JPH08111122A - 耐食性増容量架空送電線 - Google Patents

耐食性増容量架空送電線

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JPH08111122A
JPH08111122A JP24422194A JP24422194A JPH08111122A JP H08111122 A JPH08111122 A JP H08111122A JP 24422194 A JP24422194 A JP 24422194A JP 24422194 A JP24422194 A JP 24422194A JP H08111122 A JPH08111122 A JP H08111122A
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JP
Japan
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titanium
layer
wire
coated
aluminum alloy
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JP24422194A
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Satoshi Iwase
聡 岩瀬
Hiroshi Shigeno
博 重野
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐食性が優れていると共に電流容量が大き
く、工業地域及び海岸部又は狩猟地帯等で使用するのに
好適の耐食性増容量架空送電線を提供する。 【構成】 インバ線1にアルミニウム若しくはアルミニ
ウム合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金からなる中間層2を
被覆し、更にこの中間層2の周囲にチタン又はチタン合
金からなるチタン最外層3を被覆した2層被覆インバ線
4を複数本束ねてテンションメンバーとし、このテンシ
ョンメンバーの周囲に、複数本の超耐熱(又は特別耐
熱)アルミニウム合金線5を配置する。2層被覆インバ
線4の断面におけるチタン最外層3の占積率は5乃至3
0%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工業地域及び海岸部等
のように通常の架空送電線では腐食が激しい地域で使用
するのに好適の耐食性増容量架空送電線に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の架空送電線の一例(鋼心ア
ルミニウム撚り線;以下、ACSRという)を示す模式
図である。架空送電線は、複数本(通常、7本)の亜鉛
めっき鋼線又はアルミニウム被覆鋼線14により構成さ
れるテンションメンバー11と、このテンションメンバ
ー11の周囲に配置された複数本のアルミニウム又はア
ルミニウム合金線15により構成される第1のAl層1
2と、この第1のAl層12の周囲に配置された複数本
のアルミニウム又はアルミニウム合金線16により構成
される第2のAl層13とにより構成されている。
【0003】なお、通常、テンションメンバー11とし
ては断面形状が円形の亜鉛めっき鋼線又はアルミニウム
被覆鋼線14が使用されるが、第1及び第2のAl層1
2,13としては、断面形状が円形のアルミニウム又は
アルミニウム合金線15,16以外にも、断面が扇形の
アルミニウム又はアルミニウム合金線が使用されること
もある。
【0004】この種の架空送電線は、重量に対し導電率
が高いアルミニウム又はアルミニウム合金線を導体とし
ているため、比較的軽量であり、強度が高い鋼線をテン
ションメンバーとしているため、引張強さも高いという
長所を有している。
【0005】ところで、従来、工業地域及び海岸部等に
おいて使用される架空送電線には、架設される地帯にお
いて必要とされる防食性能に応じて以下に示すように防
食処理が施されている。
【0006】(1)重防食地帯用架空送電線 テンションメンバー11、第1及び第2のAl層12,
13を構成する各素線の隙間に防食グリースを充填す
る。
【0007】(2)中防食地帯用架空送電線 テンションメンバー11及び第1のAl層12を構成す
る各素線の隙間に防食グリースを充填する。
【0008】(3)軽防食地帯用架空送電線 テンションメンバー11を構成する各素線の隙間に防食
グリースを充填する。一方、近年、電力需要の増大に伴
って送電線の大容量化が要望されており、増容量架空送
電線が使用されるようになった。増容量架空送電線とし
ては、例えば熱膨張係数が小さいインバ線に亜鉛めっき
又はアルミニウム被覆を施して耐食性を向上させた亜鉛
めっきインバ線又はアルミニウム被覆インバ線によりテ
ンションメンバーを構成し、このテンションメンバーの
周囲に耐熱性が優れたアルミニウム合金線を配置したも
のが使用されている。この種の増容量架空送電線は、同
一サイズのACSRに比して、アルミニウム合金線の耐
熱性及びテンションメンバーの弛度特性が優れているた
め、許容電流が1.6〜2倍と大きい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の増容量架空送電線においては、耐食性が十分で
ないため、工業地帯及び海岸部での使用には適していな
いという問題点がある。従来の増容量架空送電線におい
て、耐食性を向上させるために、各素線の間に防食グリ
ースを充填することも考えられる。しかし、防食グリー
スには、時間の経過に伴って防食性が劣化すると共に、
耐候性が低く、更に耐熱温度が低いという難点がある。
また、防食グリースを充填した架空送電線においては、
通常使用されているケーブル付属品及び工具等が使用で
きないという欠点もある。
【0010】特に、増容量電線においては、電流密度が
高く、通常の架空電線に比して発熱量が多いため、耐熱
性の点から防食グリースを使用することはできない。例
えば、防食グリースの最高許容温度は、短時間(10分
間)の場合180℃であり、180℃以上の温度で10
分間以上保持されると流動化してしまう。一方、増容量
架空送電線に使用される超耐熱又は特別耐熱アルミニウ
ム合金の耐熱温度は、長時間耐熱(400時間)の場合
190〜230℃、短時間耐熱(1時間)の場合は22
0〜290℃であり、実際にこのような温度になること
も考えられるので、防食グリースでは流動化して防食性
を確保することができない。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、耐食性が優れていると共に電流容量が大き
く、工業地域及び海岸部で使用するのに好適な増容量架
空送電線を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る増容量架空
送電線は、インバ線の周囲にアルミニウム又はアルミニ
ウム合金中間層を被覆し更にこの中間層の周囲にチタン
又はチタン合金層を被覆した2層被覆インバ線により構
成されたテンションメンバーと、このテンションメンバ
ーの周囲に配置された複数本のアルミニウム合金線とを
有し、前記2層被覆インバ線の断面におけるチタン又は
チタン合金層の占積率が5乃至30%であることを特徴
とする。
【0013】なお、このアルミニム又はアルミニム合金
中間層の替わりに、亜鉛又は亜鉛合金中間層を形成する
こともできる。
【0014】また、テンションメンバーの周囲に配置さ
れる複数本の導電線としては、アルミニウム合金線に限
らず、アルミニウム合金線の周囲にチタン又はチタン合
金を被覆したチタン被覆アルミニウム合金を使用しても
良い。
【0015】本発明において、テンションメンバーの2
層被覆インバ線の断面におけるチタン又はチタン合金層
の占積率とは、チタン又はチタン合金層が最外層を被覆
する2層インバ線の長手方向に直交する断面における2
層被覆インバ線の断面積S0と、チタン又はチタン合金
層の断面積Sとの百分率による比(100×S/S0)
をいう。
【0016】これと同様に、導電線として配置されるチ
タン被覆アルミニウム合金線の断面におけるチタン又は
チタン合金層の占積率とは、チタン被覆アルミニウム合
金線の長手方向に直交する断面におけるチタン被覆アル
ミニウム合金線の断面積S0と、チタン又はチタン合金
層の断面積Sとの百分率による比(100×S/S0)
をいう。
【0017】
【作用】本発明においては、テンションメンバーとし
て、インバ線の周囲にアルミニウム若しくはアルミニウ
ム合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金を中間層として被覆
し、この中間層の周囲にチタン又はチタン合金層を被覆
した2層被覆インバ線を使用する。インバ線は、熱膨張
係数が小さいため、テンションメンバーとして使用する
と熱膨張による架空送電線の弛みを抑制することができ
る。また、チタン又はチタン合金は、耐食性及び耐候性
が優れているため、チタン又はチタン合金層(以下、チ
タン最外層という)でインバ線の最外層を被覆すること
により、インバ線の耐食性を著しく向上させることがで
きる。
【0018】また、仮に、チタン又はチタン合金被覆層
が直接インバ線を被覆している場合、電気化学的にみ
て、Tiはインバ線を犠牲陽極的に保護する効果がな
い。従って、この場合は、製造時又は施工時等におい
て、テンションメンバーの周面に傷がつき、チタン又は
チタン合金被覆層にクラックが入ると、このクラックを
介して腐食性の液体が侵入し、インバ線が腐食される虞
がある。
【0019】しかしながら、本発明においては、アルミ
ニウム若しくはその合金又は亜鉛若しくはその合金が中
間層としてインバ線とチタン又はチタン合金最外被覆層
との間に存在しているので、仮に、インバ線まで到達す
る傷が発生しても、電気防食作用が働き、インバ線が優
先的に腐食することは防止できる。
【0020】この場合に、最外層のチタン又はチタン合
金層の占積率は5乃至30%とすることが必要である。
チタン最外層の占積率が5%未満の場合は、チタン最外
層が薄すぎて架空送電線を湾曲させたときにチタン最外
層にクラックが入りやすいからである。一方、チタン最
外層の占積率が30%を超えると、2層被覆インバ線の
耐熱性が低下して、熱履歴を受けたときの強度残存率が
低下する。このため、2層被覆インバ線の断面における
チタン最外層の占積率は5乃至30%であることが必要
である。
【0021】また、特に腐食が激しく、アルミニウム合
金線自体が腐食される虞れがある地域においては、導電
線として、アルミニウム合金線の周囲にチタン又はチタ
ン合金を被覆したチタン被覆アルミニウム合金線を使用
することが好ましい。この場合に、チタン被覆アルミニ
ウム合金線の断面におけるチタン被覆層の占積率が5%
未満の場合は、チタン被覆層の強度が不十分であるた
め、架空送電線を湾曲させたときにチタン被覆層にクラ
ックが入り、そこから腐食性の液体が浸入して芯線であ
るアルミニウム合金線が腐食される虞れがある。一方、
チタン被覆層の占積率が15%を超えると、導電率が著
しく低下してしまう。このため、チタン被覆アルミニウ
ム合金線を導電線として使用する場合は、その断面にお
けるチタン被覆層の占積率は5乃至15%とすることが
必要である。
【0022】
【実施例】次に、本発明の実施例について、添付の図面
を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例に係
る増容量架空送電線を示す断面図である。本実施例にお
いては、テンションメンバーとして、7本の2層被覆イ
ンバ線4が束ねられて設けられている。この2層被覆イ
ンバ線4は、芯線としてのインバ線1と、このインバ線
1を被覆するアルミニウム若しくはアルミニウム合金又
は亜鉛若しくは亜鉛合金からなる中間層2と、この中間
層2を被覆するチタン又はチタン合金からなるチタン最
外層3とにより構成されている。また、テンションメン
バーの周囲には、複数本のアルミニウム合金線5が撚り
合わされて配置されている。
【0023】なお、2層被覆インバ線4の断面における
チタン最外層3の占積率は、5〜30%に設定されてい
る。この2層被覆インバ線4は、例えばテープクラッド
法により形成することができる。即ち、芯線となるイン
バ線に中間層を構成する材料のテープと、チタン又はチ
タン合金のテープを縦添えし、このテープを幅方向に湾
曲させてインバ線に巻き付け、テープの突き合わせ部を
ティグ(TIG)溶接して管状とした後、伸線加工して
クラッド化することにより形成することができる。
【0024】また、アルミニウム合金線5としては、下
記表1に主な組成例を示す超耐熱アルミニウム合金線
(UT−Al)、60%超耐熱アルミニウム合金線(Z
T−Al)及び特別耐熱アルミニウム合金線(XT−A
l)等を使用することができる。但し、表1において、
最高許容温度の「連続」の欄は、長時間通電しても特性
低下が発生しないような温度域の上限値、「短時間」の
欄は、400時間通電後の特性低下が10%を超えない
ような温度域の上限値である。
【0025】
【表1】
【0026】本実施例においては、テンションメンバー
として2層被覆インバ線を使用しているので耐食性が高
く、また、導体として耐熱性が優れたアルミニウム合金
線を使用しているので、電流容量の増大が可能であり、
重防食地帯において使用する増容量架空送電線として極
めて好適である。
【0027】次に、2層被覆インバ線のチタン最外層の
占積率と、引張強さ、耐熱性及び耐食性との関係につい
て調べた結果について説明する。
【0028】先ず、チタン最外層の占積率(Ti占積
率)が下記表2に示す2層被覆インバ線を製造した。そ
して、これらの2層被覆インバ線について、引張強さ、
耐熱性試験及び耐食性試験を行った。
【0029】耐熱性は、特別耐熱アルミニウム合金線の
短時間加熱最高許容温度である290℃の温度で400
時間の熱履歴を受けたときの強度残存率=(残存強度/
試験前強度)×100(%)を測定し、その結果により
評価した。
【0030】また、耐食性は、2層被覆インバ線を90
°の角度に曲げ、更にその表面にインバ線まで到達する
傷をV字やすりにより付して傷つけ処理を行い、これを
試料として、JIS Z 2371に規定されている塩
水噴霧試験を行い、外観を観察して腐食の程度により評
価した。これらの結果を、表2に併せて示す。なお、表
2の引張り強さは、傷つけ処理前の値である。
【0031】
【表2】
【0032】表2から明らかなように、実施例1〜6に
おいてはいずれも引張強さが115kgf/mm2 以上、耐熱
性強度残存率が90%以上と優れており、耐食性も良好
であった。
【0033】一方、チタン占積率が4%と少ない比較例
1ではチタン最外層が薄いため、曲げ加工の際に、チタ
ン最外層に割れが入ったが、腐食の進行はなかった。こ
れは中間層の亜鉛又はアルミニウムが、最外層のチタン
及び芯線のインバに比して、電気化学的に卑な電位にあ
るため、優先的に亜鉛又はアルミニウムが腐食し、犠牲
防食的にインバ線を腐食から保護するためである。
【0034】また、チタン占積率が35%と大きい比較
例2では、チタン最外層の強度分担率が大きいため、耐
熱試験後の強度低下が著しく、使用に耐えないものであ
った。更に、この場合は、チタン被覆インバ線の製造コ
ストがインバ線の4倍以上と高くなるという欠点もあ
る。従って、チタン被覆インバ線のチタン占積率は5乃
至30%とすることが必要である。
【0035】次に、犠牲防食層(中間層)の防食効果を
調べるため、試料に傷つけ処理をした後、塩水噴霧試験
をした。その結果、中間層の占積率は下記表3に示すと
おりであった。
【0036】
【表3】
【0037】この表3に示すとおり、Zn層及びAl層
のいずれの場合も、占積率が1%以下であっても、その
耐食性は優れたものであり、犠牲防食層は僅かの厚さだ
け被覆するだけで防食効果があることがわかる。
【0038】図2は本発明の第2の実施例に係る増容量
架空送電線を示す断面図である。本実施例においては、
第1の実施例と同様に、テンションメンバーが2層被覆
インバ線4により構成されている。この2層被覆インバ
線4は、インバ線1の周囲にアルミニウム若しくはアル
ミニウム合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金からなる中間層
2が被覆され、この中間層2の周囲に5〜30%の占積
率でチタン又はチタン合金層3が被覆されている。
【0039】一方、チタン被覆アルミニウム合金線8
は、芯線としての超耐熱(又は特別耐熱)アルミニウム
合金線6と、このアルミニウム合金線6の周囲を被覆す
るチタン被覆層7とにより構成されている。また、この
チタン被覆アルミニウム合金線8の断面におけるチタン
被覆層7の占積率は、5〜15%に設定されている。更
に、本実施例においては、架空送電線の外径及び導体で
あるアルミニウム合金の総断面積が従来の架空送電線と
同一となるように、チタン被覆アルミニウム合金線8に
チタン被覆層7が被覆されている分だけ2層被覆インバ
線4の直径が小さく設定されている。
【0040】本実施例においては、導電線としてアルミ
ニウム合金線にチタン被覆層が被覆されたものを使用し
ているるので、第1の実施例に比してより一層耐食性が
優れており、中防食地帯及び重防食地帯において使用す
る増容量架空送電線として極めて好適である。また、本
実施例においては、アルミニウム合金線の酸化が防止で
きるので、送電線の表面滑性を長期間に亘って良好な状
態に維持することができ、寒冷地で使用した場合に送電
線への着雪を防止でき、着雪による断線及び鉄塔の倒壊
等の事故を防止できるという利点もある。
【0041】また、テンションメンバーにおいて、万が
一、傷の付着により、インバ芯線が露出しても、Al又
はZn層が犠牲防食的にインバ線を保護しているので、
優先的にインバ線の腐食が進行するということはない。
【0042】以下、チタン最外層の占積率が種々異なる
Ti被覆超耐熱アルミニウム合金線を製造し、チタン層
の占積率と見かけ導電率及び耐食性との関係を調べた結
果について説明する。
【0043】チタン占積率が種々異なるTi被覆超耐熱
アルミニウム合金線を製造し、各Ti被覆超耐熱アルミ
ニウム合金線の導電率及び耐食性を調べた。その結果を
下記表4に示す。なお、耐熱性は、チタン被覆超耐熱ア
ルミニウム合金線を90°の角度に曲げたものを試料と
し、JIS Z 2371に規定された塩水噴霧試験を
行って調べた。
【0044】
【表4】
【0045】この表4から明らかなように、実施例7〜
9はいずれも見かけ導電率が52%IACS以上であ
り、耐食性も良好であった。一方、チタン最外層の占積
率が4%である比較例3は曲げなどによって被覆層に割
れ及び剥離などの欠陥が生じやすく、耐食性が十分でな
く、チタン最外層の占積率が20%である比較例4は見
かけ導電率が47%IACSと低いものであった。な
お、見かけ導電率の低下による電線の許容電流の低下
は、Ti被覆アルミニウム合金線を太径化することによ
り補うことができる。しかし、送電線の電線サイズ、電
線重量及び公称断面積等は規格により決定されているの
で、この場合はテンションメンバーを構成する2層被覆
インバ線の直径を縮小する必要がある。一方、強度の点
から2層被覆インバ線の直径を過剰に縮小することはで
きない。このため、Ti被覆アルミニウム合金線の見か
け導電率は50%IASC以上であることが必要であ
る。即ち、2層被覆アルミニウム合金線のチタン最外層
の占積率は5乃至15%であることが必要である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る耐食性
増容量架空送電線は、所定の占積率でチタン又はチタン
合金が最外層に被覆され、中間層にアルミニム若しくは
アルミニウム合金又は亜鉛若しくは亜鉛合金層を被覆し
た2層被覆インバ線によりテンションメンバーが構成さ
れているから、万が一、製造時又は施工時に傷がついて
も、インバ線が腐食することが防止されると共に、狩猟
銃弾を受ける等、外的要因により傷がついても、恒久的
ともいえる耐食性がある。また、本発明の耐食性増容量
架空送電線は、電流容量が大きく、従って、工業地域及
び海岸部又は狩猟地帯等において使用される増容量架空
送電線として極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る増容量架空送電線
を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る増容量架空送電線
を示す断面図である。
【図3】従来の架空送電線の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1;インバ線 2;中間層 3、7:チタン最外層 4;2層被覆インバ線 5,6;アルミニウム合金線 8:チタン被覆アルミニウム合金線 11;テンションメンバー 12,13;Al層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバ線の周囲にアルミニウム又はアル
    ミニウム合金中間層を被覆し更にこの中間層の周囲にチ
    タン又はチタン合金層を被覆した2層被覆インバ線によ
    り構成されたテンションメンバーと、このテンションメ
    ンバーの周囲に配置された複数本のアルミニウム合金線
    とを有し、前記2層被覆インバ線の断面における最外層
    のチタン又はチタン合金層の占積率が5乃至30%であ
    ることを特徴とする増容量架空送電線。
  2. 【請求項2】 インバ線の周囲に亜鉛又は亜鉛合金中間
    層を被覆し更にこの中間層の周囲にチタン又はチタン合
    金層を被覆した2層被覆インバ線により構成されたテン
    ションメンバーと、このテンションメンバーの周囲に配
    置された複数本のアルミニウム合金線とを有し、前記2
    層被覆インバ線の断面における最外層のチタン又はチタ
    ン合金層の占積率が5乃至30%であることを特徴とす
    る増容量架空送電線。
  3. 【請求項3】 インバ線の周囲にアルミニウム又はアル
    ミニウム合金中間層を被覆し更にこの中間層の周囲にチ
    タン又はチタン合金層を被覆した2層被覆インバ線によ
    り構成されたテンションメンバーと、このテンションメ
    ンバーの周囲に配置されチタン又はチタン合金層をアル
    ミニウム合金線の周囲に被覆した複数本のチタン被覆ア
    ルミニウム合金線と、を有し、前記2層被覆インバ線の
    断面におけるチタン又はチタン合金層の占積率が5乃至
    30%、前記チタン被覆アルミニウム合金線の断面にお
    けるチタン又はチタン合金層の占積率が5乃至15%で
    あることを特徴とする増容量架空送電線。
  4. 【請求項4】 インバ線の周囲に亜鉛又は亜鉛合金中間
    層を被覆し更にこの中間層の周囲にチタン又はチタン合
    金層を被覆した2層被覆インバ線により構成されたテン
    ションメンバーと、このテンションメンバーの周囲に配
    置されチタン又はチタン合金層をアルミニウム合金線の
    周囲に被覆した複数本のチタン被覆アルミニウム合金線
    と、を有し、前記2層被覆インバ線の断面におけるチタ
    ン又はチタン合金層の占積率が5乃至30%、前記チタ
    ン被覆アルミニウム合金線の断面におけるチタン又はチ
    タン合金層の占積率が5乃至15%であることを特徴と
    する増容量架空送電線。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002338981A (ja) * 2001-05-16 2002-11-27 Furukawa Electric Co Ltd:The 防食送電線とそれに用いる防食用耐熱性グリース
USD868701S1 (en) 2014-08-07 2019-12-03 Henkel Ag & Co. Kgaa Overhead transmission conductor cable

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