JP2955177B2 - 複合電極、その製造方法、およびリチウム二次電池 - Google Patents

複合電極、その製造方法、およびリチウム二次電池

Info

Publication number
JP2955177B2
JP2955177B2 JP6013409A JP1340994A JP2955177B2 JP 2955177 B2 JP2955177 B2 JP 2955177B2 JP 6013409 A JP6013409 A JP 6013409A JP 1340994 A JP1340994 A JP 1340994A JP 2955177 B2 JP2955177 B2 JP 2955177B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyaniline
composite electrode
pyrrolidone
disulfide compound
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6013409A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07211310A (ja
Inventor
正 外邨
裕史 上町
佳子 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP6013409A priority Critical patent/JP2955177B2/ja
Publication of JPH07211310A publication Critical patent/JPH07211310A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2955177B2 publication Critical patent/JP2955177B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電池、エレクトロクロ
ミック表示素子、センサー、メモリー等の電気化学素子
に用いられる複数の有機化合物あるいは、複数の有機化
合物と無機化合物よりなる複合電極、その製造方法およ
び、この複合電極あるいは製造法で得られる複合電極を
正極に用いたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】1971年に白川らにより導電性のポリ
アセチレンが発見されて以来、導電性高分子を電極材料
に用いると、軽量で高エネルギー密度の電池や、大面積
のエレクトロクロミック素子、微小電極を用いた生物化
学センサー等の電気化学素子が期待できることから、導
電性高分子電極が盛んに検討されている。ポリアセチレ
ンは不安定で電極としては実用性に乏しいことから、他
のπ電子共役系導電性高分子が検討され、ポリアニリ
ン、ポリピロール、ポリアセン、ポリチオフェンといっ
た比較的安定な高分子が開発され、これらを正極に用い
たリチウム二次電池が開発されるに及んでいる。
【0003】また、高エネルギー密度が期待できる有機
材料として、有機ジスルフィド化合物が米国特許第4,
833,048号に開示されている。この化合物は、最
も簡単にはR−S−S−Rと表される(Rは脂肪族ある
いは芳香族の有機基、Sは硫黄)。S−S結合は電解還
元により開裂し、電解浴中のカチオン(M+)とでR−
-・M+で表される塩を生成する。この塩は、電解酸化
により元のR−S−S−Rに戻る。カチオン(M+)を
供給、捕捉する金属Mとジスルフィド化合物を組み合わ
せた金属−イオウ二次電池が前述の米国特許に提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ポリアニリン、ポリピ
ロール、ポリアセン、ポリチオフェンと言った導電性高
分子を用いる電極は、電極反応に際してカチオンのみな
らず電解質中のアニオンを取り込みむので、電池内にあ
って電解質はイオンの移動媒体として作用するだけでな
く電池反応に関与する。そのため、前記高分子電極を用
いる電池においては、電池容量に見合う量の電解質を電
池内に供給する必要がある。そして、その分電池のエネ
ルギー密度が小さくなるという問題を有している。エネ
ルギー密度は、20〜50Wh/kg程度で、ニッケル
−カドミウム蓄電池、鉛蓄電池等の通常の二次電池に較
べ2分の1程度と小さいという問題があった。
【0005】また、提案されている有機ジスルフィド化
合物については、J.Electrochem.So
c.,Vol.136,No.9,p.2570〜25
75(1989)で報告されているように、例えば
[(C252NCSS-2 の電解では、酸化と還元の
電位が1V以上離れており、電極反応論の教えるところ
によれば、電子移動速度は極めて遅い。従って、室温付
近では実用に見合う大きな電流、例えば1mA/cm2
以上の電流を取り出すことが困難であり、100−20
0℃の高温での使用に限られるという問題があった。本
発明は、この様な問題を解決し、有機ジスルフィド化合
物の高エネルギー密度という特徴をそこなわず、かつ室
温でも大電流充放電が可能な可逆性に優れた新規な複合
電極とその製造法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の複合電極の製造
方法は、少なくとも以下の工程を有する。(1)有機ジ
スルフィド化合物を2−ピロリドンもしくはその誘導体
に溶解して有機ジスルフィド化合物の溶液を調整する工
程、(2)前記溶液にポリアニリンを添加し、ポリアニ
リンを前記溶液に溶解して均一な液体を得る工程、
(3)前記で得られた均一な液体から2−ピロリドンも
しくはその誘導体の全部または一部を除去して有機ジス
ルフィド化合物とポリアニリンの均一に混合された固形
物を得る工程。
【0007】ここで、前記有機ジスルフィド化合物は、
少なくとも1つの硫黄−硫黄結合または少なくとも2つ
のチオレート基もしくはチオール基を有するもので、前
記硫黄−硫黄結合は電解還元によりチオレート基もしく
はチオール基を生成し、チオレート基もしくはチオール
基は電解酸化により元の硫黄−硫黄結合を再生する。な
お、チオレート基は、−SMe(Meは金属原子)で表
され、チオール基は−SHで表される。また、2−ピロ
リドンもしくはその誘導体は、化8で表される。
【0008】
【化8】
【0009】上記の製造方法において、(3)の工程に
先立って、前工程で得られた均一な液体を基板上に塗布
する工程を有してもよい。上記の製造方法は、さらにジ
スルフィド化合物とポリアニリンの均一に混合された固
形物を粉砕する工程、および粉砕された粉末を成形して
フィルム状もしくは板状の電極を得る工程を有してもよ
い。
【0010】本発明は、さらに、少なくとも以下の工程
を有する複合電極の製造方法を提供する。(1)有機ジ
スルフィド化合物を2−ピロリドンもしくはその誘導体
に溶解して有機ジスルフィド化合物の溶液を調整する工
程、(2)前記溶液にポリアニリンを添加し、ポリアニ
リンを前記溶液に溶解して均一な液体を得る工程、
(3)前記で得られた均一な液体に金属酸化物粉末を混
合して金属酸化物粉末が前記液体に分散された混合物を
得る工程、(4)前記で得られた混合物から2−ピロリ
ドンもしくはその誘導体の全部または一部を除去して有
機ジスルフィド化合物とポリアニリンおよび金属酸化物
粉末が均一に混合された固形物を得る工程。
【0011】上記の製造方法において、(4)の工程に
先立って、前工程で得られた均一な混合物を基板上に塗
布する工程を有してもよい。上記の製造方法は、さらに
ジスルフィド化合物とポリアニリンおよび金属酸化物の
均一に混合された固形物を粉砕する工程、および粉砕さ
れた粉末を成形してフィルム状もしくは板状の電極を得
る工程を有してもよい。
【0012】本発明はまた、有機ジスルフィド化合物を
2−ピロリドンもしくはその誘導体に溶解したジスルフ
ィド化合物の溶液をポリアニリン膜上に塗布もしくは流
延する工程、および前記溶液の塗布もしくは流延された
ポリアニリン膜を真空下または不活性雰囲気下で加熱す
る工程を含む複合電極の製造方法に関する。本発明は、
さらに前記のように、ジスルフィド化合物、2−ピロリ
ドンもしくはその誘導体およびポリアニリンよりなる均
一な液体、またはこの液体に金属酸化物粉末を分散した
混合物から得られるジスルフィド化合物とポリアニリン
との均一な混合物、またはジスルフィド化合物とポリア
ニリンおよび金属酸化物粉末の均一な混合物からなる複
合電極に関する。2−ピロリドンもしくはその誘導体
は、用いる電解質や相手極に悪影響を与えない限り、複
合電極中に含まれていてもさしつかえない。
【0013】
【作用】本発明は、ジスルフィド化合物とポリアニリン
とが2−ピロリドンもしくはその誘導体を媒体として均
一な混合物を与えることを利用して、ジスルフィド化合
物とポリアニリン、あるいはさらに金属酸化物粉末を組
合せた複合電極を提供するものである。有機ジスルフィ
ド化合物(以下、SS化合物と呼ぶ)と2−ピロリドン
もしくはその誘導体とポリアニリンとは、室温下でお互
いに相溶性があり、粘着性を有する均一な複合体を生成
する。そして、この複合体中において、SS化合物は、
電極反応物質として作用するとともにイオン伝導性を複
合体に付与する。また、ポリアニリンは、電極反応物質
ならびにSS化合物の電極反応触媒として作用するとと
もに、電子伝導性を複合体に付与する。従って、前記の
複合体を電極に用いると、1V以上であったSS化合物
の酸化反応と還元反応の電位差は、0.1Vあるいはそ
れ以下に小さくなる。このため、電極反応が促進される
とともに、複合電極内に良好なイオン伝導および電子伝
導のネットワークが形成され、室温においても大電流の
充放電が可能となる。なお、電極触媒を有機ジスルフィ
ド化合物電極に導入することは、前述の米国特許第48
33048号あるいはJ.Electrochem.S
oc.,Vol.136,p.2570〜2575(1
989)に述べられているが、電極触媒としては有機金
属化合物が開示されているのみである。その効果につい
ては具体的に示されていない。
【0014】2−ピロリドンもしくはその誘導体に対す
るポリアニリンの溶解性はせいぜい数重量%程度である
が、SS化合物が存在すると、2−ピロリドンもしくは
その誘導体に対し等モル量近く溶解する。SS化合物と
2−ピロリドンもしくはその誘導体とは、きわめて相溶
性がよく、等モル量であっても粘性のある均一な溶液を
与える。SS化合物の−SH基と、2−ピロリドンもし
くはその誘導体のカルボニル基=C=O基と、還元脱ド
ープ状態でフェニレンジアミン構造を構成する−NH基
を有するポリアニリンとが、水素結合等を介して相互に
会合し、均一な複合体になると考えられる。
【0015】さらに、本発明に従う複合電極の製造法に
おいては、あらかじめ製膜したポリアニリン膜上に、S
S化合物を2−ピロリドンもしくはその誘導体に溶解し
た溶液を塗布したのち、全体を真空中あるいは不活性ガ
ス雰囲気中で加熱することにより、膜の一方の面のポリ
アニリンの含有量を他方の面よりも高くした電極を製造
することができる。この様な複合電極を電池等の電気化
学素子に用いると、高い電子伝導性を有するポリアニリ
ン含有量の多い方の面を集電体に接するように、高いイ
オン伝導性を有するSS化合物含有量の多い面を電解質
に接するように配置することで、電極、電解質、集電体
間が電子的・イオン的に良好に接続され、出力電流の大
きい素子とすることができる。特に、金属リチウム、リ
チウム−アルミニウム、リチウム−マンガン等のリチウ
ム合金、あるいはリチウムイオンを可逆的に出し入れで
きる炭素材料、金属硫化物、金属酸化物、導電性高分子
を負極に用い、本発明に従う複合電極を正極に用いるこ
とで、電流出力の大きな高エネルギー密度のリチウム二
次電池とすることができる。
【0016】さらに、SS化合物とポリアニリンと金属
酸化物とを複合化した本発明の複合電極においては、複
合電極の充電(酸化)過程においては、SS化合物の硫
黄−金属イオン結合が解離してSS化合物アニオンが生
成し、このアニオンが電解質アニオンの代わりにポリア
ニリンの窒素原子位にドーピングし、電解質アニオンを
消費することなくポリアニリンはドーピングされる。さ
らに、SS化合物が硫黄−硫黄結合を介して重合し、ポ
リアニリン主鎖に対して側鎖を形成する。ポリアニリン
がドーピングされるにつれて複合電極内の電子導電経路
が編目状に発達し、金属酸化物の充電反応(酸化)が促
進される。金属酸化物の酸化は、金属カチオンの脱ドー
プにより進行し、脱ドープした金属カチオンは負極で金
属状に析出あるいはドープし、電解質を消費することは
ない。逆に、複合電極の放電(還元)過程においては、
先ず、負極の溶解あるいは脱ドープで生成した金属カチ
オンの金属酸化物へのドープが、先の充電過程で生成し
たポリアニリンとSS化合物で形成される編目状の電子
導電経路を保持した状態で進行し、次に重合したSS化
合物の解重合が起こり、最後にモノマーまで解重合した
SS化合物アニオンがポリアニリンより脱ドープする。
すなわち、放電過程においても電解質を消費することな
く、また編目状に発達した電子導電経路は金属酸化物の
放電を促進する。
【0017】従って、本発明の複合電極は、電解質を消
費するポリアニリン単独の電極あるいはポリアニリンと
金属酸化物よりなる電極と較べると、1.5倍から2倍
近くの高容量を得ることができる。また、ポリアニリン
とSS化合物により編目状の電子導電経路が形成される
ので、ポリアニリンと金属酸化物よりなる電極に較べ、
金属酸化物の酸化還元反応が促進され、分極値が小さ
く、大きな電流を流すことができる。
【0018】次に、本発明の複合電極を製造するにあた
って、媒質として特に2−ピロリドンもしくはその誘導
体を用い、ポリアニリンとして特に脱ドープ還元状態の
ポリアニリンを用いると、機械的な分散・混合のみで金
属酸化物が均一に分散した複合電極を得ることができ
る。すなわち、前述した通り、2−ピロリドンもしくは
その誘導体中では、脱ドープ還元状態のポリアニリンと
SS化合物とは溶解性に優れた複合体を形成し、均一な
溶液が得られる。この溶液は2−ピロリドンもしくはそ
の誘導体に任意の割合で希釈することができる。したが
って、機械的な分散・混合のみで金属酸化物粉末を均一
に分散したのち、必要ならば分散体を適当な形状に成形
したのち、2−ピロリドンもしくはその誘導体を全部あ
るいは一部除くことで均一組成の複合電極を得ることが
できる。なお、ポリアニリンと金属酸化物よりなる複合
電極の製造においては、従来は、アニリンモノマーを溶
解した液中に金属酸化物粉末を分散した状態でアニリン
を電解あるいは化学酸化により重合してポリアニリンと
金属酸化物との複合体を形成していた。また、ポリアニ
リンだけの場合は、2−ピロリドンもしくはその誘導体
1gに対しポリアニリンは最大0.1g程度しか溶解し
ないのに対し、ポリアニリンとSS化合物の存在下で
は、2−ピロリドンもしくはその誘導体1gに対し0.
5g以上のポリアニリンの溶解が可能である。
【0019】本発明のSS化合物としては、米国特許第
4,833,048号に述べられてる一般式(R(S)
ynで表される化合物を用いることができる。Rは脂肪
族基、芳香族基、Sは硫黄、yは1以上の整数、nは2
以上の整数である。HSCH2CH2SHで表されるジチ
オグリコール(以下、DTGと呼ぶ)、C22S(S
H)2で表される2,5−ジメルカプト−1,3,4−
チアジアゾール(以下、DMcTと呼ぶ)、C333
3で表されるs−トリアジン−2,4,6−トリチオ
ール(以下、TTAと呼ぶ)、C6643で表される
7−メチル−2,6,8−トリメルカプトプリン(以
下、MTMPと呼ぶ)、あるいはC4642で表され
る4,5−ジアミノ−2,6−ジメルカプトピリミジン
(以下、DDPyと呼ぶ)等が用いられる。何れも市販
品をそのまま用いることができる。
【0020】2−ピロリドンもしくはその誘導体として
は市販の試薬を用いることができる。アルキル基Rが水
素原子の2−ピロリドン、アルキル基Rがメチル基のN
−メチル−2−ピロリドン、アルキル基Rがエチル基の
N−エチル−2−ピロリドン、アルキル基Rがn−ブチ
ル基のN−n−ブチル−2−ピロリドンなど、直鎖ある
いは分岐鎖のアルキル基を有するものを用いることがで
きる。特に、分子量の小さい2−ピロリドン、N−メチ
ル−2−ピロリドン、およびN−エチル−2−ピロリド
ンが好ましい。
【0021】ポリアニリンとしては、アニリンを電解あ
るいは化学酸化することによりポリマー化したものが用
いられる。溶解性の点から、電気伝導度が常温で10-6
S/cm以下の脱ドープ状態の還元体のポリアニリンが
好ましい。このようなポリアニリンとしては、アニリー
ド(日東電工の登録商標、伝導度=10-9S/cm,密
度=1.3g/cc)がある。
【0022】SS化合物と2−ピロリドンもしくはその
誘導体とポリアニリンとの複合化は、SS化合物と2−
ピロリドンもしくはその誘導体とをまず混合して粘着性
の液体とし、この液体にポリアニリン粉末を加え溶解す
ることで行うことができる。特に、あらかじめ膜状に成
形したポリアニリン膜上に、SS化合物を2−ピロリド
ンもしくはその誘導体に溶解した溶液を塗布したのち、
真空下あるいは不活性ガス雰囲気中で全体を60から1
00℃に加熱することで、一方の面がポリアニリンに富
み他方の面がSS化合物に富んだ複合電極膜を得ること
ができる。膜状のポリアニリンとしては、電解重合法に
より基板上に膜状に析出させたもの、あるいは電解重合
法や化学重合法により合成したポリアニリンを2−ピロ
リドンもしくはその誘導体に溶解したのち、この溶液を
基板上に流延し、2−ピロリドンもしくはその誘導体を
除去することで得たものを用いることができる。SS化
合物と2−ピロリドンもしくはその誘導体とポリアニリ
ンとの割合は、SS化合物1モルに対し、2−ピロリド
ンもしくはその誘導体は0.5〜5モル、ポリアニリン
は0.05〜5モル程度が好ましい。
【0023】金属酸化物としては、遷移金属酸化物ある
いは複合酸化物であれば何れでも用いることができる
が、特にポリアニリンの電気化学当量150mAh/g
と同程度かあるいはこれを上回る化合物が好ましい。こ
のような遷移金属酸化物としては、LiCoO2(電気
化学当量=140〜160mAh/g),V613(電
気化学当量=160〜230mAh/g),LiMn2
4(電気化学当量=100〜120mAh/g),V2
5(電気化学当量=130〜150mAh/g),L
iNiO2(電気化学当量=140〜220mAh/
g)が好ましい。平均粒径が1〜10μm程度の粉末状
のものが用いられる。これらの遷移金属酸化物につい
て、遷移金属元素が複数のものであっても何等支障なく
用いることができる。例えば、LiCoO2について、
Co(コバルト)の一部をMn(マンガン)やNi(ニ
ッケル)、Fe(鉄)に置き換えた複合酸化物、あるい
は、V613のVの一部をW(タングステン)に置き換え
た複合酸化物も用いることができる。
【0024】ポリアニリンとSS化合物と金属酸化物と
の複合化は、先ず、SS化合物を2−ピロリドンもしく
はその誘導体に溶解して粘着性の液体とし、この液体に
ポリアニリン粉末を加えて溶解する。必要に応じ加熱し
て溶解する。必要に応じ、2−ピロリドンもしくはその
誘導体をさらに加え希釈する。次に、あらかじめ金属酸
化物粉末を2−ピロリドンもしくはその誘導体中に分散
して得たスラリーを希釈溶液に加え、ホモジナイザーに
より均一に分散する。得られた分散液を、ガラスシャー
レあるいはカーボンフィルム等の基体上に流延したの
ち、減圧加熱して2−ピロリドンもしくはその誘導体の
一部あるいは全部を除去し複合電極を得る。ポリアニリ
ンとSS化合物との割合は、ポリアニリン1モルに対
し、SS化合物0.1〜5モル程度が好ましい。ポリア
ニリンと金属酸化物との割合は、ポリアニリン1重量部
に対し金属酸化物0.5〜5重量部が好ましい。
【0025】SS化合物が還元されて塩を形成する際の
金属イオンには、前述の米国特許に述べられているアル
カリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンに加えて、プ
ロトンも用いることができる。特に、アルカリ金属イオ
ンとしてリチウムイオンを用いる場合は、リチウムイオ
ンを供給および捕捉する電極として金属リチウムあるい
はリチウム−アルミニウム等のリチウム合金、あるいは
リチウムイオンを可逆的に出し入れできる黒鉛等の炭素
材料、金属硫化物、金属酸化物、ポリアセン等の有機半
導体を用い、リチウムイオンを伝導する電解質を用いる
と、電圧が約3ボルトで100Wh/kgを越える高い
エネルギー密度を持ったリチウム二次電池が構成でき
る。また、プロトンを用い、プロトンを供給および捕捉
する電極として LaNi5 等の水素吸蔵合金またはそ
の水素化物を用い、プロトンを伝導する電解質を用いる
と、電圧が1から2Vの電池が構成できる。なお、本発
明の複合電極には、上記成分の他、必要により、カーボ
ン等の導電剤、合成ゴム、樹脂、セラミック粉末等の形
状付与剤・補強剤を加えることができる。さらに、複合
電極のイオン伝導性を向上する目的で固体電解質、ポリ
マー電解質、有機電解液等を混合してもよい。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 [実施例1]2,5−ジメルカプト−1,3,4−チア
ジゾール(以下DMcTで表す)モノマー粉末1.5g
(0.01モル)をN−メチル−2−ピロリドン(以下
NMPで表す)3g(0.03モル)に溶解し、粘性の
ある黄色透明のDMcT−NMP溶液を得た。この溶液
に、ポリアニリンとして日東電工製の「アニリード」粉
末0.5g(0.003モル)を添加し、不活性ガスで
置換した密閉容器中で80℃に加熱することで粘着性の
黒紫色不透明の複合体を得た。この複合体を、カーボン
ブラックとフッ素樹脂よりなる厚さ20μmの導電性カ
ーボンフィルム上に、厚さ120μmになるように印刷
したのち、直径12.5mmの円板状に打ち抜いて電極
Aを得た。
【0027】[実施例2]日東電工製のポリアニリン粉
末「アニリード」0.5gをNMP100mlに加え、
その上澄み20mlを直径90mmのガラスシャーレに
キャストし、これを60℃の真空加熱器に入れNMPを
除去することにより、厚さ20μmのポリアニリン膜
0.15g(0.001モル)を得た。次に、DMcT
モノマー粉末1.5gをNMP3gに溶解したDMcT
−NMP溶液(DMcT=0.0033モル、NMP=
0.01モル)を、ポリアニリン膜上にキャストしたの
ち、全体をアルゴンガス雰囲気中で80℃で真空加熱す
ることで厚さ125μmの複合体膜を得た。この複合体
を、実施例1と同様のカーボンフィルムとプレスローラ
にて一体化したのち、直径12.5mmの円板状に打ち
抜いて電極Bを得た。 [比較例1]また、比較例として、DMcTモノマー
0.55重量部、黒鉛粉末0.35重量部、および以下
に述べるゲル電解質2.0重量部よりなる厚さ130μ
m、直径12.5mmの電極Cを作製した。
【0028】電極性能評価 実施例1、2および比較例1で得た電極A、BおよびC
を正極として用い、厚み0.3mmの金属リチウムを負
極とし、ポリアクリロニトリル3.0gをLiBF4
1M溶解したプロピレンカーボネートとエチレンカーボ
ネートとの混合溶液(1:1容積比)20.7gでゲル
化したゲル電解質を厚み0.6mmのセパレータ層とし
て用い、それぞれ直径13mmの電池A、BおよびCを
構成した。これらの電池A、BおよびCを、室温におい
て、3.5Vの一定電圧で17時間充電後、1μA、1
0μA、100μA、500μA、1mAの電流で各々
30秒間放電し、その際の電池電圧を記録した。得られ
た電池の電流−電圧特性により電極特性を評価した。結
果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】以上の結果から明らかなように、本発明に
従う実施例1、2の電極A、Bを用いた電池は、比較例
の電極Cを用いた電池に較べ高い電池電圧を与える。例
えば、放電電流値500μAにおける電池電圧を較べる
と、2.0V程度高い電池電圧を与える。 すなわち、
本発明に従う電極を用いることにより、大電流での使用
が可能な電池を得ることができる。
【0031】[実施例3]DMcTモノマー粉末1.5
g(0.01モル)をNMP5gに溶解し、粘性のある
黄色透明のDMcT−NMP溶液を得た。この溶液に、
ポリアニリンとして脱ドープ還元状態の日東電工製の
「アニリード」粉末2.5g(0.015モル)を添加
し、不活性ガスで置換した密閉容器中で80℃に加熱す
ることで黒紫色液体を得た。一方、平均粒径が6μmの
613粉末2.5gをNMP10gに分散混合してス
ラリーを得た。このスラリーを前記黒紫色液体に加え、
ホモジナイザーで回転数5000rpmで約10分間混
合し分散液を得た。ロータリーエバポレータによりNM
Pの一部を除去し粘着性の分散液としたのち、カーボン
ブラックとフッ素樹脂よりなる厚さ20μmの導電性カ
ーボンフィルム上に厚さ120μmになるように印刷し
た。得られたフィルムを80℃で、20cmHgの真空
度で約30分間減圧加熱することでNMPを除去したの
ち、直径12.5mmの円板状に打ち抜いて複合電極D
を得た。
【0032】[実施例4]DMcTモノマー粉末1.5
g(0.01モル)をNMP5gに溶解し、粘性のある
黄色透明のDMcT−NMP溶液を得た。この溶液に、
ポリアニリンとして脱ドープ還元状態の日東電工製の
「アニリード」粉末2.5g(0.015モル)を添加
し、不活性ガスで置換した密閉容器中で80℃に加熱す
ることで黒紫色液体を得た。一方、平均粒径が12μm
のLiCoO2粉末2.5gをNMP10gに分散混合
してスラリーを得た。このスラリーを前記黒紫色液体に
加え、ホモジナイザーで回転数5000rpmで約10
分間混合し分散液を得た。ロータリーエバポレータによ
りNMPの一部を除去し粘着性の分散液としたのち、カ
ーボンブラックとフッ素樹脂よりなる厚さ20μmの導
電性カーボンフィルム上に厚さ120μmになるように
印刷した。得られたフィルムを80℃で、20cmHg
の真空度で約30分間減圧加熱することでNMPを除去
したのち、直径12.5mmの円板状に打ち抜いて複合
電極Eを得た。
【0033】[実施例5]4,5−ジアミノ−2,6−
ジメルカプトピリミジン(以下DDPyで表す)モノマ
ー粉末1.5g(0.0087モル)をNMP5gに溶
解し、粘性のある黄色透明のDDPy−NMP溶液を得
た。この溶液に、ポリアニリンとして脱ドープ還元状態
の日東電工製の「アニリード」粉末2.5g(0.01
5モル)を添加し、不活性ガスで置換した密閉容器中で
80℃に加熱することで黒紫色液体を得た。一方、平均
粒径が8μmのLiNiO2粉末2.5gをNMP10
gに分散混合してスラリーを得た。このスラリーを前記
黒紫色液体に加え、ホモジナイザーで回転数5000r
pmで約10分間混合し分散液を得た。ロータリーエバ
ポレータによりNMPの一部を除去し粘着性の分散液と
したのち、カーボンブラックとフッ素樹脂よりなる厚さ
20μmの導電性カーボンフィルム上に厚さ120μm
になるように印刷した。得られたフィルムを80℃で、
20cmHgの真空度で約30分間減圧加熱することで
NMPを除去したのち、直径12.5mmの円板状に打
ち抜いて複合電極Fを得た。
【0034】[実施例6]DDPyモノマー粉末1.5
g(0.0087モル)をNMP5gに溶解し、粘性の
ある黄色透明のDDPy−NMP溶液を得た。この溶液
に、ポリアニリンとして脱ドープ還元状態の日東電工製
の「アニリード」粉末2.5g(0.015モル)を添
加し、不活性ガスで置換した密閉容器中で80℃に加熱
することで黒紫色液体を得た。一方、平均粒径が5μm
のLiMn24粉末2.5gをNMP10gに分散混合
してスラリーを得た。このスラリーを前記黒紫色液体に
加え、ホモジナイザーで回転数5000rpmで約10
分間混合し分散液を得た。ロータリーエバポレータによ
りNMPの一部を除去し粘着性の分散液としたのち、カ
ーボンブラックとフッ素樹脂よりなる厚さ20μmの導
電性カーボンフィルム上に厚さ120μmになるように
印刷した。得られたフィルムを80℃で、20cmHg
の真空度で約30分間減圧加熱することでNMPを除去
したのち、直径12.5mmの円板状に打ち抜いて複合
電極Gを得た。
【0035】[実施例7]DMcTモノマー粉末1.5
g(0.01モル)をNMP5gに溶解し、粘性のある
黄色透明のDMcT−NMP溶液を得た。この溶液に、
ポリアニリンとして脱ドープ還元状態の日東電工製の
「アニリード」粉末2.5g(0.015モル)を添加
し、不活性ガスで置換した密閉容器中で80℃に加熱す
ることで黒紫色液体を得た。一方、平均粒径が15μm
のV25粉末2.5gをNMP10gに分散混合してス
ラリーを得た。このスラリーを前記黒紫色液体に加え、
ホモジナイザーで回転数5000rpmで約10分間混
合し分散液を得た。ロータリーエバポレータによりNM
Pの一部を除去し粘着性の分散液としたのち、ガラスシ
ャーレに流延し、さらに80℃で、1cmHgの真空度
で約5時間減圧加熱して黒色のフィルムを得た。このフ
ィルムを粉砕して複合電極用粉末を得た。
【0036】一方、ジエチレンカーボネートとエチレン
カーボネートとの混合溶媒(1:1容積比)にLiBF
4を1M溶解した電解液20.7gでポリアクリロニト
ル3.0gをゲル化してゲル電解質を調整した。上記の
複合電極用粉末5重量部とゲル電解質4重量部との混合
物をカーボンフィルム上に約120μmの厚さになるよ
うに印刷したのち、直径12.5mmの円板状に抜いて
複合電極Hを得た。
【0037】[実施例8]DDPyモノマー粉末1.5
g(0.0087モル)をNMP5gに溶解し、粘性の
ある黄色透明のDDPy−NMP溶液を得た。この溶液
に、ポリアニリンとして脱ドープ還元状態の日東電工製
の「アニリード」粉末2.5g(0.015モル)を添
加し、不活性ガスで置換した密閉容器中で80℃に加熱
することで黒紫色液体を得た。一方、平均粒径が6μm
のV613粉末2.5gをNMP10gに分散混合して
スラリーを得た。このスラリーを前記黒紫色液体に加
え、ホモジナイザーで回転数5000rpmで約10分
間混合し分散液を得た。ロータリーエバポレータにより
NMPの一部を除去し粘着性の分散液としたのち、ガラ
スシャーレに流延し、さらに80℃で、1cmHgの真
空度で約5時間減圧加熱して黒色のフィルムを得た。こ
のフィルムを粉砕して複合電極用粉末を得た。上記の複
合電極用粉末を用いて、実施例7と同様にして複合電極
Iを得た。
【0038】[比較例2]実施例3から8で用いたのと
同じポリアニリン粉末2.5gと平均粒径が15μmの
25粉末2.5gとを混合した粉末5重量部と、ゲル
電解質4重量部とを混合したのち、約120μmの厚さ
になるようにカーボンフィルム上に印刷し、これを円板
状に打ち抜いて複合電極Jを調製した。 [比較例3]前記と同様のポリアニリン粉末2.5gと
平均粒径が6μmのV613粉末2.5gを混合した粉
末5重量部と、ゲル電解質4重量部とを混合したのち、
約120μmの厚さになるようにカーボンフィルム上に
印刷し、これを円板状に打ち抜いて複合電極Kを調製し
た。 [比較例4]NMP5gにポリアニリンを0.2g溶解
した溶液をガラスシャーレ上に流延し、80℃で1cm
Hgの減圧乾燥によりNMPを除去する操作を8回繰り
返し、厚み120μmのポリアニリン膜よりなる電極L
を作製した。
【0039】電極性能評価 実施例3、4、5、6、7、8および比較例2、3、4
で得た複合電極D、E、F、G、H、IおよびJ、K、
Lを正極として用い、厚み0.3mmの金属リチウムを
負極とし、実施例7で用いたのと同様のゲル電解質を厚
み0.6mmのセパレータ層として用い、直径13mm
の電池D、E、F、G、H、IおよびJ、K、L構成し
た。上記の各電池を室温において、4.3Vの一定電圧
で17時間充電後、1μA、10μA、100μA、5
00μA、1mAの電流で各々30秒間放電し、その際
の電池電圧を記録した。得られた電流−電圧特性を表2
に示す。さらに、各電池を4.3Vの一定電圧で17時
間充電後、270μAの電流で連続放電して、電池電圧
が1.5Vになるまでの放電容量を測定した。得られた
放電容量を表3に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】以上の結果から明らかなように、本発明に
従う電池D、E、F、G、HおよびIは、比較例の電池
J、K、Lに較べ、高い電圧を与え、より大きな電流で
の動作が可能であるとともに、より大きな容量が得られ
る。
【0043】
【発明の効果】本発明に従い、有機ジスルフィド化合物
とポリアニリンと2−ピロリドンもしくはその誘導体と
を複合化した複合電極は、従来の有機ジスルフィド化合
物のみでは困難であった大電流で使用が可能となる。ま
た、本発明に従い、ポリアニリンと有機ジスルフィド化
合物と金属酸化物とを複合化した複合電極は、ポリアニ
リン単独に較べ1.5〜2倍の容量が得られるととも
に、従来のポリアニリンと金属酸化物のみでは困難であ
った大電流において電圧低下の小さい、すなわち低分極
での使用が可能となる。なお、実施例では、電極性能の
評価に金属リチウムを負極とする電池を用いて電極性能
の評価を行った結果を示したが、電池の他に、本発明の
電極を対極に用いることで発色・退色速度の速いエレク
トロクロミック素子、応答速度の早いグルコースセンサ
ー等の生物化学センサーを得ることができるし、また、
書き込み・読み出し速度の速い電気化学アナログメモリ
ーを構成することもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−308660(JP,A) 特開 平4−359865(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 4/02 - 4/04 H01M 4/60 H01M 10/40

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)有機ジスルフィド化合物を下記の
    化1で表される2−ピロリドンもしくはその誘導体に溶
    解して有機ジスルフィド化合物の溶液を調する工程、 【化1】 (2)前記溶液にポリアニリンを添加し、ポリアニリン
    を前記溶液に溶解して均一な液体を得る工程、および (3)前記で得られた均一な液体から2−ピロリドンも
    しくはその誘導体の全部または一部を除去して有機ジス
    ルフィド化合物とポリアニリンの均一に混合された固形
    物を得る工程を有する複合電極の製造方法。
  2. 【請求項2】 (1)有機ジスルフィド化合物を下記の
    化2で表される2−ピロリドンもしくはその誘導体に溶
    解して有機ジスルフィド化合物の溶液を調する工程、 【化2】 (2)前記溶液にポリアニリンを添加し、ポリアニリン
    を前記溶液に溶解して均一な液体を得る工程、および (3)前記で得られた均一な液体を基板上に塗布し、そ
    の塗布層から2−ピロリドンもしくはその誘導体の全部
    または一部を除去して有機ジスルフィド化合物とポリア
    ニリンの均一に混合された固形物フィルムを得る工程を
    有する複合電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 さらに、前記有機ジスルフィド化合物と
    ポリアニリンの均一に混合された固形物を粉砕する工
    程、およびその粉砕物を加圧成形してフィルム状ないし
    板状の複合電極を得る工程を有する請求項1記載の複合
    電極の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ポリアニリンが、脱ドープ還元状態
    のポリアニリンである請求項1〜3のいずれかに記載の
    複合電極の製造方法。
  5. 【請求項5】 (1)有機ジスルフィド化合物を下記の
    化3で表される2−ピロリドンもしくはその誘導体に溶
    解して有機ジスルフィド化合物の溶液を調する工程、 【化3】 (2)前記溶液をポリアニリン膜上に流延する工程、お
    よび (3)前記溶液を塗布したポリアニリン膜を真空下、あ
    るいは不活性ガス雰囲気下で加熱する工程を有する複合
    電極の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ポリアニリン膜が、ポリアニリンを
    2−ピロリドンもしくはその誘導体に溶解した溶液を基
    板上に塗布し、その塗布層から2−ピロリドンもしくは
    その誘導体を除去することにより得たポリアニリン膜で
    ある請求項5記載の複合電極の製造方法。
  7. 【請求項7】 (1)有機ジスルフィド化合物を下記の
    化4で表される2−ピロリドンもしくはその誘導体に溶
    解して有機ジスルフィド化合物の溶液を調する工程、 【化4】 (2)前記溶液にポリアニリンを添加し、ポリアニリン
    を前記溶液に溶解して均一な液体を得る工程、 (3)前記で得られた均一な液体に金属酸化物粉末を混
    合して金属酸化物粉末が前記液体に分散された混合物を
    得る工程、および (4)前記で得られた混合物から2−ピロリドンもしく
    はその誘導体の全部または一部を除去して有機ジスルフ
    ィド化合物とポリアニリンおよび金属酸化物粉末が均一
    に混合された固形物を得る工程を有する複合電極の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 (1)有機ジスルフィド化合物を下記の
    化5で表される2−ピロリドンもしくはその誘導体に溶
    解して有機ジスルフィド化合物の溶液を調する工程、 【化5】 (2)前記溶液にポリアニリンを添加し、ポリアニリン
    を溶液に溶解して均一な液体を得る工程、 (3)前記で得られた均一な液体に金属酸化物粉末を混
    合して金属酸化物粉末が前記液体に分散された混合物を
    得る工程、および (4)前記で得られた混合物を基板上に塗布し、その塗
    布層から2−ピロリドンもしくはその誘導体の全部また
    は一部を除去して有機ジスルフィド化合物とポリアニリ
    ンおよび金属酸化物粉末の均一に混合された固形物フィ
    ルムを得る工程を有する複合電極の製造方法。
  9. 【請求項9】 さらに、前記有機ジスルフィド化合物と
    ポリアニリンおよび金属酸化物粉末の均一に混合された
    固形物を粉砕する工程、およびその粉砕物を加圧成形し
    てフィルム状ないし板状の複合電極を得る工程を有する
    請求項7記載の複合電極の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記ポリアニリンが、脱ドープ還元状
    態のポリアニリンである請求項7〜9のいずれかに記載
    の複合電極の製造方法。
  11. 【請求項11】 有機ジスルフィド化合物と、以下の化
    6で表される2−ピロリドンもしくはその誘導体および
    ポリアニリンよりなることを特徴とする複合電極。 【化6】
  12. 【請求項12】 有機ジスルフィド化合物と、以下の化
    7で表される2−ピロリドンもしくはその誘導体、ポリ
    アニリンおよび金属酸化物粉末よりなることを特徴とす
    る複合電極。 【化7】
  13. 【請求項13】 請求項11または12記載の複合電極
    を正極として具備するリチウム二次電池。
JP6013409A 1993-02-12 1994-02-07 複合電極、その製造方法、およびリチウム二次電池 Expired - Fee Related JP2955177B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6013409A JP2955177B2 (ja) 1993-02-12 1994-02-07 複合電極、その製造方法、およびリチウム二次電池

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2421993 1993-02-12
JP5-303994 1993-12-03
JP5-24219 1993-12-03
JP30399493 1993-12-03
JP6013409A JP2955177B2 (ja) 1993-02-12 1994-02-07 複合電極、その製造方法、およびリチウム二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07211310A JPH07211310A (ja) 1995-08-11
JP2955177B2 true JP2955177B2 (ja) 1999-10-04

Family

ID=27280238

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6013409A Expired - Fee Related JP2955177B2 (ja) 1993-02-12 1994-02-07 複合電極、その製造方法、およびリチウム二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2955177B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69710787T2 (de) * 1996-05-22 2002-11-21 Moltech Corp Komposit-kathoden, elektrochemische zellen mit komposit-kathoden und verfahren zur herstellung
KR100399053B1 (ko) * 2000-12-14 2003-09-26 한국전자통신연구원 리튬 2차전지 양전극용 유기-무기 복합산화물 및 그제조방법
WO2013051302A1 (ja) * 2011-10-05 2013-04-11 国立大学法人東北大学 二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07211310A (ja) 1995-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5571292A (en) Method of producing a composite electrode
KR100896556B1 (ko) 리튬 2차 전지용 양극 재료
Yu et al. All solid-state rechargeable lithium cells based on nano-sulfur composite cathodes
US20070082267A1 (en) Cathodes for rechargeable lithium-ion batteries
JP3292441B2 (ja) 有機ジスルフィド化合物を含有する電極およびその製造方法
JP2005340165A (ja) リチウム二次電池用正極材料
JPWO2014013948A1 (ja) 二次電池
US6057056A (en) Composite electrode and secondary battery therefrom
JPH1027615A (ja) 有機ジスルフィド化合物を含有する複合電極とその製造法
JP2955177B2 (ja) 複合電極、その製造方法、およびリチウム二次電池
JPH02155173A (ja) 電気化学素子
JP3089707B2 (ja) 固形電極組成物
US6309778B1 (en) Electroactive high storage capacity polyacetylene-co-polysulfur materials and electrolytic cells containing same
JP2001072865A (ja) レドックス活性重合物およびそれを用いた電極
JPH08203530A (ja) 複合電極、その製造方法、およびリチウム二次電池
JP3239374B2 (ja) 電極組成物
JP3444463B2 (ja) 有機ジスルフィド化合物を含有する電極およびその製造方法
JP3237261B2 (ja) 可逆性複合電極およびそれを用いたリチウム二次電池
JPH09320572A (ja) 複合電極の製造方法およびその複合電極を用いたリチウム二次電池
JP3048798B2 (ja) 可逆性電極およびそれを構成要素とするリチウム二次電池
JP3047492B2 (ja) 固形電極組成物
Oyaizu et al. Mesoscale Radical Polymers: Bottom-Up Fabrication of Electrodes in Organic Polymer Batteries
JP3111506B2 (ja) 可逆性電極
JPH10241661A (ja) 有機ジスルフィド化合物を含有する電極とその製造法
JPH08329947A (ja) 複合電極およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees