JP7077903B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
この形態によれば、第1部材及びロータの回転による遠心力によって、第1部材及びロータの周囲における流体は、第1部材及びロータとギャップを空けてステータの内周に配置された第2部材へ向かう。第1部材は、軸方向における一方側から他方側へ向けて外径が次第に拡大する部位を有し、第2部材は、第1部材における外径が次第に拡大する部位に対向する部分の内径が、一方側から他方側へ向けて次第に拡大するので、第1部材から第2部材へ向かい第2部材へ衝突した流体には、軸方向一方側から他方側へ向かう速度成分が生じる。一方側から他方側へ向かう速度成分が生じた流体は、第1部材及びロータと、第2部材とへの衝突を繰り返して、一方側から他方側へ向かって、第1部材及びロータと第2部材とのギャップを流れる。したがって、ロータの外周に、一方側から他方側へ向かう流体の流れを発生させることができるので、ロータの冷却効率を高めることができる。
(2)上記形態において、前記ロータと前記第1部材のうち少なくとも一方の外周面と、前記第2部材の内周面と、のうち少なくとも一方には、前記ギャップにおける流体を整流する整流構造が形成されていてもよい。
この形態によれば、ギャップにおける流体を整流することができる。そのため、ロータの冷却効率をより高めることができる。
(3)上記形態において、前記第1部材は、前記ロータにおける前記一方側の端部に接触する第1スペーサを含んでもよい。
この形態によれば、ロータにおける一方側の端部に接触する第1スペーサと第2部材とを用いて、ロータの外周に、一方側から他方側へ向かう流体の流れを発生させることができる。
(4)上記形態において、前記第1部材は、前記ロータにおける前記他方側の端部に接触する第2スペーサを含んでもよい。
この形態によれば、ロータの他方側の端部に接触する第2スペーサと第2部材とを用いて、ロータの外周に、一方側から他方側へ向かう流体の流れを発生させることができる。
(5)上記形態において、前記第1部材は、前記回転軸の径方向に突出するフランジを含んでもよい。
この形態によれば、回転軸のフランジと第2部材とを用いて、ロータの外周に、一方側から他方側へ向かう流体の流れを発生させることができる。
(6)上記形態において、前記第1部材は、前記ロータの一部であってもよい。
この形態によれば、ロータの一部と第2部材とを用いて、ロータの外周に、一方側から他方側へ向かう流体の流れを発生させることができる。
(7)上記形態において、前記ギャップは、前記第1部材における前記一方側の端部の外径の0.5%以上かつ5%以下である、回転電機。
この形態によれば、ロータの冷却効率をより高めることができる。
図1は、一実施形態としての圧縮装置200の概略断面図である。圧縮装置200は、いわゆる遠心式電動コンプレッサである。本実施形態において、圧縮装置200は、図示しない燃料電池スタックに、圧縮された空気を供給する。燃料電池スタックは、水素と、圧縮装置により供給された空気中の酸素と、の電気化学反応により発電する。
図7は、第2実施形態におけるモータ部100aの備える第1部材60aの概略図である。図8は、図7のVIII-VIII断面図である。以降の説明では、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を用い、説明を省略する。本実施形態におけるモータ部100aが第1実施形態におけるモータ部100と異なる点は、第1部材60aの外周面61に、凸部62が形成されている点である。凸部62は、図6で示したCAE解析結果による流体の流れる方向に沿うように、第1部材60aの外周面61に形成されている。第1部材60aは、他方側に底面を有する略円錐台の形状を有する。凸部62を、ギャップGにおける流体を整流する「整流構造」とも呼ぶ。
図9は、第3実施形態における圧縮装置200bの概略断面図である。本実施形態における圧縮装置200bのモータ部100bが第1実施形態におけるモータ部100と異なる点は、回転軸31bが径方向に突出するフランジ60bを有している点である。フランジ60bの外径は、軸方向における一方側から他方側へ向けて次第に拡大する。フランジ60bの他方側の端部は、ロータ32の一方側の端部に接触する。本実施形態において、フランジ60bを「第1部材」とも呼ぶ。フランジ60b及び第2部材70は、ロータ32の外周に、一方側から他方側へ向かう流体の流れを発生させる。
図10は、第4実施形態における圧縮装置200cの概略断面図である。本実施形態における圧縮装置200cのモータ部100cが第1実施形態におけるモータ部100と異なる点は、ロータ32cが、一方側から他方側へ向けて外径が次第に拡大する部位60cを有する点である。本実施形態において、ロータ32cの一部である部位60cを「第1部材」とも呼ぶ。部位60c及び第2部材70は、ロータ32cの外周に、一方側から他方側へ向かう流体の流れを発生させる。
E1.他の実施形態1
上述の実施形態では、第1部材60、60a、80は、一方側から他方側へ向けて外径が次第に拡大する部位を有している。これに対し、第1部材60、60aと第1部材80とのうちいずれか一方が、軸方向一方側から他方側へ向けて外径が次第に拡大する部位を有していれば、ロータ32の外周に一方側から他方側へ向かう流体の流れを発生させることができる。
図11は、他の実施形態2におけるモータ部100dが備える第1部材60d付近の拡大断面図である。図11に示す第1部材60dは、複数のスペーサ60d1、60d2から構成されている。スペーサ60d1の外径は一方側から他方側へ向けて次第に拡大しており、スペーサ60d2の外径は一定である。スペーサ60d2は、ロータ32と接触する端部における外周面の形状は、ロータ32の外周面の形状と連続している。この形態によっても、上述の実施形態と同様に、ロータ32の冷却効率を高めることができる。なお、第1部材80、第2部材70も、第1部材60dと同様に、分割された構成であってもよい。
図12は、他の実施形態3におけるモータ部100eが備える第1部材60e付近の拡大断面図である。図12に示す第1部材60eは、一方側の端部から、ロータ32の端部と接触する他方側の端部に向けて、外径が次第に拡大するように、外周面が湾曲している。このような形状の第1部材60eを用いても、上述の実施形態と同様に、ロータ32の冷却効率を高めることができる。なお、第2部材70における第1部材60eに対向する部分も、一方側から他方側へ向けて、内径が次第に拡大するように、内周面が湾曲していてもよい。
上述の実施形態では、第2部材70は、ステータコア41内に嵌め込まれた部材である。これに対し、コイル42をステータコア41に固定するための樹脂モールドの形状を、第1部材60、60a、60d、60e、80及びロータ32、32cの外周面の形状に沿うように形成し、樹脂モールドの一部を、第2部材70として用いてもよい。
上述の実施形態において、ギャップGを流れる流体は、モータハウジング90内にオイル供給流路91から供給されたオイルに限らず、気体であってもよい。圧縮装置200、200b、200cは、空気軸受けを有するオイルフリータイプの圧縮装置であってもよい。
上述の実施形態において、ギャップGは、第1部材60の一方側の端部における外径に対して、0.5%以上かつ5%以下の範囲である。これに対し、ギャップGは、ロータ32、32cの外周に一方側から他方側へ向かう流体の流れを発生させつつ、一方側から他方側へ向かう速度成分が大きくなるように、第1部材60の一方側の端部における外径や、ギャップGを流れる流体の粘度や、ロータ32、32cの回転数を用いて、実験やシミュレーションによって求められた値であってもよい。また、ギャップGは、一方側から他方側へ向かって一定でなくともよい。
上述の実施形態で説明した流体制御機構は、ジェネレータに備えられていてもよく、外部装置によって回転されるロータ32、32cの外周を冷却してもよい。
Claims (7)
- 回転電機であって、
回転軸の外周に配置され前記回転軸とともに回転可能なロータと、
前記ロータを内包するステータと、
前記ロータの外周に、前記回転軸の軸方向における一方側から他方側へ向かう流体の流れを発生させる流体制御機構と、を備え、
前記流体制御機構は、
前記回転軸の外周に配置され前記回転軸とともに回転可能であり、前記一方側から前記他方側へ向けて外径が次第に拡大する部位を有し、外周面の形状が前記ロータの前記軸方向の端部における外周面の形状と連続する第1部材と、
前記第1部材及び前記ロータとギャップを空けて前記ステータの内周に配置された第2部材であって、前記第1部材における前記外径が次第に拡大する部位に対向する部分において、前記一方側から前記他方側へ向けて内径が次第に拡大する第2部材と、を有する、
回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機であって、
前記ロータと前記第1部材のうち少なくとも一方の外周面と、前記第2部材の内周面と、のうち少なくとも一方には、前記ギャップにおける流体を整流する整流構造が形成されている、回転電機。 - 請求項1又は請求項2に記載の回転電機であって、
前記第1部材は、前記ロータにおける前記一方側の端部に接触する第1スペーサを含む、回転電機。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の回転電機であって、
前記第1部材は、前記ロータにおける前記他方側の端部に接触する第2スペーサを含む、回転電機。 - 請求項1又は請求項2に記載の回転電機であって、
前記第1部材は、前記回転軸の径方向に突出するフランジを含む、回転電機。 - 請求項1又は請求項2に記載の回転電機であって、
前記第1部材は、前記ロータの一部である、回転電機。 - 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の回転電機であって、
前記ギャップは、前記第1部材における前記一方側の端部の外径の0.5%以上かつ5%以下である、回転電機。
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