JPH10241661A - 有機ジスルフィド化合物を含有する電極とその製造法 - Google Patents

有機ジスルフィド化合物を含有する電極とその製造法

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JPH10241661A
JPH10241661A JP9038087A JP3808797A JPH10241661A JP H10241661 A JPH10241661 A JP H10241661A JP 9038087 A JP9038087 A JP 9038087A JP 3808797 A JP3808797 A JP 3808797A JP H10241661 A JPH10241661 A JP H10241661A
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solution
electrode
disulfide compound
organic disulfide
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Tadashi Tonomura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充放電に伴う電極容積の低下の抑制された有
機ジスルフィド化合物を含む電極を提供する。 【解決手段】 本発明による電極は、電解還元により硫
黄−硫黄結合が開裂して硫黄−金属イオン(プロトンを
含む)結合を生成し、電解酸化により硫黄−金属イオン
結合が元の硫黄−硫黄結合を再生する有機ジスルフィド
化合物と銀イオンからなる錯体を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池、エレクトロ
クロミック表示素子、センサー、メモリー等の電気化学
素子に用いられる有機ジスルフィド化合物を含む電極お
よびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1971年に導電性のポリアセチレンが
発見されて以来、導電性高分子を電極材料に用いると軽
量で高エネルギー密度の電池や、大面積のエレクトロク
ロミック素子、微小電極を用いた生物化学センサー等の
電気化学素子が期待できることから、導電性高分子電極
が盛んに検討されている。しかし、ポリアセチレンは不
安定で電極としては実用性に乏しいことから他のπ電子
共役系導電性高分子が検討されてきた。そして、ポリア
ニリン、ポリピロール、ポリアセン、ポリチオフェンと
いった比較的安定な高分子が開発され、このような高分
子を正極に用いたリチウム二次電池が開発されている。
これらの電池のエネルギー密度は40〜80Wh/kg
と言われている。
【0003】最近では、さらに高エネルギー密度が期待
できる有機材料として、米国特許第4,833,048
号に有機ジスルフィド系化合物が提案されている。この
化合物は、最も簡単には M+-S−R−S-−M+ と表
される(Rは脂肪族あるいは芳香族の有機基、Sは硫
黄、M+はプロトンあるいは金属カチオン)。この化合
物は電解酸化により S−S 結合を介して互いに結合
し、 M+-S−R−S−S−R−S−S−R−S-−M+ のような形でポリマー化する。こうして生成したポリマ
ーは電解還元により元のモノマーに戻る。カチオン(M
+)を供給、捕捉する金属Mと有機ジスルフィド系化合
物を組み合わせた金属−イオウ二次電池が前述の米国特
許に提案されている。この電池のエネルギー密度は15
0wh/kg以上であり、通常の二次電池に匹敵あるい
はそれ以上のエネルギー密度が期待できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな有機ジスルフィド化合物は、酸化還元(充放電)を
繰り返すと、電極容量が徐々に減少してくる問題があ
る。これは、以下のようなことが原因していると考えら
れている。有機ジスルフィド化合物を酸化(充電)する
と、電気絶縁性でかつイオン伝導性に乏しいポリジスル
フィド化合物が生成する。ポリジスルフィド化合物は電
解質に対する溶解性が乏しい。一方、このポリジスルフ
ィド化合物が還元(放電)によりモノマー化した際に生
成する有機ジスルフィドモノマーは電解質に対する溶解
性が高い。そのため、還元(放電)によりモノマー化し
たジスルフィドが一部電解質に溶解し、この溶解したモ
ノマーは、酸化(充電)により電極中のもともと位置し
ていた場所と異なる場所でポリマー化する現象が起こ
る。カーボン等の導電剤から離れてポリマー化して析出
したポリジスルフィド化合物は、電極内の電子・イオン
伝導のネットワークから孤立し、電極反応に関与しなく
なる。このため、酸化還元を繰り返すと、孤立するポリ
ジスルフィド化合物が増加し、その結果、電池の容量が
徐々に低下する。また、溶解性の高い有機ジスルフィド
モノマーは動きやすく、正極からセパレータあるいは電
解質内、さらには負極側に散逸する。このように、有機
ジスルフィド化合物を含む電極を正極に用いた電池で
は、充放電効率が下がったり、充放電サイクル寿命が短
くなったりするという欠点を有していた。本発明は、上
記した問題を解決し、有機ジスルフィド化合物の高エネ
ルギー密度という特徴を損なうことなく、充放電効率が
高く保持され、良好な充放電サイクル特性が得られる電
極を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の電極は、電解還
元により硫黄−硫黄結合が開裂して硫黄−金属イオン
(プロトンを含む)結合を生成し、電解酸化により硫黄
−金属イオン結合が元の硫黄−硫黄結合を再生する有機
ジスルフィド化合物と銀イオンからなる錯体を含有す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いる有機ジスルフィド
化合物と銀イオンからなる錯体は、銀イオンに、有機ジ
スルフィド化合物の硫黄原子が配位子として配位したも
のである。このように、有機ジスルフィド化合物(モノ
マー)が銀イオンとの錯体として電極に固定化されるの
で、有機ジスルフィド化合物(モノマー)が電極から散
逸することが抑制される。その結果、このような錯体を
含む電極を正極に用いて電池を構成すると、充放電を繰
り返しても電気容量の低下しない、すなわち充放電サイ
クルが良好な電池を得ることができる。
【0007】このような錯体を形成する有機ジスルフィ
ド化合物としては、一般式(R(S)ynで表される化
合物を用いることができる。Rは脂肪族基または芳香族
基、Sは硫黄、yは1以上の整数、nは2以上の整数で
ある。HSCH2CH2SHで表されるジチオグリコ−
ル、C22S(SH)2で表される2,5−ジメルカプ
ト−1,3,4−チアジアゾール、C3333で表さ
れるs−トリアジン−2,4,6−トリチオール、C6
643で表される7−メチル−2,6,8−トリメ
ルカプトプリン、あるいはC4642で表される4,
5−ジアミノ−2,6−ジメルカプトピリミジン等が用
いられる。何れも市販品をそのまま用いることができ
る。また、これらの有機ジスルフィド化合物をヨウ素、
フェリシアン化カリウムまたは過酸化水素等の酸化剤を
用いて重合した有機ジスルフィド化合物の2量体、3量
体を含む重合物も用いることができる。有機ジスルフィ
ド化合物を酸化剤を用いて化学重合する他に、酸化剤を
用いないで電解酸化法により重合することもできる。
【0008】錯体を形成する銀塩としては、硝酸銀、四
フッ化硼酸銀(AgBF4)、N,N−ジエチルジチオ
カルバミン酸銀,((C252NCSSAg)、トリフ
ルオロメタンスルホン酸銀(CF3SO3Ag)など一価
の銀塩ならいずれも用いることができる。有機ジスルフ
ィド化合物と銀塩とで形成される錯体を例示すると、有
機ジスルフィド化合物が、2,5−ジメルカプト−1,
3,4−チアジアゾールの場合はAg(C2HN
232、ジチオグリコ−ルの場合はAg(C222
2、s−トリアジン−2,4,6−トリチオール場合は
Ag3(C3332、7−メチル−2,6,8−トリ
メルカプトプリンの場合はAg(C64432
4,5−ジアミノ−2,6−ジメルカプトピリミジンの
場合はAg(C44422などがある。
【0009】これらの錯体の粉末をそのまま加圧成形し
て電極として用いることができる。また、ポリアニリン
等の導電性高分子粉末、アセチレンブラックまたは金属
銀粉末等の導電材をこれらの錯体の粉末に混合してもよ
い。特に、ポリアニリンは導電材として作用するだけで
なく、銀イオンの配位子としても作用し、さらに、有機
ジスルフィド化合物がポリアニリンのドーパントとして
作用して複合体を形成するため、有機ジスルフィド化合
物分子、ポリアニリン分子および銀イオンが3次元的に
相互作用しあう高次の金属高分子錯体が形成される。こ
の金属高分子錯体は、有機ジスルフィド化合物と銀イオ
ンからなる錯体よりも、より強固に有機ジスルフィド化
合物を電極内に保持する。そのため、より充放電サイク
ルが良好な電池を得ることができる。有機ジスルフィド
化合物と銀イオンからなる錯体とポリアニリンとの配合
割合は、有機ジスルフィド化合物1分子に対しポリアニ
リン分子が0.1〜10分子が好ましい。
【0010】ポリアニリンとしては、アニリンあるいは
その誘導体を化学重合法あるいは電解重合法により重合
して得られるものが用いられる。特に、脱ドープ状態の
還元性ポリアニリンは、有機ジスルフィドモノマーを有
効に捕捉するので好ましい。ポリアニリンの還元度(R
DI)は、ポリアニリンをN−メチル−2−ピロリドン
に微量溶解した溶液の電子吸収スペクトルで示される。
つまり、340nm付近の短波長側に現れるパラ置換ベ
ンゼン構造に起因する吸収ピークの強度(I340)と、
640nm付近の長波長側に現れるキノンジイミン構造
に起因する吸収ピークの強度(I640)との比(RDI
=I640/I340)で表される。RDIが0.5以下のポ
リアニリンが好適に用いられる。また、ポリアニリンの
脱ドープの程度は、伝導度により表され、伝導度が、1
-5S/cm以下のポリアニリンが好適に用いられる。
【0011】本発明による電極を製造するには、まず、
有機ジスルフィド化合物をN−R−2−ピロリドン(R
は水素またはCH3、C25、C37等のアルキル基)
に溶解し溶液Aを調製する。そして、この溶液Aにポリ
アニリン粉末を混合して溶液Bを得る。また、銀塩をN
−R−2−ピロリドンに溶解し溶液Cを調製する。この
溶液Cとさきに調製した溶液Bを混合し混合物Dを作成
する。さらに、この得られた混合物Dを導電性基板上に
塗布した後、不活性ガス雰囲気中あるいは真空中で加熱
する。このようにして、本発明による電極を得ることが
できる。N−R−2−ピロリドンを溶媒として用いる
と、有機ジスルフィド化合物、銀イオンおよびポリアニ
リンを分子レベルで均一に混合することが可能である。
したがって、本発明の製造法では、均一な組成の薄膜状
あるいは大面積の形状を有する電極を容易に得ることが
できる利点を有している。N−R−2−ピロリドンとし
ては、市販の試薬をそのまま、あるいはゼオライト吸着
剤により水分を20ppm以下に低減したものを用いる
ことができる。
【0012】また、本発明による電極には、有機ジスル
フィド化合物と銀イオンからなる錯体およびポリアニリ
ン以外に、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピリジン等の有機高分子バインダーを含
有させてもよい。さらに、ゲル電解質を電極に含有させ
るのも好ましい。このゲル電解質は、プロピレンカーボ
ネートやエチレンカーボネートの非プロトン性溶媒にL
iBF4、LiPF6LiAsF6、LiClO4、LiC
3SO3、LiN(CF3SO22 等のリチウム塩を溶
解した有機電解液をポリアクリロニトリル、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリル酸
などの高分子化合物でゲル化したものである。
【0013】
【実施例】
《実施例1》ヨウ素0.76g(6ミリモル)を、50
mlのエタノールに溶解して溶液Aを調製し、硝酸銀
0.96g(6ミリモル)を、25mlのエタノールに
溶解して溶液Bを調製した。そして、この溶液AとBを
混合して、混合溶液Cを調製した。さらに、2,5−ジ
メルカプト−1,3,4−チアジアゾール(以下、DM
cTと略す。)1.8g(12ミリモル)を50mlの
エタノールに溶解して溶液Dを調製し、これとさきに調
製した溶液Cとを混合すると、赤橙色の錯体が固形物と
して生成した。この固形物を含む液を遠心分離して、固
形物を取り出した後、この固形物を熱アルコールにより
数度洗浄した。最後に、固形物をエチルエーテルで洗浄
した後、真空乾燥して、銀イオンにDMcTが2分子配
位した錯体であるAg(C2HN232(以下、DMc
T−Agと称する。)を得た。次に、プロピレンカーボ
ネート10.5gとエチレンカーボネート7.9gを混
合した混合溶媒に、LiBF4を2.3gを溶解して有
機電解液を作成した。さらに、この有機電解液にポリア
クリロニトリル粉末3gを添加し、100℃に加熱し
て、ポリアクリロニトリルを溶解させてゲル化した後、
アセトニトリル20gで希釈してゲル電解質溶液を作成
した。このゲル電解質溶液1gとDMcT−Agの粉末
1gおよびアセチレンブラック粉末0.05gを混合し
て、混合スラリーを得た。フッ素樹脂とアセチレンブラ
ックよりなる厚さ50μmの多孔質カーボンシートを5
×10cmの大きさに切断し、さきに作成したスラリー
をこの多孔質カーボンシートに塗布した後、真空中60
℃で加熱した。こうして作製した電極Aの厚みは、カー
ボンシートを含めて78μmであった。
【0014】《比較例1》実施例1で作成したゲル電解
質溶液1gとDMcT粉末1gおよびアセチレンブラッ
ク粉末0.05gを混合して混合スラリーを得た。そし
て、この混合スラリーを実施例1と同様にして多孔質カ
ーボンシートに塗布し、乾燥させた。このようにして作
製した電極A’の厚みは、カーボンシートを含めて82
μmであった。
【0015】《実施例2》実施例1で用いたDMcTの
代わりに、s−トリアジン−2,4,6−トリチオール
(以下、TTAと略す。)を用いて銀イオンにTTAが
配位した錯体Ag3(C3332(以下、TTA−A
gと称する。)を得た。次に、実施例1で作成したゲル
電解質溶液1gとTTA−Agの粉末1gおよびアセチ
レンブラック0.05gを混合し、混合スラリーを得
た。この混合スラリーを実施例1と同様にして多孔質カ
ーボンシートに塗布し、乾燥させた。このようにして作
製した電極Bの厚みは、カーボンシートを含めて85μ
mであった。
【0016】《比較例2》実施例1で作成したゲル電解
質溶液1gとTTA粉末1gおよびアセチレンブラック
粉末0.05gを混合して混合スラリーを得た。そし
て、この混合スラリーを実施例1と同様にして多孔質カ
ーボンシートに塗布し、乾燥させた。このようにして作
製した電極B’の厚みは、カーボンシートを含めて88
μmであった。
【0017】《実施例3》ポリアニリン(日東電工
(株)製;商品名アニリード、以下PAnと略す。)を
アルカリ溶液中で脱ドープした後、ヒドラジンで還元し
て、脱ドープ還元状態のPAnを得た。この脱ドープ還
元状態のPAnは、伝導度が10-8S/cm、RDI値
が0.26であった。N−メチル−2−ピロリドン(以
下、NMPと略す。)10gにDMcT1.5gを溶解
して溶液Aを作製した。この溶液Aに、さきに作成した
脱ドープ還元状態のPAn粉末1.0gを添加して、青
緑色の粘ちょうなDMcT−PAn−NMP溶液を得
た。次に、四フッ化硼酸銀(AgBF4)0.75gを
NMP5gに溶解した。この溶液を、さきに作成したD
McT−PAn−NMP溶液に加えて、粘ちょうなイン
クを得た。厚さ30μmのチタン箔集電体を5×8cm
の大きさに切断し、このチタン箔集電体上にさきに作成
したインクを塗布し、真空中80℃で2時間乾燥した。
このようにして作製した電極Cの厚みは、チタン箔を含
めて55μmであった。
【0018】《比較例3》実施例3で作成したDMcT
−PAn−NMP溶液を実施例3と同様にしてチタン箔
上に塗布し、乾燥させた。このようにして作製した電極
C’の厚みは、チタン箔を含めて50μmであった。
【0019】《実施例4》実施例3と同様にして、脱ド
ープ還元状態のPAnを作成した。このPAnは、伝導
度が10-8S/cm、RDI値が0.28であった。N
MP10gにTTA1.8gを溶解した後、さきに作成
した脱ドープ還元状態のPAn粉末1.0gを添加し
て、青緑色の粘ちょうなTTA−PAn−NMP溶液を
得た。次に、トリフルオロメタンスルホン酸銀(CF3
SO3Ag)1.2gをNMP5gに溶解した。この溶
液を、さきに作成したTTA−PAn−NMP溶液に加
えて、粘ちょうなインクを得た。このインクを実施例3
と同様にしてチタン箔上に塗布し、乾燥させた。このよ
うにして作製した電極Dの厚みは、チタン箔を含めて6
0μmであった。
【0020】《比較例4》実施例4で作成したTTA−
PAn−NMP溶液を実施例3と同様にしてチタン箔上
に塗布し、乾燥させた。このようにして作製した電極
D’の厚みは、チタン箔を含めて58μmであった。
【0021】次いで各電極の電極性能評価を行った。実
施例1〜4、比較例1〜4で得た電極A〜D’を正極と
して用い、厚み0.3mmの金属リチウムを負極として
用いて2×2cm角の電池A〜D’を構成した。セパレ
ータ層として、厚み0.6mmのゲル電解質を用いた。
ゲル電解質は、LiBF4を1M溶解した容積比1:1
で混合したプロピレンカーボネートとエチレンカーボネ
ートの混合溶液20.7gをポリアクリロニトリル3.
0gでゲル化して得たものである。これらの電池A〜
D’を、20℃において、0.2mAの一定電流で、
4.65〜2.0Vの範囲で繰り返し充放電させた。各
充放電サイクルでの放電容量を測定して、充放電サイク
ルの進行に伴う放電容量の減少の程度により充放電サイ
クル特性を評価した。その結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】以上より、本発明に従う実施例の電極を用
いた電池では、それぞれ対応する比較例の電極を用いた
電池に較べ、充放電サイクルの進行に伴う放電容量の低
下が小さい。
【0024】図1は、実施例1および比較例1で得られ
た電池Aと電池A’の充放電第5サイクル目の放電容量
に対する放電電圧を示す。横軸が放電容量(単位:mA
h)、縦軸が電池電圧(単位:V)である。図1より、
本発明による電極を用いて構成した電池Aは、放電容量
が増加しても、比較的平坦な放電電圧を示すが、比較例
として構成した電池A’は、放電容量の増加とともに放
電電圧が急激に降下している。同様に図2〜4は、それ
ぞれ実施例2〜4、比較例2〜4で得られた電池、Bと
B’、CとC’、DとD’の充放電第5サイクル目の放
電電圧を示す。いずれの図も、本発明による電極を用い
た電池が、3.5〜2.5Vの間で比較的平坦な電圧を
与えるという良好な結果を示している。
【0025】
【発明の効果】本発明による電極は、充放電中において
正極活物質の正極内からの散逸を軽減することができる
ため、この電極を正極に用いると充放電中の放電容量の
低下の少ない高エネルギー密度二次電池を得ることがで
き、さらに平坦な放電電圧を得ることができる。さら
に、本発明は、電池の電極としてだけでなく、エレクト
ロクロミック素子、グルコースセンサ等の生物化学セン
サーの対極や、電気化学アナログメモリーに用いること
ができる。そのため、発色・退色速度の速いエレクトロ
クロミック素子や応答速度の早い生物化学センサー、ま
た書き込み・読み出し速度の速い電気化学アナログメモ
リーを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の電池Aおよび比較例の電池
A’の充放電第5サイクル目の放電特性を示す図であ
る。
【図2】本発明の実施例の電池Bおよび比較例の電池
B’の充放電第5サイクル目の放電特性を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施例の電池Cおよび比較例の電池
C’の充放電第5サイクル目の放電特性を示す図であ
る。
【図4】本発明の実施例の電池Dおよび比較例の電池
D’の充放電第5サイクル目の放電特性を示す図であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解還元により硫黄−硫黄結合が開裂し
    て硫黄−金属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、
    電解酸化により硫黄−金属イオン結合が元の硫黄−硫黄
    結合を再生する有機ジスルフィド化合物と銀イオンから
    なる錯体を含有することを特徴とする電極。
  2. 【請求項2】 電解還元により硫黄−硫黄結合が開裂し
    て硫黄−金属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、
    電解酸化により硫黄−金属イオン結合が元の硫黄−硫黄
    結合を再生する有機ジスルフィド化合物と銀イオンから
    なる錯体、およびポリアニリンを含有することを特徴と
    する電極。
  3. 【請求項3】 電解還元により硫黄−硫黄結合が開裂し
    て硫黄−金属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、
    電解酸化により硫黄−金属イオン結合が元の硫黄−硫黄
    結合を再生する有機ジスルフィド化合物をN−R−2−
    ピロリドン(Rは水素またはアルキル基)に溶解し溶液
    Aを得る工程、前記溶液Aにポリアニリンを添加し溶液
    Bを得る工程、銀塩をN−R−2−ピロリドンに溶解し
    溶液Cを得る工程、前記溶液Bと前記溶液Cを混合し混
    合物Dを得る工程、および前記混合物Dを導電性基板上
    に塗布した後、不活性ガス雰囲気中あるいは真空中で加
    熱する工程を含むことを特徴とする電極の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102011108089A1 (de) * 2011-07-18 2013-01-24 Technische Universität Dresden Verfahren zur Herstellung dünner elektrisch leitfähiger Schichten aus Silber, eine Silber-Schicht, einen Silberkomplex, dessen Lösung sowie eine Verwendung des Silberkomplexes in einer Lösung
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