JP3117767B2 - めっきタングステン線材および線引き方法 - Google Patents
めっきタングステン線材および線引き方法Info
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- JP3117767B2 JP3117767B2 JP03346758A JP34675891A JP3117767B2 JP 3117767 B2 JP3117767 B2 JP 3117767B2 JP 03346758 A JP03346758 A JP 03346758A JP 34675891 A JP34675891 A JP 34675891A JP 3117767 B2 JP3117767 B2 JP 3117767B2
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- Metal Extraction Processes (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タングステン線材およ
びその線引き方法に関する。
びその線引き方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タングステンは、その優れた耐熱性のた
めに、イオン化線等の用途において、広く用いられてい
る。
めに、イオン化線等の用途において、広く用いられてい
る。
【0003】しかし、タングステン線は、空気中で酸化
しやすく、また、手で直接触るだけで、手に付着してい
るナトリウムなどで腐食、断線するほどアルカリに対す
る耐久性が弱い。
しやすく、また、手で直接触るだけで、手に付着してい
るナトリウムなどで腐食、断線するほどアルカリに対す
る耐久性が弱い。
【0004】そのため、実際にタングステン線を使用す
る際には、クラッド、めっき等により、その表面を保護
していた。例えば、白金クラッドタングステン線、白金
めっき線(特開平3−135456号を参照のこと)が
ある。
る際には、クラッド、めっき等により、その表面を保護
していた。例えば、白金クラッドタングステン線、白金
めっき線(特開平3−135456号を参照のこと)が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、白金クラッド
タングステン線は、極めて高い耐アルカリ性を実現する
ことはできるが、コストが高くなるという問題があっ
た。
タングステン線は、極めて高い耐アルカリ性を実現する
ことはできるが、コストが高くなるという問題があっ
た。
【0006】一方、めっきによる保護は、コスト面から
は有利であるが、ピンホ−ルの存在により、めっき材が
本来有する耐食性を十分に発揮できていなかった。特
に、内部応力による歪みが大きく、厚いめっき層を形成
することが困難な白金めっきでは、ピンホ−ルの影響が
大きかった。
は有利であるが、ピンホ−ルの存在により、めっき材が
本来有する耐食性を十分に発揮できていなかった。特
に、内部応力による歪みが大きく、厚いめっき層を形成
することが困難な白金めっきでは、ピンホ−ルの影響が
大きかった。
【0007】ピンホ−ルを無くすためには、線引きを行
うことが考えられるが、めっきは強度的に弱いため、タ
ングステンなどのような硬い材料にめっきを施した線材
については線引きを行うことができなかった。
うことが考えられるが、めっきは強度的に弱いため、タ
ングステンなどのような硬い材料にめっきを施した線材
については線引きを行うことができなかった。
【0008】本発明の目的は、十分な耐アルカリ性を有
し且つ低コストのタングステン材料、特にめっきタング
ステン線材およびその線引き方法を提供することを目的
とする。
し且つ低コストのタングステン材料、特にめっきタング
ステン線材およびその線引き方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたもので、その一態様としては、タン
グステン材と、該タングステン材表面に形成された金を
含む第1めっき層と、該第1層上に形成されたニッケル
または白金を含む第2めっき層とを有するタングステン
線材の線引き方法であって、ダイスの温度を100℃〜
950℃の間の温度に制御しつつ線引きを行うことを特
徴とするめっきタングステン線材の線引き方法が提供さ
れる。
するためになされたもので、その一態様としては、タン
グステン材と、該タングステン材表面に形成された金を
含む第1めっき層と、該第1層上に形成されたニッケル
または白金を含む第2めっき層とを有するタングステン
線材の線引き方法であって、ダイスの温度を100℃〜
950℃の間の温度に制御しつつ線引きを行うことを特
徴とするめっきタングステン線材の線引き方法が提供さ
れる。
【0010】
【0011】本発明の他の態様としては、タングステン
材と、該タングステン材表面に形成された金を含む第1
めっき層と、該第1層上に形成されたニッケルを含む第
2めっき層と、上記第2層上に形成された金を含む第3
めっき層と、上記第3層上に形成された白金を含む第4
めっき層とを有するタングステン線材の線引き方法であ
って、ダイスの温度を100℃〜950℃に制御しつつ
線引きを行うことを特徴とするめっきタングステン線材
の線引き方法が提供される。
材と、該タングステン材表面に形成された金を含む第1
めっき層と、該第1層上に形成されたニッケルを含む第
2めっき層と、上記第2層上に形成された金を含む第3
めっき層と、上記第3層上に形成された白金を含む第4
めっき層とを有するタングステン線材の線引き方法であ
って、ダイスの温度を100℃〜950℃に制御しつつ
線引きを行うことを特徴とするめっきタングステン線材
の線引き方法が提供される。
【0012】本発明の他の態様としては、タングステン
材と、該タングステン材表面に形成された金を含む第1
めっき層と、該第1めっき層上に形成されたニッケルを
含む第2めっき層と、上記第2めっき層上に形成された
金を含む第3めっき層と、上記第3めっき層上に形成さ
れた白金を含む第4めっき層とを有し、さらに、線引き
したことを特徴とするめっきタングステン線材が提供さ
れる。
材と、該タングステン材表面に形成された金を含む第1
めっき層と、該第1めっき層上に形成されたニッケルを
含む第2めっき層と、上記第2めっき層上に形成された
金を含む第3めっき層と、上記第3めっき層上に形成さ
れた白金を含む第4めっき層とを有し、さらに、線引き
したことを特徴とするめっきタングステン線材が提供さ
れる。
【0013】本発明の他の態様としては、タングステン
材と、該タングステン材表面に形成された金を含む第1
めっき層と、該第1めっき層上に形成されたニッケルを
含む第2めっき層と、上記第2めっき層上に形成された
金を含む第3めっき層と、上記第3めっき層上に形成さ
れた、白金を含みかつ繊維状組織を有する第4めっき層
とを有することを特徴とするめっきタングステン線材が
提供される。
材と、該タングステン材表面に形成された金を含む第1
めっき層と、該第1めっき層上に形成されたニッケルを
含む第2めっき層と、上記第2めっき層上に形成された
金を含む第3めっき層と、上記第3めっき層上に形成さ
れた、白金を含みかつ繊維状組織を有する第4めっき層
とを有することを特徴とするめっきタングステン線材が
提供される。
【0014】
【0015】タングステン表面に金めっき層を形成した
上から、ニッケル、白金のめっきを行った場合には、ダ
イスの温度を100℃〜950℃に制御しつつ線引きを
行う。
上から、ニッケル、白金のめっきを行った場合には、ダ
イスの温度を100℃〜950℃に制御しつつ線引きを
行う。
【0016】
【実施例】本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
【0017】本実施例の線引きの対象となるタングステ
ン線材は、白金めっきタングステン線である。
ン線材は、白金めっきタングステン線である。
【0018】該白金めっきタングステン線材は、タング
ステンの表面に、金、ニッケル、金、白金を、該順番に
めっきにより形成したものである。
ステンの表面に、金、ニッケル、金、白金を、該順番に
めっきにより形成したものである。
【0019】線引き方法を図1を参照しつつ説明する。
【0020】線引きは、上記白金めっきタングステン線
材xを、ダイス1を、通して引くことにより行う。この
際に、ダイスそのものの温度をヒ−タ2等により制御し
つつ線引きを行う。本実施例の白金めっきタングステン
線材については、100℃〜950℃の間の温度に制御
する。
材xを、ダイス1を、通して引くことにより行う。この
際に、ダイスそのものの温度をヒ−タ2等により制御し
つつ線引きを行う。本実施例の白金めっきタングステン
線材については、100℃〜950℃の間の温度に制御
する。
【0021】なお、タングステンの表面にストライクめ
っきにより金層を形成した上から、ニッケルめっき、あ
るいは、白金めっきを行った線材についても、同様にダ
イスの温度を100℃〜950℃の間のいずれかの温度
に制御して線引きを行う。
っきにより金層を形成した上から、ニッケルめっき、あ
るいは、白金めっきを行った線材についても、同様にダ
イスの温度を100℃〜950℃の間のいずれかの温度
に制御して線引きを行う。
【0022】また、タングステンの表面に直接、ニッケ
ルめっき、あるいは、白金めっきを行った線材について
は、ダイスの温度を100℃〜700℃の間のいずれか
の温度に制御して線引きを行う。
ルめっき、あるいは、白金めっきを行った線材について
は、ダイスの温度を100℃〜700℃の間のいずれか
の温度に制御して線引きを行う。
【0023】なお、この温度の範囲の下限である100
℃という値は、タングステンに割れなどの悪影響がでな
いことを基準として決定されたものである。例えば、通
常の冷間線引きを行った場合、すなわち、約40〜50
℃では、タングステン線に割れが生じてしまう。
℃という値は、タングステンに割れなどの悪影響がでな
いことを基準として決定されたものである。例えば、通
常の冷間線引きを行った場合、すなわち、約40〜50
℃では、タングステン線に割れが生じてしまう。
【0024】一方、温度範囲の上限である700℃、9
50℃という値は、ニッケルや白金のタングステン中へ
の拡散を考慮して決定されたものである。つまり、タン
グステンへ直接、ニッケルめっき、白金めっきを行った
場合には、約700℃以上の温度では、拡散の影響によ
りタングステンがもろくなってしまう。しかし、金をス
トライクめっきしてやれば、拡散が抑制されて、950
℃程度までは影響がでない。
50℃という値は、ニッケルや白金のタングステン中へ
の拡散を考慮して決定されたものである。つまり、タン
グステンへ直接、ニッケルめっき、白金めっきを行った
場合には、約700℃以上の温度では、拡散の影響によ
りタングステンがもろくなってしまう。しかし、金をス
トライクめっきしてやれば、拡散が抑制されて、950
℃程度までは影響がでない。
【0025】以上説明した上記実施例においては、めっ
きタングステン線材の断線、めっき剥がれなどを生じる
ことなく、線引きを行うことができる。
きタングステン線材の断線、めっき剥がれなどを生じる
ことなく、線引きを行うことができる。
【0026】また、線引きを行ったことによりピンホ−
ルが極めて少なく、耐食性が高い白金めっきタングステ
ン線材が提供される。また、線引きしたことにより、表
面が極めて滑らか且つ平坦となるため、線材表面の状態
が機器の特性に影響するような用途、例えば、イオン化
線、において特に有用である。さらには、線引きをする
こと自体が、めっきの密着性の試験ともなるため、不良
品が市場にそのまま出荷されることを防ぐことができ
る。
ルが極めて少なく、耐食性が高い白金めっきタングステ
ン線材が提供される。また、線引きしたことにより、表
面が極めて滑らか且つ平坦となるため、線材表面の状態
が機器の特性に影響するような用途、例えば、イオン化
線、において特に有用である。さらには、線引きをする
こと自体が、めっきの密着性の試験ともなるため、不良
品が市場にそのまま出荷されることを防ぐことができ
る。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明のめっきタン
グステン線材は、ピンホ−ルによる影響が極めて少な
く、耐食性が高い。また、線引きしたことにより、表面
が極めて滑らか且つ平坦となるため、線材表面の状態が
機器の特性に影響するような用途、例えば、イオン化
線、において特に有用である。
グステン線材は、ピンホ−ルによる影響が極めて少な
く、耐食性が高い。また、線引きしたことにより、表面
が極めて滑らか且つ平坦となるため、線材表面の状態が
機器の特性に影響するような用途、例えば、イオン化
線、において特に有用である。
【図1】本発明の一実施例であるめっきタングステン線
材の線引き方法を示す説明図である。
材の線引き方法を示す説明図である。
1:ダイス、2:ヒ−タ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 1/00 B21C 9/00
Claims (4)
- 【請求項1】タングステン材と、該タングステン材表面
に形成された金を含む第1めっき層と、該第1層上に形
成されたニッケルまたは白金を含む第2めっき層とを有
するタングステン線材の線引き方法であって、 ダイスの温度を100℃〜950℃の間の温度に制御し
つつ線引きを行うことを特徴とするめっきタングステン
線材の線引き方法。 - 【請求項2】タングステン材と、該タングステン材表面
に形成された金を含む第1めっき層と、該第1層上に形
成されたニッケルを含む第2めっき層と、上記第2層上
に形成された金を含む第3めっき層と、上記第3層上に
形成された白金を含む第4めっき層とを有するタングス
テン線材の線引き方法であって、 ダイスの温度を100℃〜950℃に制御しつつ線引き
を行うことを特徴とするめっきタングステン線材の線引
き方法。 - 【請求項3】タングステン材と、該タングステン材表面
に形成された金を含む第1めっき層と、該第1めっき層
上に形成されたニッケルを含む第2めっき層と、上記第
2めっき層上に形成された金を含む第3めっき層と、上
記第3めっき層上に形成された白金を含む第4めっき層
とを有し、さらに、線引きしたことを特徴とするめっき
タングステン線材。 - 【請求項4】タングステン材と、該タングステン材表面
に形成された金を含む第1めっき層と、該第1めっき層
上に形成されたニッケルを含む第2めっき層と、上記第
2めっき層上に形成された金を含む第3めっき層と、上
記第3めっき層上に形成された、白金を含みかつ繊維状
組織を有する第4めっき層とを有すること、 を特徴とするめっきタングステン線材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03346758A JP3117767B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | めっきタングステン線材および線引き方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03346758A JP3117767B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | めっきタングステン線材および線引き方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05177246A JPH05177246A (ja) | 1993-07-20 |
JP3117767B2 true JP3117767B2 (ja) | 2000-12-18 |
Family
ID=18385621
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03346758A Expired - Fee Related JP3117767B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | めっきタングステン線材および線引き方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3117767B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3164535B2 (ja) * | 1997-07-24 | 2001-05-08 | 日本電子材料株式会社 | プローブ先端部の改質方法 |
JP3910933B2 (ja) * | 2003-04-09 | 2007-04-25 | 本田技研工業株式会社 | 金属製薄板の切断装置 |
-
1991
- 1991-12-27 JP JP03346758A patent/JP3117767B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05177246A (ja) | 1993-07-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |