JP3115202B2 - 有機ジスルフィド化合物を含有する複合電極、その製造方法、およびリチウム二次電池 - Google Patents

有機ジスルフィド化合物を含有する複合電極、その製造方法、およびリチウム二次電池

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JP3115202B2 JP07029687A JP2968795A JP3115202B2 JP 3115202 B2 JP3115202 B2 JP 3115202B2 JP 07029687 A JP07029687 A JP 07029687A JP 2968795 A JP2968795 A JP 2968795A JP 3115202 B2 JP3115202 B2 JP 3115202B2
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  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電池、エレクトロクロ
ミック表示素子、センサー、メモリー等の電気化学素子
に用いられる有機ジスルフィド化合物を含む複合電極、
その製造方法、および複合電極を正極に用いたリチウム
二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】1971年に導電性のポリアセチレンが
発見されて以来、導電性高分子を電極材料に用いると、
軽量で高エネルギー密度の電池や、大面積のエレクトロ
クロミック素子、微小電極を用いた生物化学センサー等
の電気化学素子が期待できることから、導電性高分子電
極が盛んに検討されている。ポリアセチレンは不安定で
電極としては実用性に乏しいことから、他のπ電子共役
系導電性高分子が検討され、ポリアニリン、ポリピロー
ル、ポリアセン、ポリチオフェンといった比較的安定な
高分子が開発され、これらを正極に用いたリチウム二次
電池が開発されるに及んでいる。これらの電池のエネル
ギー密度は40〜80Wh/kgと言われている。最近
では、さらに高エネルギー密度が期待できる有機材料と
して、米国特許第4,833,048号に有機ジスルフ
ィド化合物が提案されている。この化合物は、最も簡単
には M+S−R−S−M+ と表される(Rは脂肪族
あるいは芳香族の有機基、Sは硫黄、M+はプロトンあ
るいは金属カチオン)。この化合物は電解酸化により
S−S 結合を介して互いに結合し、 M+S−R−S−S−R−S−S−R−S−M+ のような形でポリマー化する。こうして生成したポリマ
ーは、電解還元により元のモノマーに戻る。カチオン
(M+)を供給、捕捉する金属Mと有機ジスルフィド化
合物を組み合わせた金属ーイオウ二次電池が前述の米国
特許に提案されている。150Wh/kg以上と、通常
の二次電池に匹敵あるいはそれ以上のエネルギー密度が
期待できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな有機ジスルフィド化合物は、酸化還元(充放電)を
繰り返すと、電極容量が徐々に減少してくる問題があ
る。有機ジスルフィド化合物を酸化(充電)すると、電
気絶縁性でかつイオン伝導性に乏しいポリジスルフィド
化合物が生成する。ポリジスルフィド化合物は、電解質
に対する溶解性が乏しい。一方、このポリジスルフィド
化合物が還元(放電)によりモノマー化した際に生成す
る有機ジスルフィドモノマーは、電解質に対する溶解性
が高い。従って、酸化還元を繰り返すと、モノマー化し
たジスルフィドが一部電解質に溶解し、溶解したモノマ
ーは、電極中にもともと位置していた場所と異なる場所
でポリマー化する。そして、カーボン等の導電剤から離
れてポリマー化して析出したポリジスルフィド化合物
は、電極内の電子・イオン伝導のネットワークから孤立
し、電極反応に関与しなくなる。酸化還元を繰り返す
と、孤立するポリジスルフィド化合物が増加して、電池
の容量が徐々に低下する。また、溶解性の高い有機ジス
ルフィドモノマーは、動きやすく、正極からセパレータ
あるいは電解質内、さらには負極側に散逸する。このた
め、有機ジスルフィド化合物を含む電極を正極に用いた
電池では、充放電効率が下がったり、充放電サイクル寿
命が短いという欠点を有していた。
【0004】本発明は、このよな問題を解決し、有機ジ
スルフィド化合物の高エネルギー密度という特徴を損な
わず、かつ充放電効率が高く保持され、良好な充放電サ
イクル特性が得られる複合電極を提供することを目的と
するものである。本発明は、またその複合電極を用いた
リチウム二次電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の複合電極は、電
解還元により硫黄ー硫黄結合が開裂して硫黄ー金属イオ
ン(プロトンを含む)結合を生成し、電解酸化により硫
黄ー金属イオン結合が元の硫黄ー硫黄結合を再生する有
機ジスルフィド化合物とポリアニリンを含有する組成物
を金属銀箔に担持一体化したものである。また、本発明
の複合電極は、有機ジスルフィド化合物とポリアニリン
と金属銀を含有する組成物を導電性基板に担持一体化し
たものである。
【0006】本発明の有機ジスルフィド化合物を含有す
る複合電極の製造方法は、有機ジスルフィド化合物をN
−アルキルー2ーピロリドンに溶解する第1工程、得ら
れた溶液にポリアニリン粉末を添加溶解する第2工程、
および第2工程で得られた溶液を金属銀箔上に塗布し、
真空中あるいは不活性ガス雰囲気中において加熱する第
3工程を有する。さらに、本発明の有機ジスルフィド化
合物を含有する複合電極の製造方法は、有機ジスルフィ
ド化合物をN−アルキルー2ーピロリドンに溶解する第
1工程、得られた溶液に金属銀粉末を添加混合する第2
工程、金属銀が添加された溶液にポリアニリン粉末を添
加混合する第3工程、およびポリアニリン粉末が添加さ
れた前記溶液を導電性基板上に塗布し、真空中あるいは
不活性ガス雰囲気中において加熱する第4工程を有す
る。本発明のリチウム二次電池は、上記の有機ジスルフ
ィド化合物を含有する複合電極からなる正極、非水電解
質、および負極を具備する。ここで、Nーアルキルー2
ーピロリドンは、式RーNC46O(Rは水素原子また
はメチル基、エチル基、nーブチル基などのアルキル基
を表す)で表される。
【0007】
【作用】本発明の複合電極の構成成分の一つである銀
は、充放電反応によりポリアニリンおよび有機ジスルフ
ィド化合物と複合体を形成し、有機ジスルフィド化合物
および有機ジスルフィド化合物とポリアニリンの複合体
が電解質に溶解し、正極から散逸するのを防止する作用
を有する。このため、優れた充放電サイクル寿命を得る
ことができる。さらに、本発明の複合電極は、ポリアニ
リンと有機ジスルフィド化合物のみの複合電極に較べ、
より平坦な電圧を与える。このような作用について本発
明者は次のように考えている。複合電極を正極、金属リ
チウムを負極として、リチウム塩を溶解した非プロトン
性の有機溶媒よりなる電解質中で、正極を定電流で充電
すると、金属リチウムに対し3.2〜3.4V付近に溶
解析出電圧を有する金属銀は銀カチオンとなって溶解す
る。この溶解反応とともに、有機ジスルフィド化合物の
S原子とポリアニリンのN原子との間のN−S結合によ
り複合体を形成している有機ジスルフィド化合物の酸化
が起こり、有機ジスルフィド化合物は重合してポリジス
ルフィドとなる。次に、この電池を放電すると、ポリア
ニリンのN位でN−S結合で複合体を形成しているポリ
ジスルフィドはジスルフィドモノマーアニオンとなり、
このアニオンは、充電で生成した銀カチオンと対イオン
あるいは銀錯体を形成し、ジスルフィドモノマーが電解
質中に拡散し正極中から散逸するのを防ぐ。さらに、ポ
リアニリンのN原子と結合している有機ジスルフィド化
合物のS原子以外のS原子は銀カチオンと対イオンある
いは銀錯体を形成し、ポリアニリンと有機ジスルフィド
化合物と銀とが分子的につながり正極内で高次構造を形
成し、複合体の電解質中への溶解・拡散をも防ぐ。この
対イオンあるいは銀錯体の形成は、銀カチオン自体の電
解質中への拡散も防止し、自己放電の原因となる銀カチ
オンが負極に至り金属リチウムと反応するのを防止す
る。さらに、この対イオンあるいは銀錯体は、電池反応
を反応種となるため、ポリアニリンと有機ジスルフィド
化合物のみの複合電極に較べより平坦な電圧を与える。
【0008】また、本発明の複合電極の製造方法による
と、溶液の粘度を高くするポリアニリンの添加を有機ジ
スルフィドを溶解した後、あるいさらに金属銀粉末を添
加した後に行うので、有機ジスルフィド化合物およびポ
リアニリンが均一にかつ高濃度にNーアルキルー2ーピ
ロリドンに溶解した溶液、あるいは、有機ジスルフィド
化合物およびポリアニリンが均一にかつ高濃度にNーア
ルキルー2ーピロリドンに溶解し、かつ金属銀粉末が均
一に分散した液を得ることができる。こうして調製した
溶液を金属銀箔に塗布するので、高密度でしかも均一な
ピンホールのない複合電極膜を得ることができる。ま
た、有機ジスルフィド化合物とポリアニリンとの複合体
と金属銀箔または金属銀粉末とは、対イオンあるいは銀
錯体を介して化学的に強固に接着するため、安定した充
放電特性を得ることができる。
【0009】
【実施例】本発明で用いる有機ジスルフィド化合物とし
ては、一般式(R(S)ynで表される化合物を用いる
ことができる。Rは脂肪族基、芳香族基、Sは硫黄、y
は1以上の整数、nは2以上の整数である。HSCH2
CH2SHで表されるジチオグリコール、C22S(S
H)2で表される2,5−ジメルカプト−1,3,4−
チアジアゾール、C3333で表されるs−トリアジ
ンー2,4,6ートリチオール、C6643で表され
る7ーメチルー2,6,8ートリメルカプトプリン、あ
るいはC4642で表される4,5ージアミノー2,
6ージメルカプトピリミジン等が用いられる。何れも市
販品をそのまま用いることができる。また、これらの有
機ジスルフィド化合物を、沃素、フェリシアン化カリウ
ム、過酸化水素等の酸化剤を用いて化学重合法により、
あるいは電解酸化法により重合した有機ジスルフィド化
合物のダイマー、テトラマーを含む重合物を用いること
ができる。
【0010】本発明に用いるポリアニリンとしては、ア
ニリンあるいはその誘導体を化学重合法あるいは電解重
合法により重合して得られるものが用いられる。特に、
脱ドープ状態の還元性ポリアニリンは、有機ジスルフィ
ドモノマーを有効に捕捉するので好ましい。ポリアニリ
ンの還元度(RDI)は、ポリアニリンをNーメチルー
2ーピロリドンに微量溶解した溶液の電子吸収スペクト
ルで、340nm付近の短波長側に現れるパラ置換ベン
ゼン構造に起因する吸収ピークの強度(I340)と、6
40nm付近の長波長側に現れるキノンジイミン構造に
起因する吸収ピークの強度(I640)との比により、R
DI=I640/I340で表される。RDIが0.5以下の
ポリアニリンが好適に用いられる。ポリアニリンの脱ド
ープの程度は、伝導度により表される。伝導度が、10
ー5S/cm以下のポリアニリンが好適に用いられる。
【0011】本発明の製造方法に用いるNーアルキルー
2ーピロリドンとしては、市販の試薬をそのまま、ある
いはゼオライト吸着剤により水分を20ppm以下に低
減したものを用いることができる。ピロリドン、N−メ
チルー2ーピロリドン、N−エチルー2ーピロリドン、
Nーブチルー2ーピロリドン等を用いることができる。
本発明に用いる金属銀箔あるいは金属銀は、純銀、銀以
外の例えば銅、金、インジウム、錫、鉛等の金属を含有
する銀合金の何れを用いてもよい。箔の場合は、厚さは
0.1μmから100μmが好ましい。粉末状あるいは
繊維状の金属銀あるいは銀合金の場合は、粒径、繊維
径、繊維長が100オングストロームから10μmのも
のが好ましい。また、銀箔をチタン、アルミニウム、ス
テンレス鋼等の金属箔と積層したクラッド材や、銀メッ
キしたチタン、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属箔
を用いてもよい。銀箔、クラッド材は平坦あるいは凹凸
形状の表面、規則的あるいは不規則な複数の貫通孔を有
するものも用いることができる。さらに、アクリル樹脂
等の合成樹脂の粒子の表面を銀あるいは銀合金でコーテ
ィングした材料を用いてもよい。有機ジスルフィド化合
物とポリアニリンの割合は、有機ジスルフィド化合物1
重量部に対し、ポリアニリンが0.01〜10重量部が
好ましい。金属銀の割合は、有機ジスルフィド化合物と
ポリアニリンとの合計量1重量部に対し0.01〜10
重量部が好ましい。
【0012】本発明の製造方法で用いる導電性基板に
は、カーボンブラックとフッ素樹脂からなる多孔性のカ
ーボンフィルム、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼
等の金属箔、ポリアニリンやポリピロール等の導電性高
分子膜フィルム、あるいは導電性高分子膜フィルムを塗
着あるいは被覆した金属箔やカーボンフィルムを用いる
ことができる。有機ジスルフィド化合物が還元して塩を
形成する際の金属カチオンM+には、前述の米国特許に
述べられているアルカリ金属カチオン、アルカリ土類金
属カチオンに加えて、銀カチオンを用いることができ
る。本発明の複合電極には、導電性をさらに高める目的
で導電剤を添加してもよい。このような導電剤には、黒
鉛粉末、黒鉛繊維、アセチレンブラック粉末等の炭素粉
末あるいは繊維、ポリアニリン以外のポリピロールやポ
リチオフェン等の導電性高分子がある。特に、本発明の
製造方法で用いるNーアルキルー2ーピロリドンに可溶
の次式で示されるポリピロールは、複合電極の製膜性を
高めかつ良好な導電性が得られるので好ましい。
【0013】
【化1】
【0014】(式中Rはアルキル基、nは重合度を表す
数であり、例えば、R=C49、C25で、C49:C
25=1:2であり、n=200〜1,000であ
る。)
【0015】本発明の複合電極には、金属カチオンM+
を含有する電解質を添加してもよい。このような電解質
としては、有機ジスルフィドモノマーの拡散移動がしに
くい固体状あるいは半固体状の高分子電解質が好まし
い。ポリエチレンオキサイドにLiClO4、LiCF3
SO3、LiN(CF3SO22等のリチウム塩を溶解し
たポリマー固体電解質、プロピレンカーボネート、エチ
レンカーボネート等の非水溶媒中にLiClO4、Li
CF3SO3、LiBF4、LiPF6、LiN(CF3
22 等のリチウム塩を溶解した電解液をポリアクリ
ロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリル酸の
ような高分子でゲル化した半固体状の高分子電解質が有
効に用いられる。Nーアルキルー2ーピロリドンの前記
リチウム塩を1M程度溶解した液体電解質を添加しても
よい。さらに、本発明の複合電極には、製膜性を高めか
つ高い膜強度を得る目的で、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピリジン等の有機高分
子バインダーを添加してもよい。
【0016】[実施例1]2,5−ジメルカプト−1,
3,4−チアジアゾール(以下、DMcTと呼ぶ)DM
cT粉末2.0gをNーメチルー2ーピロリドン(以
下、NMPと呼ぶ)7.0gに溶解した。次いで、日東
電工製のポリアニリン(商品名アニリード)をアルカリ
溶液中で脱ドープしヒドラジンで還元して得た伝導度が
10ー8S/cm、RDI値が0.26の脱ドープ還元ポ
リアニリン粉末1.0gをさらに溶解し青緑色の粘ちょ
うなDMcT−ポリアニリン(以下、PAnと呼ぶ)ー
NMP溶液を得た。この溶液を、ギャップが150μm
のアプリケータを用いて厚さ10μmの金属銀箔上に塗
布した後、アルゴンガス気流中において80℃で15分
間加熱し、さらに、80℃で60分間真空加熱し、厚さ
35μmの複合電極を得た。得られた複合電極を2×2
cm角に切断した。これを複合電極Aとする。 [比較例1]金属銀箔の換えて、厚さ10μmのチタン
箔を用いた以外は実施例1と同様にして厚さ35μmの
複合電極A’を得た。
【0017】[実施例2]DMcT粉末2.0gをNM
P7.0gに溶解した。次いで、日東電工製のポリアニ
リン(商品名アニリード)をアルカリ溶液中で脱ドープ
しヒドラジンで還元して得た伝導度が10ー8S/cm、
RDI値が0.30の脱ドープ還元ポリアニリン粉末
1.0gをさらに溶解し、さらに、NMPを9.7g添
加して青緑色のDMcT−PAnーNMP溶液を得た。
さらに、前記式(1)で示される可溶性ポリピロール
0.5gをNMP5.0gに溶解した溶液を加え、粘ち
ょうなDMcT−PAn−PPy−NMP溶液を得た。
この溶液に、アセチレンブラック粉末を1.0g添加し
て均一に混合し黒色のインクを得た。この黒色のインク
を、ギャップが250μmのアプリケータを用いて厚さ
30μmの金属銀箔上に塗布した後、アルゴンガス気流
中において80℃で15分間加熱し、さらに、80℃で
60分間真空加熱し、厚さ55μの複合電極を得た。得
られた複合電極を2×2cm角に切断した。これを複合
電極Bとする。 [比較例2]金属銀箔に換えて、厚さ30μmのチタン
箔を用いた以外は実施例2と同様にして厚さ55μmの
複合電極B’を得た。
【0018】[実施例3]DMcT粉末2.0gをNM
P7.0gに溶解した。次いで、日東電工製のポリアニ
リン(商品名アニリード)をアルカリ溶液中で脱ドープ
しヒドラジンで還元して得た伝導度が10ー8S/cm、
RDI値が0.25の脱ドープ還元ポリアニリン粉末
1.0gをさらに溶解し、さらに、NMPを9.7g添
加して青緑色のDMcT−PAnーNMP溶液を得た。
次に、平均分子量が25,000のポリビニルピロリド
ン0.5gをNMP5.0gに溶解し、この溶液を前記
の溶液に加え、粘ちょうなDMcT−PAn−PVP−
NMP溶液を得た。この溶液に、アセチレンブラック粉
末を1.0g添加して均一に混合し黒色のインクを得
た。この黒色のインクを、ギャップが250μmのアプ
リケータを用いて厚さ30μmの金属銀箔上に塗布した
後、アルゴンガス気流中において80℃で15分間加熱
し、さらに、80℃で60分間真空加熱し、厚さ55μ
mの複合電極を得た。得られた複合電極を2×2cm角
に切断した。これを複合電極Cとする。 [比較例3]金属銀箔に換えて、厚さ30μのチタン箔
を用いた以外は実施例3と同様にして厚さ55μmの複
合電極C’を得た。
【0019】[実施例4]s−トリアジンー2,4,6
ートリチオール(以下、TTAと呼ぶ)粉末1.5gを
NMP7.0gに溶解した。次いで、日東電工製のポリ
アニリン(商品名アニリード)をアルカリ溶液中で脱ド
ープしヒドラジンで還元して得た伝導度が10ー8S/c
m、RDI値が0.18の脱ドープ還元ポリアニリン粉
末1.0gを溶解し、さらに、NMPを9.7g添加し
て青緑色のTTA−PAnーNMP溶液を得た。さら
に、式(1)で示す可溶性ポリピロール0.5gをNM
P5.0gに溶解した溶液を加え、粘ちょうなTTA−
PAn−PPy−NMP溶液を得た。この溶液に、アセ
チレンブラック粉末を1.0g添加して均一に混合し黒
色のインクを得た。この黒色のインクを、ギャップが2
50μmのアプリケータを用いて厚さ30μmの金属銀
箔上に塗布した後、アルゴンガス気流中において80℃
で15分間加熱し、さらに、80℃で60分間真空加熱
し、厚さ58μの複合電極を得た。得られた複合電極を
2×2cm角に切断した。これを複合電極Dとする。 [比較例4]金属銀箔に換えて、厚さ30μのチタン箔
を用いた以外は実施例3と同様にして厚さ58μmの複
合電極D’を得た。
【0020】[実施例5]DMcTを2.0gをNMP
7.0gに溶解した。この溶液に、平均粒径が1μの金
属銀粉末0.5gを添加した。次いで、日東電工製のポ
リアニリン(商品名アニリード)をアルカリ溶液中で脱
ドープしヒドラジンで還元して得た伝導度が10ー8S/
cm、RDI値が0.28の脱ドープ還元ポリアニリン
粉末1.0gを添加して溶解した。こうしてを得たイン
クを、厚さ10μmのチタン箔上に150μmギャップ
のアプリケータを用いて塗布し、アルゴンガス気流中に
おいて80℃で15分加熱したのち、1cmHgの減圧
下において80℃で60分間加熱処理し、厚さ35μm
の複合電極を得た。得られた電極を2×2cm角に切断
した。これを複合電極Eとする。 [比較例5]DMcT−PAn−NMP溶液に金属銀粉
末を添加しないインクを用いた以外は実施例5と同様に
して厚さ35μmの複合電極E’を得た。
【0021】[実施例6]DMcT粉末2.0gをNM
P7.0gに溶解した。さらに、NMPを9.7g添加
して青緑色のDMcT−NMP溶液を得た。この溶液
に、アセチレンブラック粉末を0.5gおよび平均粒径
が1μmの金属銀粉末を添加して均一に混合した。次い
で、日東電工製のポリアニリン(商品名アニリード)を
アルカリ溶液中で脱ドープしヒドラジンで還元して得た
伝導度が10ー8S/cm、RDI値が0.25の脱ドー
プ還元ポリアニリン粉末1.0gを前記の液に溶解し、
さらに、平均分子量が25,000のポリビニルピロリ
ドン0.5gをNMP2.5gに溶解した溶液を加え、
黒色のインクを得た。この黒色のインクを、ギャップが
250μmのアプリケータを用いて厚さ30μmのチタ
ン箔上に塗布した後、アルゴンガス気流中において80
℃で15分間加熱し、さらに、80℃で60分間真空加
熱し、厚さ50μmの複合電極を得た。得られた複合電
極を2×2cm角に切断した。これを複合電極Fとす
る。 [比較例6]金属銀粉末を添加しないインクを用いた以
外は実施例6と同様にして厚さ50μmの複合電極F’
を得た。
【0022】電極性能評価 実施例1、2、3、4、5、6、比較例1、2、3、
4、5、6で得た電極A、B、C、D、E、F、A’、
B’、C’、D’、E’、F’を正極、厚み0.3mm
の金属リチウムを負極、厚み0.6mmのゲル電解質を
セパレータ層として偏平電池A、B、C、D、E、F、
A’、B’、C’、D’、E’、F’を構成した。な
お、ゲル電解質は、LiBF4を1M溶解したプロピレ
ンカーボネート/エチレンカーボネート(1:1容積
比)溶液20.7gをポリアクリロニトリル3.0gで
ゲル化したものである。これらの電池を20℃におい
て、0.2mAの一定電流で、4.65〜2.0Vの範
囲で繰り返し充放電し、各充放電サイクルにおける放電
容量(Q、単位:mAh)を測定し、充放電サイクル特
性を評価した。結果を表1に示す。また、電池A、
A’、電池B、B’、および電池E、E’について充放
電第5サイクル目の放電電圧を図1、図2、および図3
にそれぞれ示す。
【0023】
【表1】
【0024】以上の結果から明らかなように、本発明に
従う実施例1、2、3、4、5、6の複合電極A、B、
C、D、E、Fを用いた電池は、それぞれ対応する比較
例の複合電極A’B’C’D’E’F’を用いた電池に
較べ、充放電サイクル中の放電容量の低下が小さい。ま
た、実施例の複合電極を用いた電池は、放電電圧につい
ては、比較例の複合電極を用いた電池に較べ、3.5〜
2.5Vの間で比較的平坦な電圧を与える。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、酸化還元
を繰り返しても容量低下の少ない複合電極wp得ること
ができる。この複合電極を正極に用いれば、充放電中に
おいて正極活物質の正極内からの散逸が軽減され、充放
電中の放電容量の低下の少ない高エネルギー密度二次電
池を得ることができる。また、平坦な放電電圧を得るこ
とができる。実施例では電極組成物を用いた電池のみを
示したが、電池の他に、本発明の複合電極を対極に用い
ることにより、発色・退色速度の速いエレクトロクロミ
ック素子、応答速度の早いグルコースセンサー等の生物
化学センサーを得ることができるし、また、書き込み・
読み出し速度の速い電気化学アナログメモリーを構成す
ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の複合電極A、および比較例
1の複合電極A’をそえぞれ正極に用いたリチウム二次
電池の放電電圧を示す図である。
【図2】実施例2の複合電極B、および比較例2の複合
電極B’をそれぞれ正極に用いたリチウム二次電池の放
電電圧を示す図である。
【図3】実施例5の複合電極E、および比較例5の複合
電極E’をそれぞれ正極に用いたリチウム二次電池の放
電電圧を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/02 H01M 4/04 H01M 4/60 H01M 10/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解還元により硫黄ー硫黄結合が開裂し
    て硫黄ー金属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、
    電解酸化により硫黄ー金属イオン結合が元の硫黄ー硫黄
    結合を再生する有機ジスルフィド化合物とポリアニリン
    を含有する組成物を金属銀箔に担持一体化したことを特
    徴とする有機ジスルフィド化合物を含有する複合電極。
  2. 【請求項2】 電解還元により硫黄ー硫黄結合が開裂し
    て硫黄ー金属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、
    電解酸化により硫黄ー金属イオン結合が元の硫黄ー硫黄
    結合を再生する有機ジスルフィド化合物とポリアニリン
    と金属銀を含有する組成物を導電性基板に担持一体化し
    たことを特徴とする有機ジスルフィド化合物を含有する
    複合電極。
  3. 【請求項3】 電解還元により硫黄ー硫黄結合が開裂し
    て硫黄ー金属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、
    電解酸化により硫黄ー金属イオン結合が元の硫黄ー硫黄
    結合を再生する有機ジスルフィド化合物をN−アルキル
    ー2ーピロリドンに溶解する第1工程、得られた溶液に
    ポリアニリン粉末を添加溶解する第2工程、および第2
    工程で得られた溶液を金属銀箔上に塗布し、真空中ある
    いは不活性ガス雰囲気中において加熱する第3工程を有
    することを特徴とする有機ジスルフィド化合物を含有す
    る複合電極の製造方法。
  4. 【請求項4】 電解還元により硫黄ー硫黄結合が開裂し
    て硫黄ー金属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、
    電解酸化により硫黄ー金属イオン結合が元の硫黄ー硫黄
    結合を再生する有機ジスルフィド化合物をN−アルキル
    ー2ーピロリドンに溶解する第1工程、得られた溶液に
    金属銀粉末を添加混合する第2工程、金属銀が添加され
    た溶液にポリアニリン粉末を添加混合する第3工程、お
    よびポリアニリン粉末が添加された前記溶液を導電性基
    板上に塗布し、真空中あるいは不活性ガス雰囲気中にお
    いて加熱する第4工程を有することを特徴とする有機ジ
    スルフィド化合物を含有する複合電極の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の有機ジスルフィ
    ド化合物を含有する複合電極からなる正極、非水電解
    質、および負極を具備するリチウム二次電池。
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