JPH0656722B2 - 高周波電線 - Google Patents
高周波電線Info
- Publication number
- JPH0656722B2 JPH0656722B2 JP21719285A JP21719285A JPH0656722B2 JP H0656722 B2 JPH0656722 B2 JP H0656722B2 JP 21719285 A JP21719285 A JP 21719285A JP 21719285 A JP21719285 A JP 21719285A JP H0656722 B2 JPH0656722 B2 JP H0656722B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductor
- wire
- high frequency
- composite
- insulating film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Processes Specially Adapted For Manufacturing Cables (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、高周波電線、特にリツツ線に関する。
従来より高周波電線としては表皮効果による伝送効率低
下を防止するため、細径の導体上にエナメル皮膜や酸化
銅皮膜などの絶縁皮膜を形成して素線とし、これを複数
本撚り合せてなるリツツ線が広く用いられている。
下を防止するため、細径の導体上にエナメル皮膜や酸化
銅皮膜などの絶縁皮膜を形成して素線とし、これを複数
本撚り合せてなるリツツ線が広く用いられている。
しかしながら、このような従来のリツツ線にあつては、
素線の絶縁皮膜にエナメル皮膜を用いたものでは、エナ
メル皮膜の導体への密着性が良く、機械的損傷を受けに
くいという特長を有するもののエナメル皮膜の膜厚がど
うしても厚くなり、高周波電線として望ましい均一で薄
い絶縁皮膜を形成することが困難であるという欠点があ
った。一方、酸化銅皮膜を素線の絶縁皮膜としたもので
は、1μm以下の薄い絶縁皮膜を形成することはできる
ものの絶縁皮膜の導体に対する密着性に欠け、機械的損
傷を受け易いと云う問題点があった。
素線の絶縁皮膜にエナメル皮膜を用いたものでは、エナ
メル皮膜の導体への密着性が良く、機械的損傷を受けに
くいという特長を有するもののエナメル皮膜の膜厚がど
うしても厚くなり、高周波電線として望ましい均一で薄
い絶縁皮膜を形成することが困難であるという欠点があ
った。一方、酸化銅皮膜を素線の絶縁皮膜としたもので
は、1μm以下の薄い絶縁皮膜を形成することはできる
ものの絶縁皮膜の導体に対する密着性に欠け、機械的損
傷を受け易いと云う問題点があった。
そこで、この発明にあつては、中心導体上にこの中心導
体をなす金属と比抵抗の異なる金属からなる外側導体を
被覆した複合導体を作り、これを複数本撚り合せ、熱処
理を行い、中心導体と外側導体との間に薄く、比抵抗の
大きな金属間化合物を生成せしめ、この金属間化合物を
絶縁皮膜として機能させ、上記問題点を解決するように
した。
体をなす金属と比抵抗の異なる金属からなる外側導体を
被覆した複合導体を作り、これを複数本撚り合せ、熱処
理を行い、中心導体と外側導体との間に薄く、比抵抗の
大きな金属間化合物を生成せしめ、この金属間化合物を
絶縁皮膜として機能させ、上記問題点を解決するように
した。
第1図は、この発明の高周波電線の素線となる複合導体
を示すもので、図中符号1は中心導体である。中心導体
1は銅,銅合金,アルミニウム,アルミニウム合金など
の金属からなる丸線や平角線などであつて、その径は通
常0.5mm程度以下の細径とされる。この中心導体1上
には、中心導体1をなす金属とは異なる比抵抗を有する
金属からなる外側導体2が設けられている。外側導体2
をなす金属としては、好ましくは中心導体1をなす金属
と比抵抗の異なるものを選ぶことが好ましく、中心導体
1に銅を用いたときは、ニッケル,スズ,亜鉛,鉄,ク
ロム,銀などの1種もしくは2種以上が、またアルミニ
ウムを用いたときは、ニツケル,スズ,亜鉛,銅,鉄,
クロム,銀などの1種もしくは2種以上が選ばれる。そ
して、この外側導体2の厚さは5μmとされる。この厚
さが5μmを越えると金属間化合物の層の厚さが厚くな
り、導体抵抗が大きくなつて不都合である。この外側導
体2は、溶融メツキや電気メツキなどのメツキ法あるい
はクラツデイングなどの方法によつて中心導体上に被覆
されるが、電気メツキによれば100m/分以上の線速
で高能率に外側導体2を形成でき、好ましい。
を示すもので、図中符号1は中心導体である。中心導体
1は銅,銅合金,アルミニウム,アルミニウム合金など
の金属からなる丸線や平角線などであつて、その径は通
常0.5mm程度以下の細径とされる。この中心導体1上
には、中心導体1をなす金属とは異なる比抵抗を有する
金属からなる外側導体2が設けられている。外側導体2
をなす金属としては、好ましくは中心導体1をなす金属
と比抵抗の異なるものを選ぶことが好ましく、中心導体
1に銅を用いたときは、ニッケル,スズ,亜鉛,鉄,ク
ロム,銀などの1種もしくは2種以上が、またアルミニ
ウムを用いたときは、ニツケル,スズ,亜鉛,銅,鉄,
クロム,銀などの1種もしくは2種以上が選ばれる。そ
して、この外側導体2の厚さは5μmとされる。この厚
さが5μmを越えると金属間化合物の層の厚さが厚くな
り、導体抵抗が大きくなつて不都合である。この外側導
体2は、溶融メツキや電気メツキなどのメツキ法あるい
はクラツデイングなどの方法によつて中心導体上に被覆
されるが、電気メツキによれば100m/分以上の線速
で高能率に外側導体2を形成でき、好ましい。
つぎに、この複合導体3を複数本撚り合せて第2図に示
すような撚線4とする。撚りは同心撚,集合撚,複合撚
のいずれでもよい。
すような撚線4とする。撚りは同心撚,集合撚,複合撚
のいずれでもよい。
ついで、この撚線4を熱処理する。この熱処理は、撚り
合せ加工によつて正じた加工硬化を除くとともに複合導
体3の中心導体1と外側導体2との間に金属間化合物を
生成せしめるためのものである。加熱温度は、200℃
以上、好ましくは300℃以上とされ、複合導体3を構
成する金属の融点以下とされる。加熱時間は、1〜48
時間の範囲で決められ、加熱雰囲気は大気中もしくはア
ルゴンガス,窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中とされ
る。この熱処理により、中心導体1と外側導体2との間
に生成した金属間化合物、例えばCu3Sn,Cu31Sn3,
CuAl2などは通常中心導体1および外側導体2をなす
金属よりも高い比抵抗を持つ。このため、中心導体1の
外側に高い比抵抗の薄膜が形成されることになり、この
薄膜は高周波電流に対して絶縁物として機能し、中心導
体1の絶縁皮膜となる。
合せ加工によつて正じた加工硬化を除くとともに複合導
体3の中心導体1と外側導体2との間に金属間化合物を
生成せしめるためのものである。加熱温度は、200℃
以上、好ましくは300℃以上とされ、複合導体3を構
成する金属の融点以下とされる。加熱時間は、1〜48
時間の範囲で決められ、加熱雰囲気は大気中もしくはア
ルゴンガス,窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中とされ
る。この熱処理により、中心導体1と外側導体2との間
に生成した金属間化合物、例えばCu3Sn,Cu31Sn3,
CuAl2などは通常中心導体1および外側導体2をなす
金属よりも高い比抵抗を持つ。このため、中心導体1の
外側に高い比抵抗の薄膜が形成されることになり、この
薄膜は高周波電流に対して絶縁物として機能し、中心導
体1の絶縁皮膜となる。
かくして、この熱処理によつて個々の複合導体3…に絶
縁皮膜が形成され、高周波用リツツ線が得られる。
縁皮膜が形成され、高周波用リツツ線が得られる。
このような高周波電線にあつては、絶縁皮膜が中心導体
1と外側導体2との間に生成された金属間化合物からな
るものであるため、中心導体1に対する密着性は非常に
良好であり、かつ金属間化合物の生成量は熱処理条件に
よつて調整できるので、絶縁皮膜を薄膜とすることが可
能であり、高周波特性の良好な高周波電線が得られる。
1と外側導体2との間に生成された金属間化合物からな
るものであるため、中心導体1に対する密着性は非常に
良好であり、かつ金属間化合物の生成量は熱処理条件に
よつて調整できるので、絶縁皮膜を薄膜とすることが可
能であり、高周波特性の良好な高周波電線が得られる。
径0.5mmの銅線(中心導体)に電気メツキ法によつて
厚さ1μmのスズメツキ(外側導体)を施し、スズメツ
キ銅線(複合導体)とした。このスズメツキ銅線を19
本撚り合せて撚線としたのち、空気中で350℃,24
時間熱処理し、この発明の高周波電線を得た。
厚さ1μmのスズメツキ(外側導体)を施し、スズメツ
キ銅線(複合導体)とした。このスズメツキ銅線を19
本撚り合せて撚線としたのち、空気中で350℃,24
時間熱処理し、この発明の高周波電線を得た。
この高周波電線の導体抵抗の周波数特性を測定し、その
結果を第3図に示す。比較のため、熱処理を施さない撚
線についても同様に導体抵抗の周波数特性を測定した。
結果を第3図に示す。比較のため、熱処理を施さない撚
線についても同様に導体抵抗の周波数特性を測定した。
第3図のグラフの縦軸のRx/R50は50Hzにおける導
体抵抗(R50)で、各周波数における導体抵抗(Rx)
を除したものである。また、グラフ中の曲線Aは本発明
の高周波電線についての、曲線Bは比較のための熱処理
を施さない撚線についてのデータを示す。
体抵抗(R50)で、各周波数における導体抵抗(Rx)
を除したものである。また、グラフ中の曲線Aは本発明
の高周波電線についての、曲線Bは比較のための熱処理
を施さない撚線についてのデータを示す。
第3図のグラフから、本発明の高周波電線は、表皮効果
に起因する導体抵抗の増加が抑制されることがわかる。
に起因する導体抵抗の増加が抑制されることがわかる。
以上説明したように、この発明の高周波電線は中心導体
上にこの中心導体をなす金属と比抵抗の異なる金属から
なる外側導体を被覆した複合導体を作成し、これを複数
本撚り合せ、熱処理を施し、中心導体と複合導体との間
に比抵抗の高い金属間化合物を生成せしめ、この金属間
化合物を絶縁皮膜として機能させるものであるので、薄
く、均質で、しかも密着性の良好な絶縁皮膜が形成で
き、良好な高周波特性を有するものである。
上にこの中心導体をなす金属と比抵抗の異なる金属から
なる外側導体を被覆した複合導体を作成し、これを複数
本撚り合せ、熱処理を施し、中心導体と複合導体との間
に比抵抗の高い金属間化合物を生成せしめ、この金属間
化合物を絶縁皮膜として機能させるものであるので、薄
く、均質で、しかも密着性の良好な絶縁皮膜が形成で
き、良好な高周波特性を有するものである。
第1図はこの発明における複合導体の一例を示す概略断
面図、第2図は同じく撚線の一例を示す概略断面図、第
3図は実施例の結果を示す導体抵抗の周波数特性のグラ
フである。 1……中心導体、2……外側導体、3……複合導体、4
……撚線。
面図、第2図は同じく撚線の一例を示す概略断面図、第
3図は実施例の結果を示す導体抵抗の周波数特性のグラ
フである。 1……中心導体、2……外側導体、3……複合導体、4
……撚線。
Claims (1)
- 【請求項1】中心導体と、この中心導体上に被覆され中
心導体をなす金属と比抵抗の異る金属からなる外側導体
とを有する複合導体を撚り合せ、熱処理したことを特徴
とする高周波電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21719285A JPH0656722B2 (ja) | 1985-09-30 | 1985-09-30 | 高周波電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21719285A JPH0656722B2 (ja) | 1985-09-30 | 1985-09-30 | 高周波電線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6276216A JPS6276216A (ja) | 1987-04-08 |
JPH0656722B2 true JPH0656722B2 (ja) | 1994-07-27 |
Family
ID=16700298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21719285A Expired - Lifetime JPH0656722B2 (ja) | 1985-09-30 | 1985-09-30 | 高周波電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0656722B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005166560A (ja) * | 2003-12-04 | 2005-06-23 | Fujikura Ltd | ケーブルコア及び伝送ケーブル |
JP5266340B2 (ja) | 2010-03-23 | 2013-08-21 | 株式会社フジクラ | 高周波電線及び高周波コイル |
EP2608222B1 (en) | 2010-08-20 | 2018-12-05 | Fujikura, Ltd. | Method of manufacturing a high-frequency electric wire |
CN103827982B (zh) | 2011-09-22 | 2016-05-04 | 株式会社藤仓 | 电线及线圈 |
US9859032B2 (en) | 2013-03-18 | 2018-01-02 | Fujikura Ltd. | Electric wire for reducing AC resistance to be equal to or less than copper wire |
US20160307666A1 (en) | 2013-12-02 | 2016-10-20 | Fujikura Ltd. | High-frequency wire and coil |
-
1985
- 1985-09-30 JP JP21719285A patent/JPH0656722B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6276216A (ja) | 1987-04-08 |
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