JPH1027615A - 有機ジスルフィド化合物を含有する複合電極とその製造法 - Google Patents
有機ジスルフィド化合物を含有する複合電極とその製造法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 導電性高分子と有機ジスルフィド化合物を複
合化したポリマー複合電極の高電圧、高エネルギー密度
という特徴を損なうことなく、酸化還元の繰り返し寿命
の長いポリマー複合電極を提供する。 【解決手段】 有機ジスルフィド化合物、ポリアニリ
ン、あるいはさらに金属酸化物を含む電極に、ポリフッ
化ビニリデンを添加した複合電極。ポリフッ化ビニリデ
ンの添加により、良好な繰り返し酸化還元(充放電)特
性を与える。
合化したポリマー複合電極の高電圧、高エネルギー密度
という特徴を損なうことなく、酸化還元の繰り返し寿命
の長いポリマー複合電極を提供する。 【解決手段】 有機ジスルフィド化合物、ポリアニリ
ン、あるいはさらに金属酸化物を含む電極に、ポリフッ
化ビニリデンを添加した複合電極。ポリフッ化ビニリデ
ンの添加により、良好な繰り返し酸化還元(充放電)特
性を与える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池、エレクトロ
クロミック表示素子、センサー、メモリー等の電気化学
素子に用いられる複数の有機化合物、あるいは有機化合
物と無機化合物よりなる複合電極およびその製造法に関
するものである。
クロミック表示素子、センサー、メモリー等の電気化学
素子に用いられる複数の有機化合物、あるいは有機化合
物と無機化合物よりなる複合電極およびその製造法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】1971年に白川らにより導電性のポリ
アセチレンが発見されて以来、導電性高分子を電極材料
に用いると軽量で高エネルギー密度の電池や、大面積の
エレクトロクロミック素子、微小電極を用いた生物化学
センサー等の電気化学素子が期待できることから、導電
性高分子電極が盛んに検討されている。また、高エネル
ギー密度が期待できる有機材料として、米国特許第4,
833,048号に有機ジスルフィド系化合物が提案さ
れている。本発明者らは、英国発行の電気化学分野の専
門誌Electrochim.Acta.誌(37巻、
1852ページ、1992年)に、導電性高分子と有機
ジスルフィド化合物を複合化したポリマー複合電極を提
案している。このポリマー複合電極は、従来の導電性高
分子電極が持っている特徴である高電圧と、有機ジスル
フィド化合物が持っている特徴である高エネルギー密度
を兼ね備えている。このポリマー複合電極とリチウム負
極とを組み合わせると、電圧が3V以上で、かつエネル
ギー密度が150Wh/kg以上の、通常の二次電池に匹敵
あるいはそれ以上の性能を持ったリチウム二次電池が期
待できる。
アセチレンが発見されて以来、導電性高分子を電極材料
に用いると軽量で高エネルギー密度の電池や、大面積の
エレクトロクロミック素子、微小電極を用いた生物化学
センサー等の電気化学素子が期待できることから、導電
性高分子電極が盛んに検討されている。また、高エネル
ギー密度が期待できる有機材料として、米国特許第4,
833,048号に有機ジスルフィド系化合物が提案さ
れている。本発明者らは、英国発行の電気化学分野の専
門誌Electrochim.Acta.誌(37巻、
1852ページ、1992年)に、導電性高分子と有機
ジスルフィド化合物を複合化したポリマー複合電極を提
案している。このポリマー複合電極は、従来の導電性高
分子電極が持っている特徴である高電圧と、有機ジスル
フィド化合物が持っている特徴である高エネルギー密度
を兼ね備えている。このポリマー複合電極とリチウム負
極とを組み合わせると、電圧が3V以上で、かつエネル
ギー密度が150Wh/kg以上の、通常の二次電池に匹敵
あるいはそれ以上の性能を持ったリチウム二次電池が期
待できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなポリマー複合電極について、酸化還元(充放電)を
繰り返すと、電極容量が徐々に減少してくる問題があ
る。有機ジスルフィド化合物が酸化(充電)によりポリ
マー化した際に生成する電気絶縁性でかつイオン伝導性
に乏しいポリジスルフィド化合物は、電解質に対する溶
解性が乏しい。一方、このポリジスルフィド化合物が還
元(放電)によりモノマー化した際に生成する有機ジス
ルフィドモノマーは、電解質に対する溶解性が高い。従
って、酸化還元を繰り返すと、モノマー化したジスルフ
ィドが一部電解質に溶解し、溶解したモノマーは、電極
中にもともと位置していた導電性高分子が存在する場所
と異なる場所でポリマー化する。そして導電性高分子か
ら離れてポリマー化して析出した電気絶縁性のポリジス
ルフィド化合物は、ポリマー電極内の電子・イオン伝導
のネットワークから孤立し、電極反応に関与しなくな
る。このため、酸化還元を繰り返すと、電極容量が徐々
に低下する。本発明は、この様な問題を解決し、導電性
高分子と有機ジスルフィド化合物を複合化したポリマー
複合電極の高電圧、高エネルギー密度という特徴を損な
うことなく、繰り返しの酸化還元に際しても容量低下の
軽減されたポリマー複合電極を提供することを目的とす
る。
うなポリマー複合電極について、酸化還元(充放電)を
繰り返すと、電極容量が徐々に減少してくる問題があ
る。有機ジスルフィド化合物が酸化(充電)によりポリ
マー化した際に生成する電気絶縁性でかつイオン伝導性
に乏しいポリジスルフィド化合物は、電解質に対する溶
解性が乏しい。一方、このポリジスルフィド化合物が還
元(放電)によりモノマー化した際に生成する有機ジス
ルフィドモノマーは、電解質に対する溶解性が高い。従
って、酸化還元を繰り返すと、モノマー化したジスルフ
ィドが一部電解質に溶解し、溶解したモノマーは、電極
中にもともと位置していた導電性高分子が存在する場所
と異なる場所でポリマー化する。そして導電性高分子か
ら離れてポリマー化して析出した電気絶縁性のポリジス
ルフィド化合物は、ポリマー電極内の電子・イオン伝導
のネットワークから孤立し、電極反応に関与しなくな
る。このため、酸化還元を繰り返すと、電極容量が徐々
に低下する。本発明は、この様な問題を解決し、導電性
高分子と有機ジスルフィド化合物を複合化したポリマー
複合電極の高電圧、高エネルギー密度という特徴を損な
うことなく、繰り返しの酸化還元に際しても容量低下の
軽減されたポリマー複合電極を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の複合電極は、電
解還元により硫黄−硫黄結合が開裂して硫黄−金属イオ
ン(プロトンを含む)結合を生成し、電解酸化により硫
黄−金属イオン結合が元の硫黄−硫黄結合を再生する有
機ジスルフィド化合物(以下単に有機ジスルフィド化合
物という)、ポリアニリン、あるいはさらに金属酸化物
を含む電極に、ポリフッ化ビニリデンを添加したことを
特徴とする。このポリフッ化ビニリデンの添加により複
合体が酸化還元(充電放電)を受けるにあたって、有機
ジスルフィド化合物、ポリアニリン、あるいはこれらの
複合体の電解質中への溶解・散逸を軽減し、良好な繰り
返し酸化還元(充放電)特性を与えることができる。
解還元により硫黄−硫黄結合が開裂して硫黄−金属イオ
ン(プロトンを含む)結合を生成し、電解酸化により硫
黄−金属イオン結合が元の硫黄−硫黄結合を再生する有
機ジスルフィド化合物(以下単に有機ジスルフィド化合
物という)、ポリアニリン、あるいはさらに金属酸化物
を含む電極に、ポリフッ化ビニリデンを添加したことを
特徴とする。このポリフッ化ビニリデンの添加により複
合体が酸化還元(充電放電)を受けるにあたって、有機
ジスルフィド化合物、ポリアニリン、あるいはこれらの
複合体の電解質中への溶解・散逸を軽減し、良好な繰り
返し酸化還元(充放電)特性を与えることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の第一の複合電極は、有機
ジスルフィド化合物、ポリアニリン、およびポリフッ化
ビニリデンから構成される。また、本発明の第二の複合
電極は、有機ジスルフィド化合物、ポリアニリン、ポリ
フッ化ビニリデン、および金属酸化物から構成される。
ここにおいて、ポリフッ化ビニリデンは、複合電極に適
度の可撓性を与え、薄膜状の二次電池あるいはその他の
電気化学デバイスの構成を可能とする。ポリフッ化ビニ
リデンは、また、複合体が酸化還元(充電放電)を受け
るにあたって、有機ジスルフィド化合物、ポリアニリ
ン、あるいはこれらの複合体の電解質中への溶解・散逸
を軽減し、良好な繰り返し酸化還元(充放電)特性を与
える作用を有している。さらに、金属酸化物の酸化還元
反応に伴う体積変化による複合電極の緩みを軽減し、酸
化還元反応を繰り返し行っても特性劣化が著しく軽減す
る作用を有している。
ジスルフィド化合物、ポリアニリン、およびポリフッ化
ビニリデンから構成される。また、本発明の第二の複合
電極は、有機ジスルフィド化合物、ポリアニリン、ポリ
フッ化ビニリデン、および金属酸化物から構成される。
ここにおいて、ポリフッ化ビニリデンは、複合電極に適
度の可撓性を与え、薄膜状の二次電池あるいはその他の
電気化学デバイスの構成を可能とする。ポリフッ化ビニ
リデンは、また、複合体が酸化還元(充電放電)を受け
るにあたって、有機ジスルフィド化合物、ポリアニリ
ン、あるいはこれらの複合体の電解質中への溶解・散逸
を軽減し、良好な繰り返し酸化還元(充放電)特性を与
える作用を有している。さらに、金属酸化物の酸化還元
反応に伴う体積変化による複合電極の緩みを軽減し、酸
化還元反応を繰り返し行っても特性劣化が著しく軽減す
る作用を有している。
【0006】特に、ポリフッ化ビニリデンの一種である
二フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンの共重合体で
あるポリフッ化ビニリデンは、エチレンカ−ボネート、
プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメ
チルカーボネートなどの非プロトン性の有機溶媒にLi
BF4、LiClO4、LiPF6などのリチウム塩を溶
解した有機電解液を吸蔵する作用が強い。よって、ポリ
フッ化ビニリデンを含む複合電極を電池等の電気化学素
子に用いると、電解質層に含まれている有機電解液を吸
蔵することができるため、複合電極内にイオン伝導経路
が発達し、大電流での酸化還元反応が可能となるという
利点を有している。
二フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンの共重合体で
あるポリフッ化ビニリデンは、エチレンカ−ボネート、
プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメ
チルカーボネートなどの非プロトン性の有機溶媒にLi
BF4、LiClO4、LiPF6などのリチウム塩を溶
解した有機電解液を吸蔵する作用が強い。よって、ポリ
フッ化ビニリデンを含む複合電極を電池等の電気化学素
子に用いると、電解質層に含まれている有機電解液を吸
蔵することができるため、複合電極内にイオン伝導経路
が発達し、大電流での酸化還元反応が可能となるという
利点を有している。
【0007】また、本発明の複合電極の製造法では、ポ
リアニリン、有機ジスルフィド化合物、ポリフッ化ビニ
リデンの何れに対しても良溶媒であるN−R−2−ピロ
リドン(Rは水素原子またはCH3、C2H5、n−C4H
9等のアルキル基)を用いているので、分子レベルで均
一に混合することが可能である。従って、本発明の製造
法では、均一な組成の薄膜状あるいは大面積の形状を有
する複合電極を容易に得ることができる利点を有してい
る。N−R−2−ピロリドンとしては市販の試薬を用い
ることができる。
リアニリン、有機ジスルフィド化合物、ポリフッ化ビニ
リデンの何れに対しても良溶媒であるN−R−2−ピロ
リドン(Rは水素原子またはCH3、C2H5、n−C4H
9等のアルキル基)を用いているので、分子レベルで均
一に混合することが可能である。従って、本発明の製造
法では、均一な組成の薄膜状あるいは大面積の形状を有
する複合電極を容易に得ることができる利点を有してい
る。N−R−2−ピロリドンとしては市販の試薬を用い
ることができる。
【0008】本発明の第一の複合電極の製造法は、有機
ジスルフィド化合物とポリフッ化ビニリデンをN−R−
2−ピロリドン中に溶解して粘性体とする工程、得られ
た粘性体にポリアニリン粉末を加え溶解して溶液Aを得
る工程、および前記溶液Aを銀メッキをした銅箔などの
導電性基板上に塗布した後、真空中あるいは不活性ガス
雰囲気中で加熱することによりN−R−2−ピロリドン
の一部あるいは全部を除去する工程を有する。ポリアニ
リンは溶媒中に有機ジスルフィド化合物が溶解していな
いと溶解しにくいので、製造の工程としては、有機ジス
ルフィド化合物をN−R−2−ピロリドンに溶解させて
からポリアニリンを混合した方がよい。
ジスルフィド化合物とポリフッ化ビニリデンをN−R−
2−ピロリドン中に溶解して粘性体とする工程、得られ
た粘性体にポリアニリン粉末を加え溶解して溶液Aを得
る工程、および前記溶液Aを銀メッキをした銅箔などの
導電性基板上に塗布した後、真空中あるいは不活性ガス
雰囲気中で加熱することによりN−R−2−ピロリドン
の一部あるいは全部を除去する工程を有する。ポリアニ
リンは溶媒中に有機ジスルフィド化合物が溶解していな
いと溶解しにくいので、製造の工程としては、有機ジス
ルフィド化合物をN−R−2−ピロリドンに溶解させて
からポリアニリンを混合した方がよい。
【0009】さらに他の製造法において、予め膜状に成
形したポリアニリン上に、有機ジスルフィド化合物とポ
リフッ化ビニリデンをN−R−2−ピロリドンに溶解し
た粘性体を塗布したのち、真空中あるいは不活性ガス雰
囲気中で全体を60〜100℃に加熱することで、一方
の面がポリアニリンに富み、他方の面が有機ジスルフィ
ド化合物に富んだ複合膜としてもよい。この膜状のポリ
アニリンとしては、電解重合法により基板上に膜状に析
出させたもの、または電解重合法あるいは化学重合法に
より合成したポリアニリンをN−R−2−ピロリドンに
溶解したのち、この溶液を基板上に塗布し、真空中ある
いは不活性ガス雰囲気中で加熱することによりN−R−
2−ピロリドンを一部あるいは全部を除去することで得
ることができる。
形したポリアニリン上に、有機ジスルフィド化合物とポ
リフッ化ビニリデンをN−R−2−ピロリドンに溶解し
た粘性体を塗布したのち、真空中あるいは不活性ガス雰
囲気中で全体を60〜100℃に加熱することで、一方
の面がポリアニリンに富み、他方の面が有機ジスルフィ
ド化合物に富んだ複合膜としてもよい。この膜状のポリ
アニリンとしては、電解重合法により基板上に膜状に析
出させたもの、または電解重合法あるいは化学重合法に
より合成したポリアニリンをN−R−2−ピロリドンに
溶解したのち、この溶液を基板上に塗布し、真空中ある
いは不活性ガス雰囲気中で加熱することによりN−R−
2−ピロリドンを一部あるいは全部を除去することで得
ることができる。
【0010】また、本発明の第二の複合電極の製造法
は、先ず、有機ジスルフィド化合物をN−R−2−ピロ
リドンに溶解する工程、得られた溶液にポリアニリン粉
末を溶解し、さらには必要に応じて加熱して溶解した
り、N−R−2−ピロリドンで希釈したりして、粘着性
の液体Bを得る。これは、上記したようにポリアニリン
は、溶媒中に有機ジスルフィド化合物が溶解していない
と溶解しにくいからである。この粘着性の液体Bに直接
ポリフッ化ビニリデンを溶解したり、金属酸化物を混合
したりすることは難しいので、まず、ポリフッ化ビニリ
デンを溶解したN−R−2−ピロリドン中に、金属酸化
物粉末を分散して分散混合物Cを得る。そして、前記の
粘着性の液体Bに分散混合物Cを混合し、ホモジナイザ
ーにより均一に分散混合し、分散混合物Dを得る。次い
で得られた分散混合液Dを、銀メッキした銅箔などの導
電性基板上に塗布したのち、真空中あるいは不活性ガス
雰囲気中で加熱してN−R−2−ピロリドンの一部ある
いは全部を除去する。
は、先ず、有機ジスルフィド化合物をN−R−2−ピロ
リドンに溶解する工程、得られた溶液にポリアニリン粉
末を溶解し、さらには必要に応じて加熱して溶解した
り、N−R−2−ピロリドンで希釈したりして、粘着性
の液体Bを得る。これは、上記したようにポリアニリン
は、溶媒中に有機ジスルフィド化合物が溶解していない
と溶解しにくいからである。この粘着性の液体Bに直接
ポリフッ化ビニリデンを溶解したり、金属酸化物を混合
したりすることは難しいので、まず、ポリフッ化ビニリ
デンを溶解したN−R−2−ピロリドン中に、金属酸化
物粉末を分散して分散混合物Cを得る。そして、前記の
粘着性の液体Bに分散混合物Cを混合し、ホモジナイザ
ーにより均一に分散混合し、分散混合物Dを得る。次い
で得られた分散混合液Dを、銀メッキした銅箔などの導
電性基板上に塗布したのち、真空中あるいは不活性ガス
雰囲気中で加熱してN−R−2−ピロリドンの一部ある
いは全部を除去する。
【0011】本発明に用いるポリフッ化ビニリデンとし
ては、二フッ化ビニリデン単独で重合したホモポリマ
ー、二フッ化ビニリデンと四フッ化エチレンや六フッ化
プロピレン等のフッ化ビニルモノマーとのコポリマー
(共重合体)を用いることができる。平均分子量が10
0000〜500000のものが好ましい。このような
ポリフッ化ビニリデンとしては、呉羽化学(株)製の
「クレハKFポリマー」がある。ホモポリマーとして
「KF#1100」が、二フッ化ビニリデンと六フッ化
プロピレンのコポリマーとして「KF#2300」を用
いることができる。
ては、二フッ化ビニリデン単独で重合したホモポリマ
ー、二フッ化ビニリデンと四フッ化エチレンや六フッ化
プロピレン等のフッ化ビニルモノマーとのコポリマー
(共重合体)を用いることができる。平均分子量が10
0000〜500000のものが好ましい。このような
ポリフッ化ビニリデンとしては、呉羽化学(株)製の
「クレハKFポリマー」がある。ホモポリマーとして
「KF#1100」が、二フッ化ビニリデンと六フッ化
プロピレンのコポリマーとして「KF#2300」を用
いることができる。
【0012】有機ジスルフィド化合物としては、米国特
許第4,833,048号に述べられている一般式(R
(S)y)nで表される化合物を用いることができる。R
は脂肪族基または芳香族基、Sは硫黄であり、yは1以
上の整数、nは2以上の整数である。HSCH2CH2S
Hで表されるジチオグリコール、C2N2S(SH)2で
表される2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジア
ゾール、 C3H3N3S3で表されるs−トリアジン−
2,4,6−トリチオール、C6H6N4S3で表される7
−メチル−2,6,8−トリメルカプトプリン、C4H6
N4S2で表される4,5−ジアミノ−2,6−ジメルカ
プトピリミジン等が用いられる。何れも市販品をそのま
ま用いることができる。
許第4,833,048号に述べられている一般式(R
(S)y)nで表される化合物を用いることができる。R
は脂肪族基または芳香族基、Sは硫黄であり、yは1以
上の整数、nは2以上の整数である。HSCH2CH2S
Hで表されるジチオグリコール、C2N2S(SH)2で
表される2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジア
ゾール、 C3H3N3S3で表されるs−トリアジン−
2,4,6−トリチオール、C6H6N4S3で表される7
−メチル−2,6,8−トリメルカプトプリン、C4H6
N4S2で表される4,5−ジアミノ−2,6−ジメルカ
プトピリミジン等が用いられる。何れも市販品をそのま
ま用いることができる。
【0013】ポリアニリンとしては、アニリンを電解あ
るいは化学酸化することによりポリマー化したものが用
いられる。溶解性の点から、脱ドープ状態の還元体のポ
リアニリンが好ましい。このようなポリアニリンとして
は、日東電工(株)製の「アニリード」がある。ポリアニ
リンの還元度(RDI)は、ポリアニリンをN−メチル
−2−ピロリドンに微量溶解した溶液の電子吸収スペク
トルで示される。つまり、340nm付近の短波長側に
現れるパラ置換ベンゼン構造に起因する吸収ピークの強
度(I340)と、640nm付近の長波長側に現れるキ
ノンジイミン構造に起因する吸収ピークの強度
(I640)との比RDI=I640/I340で表される。R
DIが0.5以下のポリアニリンが好適に用いられる。
また、ポリアニリンの脱ドープの程度は、伝導度により
表され、伝導度が10ー5S/cm以下のポリアニリンが好適
に用いられる。
るいは化学酸化することによりポリマー化したものが用
いられる。溶解性の点から、脱ドープ状態の還元体のポ
リアニリンが好ましい。このようなポリアニリンとして
は、日東電工(株)製の「アニリード」がある。ポリアニ
リンの還元度(RDI)は、ポリアニリンをN−メチル
−2−ピロリドンに微量溶解した溶液の電子吸収スペク
トルで示される。つまり、340nm付近の短波長側に
現れるパラ置換ベンゼン構造に起因する吸収ピークの強
度(I340)と、640nm付近の長波長側に現れるキ
ノンジイミン構造に起因する吸収ピークの強度
(I640)との比RDI=I640/I340で表される。R
DIが0.5以下のポリアニリンが好適に用いられる。
また、ポリアニリンの脱ドープの程度は、伝導度により
表され、伝導度が10ー5S/cm以下のポリアニリンが好適
に用いられる。
【0014】金属酸化物としては、遷移金属酸化物ある
いは複合酸化物であれば何れでも用いることができる
が、特にポリアニリンの電気化学当量150mA/gと同程
度かあるいは上回る化合物が好ましい。このような遷移
金属酸化物としては、電気化学当量が140〜160mA
h/gのLiCoO2、 同じく160〜230mAh/gのV6
O13、100〜120mAh/gのLiMn2O4、130〜
150mAh/gのV2O5、140〜220mAh/gのLiNi
O2が好ましい。また、平均粒径は1〜10μm程度の
粉末状のものが用いられる。これらの遷移金属酸化物に
ついて、遷移金属元素が複数のものであっても何等支障
なく用いることができる。例えば、LiCoO2につい
て、Coの一部をMnやNiまたはFeに置き換えた複
合酸化物、あるいは、V6O13のVの一部をW(タングス
テン)に置き換えた複合酸化物も用いることができる。
いは複合酸化物であれば何れでも用いることができる
が、特にポリアニリンの電気化学当量150mA/gと同程
度かあるいは上回る化合物が好ましい。このような遷移
金属酸化物としては、電気化学当量が140〜160mA
h/gのLiCoO2、 同じく160〜230mAh/gのV6
O13、100〜120mAh/gのLiMn2O4、130〜
150mAh/gのV2O5、140〜220mAh/gのLiNi
O2が好ましい。また、平均粒径は1〜10μm程度の
粉末状のものが用いられる。これらの遷移金属酸化物に
ついて、遷移金属元素が複数のものであっても何等支障
なく用いることができる。例えば、LiCoO2につい
て、Coの一部をMnやNiまたはFeに置き換えた複
合酸化物、あるいは、V6O13のVの一部をW(タングス
テン)に置き換えた複合酸化物も用いることができる。
【0015】ポリフッ化ビニリデンは、有機ジスルフィ
ド化合物とN−R−2−ピロリドンとポリアニリンの合
計量あるいは、有機ジスルフィド化合物とN−R−2−
ピロリドンとポリアニリンと金属酸化物の合計量に対
し、0.1〜10重量%であることが好ましい。有機ジ
スルフィド化合物とN−R−2−ピロリドンとポリアニ
リンの割合は、有機ジスルフィド化合物1モルに対し、
N−R−2−ピロリドンが0.5〜5モル、ポリアニリ
ンが0.05〜5モルが好ましい。金属酸化物は、ポリ
アニリン1重量部に対し、0.5〜5重量部が好まし
い。
ド化合物とN−R−2−ピロリドンとポリアニリンの合
計量あるいは、有機ジスルフィド化合物とN−R−2−
ピロリドンとポリアニリンと金属酸化物の合計量に対
し、0.1〜10重量%であることが好ましい。有機ジ
スルフィド化合物とN−R−2−ピロリドンとポリアニ
リンの割合は、有機ジスルフィド化合物1モルに対し、
N−R−2−ピロリドンが0.5〜5モル、ポリアニリ
ンが0.05〜5モルが好ましい。金属酸化物は、ポリ
アニリン1重量部に対し、0.5〜5重量部が好まし
い。
【0016】有機ジスルフィド化合物が還元して塩を形
成する際の金属イオンには、前述の米国特許に述べられ
ているアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンに
加えて、プロトンも用いることができる。特に、アルカ
リ金属イオンとしてリチウムイオンを用いる場合は、リ
チウムイオンを供給および捕捉する電極として金属リチ
ウムあるいはリチウム−アルミニウム等のリチウム合金
を用い、リチウムイオンを伝導する電解質を用いると、
電圧が約3ボルトで200Wh/kgを越える高いエネ
ルギー密度を持ったリチウム二次電池が構成できる。ま
た、プロトンを供給および捕捉する電極として LaN
i5 等の金属水素化物を用いる場合、プロトンを伝導す
る電解質を用いると電圧が1〜2Vの電池が構成でき
る。なお、本発明の複合電極には、上記成分の他、必要
により、カーボン等の導電剤、合成ゴム、樹脂、セラミ
ック粉末等の形状付与剤・補強剤を加えることができ
る。
成する際の金属イオンには、前述の米国特許に述べられ
ているアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンに
加えて、プロトンも用いることができる。特に、アルカ
リ金属イオンとしてリチウムイオンを用いる場合は、リ
チウムイオンを供給および捕捉する電極として金属リチ
ウムあるいはリチウム−アルミニウム等のリチウム合金
を用い、リチウムイオンを伝導する電解質を用いると、
電圧が約3ボルトで200Wh/kgを越える高いエネ
ルギー密度を持ったリチウム二次電池が構成できる。ま
た、プロトンを供給および捕捉する電極として LaN
i5 等の金属水素化物を用いる場合、プロトンを伝導す
る電解質を用いると電圧が1〜2Vの電池が構成でき
る。なお、本発明の複合電極には、上記成分の他、必要
により、カーボン等の導電剤、合成ゴム、樹脂、セラミ
ック粉末等の形状付与剤・補強剤を加えることができ
る。
【0017】このように本発明に従う複合電極を正極に
用い、金属リチウム、リチウム−アルミニウム、リチウ
ム−マンガン等のリチウム合金、あるいはリチウムイオ
ンを可逆的に出し入れできる炭素材料、金属硫化物、金
属酸化物、または導電性高分子を負極に用いることによ
り、高エネルギー密度でしかも繰り返し充放電サイクル
特性の優れたリチウム二次電池とすることができる。さ
らに、ポリフッ化ビニリデンとして二フッ化ビニリデン
と六フッ化プロピレンの共重合体を用いることにより、
大電流での充放電が可能なリチウム二次電池を得ること
ができる。
用い、金属リチウム、リチウム−アルミニウム、リチウ
ム−マンガン等のリチウム合金、あるいはリチウムイオ
ンを可逆的に出し入れできる炭素材料、金属硫化物、金
属酸化物、または導電性高分子を負極に用いることによ
り、高エネルギー密度でしかも繰り返し充放電サイクル
特性の優れたリチウム二次電池とすることができる。さ
らに、ポリフッ化ビニリデンとして二フッ化ビニリデン
と六フッ化プロピレンの共重合体を用いることにより、
大電流での充放電が可能なリチウム二次電池を得ること
ができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 《実施例1》二フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン
コポリマー(呉羽化学(株)製のKFポリマ−であるK
F#2300、融点151℃)を2重量%溶解したN−
メチル−2−ピロリドン(以下NMPで表す)溶液6g
に、有機ジスルフィド化合物として2,5−ジメチルカ
プト−1,3,4−チアジアゾール(以下DMcTで表
す)モノマー粉末1.5g(0.01モル)を溶解し、
粘性のある黄色透明のNMP−KFポリマー−DMcT
溶液を得た。この溶液に、ポリアニリンとして日東電工
(株)製の脱ドープ還元状態の「アニリード」粉末1.
0g(0.0067モル)を添加し、粘着性の暗緑色の
粘性体を得た。この粘性体を、銀メッキ層の厚さが1μ
mである全体の厚みが17μmの銀メッキ銅箔上に90
μmの厚さに塗布したのち、1mmHgの減圧下で80
℃の加熱処理をした。この減圧加熱によりNMPの82
重量%が散逸した。得られた膜中のKFポリマーの含有
量は、DMcTとポリアニリンとNMPの合計量に対し
3.3重量%であった。得られた厚さ15μmの複合体
膜を銅箔と一緒に2×2cm角に切断して複合電極Aを
得た。複合電極Aの複合電極膜の重量は9.0mgであ
った。
コポリマー(呉羽化学(株)製のKFポリマ−であるK
F#2300、融点151℃)を2重量%溶解したN−
メチル−2−ピロリドン(以下NMPで表す)溶液6g
に、有機ジスルフィド化合物として2,5−ジメチルカ
プト−1,3,4−チアジアゾール(以下DMcTで表
す)モノマー粉末1.5g(0.01モル)を溶解し、
粘性のある黄色透明のNMP−KFポリマー−DMcT
溶液を得た。この溶液に、ポリアニリンとして日東電工
(株)製の脱ドープ還元状態の「アニリード」粉末1.
0g(0.0067モル)を添加し、粘着性の暗緑色の
粘性体を得た。この粘性体を、銀メッキ層の厚さが1μ
mである全体の厚みが17μmの銀メッキ銅箔上に90
μmの厚さに塗布したのち、1mmHgの減圧下で80
℃の加熱処理をした。この減圧加熱によりNMPの82
重量%が散逸した。得られた膜中のKFポリマーの含有
量は、DMcTとポリアニリンとNMPの合計量に対し
3.3重量%であった。得られた厚さ15μmの複合体
膜を銅箔と一緒に2×2cm角に切断して複合電極Aを
得た。複合電極Aの複合電極膜の重量は9.0mgであ
った。
【0019】《実施例2》実施例1におけるKF#23
00に換えて、二フッ化ビニリデンホモポリマー(呉羽
化学(株)製のKFポリマーであるKF#1100、融
点177℃)を用いて複合電極Bを得た。複合電極Bの
複合電極膜の厚みは15μm、重量は8.9mgであっ
た。
00に換えて、二フッ化ビニリデンホモポリマー(呉羽
化学(株)製のKFポリマーであるKF#1100、融
点177℃)を用いて複合電極Bを得た。複合電極Bの
複合電極膜の厚みは15μm、重量は8.9mgであっ
た。
【0020】《比較例1》NMP5gに、DMcTモノ
マー粉末1.5gを溶解し、粘性のある黄色透明のNM
P−DMcT溶液を得た。この溶液に、実施例1で用い
たポリアニリンを1.0g添加し、不活性ガスで置換し
た密閉容器中で80℃に加熱することで粘着性の黒緑色
の粘性体を得た。この粘性体を、銀メッキ層の厚さが1
μmである全体の厚みが17μmの銀メッキ銅箔上に9
0μmの厚さに塗布したのち、1mmHgの減圧下で8
0℃の加熱処理をした。この減圧加熱によりNMPの6
8重量%が散逸した。得られた厚さ15μmの複合体膜
を銅箔と一緒に2×2cmに切断して複合電極Cを得
た。複合電極Cの複合電極膜の重量は8.6mgであっ
た。
マー粉末1.5gを溶解し、粘性のある黄色透明のNM
P−DMcT溶液を得た。この溶液に、実施例1で用い
たポリアニリンを1.0g添加し、不活性ガスで置換し
た密閉容器中で80℃に加熱することで粘着性の黒緑色
の粘性体を得た。この粘性体を、銀メッキ層の厚さが1
μmである全体の厚みが17μmの銀メッキ銅箔上に9
0μmの厚さに塗布したのち、1mmHgの減圧下で8
0℃の加熱処理をした。この減圧加熱によりNMPの6
8重量%が散逸した。得られた厚さ15μmの複合体膜
を銅箔と一緒に2×2cmに切断して複合電極Cを得
た。複合電極Cの複合電極膜の重量は8.6mgであっ
た。
【0021】《実施例3》NMP5gに、DMcTモノ
マー粉末1.5g(0.01モル)を溶解し粘性のある
黄色透明のNMP−DMcT溶液を得た。この溶液に、
実施例1で用いたポリアニリン2.0g(0.013モ
ル)を添加し、不活性ガスで置換した密閉容器中で80
℃に加熱することで黒紫色液体を得た。次に、実施例1
で用いたKF#2300を2重量%溶解したNMP溶液
10gに、バナジウムブトキシドを加水分解し加熱する
ことで得た平均粒径が3μmのV6O13粉末2.5gを
分散混合してスラリーを得た。このスラリーを前記の黒
紫色液体に加えた後、ホモジナイザーを用いて、回転数
5000rpmで約10分間攪拌混合し、粘性のある分散
液を得た。この分散液を、厚さ5μmのチタン箔に20
0μmの厚みに塗布した後、1mmHgの減圧下で、8
0℃で、約120分間加熱して、厚さ25μmの複合電
極膜を得た。減圧加熱によりNMPの86重量%が散逸
した。得られた膜中のKFポリマーの含有量は、DMc
TとポリアニリンとV6O13とNMPの合計量に対し
2.4重量%であった。得られた複合電極膜をチタン箔
と一緒に2×2cm角に切断して複合電極Dを得た。複
合電極Dの複合電極膜の重量は25mgであった。
マー粉末1.5g(0.01モル)を溶解し粘性のある
黄色透明のNMP−DMcT溶液を得た。この溶液に、
実施例1で用いたポリアニリン2.0g(0.013モ
ル)を添加し、不活性ガスで置換した密閉容器中で80
℃に加熱することで黒紫色液体を得た。次に、実施例1
で用いたKF#2300を2重量%溶解したNMP溶液
10gに、バナジウムブトキシドを加水分解し加熱する
ことで得た平均粒径が3μmのV6O13粉末2.5gを
分散混合してスラリーを得た。このスラリーを前記の黒
紫色液体に加えた後、ホモジナイザーを用いて、回転数
5000rpmで約10分間攪拌混合し、粘性のある分散
液を得た。この分散液を、厚さ5μmのチタン箔に20
0μmの厚みに塗布した後、1mmHgの減圧下で、8
0℃で、約120分間加熱して、厚さ25μmの複合電
極膜を得た。減圧加熱によりNMPの86重量%が散逸
した。得られた膜中のKFポリマーの含有量は、DMc
TとポリアニリンとV6O13とNMPの合計量に対し
2.4重量%であった。得られた複合電極膜をチタン箔
と一緒に2×2cm角に切断して複合電極Dを得た。複
合電極Dの複合電極膜の重量は25mgであった。
【0022】《実施例4》実施例3におけるKF#23
00に換えて、実施例2に用いたKF#1100を用い
て複合電極Eを得た。複合電極Eの複合電極膜の厚みは
25μm、重量は25mgであった。
00に換えて、実施例2に用いたKF#1100を用い
て複合電極Eを得た。複合電極Eの複合電極膜の厚みは
25μm、重量は25mgであった。
【0023】《比較例2》NMP5gに、DMcTモノ
マー粉末1.5gを溶解し、粘性のある黄色透明のNM
P−DMcT溶液を得た。この溶液に、実施例1で用い
たポリアニリンを2.0g添加し、不活性ガスで置換し
た密閉容器中で80℃に加熱することで、粘着性の黒紫
色の粘性体を得た。次に、NMP10gに、実施例3と
同じV6O13粉末2.5gを分散混合してスラリーを得
た。このスラリーを前記の黒紫色液体に加えた後、ホモ
ジナイザーを用いて、回転数5000rpmで約10分間
攪拌混合し、粘性のある分散液を得た。この分散液を、
厚さ5μmのチタン箔に250μmの厚みに塗布した
後、1mmHgの減圧下で、80℃で約120分間加熱
して、厚さ22μmの複合電極膜を得た。減圧加熱によ
りNMPの72重量%が散逸した。得られた複合電極膜
をチタン箔と一緒に2×2cm角に切断して複合電極F
を得た。複合電極Fの複合電極膜の重量は19mgであ
った。
マー粉末1.5gを溶解し、粘性のある黄色透明のNM
P−DMcT溶液を得た。この溶液に、実施例1で用い
たポリアニリンを2.0g添加し、不活性ガスで置換し
た密閉容器中で80℃に加熱することで、粘着性の黒紫
色の粘性体を得た。次に、NMP10gに、実施例3と
同じV6O13粉末2.5gを分散混合してスラリーを得
た。このスラリーを前記の黒紫色液体に加えた後、ホモ
ジナイザーを用いて、回転数5000rpmで約10分間
攪拌混合し、粘性のある分散液を得た。この分散液を、
厚さ5μmのチタン箔に250μmの厚みに塗布した
後、1mmHgの減圧下で、80℃で約120分間加熱
して、厚さ22μmの複合電極膜を得た。減圧加熱によ
りNMPの72重量%が散逸した。得られた複合電極膜
をチタン箔と一緒に2×2cm角に切断して複合電極F
を得た。複合電極Fの複合電極膜の重量は19mgであ
った。
【0024】《実施例5》実施例3におけるV6O13粉
末に換えて、 炭酸リチウムと酸化コバルト(Co
2O3)の混合物を加熱処理することで得た平均粒径が2
μmのLiCoO2粉末を用いて複合電極Gを得た。複
合電極Gの複合電極膜の厚みは26μm、重量は24m
gであった。
末に換えて、 炭酸リチウムと酸化コバルト(Co
2O3)の混合物を加熱処理することで得た平均粒径が2
μmのLiCoO2粉末を用いて複合電極Gを得た。複
合電極Gの複合電極膜の厚みは26μm、重量は24m
gであった。
【0025】《実施例6》実施例4におけるV6O13粉
末に換えて、 炭酸リチウムと酸化コバルト(Co
2O3)の混合物を加熱処理することで得た平均粒径が2
μmのLiCoO2粉末を用いて複合電極Hを得た。複
合電極Hの複合電極膜の厚みは26μm、重量は24m
gであった。
末に換えて、 炭酸リチウムと酸化コバルト(Co
2O3)の混合物を加熱処理することで得た平均粒径が2
μmのLiCoO2粉末を用いて複合電極Hを得た。複
合電極Hの複合電極膜の厚みは26μm、重量は24m
gであった。
【0026】《比較例3》比較例2におけるV6O13粉
末に換えて、 炭酸リチウムと酸化コバルト(Co
2O3)の混合物を加熱処理することで得た平均粒径が2
μmのLiCoO2粉末を用いて複合電極Iを得た。複
合電極Iの複合電極膜の厚みは24μm、重量は22m
gであった。
末に換えて、 炭酸リチウムと酸化コバルト(Co
2O3)の混合物を加熱処理することで得た平均粒径が2
μmのLiCoO2粉末を用いて複合電極Iを得た。複
合電極Iの複合電極膜の厚みは24μm、重量は22m
gであった。
【0027】《実施例7》実施例3におけるV6O13粉
末に換えて、水酸化リチウムと水酸化ニッケルの混合物
を加熱処理することで得た平均粒径が3μmのLiNi
O2粉末を用いて複合電極Jを得た。複合電極Jの複合
電極膜の厚みは26μm、重量は24mgであった。
末に換えて、水酸化リチウムと水酸化ニッケルの混合物
を加熱処理することで得た平均粒径が3μmのLiNi
O2粉末を用いて複合電極Jを得た。複合電極Jの複合
電極膜の厚みは26μm、重量は24mgであった。
【0028】《実施例8》実施例4におけるV6O13粉
末に換えて、水酸化リチウムと水酸化ニッケルの混合物
を加熱処理することで得た平均粒径が3μmのLiNi
O2粉末を用いて複合電極Kを得た。複合電極Kの複合
電極膜の厚みは26μm、重量は24mgであった。
末に換えて、水酸化リチウムと水酸化ニッケルの混合物
を加熱処理することで得た平均粒径が3μmのLiNi
O2粉末を用いて複合電極Kを得た。複合電極Kの複合
電極膜の厚みは26μm、重量は24mgであった。
【0029】《比較例4》比較例2におけるV6O13粉
末に換えて、水酸化リチウムと水酸化ニッケルの混合物
を加熱処理することで得た平均粒径が3μmのLiNi
O2粉末を用いて複合電極Lを得た。複合電極Lの複合
電極膜の厚みは24μm、重量は22mgであった。
末に換えて、水酸化リチウムと水酸化ニッケルの混合物
を加熱処理することで得た平均粒径が3μmのLiNi
O2粉末を用いて複合電極Lを得た。複合電極Lの複合
電極膜の厚みは24μm、重量は22mgであった。
【0030】《実施例9》実施例3におけるV6O13粉
末に換えて、 炭酸リチウムと酸化マンガン(Mn
3O4)の混合物を加熱処理することで得た平均粒径が1
μmのLiMn2O4粉末を用いて複合電極Mを得た。複
合電極Mの複合電極膜の厚みは23μm、重量は21m
gであった。
末に換えて、 炭酸リチウムと酸化マンガン(Mn
3O4)の混合物を加熱処理することで得た平均粒径が1
μmのLiMn2O4粉末を用いて複合電極Mを得た。複
合電極Mの複合電極膜の厚みは23μm、重量は21m
gであった。
【0031】《実施例10》実施例4におけるV6O13
粉末に換えて、 炭酸リチウムと酸化マンガン(Mn3O
4)の混合物を加熱処理することで得た平均粒径が1μ
mのLiMn2O4粉末を用いて複合電極Nを得た。複合
電極Nの複合電極膜の厚みは23μm、重量は21mg
であった。
粉末に換えて、 炭酸リチウムと酸化マンガン(Mn3O
4)の混合物を加熱処理することで得た平均粒径が1μ
mのLiMn2O4粉末を用いて複合電極Nを得た。複合
電極Nの複合電極膜の厚みは23μm、重量は21mg
であった。
【0032】《比較例5》比較例2におけるV6O13粉
末に換えて、 炭酸リチウムと酸化マンガン(Mn
3O4)の混合物を加熱処理することで得た平均粒径が1
μmのLiMn2O4粉末を用いて複合電極Oを得た。複
合電極Oの複合電極膜の厚みは22μm、重量は19m
gであった。
末に換えて、 炭酸リチウムと酸化マンガン(Mn
3O4)の混合物を加熱処理することで得た平均粒径が1
μmのLiMn2O4粉末を用いて複合電極Oを得た。複
合電極Oの複合電極膜の厚みは22μm、重量は19m
gであった。
【0033】《実施例11》実施例3におけるV6O13
粉末に換えて、平均粒径が7μmのV2O5粉末を用いて
複合電極Pを得た。複合電極Pの複合電極膜の厚みは2
3μm、重量は22mgであった。
粉末に換えて、平均粒径が7μmのV2O5粉末を用いて
複合電極Pを得た。複合電極Pの複合電極膜の厚みは2
3μm、重量は22mgであった。
【0034】《実施例12》実施例4におけるV6O13
粉末に換えて、平均粒径が7μmのV2O5粉末を用いて
複合電極Qを得た。複合電極Qの複合電極膜の厚みは2
3μm、重量は22mgであった。
粉末に換えて、平均粒径が7μmのV2O5粉末を用いて
複合電極Qを得た。複合電極Qの複合電極膜の厚みは2
3μm、重量は22mgであった。
【0035】《比較例6》比較例2におけるV6O13粉
末に換えて、平均粒径が7μmのV2O5粉末を用いて複
合電極Rを得た。複合電極Rの複合電極膜の厚みは22
μm、重量は18mgであった。
末に換えて、平均粒径が7μmのV2O5粉末を用いて複
合電極Rを得た。複合電極Rの複合電極膜の厚みは22
μm、重量は18mgであった。
【0036】次いで、各複合電極の電極性能の評価を行
った。実施例1〜12、比較例1〜6で得た複合電極膜
A〜Rを正極として用い、厚み0.3mmの金属リチウ
ムを負極とし、厚み0.5mmのゲルポリマー電解質を
セパレータ層として用いて、2×2cm角の電池A〜R
を構成した。なお、ゲルポリマー電解質は、LiBF4
を1M溶解したモル比1:2のプロピレンカーボネート
/エチレンカーボネート溶液7.5gで、実施例1で用
いたKF#2300を4.5gゲル化して得たものであ
る。電池A〜Rを、20℃において、0.2mAの一定
電流で、4.25〜2.5Vの範囲で充放電した。各充
放電サイクルでの放電容量を測定し、充放電サイクルの
進行に伴う放電容量の減少の程度により電極性能を評価
した。この結果を表1に示した。充放電サイクルの進行
に伴い、放電容量の低下が小さい試験電池ほど充放電サ
イクル特性が優れている。
った。実施例1〜12、比較例1〜6で得た複合電極膜
A〜Rを正極として用い、厚み0.3mmの金属リチウ
ムを負極とし、厚み0.5mmのゲルポリマー電解質を
セパレータ層として用いて、2×2cm角の電池A〜R
を構成した。なお、ゲルポリマー電解質は、LiBF4
を1M溶解したモル比1:2のプロピレンカーボネート
/エチレンカーボネート溶液7.5gで、実施例1で用
いたKF#2300を4.5gゲル化して得たものであ
る。電池A〜Rを、20℃において、0.2mAの一定
電流で、4.25〜2.5Vの範囲で充放電した。各充
放電サイクルでの放電容量を測定し、充放電サイクルの
進行に伴う放電容量の減少の程度により電極性能を評価
した。この結果を表1に示した。充放電サイクルの進行
に伴い、放電容量の低下が小さい試験電池ほど充放電サ
イクル特性が優れている。
【0037】
【表1】
【0038】以上の結果から明らかなように、本発明に
従う実施例の複合電極を用いた電池では、それぞれ対応
する比較例の複合電極を用いた電池に較べ、充放電サイ
クルの進行に伴う放電容量の低下が小さい。さらに、ポ
リフッ化ビニリデンを添加することにより複合電極膜を
製造する際に、電極反応に関与しないNMPの散逸量を
多くすることができるため、複合電極膜重量当たりの容
量を大きくできるという副次的効果も得られる。
従う実施例の複合電極を用いた電池では、それぞれ対応
する比較例の複合電極を用いた電池に較べ、充放電サイ
クルの進行に伴う放電容量の低下が小さい。さらに、ポ
リフッ化ビニリデンを添加することにより複合電極膜を
製造する際に、電極反応に関与しないNMPの散逸量を
多くすることができるため、複合電極膜重量当たりの容
量を大きくできるという副次的効果も得られる。
【0039】さらに、電池A〜Rを、20℃で、0.2
mAの一定電流で、4.25V〜2.5Vの範囲で充放
電を10回繰り返した後、0.2mAで4.25Vまで
充電し、2時間開路状態で放置した。その後、充放電電
流値を0.5、1.0、2.0、5.0、10.0mA
に順次増加し、それぞれの電流値で20秒間充電、20
秒間放電し、この放電20秒後の放電電圧を測定した。
各放電電流値における放電電圧を測定し、放電電圧の低
下の程度により電極性能を評価した。この結果を表2に
示した。放電電流値の増加に伴って放電電圧の低下が小
さい試験電池ほど大きな出力電流値が得られる。
mAの一定電流で、4.25V〜2.5Vの範囲で充放
電を10回繰り返した後、0.2mAで4.25Vまで
充電し、2時間開路状態で放置した。その後、充放電電
流値を0.5、1.0、2.0、5.0、10.0mA
に順次増加し、それぞれの電流値で20秒間充電、20
秒間放電し、この放電20秒後の放電電圧を測定した。
各放電電流値における放電電圧を測定し、放電電圧の低
下の程度により電極性能を評価した。この結果を表2に
示した。放電電流値の増加に伴って放電電圧の低下が小
さい試験電池ほど大きな出力電流値が得られる。
【0040】
【表2】
【0041】以上の結果から明らかなように、本発明に
従う実施例の複合電極を用いた電池では、それぞれ対応
する比較例の複合電極を用いた電池に較べ、電流値の増
加に伴う放電電圧の低下が小さく大きな出力電流が得ら
れる。とくに、ポリフッ化ビニリデンとして二フッ化ビ
ニリデンと六フッ化プロピレンの共重合体を用いた電池
では、二フッ化ビニリデンホモポリマーを用いた電池に
比べ、より大きな出力電流が得られる。
従う実施例の複合電極を用いた電池では、それぞれ対応
する比較例の複合電極を用いた電池に較べ、電流値の増
加に伴う放電電圧の低下が小さく大きな出力電流が得ら
れる。とくに、ポリフッ化ビニリデンとして二フッ化ビ
ニリデンと六フッ化プロピレンの共重合体を用いた電池
では、二フッ化ビニリデンホモポリマーを用いた電池に
比べ、より大きな出力電流が得られる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、良好な繰り返し酸化還
元(充放電)特性を有する複合電極を得ることができ
る。この複合電極をリチウム二次電池の正極に用いるこ
とにより充放電サイクル寿命の長い電池を得ることがで
きる。また、電池の他に、本発明の複合電極を対極に用
いることにより発色・退色の繰り返し寿命の長いエレク
トロクロミック素子を得ることができ、また、書き込み
・読み出し繰り返し寿命の長い電気化学アナログメモリ
ーを構成することもできる。
元(充放電)特性を有する複合電極を得ることができ
る。この複合電極をリチウム二次電池の正極に用いるこ
とにより充放電サイクル寿命の長い電池を得ることがで
きる。また、電池の他に、本発明の複合電極を対極に用
いることにより発色・退色の繰り返し寿命の長いエレク
トロクロミック素子を得ることができ、また、書き込み
・読み出し繰り返し寿命の長い電気化学アナログメモリ
ーを構成することもできる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年6月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】ポリアニリンとしては、アニリンを電解あ
るいは化学酸化することによりポリマー化したものが用
いられる。溶解性の点から、脱ドープ状態の還元体のポ
リアニリンが好ましい。このようなポリアニリンとして
は、日東電工(株)製の「アニリード」がある。ポリア
ニリンの還元度(RDI)は、ポリアニリンをN−メチ
ル−2−ピロリドンに微量溶解した溶液の電子吸収スペ
クトルで示される。つまり、640nm付近の長波長側
に現れるキノンジイミン構造に起因する吸収ピークの強
度(I640)と、340nm付近の短波長側に現れるパ
ラ置換ベンゼン構造に起因する吸収ピークの強度(I
340)との比(RDI=I640/I340)で表される。R
DIが0.5以下のポリアニリンが好適に用いられる。
また、ポリアニリンの脱ドープの程度は、伝導度により
表され、伝導度が10-5S/cm以下のポリアニリンが好適
に用いられる。
るいは化学酸化することによりポリマー化したものが用
いられる。溶解性の点から、脱ドープ状態の還元体のポ
リアニリンが好ましい。このようなポリアニリンとして
は、日東電工(株)製の「アニリード」がある。ポリア
ニリンの還元度(RDI)は、ポリアニリンをN−メチ
ル−2−ピロリドンに微量溶解した溶液の電子吸収スペ
クトルで示される。つまり、640nm付近の長波長側
に現れるキノンジイミン構造に起因する吸収ピークの強
度(I640)と、340nm付近の短波長側に現れるパ
ラ置換ベンゼン構造に起因する吸収ピークの強度(I
340)との比(RDI=I640/I340)で表される。R
DIが0.5以下のポリアニリンが好適に用いられる。
また、ポリアニリンの脱ドープの程度は、伝導度により
表され、伝導度が10-5S/cm以下のポリアニリンが好適
に用いられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 《実施例1》二フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン
コポリマー(呉羽化学(株)製のKFポリマーであるK
F#2300、融点151℃)を2重量%溶解したN−
メチル−2−ピロリドン(以下NMPで表す)溶液6g
に、有機ジスルフィド化合物として2,5−ジメルカプ
ト−1,3,4−チアジアゾール(以下DMcTで表
す)モノマー粉末1.5g(0.01モル)を溶解し、
粘性のある黄色透明のNMP−KFポリマー−DMcT
溶液を得た。この溶液に、ポリアニリンとして日東電工
(株)製の脱ドープ還元状態の「アニリード」粉末1.
0g(0.0067モル)を添加し、粘着性の暗緑色の
粘性体を得た。この粘性体を、銀メッキ層の厚さが1μ
mである全体の厚みが17μmの銀メッキ銅箔上に90
μmの厚さに塗布したのち、1mmHgの減圧下で80
℃の加熱処理をした。この減圧加熱によりNMPの82
重量%が散逸した。得られた膜中のKFポリマーの含有
量は、DMcTとポリアニリンとNMPの合計量に対し
3.3重量%であった。得られた厚さ15μmの複合体
膜を銅箔と一緒に2×2cm角に切断して複合電極Aを
得た。複合電極Aの複合電極膜の重量は9.0mgであ
った。
コポリマー(呉羽化学(株)製のKFポリマーであるK
F#2300、融点151℃)を2重量%溶解したN−
メチル−2−ピロリドン(以下NMPで表す)溶液6g
に、有機ジスルフィド化合物として2,5−ジメルカプ
ト−1,3,4−チアジアゾール(以下DMcTで表
す)モノマー粉末1.5g(0.01モル)を溶解し、
粘性のある黄色透明のNMP−KFポリマー−DMcT
溶液を得た。この溶液に、ポリアニリンとして日東電工
(株)製の脱ドープ還元状態の「アニリード」粉末1.
0g(0.0067モル)を添加し、粘着性の暗緑色の
粘性体を得た。この粘性体を、銀メッキ層の厚さが1μ
mである全体の厚みが17μmの銀メッキ銅箔上に90
μmの厚さに塗布したのち、1mmHgの減圧下で80
℃の加熱処理をした。この減圧加熱によりNMPの82
重量%が散逸した。得られた膜中のKFポリマーの含有
量は、DMcTとポリアニリンとNMPの合計量に対し
3.3重量%であった。得られた厚さ15μmの複合体
膜を銅箔と一緒に2×2cm角に切断して複合電極Aを
得た。複合電極Aの複合電極膜の重量は9.0mgであ
った。
Claims (6)
- 【請求項1】 電解還元により硫黄−硫黄結合が開裂し
て硫黄−金属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、
電解酸化により硫黄−金属イオン結合が元の硫黄−硫黄
結合を再生する有機ジスルフィド化合物、ポリアニリ
ン、およびポリフッ化ビニリデンよりなることを特徴と
する複合電極。 - 【請求項2】 電解還元により硫黄−硫黄結合が開裂し
て硫黄−金属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、
電解酸化により硫黄−金属イオン結合が元の硫黄−硫黄
結合を再生する有機ジスルフィド化合物、ポリアニリ
ン、ポリフッ化ビニリデン、および金属酸化物よりなる
ことを特徴とする複合電極。 - 【請求項3】 ポリフッ化ビニリデンが二フッ化ビニリ
デンと六フッ化プロピレンとの共重合体である請求項1
または2記載の複合電極。 - 【請求項4】 金属酸化物が、LiCoO2、V6O13、
LiMn2O4、V2O5、およびLiNiO2からなる群
より選ばれる遷移金属酸化物である請求項2または3記
載の複合電極。 - 【請求項5】 電解還元により硫黄−硫黄結合が開裂し
て硫黄−金属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、
電解酸化により硫黄−金属イオン結合が元の硫黄−硫黄
結合を再生する有機ジスルフィド化合物とポリフッ化ビ
ニリデンをN−R−2−ピロリドン(Rは水素原子また
はアルキル基)に溶解する工程、得られた溶液にポリア
ニリンを溶解して溶液Aを得る工程、および前記溶液A
を導電性基板上に塗布した後、真空中あるいは不活性ガ
ス雰囲気中で加熱する工程を含むことを特徴とする複合
電極の製造法。 - 【請求項6】 電解還元により硫黄−硫黄結合が開裂し
て硫黄−金属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、
電解酸化により硫黄−金属イオン結合が元の硫黄−硫黄
結合を再生する有機ジスルフィド化合物をN−R−2−
ピロリドン(Rは水素原子またはアルキル基)に溶解す
る工程、得られた溶液にポリアニリンを溶解して溶液B
を得る工程、ポリフッ化ビニリデンをN−R−2−ピロ
リドンに溶解した溶液に金属酸化物の粉末を分散混合し
て分散混合物Cを得る工程、前記溶液Bに分散混合物C
を混合し分散混合物Dを得る工程、および前記分散混合
物Dを導電性基板上に塗布したのち、真空中あるいは不
活性ガス雰囲気中で加熱する工程を含む複合電極の製造
法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8180593A JPH1027615A (ja) | 1996-07-10 | 1996-07-10 | 有機ジスルフィド化合物を含有する複合電極とその製造法 |
EP97109483A EP0818839A3 (en) | 1996-07-10 | 1997-06-11 | Composite electrode containing an organic disulfide compound and method for producing the same |
CA002209365A CA2209365A1 (en) | 1996-07-10 | 1997-07-03 | Composite electrode containing an organic disulfide compound and method for producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8180593A JPH1027615A (ja) | 1996-07-10 | 1996-07-10 | 有機ジスルフィド化合物を含有する複合電極とその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1027615A true JPH1027615A (ja) | 1998-01-27 |
Family
ID=16085983
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8180593A Pending JPH1027615A (ja) | 1996-07-10 | 1996-07-10 | 有機ジスルフィド化合物を含有する複合電極とその製造法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0818839A3 (ja) |
JP (1) | JPH1027615A (ja) |
CA (1) | CA2209365A1 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001093527A (ja) * | 1999-09-22 | 2001-04-06 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法 |
JP2001307737A (ja) * | 2000-04-25 | 2001-11-02 | Mitsubishi Chemicals Corp | リチウム二次電池用正極材料、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池 |
US6337155B1 (en) | 1998-12-17 | 2002-01-08 | Fujitsu Limited | Battery and method of manufacture thereof |
JP2005285376A (ja) * | 2004-03-26 | 2005-10-13 | Shirouma Science Co Ltd | 有機・無機ハイブリッド電極およびそれを用いた二次電池 |
WO2006080110A1 (ja) * | 2005-01-26 | 2006-08-03 | Shirouma Science Co., Ltd. | リチウム二次電池用正極材料 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6703163B2 (en) | 1998-03-31 | 2004-03-09 | Celanese Ventures Gmbh | Lithium battery and electrode |
US7029794B2 (en) | 1998-03-31 | 2006-04-18 | Celanese Ventures Gmbh | Lithium battery and electrode |
EP1068647A1 (en) * | 1998-03-31 | 2001-01-17 | Celanese Ventures GmbH | Lithium battery and electrode |
EP1074056A1 (en) * | 1998-03-31 | 2001-02-07 | Axiva GmbH | Lithium battery and electrode |
US6576370B1 (en) | 1999-04-26 | 2003-06-10 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Positive electrode and lithium battery using the same |
WO2006130766A2 (en) | 2005-06-01 | 2006-12-07 | Board Of Regents, The University Of Texas System | Cathodes for rechargeable lithium-ion batteries |
US9929429B2 (en) | 2011-08-08 | 2018-03-27 | Battelle Memorial Institute | Polymer-sulfur composite materials for electrodes in Li-S energy storage devices |
CN109502706B (zh) * | 2018-12-30 | 2021-08-10 | 太原理工大学 | 一种电控离子交换材料回收废水中金属离子的方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5460905A (en) * | 1993-06-16 | 1995-10-24 | Moltech Corporation | High capacity cathodes for secondary cells |
US5665492A (en) * | 1995-02-08 | 1997-09-09 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Composite Electrode including organic disulfide compound, method of producing the same, and lithium secondary battery utilizing the same |
-
1996
- 1996-07-10 JP JP8180593A patent/JPH1027615A/ja active Pending
-
1997
- 1997-06-11 EP EP97109483A patent/EP0818839A3/en not_active Withdrawn
- 1997-07-03 CA CA002209365A patent/CA2209365A1/en not_active Abandoned
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6337155B1 (en) | 1998-12-17 | 2002-01-08 | Fujitsu Limited | Battery and method of manufacture thereof |
JP2001093527A (ja) * | 1999-09-22 | 2001-04-06 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法 |
JP2001307737A (ja) * | 2000-04-25 | 2001-11-02 | Mitsubishi Chemicals Corp | リチウム二次電池用正極材料、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池 |
JP4576662B2 (ja) * | 2000-04-25 | 2010-11-10 | 三菱化学株式会社 | リチウム二次電池用正極材料、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池 |
JP2005285376A (ja) * | 2004-03-26 | 2005-10-13 | Shirouma Science Co Ltd | 有機・無機ハイブリッド電極およびそれを用いた二次電池 |
WO2006080110A1 (ja) * | 2005-01-26 | 2006-08-03 | Shirouma Science Co., Ltd. | リチウム二次電池用正極材料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0818839A2 (en) | 1998-01-14 |
EP0818839A3 (en) | 1999-11-10 |
CA2209365A1 (en) | 1998-01-10 |
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