JPH0818492A - 遅延量推定型mlse等化装置 - Google Patents

遅延量推定型mlse等化装置

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JPH0818492A
JPH0818492A JP15190394A JP15190394A JPH0818492A JP H0818492 A JPH0818492 A JP H0818492A JP 15190394 A JP15190394 A JP 15190394A JP 15190394 A JP15190394 A JP 15190394A JP H0818492 A JPH0818492 A JP H0818492A
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JP15190394A
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Ryoichi Minowa
良一 箕輪
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 遅延量の変動する遅延波による符号間干渉を
除去する遅延量推定型MLSE等化装置に関し、等化能
力を向上させることを目的とする。 【構成】 適応フィルタ1のタップ係数をタップ係数決
定手段3で決定されたタップ係数に設定した後、既知・
誤りデータ入力手段4が、遅延回路1aの遅延量を可変
し、その各遅延量毎に、既知データおよび既知データと
異なる誤りデータを、適応フィルタ1に入力するように
する。そして、差検出手段5が、既知・誤りデータ入力
手段4による入力の結果、適応フィルタ1から出力され
た既知データに対応するデータと、伝搬路2を経た既知
データとの第1の差、および適応フィルタ1から出力さ
れた誤りデータに対応するデータと、伝搬路2を経た既
知データとの第2の差を求める。これらの差検出手段5
で求めた各遅延量毎の第1の差および第2の差に基づ
き、遅延量決定手段6は、伝搬路2の遅延量に最も近似
する遅延回路1aの遅延量を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遅延量の変動する遅延
波による符号間干渉を除去する遅延量推定型MLSE等
化装置に関し、特に、伝搬遅延を無視できないようなシ
ンボルレートの高い高速ディジタル移動通信において遅
延波による符号間干渉を除去するための遅延量推定型M
LSE等化装置に関する。
【0002】近年の移動通信端末の加入者の増加に伴
い、大容量を持つ無線通信システムが要求されている。
そのため、8PSK、16値QAM方式といった多重度
の高い変調方式を採用し、なおかつシンボルレートの高
い伝送を行う必要が生じている。
【0003】しかし、図10に示すように、一般に受信
機(RX)101では、送信機(TX)102からの直
接波(先行波)と遅延波とを同時に受信することによ
り、その受信波が歪んでしまうが、その歪みの影響は高
速な伝送ほど大きくなる。また、移動通信においては、
先行波、遅延波共に独立にレイリーフェーディング、ラ
イスフェーディングに代表されるレベル変動および位相
変動をうけることが知られている。したがって、高速伝
送移動通信を実現するためには、直接波、遅延波のそれ
ぞれに含まれるフェーディングによる歪みを等化し、さ
らに遅延波の影響を等化する遅延等化器が必要となる。
【0004】一般に移動通信に使用される等化器は、非
線形等化器である判定帰還型等化器(DFE;Decision
Feedback Equalizer)と最尤系列推定型(MLSE;Ma
ximum Likelihood Sequence Estimation)等化器とがあ
るが、その等化特性はMLSE型等化器の方が優れてい
る。最尤系列推定とは、どのような送信シンボル系列
{an}が伝送されると、受信信号ベースバンド信号系列
{yn}に最も近くなるかを推定する方式である。これは
確率論から言えば、系列{an}が送信された場合の系列
{yn}の条件付き確率 p({yn}|{an}) を最大とす
る系列{an}を推定することに相当する。この最大とな
る可能性をもつ系列を効率よく選択する方式としてビタ
ビアルゴリズムがある。
【0005】
【従来の技術】等化器を備えた従来のディジタル通信の
受信機の基本構成を図11に示す。図中、RX部103
でIF信号に変換された受信信号は、復調部104で、
準同期検波されるともに、シンボル間隔でサンプリング
されてA/D変換される。等化部105の内部には、伝
搬路上で生じているフェーディングによる歪みと等価な
歪みを発生させることが可能な適応フィルタがあり、等
化部105では、受信され得る全てのデータ(候補デー
タ)をこの適応フィルタを通過させ、一方で実際に伝搬
路を経て受信したデータとそれらの通過データとを比較
して、実際に受信したデータが候補データのどれに相当
するかを決定して、受信データを特定している。
【0006】この適応フィルタに、伝搬路上で生じてい
るフェーディングによる歪みと等価な歪みを発生させる
ために、図12のように、送信信号の各フレーム内に設
けられたトレーニングビットTRを利用して、予め適応
フィルタのタップ係数の更新が行われる。なお、図12
は、TDMA(Time Division Multiple Access)フレー
ムフォーマットを示す図であり、同期ビットはクロック
(シンボル)同期を確立させるためのプリアンブルビッ
ト、またはフレーム同期を確立させるためのユニークワ
ード等であり、Teは等化部の等化動作の終了時に使用
されるターミネーションビットである。
【0007】図11に戻って、受信信号処理部106
は、受信データを構成する各フレーム内のトレーニング
ビットやデータビットのタイミング位置を検出して復調
部104および等化部105に知らせるものである。
【0008】図13は、等化部105の内部構成を示す
ブロック図である。ここでは、シンボル周期をTとし、
周期Tの遅延を2シンボルに亘って行なっている。等化
部105は、トレーニングビットTRのデータ系列を既
知データとしてメモリ(図示せず)に記憶しており、受
信信号処理部106からトレーニングビットTRの開始
タイミング信号を受け取ると、このメモリから既知デー
タ(すなわち、トレーニングビットTRのデータ系列と
同一のデータ系列)を読み出し、適応フィルタ110へ
入力する。適応フィルタ110は、遅延時間Tの2つの
遅延回路111,112と、タップ係数を乗算する3つ
の乗算回路113〜115と、乗算回路113〜115
の各出力を合算する加算回路116とから成る。適応フ
ィルタ110では、遅延されないままの既知データと、
シンボル周期Tだけ遅延された既知データと、シンボル
周期Tの2倍遅延された既知データとに、乗算回路11
3〜115により振幅情報、位置情報を有するタップ係
数がそれぞれ掛け合わされ、加算回路116で合算され
て、伝搬路上の先行波と遅延波との合成波に相当するレ
プリカ信号が出力される。
【0009】適応フィルタ110から出力されたレプリ
カ信号は差算出回路117に入力される。一方、トレー
ニングビットTRに搭載された既知データが伝搬路を経
て送られ、受信され復調されて差算出回路117に入力
される。差算出回路117では、これらのレプリカ信号
と受信信号との差が算出されて係数更新部118へ送ら
れる。係数更新部118は、この差の二乗の信号、すな
わちブランチメトリックを求め、トレーニングビットT
Rの入力期間中に亘って、このブランチメトリックが最
小となるように、乗算回路113〜115で乗算される
タップ係数をそれぞれ決定し、更新するようにする。こ
の決定の方法には、LMSアルゴリズム、RLSアルゴ
リズム等が使用される。いずれのアルゴリズムも、受信
信号とレプリカ信号との差である誤差信号を基にブラン
チメトリックを求め、そのブランチメトリックが収束す
るようにする。
【0010】こうして適応フィルタ110のトレーニン
グ、すなわち、伝搬路に非常に類似した伝搬特性を適応
フィルタ110に持たせることが終了したあと、今度は
実際の等化が行われる。すなわち、未知のデータが伝搬
路を経て送られ、受信され復調されて差算出回路117
に入力される。一方、適応フィルタ110には、受信さ
れ得る全ての候補データを順次入力するようにし、これ
らの候補データが、適応フィルタ110から差算出回路
117に順次出力される。これらに基づき、差算出回路
117が各候補データと受信データとの差を各候補デー
タ毎に算出し、係数更新部118が各候補データ毎のブ
ランチメトリックを求め、MLSE演算部119へ出力
する。
【0011】MLSE演算部119では、各候補データ
毎のこれらのブランチメトリックを基に、適当なアルゴ
リズムを使用して最尤データ系列を推定する。最尤デー
タ系列の推定は、各候補データのうちで、受信データと
同じデータが候補データであるときに、ブランチメトリ
ックが最小になるはずであるという原理に基づいて行わ
れるもので、この推定を効率的に行うビタビアルゴリズ
ムが一般的に用いられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この等化にお
いて等化部105で行われる演算量が膨大になるという
問題点がある。例えば、QPSK変調方式を採用した場
合に、1シンボルのデータを推定するための候補データ
の数は、ビタビアルゴリズムを使用した場合でも、1シ
ンボル遅延を等化する場合で16(=4値×4)、2シ
ンボル遅延を等化する場合で64(=4値×4×4)と
なる。このように候補データの数が多いために、現状の
演算速度では、4値以上の多重度を持つ変調方式で、2
シンボル遅延までを等化するMLSE等化器の実現は難
しい。
【0013】また、MLSE等化器は、通常シンボル間
隔で発生している遅延波を等化するように設計されてい
るために、それよりも狭い遅延時間間隔で遅延波が発生
している場合には等化能力が低下する。これを改善する
ためには、伝搬路の特性を推定している適応フィルタの
タップ配置を分数配置にして分解能を上げればよいが、
これは、2シンボル以上の遅延を等化することが演算量
の制約上難しいのと同様に困難である。
【0014】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、等化能力を向上させた遅延量推定型MLSE
等化装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明では上記目的を達
成するために、図1に示すように、少なくとも、遅延量
が可変な1つの遅延回路1aおよび2つの乗算器1b,
1cからなる適応フィルタ1と、等化前のトレーニング
時に、既知データを適応フィルタ1に入力し、その結
果、適応フィルタ1から出力されたデータと、伝搬路2
を経た既知データとの差が最小となるように適応フィル
タ1のタップ係数を決定するタップ係数決定手段3と、
適応フィルタ1のタップ係数をタップ係数決定手段3で
決定されたタップ係数に設定した後、遅延回路1aの遅
延量を可変し、各遅延量毎に、既知データおよび既知デ
ータと異なる誤りデータを、適応フィルタ1に入力する
既知・誤りデータ入力手段4と、既知・誤りデータ入力
手段4による入力の結果、適応フィルタ1から出力され
た既知データに対応するデータと、伝搬路2を経た既知
データとの第1の差、および適応フィルタ1から出力さ
れた誤りデータに対応するデータと、伝搬路2を経た既
知データとの第2の差を求める差検出手段5と、差検出
手段5で求めた各遅延量毎の第1の差および第2の差に
基づき、伝搬路2の遅延量に最も近似する遅延回路1a
の遅延量を決定する遅延量決定手段6と、を有すること
を特徴とする遅延量推定型MLSE等化装置が提供され
る。
【0016】
【作用】以上のような構成において、等化前のトレーニ
ング時にまず、伝搬路2を経て既知データが送られる一
方、タップ係数決定手段3が、既知データを適応フィル
タ1に入力し、その結果、適応フィルタ1から出力され
たデータと、伝搬路2を経た既知データとの差を求め、
それが最小となるように適応フィルタ1のタップ係数を
決定する。これにより、適応フィルタ1が伝搬路の伝搬
特性に近似した特性にトレーニングされる。
【0017】つぎに、適応フィルタ1のタップ係数をタ
ップ係数決定手段3で決定されたタップ係数に設定した
後、既知・誤りデータ入力手段4が、遅延回路1aの遅
延量を可変し、その各遅延量毎に、既知データおよび既
知データと異なる誤りデータを、適応フィルタ1に入力
するようにする。そして、差検出手段5が、既知・誤り
データ入力手段4による入力の結果、適応フィルタ1か
ら出力された既知データに対応するデータと、伝搬路2
を経た既知データとの第1の差、および適応フィルタ1
から出力された誤りデータに対応するデータと、伝搬路
2を経た既知データとの第2の差を求める。これらの差
検出手段5で求めた各遅延量毎の第1の差および第2の
差に基づき、遅延量決定手段6は、伝搬路2の遅延量に
最も近似する遅延回路1aの遅延量を決定する。
【0018】これにより、適応フィルタ1は、伝搬路2
の遅延量に拘らず、その遅延量に近似した伝搬特性を備
えることが可能となり、従来の装置では十分に等化でき
なかった遅延波を等化することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は、本発明の第1の実施例の遅延量推定型M
LSE等化装置を備えたディジタル移動無線の受信機の
構成図である。図中、RX部11がRF信号を受信して
IF信号に変換し、復調部12を経て等化部13へ送
る。復調部12は、準同期検波部12a、CR(Carrie
r Recover)制御部12b、A/D変換部12c、および
BTR(Bit Timing Recover)制御部12dから成り、
準同期検波を行なって、ディジタル信号を復調する。等
化部13は、等化制御部13a、適応フィルタ部13
b、遅延設定部13c、およびMLSE演算部13dか
ら成り、復調部12から送られたディジタル信号の等化
および最尤系列推定を行ない、受信信号処理部14へ出
力する。これらの復調部12および等化部13について
は、詳細に後述する。
【0020】受信信号処理部14は、受信データを構成
する各フレーム内のトレーニングビットやデータビット
のタイミング位置を検出して復調部12および等化部1
3に知らせるものである。
【0021】図3は復調部12の内部構成を示すブロッ
ク図である。図中、CR制御部12b、BTR制御部1
2d、およびA/D変換部12cを構成する2つのA/
Dコンバータ(A/D)12ca,12cbを除いた残
りの部分は、準同期検波部12aを構成している。
【0022】RX部11から送られたIF信号はAGC
アンプ21、バンドパスフィルタ(FIL)22、アン
プ23を介してハイブリッド(HYB)24に送られ、
そこで分岐されて位相検波器(MIX)25,26へ送
られる。位相検波器25,26には、電圧制御発振器
(VCXO)31からの搬送波信号がハイブリッド(H
YB)29で分岐されて供給される。ただし、位相検波
器26へは移相器30で90°移相された搬送波信号が
供給される。位相検波器25,26の両出力はアンプ2
7,28をそれぞれ経てA/Dコンバータ12ca,1
2cbへ入力され、ディジタル信号にそれぞれ変換され
る。そしてつぎのロールオフフィルタ(FIL)32,
33を介してIチャネルの復調信号およびQチャネルの
復調信号がそれぞれ取り出され、CR制御部12b、B
TR制御部12d、および受信バッファ34へそれぞれ
出力される。
【0023】CR制御部12bは、I,Qベクトルを検
出して、それらに基づき電圧制御発振器31の発振周波
数を制御して、搬送波を復調信号に同期するようにして
いる。CR制御部12bからは、後述のように等化部1
3の等化制御部13aへ周波数オフセット信号が送られ
る。また、BTR制御部12dは、I,Qチャネルの復
調信号を基に、受信信号のシンボル変化点を抽出してク
ロックを再生し、受信バッファ34へ供給する。BTR
制御部12dには、後述のように等化部13の等化制御
部13aから遅延量信号が送られる。この信号の入力に
基づくBTR制御部12dの動作については後述する。
【0024】受信バッファ34は、FIFOメモリで構
成され、高速伝送速度で入力するデータを、受信信号処
理部14からの指定タイミングに合わせ、低速伝送速度
で等化部13の適応フィルタ13bへ出力するためのも
のである。
【0025】図4は等化部13の内部構成を示す図であ
る。図中、等化制御部13a、遅延設定部13c、およ
びMLSE演算部13dを除いた残りの部分が適応フィ
ルタ部13bを構成している。すなわち、適応フィルタ
部13bは、2つの乗算回路41,42、これらの乗算
回路41,42の出力を合算してレプリカ信号を作る加
算回路43、このレプリカ信号と復調部12からの受信
信号との差を算出する差算出回路44、この差を基にブ
ランチメトリックを算出し、乗算回路41,42のタッ
プ係数をそれぞれ更新するCIR(Channel Impulse Re
sponse)更新部45、ブランチメトリックを基に伝搬路
に最も近似した遅延量を決定するΣErr比較部46か
ら成る。
【0026】なお、等化制御部13aはプロセッサで構
成され、その機能の一部として遅延量推定間欠動作部1
3aaを含む。遅延設定部13cは、図5に示すよう
に、遅延量が、遅延無しと、シンボル周期Tの1/2
(ハーフシンボル),1,3/2,2倍という5種類を
備え、それらのいずれか1つが等化制御部13aによっ
て選択されるようになっている。
【0027】つぎに、この等化部13の動作を説明す
る。まず受信信号としては、図6に示すようなスロット
構成の信号が受信される。すなわち、図12に示す従来
のスロット構成と異なり、タップ係数の決定用のトレー
ニングビットTR1の他に、遅延量推定用のトレーニン
グビットTR2が設けられる。
【0028】図4に戻って、送信側から伝搬路を介して
送られた信号が復調部12で復調され、そのうちのトレ
ーニングビットTR1が等化部13に送られると、タッ
プ係数収束用のトレーニングが開始される。すなわち、
このトレーニングビットTR1に搭載された系列データ
と同じ既知データがメモリ(図示せず)から読み出され
て、遅延設定部13cおよび適応フィルタ部13bへ入
力される。なお、遅延設定部13cは、タップ係数収束
用のトレーニング時には遅延量をいずれかの1つに設定
して固定しておく。
【0029】適応フィルタ部13bでは、遅延されない
ままの既知データと、設定遅延量だけ遅延された既知デ
ータとに、乗算回路41,42によりタップ係数がそれ
ぞれ掛け合わされ、加算回路43で合算されて、伝搬路
上の先行波と遅延波との合成波に相当するレプリカ信号
が出力される。このレプリカ信号は差算出回路44に入
力される。一方、復調されたトレーニングビットTR1
の系列データが、前述のように差算出回路44に入力さ
れているので、差算出回路44では、これらのレプリカ
信号と受信信号との差を算出してCIR更新部45へ送
る。CIR更新部45は、この差の二乗の信号、すなわ
ちブランチメトリックを求め、トレーニングビットTR
1の入力期間中に亘って、このブランチメトリックが最
小となるように、乗算回路41,42で乗算されるタッ
プ係数をそれぞれ決定し、更新するようにする。
【0030】つぎに、トレーニングビットTR1に続い
てトレーニングビットTR2が等化部13へ送られる
と、遅延量推定用のトレーニングが開始される。まず、
このトレーニングビットTR2に搭載された既知データ
系列の一部が、異なる信号点からなる誤りデータと置き
換えられた上で、遅延設定部13cおよび適応フィルタ
部13bへ入力される。
【0031】図7は、このトレーニングビットTR2の
信号遷移を示す図である。すなわち、トレーニングビッ
トTR2での系列データは太線で示すような信号遷移と
なるが、これに対して一部に誤り信号を置き換える。そ
れによる信号遷移を細線で示す。例えば、トレーニング
ビットTR2での既知系列データに対し、時点tでは信
号点(N−1)の代わりに信号点2が入れ替えられる。
なお、図7は、N値変調方式に適用した場合を示す。
【0032】一方、遅延設定部13cは遅延量を順次変
更するようにする。前述のように、復調されたトレーニ
ングビットTR2の既知データが差算出回路44に入力
されているので、トレーニングビットTR2の期間に亘
って等化部13を動作させることによって、CIR更新
部45では、遅延設定部13cおよび適応フィルタ部1
3bへ既知データが入力したときのブランチメトリック
BM (t) と、遅延設定部13cおよび適応フィルタ部1
3bへ誤りデータが入力したときのブランチメトリック
BM(f) とが、各遅延量毎に検出される。すなわち、ブ
ランチメトリックBM(t) は、同一入力データ(既知デ
ータ)に基づくブランチメトリックであり、ブランチメ
トリックBM(f) は、異なるデータ(既知データと誤り
データ)の入力に基づくブランチメトリックである。
【0033】ところで、等化部13の適応フィルタ部1
3bの特性は、トレーニングビットTR1によるトレー
ニングによって既に、伝搬路の伝搬特性に近似されてい
るので、ブランチメトリックBM(t) は、ブランチメト
リックBM(f) よりも小さい値を示すはずである。そこ
で、ΣErr比較部46は、各遅延量毎に、ブランチメ
トリックBM(t) と、ブランチメトリックBM(f) との
比Err=BM(t) /BM(f) を算出し、これをトレー
ニングビットTR2の期間に亘って積算する。この積算
は、比Errの雑音による算出誤差および適応フィルタ
部13bにおける伝搬路状態の推定誤差の吸収に有効で
ある。そして、各遅延量毎の積算値を比較し、最小値と
なった積算値に対応する遅延量を求め、この遅延量を等
化制御部13aへ知らせる。等化制御部13aは、その
遅延量を、伝送路の遅延量に最も近似した値と見做して
遅延設定部13cに知らせ、遅延設定部13cの遅延量
をその値に設定する。
【0034】ハーフシンボル間隔で2シンボル遅延波ま
でを等化できる受信機において、受信機における受信レ
ベルが、例えば、各遅延量において図8に示すようなレ
ベルであった場合には、遅延量3T/2が遅延設定部1
3cの遅延量として設定される。
【0035】このようにして、適応フィルタ部13bで
は、トレーニングビットTR1によるトレーニングによ
ってタップ係数が収束され、また、遅延設定部13cで
は、トレーニングビットTR2によるトレーニングによ
って遅延量が設定される。こうした適応フィルタ部13
bおよびた遅延設定部13cを用いて、通信データ(D
ATA)の入力時において等化を行なう。そして、ML
SE演算部13dが従来と同じように最尤系列推定を行
なう。
【0036】以上にようにして、遅延設定部13cが、
伝搬路の遅延量に拘らず、その遅延量に近似した伝搬特
性を備えることが可能となり、従来の装置では十分に等
化できなかった遅延波を等化することが可能となる。
【0037】ところで、ΣErr比較部46から出力さ
れる遅延量が0である場合に、等化制御部13aは、C
R制御部12bから送られる周波数オフセット信号に基
づき等化部13の動作をイネーブル信号を出力しないこ
とにより停止させる。この周波数オフセット信号は、電
圧制御発振器31での準同期の周波数オフセットに用い
られるものであり、等化制御部13aは、この周波数オ
フセット信号に基づき準同期の周波数オフセットが十分
補正されていることが認識され、かつΣErr比較部4
6から出力される遅延量が0である場合に、等化部13
の動作を停止させる。これにより、遅延量が0で等化部
13の機能を要さない伝搬路の状態のときに、等化部1
3での消費電力の節減が図られる。
【0038】また、等化制御部13aの遅延量推定間欠
動作部13aaは、伝搬路の状態変化の周期を検出し、
この周期が送信信号のフレーム周期よりも所定量だけ長
いときには、等化部13を、所定数置きのフレーム毎に
動作させるようにする。通常、等化部13は、送信信号
のフレーム周期毎にトレーニングを行なっているが、伝
搬路の状態変化の周期が比較的長い場合にはフレーム毎
に遅延量を調べる必要がない。したがって、歩行速度程
度で移動体が移動して伝搬路の状態変化の周波数が8H
z程度である場合には、数フレーム毎に遅延量を調べる
ようにする。
【0039】また、遅延量推定用のトレーニングの結
果、遅延設定部13cに設定される遅延量は、等化制御
部13aから遅延量信号として復調部12のBTR制御
部12dに送られて利用される。すなわち、BTR制御
部12dは、受信信号のシンボル変化点を抽出してクロ
ック再生を行なっているが、遅延波がシンボル間隔と異
なる遅延時間で発生していると、その遅延波でのシンボ
ル変化点も抽出してしまうため、クロック再生の精度が
劣化してしまう。そこで、検出された遅延量がシンボル
周期以外になった場合には、BTR制御部12d内の電
圧制御発振器の制御電圧を固定させ、もしくはBTR制
御部12d内で構成されるPLLのループフィルタの時
定数を変化させるようにして、クロック再生の精度が劣
化することを防止する。
【0040】つぎに、本発明の第2の実施例を説明す
る。図9は、本発明の第2の実施例の等化装置の構成図
である。第2の実施例では、等化装置をQPSK変調方
式に適用した場合を示し、第2の実施例の等化装置の構
成は、図4に示す第1の実施例の構成と基本的には同じ
であるが、第2の実施例では、適応フィルタ部を4多重
して等化装置の演算処理に要する時間を減少させている
点が異なっている。
【0041】第1の実施例の説明で述べたように、等化
装置は等化動作に入ると、トレーニング時とは異なり、
全てのデータ候補についてブランチメトリックを算出す
る必要がある。QPSK変調方式の場合、ある時点での
先行波の取り得る値は4値であり、その時点で遅延波が
取り得る値も4値である。したがって、先行波と遅延波
とが合成されると、その合成波の取り得る値は16値に
なる。すなわち、1シンボルのデータを等化するため
に、ブランチメトリックを算出するための演算処理を1
6回行う必要があり、それにかかる所要時間が問題とな
る。
【0042】そこで、第2の実施例では、4つの適応フ
ィルタ51〜54を用意して、等化時には16回分の演
算を分担して、それぞれの適応フィルタが1シンボルに
対して4回のブランチメトリック演算を行なうようにし
ている。この場合の4つの適応フィルタ51〜54に設
定される遅延量は、当然、遅延量推定用のトレーニング
の結果設定された単一の遅延量である。なお、適応フィ
ルタ部の多重度を4にしたのは単なる例であり、適応フ
ィルタ部の多重度は装置規模に応じて自由に設定し得
る。
【0043】一方、トレーニング時には、4つの適応フ
ィルタ51〜54に異なる遅延量を設定しておいて、各
遅延量毎のブランチメトリックの算出を同時に行うよう
にする。これにより、従来型の等化装置が演算に要した
時間と大差なくトレーニングを実現できる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、遅延回
路の遅延量を可変し、各遅延量毎に、既知データおよび
既知データと異なる誤りデータを用いてブランチメトリ
ックを算出し、これに基づいて伝搬路の遅延量に最も近
似する遅延回路の遅延量を決定するようにした。これに
より、適応フィルタは、伝搬路の遅延量に拘らず、その
遅延量に近似した伝搬特性を備えることが可能となり、
従来の装置では十分に等化できなかった遅延波を等化す
ることができるようになった。
【0045】また、遅延回路の遅延量の決定を間欠的に
実施するようにした。また、遅延が存在しない場合には
等化装置自体の動作を停止させるようにした。これによ
り、この決定に係わる回路や等化装置で消費される電力
量の削減を可能にした。
【0046】さらに、遅延回路に最終的に設定される遅
延量に応じてクロック再生回路の動作を制御してクロッ
ク再生の精度を向上させた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の第1の実施例の遅延量推定型MLSE
等化装置を備えたディジタル移動無線の受信機の構成図
である。
【図3】復調部の内部構成を示すブロック図である。
【図4】等化部の内部構成を示す図である。
【図5】遅延設定部の構成図である。
【図6】本発明のスロット構成である。
【図7】トレーニングビットTR2の信号遷移を示す図
である。
【図8】着信状態の一例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例の等化装置の構成図であ
る。
【図10】伝搬の様子を示す図である。
【図11】等化器を備えた従来のディジタル通信の受信
機の基本構成を示す図である。
【図12】従来のTDMAフレームフォーマットを示す
図である。
【図13】従来の等化部の内部構成を示す図である。
【符号の説明】
1 適応フィルタ 1a 遅延回路 1b 乗算器 1c 乗算器 2 伝搬路 3 タップ係数決定手段 4 既知・誤りデータ入力手段 5 差検出手段 6 遅延量決定手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遅延量の変動する遅延波による符号間干
    渉を除去する遅延量推定型MLSE等化装置において、 少なくとも、遅延量が可変な1つの遅延回路(1a)お
    よび2つの乗算器(1b,1c)からなる適応フィルタ
    (1)と、 等化前のトレーニング時に、既知データを前記適応フィ
    ルタ(1)に入力し、その結果、前記適応フィルタ
    (1)から出力されたデータと、伝搬路(2)を経た前
    記既知データとの差が最小となるように前記適応フィル
    タ(1)のタップ係数を決定するタップ係数決定手段
    (3)と、 前記適応フィルタ(1)のタップ係数を前記タップ係数
    決定手段(3)で決定されたタップ係数に設定した後、
    前記遅延回路(1a)の遅延量を可変し、各遅延量毎
    に、前記既知データおよび前記既知データと異なる誤り
    データを、前記適応フィルタ(1)に入力する既知・誤
    りデータ入力手段(4)と、 前記既知・誤りデータ入力手段(4)による入力の結
    果、前記適応フィルタ(1)から出力された前記既知デ
    ータに対応するデータと、前記伝搬路(2)を経た前記
    既知データとの第1の差、および前記適応フィルタ
    (1)から出力された前記誤りデータに対応するデータ
    と、前記伝搬路(2)を経た前記既知データとの第2の
    差を求める差検出手段(5)と、 前記差検出手段(5)で求めた各遅延量毎の前記第1の
    差および前記第2の差に基づき、前記伝搬路(2)の遅
    延量に最も近似する前記遅延回路(1a)の遅延量を決
    定する遅延量決定手段(6)と、 を有することを特徴とする遅延量推定型MLSE等化装
    置。
  2. 【請求項2】 前記遅延量決定手段(6)は、各遅延量
    毎に、前記第1の差および前記第2の差に基づく第1の
    ブランチメトリックおよび第1のブランチメトリックを
    それぞれ算出し、前記第2のブランチメトリックに対す
    る前記第1のブランチメトリックの比を所定期間に亘っ
    て積算し、それらの各積算値のうちで最小となる積算値
    に対応する遅延量を、前記伝搬路(2)の遅延量に最も
    近似する前記遅延回路(1a)の遅延量として決定する
    ことを特徴とする請求項1記載の遅延量推定型MLSE
    等化装置。
  3. 【請求項3】 前記伝搬路(2)を介して送られる信号
    のフレーム毎に、前記既知・誤りデータ入力手段
    (4)、前記差検出手段(5)、および前記遅延量決定
    手段(6)を動作させるようにする動作制御手段を更に
    有することを特徴とする請求項1記載の遅延量推定型M
    LSE等化装置。
  4. 【請求項4】 前記伝搬路(2)の状態変化の周期を検
    出する周期検出手段を更に有し、 前記動作制御手段は、前記周期検出手段が検出した周期
    が、前記伝搬路(2)を介して送られる信号のフレーム
    周期よりも所定量だけ長いときには、前記既知・誤りデ
    ータ入力手段(4)、前記差検出手段(5)、および前
    記遅延量決定手段(6)を、所定数置きのフレーム毎に
    動作させるようにすることを特徴とする請求項3記載の
    遅延量推定型MLSE等化装置。
  5. 【請求項5】 前記遅延量決定手段(6)が決定した前
    記遅延回路(1a)の遅延量が0であるときに、遅延量
    推定型MLSE等化装置自体の動作を停止させる停止手
    段を更に有することを特徴とする請求項1記載の遅延量
    推定型MLSE等化装置。
  6. 【請求項6】 前記遅延量決定手段(6)が決定した前
    記遅延回路(1a)の遅延量がシンボル周期と異なる場
    合に、タイミング再生回路の電圧制御発振器の制御電圧
    を固定させ、もしくはループフィルタの時定数を変化さ
    せるようにしてタイミング再生特性の劣化防止をするタ
    イミング再生安定手段を更に有することを特徴とする請
    求項1記載の遅延量推定型MLSE等化装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6522702B1 (en) 1998-04-22 2003-02-18 Nec Corporation Radio data communication terminal
WO2003065611A1 (fr) * 2002-01-29 2003-08-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Dispositif de transmission et de reception, systeme de radiocommunication et procede de transmission et de reception
JP2010288314A (ja) * 2007-10-17 2010-12-24 Avago Technologies Fiber Ip (Singapore) Pte Ltd 適応等化器
US11902061B2 (en) 2022-03-22 2024-02-13 Kioxia Corporation Reception device and reception method

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Effective date: 20020312