JP3112618B2 - インクジェットプリント装置 - Google Patents

インクジェットプリント装置

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JP3112618B2
JP3112618B2 JP16443294A JP16443294A JP3112618B2 JP 3112618 B2 JP3112618 B2 JP 3112618B2 JP 16443294 A JP16443294 A JP 16443294A JP 16443294 A JP16443294 A JP 16443294A JP 3112618 B2 JP3112618 B2 JP 3112618B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク滴を吐出しなが
らインクジェット記録ヘッドが走査することにより、記
録を行うインクジェットプリント装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】インク滴をノズルから被記録材へ飛翔さ
せて印字する、いわゆるインクジェットプリント装置に
おいては、ごみの混入や乾燥など問題の生じたインクを
ノズルから排出したり、印字開始前にインク貯溜部のイ
ンクをノズルまで充填するために、ポンプ手段を有する
ものがある。このポンプ手段には、特開平3−5160
号公報に開示されているようなピストンの往復運動をと
もなうピストンポンプと、特開平5−690558号公
報に開示されているような弾性チューブをコロ等でしご
くチューブポンプが代表的である。ピストンポンプは一
般に小型化が可能であるが、摺動するピストン部材によ
って気密性を保持する技術的な困難さがあると共に、密
閉構造を形成するためにOリングなどのシール部材を使
う必要があり、部品点数が多くなりがちである。一方、
チューブポンプはチューブそのもので気密性が保たれ、
また一方向にしごくことで常にインクを一方向に流すこ
とができるので、より安価にポンプ手段を構成すること
ができるが、ポンプ容量に相当する内容積分だけのチュ
ーブ長さが必要となるため、装置全体が大きくなりがち
である。
【0003】従来、このようなポンプを駆動する方式に
は次のようなものがあった。
【0004】1)操作部材に連動するようにし、ユーザ
ーが必要に応じて手動でポンピングする。
【0005】2)専用のモーターを設け、ポンプを駆動
する。
【0006】3)ポンピングするときのみモータとポン
プ装置を接続するクラッチ機構を設け、被記録材を副走
査方向に給送するモータ(以下、「紙給送モータ」と称
する)、またはヘッドを主走査方向に駆動するためのモ
ータ(以下、「キャリアモータ」と称する)を駆動源と
して兼用する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の駆動方式には以下の欠点があった。
【0008】1)の例においては、手動で操作するた
め、ポンピングのスピードが安定せず、所定の圧力が記
録ヘッドに加えられないことがあり、また、ユーザーに
とっては、印字不良を確認するまでポンピングが必要か
どうかわからなかったり、操作がわずらわしいなどの欠
点がある。
【0009】2)の例においては、専用モータを設定し
た分、ポンプ装置自体が大型化してしまい、また、コス
トも高いものになってしまう。
【0010】3)の例においては、やはり装置が複雑化
する欠点があった。この点を以下に説明する。
【0011】それぞれのモータの本来の目的、つまり紙
給送モータであれば紙を給送する紙給送ローラの駆動、
キャリアモータであればキャリアの駆動のそれぞれの制
御は、非常に高い精度が要求される。従って、モータと
被駆動体としての紙給送ローラやキャリアとの間の駆動
伝達系は、接続を切らないことが望ましい。しかし、本
来の目的以外の目的のためモータを駆動するときも紙給
送ローラまたはキャリアが動いてしまうことになる。一
般に、多くのシリアルプリンターでは、キャリアモータ
はベルトを介してキャリアに直結されている。この場
合、キャリアモータを他の目的に使うことは次の理由か
ら難しくなる。第一に、モータの一方向の回転量がキャ
リアのスキャンするストロークに相当する量に限られて
しまう。第二に、特にポンピングの駆動源として使う場
合、ポンピング中に記録ヘッドが移動してしまうため、
ポンプと記録ヘッドとの接続が困難になってしまう。従
って、このようなプリンターでは、キャリアモータの代
りに、紙給送モータが他の目的の駆動源として使われる
ことになる。しかし、通常、インクジェットプリント装
置では、ポンピング以外にもカットシートフィーダの記
録紙のピックアップを少なくとも行わなくてはならず、
これらを異なる動作タイミングとする必要があることか
ら、クラッチ機構は少なくともそれぞれ任意に制御可能
な2個が必要になる。さらに、クラッチ機構を任意に制
御するためには、次のような機構が必要となる。
【0012】A)ソレノイドや電磁クラッチ等を用い
て、電磁気力によって任意のギヤ列をモータに断続させ
る。
【0013】B)キャリアを選択子として使う。つま
り、キャリアがある位置に移動すると遊星ギヤを強制的
にモータからのギヤ列に噛み合うように構成するなどし
て、キャリアの位相とクラッチ機構を機械的に関連付
け、クラッチが接続している間に紙給送モータを駆動し
て任意の仕事をさせる。
【0014】C)紙給送ローラが被記録材の給送のため
に回転する方向を正転とした場合に、それが、逆転した
ときのみ回転力を伝達するワンウェイクラッチを設け
る。
【0015】A)は、専用モータを設定したのと同様に
コストがかかる。
【0016】B)は、印字領域外にクラッチ機構の数だ
けキャリアを余分に移動させなければならず、装置が大
型化する欠点がある。
【0017】C)は、単純でコストもかからない方法で
あるが、紙送り以外には一つの仕事しか割り振れない。
【0018】以上のように従来は、紙給送モータに多く
の仕事を割り振っているため、装置が大きくなり、また
複雑化し、それによってコストも高いものとなってい
る。
【0019】また、従来のチューブポンプを採用した場
合は、前述したようにポンプ自体が大きくなってしまう
欠点がある。例えば、上記特開平5ー690558号公
報に開示されているように円弧状にチューブを配置した
場合には、チューブ内径を2mm、ポンプ容量を0.3
mlとすると、チューブの長さはポンプ容量をチューブ
断面積で割って、95.5mmとなる。さらに、チュー
ブの円弧部分を丁度半円とすると、その円の直径は9
5.5×2/3.14で60.8mmとなってしまう。
これは、通常のシリアルプリンターにとってかなり大き
な寸法である。
【0020】発明の目的は、キャリアの移動に応動する
簡単な機構でポンプ駆動を可能とし、よって紙給送系も
より簡素化させて、装置全体のより小型化、低価格化を
図ることができると共に、チューブ等の可撓性部材を備
えたポンプを採用しながらも、その配備スペースをより
小さく抑えることができるインクジェットプリント装置
を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のインクジェットプリント装置は、インクジェットヘッ
ドのインク吐出口から記録媒体にインクを吐出して該記
録媒体に記録を行うインクジェットプリント装置におい
て、前記インクジェットヘッドを保持するキャリッジ
と、前記キャリッジと結合・分離が可能であって、前記
キャリッジを前記記録媒体に沿って移動させるためのキ
ャリアと、前記インク吐出口をキャッピングするための
キャップ手段と、前記キャップ手段内のインクを外へ排
出するための可撓性部材を前記キャリアの移動領域に沿
って延在させたポンプ手段と、前記キャリアに設けら
れ、該キャリアの移動に連動して前記可撓性部材を押圧
して前記ポンプ手段によるインクの排出動作を行わせる
押圧部とを有することを特徴とする。
【0022】本発明の請求項2に記載のインクジェット
プリント装置は、請求項1において、前記押圧部は、第
一と第二の位置で保持されかつその間で移動可能であ
り、前記キャリアの所定方向の移動に連動して前記第一
の位置にある前記押圧部を前記第二の位置に移動させ、
該押圧部が前記第二の位置にあるときであって、前記キ
ャリアが前記所定方向に移動する際に該所定方向の移動
に連動して該押圧部を前記第一の位置に復帰させ、前記
押圧部が前記第二の位置にあるときであって、前記キャ
リアが前記所定方向と逆方向に移動する際に該逆方向の
移動に連動して該押圧部を前記可撓性部材に押圧しつつ
移動させる手段を備えたことを特徴とする。
【0023】本発明の請求項3に記載のインクジェット
プリント装置は、請求項1において、前記押圧部は、第
一と第二の位置で安定しかつ第一、第二の位置から外れ
た場合に第一と第二の近い方の位置に復帰するよう付勢
され、前記キャリアの所定方向の移動に連動して前記第
一の位置にある前記押圧部を前記第二の位置に移動さ
せ、該押圧部が前記第二の位置にあるときであって、前
記キャリアが前記所定方向に移動する際に該所定方向の
移動に連動して該押圧部を前記第一の位置に復帰させ、
前記押圧部が前記第二の位置にあるときであって、前記
キャリアが前記所定方向と逆方向に移動する際に該逆方
向の移動に連動して該押圧部を前記付勢力に抗して第一
の位置から遠ざかる第三の位置に移動させるカム手段を
設け、前記ポンプ手段は、前記押圧部が前記第三の位置
にあるときの移動に連動してポンピングすることを特徴
とする。
【0024】
【作用】本発明の請求項1に記載のインクジェットプリ
ント装置は、キャリアとキャリッジを結合・分離可能と
し、さらに、キャリアの移動に連動して、押圧部がポン
プ手段の可撓性部材を押圧することによってインク排出
のためのポンピング動作をする。そして、キャリッジか
ら分離させたキャリアを移動させることにより、インク
ジェットヘッドを所定の位置でポンプ手段に結合させた
まま、インク排出のためのポンピング動作を可能とす
る。
【0025】また、本発明の請求項2および3に記載の
インクジェットプリント装置は、押圧部をキャリアの移
動方向に応じて移動させ、その移動によって、所定のタ
イミングでポンプ手段を作動させる。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0027】(第1の実施例)本発明の第1の実施例を
図1から図10を用いて説明する。本実施例は、インク
ジェット記録装置としての適用例である。図1は本実施
例を示す全体斜視図である。
【0028】1は右側板であり、2は左側板である。3
はプラテンローラであり、ゴムなどの弾性体で構成され
ている。4はプラテンローラの中心に形成されたプラテ
ンローラ軸であり、その左右端が左側板2と右側板3で
支持される。5は紙送りモータであり、前記右側板1に
支持され、不図示のギア列を介して前記プラテンローラ
軸4を回転させる。6はペーパーガイドであり、プラテ
ンローラ3の円周に沿って設けられる。7および8はピ
ンチローラであり、プラテンローラ3の表面に不図示の
バネにより所定の圧力で押圧される。被搬送媒体として
の記録用紙9は、矢印10の方向から給紙されプラテン
ローラ軸4とペーパーガイド6の間から挿入されて、ピ
ンチローラ7,8とプラテンローラ軸4とで挟持されU
字状に曲げられて紙送りされる。11は、案内機構とし
ての直径10mmのガイド軸であり、その端部が左側板
1と右側板2で支持される。
【0029】12は、機能素子搭載用キャリッジとして
のブラックインク用キャリッジである。図2を用いてブ
ラックインク用キャリッジ12の詳細を説明する。この
ブラックインク用キャリッジ12には、ブラックインク
カートリッジ13が搭載される。24はカートリッジフ
ックであり、カートリッジ13をキャリッジ12内に位
置する接点部26に押しつける役目をする。ボタン27
を押すと、キャリッジ12に設けた角穴29から係止部
30がはずれ、支点28を軸に31方向へフック24が
回転して開く。このフック24が開いた状態で、ブラッ
クインクカートリッジ13がキャリッジ12に上方から
挿入され、フック24を閉じるとカートリッジ13が接
点部26に押しつけられて固定される。キャリッジ12
からはピン99,100が突出しており、これらのピン
99,100は、カートリッジ13に付属する後述のア
ルミ板の位置決め穴に嵌合する。カートリッジ13は、
ピン99,100の根元に突き当たって位置決めされ
る。32はフレキシブルケーブルであり、キャリッジ1
2の移動に応じて湾曲して追従する。フレキシブルケー
ブル32は、端部に前記接点部26が形成されてキャリ
ッジ12内部に配されて、不図示の基板からカートリッ
ジ13に、機能素子駆動信号としてのインク吐出信号を
与える。キャリッジ12は、後述するキャリアとしての
走査子78と一体化するための嵌合穴33,34,35
とグリップ部36を有する。穴35は上下に長い長穴と
され、またグリップ部36は、キャリッジ12の壁部か
ら外方へ突出している。また、37は、キャリッジ12
に設けられてガイド軸11が貫通する穴であり、走査子
78と一体になった時に摩擦負荷が生じないように内径
が10.2mmに設定されている。この穴37とガイド
軸11の嵌合により、キャリッジ12は、案内機構とし
てのガイド軸11に揺動可能に係合され、また第1待機
部位としての後述するキャップ77(図1参照)上の部
位にて、下方への揺動が規制されて保持されている。7
9は、後述の光透過型ホームポジションセンサ74を遮
るブラックキャリッジ用センサ遮蔽板である。
【0030】図1において38は、カラーインク用キャ
リアであり、カラーインクカートリッジ44が搭載され
る。このキャリッジ38を図3を用いて説明する。キャ
リッジ38は、図2のブラックインク用キャリッジ12
と類似の形状のため、相違点のみ説明すると39,40
および41は後述の走査子58との嵌合穴であり、嵌合
穴39,40の位置は、ブラックインク用キャリッジ1
2の嵌合穴33,34とは左右逆になっている。穴41
は上下に長い長穴とされている。43はグリップ部であ
り、キャリッジ38の壁部から外方へ突出している。8
0はカラーキャリッジ用センサ遮蔽板である。また、キ
ャリッジ38は、キャリッジ12の穴37と同様の穴が
設けられており、その穴とガイド軸11との嵌合によ
り、キャリッジ12は案内機構としてのガイド軸11に
揺動可能に係合されている。また、図1におけるキャリ
ッジ38と対向する位置に設けられたキャップ77と同
様のキャップは、その上面の部位を第1待機部位とし、
その部位にてキャリッジ38の下方への揺動を規制、そ
れを保持している。
【0031】ブラックインクカートリッジ13は、ブラ
ックインクを収容するインクタンクと、ブラックインク
を吐出する機能素子としてのインクジェット記録ヘッド
を有している。インクタンクは、内部に不図示のスポン
ジを有しインクを含有する。インクの容量は例えば、文
字印字でA47サイズの記録用紙9の百枚相当量であ
る。また、カートリッジ13に備わる図示しない放熱用
アルミ板には、キャリッジ12に対する位置決め用の穴
が設けられている。さらに、このアルミ板と平行に、前
記接点部26に対応する不図示の接点を持つ基板が固定
されている。
【0032】カラーインクカートリッジ44には、ブラ
ックインクタンク、カラーインクタンクおよび機能素子
としてのカラー用のインクジェット記録ヘッドを有し、
それらのインクタンクは、前述したブラックインクカー
トリッジのタンク13とは異なり、カラー用の記録ヘッ
ドから取り外して交換できるようになっている。インク
タンク内の構造はブラックインクカートリッジ13のも
のと同様のスポンジ構造となっている。カラータンクの
内部には、イエロー、マゼンダ、シアンのインクの収容
領域が形成されており、これらの領域内に収容されたス
ポンジから、それぞれのインクがインク供給口を介して
インクジェット記録ヘッドに供給される。
【0033】次に、図1を用いて、走査型キャリアとし
ての走査子78について説明する。図1において、走査
子58の左右の軸受け68,69はガイド軸11に嵌合
している。また、上ガイド67はレール70に沿って摺
動する。65はベルトであり、走査子78の左右方向の
中間に位置する駆動力の受け部としてのベルト止め64
に固定される。ベルト65の一方側はモータープーリー
72に掛けられており、その他方側は、不図示のバネで
ベルトを張る方向に付勢されたテンションプーリー73
に掛けられている。キャリアモータ71を駆動すること
により、走査子78が主走査方向に移動される。66は
センサ遮蔽板であり、光透過型ホームポジションセンサ
74の光路を遮ることにより、走査子58の位置制御の
ための出力信号を生じさせる。
【0034】図7において101は、走査子78の後方
延伸部150に図中の上下方向に移動可能に保持された
押圧部としてのコロである。105は、プリンタに固定
される部材で形成されてコロ101の上下方向の位置を
規制するカムである。図8を用いてコロ101について
説明する。走査子78の後方延伸部150には、上下方
向に伸びるスリット150aが形成され、そのスリット
150aにコロ101の軸(以下、「コロ軸」とい
う)、101aが係合している。102は、走査子78
の後方延伸部150に固定された板ばねで、図中の左方
向にコロ軸101aを付勢している。板ばね102には
図示するような屈曲部が2ヶ所あり、コロ101を実線
で示す第一の位置と二点鎖線で示す第二の位置で安定し
て保持するよう構成されている。
【0035】62は走査子78上に固定された樹脂製グ
リッパであり、前記したブラックインク用キャリッジ1
2およびカラーインク用キャリッジ38上にあるグリッ
プ部36および43を二股状の爪でグリップする。図6
は走査子78とブラックインク用キャリッジ12が結合
している状態を示す図である。キャリッジ12のグリッ
プ部36が走査子78のストッパ部98に突き当たり保
持される。つまり、カートリッジ13は、キャリッジ1
2に対し位置決めピン99および100の根元に突き当
たって位置決めされ、キャリッジ12は、走査子78に
対しストッパ部98に突き当たって位置決めされる。こ
れにより、走査子78の走査の際、用紙9の正確な位置
に記録することができる。走査子78がブラックインク
用キャリッジ12のグリップ部36をグリップした状態
では、走査子78の嵌合軸59,61,63がキャリッ
ジ12の嵌合穴34,33,35にそれぞれ嵌合して、
走査子78とキャリッジ12は一体になって走査可能と
なる。一方、カラーインク用キャリッジ38と走査子7
8が一体化する際は、グリッパ62がグリップ部36を
グリップし、走査子78の嵌合軸60,61,63がカ
ラーインク用キャリッジ38の嵌合穴40,39,41
にそれぞれ嵌合して同様に走査可能となる。グリッパ6
2および嵌合軸59,61,63は、第1,第2待機部
位としてのキャップ上に位置するキャリッジ12,38
が走査子78に結合して搭載されるときに、そのキャリ
ッジ12,38の揺動を規制するための係合機構を成し
ている。
【0036】75は、ブラックインク用キャリッジ12
を図1の位置で拘束する樹脂製ブラックグリッパ、76
はカラーインク用キャリッジ38を同じく図1の位置で
拘束するカラーグリッパである。ブラックグリッパ75
とカラーグリッパ76の形状は鏡像関係にあり、動作は
同じなので、ブラックグリッパ75についてのみ説明す
る。
【0037】図4はブラックインク用キャリッジ12の
グリップ部36、グリッパ62、およびブラックグリッ
パ75の関係を示す正面図であり、キャリッジ12の図
示は省略している。図4(A)は、キャリッジ38をブ
ラックグリッパ75が拘束している状態を示す。ブラッ
クグリッパ75の二股状の爪Iはグリップ部36を掴ん
でいるため、外側に開くように変位している。図4
(B)は、走査子58がキャリッジ12に接近した状態
を示し、グリッパ62の二股状の爪は、開かれているブ
ラックグリッパ75の爪Iの内側に侵入しようとしてい
る。図4(C)は、さらに走査子58が接近した状態を
示し、グリッパ62がグリップ部36をグリップし、ブ
ラックグリッパ75の爪Iはさらに押し広げられてい
る。その後、図4(D)のように走査子58が逆に動く
と、キャリッジ12は走査子58と一体となって走査す
る状態になる。その後、さらに、もう一度走査子58が
右に動くと、前記した過程とは逆に走査子78からブラ
ックグリッパ75の方にキャリッジ12が移動すること
になる。このように、走査子58がブラックグリッパ7
5に接近する毎に、キャリッジ12の受渡しが行なわれ
る。
【0038】図1において77は、ブラックインクカー
トリッジ13の記録ヘッドをキャッピングして、乾燥か
ら守るためのキャップである。カラーインクカートリッ
ジ44に対しても同様に不図示のキャップが設けられて
いる。キャップ77は、不図示のカム等の手段により、
ブラックインク用キャリッジ12がブラックグリッパ7
5によって拘束されてキャップ位置にある時に、ブラッ
クインクカートリッジ13の記録ヘッドのヘッド面に当
接し、その拘束が解かれてキャリッジ12がブラックグ
リッパ75から離れる時にはキャップ77が退避する。
【0039】キャップ77には、可撓性部材としてのチ
ューブ103がキャップ77内と連通するように接続さ
れている。チューブ103は、変形に対し弾性的に復帰
するゴムまたは軟質樹脂のような材質からなり、キャッ
プ77からコロ101の下方近傍に渡って走査方向と平
行に延設されている。カラーインクカートリッジ44に
対しても同様に不図示のキャップとチューブ104が設
けられる。
【0040】次に、動作について図1および図5を用い
て説明する。
【0041】電源をオンする前、走査子78は、ホーム
ポジションセンサ74の光路を遮蔽板66が遮る位置か
ら図1中左側50mmに静止しており、ブラックインク
用キャリッジ12と、カラーインク用キャリッジ38
は、それぞれ対応するキャップ位置にあり、それらのカ
ートリッジ13,44はキャップされ、またコロ101
は第一の位置に保持されている。
【0042】電源がオンされると、走査子78は、ブラ
ックインク用キャリッジ12側(Bk側)に向って右に
100mm動く(ステップS1,S2)。この時、ホー
ムポジションセンサ(HP)74の光路が遮られる回数
を判定し、それが1回ならば、走査子78は反転して左
方に動き(ステップS5)、そしてセンサ74の光路が
再び遮られてから50mmの位置(以下、初期位置)で
停止する(ステップS6)。一方、センサ74の光路が
2回遮られたならば、走査子78にブラックインク用キ
ャリッジ12あるいはカラーインク用キャリッジ38が
結合していると判断し、さらに、センサ74の検出信号
のオンオフのタイミングを判定する。走査子78とキャ
リッジ12が結合した状態において遮蔽板66と遮蔽板
79は20mmの間隔を有し、また走査子78とキャリ
ッジ38が結合した状態において遮蔽板66と遮蔽板8
0は6mmの間隔を有している。従って、センサ74の
光路を遮蔽するタイミングにより、キャリッジ12,3
8のどちらが走査子78に結合しているか判断可能とな
る。
【0043】ブラックインク用キャリッジ12(Bkキ
ャリッジまたはブラックキャリッジともいう)が結合し
ているときは、遮蔽板66がセンサ74を通過した後、
ブラックインク用キャリッジ12をキャップ位置まで移
動させ(ステップS4,S11)、そのキャリッジ12
をブラックグリッパ75によって拘束した後、走査子7
8を反転させて左方へ移動させ(ステップS5)、そし
てセンサ74の光路が再び遮られてから初期位置に停止
させる(ステップS6)。一方、カラーインク用キャリ
ッジ38が結合している時は遮蔽板66がセンサ74を
通過してから右方へ50mm移動した位置で反転させて
左方へ移動させ(ステップS9)、そしてカラーインク
用キャリッジ(カラーキャリッジともいう)38をキャ
ップ位置まで移動させ(ステップS10)、そしてカラ
ーキャリッジ38をカラーグリッパ73によって拘束し
た後、走査子78を再反転させて(ステップS5)、前
記初期位置にて停止させる(ステップS6)。
【0044】このように、走査子78に対してキャリッ
ジ12,38のいずれもが結合していない状態のとき
は、走査子78だけが動いて初期位置で停止し、また、
不測の事態により、電源オフ状態においてキャリッジ1
2,38が走査子に結合していたときは、キャリア1
2,38を対応するキャップ位置まで持って行って拘束
させた後、走査子78だけが初期位置に移動して停止す
る。
【0045】記録信号が入力されると、その記録信号が
テキストや罫線などのブラック主体の記録用なのか、カ
ラーイメージ信号なのかを判別し(ステップS7,S
8)、前者の場合は走査子78がブラックキャリッジ1
2のキャップ位置へ走査してブラックキャリッジ12と
一体化し(ステップS16)、後者の場合は走査子78
がカラーキャリッジ38のキャップ位置へ走査してカラ
ーキャリッジ38と一体化する(ステップS13)。同
時に、記録に使うカートリッジ13または44からキャ
ップは退避する(ステップS17,S14)。ブラック
キャリッジ12による記録では、128本のノズルを用
いて記録を行ない、1走査分記録すれば(ステップS1
8)、128ノズル分用紙9を紙送りして(ステップS
19,S23)、次の走査を行なう(ステップS1
8)。1ページの記録が終了したら排紙し(ステップS
19,S20)、記録を続行するなら新たに給紙(ステ
ップS24,S25)する。記録終了ならば、走査子7
8はブラックキャリッジ12がキャップ位置に来るまで
移動し(ステップS26)、ブラックキャリッジ12は
ブラックグリッパ75に拘束され、そしてキャップ77
がキャップされた後(ステップS27)、走査子78が
前記電源オフ時の位置まで走査して停止する(ステップ
S28)。その後、電源がオフされる(ステップS2
9)。一方、カラーキャリッジ38による記録では、カ
ラーイメージの割り合いの多い領域は、ブラック、シア
ン、マゼンダ、イエローの順に24ノズル分ずつ紙送り
しながら色重ねしていき、またブラックイメージ画像の
領域は、ブラックノズル64本を用いて、64本分の紙
送りをしていく(ステップS22)。
【0046】このときのコロ101とカム105との関
係を図9に示す。カム105は図に示すようなカム部1
05a、105b、105c、105dからなり、符号
Aの一線鎖線は、ポンピングを行わないときのコロ10
1の中心の運動軌跡を表す。図中に示すコロ101は、
電源をオンする前の状態であり、左右方向においてはカ
ム部105aの上方で通常は印字を行うときの移動領域
にあり、上下方向においては上側の第一の位置にあり、
かつカム105aの上面とコロ軸101aの間にはわず
かな隙間があいている。この状態から、走査子78がキ
ャップ77の方向の右方に移動すると、印字のために必
要な走査範囲を外れたところでコロ軸101aがカム部
105bに当接し、右下方向の矢印に沿ってコロ101
は第二の位置に移動する。さらに走査子78がキャップ
77の方向への移動を続けると、カム部105cによっ
てコロ101は第一の位置に復帰し、そして記録ヘッド
がキャップ77に正対する位置でコロ101は停止す
る。走査子78が反転して左方へ移動すると、コロ10
1はカム部105bによって上方に持ち上げられるが、
その後、板ばね102によって再び第一の位置に復帰す
る。さらに走査子78が反転方向に移動を続けると、コ
ロ101は、カラーインク用キャリッジ38側に備わる
カム105と同様のカムによって、上記説明と左右対称
的なの動作をする。従って、走査子78がカム部105
bを一方向に通り過ぎるように走査する限り、コロ10
1がチューブ103に接触することはない。またカム1
05bとコロ101が当接するのは印字のための領域を
外れているので、印字中にコロ101に当接するものは
何もなく、カム分105が印字に影響を与えることはな
い。なお、印字に悪影響を与えない限りにおいては、カ
ム105bを印字するための領域内に設けてもよい。
【0047】次に、ポンピングを行うときの動作につい
て説明をする。図10は、コロ101がカム部105b
によって下側の第二の位置に移動した状態を表す。この
状態から、走査子78が左方向に移動するとコロ101
は、カム部105aによって第二の位置からさらに下方
の第三の位置に強制的に押し下げられる。コロ101は
カム部105aの下側にガイドされ、チューブ103に
当接して押しつぶす。チューブ103は、押しつぶされ
た部分が気密状態になり、コロ101がカム部105a
の下側の第三に位置にて左方向に移動すればコロより右
側のチューブ内部には負圧が発生する。なお、第三の位
置のコロ101は、カム部105aの下側において、カ
ム部105c,105dに連続する水平のガイド面上に
位置するため脱落することはない。あらかじめ、ブラッ
クインクカートリッジ13をキャッピングしていてか
ら、ポンピングを行えば、ブラックインクカートリッジ
13のノズルに負圧がかかり、ノズル内のインクが負圧
がなくなるまで強制的に排出される。インク排出後、コ
ロ101はカム部105dによって第一の位置に復帰す
る。その後走査子78とブラックインク用キャリッジ1
2とを結合し、同様にポンピング動作を行う。このと
き、キャップは大気に開放されているので、コロ101
でチューブ103をしごく毎に、チューブ103内のイ
ンクは左方向に移動する。このような大気開放吸引を数
回行えば、チューブ内に吸引されたインクはすべて左端
から排出される。カラーインクカートリッジ44からイ
ンクを排出する場合も上記動作の左右方向が反転するだ
けでまったく同じである。
【0048】なお、本例では、コロ101を第一,第
二,第三の3位置間に3段階的にずらして、それが第三
の位置にて左右方向に移動するときに、チューブ103
をしごいてポンピングするようにしているが、コロ10
1を第一,第二の2位置間に2段階的にずらして、それ
が第二の位置にて左右方向に移動するときに、チューブ
103をしごいてポンピングするように構成してもよ
い。ただし、その場合には、カム部105bによって、
コロ101を充分に大きくずらすために、カム部105
bを大きく形成する必要がある。本例のようにカム部1
05a,105bによってコロ101を3段階にずらす
場合には、カム部105a,105bによって、コロ1
01を充分にかつスムーズにずらすことができる。
【0049】ところで、インクを排出するときには、ノ
ズルやインクカートリッジ内のフィルターが流抵抗とし
て働き、インクの排出完了まで通常1〜3秒程度かか
る。そこで、コロ101を高速で左方へ移動させ、そし
て、コロ101とカム部105aの左端側との係合が外
れる手前で停止させてインクの排出完了を待つようにす
ると、より大きな負圧が発生することになり、ノズルに
付着したごみの除去、乾燥して粘度のあがったインクの
除去のために有利となる。更に、インクの排出中に、そ
の完了を待たずにコロ101をカム部105aの左端側
からはずしてしまうことで、インクの排出量の制御も可
能となる。
【0050】また、本実施例ではチューブポンプを使用
し、ポンピングするかしないかを選択する選択子をチュ
ーブ103をしごくコロ101そのもので構成したの
で、部品が少なく安価にポンプ手段を構成することがで
きる。
【0051】また、チューブ103を走査子78の近傍
において走査方向に平行に配置し、通常の印字のための
移動領域をつかって、ポンピングするように構成したの
で、十分な長さのチューブをレイアウトするのに効率が
よく、またチューブ103をしごくストロークも十分に
得ることができる。
【0052】ところで、グリッパ62の二股状の爪のバ
ネ性により、走査子78とキャリッジ12,38は容易
に分離できない。しかし、ユーザーが手で触れるなどの
事態で両者が離れることも考えられるため、走査子78
の1走査中に所定のタイミングでセンサ74の光路が2
回遮蔽されているかどうか監視する。もし、1回しか遮
蔽しない場合は、走査子78とキャリッジ12または3
8が離れていると判断し、走査子74を停止させてリリ
ーフシーケンスに入る。その判断の直前までブラックキ
ャリッジ12で記録動作していた場合には、走査子78
を右へ350mm相当移動させる。その移動中にグリッ
パ62はグリップ部36に接触し、そのままブラックキ
ャリッジ12を押して右へ移動させる。その後、ブラッ
クグリッパ75の二股状の爪Iにグリップ部36が接触
し、ブラックグリッパ75にグリップ部36がグリップ
される。さらに、走査子78が右へ移動するとグリッパ
62の爪がブラックグリッパ75の爪Iの内側に入り込
む。キャリアモータ71は余剰の移動分脱調した後、停
止する。次に、走査子78がブラックキャリッジ12と
ともに反転して左方へ移動し、そしてセンサ74を通過
した後、初期位置で停止する。同時にプラテンローラ3
が回転し排紙をして、新しい用紙9が給紙され再び記録
に備える。一方、前記の判断の直前までカラーキャリッ
ジ38で記録動作していた場合には、走査子78を左へ
350mm移動させる。その後の過程は上述のブラック
キャリッジ12のリリーフと同じである。このように、
不測の事態で走査子78とキャリッジ12または38が
分離しても、リリーフシーケンスを自動的に実施して記
録の実行を可能にしている。
【0053】上述したように、本実施例では、記録信号
の種類によって、適したキャリッジを選択し記録を行な
う。また、このような選択は、記録装置の操作モードに
応じて行うようにしてもよい。また、本実施例では、カ
ラーインクカートリッジ44の記録ヘッドとして、縦に
異なる色のノズルを並べたヘッドを用いたので、横に並
べる方式より横幅が小さくなり、装置全体をコンパクト
に構成できる効果がある。
【0054】また本実施例では、キャリッジ12,38
が保持される第1,第2待機部位を、走査子78の走査
方向に関して両端部側に離して設けているため、走査子
78を一方向または他方向に走査させるだけで、走査子
78に対してキャリッジ12,38を簡易に着脱させる
ことができ、装置全体の構成の簡素化および小型化を図
ることができる。
【0055】また、図6から明らかなように、走査子7
8とキャリッジ12との結合状態において、走査子78
の走査方向に対して垂直な方向のキャリッジ12の投影
空間内、つまり図6の紙面の表裏方向におけるキャリッ
ジ12の投影空間内に、走査子78の左右の中間部位が
含まれている。前述したように、走査子78の駆動力の
受け部としてのベルト止め64(図1参照)は、走査子
78の左右方向の中間に位置しているため、当然、その
ベルト止め64は前記キャリッジ12の投影空間内に介
入することになる。このことは、駆動力を受けるベルト
止め64とキャリッジ12の重心との間の距離を短くし
て、キャリッジ16と共に走査子78が走査する際にベ
ルト止め64と軸受け68,69との間に生じるモーメ
ントを小さく抑えることになり、それらの走査をスムー
ズなものとする上において有利である。また、グリッパ
62とグリップ部36とのグリップ位置も前記キャリッ
ジ12の投影空間内に位置するため、走査子78と共に
キャリッジ16が走査する際に、キャリッジ16の振れ
の発生が抑えられることにもなる。このことは、走査子
78とキャリッジ38が結合状態となったときも同様で
ある。しかも、走査子78の左右方向の中間の位置が両
キャリッジ12,38のそれぞれの占有空間として選択
的に利用されるため、その分、走査子78の左右方向に
おける小型化を図ることもできる。
【0056】さらに、走査子78とキャリッジ12との
結合に際し、走査子78側のグリッパ62、嵌合軸5
9,61,63と、キャリッジ12側のグリップ部3
6、嵌合穴34,33,35との嵌合順序を次のように
すべく、それらの位置関係を予め設定しておくことが好
ましい。まず、長穴である嵌合穴35と嵌合軸63とを
嵌合させて、キャリッジ12を図6中紙面の表裏方向に
おいて位置決めしてから、嵌合穴34,33と嵌合軸5
9,61とを嵌合させて、キャリッジ12を図6の上下
方向においても位置決めし、その後、またはそれと同時
に、グリップ部36にグリッパ62をグリップさせる。
このように、走査子78によるキャリッジ12に対して
の牽引/離脱用の係合として、グリップ部36にグリッ
パ62をグリップさせる前に、キャリッジ12を位置決
めしてキャリッジ12と走査子78との相対位置関係を
規制することは、前記牽引/離脱用の係合を確実なもの
とする上において有利である。また、このことは、走査
子78とキャリッジ38との結合に関しても同様であ
る。なお、図1においては、走査子78側の嵌合軸6
0,61,63、グリッパ62に符号A,B,C,Dを
付し、また、これらに対応するキャリッジ38側の嵌合
穴40,39,41、グリップ部43に符号E,F,
G,Hを付している。
【0057】なお、本実施例では、インクカートリッジ
13,44をキャリッジ12,38に搭載したが、キャ
リッジ12,38は存在せずに、カートリッジ13,4
4あるいは記録ヘッドそのものを走査子78で受け渡し
して、選択的に走査子78に結合させる構成でも良い。
また、本実施例では、キャリッジ12,38を走査子7
8に結合する手段およびキャップ位置に拘束する手段と
して、樹脂製の二股状の爪を有するグリッパ62を使用
したが、これに限定されることなく、例えば、ソレノイ
ドを用いて二股状の爪の開閉を行なう方式や、電磁石と
金属相互の吸引力を利用した方法などの結合・離脱手段
も実現手段として含まれる。
【0058】また、機能素子は何ら記録ヘッドのみに特
定されず任意であり、例えば、画像の読み取りセンサを
機能素子として備えることにより、画像の読み取り装置
を構成することもできる。また、キャリッジ12,38
の一方をインクジェット記録ヘッド専用のキャリッジ、
他方を画像の読み取りヘッド専用のキャリッジを備えて
もよい。キャリッジ12,38を同一のものとして、一
方を予備として備えるようにしてもよい。また、機能素
子として、解像度が例えば300dpi、350dp
i、600dpi、720dpiのように異なる画像の
読み取りヘッドを交換可能に備えたり、吐出するインク
の種類が異なる記録ヘッド、例えば濃ブラックインク吐
出用、イエロー,マゼンタ,シアンのインク吐出用、イ
エロー,マゼンタ,シアン,ブラックのインク吐出用、
または淡ブラックインク吐出用の記録ヘッドを交換可能
に備えてもよい。勿論、記録ヘッドとしては、サーマル
ヘッド等の種々の方式のものを採用することができる。
【0059】さらに、走査子78の走査方向の端部側の
部位に、複数の機能素子を選択に移動させるオートチェ
ンジャを備え、そのオートチェンジャによって前記部位
の移動された機能素子を走査子78に結合させるように
してもよい。
【0060】(第2の実施例)図11から図14は、本
発明の第2の実施例を説明するための図である。
【0061】本実施例では、走査子78とキャリッジ1
2,38の関係、記録紙9の給送機構などは前述した第
1の実施例と同じであり、同一部分には同一符号を付
し、異なる部分についてのみ説明する。
【0062】図11は本実施例の要部の斜視図である。
ブラックインクカートリッジ13がキャップ77によっ
てキャッピングされるとき、同時に、弾性材によって成
形されて側板1に固定された加圧キャップ110がブラ
ックインクカートリッジ13の側面に押し付けられる。
ブラックインクカートリッジ13の側面には、加圧キャ
ップ110に対応する位置に不図示の開口があり、この
開口に加えられた圧は内部インクの液面を押し、ノズル
からインクが排出されるようになっている。112は加
圧ポンプで、スライドアーム113が図中右方向に移動
すると正圧が発生するよう構成され、連通管111を介
し加圧キャップ110に連通している。このような加圧
ポンプとしては、蛇腹と一方向弁を組み合わせたもの、
ピストンタイプのものなどが一般的に知られるが、本実
施例においては特に制限はない。スライドアーム113
には板ばね116が固設され、また選択子114が回動
可能に支持され、また不図示ばねによって図中左方向に
付勢されている。115はこの図では省略された走査子
78に立設するダボである。
【0063】図12,図13,図14を用いて選択子1
14の動作を説明する。選択子114は114aを中心
に回動可能であるが、板ばね116の屈曲部116aが
2個の切欠き114b,114cの内、図12では切欠
き114bに係合しているため図示する姿勢で安定して
いる。図12で示す位置が第1の実施例の選択子の第一
の位置に相当する。また、選択子114には、ダボ11
5の運動軌跡内に侵入可能な2個のカム114d,11
4eがある。印字領域内にあるダボ115が右方向に移
動してくると、印字領域を外れてから選択子114のカ
ム114eに当接し斜面に沿って下方に押し下げる。選
択子114は反時計回りに回動するが、ダボ115と選
択子114のカム114eの当接がはずれた時点で板ば
ね116によって第一の位置まで復帰する。その後、ダ
ボ115が選択子114の右から左に移動すると、まず
選択子114のカム114dの右端上辺に当接し選択子
114を反時計回りに回動させるが、通り過ぎるとばね
116によってやはり第一の位置に復帰する。次に、ダ
ボ115は選択子114のカム114eの右下斜面に当
接し、今度は選択子114を時計回りに回動させ、図1
3の状態になる。このとき、板ばね116は選択子11
4の切欠き114cと係合するようになるため、選択子
114は図示状態で安定する。この状態が前述した第1
の実施例の第二の位置に相当する。その後、ダボ115
がさらに左方に移動すれば選択子114のカム114d
の左端と当接し、選択子114を反時計回りに回動させ
て第一の状態に復帰させる。図13の状態からダボ11
5が右方向に移動すると、図14に示すようにダボ11
5と選択子114のカム114dは、噛み合った状態に
なる。さらに、ダボ115が右に移動すればスライドア
ーム113は右に移動し、加圧ポンプ112に正圧を発
生させる。インクのノズルからの排出が終了したら、ダ
ボ115は右方向に移動する。スライドアーム113は
不図示ばねにより左方にスライドし、選択子114は、
ダボ115とカム114dの左端が当接することによっ
て反時計回りに回動して第一の位置に復帰する。このと
き、選択子114が第一の位置に復帰する前にダボ11
5が再度左方に移動すれば、スライドアーム1134も
左方に移動するので、複数回のポンピングを連続して行
うことも可能である。
【0064】なお、本実施例では通常のポンプを使って
いるので、ポンプ室の径を大きくすることによってポン
プ自体の全長を短くすることができ、従って、前述した
第1の実施例よりも小さな設置スペースですむという効
果がある。
【0065】また、本実施例では正圧を発生するポンプ
を用いたが、負圧を発生するポンプを用い、連通管をキ
ャップ77に連通させても全く同じ効果を得ることがで
きる。
【0066】(第3の実施例)図15において、81
は、前述した第1の実施例のブラックインクカートリッ
ジ13と同様に構成されたブラックインクカートリッジ
である。このカートリッジ81はカートリッジスタッカ
ー85の上部に戴置されている。ブラックインクカート
リッジ81の下部には、後述のキャリアとしての走査子
82が接触するテーパー部96が形成される。カートリ
ッジスタッカー85にはマグネット90が設けられ、こ
れがブラックインクカートリッジ81の表面に設けた不
図示の鉄板を吸引している。またカートリッジスタッカ
ー85にはガイド92がカートリッジ81を挟むように
設けられて、カートリッジ81の位置決めをしている。
カートリッジスタッカー85の両端にはリブ85Aがあ
り、このリブ85Aが側板87に形成された溝部86に
はまり込んでいる。カートリッジスタッカー85は溝部
86に沿って上下にスライド可能である。カートリッジ
スタッカー85は不図示の付勢手段により上方に付勢さ
れ、側板87から突出するストッパ88に突き当たって
止まっている。また、スタッカー85には、後述の走査
子82が接触するテーパー部95が形成されている。
【0067】82はキャリアとしての走査子であり、ガ
イド軸11に支持され、ベルト65によりガイド軸11
の軸線方向に走査可能である。走査子82は中壁93を
境に線対称形状をしている。84は接点部であり、その
接点は中壁93の左右の両面に存在する。接点部84の
接点とブラックインクカートリッジ81の側面に設けら
れた接点89は対応した位置にあり、両者が接触するこ
とにより、フレキシブルケーブル91からブラックイン
クカートリッジ81に記録信号が送られる。83は中壁
に埋め込まれた電磁マグネットであり前記フレキシブル
ケーブル91を介して電磁力のオン、オフ信号が送られ
る。その電磁力がオンされると、カートリッジ81に設
けられた鉄板94を引きつけて固定することができる。
同時に、この時の引き付け力により、接点部84と接点
89が良好に電気的接触をする。97は、カートリッジ
スタッカー85のテーパー部95と接触する走査子82
側のテーパー部である。前述した第1の実施例と同様
に、ブラックインクカートリッジ81の主走査反対側に
は、不図示のカラーインクカートリッジが不図示のカー
トリッジスタッカーに戴置されている。動作上、ブラッ
クインクカートリッジ81によるブラック記録と、カラ
ーインクカートリッジによるカラー記録は同様なので、
以下ではブラック記録の場合についてのみ説明する。
【0068】まず、電源をオンすると、前述した第1の
実施例と同様に走査子82が初期位置に移動する。記録
信号が入力されると、記録信号がブラック記録用か記録
用カラーかを判別した後、走査子82が対応するインク
カートリッジに向かって移動する。ブラック記録の場合
は、走査子82がブラックインクカートリッジ81に向
って移動し、その走査子82のテーパー部97とカート
リッジスタッカー85のテーパー部95が接触し、スタ
ッカー85が降下するとともにテーパー部95と96の
間に走査子82のテーパー部97が入り込む。そして、
走査子82の上部にカートリッジ81が移動する。接点
84と89が接触した時点で電磁マグネット83をオン
すると、カートリッジ81は走査子82上に固定され
る。電磁マグネット83の吸引力は、マグネット90の
吸引力より強力なため、この状態で走査子82がスタッ
カー85から離れると、カートリッジ81も走査子82
と共に移動する。こうして、走査子82とカートリッジ
81が一体化した後、第1の実施例と同様に記録動作に
移る。
【0069】本実施例では、ブラックインクカートリッ
ジ81とカラーインクカートリッジに対して1つのフレ
キシブルケーブル91を共通のものとして使用できるた
め、装置の構成が簡略化されるという効果がある。ま
た、インクカートリッジを直接走査子82に合体・離脱
させるため、前述した第1の実施例に比して、キャリッ
ジの重量分をインクの容量に充てることができ、その
分、大容量のインクカートリッジを用いて記録できる。
その結果、ランニングコストが安く、カートリッジ交換
の手間を軽減しできる。
【0070】(本発明の実施形態)本発明の実施形態と
して、以下の(1)〜(13)の形態の走査型キャリア
を備える機器を挙げることができる。
【0071】(1) 駆動力を受けて走査を行う走査型
キャリアと、該走査型キャリアを走査可能にする案内機
構と、を有する走査型キャリアを備える機器において、
走査方向に関して、一端部側に機能素子を保持できる第
1待機部位と、他端部側に機能素子を保持できる第2待
機部位と、を有し、上記案内機構は上記走査型キャリア
を該第1待機部位と該第2待機部位との間を移動可能に
すると共に、上記走査型キャリアは該第1待機部位ある
いは該第2待機部位の少なくとも一方にある機能素子を
搭載して一体的に移動可能にすることを特徴とする第1
形態の走査型キャリアを備える機器。
【0072】(2) 上記の第1形態において、上記第
1、第2待機部位のそれぞれには、機能素子を機能させ
るための電気接点と機能素子を位置決めする機構とを備
えた機能素子搭載用キャリッジが備えられ、上記走査型
キャリアは、該機能素子搭載用キャリッジを載置するこ
とで機能素子を搭載することを特徴とする第2形態の走
査型キャリアを備える機器。
【0073】(3) 上記の第2形態において、上記機
能素子搭載用キャリッジは上記案内機構に揺動可能に係
合されており、上記第1、第2待機部位は上記キャリッ
ジの揺動を規制する機構を有し、上記走査型キャリア
は、上記キャリッジの搭載により該キャリッジの揺動を
規制する係合機構を備えていることを特徴とする第3形
態の走査型キャリアを備える機器。
【0074】(4) 上記の第3形態において、上記機
能素子搭載用キャリッジは、走査方向に対して垂直な方
向の該キャリッジの投影空間内に上記走査型キャリアの
駆動力の受け部が介入するように上記走査型キャリアと
の係合を受けることを特徴とする第4形態の走査型キャ
リアを備える機器。
【0075】(5) 上記第4形態において、上記機能
素子搭載用キャリッジは、上記走査型キャリアによる牽
引/離脱用の係合を受ける前に、走査型キャリアとの相
対位置関係を規制する規制係合を行うことを特徴とする
第5形態の走査型キャリアを備える機器。
【0076】(6) 上記第1形態において、上記走査
型キャリアは、搭載した機能素子を機能させるための電
気接点と機能素子を位置決めする機構とを備えているこ
とを特徴とする第6形態の走査型キャリアを備える機
器。
【0077】(7) 駆動力を受けて走査を行う走査型
キャリアと、該走査型キャリアを走査可能にする案内機
構と、を有する走査型キャリアを備える機器において、
走査方向に関して、一端部側にて機能素子を搭載して保
持でき上記案内機構に揺動可能に係合される機能素子搭
載用キャリッジと、この揺動を規制する機構と、を備え
た第1待機部位を有し、上記案内機構は、上記走査型キ
ャリアを該第1待機部位と機能素子が作用を行う情報処
理領域とで走査可能にし、上記走査型キャリアは、該第
1待機部位にある機能素子を一体的に搭載して、この揺
動を規制する係合機構を備えていることを特徴とする第
7形態の走査型キャリアを備える機器。
【0078】(8) 駆動力を受けて走査を行う走査型
キャリアと、該走査型キャリアを走査可能にする案内機
構と、を有する走査型キャリアを備える機器において、
走査方向に関して、一端部側にて機能素子を搭載して保
持でき上記案内機構に揺動可能に係合される機能素子搭
載用キャリッジと、この揺動を規制する機構と、を備え
た第1待機部位を有し、上記案内機構は、上記走査型キ
ャリアを該第1待機部位と機能素子が作用を行う情報処
理領域とで走査可能にし、上記走査型キャリアは、該第
1待機部位にある機能素子を一体的に搭載して、この揺
動を規制する係合機構を備え、さらに上記機能素子搭載
用キャリッジは、走査方向に対して垂直な方向の該キャ
リッジの投影空間内に上記走査型キャリアの駆動力の受
け部が介入するように上記走査型キャリアとの係合を受
けることを特徴とする第8形態の走査型キャリアを備え
る機器。
【0079】(9) 駆動力を受けて走査を行う走査型
キャリアと、該走査型キャリアを走査可能にする案内機
構と、を有する走査型キャリアを備える機器において、
走査方向に関して、一端部側にて機能素子を搭載して保
持できる機能素子搭載用キャリッジを備えた第1待機部
位を有し、上記案内機構は、上記走査型キャリアを該第
1待機部位と機能素子が作用を行う情報処理領域とで走
査可能にし、上記走査型キャリアは該第1待機部位にあ
る機能素子を一体的に搭載し、上記機能素子搭載用キャ
リッジは、走査方向に対して垂直な方向の該キャリッジ
の投影空間内に上記走査型キャリアの駆動力の受け部が
介入するように上記走査型キャリアとの係合を受けるこ
とを特徴とする第9形態の走査型キャリアを備える機
器。
【0080】(10) 駆動力を受けて走査を行う走査
型キャリアと、該走査型キャリアを走査可能にする案内
機構と、を有する走査型キャリアを備える機器におい
て、走査方向に関して、一端部側にて機能素子を搭載し
て保持できる機能素子搭載用キャリッジを備えた第1待
機部位を有し、上記案内機構は、上記走査型キャリアを
該第1待機部位と機能素子が作用を行う情報処理領域と
で走査可能にし、上記走査型キャリアは該第1待機部位
にある機能素子を一体的に搭載し、上記機能素子搭載用
キャリッジは、上記走査型キャリアによる牽引/離脱用
の係合を受ける前に、走査型キャリアとの相対位置関係
を規制する規制係合を行うことを特徴とする第10形態
の走査型キャリアを備える機器。
【0081】(11) 走査型キャリアと、該走査型キ
ャリアを走査可能にする案内機構と、を有する走査型キ
ャリアを備える機器において、走査方向に関して、一端
部側にインクジェットヘッドを搭載可能な第1待機位置
と、他端部側にインクジェットヘッドを搭載可能な第2
待機位置と、該第1待機位置のインクジェットヘッドに
作用してキャッピングを行うキャップ機構と、該第2待
機位置のインクジェットヘッドに作用してキャッピング
を行うキャップ機構と、を有し、上記案内機構は、上記
走査型キャリアを該第1待機位置と該第2待機位置との
間を移動可能にすると共に、上記走査型キャリアを該第
1待機位置あるいは該第2待機位置いずれかにあるイン
クジェットヘッドと一体的に移動可能にすることを特徴
とする第11形態の走査型キャリアを備える機器。
【0082】(12) 走査型キャリアと、該走査型キ
ャリアを走査可能にする案内機構と、を有する走査型キ
ャリアを備える機器において、走査方向に関して、一端
部側にインクジェットヘッドを搭載可能なキャリッジ専
用の第1待機位置と、他端部側にインクジェットヘッド
とは異なる機能素子を搭載可能なキャリッジ専用の第2
待機位置と、を有し、上記案内機構は、上記走査型キャ
リアを該第1待機位置と該第2待機位置との間を移動可
能にすると共に、上記走査型キャリアを該第1待機位置
あるいは該第2待機位置いずれかにあるキャリッジと一
体的に移動可能にすることを特徴とする第12形態の走
査型キャリアを備える機器。
【0083】(13) 走査型キャリアと、該キャリア
走査方向に関して、一端部側に第1機能素子を搭載可能
な第1待機位置と、他端部側に第2機能素子を搭載可能
な第2待機位置と、上記走査型キャリアを該第1待機位
置と該第2待機位置との間で走査可能にする案内機構
と、該第1待機位置あるいは該第2待機位置いずれかに
ある機能素子を機器の操作モードあるいは機能素子駆動
信号に応じて選択して上記走査型キャリアと一体的化す
るための選択手段と、を有することを特徴とする第13
形態の走査型キャリアを備える機器。
【0084】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0085】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0086】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0087】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0088】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0089】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0090】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0091】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0092】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載のインクジェッ
トプリント装置は、キャリアとキャリッジを結合・分離
可能とし、さらに、キャリアの移動に連動して、押圧部
がポンプ手段の可撓性部材を押圧することによってイン
ク排出のためのポンピング動作をする構成であるから、
キャリッジから分離させたキャリアを移動させることに
より、インクジェットヘッドを所定の位置でポンプ手段
に結合させたまま、インク排出のためのポンピング動作
が可能になり、よってキャリアの駆動源を用いて、ポン
プ手段を駆動することができる。
【0093】また、本発明の請求項1および2に記載の
インクジェットプリント装置は、押圧部をキャリアの移
動方向に応じて移動させ、その移動によって、所定のタ
イミングでポンプ手段を作動させる構成であるから、キ
ャリアの駆動源を用いて、キャリアの駆動と、ポンプ手
段の駆動を任意のタイミングで行うことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施例を示す全体の斜視図であ
る。
【図2】図1に示すブラックインク用キャリッジの斜視
図である。
【図3】図1に示すカラーインク用キャリッジの斜視図
である。
【図4】図1に示すブラックインク用キャリッジとキャ
リアと結合動作を説明するための要部の正面図である。
【図5】本発明の第1の実施例の動作を説明するための
フローチャートである。
【図6】図1に示すブラックインク用キャリッジとキャ
リアとの結合状態を説明するための正面図である。
【図7】図1に示したキャップに接続されるチューブの
配置状態を説明するための要部の斜視図である。
【図8】図7に示すコロの配備状態を説明するための要
部の正面図である。
【図9】図7に示すコロがポンピング動作していない状
態における要部の正面図である。
【図10】図7に示すコロがポンピングを開始する状態
における要部の正面図である。
【図11】本発明の第2の実施例を示す要部の斜視図で
ある。
【図12】図11に示す選択子の一動作状態を説明する
ための平面図である。
【図13】図11に示す選択子の他の動作状態を説明す
るための平面図である。
【図14】図11に示す選択子のさらに他の動作状態を
説明するための平面図である。
【図15】本発明の第3の実施例を示す要部の斜視図で
ある。
【符号の説明】
3 プラテンローラ 9 記録用紙 11 ガイド軸 12 ブラックインク用キャリッジ 13 ブラックインクカートリッジ 38 カラーインク用キャリッジ 44 カラーインクカートリッジ 62 グリッパ 75 ブラックグリッパ 76 カラーグリッパ 77 キャップ 78 走査子 101 コロ 103,104 チューブ 105 カム

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットヘッドのインク吐出口か
    ら記録媒体にインクを吐出して該記録媒体に記録を行う
    インクジェットプリント装置において、 前記インクジェットヘッドを保持するキャリッジと、 前記キャリッジと結合・分離が可能であって、前記キャ
    リッジを前記記録媒体に沿って移動させるためのキャリ
    アと、 前記インク吐出口をキャッピングするためのキャップ手
    段と、 前記キャップ手段内のインクを外へ排出するための可撓
    性部材を前記キャリアの移動領域に沿って延在させたポ
    ンプ手段と、 前記キャリアに設けられ、該キャリアの移動に連動して
    前記可撓性部材を押圧して前記ポンプ手段によるインク
    の排出動作を行わせる押圧部とを有することを特徴とす
    るインクジェットプリント装置。
  2. 【請求項2】 前記押圧部は、第一と第二の位置で保持
    されかつその間で移動可能であり、 前記キャリアの所定方向の移動に連動して前記第一の位
    置にある前記押圧部を前記第二の位置に移動させ、該押
    圧部が前記第二の位置にあるときであって、前記キャリ
    アが前記所定方向に移動する際に該所定方向の移動に連
    動して該押圧部を前記第一の位置に復帰させ、前記押圧
    部が前記第二の位置にあるときであって、前記キャリア
    が前記所定方向と逆方向に移動する際に該逆方向の移動
    に連動して該押圧部を前記可撓性部材に押圧しつつ移動
    させる手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の
    インクジェットプリント装置。
  3. 【請求項3】 前記押圧部は、第一と第二の位置で安定
    しかつ第一、第二の位置から外れた場合に第一と第二の
    近い方の位置に復帰するよう付勢され、 前記キャリアの所定方向の移動に連動して前記第一の位
    置にある前記押圧部を前記第二の位置に移動させ、該押
    圧部が前記第二の位置にあるときであって、前記キャリ
    アが前記所定方向に移動する際に該所定方向の移動に連
    動して該押圧部を前記第一の位置に復帰させ、前記押圧
    部が前記第二の位置にあるときであって、前記キャリア
    が前記所定方向と逆方向に移動する際に該逆方向の移動
    に連動して該押圧部を前記付勢力に抗して第一の位置か
    ら遠ざかる第三の位置に移動させるカム手段を設け、 前記ポンプ手段は、前記押圧部が前記第三の位置にある
    ときの移動に連動してポンピングすることを特徴とする
    請求項1に記載のインクジェットプリント装置。
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