JP3115306B2 - Vベルト変速機 - Google Patents

Vベルト変速機

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JP3115306B2
JP3115306B2 JP02282868A JP28286890A JP3115306B2 JP 3115306 B2 JP3115306 B2 JP 3115306B2 JP 02282868 A JP02282868 A JP 02282868A JP 28286890 A JP28286890 A JP 28286890A JP 3115306 B2 JP3115306 B2 JP 3115306B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、自動二輪車等に用いられるVベルト変速
機に関する。
(従来の技術) 上記Vベルト変速機には、従来、実公昭35−4321号公
報のものや、特公昭26−432号公報で示されるものがあ
る。
上記各公報のものによれば、変速機のケーシングに支
承された駆動軸上に駆動プーリが設けられる一方、上記
駆動軸に平行に配設されて上記ケーシングに支承される
従動軸上に従動プーリが設けられ、上記両プーリにVベ
ルトが巻き掛けられている。上記各プーリのVベルト溝
をそれぞれ形成する一対のフェースのうち、少なくとも
一方のフェースが上記各軸の軸方向に可動の可動フェー
スとされている。
上記軸方向に沿った視線でみた側面視で、上記駆動プ
ーリと従動プーリのほぼ中間点に配設されて上記ケーシ
ング側に支承される中間部材が設けられると共に、上記
各軸の軸心を通る仮想線にほぼ平行に延びてその長手方
向の中途部が上記中間部材に枢支軸により枢支される連
動バーが設けられ、この連動バーの一端側回動端が駆動
プーリの可動フェースに連結される一方、他端側回動端
が従動プーリの可動フェースに連結され、かつ、同上連
動バーを上記枢支軸回りに回動させる駆動手段が設けら
れている。
そして、上記したVベルト変速機により、駆動軸側か
ら従動軸側へ伝わる動力をある変速比の状態から所望の
変速比にさせようとして、駆動手段により連動バーを枢
支軸回りに回動させ、例えば、この連動バーの一端側回
動端に連結された駆動プーリの可動フェースをこの可動
フェースに対応するフェースに接近させてVベルトとの
巻掛径を大きくさせようとすると、これの反作用とし
て、同上連動バーの他端側回動端に連結された従動プー
リの可動フェースが、この可動フェースに対応するフェ
ースから離れて、同上Vベルトとの巻掛径が小さくなる
こととされている。
即ち、駆動プーリと従動プーリのうちの一方のVベル
ト溝の幅寸法を定めると、これに応じて他方のVベルト
溝の幅寸法が自動的に定められるのであって、従来のよ
うにばねの付勢力によってVベルトが従動プーリにより
挟み付けられることはない。このため、特に、上記Vベ
ルト変速機が無負荷状態にあるときには、Vベルトは駆
動プーリや従動プーリに軽い摩擦力で接合することとな
る。
よって、Vベルト変速機のVベルトの寿命の向上が達
成される。
また、上記駆動プーリと従動プーリの間で、上記Vベ
ルトの一部に圧接する手動式のテンショナーが設けられ
ている。
そして、上記テンショナーを適宜手動操作することに
よって、上記Vベルトに所定の引張応力が生じさせら
れ、もって、各プーリに対するVベルトの滑りの発生が
抑制されて、所望の変速比が確保されるようになってい
る。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、上記した従来の技術では、次のような問題
点がある。
即ち、Vベルト変速機をある変速比の状態から所望の
変速比にさせようとして、駆動手段により枢支軸回りに
連動バーを回動させ、これに連動する各可動フェースを
所望量だけ移動させようとするとき、上記した所望の変
速比がより迅速に得られるようにすることが望まれてい
る。
また、従来の技術におけるテンショナーは手動式であ
り、その操作は間欠的に行われるものであって、Vベル
トに所定の引張応力を常時与えることは困難であるた
め、上記テンショナーの操作から長時間が経過したとす
ると、各プーリに対しVベルトはわずかでも滑りがちに
なって、精度のよい所望の変速比の確保はし難いという
問題点がある。
(発明の目的) この発明は、上記のような事情に注目してなされたも
ので、Vベルト変速機をある変速比の状態から所望の変
速比にさせようとするとき、これがより迅速にできるよ
うにし、かつ、精度のよい所望の変速比が確保できるよ
うにすることを目的とする。
(発明の構成) 上記目的を達成するためのこの発明の特徴とするとこ
ろは、ケーシングに支承された駆動軸2上に駆動プーリ
4を設ける一方、上記駆動軸2に平行に配設されて上記
ケーシングに支承される従動軸3上に従動プーリ5を設
け、上記両プーリ4,5にVベルト6を巻き掛け、上記各
プーリ4,5のVベルト溝をそれぞれ形成する一対のフェ
ース9,9′,11,11′のうち、少なくとも一方のフェース
を上記各軸2,3の軸方向に可動の可動フェース9,9′,11,
11′とし、 上記軸方向に沿った視線でみた側面視で(第2図)、
上記駆動プーリ4と従動プーリ5のほぼ中間点に配設さ
れて上記ケーシング側に支承される中間部材(連動バ
ー)17,17′を設けると共に、上記各軸2,3の軸心を通る
仮想線にほぼ平行に延びてその長手方向の中途部が上記
中間部材(連動バー)17,17′に枢支軸23,23′により枢
支される連動バー17,17′を設け、この連動バー17,17′
の前端(一端側回動端)17a,17a′を駆動プーリ4の駆
動フェース(可動フェース)9,9′に連結させる一方、
後端(他端側回動端)17b,17b′を従動プーリ5の従動
フェース(可動フェース)11,11′に連結させ、かつ、
同上連動バー17,17′を上記枢支軸23,23′回りに回動さ
せる駆動手段32を設けたことを「前提条件」として、 上記連動バー17,17′と各可動フェース9,9′,11,11′
とのそれぞれの連結位置(以下、「連結位置」という)
を、上記連動バー17,17′の長手方向で、上記各軸2,3の
軸心を基準として上記枢支軸23,23′とは反対側に位置
させ、 上記駆動プーリ4と従動プーリ5の間で、上記Vベル
ト6の一部に弾性力により圧接する自動式のテンショナ
ー25を設けた点にある。
(作 用) 上記構成による作用は次の如くである。
即ち、上記「前提条件」におけるVベルト変速機1に
より、駆動軸2側から従動軸3側へ伝わる動力をある変
速比の状態から所望の変速比にさせようとして、駆動手
段32により連動バー17,17′を枢支軸23,23′回りに回動
させ、例えば、この連動バー17,17′の前端(一端側回
動端)17a,17a′に連結された駆動プーリ4の可動フェ
ースをこの可動フェースに対応するフェースに接近させ
てVベルト6との巻掛径を大きくさせようとすると、こ
れの反作用として、同上連動バー17,17′の後端(他端
側回動端)17b,17b′に連結された従動プーリ5の可動
フェースが、この可動フェースに対応するフェースから
離れて、同上Vベルト6との巻掛径が小さくなることと
される。
即ち、駆動プーリ4と従動プーリ5のうちの一方のV
ベルト溝の幅寸法を定めると、これに応じて他方のVベ
ルト溝の幅寸法が自動的に定められるのであって、従来
のようにばねの付勢力によってVベルトが従動プーリに
より挟み付けられることはない。このため、特に、上記
Vベルト変速機1が無負荷状態にあるときには、Vベル
ト6は駆動プーリ4や従動プーリ5に軽い摩擦力で接合
することとなる。
よって、Vベルト変速機1のVベルト6の寿命の向上
が達成される。
そして、上記「前提条件」の下に、上記各連動バー1
7,17′と各可動フェース9,9′,11,11′とのそれぞれの
「連結位置」を上記連動バー17,17′の長手方向で、上
記各軸2,3の軸心を基準として上記枢支軸23,23′とは反
対側に位置させてある。
このため、所望の変速比にさせようとして、上記した
ように連動バー17,17′を枢支軸23,23′回りに回動させ
たとき(第1図中、二点鎖線)、上記連動バー17,17′
と各可動フェース9,9′,11,11′とのそれぞれの「連結
位置」(実施例では、枢支ピン18〜21の設定位置に相当
する)を、上記連動バー17,17′の長手方向で、上記各
軸2,3の軸心と同じところに位置する従来の技術の連結
位置にさせることに比べて、上記「連結位置」にした場
合には、上記連動バー17,17′に連動する各可動フェー
ス9,9′,11,11′は上記各軸2,3の軸方向でより大きく移
動することとなる。
よって、Vベルト変速機1をある変速比の状態から所
望の変速比にさせようとして駆動手段32により枢支軸2
3,23′回りに連動バー17,17′を回動させ、これに連動
する各可動フェース9,9′,11,11′を所望量だけ移動さ
せるとき、上記したように、従来の技術に比べて、各可
動フェース9,9′,11,11′がより大きく移動する分、所
望の移動量を得るための駆動手段32による各連動バー1
7,17′の回動量は少なくて足り、このため、上記所望の
変速比にさせようとするときの操作はより迅速にできる
こととなる。
また、上記駆動プーリ4と従動プーリ5の間で、上記
Vベルト6の一部に弾性力により圧接するテンショナー
25を設けてあり、次の作用が生じる。
即ち、前記したように、所望の変速比にさせる場合
に、連動バー17,17′の回動量が少なくて足りるように
したとすると、この連動バー17,17′の制御にはより高
精度が要求されることとなり、その分、精度のよい所望
の変速比を確保することがし難くなるおそれを生じる。
そこで、上記駆動プーリ4と従動プーリ5の間で、上
記Vベルト6の一部に弾性力により圧接する自動式のテ
ンショナー25を設けたのであり、このため、上記テンシ
ョナー25によれば、Vベルト6に対し所定の引張応力を
常時与えることができる。
よって、Vベルト6の引張応力が経時的に不足して、
上記駆動プーリ4や従動プーリ5に対し上記Vベルト6
が滑りがちになるということは防止される。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面により説明する。
(第1実施例) 第1図と第2図は第1実施例を示している。
図中符号1はVベルト変速機で、このVベルト変速機
1は自動二輪車に搭載されるものである。なお、図中矢
印Frは車両の進行方向を示し、以下、これを前方とし、
左右とは、この前方に対する向きをいうものとする。
上記Vベルト変速機1は互いに平行に、かつ、前後に
離れて配設される駆動軸2と従動軸3を有し、これら各
軸2,3は、それぞれVベルト変速機1の不図示のケーシ
ングに支承されている。なお、この実施例では、上記駆
動軸2はエンジンのクランク軸である。上記従動軸3は
歯車減速装置等を介して駆動輪となる後輪に連結されて
いる。上記駆動軸2上に駆動プーリ4が設けられ、一
方、従動軸3上には従動プーリ5が設けられ、これら駆
動プーリ4と従動プーリ5とにはゴム製で弾性のあるV
ベルト6が巻き掛けられている。そして、上記駆動軸2
の駆動力は、順次、駆動プーリ4、Vベルト6、従動プ
ーリ5、従動軸3、および上記歯車減速装置等を介して
後輪に伝えられるようになっている。
上記駆動プーリ4はVベルト溝8を形成する左右一対
の駆動フェース9,9′を有し、この各駆動フェース9,9′
は駆動軸2に対し軸方向摺動自在にスプライン嵌合し、
これらはいずれも可動フェースとなっている。また、上
記従動プーリ5はVベルト溝10を形成する左右一対の従
動フェース11,11′を有し、この各従動フェース11,11′
は従動軸3に対し軸方向摺動自在にスプライン嵌合し、
これらもいずれも可動フェースとなっている。
上記各駆動フェース9,9′には軸受13を介して前ブラ
ケット14,14′が支承され、一方、各従動フェース11,1
1′にも軸受15を介して後ブラケット16,16′が支承され
ている。
上記駆動軸2と従動軸3の各軸方向に沿った視線でみ
たVベルト変速機1の側面視(第2図)で、上記各軸2,
3の軸心を通る仮想線にほぼ平行に延びる左右でそれぞ
れ上下一対の連動バー17,17,17′,17′が設けられてい
る。
上記各連動バーのうち、左側の上、下連動バー17,17
の一端側である前端17aは枢支ピン18により左側の前ブ
ラケット14に枢支され、他端側である後端17bは枢支ピ
ン19により左側の後ブラケット16に枢支されている。ま
た、上記各連動バーのうち、右側の上、下連動バー1
7′,17′の一端側である前端17a′は枢支ピン20により
右側の前ブラケット14′に枢支され、他端側である後端
17b′は枢支ピン21により右側の後ブラケット16′に枢
支されている。
上記Vベルト変速機1の側面視(第2図)で、上記駆
動プーリ4と従動プーリ5のほぼ中間点に配設されて上
記ケーシング側に支承される中間部材が設けられ、これ
ら各中間部材は、上記各連動バー17,17′の長手方向の
中途部分で構成されている。
ここで、前記したように、各連動バー17,17′の一側
側と他端側である各前、後端17a,17b,17a′,17b′は前
ブラケット14,14′と後ブラケット16,16′とに枢支され
ており、また、これら各前ブラケット14,14′と後ブラ
ケット16,16′とは軸受13,15を介して駆動フェース9,
9′と従動フェース11,11′とに支承されており、更に、
これら駆動フェース9,9′と従動フェース11,11′とは上
記駆動軸2と従動軸3とを介して前記ケーシングに支承
されている。これにより、上記各連動バー17,17′の長
手方向の中途部分で構成される上記中間部分は、前記し
たようにケーシング側に支承されている。
上記駆動プーリ4と従動プーリ5の前後方向における
ほぼ中間点で、左側の上、下連動バー17,17の各中間部
分に左枢支軸23がその垂直の軸心回りに回動自在に枢支
されている。また、同上駆動プーリ4と従動プーリ5の
前後方向におけるほぼ中間点で、右側の上、下連動バー
17′,17′の各中間部分に右枢支軸23′がその垂直の軸
心回りに回動自在に枢支されている。また、上記左、右
枢支軸23,23′のそれぞれ上下方向(軸方向)の中途部
同士が連結軸24により互いに連結されている。
つまり、上記駆動プーリ4と従動プーリ5のほぼ中間
点に位置する左、右連動バー17,17′のうちの一方の連
動バーの中間部分に対し、他方の連動バーの長手方向の
中途部が枢支軸23,23′により枢支されている。なお、
前記連動バー17,17′の各前端17a,17a′と各後端17b,17
b′とは、上記各枢支軸23,23′回りでの回動端となって
いる。
また、上記各連動バー17,17′と各駆動フェース9,9′
と従動フェース11,11′とのそれぞれの「連結位置」
は、上記連動バー17,17′の長手方向で、上記各軸2,3の
軸心を基準として上記枢支軸23,23′とは反対側に位置
させられている。また、上記駆動プーリ4と従動プーリ
5の間で、上記Vベルト6の一部に弾性力により圧接す
る自動式のテンショナー25が設けられている。
ここで、上記駆動軸2と駆動プーリ4は図中矢印Aで
示す方向に回転し、このため、Vベルト6を介して従動
軸3と従動プーリ5は図中矢印Bで示す方向に回転する
ものであり、上記テンショナー25はVベルト6の緩み側
を付勢して、上記Vベルト6に引張応力を与える。
上記テンショナー25は、上記連結軸24に対し偏心して
取り付けられる偏心円板27と、この偏心円板27の外周面
に軸受28を介して支承される円環状の転動押圧体29と、
上記連結軸24からその径方向に向ってより大きく突出し
た上記押圧体29の部分をVベルト6の一部に弾性力によ
り圧接させるばね30とを備えている。そして、これによ
り、駆動プーリ4や従動プーリ5にVベルト6が滑りを
生じることなく圧接して摩擦係合し、駆動プーリ4側か
ら従動プーリ5側に動力が伝えられる。
上記左、右連動バー17,17′を枢支軸23,23′回りに回
動させる駆動手段32が設けられている。この駆動手段32
はVベルト変速機1の前記ケーシングに取り付けられる
ステップモータ33を有し、かつ、このステップモータ33
の出力軸34に一体成形されるねじ軸35を有している。こ
のねじ軸35には左右一対のねじ36,36′が形成され、左
側のねじ36は左ねじ、右側のねじ36′は右ねじとなって
いる。また、上記各ねじ36,36′にナット37,37′がねじ
付けられている。
一方、上記各連動バー17,17′の後端にはそれぞれ延
出バー38,38′が一体成形されており、各延出バー38,3
8′の後端は左、右枢支ピン39,40により上記ナット37,3
7′に枢支されている。41はリード線である。
上記駆動軸2側から従動軸3側へ伝わる動力をVベル
ト変速機1により増速させて、ある変速比の状態から所
望の変速比にさせるときには、ステップモータ33を駆動
させてねじ軸35を図中矢印Cの方向に回動させる。そし
て、これによる各ナット37,37′の移動に伴い、両延出
バー38,38′を枢支軸23,23′回りに図中実線で示す状態
から二点鎖線で示す方向に回動させ、各連動バー17,1
7′の前端17a,17a′に連結された駆動フェース9,9′を
互いに接近させてVベルト6との巻掛径を大きくさせ
る。
すると、これの反作用として、同上連動バー17,17′
の後端17b,17b′に連結された従動フェース11,11′は互
いに離れて、Vベルト6との巻掛径が小さくなり、これ
により、前記増速が得られることとなる。
一方、上記駆動軸2側から従動軸3側へ伝わる動力を
Vベルト変速機1により減速させて、ある変速比の状態
から所望の変速比にさせるときには、上記とは逆にステ
ップモータ33を駆動させて、ねじ軸35を図中矢印Cとは
逆の方向に回動させる。そして、これによる各ナット3
7,37′の移動に伴い両延出バー38,38′を枢支軸23,23′
回りに図中仮想線の状態から実線で示す方向に回動さ
せ、各連動バー17,17′の前端17a,17a′に連結された駆
動フェース9,9′を互いに離れさせてVベルト6との巻
掛径を小さくさせる。
すると、これの反作用として、同上連動バー17,17′
の後端17b,17b′に連結された従動フェース11,11′は互
いに接近して、Vベルト6との巻掛径が大きくなり、前
記減速が得られることとなる。
なお、以上は図示の例によるが、各枢支軸23,23′は
Vベルト変速機1のケーシングに固定させてもよい。ま
た、各連動バー17,17′は、上下いずれか一本だけであ
ってもよく、左右連動バー17,17′のうちいずれか一方
だけであってもよい。
(第2実施例) 第3図と第4図は、第2実施例を示している。
この実施例では、駆動軸2や従動軸3に対し、駆動プ
ーリ4や従動プーリ5をそれぞれの軸方向に移動可能に
支持した部分が前記第1実施例と異なっている。
即ち、上記駆動プーリ4の駆動フェース9,9′はその
中心部にそれぞれ駆動軸2に軸方向摺動自在、かつ、軸
心回り回動自在に外嵌されるボス部42,42′を有してい
る。そして、これら各ボス部42,42′には、駆動プーリ
4の回転方向前方に向い、かつ、Vベルト6から離れる
斜め方向に延びるカム溝43,43′が形成され、一方、上
記駆動軸2には上記各カム溝43,43′に係合するカムロ
ーラ44,44′がその軸心回りに回転自在にねじ止めされ
ている。
また、上記駆動フェース9,9′の各ボス部42,42′には
互いに一方から他方に向って係合突起45,45′が突設さ
れ、これらは軸方向にのみ摺動自在に噛み合っており、
つまり、両駆動フェース9,9′は軸心回りに同行回転す
るようになっている。
一方、従動プーリ5の従動フェース11,11′はその中
心部にそれぞれ従動軸3に軸方向摺動自在、かつ、軸心
回り回動自在に外嵌されるボス部46,46′を有してい
る。そして、これら各ボス部46,46′には、従動プーリ
5の回転方向前方に向い、かつ、Vベルト6に接近する
よう斜め方向に延びるカム溝47,47′が形成され、一
方、上記従動軸3には上記各カム溝47,47′に係合する
カムローラ48,48′がその軸心回りに回転自在にねじ止
めされている。
また、上記従動フェース11,11′の各ボス部46,46′に
は互いに一方から他方に向って係合突起49,49′が突設
され、これらは軸方向にのみ摺動自在に噛み合ってお
り、つまり、両従動フェース11,11′は軸心回りに同行
回転するようになっている。
そして、上記駆動軸2が回転するときには、この駆動
軸2と共に回転するカムローラ44,44′がカム溝43,43′
の内壁に圧接して駆動フェース9,9′を互いに接近させ
る方向に付勢する。そして、この付勢力が駆動フェース
9,9′をVベルト6が互いに引き離そうとする付勢力に
ほぼ一致するようになされている。
一方、上記駆動軸2や駆動プーリ4に伴ってVベルト
6が回転し、これにより従動プーリ5が回転させられる
とき、カム溝47,47′の内壁面がカムローラ48,48′に圧
接して、従動フェース11,11′を互いに接近させる方向
に付勢する。そして、この付勢力も、従動フェース11,1
1′をVベルト6が互いに引き離そうとする付勢力にほ
ぼ一致するようになされている。
即ち、Vベルト6は各Vベルト溝8,10に食い込んで、
駆動フェース9,9′同士や従動フェース11,11′同士を引
き離そうとするが、このときの付勢力に抗するだけの付
勢力が上記カム溝やカムローラによって予め与えられて
いて、Vベルト6が駆動プーリ4や従動プーリ5に対し
所定の巻掛径に保たれることとなっている。
よって、駆動フェース9,9′同士や従動フェース11,1
1′同士を引き離したり、接近させたりするための外力
は小さくて足り、つまり、この外力を与えるステップモ
ータ33の動力が少なくて済むという利点がある。また、
上記ステップモータ33からの外力は、各軸受13,15を介
して駆動フェース9,9′や従動フェース11,11′に与えら
れるが、上記外力は前記したように小さくて足りるた
め、その分、各軸受13,15の受ける負荷が小さくて済
む。よって、これら軸受13,15における動力損失が抑制
されると共に、これらを小容量の小形のものにすること
ができる。
他の構成や作用は前記第1実施例と同様である。この
ため、図面に共通の符号を付してその説明を省略する。
第5図は第3実施例を示している。
これによれば、出力軸34とねじ軸35とはスプライン嵌
合して、互いに軸方向にのみ摺動自在に嵌合している。
また、前記枢支ピン18はVベルト変速機1のケーシング
に固定され、一方、他の枢支ピン19,20,21や枢支軸23,2
3′は同上ケーシングに対し固定されず、可動状態とな
っている。
そして、ステップモータ33が駆動してねじ軸35を回転
させるとき、前記第1実施例では、枢支軸23,23′が不
動であったが、この実施例では、枢支ピン18のみが不動
で、各構成部品は前記第1実施例で示したと同様に、図
中仮想線で示す如く互いに相対変位して所定の変速が行
われる。また、この際、出力軸34とねじ軸35とは相対変
位するが、この変位は、上記出力軸34とねじ軸35とがス
プライン嵌合して軸方向摺動することにより吸収され
る。
他の構成や作用は前記第1実施例と同様である。この
ため、図面に共通の符号を付してその説明を省略する。
なお、以上は図示の例によるが、枢支ピン18に代え
て、枢支ピン19,20,21、また、枢支ピン39,40のうちい
ずれか一本のみをVベルト変速機1のケーシングに固定
してもよい。
(発明の効果) この発明によれば、ケーシングに支承された駆動軸上
に駆動プーリを設ける一方、上記駆動軸に平行に配設さ
れて上記ケーシングに支承される従動軸上に従動プーリ
を設け、上記両プーリにVベルトを巻き掛け、上記各プ
ーリのVベルト溝をそれぞれ形成する一対のフェースの
うち、少なくとも一方のフェースを上記各軸の軸方向に
可動の可動フェースとし、 上記軸方向に沿った視線でみた側面視で、上記駆動プ
ーリと従動プーリのほぼ中間点に配設されて上記ケーシ
ング側に支承される中間部材を設けると共に、上記各軸
の軸心を通る仮想線にほぼ平行に延びてその長手方向の
中途部が上記中間部材に枢支軸により枢支される連動バ
ーを設け、この連動バーの一端側回動端を駆動プーリの
可動フェースに連結させる一方、他端側回動端を従動プ
ーリの可動フェースに連結させ、かつ、同上連動バーを
上記枢支軸回りに回動させる駆動手段を設けたことを
「前提条件」とし、 上記連動バーと各可動フェースとのそれぞれの「連結
位置」を、上記連動バーの長手方向で、上記各軸の軸心
を基準として上記枢支軸とは反対側に位置させ、 上記駆動プーリと従動プーリの間で、上記Vベルトの
一部に弾性力により圧接する自動式のテンショナーを設
けてあり、次の効果が生じる。
即ち、上記「前提条件」におけるVベルト変速機によ
り、駆動軸側から従動軸側へ伝わる動力をある変速比の
状態から所望の変速比にさせようとして、駆動手段によ
り連動バーを枢支軸回りに回動させ、例えば、この連動
バーの一端に連結された一方のプーリの可動フェースを
この可動フェースに対応するフェースに接近させてVベ
ルトとの巻掛径を大きくさせようとすると、これの反作
用として、同上連動バーの他端に連結された他方のプー
リの可動フェースが、この可動フェースに対応するフェ
ースから離れて、同上Vベルトとの巻掛径が小さくなる
こととされる。
即ち、駆動プーリと従動プーリのうちの一方のVベル
ト溝の幅寸法を定めると、これに応じて他方のVベルト
溝の幅寸法が自動的に定められるのであって、従来のよ
うにばねの付勢力によってVベルトが従動プーリにより
挟み付けられることはない。このため、特に、上記Vベ
ルト変速機が無負荷状態にあるときには、Vベルトは駆
動プーリや従動プーリに軽い摩擦力で接合することとな
る。
よって、Vベルト変速機のVベルトの寿命の向上が達
成される。
そして、上記「前提条件」の下に、前記したように各
連動バーと各可動フェースとのそれぞれの「連結位置」
を上記連動バーの長手方向で、上記各軸の軸心を基準と
して上記枢支軸とは反対側に位置させてある。
このため、所望の変速比にさせようとして、上記した
ように連動バーを枢支軸回りに回動させたとき、上記連
動バーと各可動フェースとのそれぞれの「連結位置」
を、上記連動バーの長手方向で、上記各軸の軸心と同じ
ところに位置する従来の技術の連結位置にさせることに
比べて、上記「連結位置」にした場合には、上記連動バ
ーに連動する各可動フェースは上記各軸の軸方向でより
大きく移動することとなる。
よって、Vベルト変速機をある変速比の状態から所望
の変速比にさせようとして駆動手段により枢支軸回りに
連動バーを回動させ、これに連動する各可動フェースを
所望量だけ移動させるとき、上記したように、従来の技
術に比べて、各可動フェースがより大きく移動する分、
所望の移動量を得るための駆動手段による各連動バーの
回動量は少なくて足り、このため、上記所望の変速比に
させようとするときの操作はより迅速にできることとな
る。
また、前記したように、駆動プーリと従動プーリの間
で、上記Vベルトの一部に弾性力により圧接する自動式
のテンショナーを設けてあり、次の効果が生じる。
即ち、前記したように、所望の変速比にさせる場合
に、連動バーの回動量が少なくて足りるようにしたとす
ると、この連動バーの制御にはより高精度が要求される
こととなり、その分、精度のよい所望の変速比を確保す
ることがし難くなるおそれを生じる。
そこで、上記駆動プーリと従動プーリの間で、上記V
ベルトの一部に弾性力により圧接する自動式のテンショ
ナーを設けたのであり、このため、上記テンショナーに
よれば、Vベルトに対し所定の引張応力を常時与えるこ
とができる。
よって、Vベルトの引張応力が経時的に不足して、上
記駆動プーリや従動プーリに対し上記Vベルトが滑りが
ちになるということは防止されることから、これによ
り、上記した連動バーの回動量を少なくしたことによる
変速比の精度の低下が補填されて、所望の変速比が確保
される。
【図面の簡単な説明】
図はこの発明の実施例を示し、第1図と第2図は第1実
施例で、第1図は全体平面図、第2図は全体側面図、 第3図と第4図は第2実施例で、第3図は第1図に相当
する図、第4図は第3図のIV−IV線矢視断面図、 第5図は第3実施例で、第1図に相当する線図である。 1……Vベルト変速機、2……駆動軸、3……従動軸、
4……駆動プーリ、5……従動プーリ、6……Vベル
ト、9,9′……駆動フェース(可動フェース)、11,11′
……従動フェース(可動フェース)、17,17′……連動
バー(中間部材)、17a,17a′……前端(一端側回動
端)、17b,17b′……後端(他端側回動端)、18,19,20,
21……枢支ピン(連結位置)、23,23′……枢支軸、25
……テンショナー、32……駆動手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 9/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシングに支承された駆動軸上に駆動プ
    ーリを設ける一方、上記駆動軸に平行に配設されて上記
    ケーシングに支承される従動軸上に従動プーリを設け、
    上記両プーリにVベルトを巻き掛け、上記各プーリのV
    ベルト溝をそれぞれ形成する一対のフェースのうち、少
    なくとも一方のフェースを上記各軸の軸方向に可動の可
    動フェースとし、 上記軸方向に沿った視線でみた側面視で、上記駆動プー
    リと従動プーリのほぼ中間点に配設されて上記ケーシン
    グ側に支承される中間部材を設けると共に、上記各軸の
    軸心を通る仮想線にほぼ平行に延びてその長手方向の中
    途部が上記中間部材に枢支軸により枢支される連動バー
    を設け、この連動バーの一端側回動端を駆動プーリの可
    動フェースに連結させる一方、他端側回動端を従動プー
    リの可動フェースに連結させ、かつ、同上連動バーを上
    記枢支軸回りに回動させる駆動手段を設けたVベルト変
    速機において、 上記連動バーと各可動フェースとのそれぞれの連結位置
    を、上記連動バーの長手方向で、上記各軸の軸心を基準
    として上記枢支軸とは反対側に位置させ、 上記駆動プーリと従動プーリの間で、上記Vベルトの一
    部に弾性力により圧接する自動式のテンショナーを設け
    たVベルト変速機。
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