けてベントされることを特徴とする請求項3に記載の液体チラー。
  8. オイル冷却熱交換器を更に有し、前記オイル冷却熱交換器が、前記エコノマイザ内に配置され、かつその内部に貯容された液冷媒により冷却され、前記オイル冷却熱交換器が前記第2のポンプ機構により前記オイル供給タンクからポンプされるオイルを、潤滑のために前記圧縮機に供給する前に受け入れかつ冷却することを特徴とする請求項3に記載の液体チラー。
  9. 前記モータが可変速モータからなり、当該装置が更に、前記モータの速度を制御するためのコントローラを含み、前記第1のポンプ機構が前記コントローラの発熱部品を冷却するために液冷媒を前記凝縮器から前記コントローラにポンプし、この冷却のために前記コントローラに供給された冷媒が、前記凝縮器に戻されることを特徴とする請求項3に記載の液体チラー。
  10. 前記圧縮機駆動モータハウジング上に配置されたモータリードハウジングを更に有し、前記モータリードハウジングが、前記モータを駆動するために電源が前記チラーに接続される部分に設けられ、前記モータハウジング及び前記モータリードハウジングが、前記モータハウジングと前記凝縮器とが連通していることにより、前記チラーが運転中にあっては常に前記リードハウジング内に凝縮が起こらないために十分な温度に維持されることを特徴とする請求項2に記載の液体チラー。
  11. オイル及び液冷媒の混合物が前記蒸発器の下部に沈殿し、当該装置が更に前記混合体を前記蒸発器から前記オイル供給タンクに供給するための手段と、前記冷媒が前記蒸発器から排出された後であって、前記オイル供給タンクに供給される前に於ける当該混合物の速度を低下させるための装置とを有し、前記装置によって、異物が前記減速された混合物から分離して沈殿し、その内部に捕捉されるようにして、前記異物が前記オイル供給タンクに供給されるのを防止するようになっていることを特徴とする請求項2に記載の液体チラー。
  12. 前記装置が、前記混合物の流れの方向に沿って段階的に配置された一連の壁を含む水量調節管構造を含むことを特徴とする請求項11に記載の液体チラー。
  13. 前記第1及び第2のポンプ機構が単一のモータにより駆動されることを特徴とする請求項2に記載の液体チラー。
  14. エコノマイザを更に含み、前記エコノマイザが冷媒を第1の圧力にて前記凝縮器から受け入れ、前記エコノマイザが冷媒ガスを前記圧縮機に、液冷媒を前記蒸発器にそれぞれ前記第1の圧力よりも低い圧力にて供給することを特徴とする請求項13に記載の液体チラー。
  15. 前記圧縮機が、前記蒸発器から前記圧縮機に供給された吸込ガスから分離されたオイルが沈殿する位置を画定し、当該チラーが更に前記圧縮機の位置から前記分離されたオイルが流れ込むべき保持容積と、前記保持容積から前記オイル供給タンクへのオイルの流れを制御可能に許容するための装置とを有することを特徴とする請求項13に記載の液体チラー。
  16. 前記保持容積から前記オイル供給タンクへのオイルの流れを制御可能に許容するための前記装置が逆止弁からなり、前記逆止弁が、それを閉に保持するような付勢力に打ち克つのに十分な程度のオイルの量を前記保持容積が貯容するようになったときに前記保持容積から前記オイル供給タンクへのオイルの流れを許容することを特徴とする請求項15に記載の液体チラー。
  17. マニホールドを更に有し、前記マニホールドが前記圧縮機及び前記オイル供給タンクに連通し、前記マニホールドが、前記圧縮機を潤滑するために用いられた後のオイルを受容し、オイル及びそれに混入した冷媒を互いに分離するような容量を画定し、前記マニホールド内にて冷媒から分離されたオイルが前記オイル供給タンクに戻され、前記マニホールドにて前記オイルから分離された冷媒がそれと同圧或いは低圧力下にある前記チラー内の位置に向けてベントされることを特徴とする請求項13に記載の液体チラー。
  18. 前記モータが可変速モータからなり、当該装置が更に、前記モータの速度を制御するためのコントローラを含み、前記第1のポンプ機構が前記コントローラの発熱部品を冷却するために液冷媒を前記凝縮器から前記コントローラにポンプし、前記コントローラに供給された冷媒が、前記凝縮器に戻されることを特徴とする請求項13に記載の液体チラー。
  19. オイル及び液冷媒の混合物が前記蒸発器の下部に沈殿し、当該装置が更に前記混合体を前記蒸発器から前記オイル供給タンクに供給するための手段と、前記冷媒が前記蒸発器から排出された後であって、前記オイル供給タンクに供給される前に於ける当該混合物の速度を低下させるための装置とを有し、前記装置によって、異物が前記混合物から分離して沈殿し、その内部に捕捉されるようにして、前記異物が前記オイル供給タンクに供給されるのを防止するようになっていることを特徴とする請求項13に記載の液体チラー。
  20. 前記圧縮機が、前記蒸発器から前記圧縮機に供給された吸込ガスから分離されたオイルが沈殿する位置を画定し、当該チラーが更に前記圧縮機の位置から前記分離されたオイルが流れ込むべき保持容積と、前記保持容積から前記オイル供給タンクへのオイルの流れを制御可能に許容するための装置とを有することを特徴とする請求項2に記載の液体チラー。
  21. エコノマイザを更に含み、前記エコノマイザが冷媒を第1の圧力にて前記凝縮器から受け入れ、前記エコノマイザが冷媒ガスを前記圧縮機に、液冷媒を前記蒸発器にそれぞれ前記第1の圧力よりも低い圧力にて供給することを特徴とする請求項20に記載の液体チラー。
  22. 前記第1及び第2のポンプ機構が単一のモータにより駆動されることを特徴とする請求項20に記載の液体チラー。
  23. 前記保持容積から前記オイル供給タンクへのオイルの流れを制御可能に許容するための前記装置が逆止弁からなり、前記逆止弁が、それを閉に保持するような付勢力に打ち克つのに十分な程度のオイルの量を前記保持容積が貯容するようになったときに前記保持容積から前記オイル供給タンクへのオイルの流れを許容することを特徴とする請求項20に記載の液体チラー。
  24. マニホールドを更に有し、前記マニホールドが前記圧縮機及び前記オイル供給タンクに連通し、前記マニホールドが、前記圧縮機を潤滑するために用いられた後のオイルを受容し、オイル及びそれに混入した冷媒を互いに分離するような容量を画定し、前記マニホールド内にて冷媒から分離されたオイルが前記オイル供給タンクに戻され、前記マニホールドにて前記オイルから分離された冷媒がそれと同圧或いは低圧力下にある前記チラー内の位置に向けてベントされることを特徴とする請求項20に記載の液体チラー。
  25. 前記モータが可変速モータからなり、当該装置が更に、前記モータの速度を制御するためのコントローラを含み、前記第1のポンプ機構が前記コントローラの発熱部品を冷却するために液冷媒を前記凝縮器から前記コントローラにポンプし、前記コントローラに供給された冷媒が、前記凝縮器に戻されることを特徴とする請求項20に記載の液体チラー。
  26. オイル及び液冷媒の混合物が前記蒸発器の下部に沈殿し、当該装置が更に前記混合体を前記蒸発器から前記オイル供給タンクに供給するための手段と、前記冷媒が前記蒸発器から排出された後であって、前記オイル供給タンクに供給される前に於ける当該混合物の速度を低下させるための装置とを有し、前記装置によって、異物が前記混合物から分離して沈殿し、その内部に捕捉されるようにして、前記異物が前記オイル供給タンクに供給されるのを防止するようになっていることを特徴とする請求項20に記載の液体チラー。
  27. オイルの前記保持容積から前記オイル供給タンクへの流れを制御可能に許容するための前記装置が計量オリフィスを含むことを特徴とする請求項20に記載の液体チラー。
  28. 前記圧縮機及び前記オイル供給タンクが管路により互いに接続され、当該装置が更にベント及び逆止弁を含み、前記ベントが、前記オイル供給タンクを前記蒸発器に向けてベントし、前記逆止弁が前記蒸発器から前記ベント、前記オイル供給タンク及び前記管路を経て前記圧縮機に至る流れを阻止し、前記逆止弁が前記管路に配置され、前記逆止弁を閉の状態に維持する付勢力に打ち克つのに十分な程度の量のオイルが前記管路に貯容されるようなった時に、前記エパポレータから前記圧縮機に供給される吸込ガスから分離されたオイルの前記オイル供給タンクに至る流れを許容することを特徴とする請求項2に記載の液体チラー。
  29. 前記第1及び第2のポンプ機構が単一のモータにより駆動されることを特徴とする請求項28に記載の液体チラー。
  30. 前記圧縮機が、前記蒸発器から前記圧縮機に供給される吸込ガスから分離されたオイルが沈殿すべき位置を画定し、前記管路が、前記圧縮機位置からの前記分離されたオイルが流れ込むべき保持容積を前記逆止弁の上流側に画定することを特徴とする請求項28に記載の液体チラー。
  31. エコノマイザを更に有し、前記エコノマイザが前記凝縮器から前記冷媒を第1の圧力にて受け入れ、前記エコノマイザが冷媒ガスを前記圧縮機に、液冷媒を前記蒸発器に、それぞれ前記第1の圧力よりも低い圧力にて供給することを特徴とする請求項28に記載の液体チラー。
  32. 前記モータが可変速モータからなり、当該装置が更に、前記モータの速度を制御するためのコントローラを含み、前記第1のポンプ機構が前記コントローラの発熱部品を冷却するために液冷媒を前記凝縮器から前記コントローラにポンプし、前記コントローラに供給された冷媒が、前記凝縮器に戻されることを特徴とする請求項28に記載の液体チラー。
  33. オイル及び液冷媒の混合物が前記蒸発器の下部に沈殿し、当該装置が更に前記混合体を前記蒸発器から前記オイル供給タンクに供給するための手段と、前記冷媒が前記蒸発器から排出された後であって、前記オイル供給タンクに供給される前に於ける当該混合物の速度を低下させるための装置とを有し、前記装置によって、異物が前記混合物から分離して沈殿し、その内部に捕捉されるようにして、前記異物が前記オイル供給タンクに供給されるのを防止するようになっていることを特徴とする請求項28に記載の液体チラー。
  34. マニホールドを更に有し、前記マニホールドが前記圧縮機及び前記オイル供給タンクに連通し、前記マニホールドが、前記圧縮機を潤滑するために用いられた後のオイルを受容し、オイル及びそれに混入した冷媒を互いに分離するような容量を画定し、前記マニホールド内にて冷媒から分離されたオイルが前記オイル供給タンクに戻され、前記マニホールドにて前記オイルから分離された冷媒がそれと同圧或いは低圧力下にある前記チラー内の位置に向けてベントされることを特徴とする請求項2に記載の液体チラー。
  35. 前記オイル供給タンクが、前記マニホールドを介する他はベントされていないことを特徴とする請求項34に記載の液体チラー。
  36. エコノマイザを更に有し、前記エコノマイザが前記凝縮器から前記冷媒を第1の圧力にて受け入れ、前記エコノマイザが冷媒ガスを前記圧縮機に、液冷媒を前記蒸発器に、それぞれ前記第1の圧力よりも低い圧力にて供給することを特徴とする請求項34に記載の液体チラー。
  37. 前記第1及び第2のポンプ機構が単一のモータにより駆動されることを特徴とする請求項34に記載の液体チラー。
  38. 前記圧縮機が、前記蒸発器から前記圧縮機に供給された吸込ガスから分離されたオイルが沈殿する位置を画定し、当該チラーが更に前記圧縮機の位置から前記分離されたオイルが流れ込むべき保持容積と、前記保持容積から前記オイル供給タンクへのオイルの流れを制御可能に許容するための装置とを有することを特徴とする請求項34に記載の液体チラー。
  39. 前記モータが可変速モータからなり、当該装置が更に、前記モータの速度を制御するためのコントローラを含み、前記第1のポンプ機構が前記コントローラの発熱部品を冷却するために液冷媒を前記凝縮器から前記コントローラにポンプし、前記コントローラに供給された冷媒が、前記凝縮器に戻されることを特徴とする請求項34に記載の液体チラー。
  40. オイル及び液冷媒の混合物が前記蒸発器の下部に沈殿し、当該装置が更に前記混合体を前記蒸発器から前記オイル供給タンクに供給するための手段と、前記冷媒が前記蒸発器から排出された後であって、前記オイル供給タンクに供給される前に於ける当該混合物の速度を低下させるための装置とを有し、前記装置によって、異物が前記混合物から分離して沈殿し、その内部に捕捉されるようにして、前記異物が前記オイル供給タンクに供給されるのを防止するようになっていることを特徴とする請求項34に記載の液体チラー。
  41. 前記モータが可変速モータからなり、当該装置が更に、前記モータの速度を制御するためのコントローラを含み、前記第1のポンプ機構が前記コントローラの発熱部品を冷却するために液冷媒を前記凝縮器から前記コントローラにポンプし、前記コントローラに供給された冷媒が、前記凝縮器に戻されることを特徴とする請求項2に記載の液体チラー。
  42. 前記第1及び第2のポンプ機構が単一のモータにより駆動されることを特徴とする請求項41に記載の液体チラー。
  43. 前記圧縮機が、前記蒸発器から前記圧縮機に供給された吸込ガスから分離されたオイルが沈殿する位置を画定し、当該チラーが更に前記圧縮機の位置から前記分離されたオイルが流れ込むべき保持容積と、前記保持容積から前記オイル供給タンクへのオイルの流れを制御可能に許容するための装置とを有することを特徴とする請求項41に記載の液体チラー。
  44. マニホールドを更に有し、前記マニホールドが前記圧縮機及び前記オイル供給タンクに連通し、前記マニホールドが、前記圧縮機を潤滑するために用いられた後のオイルを受容し、オイル及びそれに混入した冷媒を互いに分離するような容量を画定し、前記マニホールド内にて冷媒から分離されたオイルが前記オイル供給タンクに戻され、前記マニホールドにて前記オイルから分離された冷媒がそれと同圧或いは低圧力下にある前記チラー内の位置に向けてベントされることを特徴とする請求項41に記載の液体チラー。
  45. エコノマイザを更に有し、前記エコノマイザが前記凝縮器から前記冷媒を第1の圧力にて受け入れ、前記エコノマイザが冷媒ガスを前記圧縮機に、液冷媒を前記蒸発器に、それぞれ前記第1の圧力よりも低い圧力にて供給することを特徴とする請求項41に記載の液体チラー。
  46. モータリードハウジングを更に有し、前記モータリードハウジングが、前記モータを駆動するために電源が前記チラーに接続される部分に設けられ、前記モータハウジング及び前記リードハウジングが、前記駆動モータハウジングと前記凝縮器とが連通していることにより、前記チラーが運転中にあっては常に前記リードハウジング内に凝縮が起こらないために十分な温度に維持されることを特徴とする請求項2に記載の液体チラー。
  47. オイル及び液冷媒の混合物が前記蒸発器の下部に沈殿し、当該装置が更に前記混合体を前記蒸発器から前記オイル供給タンクに供給するための手段と、前記冷媒が前記蒸発器から排出された後であって、前記オイル供給タンクに供給される前に於ける当該混合物の速度を低下させるための装置とを有し、前記装置によって、異物が前記混合物から分離して沈殿し、その内部に捕捉されるようにして、前記異物が前記オイル供給タンクに供給されるのを防止するようになっていることを特徴とする請求項2に記載の液体チラー。
  48. 前記装置が、前記混合物の流れの方向に沿って段階的に配置された一連の壁を含む水量調節管構造を含むことを特徴とする請求項47に記載の液体チラー。
  49. 前記チラーが遠心チラーからなり、更に、軸と、少なくとも1つの軸受と、少なくとも1つのインペラとを有し、前記軸が前記少なくとも1つの軸受により回転可能に支持され、前記モータの前記ロータが前記軸に一体回転するように取り付けられ、前記第2のポンプ機構がオイルを前記少なくとも1つの軸受にポンプすることを特徴とする請求項2に記載の液体チラー。
  50. 前記圧縮機が、前記圧縮機から前記蒸発器に供給された吸込ガスから分離されたオイルが沈殿する位置を画定し、前記保持容積から前記オイル供給タンクへのオイルの流れを制御可能に許容するための装置を有することを特徴とする請求項49に記載の液体チラー。
  51. 前記圧縮機が第1及び第2のインペラを有し、前記第1及び第2のインペラが前記軸に回転可能に取り付けられ、前記第1のインペラが前記蒸発器から供給される冷媒ガスの圧力を第1の圧力に上昇させ、前記第2のインペラが、前記第1のインペラから供給される冷媒ガスの圧力を、より高い第2の圧力に上昇させ、当該チラーが更にエコノマイザを含み、前記エコノマイザが前記凝縮器から冷媒を受け入れ、前記エコノマイザが冷媒ガスを前記第1の圧力と第2の圧力の中間圧力にて前記圧縮機に供給することにより、前記第1のインペラから前記第2のインペラに供給される冷媒ガスの圧力を上昇させ、前記エコノマイザが液冷媒を前記蒸発器に供給することを特徴とする請求項50に記載の液体チラー。
  52. 前記モータが可変速モータからなり、当該装置が更に、前記モータの速度を制御するためのコントローラを含み、前記第1のポンプ機構が前記コントローラの発熱部品を冷却するために液冷媒を前記凝縮器から前記コントローラにポンプし、この冷却のために前記コントローラに供給された冷媒が、前記凝縮器に戻されることを特徴とする請求項50に記載の液体チラー。
  53. マニホールドを更に有し、前記マニホールドが前記圧縮機及び前記オイル供給タンクに連通し、前記マニホールドが、前記少なくとも1つの軸受を潤滑するために用いられた後のオイルを受容し、オイル及びそれに混入した冷媒を互いに分離するような容量を画定し、前記マニホールド内にて冷媒から分離されたオイルが前記オイル供給タンクに戻され、前記マニホールドにて前記オイルから分離された冷媒がそれと同圧或いは低圧力下にある前記チラー内の位置に向けてベントされることを特徴とする請求項50に記載の液体チラー。
  54. 前記分離されたオイルが前記圧縮機位置から流れ込む保持容積を更に含み、前記保持容積から前記オイル供給タンクへのオイルの流れを制御可能に許容するための装置が逆止弁からなることを特徴とする請求項50に記載の液体チラー。
  55. 液体チラーであって、
    圧縮機と、
    前記圧縮機を駆動するための可変速モータと、
    前記モータを受容するハウジングと、
    前記モータの速度を制御するためのコントローラと、
    前記モータハウジングの内部と連通し、前記圧縮機からの冷媒を受容するための凝縮器と、
    前記凝縮器からの冷媒を受容するための蒸発器と、
    オイル供給タンクと、
    潤滑のために前記オイル供給タンクから前記圧縮機に向けてオイルを供給し、前記モータ及び前記コントローラの冷却のために前記凝縮器から前記モータに向けて圧力差を利用せずに冷媒を供給するための、二重の機能を有するポンプとを有することを特徴とする液体チラー。
  56. 前記ポンプが、液冷媒を前記モータ及び前記コントローラにポンプするための第1のポンプ機構及びオイルを前記圧縮機にポンプするための第2のポンプ機構を含むことを特徴とする請求項55に記載の液体チラー。
  57. 前記モータ及び前記コントローラにポンプされた液冷媒が前記凝縮器に戻されることを特徴とする請求項56に記載の液体チラー。
  58. 前記圧縮機が、前記蒸発器から前記圧縮機に供給された吸込ガスから分離されたオイルが沈殿する位置を画定し、その上流に存在するオイルの量に応じて前記位置から前記オイル供給タンクへオイルを制御可能に戻すような装置を更に有することを特徴とする請求項57に記載の液体チラー。
  59. 前記オイル戻し制御装置及び、前記蒸発器から前記圧縮機に供給された吸込ガスから分離されたオイルが沈殿する前記圧縮機の前記位置によって画定される保持容積を更に含み、前記オイル戻し制御装置が、前記保持容積と前記オイル供給タンクの間に配置された逆止弁を含むことを特徴とする請求項58に記載の液体チラー。
  60. エコノマイザを更に含み、前記エコノマイザが冷媒を第1の圧力にて前記凝縮器から受け入れ、前記エコノマイザが冷媒ガスを前記圧縮機に、液冷媒を前記蒸発器にそれぞれ前記第1の圧力よりも低い圧力にて供給することを特徴とする請求項57に記載の液体チラー。
  61. 前記第1及び第2のポンプ機構が物理的に前記凝縮器の下側に配置され、前記第1及び第2のポンプ機構が一般に単一のモータにより駆動されることを特徴とする請求項57に記載の液体チラー。
  62. マニホールドを更に有し、前記マニホールドが前記圧縮機及び前記オイル供給タンクに連通し、前記マニホールドが、前記圧縮機を潤滑するために用いられた後のオイルを受容し、オイル及びそれに混入した冷媒を互いに分離するような容量を画定し、前記マニホールド内にて冷媒から分離されたオイルが前記オイル供給タンクに戻され、前記マニホールドにて前記オイルから分離された冷媒がそれと同圧或いは低圧力下にある前記チラー内の位置に向けてベントされることを特徴とする請求項57に記載の液体チラー。
  63. 圧縮機と、圧縮機駆動モータと、凝縮器と、蒸発器と、オイル供給タンクとを有する遠心液体チラーに於いて圧縮機軸受を潤滑し、圧縮機駆動モータを冷却するための方法であって、
    前記遠心液体チラーは、潤滑のために前記オイル供給タンクから前記圧縮機に向けてオイルを供給し、前記モータ冷却のために前記凝縮器から前記モータに向けて圧力差を利用せずに冷媒を供給する、二重の機能を有するポンプをさらに有し、
    前記ポンプを用いて前記モータを冷却するために液冷媒を前記凝縮器から前記圧縮機駆動モータにポンプする冷媒ポンプ過程と、
    前記冷媒ポンプ過程に於いて前記駆動モータにポンプされた冷媒を前記凝縮器に戻す過程と、
    前記ポンプを用いて前記軸受を潤滑するために前記オイル供給タンクから前記圧縮機に向けてオイルをポンプするオイルポンプ過程と、
    軸受を潤滑するために前記圧縮機にポンプされたオイルを前記オイル供給タンクに戻す過程と、
    前記蒸発器から前記圧縮機に供給された冷媒から分離され、前記圧縮機の或る位置に沈殿したオイルを前記オイル供給タンクに制御可能に戻す過程とを有することを特徴とする方法。
  64. 前記駆動モータの速度を制御する過程と、液冷媒を前記凝縮器から前記モータの速度制御装置にポンプすることにより前記速度制御装置を冷却する過程と、前記速度制御装置にポンプされた冷媒を前記凝縮器に戻す過程とを有することを特徴とする請求項63に記載の方法。
  65. 前記圧縮機から前記オイル供給タンクにオイルを制御可能に戻す過程が、オイルが前記オイル供給タンクに供給されるに先立って前記圧縮機から前記オイル供給タンクに戻されるオイルに混入した冷媒を分離する過程と、前記オイル供給タンクに戻されるオイルから分離された前記冷媒を前記チラーの冷凍サイクルに戻す過程とを有することを特徴とする請求項63に記載の方法。
  66. 前記ポンプが、前記オイルポンプ過程に於いて、オイルをポンプする第1のポンプ機構及び前記冷媒ポンプ過程に於いて液冷媒をポンプする第2のポンプ機構を有し、前記第1のポンプ機構と前記第2のポンプ機構とを単一のモータにより駆動する過程を更に含むことを特徴とする請求項63に記載の方法。
  67. オイルを前記圧縮機から前記オイル供給タンクに制御可能に戻す過程が、前記コンプから前記オイル供給タンクに向けてオリフィスを介してオイルを連続的に計量する過程を含むことを特徴とする請求項63に記載の方法。
  68. 前記凝縮器から前記蒸発器に供給された液冷媒の一部をエコノマイザに於いてフラッシュさせる過程と、前記フラッシュガスを前記圧縮機に供給する過程とを更に有することを特徴とする請求項63に記載の方法。
  69. 前記オイルポンプ過程に於いてポンプされたオイルを前記エコノマイザ内にて冷却する過程を更に有することを特徴とする請求項68に記載の方法。
  70. 前記チラーの前記蒸発器の下部に沈殿するオイルと液冷媒の混合物を前記オイル供給タンクに戻す過程と、前記混合物を、それが前記蒸発器から排出された後であって前記オイル供給タンクに供給される前に減速することによりそれに含まれる異物を下向きに沈殿させる過程と、前記混合物内を下向きに沈殿する異物を捕捉することにより該異物が前記オイル供給タンクに送り込まれないようにする過程とを有することを特徴とする請求項63に記載の方法。
  71. オイルを前記圧縮機から前記オイル供給タンクに戻す過程が、保持容積を画定する過程と、オイルを、オイルが沈殿する前記圧縮機内の前記位置から前記オイル供給タンクに戻される前に前記保持容積に供給する過程とを有することを特徴とする請求項63に記載の方法。
  72. 前記圧縮機から前記オイル供給タンクにオイルを制御可能に戻す過程が、前記保持容積が所定量のオイルを貯容した時に、前記保持容積を前記オイル供給タンクに連通させる過程を含むことを特徴とする請求項71に記載の方法。
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