JP4104201B2 - 無段変速機付きパワーユニット - Google Patents

無段変速機付きパワーユニット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動回転部材および従動回転部材を変速回転部材に接触させるとともに、その接触部を移動させることにより動力伝達と変速とを行う無段変速機付きパワーユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる無段変速機は、例えば特公昭47−447号公報に記載されているように既に知られている。この種の無段変速機は、駆動回転部材が接触する円錐状の第1摩擦伝達面および従動回転部材が接触する円錐状の第2摩擦伝達面から構成された変速回転部材を備えてなり、駆動回転部材の接触部を第1摩擦伝達面の底面側に移動させるとともに従動回転部材の接触部を第2摩擦伝達面の頂点側に移動させることにより変速比をLOW側に変化させ、また駆動回転部材の接触部を第1摩擦伝達面の頂点側に移動させるとともに従動回転部材の接触部を第2摩擦伝達面の底面側に移動させることにより変速比をTOP側に変化させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような無段変速機は、駆動回転部材から入力された駆動力を無段変速して従動回転部材に出力することは可能であるが、2つの駆動源から入力される駆動力を合成して出力することはできなかった。また2つの駆動源から入力される駆動力を合成して出力する手段として遊星歯車機構が知られており、サンギヤ、リングギヤおよびキャリアの3つの要素のうちの2つの要素に駆動力を入力すると、その駆動力を合成して残りの1つの要素に出力することができる。しかしながら、この遊星歯車機構では入力された駆動力を無段変速して出力することは不可能である。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、2つの駆動力の合成と無段変速機能とを両立させることが可能な無段変速機付きパワーユニットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、エンジンのクランクシャフトを収容するケーシング内にはモータ及び無段変速機が、それらモータの回転軸及び無段変速機の変速機主軸をクランクシャフトと平行させて収容されてなる無段変速機付きパワーユニットであって、前記無段変速機は、変速機主軸に支持された駆動回転部材と、変速機主軸に支持された従動回転部材と、変速機主軸に沿って移動自在なキャリアと、変速機主軸の軸線を中心線とする円錐母線に沿うようにキャリアに支持された支持軸と、前記支持軸に回転自在に支持され、該支持軸の軸線に対して傾斜し且つ互いに傾斜方向を反対にした第1、第2母線を該軸線回りに回転させて形成した第1摩擦伝達面および第2摩擦伝達面が、それぞれ前記駆動回転部材および従動回転部材に接触する変速回転部材とを備えていて、それら接触部を前記第1、第2母線に沿って移動させることにより変速を行うものであり、前記変速機主軸を前記エンジンにより第1の平歯車列を介して駆動するとともに、前記キャリアを前記モータにより第2の平歯車列を介して駆動することにより、それらエンジン及びモータの駆動力の合力を任意の変速比で出力することを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、モータを停止させてエンジンを駆動すると、エンジンの駆動力が変速機主軸、駆動回転部材および変速回転部材を経て従動回転部材に無段変速されて伝達され、一方、エンジンを停止させてモータを駆動すると、モータの駆動力がキャリアおよび変速回転部材を経て従動回転部材に無段変速されて伝達され、更にエンジン及びモータを同時に駆動すると、その駆動力の合力が無段変速されて従動回転部材に出力されるので、エンジン及びモータの駆動力の合成と、入力および出力間の無段変速制御(即ちエンジンおよびモータからの入力に対する出力の変速比の任意制御)とを同時に達成することが可能となる。
【0007】
また請求項に記載された発明は、請求項の構成に加えて、前記無段変速機が車両に搭載されており、該無段変速機の変速比および前記エンジン及びモータの駆動力が車両の走行状態に応じて制御されることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、エンジンおよびモータを走行用駆動源とする所謂ハイブリッド車両を、エンジンおよびモータの駆動力を切り換えるクラッチ等の構成を必要とせずに成立させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図5は本発明の一実施例を示すもので、図1は車両用パワーユニットの縦断面図、図2は図1の要部拡大図、図3は図2の要部拡大図(LOWレシオ)、図4は図2の要部拡大図(TOPレシオ)、図5は図2の5−5線断面図である。
【0011】
図1に示すように、このパワーユニットPは自動二輪車に搭載されるものであって、第1駆動源としてのエンジンEと、第2駆動源としてのモータMと、無段変速機Tを収納するケーシング1とを備える。ケーシング1は、センターケーシング2と、センターケーシング2の左側面に結合される左ケーシング3と、センターケーシング2の右側面に結合される右ケーシング4とに3分割される。センターケーシング2および左ケーシング3に一対のボールベアリング5,5を介して支持されたクランクシャフト6は、同じくセンターケーシング2および左ケーシング3に支持されたシリンダブロック7に摺動自在に嵌合するピストン8にコネクティングロッド9を介して連接される。
【0012】
クランクシャフト6の左端には発電機10が設けられており、この発電機10は左ケーシング3の左側面に結合された発電機カバー11により覆われる。右ケーシング4の内部に延出するクランクシャフト6の右端にドライブギヤ12が固定される。
【0013】
図2を併せて参照すると明らかなように、無段変速機Tの変速機主軸21には前記ドライブギヤ12に噛合するドリブンギヤ25が固定される。ドリブンギヤ25は変速機主軸21にスプライン結合された内側ギヤ半体26と、この内側ギヤ半体26に複数個のゴムダンパー28…を介して僅かに相対回転し得るように結合されて前記ドライブギヤ12に噛合する外側ギヤ半体27とから構成される。ドライブギヤ12からドリブンギヤ25を経て変速機主軸21に伝達されるエンジントルクが変動したとき、前記ゴムダンパー28…の変形によりショックの発生が軽減される。
【0014】
変速機主軸21の外周には、半径方向外側を向く摩擦接触面を備えた駆動回転部材29がスプライン結合されるとともに、半径方向内側を向く摩擦接触面を備えた従動回転部材30がニードルベアリング22を介して相対回転自在に支持される。概略円錐状に形成されたキャリア第1半体31が変速機主軸21の外周にニードルベアリング23を介して相対回転可能且つ軸方向摺動可能に支持され、このキャリア第1半体31に概略カップ状のキャリア第2半体32が結合される。キャリア第2半体32の外周にはギヤ321 が形成される。
【0015】
図1および図2から明らかなように、センターケーシング2にモータMが支持される。センターケーシング2およびカバー部材50間に支持した中間軸42に第1中間ギヤ43および第2中間ギヤ44が設けられており、キャリア第2半体32の外周に形成したギヤ321 が第1中間ギヤ43に噛み合うとともに、モータMの回転軸に設けたピニオン45が第2中間ギヤ44に噛み合っている。而して、モータMを駆動すると、その回転がピニオン45、第2中間ギヤ44および第1中間ギヤ43を介してギヤ321 に伝達され、キャリア第2半体32が回転駆動される。尚、両キャリア半体31,32は、ギヤ321 が第1中間ギヤ43に対して摺動することにより軸線L方向の移動が許容される。
【0016】
図3および図4から明らかなように、キャリア第1半体31に形成された複数の窓孔311 …を横切るように複数の支持軸37…が架設されており、各支持軸37にニードルベアリング38,38を介して変速回転部材39が回転自在且つ軸方向摺動自在に支持される。支持軸37…は変速機主軸21の軸線Lを中心線とする円錐母線上に配置されている。各変速回転部材39は底面を共有する円錐状の第1摩擦伝達面40および第2摩擦伝達面41から構成されており、第1摩擦伝達面40は駆動回転部材29に第1接触部P1 において当接するとともに、第2摩擦伝達面41は従動回転部材30に第2接触部P2 において当接する。
【0017】
図2に示すように、キャリア第2半体32の内部に、変速機主軸21の回転数に応じて両キャリア半体31,32を軸方向に摺動させて無段変速機Tの変速比を変更する遠心機構51が設けられる。遠心機構51は、変速機主軸21に固定された固定カム部材52と、変速機主軸21に軸方向摺動自在に支持されて前記固定カム部材52と一体に回転する可動カム部材53と、固定カム部材52のカム面521 および可動カム部材53のカム面531 間に配置された複数の遠心ウエイト54…とから構成される。可動カム部材53とキャリア第2半体32とをボールベアリング55で結合することにより、両者は相対回転を許容された状態で軸方向に一体に移動する。
【0018】
変速機主軸21の右端近傍はセンターケーシング2に固定したカバー部材50にボールベアリング56を介して支持されており、そのカバー部材50とキャリア第2半体32との間に縮設したスプリング57の弾発力で、キャリア第1半体31およびキャリア第2半体32は左方向に付勢される。従って、変速機主軸21の回転数が増加すると遠心力で遠心ウエイト54…が半径方向外側に移動して両カム面521 ,531 を押圧するため、可動カム部材53がスプリング57の弾発力に抗して右方向に移動し、この可動カム部材53にボールベアリング55を介して接続されたキャリア第2半体32がキャリア第1半体31と共に右方向に移動する。
【0019】
図3および図4に示すように、変速比が何れの状態でも変速機主軸21の軸線Lから測った駆動回転部材29の第1接触部P1 の距離Aは一定値となり、支持軸37から測った駆動回転部材29の第1接触部P1 の距離Bは可変値(BL ,BT )となる。また、支持軸37から測った従動回転部材30の第2接触部P2 の距離Cは可変値(CL ,CT )となり、変速機主軸21の軸線Lから測った従動回転部材30の第2接触部P2 の距離Dは一定値となる。
【0020】
駆動回転部材29の回転数をNDRとし、従動回転部材30の回転数をNDNとして変速比RをR=NDR/NDNで定義すると、変速比Rは、
R=NDR/NDN=(B/A)×(D/C)
により与えられる。
【0021】
図1および図2から明らかなように、変速機主軸21の外周にボールベアリング58を介して相対回転自在に支持された出力ギヤ59の右端と、前記従動回転部材30の左端との間に調圧カム機構60が設けられる。図5から明らかなように、調圧カム機構60は、出力ギヤ59の右端に形成した複数の凹部591 …と従動回転部材30の左端に形成した複数の凹部301 …との間にボール61…を挟持したものであり、出力ギヤ59と従動回転部材30とに間には従動回転部材30を右方向に付勢する予荷重を与えるように皿バネ62が介装される。従動回転部材30にトルクが作用して出力ギヤ59との間に相対回転が生じると、調圧カム機構60により従動回転部材30が出力ギヤ59から離反する方向(右方向)に付勢される。
【0022】
第3減速ギヤ63が、左ケーシング3との間に配置したボールベアリング64、変速機主軸21との間に配置したニードルベアリング65および出力ギヤ59との間に配置したボールベアリング66によって回転自在に支持される。左ケーシング3および中央ケーシング2にボールベアリング67およびニードルベアリング68を介して減速軸69が支持されており、減速軸69に設けた第1減速ギヤ70および第2減速ギヤ71がそれぞれ前記出力ギヤ59および第3減速ギヤ63に噛合する。左ケーシング3から外部に突出する第3減速ギヤ63の軸部先端に、無端チェーン72を巻き掛けた駆動スプロケット73が設けられる。従って、変速機主軸21の回転は出力ギヤ59、第1減速ギヤ70、第2減速ギヤ71、第3減速ギヤ63、駆動スプロケット73および無端チェーン72を介して駆動輪に伝達される。
【0023】
モータMは駆動力を発生する以外に、外力により回転しないように制動力を発生することができ、また外力により自由に回転することも可能である。以下、モータMに制動力を発生させてキャリア第1半体31およびキャリア第2半体32をケーシング1に回転不能に拘束した状態で、車両をエンジンEの駆動力で走行させる場合の作用を説明する。
【0024】
図3に示すように、エンジンEの低速回転時にはドライブギヤ12により駆動されるドリブンギヤ25の回転数が低いため、遠心機構51の遠心ウエイト54…に作用する遠心力も小さくなり、両キャリア半体31,32はスプリング57の弾発力で左方向に移動する。キャリア第1半体31が左方向に移動すると、駆動回転部材29の第1接触部P1 が第1摩擦伝達部材40の底面側に移動して距離Bは最大値BL に増加するとともに、従動回転部材30の第2接触部P2 が第2摩擦伝達面41の頂点側に移動して距離Cが最小値CL に減少する。
【0025】
このとき、前記距離A,Dは一定値であるため、距離Bが最大値BL に増加し、距離Cが最小値CL に減少すると、前記変速比Rが大きくなってLOWレシオに変速される。
【0026】
一方、図4に示すように、エンジンEの高速回転時にはドライブギヤ12により駆動されるドリブンギヤ25の回転数が高いため、遠心機構51の遠心ウエイト54…に作用する遠心力も大きくなり、両キャリア半体31,32は遠心力で半径方向外側に移動する遠心ウエイト54…の作用でスプリング57の弾発力に抗して右方向に移動する。キャリア第1半体31が右方向に移動すると、駆動回転部材29の第1接触部P1 が第1摩擦伝達面40の頂点側に移動して距離Bが最小値BT に減少するとともに、従動回転部材30の第2接触部P2 が第2摩擦伝達面41の底面側に移動して距離Cが最大値CT に増加する。
【0027】
このとき、前記距離A,Dは一定値であるため、距離Bが最小値BT に減少し、距離Cが最大値CT に増加すると、前記変速比Rが小さくなってTOPレシオに変速される。
【0028】
上述のようにして、車両の走行中に駆動回転部材29の回転は変速回転部材39…を介して従動回転部材30に所定の変速比Rで伝達され、更に従動回転部材30の回転は調圧カム機構60を介して出力ギヤ59に伝達される。このとき、従動回転部材30に作用するトルクで出力ギヤ59との間に相対回転が生じると、調圧カム機構60により従動回転部材30が出力ギヤ59から離反する方向に付勢される。この付勢力は皿バネ62による付勢力と協働して、駆動回転部材29の第1接触部P1 を第1摩擦伝達面40に圧接する面圧と、従動回転部材30の第2接触部P2 を第2摩擦伝達面41に圧接する面圧とを発生させる。
【0029】
次に、モータMの制動力を制御して両キャリア半体31,32を回転させる場合の作用を説明する。
【0030】
車両の発進時に、エンジンEのクランクシャフト6の回転がドライブギヤ12およびドリブンギヤ25を介して変速機主軸21に伝達されたとき、仮に両キャリア半体31,32が回転不能に固定されていれば、変速機主軸21のトルクは駆動回転部材29、変速回転部材39および従動回転部材30を経て車輪に伝達されるが、モータMが自由に回転できる状態にあれば、両キャリア半体31,32が空転して従動回転部材30にトルクが伝達されることはない。即ち、無段変速機Tの変速比は無限大の状態になる。
【0031】
この状態からモータMの制動力を次第に増加させて両キャリア半体31,32の回転に制動力を加えていくと、その回転数の低下に伴って変速比が無限大から減少する。そして両キャリア半体31,32がケーシング1に回転不能に固定されたとき、変速比は図3に示すLOWの状態になる。このように、車両の発進時に両キャリア半体31,32を自由に回転し得る状態からケーシング1に回転不能に固定された状態へと移行させることにより、変速比を無限大からからLOWまで変化させてスムーズな発進を可能にすることができる。
【0032】
両キャリア半体31,32の回転を上述のように制御することにより、自動発進クラッチを廃止しても発進が可能になる。またモータMの制動力を予め所定値に設定しておけば、無段変速機Tに過剰なトルクが入力したときに両キャリア半体31,32をケーシング1に対してスリップさせ、トルクリミッターとして機能させることもできる。
【0033】
本実施例では自動遠心クラッチよりなる自動発進クラッチを用いていないので、エンジンブレーキを作動させたときにエンジン回転数がアイドル回転数に近づいてもエンジンEと車輪との接続が保たれる。従って、自動遠心クラッチが係合解除した後に継続してエンジンブレーキを作動させるために従来必要であった一方向クラッチを廃止することができる。
【0034】
次に、エンジンEを停止させてモータMの駆動力で車両を走行させる場合の作用を説明する。
【0035】
エンジンEの停止時には駆動回転部材29は回転を拘束された状態にあり、この状態でモータMを駆動して両キャリア半体31,32を正転方向または逆転方向に回転させると、停止した駆動回転部材29に当接して回転する変速回転部材39…の回転が従動回転部材30に伝達されるため、車両を前進走行又は後進走行させることができる。この場合も、両キャリア半体31,32が図2の左方向に移動すれば変速比がLOW側に変化し、図2の右方向に移動すれば変速比がTOP側に変化する。
【0036】
またエンジンEの駆動力による走行中にモータMを駆動すれば、エンジンEの駆動力およびモータMの駆動力を合成して動回転部材30に伝達することができる。このときモータMで両キャリア半体31,32を従動回転部材32と同方向に駆動してやれば、従動回転部材32の回転数が増加して変速比が小さい側にシフトし、逆に両キャリア半体31,32を従動回転部材30と逆方向に駆動してやれば、従動回転部材30の回転数が減少して変速比が大きい側にシフトする。このように、遠心機構51による変速制御にモータMによる変速制御を組み合わせることにより、無段変速機Tの変速比を一層きめ細かく制御することが可能となる。
【0037】
更に、車両の減速時に駆動輪から逆伝達される駆動力でモータMを駆動して回生制動を行うことにより、車両の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収することができる。
【0038】
以上のように、本実施例の無段変速機によれば、車両の走行状態に応じてエンジンEの駆動力およびモータの駆動力(制動力を含む)を変化させることにより、エンジンEの駆動力およびモータMの駆動力を合成して駆動輪に出力することができ、しかもエンジンEおよびモータMから駆動輪に伝達される駆動力の変速比を任意に変化させることができるので、車両の運転状態に応じたきめ細かい制御を行うことが可能となる。しかも、エンジンEの駆動力およびモータMの駆動力を合成するのに特別のクラッチ装置等を必要としないので、簡単な構造でハイブリッド車両を成立させることができる。
【0039】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0040】
例えば、無段変速機は車両用以外の任意の用途に使用することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、モータを停止させてエンジンを駆動すると、エンジンの駆動力が変速機主軸、駆動回転部材および変速回転部材を経て従動回転部材に無段変速されて伝達され、一方、エンジンを停止させてモータを駆動すると、モータの駆動力がキャリアおよび変速回転部材を経て従動回転部材に無段変速されて伝達され、更にエンジン及びモータを同時に駆動すると、その駆動力の合力が無段変速されて従動回転部材に出力されるので、エンジン及びモータの駆動力の合成と、入力および出力間の無段変速制御(即ちエンジンおよびモータからの入力に対する出力の変速比の任意制御)とを同時に達成することが可能となる。また特に本発明の無段変速機付きパワーユニッ トは、エンジンのクランクシャフトを収容するケーシング内にモータ及び無段変速機が、それらモータの回転軸及び無段変速機の変速機主軸をクランクシャフトと平行させて収容されるものであって、その変速機主軸をエンジンにより第1の平歯車列を介して駆動するとともに、キャリアをモータにより第2の平歯車列を介して駆動することにより、それらエンジン及びモータの駆動力の合力を任意の変速比で出力することができる。
【0042】
また請求項2に記載された発明によれば、ンジンおよびモータを走行用駆動源とする所謂ハイブリッド車両を、エンジンおよびモータの駆動力を切り換えるクラッチ等の構成を必要とせずに成立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車両用パワーユニットの縦断面図
【図2】 図1の要部拡大図
【図3】 図2の要部拡大図(LOWレシオ)
【図4】 図2の要部拡大図(TOPレシオ)
【図5】 図2の5−5線断面図
【符号の説明】
ケーシング
クランクシャフト
21 変速機主軸
29 駆動回転部材
30 従動回転部材
31 キャリア第1半体(キャリア)
32 キャリア第2半体(キャリア)
37 支持軸
39 変速回転部材
40 第1摩擦伝達面
41 第2摩擦伝達面
E エンジ
M モー

Claims (2)

  1. エンジン(E)のクランクシャフト(6)を収容するケーシング(1)内にはモータ(M)及び無段変速機(T)が、それらモータ(M)の回転軸及び無段変速機(T)の変速機主軸(21)をクランクシャフト(6)と平行させて収容されてなる無段変速機付きパワーユニットであって、
    前記無段変速機(T)は、変速機主軸(21)に支持された駆動回転部材(29)と、変速機主軸(21)に支持された従動回転部材(30)と、変速機主軸(21)に沿って移動自在なキャリア(31,32)と、変速機主軸(21)の軸線を中心線とする円錐母線に沿うようにキャリア(31,32)に支持された支持軸(37)と、前記支持軸(37)に回転自在に支持され、該支持軸(37)の軸線に対して傾斜し且つ互いに傾斜方向を反対にした第1、第2母線を該軸線回りに回転させて形成した第1摩擦伝達面(40)および第2摩擦伝達面(41)が、それぞれ前記駆動回転部材(29)および従動回転部材(30)に接触する変速回転部材(39)とを備えていて、それら接触部を前記第1、第2母線に沿って移動させることにより変速を行うものであり、
    前記変速機主軸(21)を前記エンジン(E)により第1の平歯車列(12,25)を介して駆動するとともに、前記キャリア(31,32)を前記モータ(M)により第2の平歯車列(45,44,43,32 1 )を介して駆動することにより、それらエンジン(E)及びモータ(M)の駆動力の合力を任意の変速比で出力することを特徴とする、無段変速機付きパワーユニット
  2. 記無段変速機(T)が車両に搭載されており、該無段変速機(T)の変速比および前記エンジン(E)及びモータ(M)の駆動力が車両の走行状態に応じて制御されることを特徴とする、請求項に記載の無段変速機付きパワーユニット
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