JP2845243B2 - 架空配電線用導体 - Google Patents

架空配電線用導体

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JP2845243B2 JP63318920A JP31892088A JP2845243B2 JP 2845243 B2 JP2845243 B2 JP 2845243B2 JP 63318920 A JP63318920 A JP 63318920A JP 31892088 A JP31892088 A JP 31892088A JP 2845243 B2 JP2845243 B2 JP 2845243B2
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和夫 澤田
忍 高橋
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Tokyo Electric Power Co Inc
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、架空配電線用導体に関し、特に電柱間等
に架線される架空配電線用導体に関するものである。
[従来の技術] 電柱間などに架線させる架空配電線用導体としては、
従来から硬銅線が使用されており、集合した複数本の硬
銅線は撚り合わせられて使用される。
[発明が解決しようとする課題] 撚り合わせられた各硬銅線の表面には、撚りを解除し
ようとする撚線反発力が必然的に生じる。この撚線反発
力は、各硬銅線の表面上に引張り残留応力として現われ
る。また、さらに各硬銅線には、ドラムに巻かれていた
ときについた巻き癖に起因する残留応力が存在すること
もある。
従来の架空配電線では、上述のような残留応力が1つ
の要因となって断線を生じることがあった。すなわち、
配電線の被覆層内部に雨水が浸入したりすると、腐食し
やすい環境となり、硬銅線表面に酸化被膜が形成したり
する。このような腐食環境と上述の残留応力とが互いに
影響し合うと硬銅線に応力腐食割れが生じ、その結果断
線にまで至る。
架空配電線用導体として軟銅線を用いれば、上述のよ
うな残留応力は小さいので応力腐食割れ現象の生ずる可
能性は少なくなる。しかし、その反面引張り強さの低下
は免れず、そのため実際上軟銅線を架空配電線用導体と
して用いることはできない。
それゆえに、この発明の目的は、引張り強さを維持す
るとともに、応力腐食割れ現象を生じさせない架空配電
線用導体を提供することにある。
[課題を解決するための手段およびその作用効果] 架空配電線用導体として、耐食性の優れたTiを用いれ
ば硬銅線に比べて耐食性を改善することができるのであ
るが、Tiは導電性に劣るため銅線と同じ電流を流すため
には線径を銅線より太くする必要があり実用的ではな
い。そこで、耐食性の優れた架空配電線用導体を得るた
めに、硬銅線の表面に耐食性の優れたTiの被覆層を設け
ることが考えられる。硬銅線のような金属の表面に他の
金属を被覆する一般的な方法は、電気めっきであるが、
Tiは析出電位が極めて低く、電気めっきは適用できな
い。また、同じく金属被膜の一般的手法である蒸着法
は、Tiの融点が1660℃と高いため、この蒸着法も適用し
難い。本発明者等は、スパッタリング法によれば、硬銅
線の表面にTiの被覆層を設けることができ、このような
Ti被覆層を有する硬銅線が優れた耐食性を示すことを見
い出した。
すなわち、この発明は、硬銅線の表面にスパッタリン
グ法によって、0.1〜10μmの厚さのTi被覆層を生成
し、この導体素線を複数本集合して撚線にしたことを特
徴としている。
この発明に従った配電線用導体は、第1図に示すよう
に、硬銅線1の表面にスパッタリング法によって、0.1
〜10μmの厚さのTi被覆層2を生成し、この導体素線を
複数本集合して撚線3にすることを特徴としている。
スパッタリング法によって形成されたTi被覆層にはピ
ンホールが存在せず、またその付着強度も大きい。した
がって、導体素線は優れた耐食性を有し、たとえその周
囲が腐食しやすい環境となっても銅の酸化被膜が生成す
ることはない。その結果、前述したような応力腐食割れ
は完全に防止される。
また、スパッタリング法によれば、硬銅線の温度を高
めることなくTiを密着させることができるので、CVD法
等よりも好適である。
被覆層としてTiを用いるのは、Tiが耐食性に優れ、か
つ銅との境界部分において腐食が生じにくく、長期にわ
たって被覆層の耐久性を維持し得るからである。また、
Ti被覆層の厚さを0.1〜10μmとしたのは、0.1μm未満
の厚さであれば、たとえスパッタリング法によってもピ
ンホールの発生を防止することができないからである。
一方、10μmを越えるような厚さであれば、耐食効果は
飽和し、いたずらに被覆形成のための時間が多くなり経
済的でなくなるからである。
スパッタリングの施される硬銅線は、線材を冷間伸線
加工することによって得られる。そのため、最終的に得
られた導体素線の中心部は、長手方向に長く延びた伸線
加工組織を有している。したがって、各導体素線は、そ
の引張り強度が比較的大きく、架空配電線用導体として
の使用に耐え得るだけの引張り強さを維持し得る。
第2図は、スパッタリングを実施するための装置の一
例を示す概略図である。
サプライ14から引出された硬銅線19は、エッチング室
11,中間間12,スパッタ室13を経て巻取り15で巻取られ
る。その間、エッチング室11ではArプラズマ処理を施
し、硬銅線の表面を清浄とし、スパッタ室13では0.1〜1
0μmのTi被覆層を形成する。各室の境界部分には線径
とほぼ同サイズの小孔を設けて硬銅線が通過できるよう
にするとともに、各室の圧力調整を容易にしてある。な
お6,7,8は排気装置への排気口である。
スパッタリング法としては、特に限定されるものでは
ないが、たとえば複数個のターゲットを有するマグネト
ロンスパッタリングを使用できる。
この発明の架空配電線用導体は、以上のように優れた
耐食性を有しているので、応力腐食割れを生じることは
ない。
[実施例] 第2図に示した装置を用い、スパッタリングを行な
い、線径2mmの硬銅線上にTiを被覆した。この被覆後の
硬銅線を5cmの長さだけ切り取り、両端を樹脂で封止し
て、温度60℃の腐食液中に浸漬した。腐食液の組成は、
CuCl2 8.3mmol/l、CuSO4 7.5mmol/l、Cu(NO3)2 0.35mmo
l/lおよびNH3 30.5mmol/lであり、HClによりpH3.5に調
整したものを用いた。
この浸漬した硬銅線の表面状態を経時的に観察したと
ころ、60時間までは全く表面に、剥離やクラックは発生
せず、銅線の腐食も全く認められなかった。
なお、比較としてTiを被覆していない銅板を上述の実
施例と同様の腐食液中に浸漬した。浸漬後、表面から腐
食が開始し、銅が溶出するのが観察された。重量変化か
ら、銅の腐食減量を求めたところ、60時間で約60g/m2
あった。なお、この腐食試験における60時間の値は、実
際の環境における銅の腐食に換算すると、30年以上に相
当する。
以上のように、Tiをスパッタリングにより被覆した硬
銅線は、優れた耐食性を示すことが確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明に従う架空配電線用導体の断面図で
ある。第2図は、スパッタリングを実施するための装置
の一例を示す概略図である。 図において、1は硬銅線、2はTi被覆層、3は撚線を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏木 亨 大阪府大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−138607(JP,A) 実開 昭60−9115(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 5/02,5/08 - 5/10 H01B 13/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬銅線の表面にスパッタリング法によって
    0.1〜10μmの厚さのTi被覆層を生成し、この導体素線
    を複数本集合して撚線にすることを特徴とする、架空配
    電線用導体。
  2. 【請求項2】前記導体素線の中心部は、伸線加工組織を
    有している、請求項1記載の架空配電線用導体。
  3. 【請求項3】前記スパッタリング法は、複数個のターゲ
    ットを有するマグネトロンスパッタリングである、請求
    項1または2記載の架空配電線用導体。
JP63318920A 1988-12-16 1988-12-16 架空配電線用導体 Expired - Lifetime JP2845243B2 (ja)

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JPH02165507A JPH02165507A (ja) 1990-06-26
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JPS609115U (ja) * 1983-06-29 1985-01-22 藤好 克聡 端子

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