JP3116460B2 - 等化回路 - Google Patents

等化回路

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JP3116460B2
JP3116460B2 JP03269453A JP26945391A JP3116460B2 JP 3116460 B2 JP3116460 B2 JP 3116460B2 JP 03269453 A JP03269453 A JP 03269453A JP 26945391 A JP26945391 A JP 26945391A JP 3116460 B2 JP3116460 B2 JP 3116460B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばディジタルデー
タの移動通信における受信機等に適用して好適な等化回
路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば陸上移動通信においては、
現行のアナログFM方式に取って替わる狭帯域ディジタ
ル変調方式がいくつか開発され、実用段階に入ってい
る。
【0003】そして更に、広帯域ディジタル伝送の技術
が検討されている。
【0004】図6及び図7に、このようなディジタル陸
上移動通信における送信及び受信系を示す。
【0005】図6は送信系を示し、以下これにつき説明
する。
【0006】即ち、この図6において、1はマイクロフ
ォンで、このマイクロフォン1により集音された音声は
音声信号として音声コーデック2に供給される。
【0007】この音声コーデック(符号化回路)2は、
マイクロフォン1よりの音声信号を符号化し、更にこの
符号化した信号に対して帯域圧縮(いわゆるビットリダ
クション)を行い、この帯域圧縮した信号をローパスフ
ィルタ3を通じてPSK変調回路4に供給する。
【0008】このPSK(位相シフトキーイング)変調
回路4は、必要最小限の帯域を用いてディジタルデータ
を伝送できるようにするため、ローパスフィルタ3より
の信号及び発振器4bよりの発振信号を乗算して中間周
波信号を得、この中間周波信号をバンドパスフィルタ5
を介して送信回路6に供給する。
【0009】この送信回路6は、バンドパスフィルタ5
よりの中間周波信号と、局部発振回路6bよりの発振信
号を乗算し、RF信号を得、このRF信号をバンドパス
フィルタ7を通じてアンテナ8に供給し、このアンテナ
8により送信を行う。
【0010】通信フォーマットは図8に示す如く、TD
MA(Time DivisionMultiple
Access)方式の一つの方式(例えば米国の自動車
電話システムで採用されたTIA方式等)で、1フレー
ムは40msecとされ、情報量は1944ビットとさ
れ、この1フレームは6個のスロットで構成される。
【0011】各スロットは28ビットのシンクパターン
s並びに合計296ビットの音声及びコントロールデー
タd、即ち合計324ビットの情報量で構成される。
【0012】図7は受信系を示し、以下この受信系につ
いて説明する。
【0013】即ち、この図7において、9はアンテナ
で、上述の送信系よりのRF信号を受信し、この受信信
号をバンドパスフィルタ10を介して受信回路11に供
給する。
【0014】この受信回路11は、バンドパスフィルタ
10よりのRF信号と、局部発振回路11bよりの発振
信号を乗算して中間周波信号を得、この中間周波信号を
バンドパスフィルタ12を通じてキャリア再生回路13
及びPSK復調回路14に夫々供給する。
【0015】キャリア再生回路13は、バンドパスフィ
ルタ12よりの中間周波信号より、周波数及び位相の同
期したキャリア信号を再生し、このキャリア信号をPS
K復調回路14に供給する。
【0016】このPSK復調回路14は、バンドパスフ
ィルタ12よりの中間周波信号と、キャリア再生回路1
3よりのキャリア信号を乗算して元の帯域圧縮された信
号を得、この帯域圧縮された信号をローパスフィルタ1
5を介して判定回路17に供給する。
【0017】この判定回路17は、ローパスフィルタ1
5よりのノイズ等の不用な成分のカットされた帯域圧縮
された信号、即ち、時間的に連続した波形から、ビット
レートに対応する時間間隔でサンプリングし、更に
“1”か“0”かを判定してディジタルデータ列にな
し、このディジタルデータ列とされた信号を音声コーデ
ック18に供給する。
【0018】この音声コーデック18は、判定回路17
よりのディジタルデータ列になされた信号、即ち、帯域
圧縮されて伝送されたデータから元のアナログ音声信号
を得、このアナログ音声信号をスピーカ19に供給す
る。
【0019】かくしてこのスピーカ19からは、送信系
のマイクロフォン1で集音された音声が出力されること
となる。
【0020】尚、基地局及び移動局は何れも上述の送信
系及び受信系を夫々装備し、平行して動作させるように
なされている。
【0021】ところで、上述の如き陸上移動ディジタル
通信におけるデータの伝送においては、送信点から受信
点にいたる電波の通路がいくつかあること、いわゆるマ
ルチパスにより、受信波はこれらの通路を通った送信波
の合成波となる。
【0022】これらいくつかの通路を通った送信波は、
例えば地形や地上物等の様々な影響により減衰したり遅
延したりする。
【0023】従って、これらいくつかの通路を通った送
信波の合成波は、歪を持った合成波となる。
【0024】そこでこれを回避するための方法の一つと
して、図7において示したローパスフィルタ15の後段
に図9に示す如きLMS(Least MeanSqu
are)法の採用された等化回路を接続し、この等化回
路により歪を持った受信波より元の送信波を取り出す技
術がいくつか考えられている。
【0025】この等化回路の例を図9を参照して説明す
る。
【0026】即ち、この図9に示すように、入力端子2
0に図7において説明したローパスフィルタ15よりの
圧縮信号が供給され、この信号がA−Dコンバータ20
aを介してシフトレジスタt1、t2、t3、・・・・
tn、乗算回路x1、x2、x3、x4、・・・・xn
及び加算回路30で構成されるフィルタ50に供給され
る。
【0027】そしてこのフィルタ50の各シフトレジス
タt1、t2、t3、・・・・tnに順次ディジタル信
号が供給されると共に、各乗算回路x1、x2、x3、
x4、・・・・xnにもA−Dコンバータ20aよりの
ディジタル信号並びに各シフトレジスタt1、t2、t
3、・・・・tnよりの出力信号が夫々供給される。
【0028】一方、係数決定回路51には、誤差推定回
路33よりの誤差信号及びA−Dコンバータ20aより
のディジタル信号並びに各シフトレジスタt1、t2、
t3、・・・・tnよりの出力信号が夫々供給され、こ
れらに基いて各乗算回路x1、x2、x3、x4、・・
・・xnに供給する係数信号Cjを決定し、これを同一
のステップ幅で同時に各乗算回路x1、x2、x3、x
4、・・・・xnに夫々供給して係数の更新を行う。
【0029】また、同期検出回路31は基準信号発生回
路32よりの基準信号に基いて入力端子20よりA−D
コンバータ20aを介して供給されたディジタル信号よ
りシンクパターン(図8参照)を検出し、これによって
制御信号(参照信号等)を上述の誤差推定回路33に供
給する。
【0030】このようにして、入力信号の歪が最少とな
るようにフィルタ50の係数、即ち各乗算回路x1、x
2、x3、x4、・・・・xnに供給される係数信号が
或ステップ幅で一斉に調整、即ち、更新され、収束に至
るようになされると共に、その等化された等化出力が出
力端子41より出力され、この出力信号が図7において
説明した判定回路17に供給される。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如き
等化回路においては、収束に至るまでの更新回数は数百
回〜数千回と非常に多い。
【0032】従って、例えばTIA方式の如き比較的短
いパターンしか送れないシンクデータを参照信号として
用いる場合には、1フレーム、或は1スロットの時間内
にフィルタ係数が収束に至らずに、十分な等化回路とし
ての機能を発揮できないといった不都合があった。
【0033】また、この対策として、収束を早めるため
のアルゴリズムとしてカルマンフィルタ等が提案されて
いるが、このフィルタを用いた場合には、回路規模が大
となる不都合があった。
【0034】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、1フレーム或は1スロットの時間内にフィルタ係数
が収束するようにできると共に、回路構成を簡単にする
ことのできる等化回路を提案しようとするものである。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明等化回路は例えば
図1〜図5に示す如く、入力信号を記憶する記憶手段3
4と、複数のタップから構成されるフィルタ50と、入
力信号より同期信号を検出する同期信号検出手段31、
32と、この同期信号検出手段31、32よりの検出結
果及びフィルタ50よりの出力信号に基いて誤差を推定
する誤差推定手段33と、この誤差推定手段33よりの
誤差情報のレベルを検出するレベル検出手段38と、こ
のレベル検出手段38よりの検出信号及び同期信号検出
手段31、32よりの検出結果に基いて第1及び第2の
制御信号を出力する制御手段37と、記憶手段34より
読みだされた信号を制御手段37よりの第1の制御信号
に基いてフィルタ50に供給する第1の出力手段35
と、記憶手段34より読みだされた信号を制御手段37
よりの第2の制御信号に基いてフィルタ50に供給する
第2の出力手段36と、誤差推定手段33よりの誤差情
報及びフィルタ50内の複数のタップに関連した複数の
信号に基いてフィルタ50の複数のタップの係数Cjを
決定する係数決定手段51とを有するものである。
【0036】
【作用】上述せる本発明によれば、受信、検波されたデ
ータを一旦記憶手段に蓄えた後に、その一部に含まれる
同期信号を検出して、その既知のデータを利用し、フィ
ルタの係数を更新する際に、入力されるデータを遮断し
て、固定の同期信号のみを用いて係数を決定する作業を
繰り返し、収束が完了した時点で遮断されていたデータ
を取り込んで等化を行うようにしたので、1フレーム或
は1スロットの時間内にフィルタ係数が収束するように
できると共に、回路構成を簡単とすることできる。
【0037】
【実施例】以下に、図1を参照して本発明等化回路の一
実施例について詳細に説明するも、説明の都合上、図4
及び図5を参照して例えば陸上移動ディジタル通信にお
ける送信系及び受信系について説明する。
【0038】尚、この図4及び図5において、図6及び
図7と対応する部分には同一符号を付してその詳細説明
を省略する。
【0039】先ず、図4より説明する。
【0040】この図4においては、マイクロフォン1よ
り集音、出力された音声信号が音声コーデック2により
ディジタル信号にされた後、いわゆるビットリダクショ
ン、即ち圧縮され、この圧縮された信号がローパスフィ
ルタ3を介してPSK(位相シフトキーイング)変調回
路4により変調されて中間周波信号になされる。
【0041】この中間周波信号はバンドパスフィルタ5
を介して送信回路6に供給され、この送信回路6により
RF信号とされ、このRF信号がバンドパスフィルタ7
を介してアンテナ8に供給され、このアンテナ8により
送信される。
【0042】次に、図5を参照して上述の送信系により
送信された送信信号を受信する受信系について説明す
る。
【0043】送信系により送信された送信信号はアンテ
ナ9により受信され、この受信された受信信号がバンド
パスフィルタ10を介して受信回路11に供給される。
【0044】そしてこの受信回路11により受信信号、
即ちRF信号は中間周波信号になされ、この中間周波信
号はバンドパスフィルタ12を介してキャリア再生回路
13及びPSK復調回路14に夫々供給される。
【0045】そしてキャリア再生回路13において、中
間周波信号よりキャリア信号が再生され、このキャリア
信号がPSK変調回路14に供給される。
【0046】PSK変調回路14に供給された中間周波
信号は、乗算器14aによりキャリア再生回路13より
のキャリア信号と乗算され、復調され、元の圧縮された
信号とされる。
【0047】そしてこの復調された圧縮信号は、ローパ
スフィルタ15を介して以下図1を参照して説明する等
化回路16に供給される。
【0048】そして圧縮信号は、この等化回路16にお
いてディジタル信号にされた後に等化され、更に判定回
路において“1”または“0”の判定がなされ、ディジ
タルデータ列になされる。
【0049】このディジタルデータ列になされた信号
は、音声コーデック18により元のアナログ音声信号に
複合されて、スピーカ19より音声として出力される。
【0050】さて、次に上述の等化回路16について図
1を参照して詳細に説明する。
【0051】この図1において、図9と対応する部分に
は同一符号を付してその詳細説明を省略する。
【0052】この図1において、20は図4の受信系の
PSK復調回路14よりの圧縮された信号が供給される
入力端子で、この入力信号よりの信号がA−Dコンバー
タ20aを介して例えばいわゆるファースト・イン・フ
ァースト・アウトのメモリとしてのRAM34に書き込
まれる。
【0053】またこのRAM34には1スロット或は1
フレーム等、所定の一定量のデータが書き込まれると共
に、同様の分だけそのデータが読み出される。
【0054】そしてこのRAM34より読みだされた信
号は、同期検出回路31、ゲート回路35、36に夫々
供給される。
【0055】ゲート回路35は、RAM34より読みだ
された信号を、後述する制御回路37のインバータ37
iよりの制御信号に基いて出力する。
【0056】この制御信号は、同期検出回路31よりの
検出信号を反転したものである。
【0057】ゲート回路36は、RAM34より読みだ
された信号を、後述する制御回路37のAND回路37
aよりの制御信号に基いて出力する。
【0058】この制御信号は、同期検出回路31よりの
検出信号及び後述する誤差レベル検出回路38よりの検
出信号の論理積信号である。
【0059】またこの制御信号(論理積信号)とインバ
ータ37iの出力との論理和信号が、シフトレジスタt
1、t2、t3、・・・・tnにラッチ信号として夫々
供給される。
【0060】ゲート回路35または36よりの出力信号
は、シフトレジスタt1に供給される。
【0061】そしてこのシフトレジスタt1より出力さ
れた信号は乗算回路x2、シフトレジスタt2及び後述
する係数決定回路51に夫々供給され、このシフトレジ
スタt2より出力された信号は乗算回路x3、シフトレ
ジスタt3及び後述する係数決定回路51に夫々供給さ
れ、・・・・シフトレジスタtnより出力された信号は
乗算回路xn及び後述する係数決定回路51に夫々供給
される。
【0062】上述の各乗算回路x2、x3、x4、・・
・・xnは各シフトレジスタt1、t2、t3、・・・
・tnよりの出力信号と後述する係数決定回路51より
夫々供給される係数Cjを乗算し、夫々加算回路30に
供給する。
【0063】上述のシフトレジスタt1、t2、t3、
・・・・tn及び乗算回路x2、x3、x4、・・・・
xnで夫々複数のタップを構成し、これら複数のタップ
及び上述の加算回路30で例えばFIR(フィニット・
インパルス・レスポンス)やトランスバーサルフィルタ
50を構成する。
【0064】そしてこのフィルタ出力、即ち、加算回路
30よりの出力信号はフィルタ出力として、出力端子4
1を介して図4において説明した判定回路17、後述す
る誤差推定回路33に夫々供給される。
【0065】同期検出回路31は、基準信号発生回路3
2よりの基準信号によりディジタル信号中のシンクパタ
ーン(図8の斜線部分sに対応する)を検出し、その検
出の後に制御信号(参照信号等)を誤差推定回路33に
供給する。
【0066】誤差推定回路33は同期検出回路31より
の制御信号により動作を開始し、検出信号及び基準信号
発生回路32よりの基準信号に基いて誤差の推定を行
い、この結果得た推定信号を係数決定回路51及び誤差
レベル検出回路38に夫々供給する。
【0067】係数決定回路51は、誤差推定回路33よ
りの推定信号、各レジスタt1、t2、t3、・・・・
tnよりの出力信号に基いて各乗算回路x2、x3、x
4、・・・・xnに夫々供給する係数信号Cjを決定
し、この係数信号Cjを所定のステップ幅に基いた更新
ステップで乗算回路x2、x3、x4、・・・・xnに
夫々供給する。
【0068】この各乗算回路x2、x3、x4、・・・
・xnに供給する係数信号の更新、即ち、フィルタ50
の係数の更新は次の数1に示す如く行われる。
【0069】
【数1】
【0070】ここで、jはフィルタのj番目のタップ
数、nは更新される際のn番目の更新回数、Kは平均化
の回数(推定誤差の平均化において)、xはフィルタに
入力されるサンプル値、eは等化誤差、αは更新ステッ
プ幅(定数:0<α≦1)である。
【0071】また、等化誤差eはe0−zとして表すこ
とができる。
【0072】ここでe0は等化出力、zは制御信号(参
照信号)である。
【0073】次に図2のフローチャートを参照して上述
の等化回路の動作を説明する。
【0074】先ず、ステップ100では、メモリへの書
き込みを行う。即ち、図1において説明したRAM34
にA−Dコンバータ20aよりの入力ディジタル信号が
書き込まれる。そしてステップ110に移行する。
【0075】ステップ110では、シンクパターンをサ
ーチする。即ち、上述の同期検出回路31が基準信号発
生回路32よりの基準信号に基いてA−Dコンバータ2
0aよりのディジタル信号よりシンクパターンを検出す
る。そしてステップ120に移行する。
【0076】ステップ120では、等化フィルタ16の
動作を開始し、等化フィルタ16への読み込みを開始す
る。即ち、RAM34より読みだされたディジタル信号
がゲート回路35または36を介して順次レジスタt
1、t2、t3、・・・・tnに供給されるようにする
と共に、各乗算回路x2、x3、x4、・・・・xnに
このゲート回路35または36より出力されたディジタ
ル信号並びに各レジスタt1、t2、t3、・・・・t
nよりの出力信号が夫々供給されるようにする。そして
ステップ130に移行する。
【0077】ステップ130では、シンクパターンを検
出したか否かを判断し、「YES」であればステップ1
40に移行し、「NO」であれば再びステップ110に
移行する。
【0078】即ち、図3Aに示すように、シンクパター
ンが同期検出回路31により検出された場合は、この同
期検出回路31より誤差推定回路33に供給される検出
信号としてのシンクパターン信号(図3A)が“1”と
なる。
【0079】またこのとき、図3Aに示すように、シン
クパターンが同期検出回路31により検出されない場合
は、この同期検出回路31よりインバータ37iに供給
されるシンクパターン信号(図3A)は“0”となるの
で、ゲート回路35に供給されるゲート制御信号(図3
D)は、“1”となる。従って、ゲート回路35から信
号が出力されると共に、各シフトレジスタt1、t2、
t3・・・・tnに供給されるラッチ信号(図3E)
“1”となるので、これらシフトレジスタt1、t2、
t3・・・・tnはシフト動作を行う。
【0080】ステップ140では、等化フィルタ50へ
の読み込みを停止する。そしてステップ150に移行す
る。
【0081】即ち、シンクパターンが検出され、図3A
に示す同期検出回路31よりのシンクパターン信号が
“1”になると、図3Dに示すように、インバータ37
iよりのゲート制御信号が“0”となり、これにより、
ゲート回路35からは、RAM34より読みだされた信
号が出力されなくなる。
【0082】またこのとき、等化フィルタ50の加算回
路30よりの出力は誤差を多く含んだ出力となり、誤差
推定回路33より出力される誤差信号は大であり、この
誤差推定回路33から誤差信号が供給される誤差レベル
検出回路38は、誤差推定回路33よりの誤差信号が所
定レベル以下となったときに“1”となるエラー信号
(図3B)を出力するようになされているので、AND
回路37aに供給されるエラー信号(図3B)は“0”
となる。
【0083】このとき、このAND回路37aに供給さ
れるエラー信号(図3B)は“0”、シンクパターン信
号(図3A)は“1”であるので、これらの論理積信
号、即ち、ゲート制御信号(図3C)は“0”となる。
【0084】従って、このときRAM34より読みださ
れた信号は、ゲート回路36より出力されない。
【0085】また、このときOR回路37oの出力は
“0”となり、シフトレジスタt1、t2、t3・・・
・tnにラッチ信号(図3E)として夫々供給されてい
るので、各シフトレジスタt1、t2、t3、・・・・
tnは入力信号を保持する(入力データと固定した状態
として)。
【0086】ステップ150では、等化フィルタ50の
出力を行う。そしてステップ160に移行する。
【0087】ステップ160では、誤差の検出を行う。
【0088】即ち、ここにおいては、各シフトレジスタ
t1、t2、t3、・・・・tnに保持されたデータが
各乗算回路x2、x3、x4、・・・・xnに夫々供給
されると共に、これら保持されたデータが係数決定回路
51に供給される。
【0089】そして各乗算回路x2、x3、x4、・・
・・xnよりの乗算出力信号が加算回路30において加
算され、これがフィルタ出力として誤差推定回路33及
び図5において説明した判定回路17に供給される。
【0090】誤差推定回路33は、フィルタ50よりの
出力信号、同期検出回路31よりのシンクパターン信号
(図3A)及び基準信号発生回路32よりの基準信号に
基いて誤差信号を得、この誤差信号を係数決定回路51
及び誤差レベル検出回路38に夫々供給する。
【0091】ステップ170では、誤差が十分収束した
か否かを判断し、「YES」であればステップ180に
移行し、「NO」であればステップ190に移行する。
【0092】この判定は次のようにして行われる。
【0093】即ち、誤差レベル検出回路38が誤差推定
回路33よりの誤差信号のレベルを検出し、十分にレベ
ルが小さくなった場合(誤差が収束した場合)には、A
ND回路37aに供給するエラー信号(図3B)を
“1”にし、レベルが大きい場合(誤差が大きい場合)
には、AND回路37aに供給するエラー信号(図3
B)を“0”にする。
【0094】エラー信号(図3B)が“0”で、シンク
パターン信号が“1”の場合は、AND回路37aより
出力される論理積信号、即ち、ゲート制御信号(図3
C)は“0”となるので、RAM34より読みだされる
信号はゲート回路36より出力されない。
【0095】また、このとき、各レジスタt1、t2、
t3、・・・・tnにラッチ信号として供給されるOR
回路37oの出力信号により、各レジスタt1、t2、
t3、・・・・tnは夫々のデータを保持する。
【0096】従って、この場合には、ステップ190に
移行することとなる。
【0097】一方、エラー信号(図3B)が“1”で、
シンクパターン信号が“1”の場合は、AND回路37
aより出力される論理積信号、即ち、ゲート制御信号
(図3C)は“1”となるので、RAM34より読みだ
される信号がゲート回路36より出力される。
【0098】また、このとき、各レジスタt1、t2、
t3、・・・・tnにラッチ信号として供給されるOR
回路37oの出力信号により、各レジスタt1、t2、
t3、・・・・tnは夫々新たな入力データを格納す
る。
【0099】従って、この場合には、ステップ180に
移行することとなる。
【0100】ステップ180では、上述のように、AN
D回路37aよりのゲート制御信号が“1”となるの
で、ゲート回路36からRAM34より読み込まれた信
号が出力されて、この出力信号がシフトレジスタt1に
供給される。
【0101】そしてこのシフトレジスタt1は、ラッチ
信号として供給されるシフトレジスタ制御信号が“1”
となるので、入力されたゲート回路36よりの信号をシ
フトレジスタt2、乗算回路x2及び係数決定回路51
に夫々供給する。
【0102】シフトレジスタt2は、ラッチ信号として
供給されるシフトレジスタ制御信号が“1”となるの
で、シフトレジスタt1よりの信号をシフトレジスタt
3、乗算回路x3及び係数決定回路51に夫々供給す
る。
【0103】シフトレジスタt3は、ラッチ信号として
供給されるシフトレジスタ制御信号が“1”となるの
で、シフトレジスタt1よりの信号をシフトレジスタt
4(図示を省略する)、乗算回路x4及び係数決定回路
51に夫々供給する。
【0104】シフトレジスタtnは、ラッチ信号として
供給されるシフトレジスタ制御信号が“1”となるの
で、シフトレジスタtn−1よりの信号を乗算回路xn
及び係数決定回路51に夫々供給する。
【0105】そして各乗算回路x2、x3、x4、・・
・・xnは、係数決定回路51よりの係数信号Cjと各
々供給された信号を夫々乗算し、その乗算結果を加算回
路30に供給する。
【0106】加算回路30は、各乗算回路x2、x3、
x4、・・・・xnよりの乗算結果信号を加算し、これ
を誤差推定回路33及び図5にて説明した判定回路17
に夫々供給する。
【0107】誤差推定回路33は、加算回路30よりの
加算信号、同期検出回路31よりのシンクパターン信号
及び基準信号発生回路32よりの基準信号に基いて誤差
信号を得、この誤差信号を係数決定回路51に供給す
る。
【0108】ステップ190では、フィルタ30の係数
Cjを更新する。そして再びステップ150に移行す
る。
【0109】即ち、係数決定回路51が、誤差推定回路
33よりの誤差信号及び各シフトレジスタt1、t2、
t3、t4、・・・・tnよりの出力信号に基いて各乗
算回路x2、x3、x4、・・・・xnに供給する係数
Cjを決定した後、この決定した係数信号を各乗算回路
x2、x3、x4、・・・・xnに夫々供給する。
【0110】このように、本例においては、受信、検波
されたデータを一旦RAMに蓄えた後に、その一部に含
まれるシンクパターンを検出して、その既知のデータを
利用し、フィルタ50の係数Cjを更新する際に、入力
されるデータを遮断して、固定のシンクパターンのみを
用いて係数Cjを決定する作業を繰り返し、収束が完了
した時点で遮断されていたデータを取り込んで等化を行
うようにしたので、1フレーム或は1スロットの時間内
にフィルタ係数が収束するようにできると共に、回路構
成を簡単とすることができる。
【0111】尚、上述の例においては、判定回路17に
供給される信号をディジタル信号としたが、等化回路1
6の後段にD−Aコンバータを設けて、判定回路17に
供給する信号をアナログ信号としても良い。
【0112】また、本発明は上述の実施例に限ることな
く本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成
が取り得ることは勿論である。
【0113】
【発明の効果】上述せる本発明によれば、受信、検波さ
れたデータを一旦記憶手段に蓄えた後に、その一部に含
まれる同期信号を検出して、その既知のデータを利用
し、フィルタの係数を更新する際に、入力されるデータ
を遮断して、固定の同期信号のみを用いて係数を決定す
る作業を繰り返し、収束が完了した時点で遮断されてい
たデータを取り込んで等化を行うようにしたので、1フ
レーム或は1スロットの時間内にフィルタ係数が収束す
るようにできると共に、回路構成を簡単とすることがで
きる利益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明等化回路の一実施例を示すブロック線図
である。
【図2】本発明等化回路の一実施例の説明に供するフロ
ーチャートである。
【図3】本発明等化回路の一実施例の説明に供するタイ
ミングチャートである。
【図4】本発明等化回路の説明に供する送信系の例を示
すブロック線図である。
【図5】本発明等化回路の適用される受信系の例を示す
ブロック線図である。
【図6】ディジタルデータ伝送における送信系の例を示
すブロック線図である。
【図7】ディジタルデータ伝送における受信系の例を示
すブロック線図である。
【図8】通信フォーマットを示す説明図である。
【図9】従来の等化回路の例を示すブロック線図であ
る。
【符号の説明】
t1、t2、t3、・・・・tn シフトレジスタ x1、x2、x3、x4、・・・・xn 乗算回路 30 加算回路 31 同期検出回路 32 基準信号発生回路 33 誤差推定回路 34 RAM 35、36 ゲート回路 37 制御回路 37a AND回路 37i インバータ37o OR回路 38 誤差レベル検出回路 51 係数決定回路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 21/00 H04B 7/005 JICSTファイル(JOIS) 実用ファイル(PATOLIS) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を記憶する記憶手段と、 複数のタップから構成されるフィルタと、 入力信号より同期信号を検出する同期信号検出手段と、 該同期信号検出手段よりの検出結果及び上記フィルタよ
    りの出力信号に基いて誤差を推定する誤差推定手段と、 該誤差推定手段よりの誤差情報のレベルを検出するレベ
    ル検出手段と、 該レベル検出手段よりの検出信号及び上記同期信号検出
    手段よりの検出結果に基いて第1及び第2の制御信号を
    出力する制御手段と、 上記記憶手段より読みだされた信号を上記制御手段より
    の第1の制御信号に基いて上記フィルタに供給する第1
    の出力手段と、 上記記憶手段より読みだされた信号を上記制御手段より
    の第2の制御信号に基いて上記フィルタに供給する第2
    の出力手段と、 上記誤差推定手段よりの誤差情報及び上記フィルタ内の
    上記複数のタップに関連した複数の信号に基いて上記フ
    ィルタの上記複数のタップの係数を決定する係数決定手
    段とを有することを特徴とする等化回路。
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