JPH08329947A - 複合電極およびその製造方法 - Google Patents

複合電極およびその製造方法

Info

Publication number
JPH08329947A
JPH08329947A JP7130062A JP13006295A JPH08329947A JP H08329947 A JPH08329947 A JP H08329947A JP 7130062 A JP7130062 A JP 7130062A JP 13006295 A JP13006295 A JP 13006295A JP H08329947 A JPH08329947 A JP H08329947A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyaniline
sulfur
composite electrode
bond
disulfide compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7130062A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Uemachi
裕史 上町
Tadashi Tonomura
正 外邨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP7130062A priority Critical patent/JPH08329947A/ja
Publication of JPH08329947A publication Critical patent/JPH08329947A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機ジスルフィド化合物とポリアニリンとを
複合化した、大容量で、充放電サイクル劣化の少ない複
合電極を提供する。 【構成】 有機スルフィド化合物の重合体と、ポリアニ
リンを含み、ポリアニリンが、Nーメチルー2ーピロリ
ドン溶液の電子吸収スペクトルの340nmにおける吸
光度I340に対する640nmにおける吸光度I640の比
640/I340が0.2以下の還元ポリアニリンである複
合電極。前記ポリアニリンと有機ジスルフィド化合物の
重合体をNーアルキルー2ーピロリドンに溶解した粘性
体を支持体に塗布し、乾燥して複合電極を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電池、エレクトロクロ
ミック表示素子、センサー、メモリー等の電気化学素子
に用いられる複数の有機化合物よりなる複合電極および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1971年に白川らにより導電性のポリ
アセチレンが発見されて以来、導電性高分子を電極材料
に用いると、軽量で高エネルギー密度の電池や、大面積
のエレクトロクロミック素子、微小電極を用いた生物化
学センサー等の電気化学素子が期待できることから、導
電性高分子電極が盛んに検討されている。ポリアセチレ
ンは、不安定で電極としては実用性に乏しいことから、
他のπ電子共役系導電性高分子が検討され、ポリアニリ
ン、ポリピロール、ポリアセン、ポリチオフェンといっ
た比較的安定な高分子が開発され、これらを正極に用い
たリチウム二次電池が開発されるに及んでいる。また、
高エネルギー密度が期待できる有機材料として、米国特
許第4,833,048号に有機ジスルフィド化合物が提案され
ている。この有機ジスルフィド化合物は、最も簡単には
R−S−S−Rと表される(Rは脂肪族あるいは芳香族
の有機基、Sは硫黄を表す)。S−S結合は電解還元に
より開裂し、電解浴中のカチオン(M+)とR−S・M
+で表される塩を生成する。この塩は、電解酸化により
元のR−S−S−Rに戻る。カチオン(M+)を供給、
捕捉する金属Mと有機ジスルフィド化合物を組み合わせ
た金属ーイオウ二次電池が前述の米国特許に提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリアニリン、ポリピ
ロール、ポリアセン、ポリチオフェンと言った導電性高
分子電極は、電極反応に際してカチオンのみならず電解
質中のアニオンを取り込みむので、電池内にあって電解
質はイオンの移動媒体として作用するだけでなく電池反
応に関与するため、電池容量に見合う量の電解質を電池
内に供給する必要がある。そして、その分電池のエネル
ギー密度が小さくなるという問題を有している。エネル
ギー密度は、20〜50Wh/kg程度で、ニッケルカ
ドミウム蓄電池、鉛蓄電池等の通常の二次電池に較べ2
分の1程度と小さいという問題があった。また、提案さ
れている有機ジスルフィド化合物については、米国特許
第4,833,048号の発明者らがJ.Electrochem.Soc., Vol.1
36, No.9, p.2570〜2575(1989)で報告しているよう
に、例えば[(C252NCSS-2 の電解では、酸
化と還元の電位が1V以上離れており、電池反応は極め
て遅い。従って、室温付近では実用に見合う大きな電
流、例えば1mA/cm2以上の電流を取り出すことが
困難であり、100ー200℃の高温での使用に限られ
るという問題があった。
【0004】本発明は、この様な問題を解決し、有機ジ
スルフィド化合物の高エネルギー密度という特徴をそこ
なわずに、室温でも大電流が取り出せ、しかも充放電サ
イクル劣化の少ない複合電極およびその製造方法を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の複合電極は、電
解還元により硫黄ー硫黄結合が開裂して硫黄ー金属イオ
ン(プロトンを含む)結合を生成し、電解酸化により硫
黄ー金属イオン結合が元の硫黄ー硫黄結合を再生する有
機ジスルフィド化合物の重合体と、ポリアニリンを含
み、ポリアニリンが、Nーメチルー2ーピロリドン溶液
の電子吸収スペクトルの340nmにおける吸光度I
340に対する640nmにおける吸光度I640の比I640
/I340が0.2以下の還元ポリアニリンであることを
特徴とする。本発明の複合電極の製造方法は、上記の有
機ジスルフィド化合物の重合体と還元ポリアニリンとを
2ーピロリドンもしくはNーアルキルー2ーピロリドン
に溶解した粘性体を支持体に塗布し、乾燥するものであ
る。
【0006】ここで、有機ジスルフィド化合物重合体の
ユニットが、還元ポリアニリンの構成単位であるアニリ
ンユニット1に対して0.125以上1以下であること
が好ましい。また、有機ジスルフィド化合物重合体は、
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾ−ル重
合体が好ましい。
【0007】
【作用】ポリアニリンを還元処理し還元ポリアニリンと
することにより、溶解度が大きくなり、反応性、加工性
が良くなる。複合膜作成時には、有機ジスルフィド化合
物重合体の一部は、還元ポリアニリンにより還元され、
モノマ−あるいはオリゴマ−となる。一方、還元ポリア
ニリンは、有機ジスルフィド化合物重合体により一部が
酸化される。モノマ−、オリゴマ−の有機ジスルフィド
化合物は、還元ポリアニリンに対しド−パントとして働
き、有機ジスルフィド化合物ーポリアニリン複合体がで
きる。このため、有機ジスルフィド化合物とポリアニリ
ンの複合化が促進され、大きな電流での充電、放電が可
能となる。
【0008】有機ジスルフィド化合物は、モノマ−状態
ではチオ−ル基を有しており、ポリアニリンと複合化し
た時には余分なプロトンが複合膜中に残る。一方、ポリ
マ−状態の有機ジスルフィド化合物は、チオ−ル基はジ
スルフィド基となっており、ポリアニリンと複合化した
時に複合膜中には余分なプロトンは存在しない。プロト
ンが複合膜内に残っていると、複合膜が酸化されると水
素ガスとなって膜から放出されるので、密閉電池の電極
として用いると、電極と電解質との接合不良、電池の膨
れ等が起こり、電池の動作不良を招くのである。
【0009】有機ジスルフィド化合物の重合体とI640
/I340が0.2を越えるポリアニリンとで複合電極を
作成することは可能であるが、ポリアニリンの還元度が
小さいため、複合化が進まず、電極の内部の電気抵抗が
大きくなり、大電流を取り出すことが困難になる。有機
ジスルフィド化合物重合体のユニットは、還元ポリアニ
リンの構成単位であるアニリンユニット1に対して0.
125以上1以下のものが好適に用いられる。有機ジス
ルフィド化合物重合体のユニットがアニリンユニット1
に対して0.125以下の複合電極は、作成可能ではあ
るが、有機ジスルフィド化合物が少なくなるため、複合
電極の理論容量が小さくなり、高容量を期待できない。
また、有機ジスルフィド化合物重合体のユニットがアニ
リンユニット1に対して1を越える組成比の複合電極
は、作成可能であるが、有機ジスルフィド化合物が多く
なるため、複合電極内部の電気抵抗が大きくなり、大電
流を取り出すことが困難になる。
【0010】
【実施例】本発明の有機ジスルフィド化合物ポリマ−
は、有機ジスルフィド化合物モノマ−を酸化重合するこ
とで得られる。有機ジスルフィド化合物モノマ−として
は、米国特許第4,833,048号に述べられてる一般式(R
(S)ynで表される化合物を用いることができる。R
は脂肪族基または芳香族基、Sは硫黄、yは1以上の整
数、nは2以上の整数である。HSCH2CH2SHで表
されるジチオグリコール、C22S(SH)2で表され
る2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾー
ル、C3333で表されるs−トリアジンー2,4,
6ートリチオール、C6643で表される7ーメチル
ー2,6,8ートリメルカプトプリン、あるいはC46
42で表される4,5ージアミノー2,6ージメルカ
プトピリミジン等が用いられる。何れも市販品をそのま
ま用いることができる。2,5−ジメルカプト−1,
3,4−チアジアゾールが好適に用いられる。
【0011】有機ジスルフィド化合物モノマ−の酸化重
合の方法は、特に限定されるものでなく、電気化学酸化
で行っても、化学的に酸化剤を用いて重合しても良い。
還元ポリアニリンとしては、アニリンを電解あるいは化
学酸化することによりポリマー化し、これを還元処理し
たものが用いられる。ポリアニリンの酸化度(ODI)
は、ポリアニリンをNーメチルー2ーピロリドンに微量
溶解した溶液の電子吸収スペクトルの340nm付近の
短波長側に現れるパラ置換ベンゼン構造に起因する吸光
度(I340)と、640nm付近の長波長側に現れるキ
ノンジイミン構造に起因する吸光度(I640)との比に
より、ODI=I640/I340で表される。ODIが0.
2以下のポリアニリンを還元ポリアニリンとする。OD
Iが0.05以下のものが好適には用いられる。ポリア
ニリンを還元する方法は、通常の還元方法によれば良
い。脱ド−プしたポリアニリンに還元剤を作用させるこ
とで、還元ポリアニリンを得ることができる。
【0012】ポリアニリンの脱ド−プは、塩基性物質と
ポリアニリンを反応させ、ド−パントのプロトン酸を中
和することで得られる。このとき用いられる塩基性物質
は、特に限定されるものでないが、アンモニア水、水酸
化ナトリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物が好
適に用いられる。塩基性物質を用いた中和反応も特に限
定されるものでない。ポリアニリンの還元剤としては、
フェニルヒドラジン、ヒドラジン水和物、硫酸ヒドラジ
ン等のヒドラジン化合物、水素化リチウム、アルミニウ
ム、水素化ホウ素リチウム等の還元性水素化化合物が好
適に用いられる。ヒドラジン水和物、フェニルヒドラジ
ンが特に好適に用いられる。ポリアニリンの還元反応も
特に限定されるものでなく、通常の方法に従えば良い。
例えば、ヒドラジンをエタノ−ルに溶解し、ポリアニリ
ンを加える方法等が用いられる。
【0013】電池反応に用いる電解質としては、リチウ
ム塩を溶解した非プロトン性の有機溶媒溶液をゲル化し
たゲル電解質が好適に用いられる。リチウム塩として
は、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAs
6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22等が用い
られる。非プロトン性の有機溶媒としては、エチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチレンカー
ボネート、ジメチレンカーボネート、ジメトキシエタ
ン、γーブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルフ
ォキシドの単独、あるいはこれらの混合溶媒が用いられ
る。リチウム塩の濃度は、0.5Mから3M程度が好ま
しい。ゲル化剤は、ポリアクリロニトリル、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピリ
ジン、ポリビニルピロリドン等が用いられる。ポリアク
リロニトリルの共重合体が特に好適には用いられる。
【0014】負極としては、リチウムイオンを供給でき
る金属リチウム、Li−AlやLi−Mn等のリチウム
合金、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24等のリ
チウムを含有する複合酸化物を用いることができる。そ
の他リチウムイオンを可逆的に出し入れできる炭素材
料、金属硫化物、金属酸化物、導電性高分子を用いるこ
とができる。また、複合膜を形成する際に、有機ジスル
フィド化合物とポリアニリンを均一に溶解する溶媒とし
て、2ーピロリドンもしくはN−アルキルー2ーピロリ
ドンが用いられる。N−アルキルー2ーピロリドンとし
ては、N−メチルー2ーピロリドン、Nーエチルー2ー
ピロリドン、Nーブチルー2ーピロリドンが良好な溶解
性を与えるので好ましい。
【0015】[実施例1] 還元ポリアニリンの作成:ポリアニリンとして日東電工
製の脱ド−プポリアニリン「アニリード」(ODI値=
0.35)を使用した。アニリ−ド9gをエタノ−ル2
00ml中に分散し、この溶液にフェニルヒドラジン2
3gを滴下した。そのまま室温で5時間攪拌を続けた
後、アセトン洗浄を数回行い、150℃で5時間真空乾
燥を行い、還元ポリアニリン粉末8.9gを得た。こう
して得た還元ポリアニリンのODIは0.02であっ
た。
【0016】DMcT重合体の作成方法:水酸化リチウ
ム0.84gを蒸留水200mlに溶解した溶液に、
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾ−ル
(以下、DMcTで表す)モノマー粉末3g(0.02
モル)を溶解し、溶液Aとした。ヨウ化リチウム2.6
8g(0.02モル)とヨウ素5.08g(0.04m
ol)を蒸留水200mlに溶かし、溶液Bを調整し
た。攪拌しながら溶液Aに溶液Bを全量滴下した。さら
に、室温で3時間攪拌放置した後、蒸留水、アセトンで
数回洗浄し、80℃で5時間真空乾燥した。こうしてD
McT重合体2.8gを得た。
【0017】複合膜の作成:還元ポリアニリン1.8g
(アニリンユニット当たり0.02モル相当)をN−メ
チル−2−ピロリドン(以下、NMPで表す)8g
(0.08モル)に溶解し、還元ポリアニリン−NMP
溶液を調製した。この溶液に、DMcT重合体の粉末
1.5g(DMcTモノマ−0.01モル相当)を添加
し、乳鉢上で混錬し粘着性の暗緑色の複合体を得た。 複合電極の作成:この複合体を大きさ4×4cm、厚さ
30μmのチタン箔上に印刷したのち、80℃、1cm
Hgで1時間減圧加熱処理を行い、厚さ20μmの複合
電極A1を得た。
【0018】[実施例2] 複合膜の作成:還元ポリアニリン1.8g(アニリンユ
ニット当たり0.02モル相当)をNMP8g(0.0
8モル)に溶解し、還元ポリアニリン−NMP溶液を調
製した。この溶液に、DMcT重合体の粉末0.375
g(DMcTモノマ−0.0025モル相当)を添加
し、乳鉢上で混錬し粘着性の暗緑色の複合体を得た。 複合電極の作成:この複合体を大きさ4×4cm、厚さ
30μmのチタン箔上に印刷したのち、80℃、1cm
Hgで1時間減圧加熱処理を行い、厚さ20μmの複合
電極B1を得た。
【0019】[実施例3] 複合膜の作成:還元ポリアニリン1.8g(アニリンユ
ニット当たり0.02モル相当)をNMP8g(0.0
8モル)に溶解し、還元ポリアニリン−NMP溶液を調
製した。この溶液に、DMcT重合体の粉末3.0g
(DMcTモノマ−0.02モル相当)を添加し、乳鉢
上で混錬し粘着性の暗緑色の複合体を得た。この複合体
を大きさ4×4cm、厚さ30μmのチタン箔上に印刷
したのち、80℃、1cmHgで1時間減圧加熱処理を
行い、厚さ20μmの複合電極C1を得た。
【0020】[比較例1] 複合膜の作成:DMcTモノマー粉末1.5g(0.0
1モル)をNMP3g(0.03モル))に溶解し、粘
性のある黄色透明のDMcT−NMP溶液を調製した。
この溶液に、日東電工製の脱ド−プポリアニリン「アニ
リード」(ODI値=0.35)粉末1.8g(アニリ
ンユニット当たり0.02モル相当)を添加し、不活性
ガスで置換した密閉容器中で80℃に加熱することで粘
着性の暗緑色の複合体を得た。 複合電極の作成:この複合体を大きさ4×4cm、厚さ
30μmのチタン箔上に印刷したのち、80℃、1cm
Hgで1時間減圧加熱処理を行い、厚さ20μmの複合
電極A2を得た。
【0021】[比較例2] 複合膜の作成:DMcTモノマー粉末0.375g
(0.0025モル)をNMP3g(0.03モル)に
溶解し、粘性のある黄色透明のDMcT−NMP溶液を
調製した。この溶液に、日東電工製の脱ド−プポリアニ
リン「アニリード」(ODI値=0.35)粉末1.8
g(アニリンユニットあたり0.02モル相当)を添加
し、不活性ガスで置換した密閉容器中で80℃に加熱す
ることで粘着性の暗緑色の複合体を得た。 複合電極の作成:この複合体を大きさ4×4cm、厚さ
30μmのチタン箔上に印刷したのち、80℃、1cm
Hgで1時間減圧加熱処理を行い、厚さ20μmの複合
電極B2を得た。
【0022】[比較例3] 複合膜の作成:DMcTモノマー粉末3.0g(0.0
2モル)をNMP3g(0.03モル))に溶解し、粘
性のある黄色透明のDMcT−NMP溶液を調製した。
この溶液に、日東電工製の脱ド−プポリアニリン「アニ
リード」(ODI値=0.35)粉末1.8g(アニリ
ンユニット当たり0.02モル相当)を添加し、不活性
ガスで置換した密閉容器中で80℃に加熱することで粘
着性の暗緑色の複合体を得た。 複合電極の作成:この複合体を大きさ4×4cm、厚さ
30μmのチタン箔上に印刷したのち、80℃、1cm
Hgで1時間減圧加熱処理を行い、厚さ20μmの複合
電極C2を得た。
【0023】[比較例4] 複合膜の作成:DMcTモノマー粉末1.5g(0.0
1モル)をNMP3g(0.03モル))に溶解し、粘
性のある黄色透明のDMcT−NMP溶液を調製した。
この溶液に、還元ポリアニリン1.8g(アニリンユニ
ット当たり0.02モル相当)粉末1.8gを添加し、
不活性ガスで置換した密閉容器中で80℃に加熱するこ
とで粘着性の暗緑色の複合体を得た。 複合電極の作成:この複合体を大きさ4×4cm、厚さ
30μmのチタン箔上に印刷したのち、80℃、1cm
Hgで1時間減圧加熱処理を行い、厚さ20μmの複合
電極Dを得た。
【0024】複合電極性能評価:実施例1、2、3およ
び比較例1、2、3で得た複合電極A1、B1、C1、
A2、B2、C2、Dを正極として用い、厚み0.3m
mの金属リチウムを負極とし、LiClO4を1M溶解
したプロピレンカーボネート−エチレンカーボネート
(1:1容積比)溶液20.7gとアクリロニトリルー
エチルアクリレートの共重合体(共重合モル比=90:
10)3.0gからなる厚さ0.2mmのゲル電解質膜
をセパレータ層として用い、1×1cm角の電池A1、
B1、C1、A2、B2、C2、Dを構成した。 電池の測定条件1:上記の電池を、室温において、4.
5Vの一定電圧で17時間充電後、50μA、100μ
A、500μA、1mA、2mAの電流で各々30秒間
放電し、その際の電池電圧を記録した。得られた電池の
電流電圧特性により複合電極特性を評価した。結果を表
1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】以上の結果から明らかなように、本発明に
従う実施例1、2、3の複合電極A1、B1、C1を用
いた電池は、複合電極A2、B2、C2、Dに比べ高い
電池電圧を与える。例えば、放電電流値2mAでの電池
電圧を較べると、0.4〜1.2V高い電池電圧を与え
る。すなわち、本発明に従う電極を用いることにより、
大電流での使用が可能な電池を得ることができる。
【0027】電池の測定条件2:次に、電池A1、B
1、C1、A2、B2、C2、Dを、室温において、
0.2mAの一定電流で、4.5〜2.25Vの範囲で
充放電し、各充放電サイクルでの放電容量(Q、単位:
mAh)を測定し、充放電サイクルの進行に伴う放電容
量の減少の程度により電極性能を評価した。結果を表2
に示す。
【0028】
【表2】
【0029】以上の結果から明らかなように、本発明に
従う実施例1、2、3の複合電極A1、B1、C1を用
いた電池は、比較例の複合電極、A2、B2、C2、D
に比べ、充放電サイクルの進行に伴う放電容量の低下が
低減する。ちなみに複合電極A2を用いた電池は、50
サイクル後には、初期容量の38%しか保持していな
い。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、充放電サイクル劣化の
少ない複合電極を得ることができる。この複合電極を正
極に用いることで、大電流が取り出せ、しかも充放電サ
イクル劣化の少ない長寿命のリチウム二次電池を得るこ
とができる。なお、実施例では、電極性能の評価に金属
リチウムを負極とする電池を用いたが、本発明の電極は
電池以外にも適用できる。例えば、本発明の電極を対極
に用いることで、発色・退色速度が速く、かつサイクル
劣化の小さいエレクトロクロミック素子、応答速度が速
く、かつ長寿命のグルコースセンサー等の生物化学セン
サーを得ることができる。また、書き込み・読み出し速
度が速く、かつサイクル寿命の長い電気化学アナログメ
モリーを構成することもできる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解還元により硫黄ー硫黄結合が開裂し
    て硫黄ー金属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、
    電解酸化により硫黄ー金属イオン結合が元の硫黄ー硫黄
    結合を再生する有機ジスルフィド化合物の重合体と、ポ
    リアニリンを含み、ポリアニリンが、Nーメチルー2ー
    ピロリドン溶液の電子吸収スペクトルの340nmにお
    ける吸光度I340に対する640nmにおける吸光度I
    640の比I640/I340が0.2以下の還元ポリアニリン
    であることを特徴とする複合電極。
  2. 【請求項2】 有機ジスルフィド化合物重合体のユニッ
    トが、還元ポリアニリンの構成単位であるアニリンユニ
    ット1に対して0.125以上1以下である請求項1記
    載の複合電極。
  3. 【請求項3】 電解還元により硫黄ー硫黄結合が開裂し
    て硫黄ー金属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、
    電解酸化により硫黄ー金属イオン結合が元の硫黄ー硫黄
    結合を再生する有機ジスルフィド化合物の重合体と、N
    ーメチルー2ーピロリドン溶液の電子吸収スペクトルの
    340nmにおける吸光度I340に対する640nmに
    おける吸光度I640の比I640/I340が0.2以下の還
    元ポリアニリンとを2ーピロリドンもしくはNーアルキ
    ルー2ーピロリドンに溶解した粘性体を支持体に塗布
    し、乾燥することを特徴とする複合電極の製造方法。
JP7130062A 1995-05-29 1995-05-29 複合電極およびその製造方法 Pending JPH08329947A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7130062A JPH08329947A (ja) 1995-05-29 1995-05-29 複合電極およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7130062A JPH08329947A (ja) 1995-05-29 1995-05-29 複合電極およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08329947A true JPH08329947A (ja) 1996-12-13

Family

ID=15025112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7130062A Pending JPH08329947A (ja) 1995-05-29 1995-05-29 複合電極およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08329947A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7122277B2 (en) 2001-07-09 2006-10-17 Nec Corporation Battery and battery electrode
JP2012229329A (ja) * 2011-04-26 2012-11-22 Institute Of National Colleges Of Technology Japan ジスルフィドポリマーの製造方法及びジスルフィドコポリマー

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7122277B2 (en) 2001-07-09 2006-10-17 Nec Corporation Battery and battery electrode
JP2012229329A (ja) * 2011-04-26 2012-11-22 Institute Of National Colleges Of Technology Japan ジスルフィドポリマーの製造方法及びジスルフィドコポリマー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5270600B2 (ja) ポリキノン系イオン性化合物から得られる新規電極材料及びそれらの電気化学的ジェネレーターにおける使用
EP1722430B1 (en) Secondary battery using a radical compound as active electrode material
US6228532B1 (en) Lithium secondary cell
JP3292441B2 (ja) 有機ジスルフィド化合物を含有する電極およびその製造方法
US6576370B1 (en) Positive electrode and lithium battery using the same
US5518841A (en) Composite cathode
JP2004111374A (ja) 電気化学素子
EP1416553B1 (en) Electrochemical device with unsaturated Organic Electrode Material
JP3385115B2 (ja) ゲル電解質およびリチウム二次電池
JPH1027615A (ja) 有機ジスルフィド化合物を含有する複合電極とその製造法
JP2002319400A (ja) 電極とその製造方法及びこれを用いたリチウム電池
JP2000340225A (ja) 複合電極組成物およびこれを用いたリチウム電池
JPH08329947A (ja) 複合電極およびその製造方法
JPH05266926A (ja) 電池の充放電方法
JP3346661B2 (ja) ポリマー電極、その製造方法およびリチウム二次電池
JP3079291B2 (ja) 電気化学的に活性な電極およびそれを用いた電気化学的セル
JPH08203530A (ja) 複合電極、その製造方法、およびリチウム二次電池
JP2001266885A (ja) 複合電極組成物、その製造方法およびリチウム電池
JP3444463B2 (ja) 有機ジスルフィド化合物を含有する電極およびその製造方法
JP2955177B2 (ja) 複合電極、その製造方法、およびリチウム二次電池
KR100302191B1 (ko) 금속-고분자복합전극재및그용도
JPH038271A (ja) 二次電池
JPH04264363A (ja) 可逆性複合電極
JPH07312220A (ja) 複合電極の製造法およびリチウム二次電池
JPH07282801A (ja) 複合電極の製造法およびリチウム二次電池