JP3112133B2 - 活性炭再生式浄水器 - Google Patents

活性炭再生式浄水器

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JP3112133B2
JP3112133B2 JP05153031A JP15303193A JP3112133B2 JP 3112133 B2 JP3112133 B2 JP 3112133B2 JP 05153031 A JP05153031 A JP 05153031A JP 15303193 A JP15303193 A JP 15303193A JP 3112133 B2 JP3112133 B2 JP 3112133B2
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container
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和幸 榎本
茂 安藤
秀峰 宮原
利典 大倉
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東陶機器株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は、活性炭を随時加熱する
ことにより活性炭を再生し、長期間にわたって浄化能力
を維持するようになった浄水器に関する。
【0002】
【従来の技術】水道水を活性炭に接触させることによ
り、水道水中に溶存するカルキ臭成分(次亜塩素酸イオ
ン若しくは次亜塩素酸の形の残留塩素)や人体に有害な
有機塩素化合物(トリハロメタンなど)や黴くさい臭気
物質(2メチルイソボルネオールやジオスミン)を活性
炭に吸着させ、水道水から除去するようになった浄水器
は知られている。
【0003】活性炭により残留塩素を吸着除去すると、
浄水器の非使用時には、活性炭にバクテリアが繁殖し、
衛生的でない。また、使用に伴い活性炭の細孔は吸着さ
れた物質で充たされ、活性炭の吸着性能が低下するの
で、高価な活性炭カートリッジを定期的に交換しなけれ
ばならず、浄水器のランニングコストが嵩む。
【0004】そこで、特公昭51-23817号には、電気ヒー
ターを備え、加熱により活性炭を滅菌すると共に再生す
るようになった浄水器が提案されている。ヒーターに通
電すると、浄水器内の水は加熱されて水蒸気となり、活
性炭が滅菌される。同時に、活性炭に吸着された物質は
水蒸気の作用により脱着され、活性炭が再生される。斯
る活性炭再生式の浄水器は、長期間にわたって活性炭の
浄化能力を維持することができ、高価な活性炭カートリ
ッジの交換に伴うランニングコストを低減できるという
利点がある。特公昭51-23817号では、活性炭として粒状
活性炭を使用することが提案されている。
【0005】従来技術においては、更に、アクリル系や
フェノール系等の繊維を炭化し活性化(賦活)すること
により製造される活性炭素繊維が知られている。斯る活
性炭素繊維は、粒状活性炭に比べて吸着速度と脱着速度
が速いので、加熱再生式の浄水器に使用するのに適して
いると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、活性炭素繊維
の問題点は、直径5〜20μmの非常に細い炭素繊維か
らなるので、極めて焼損し易く或いは熱劣化し易いとい
うことである。過大な温度に加熱にすると、活性炭素繊
維は容易に焼損すると共に、熱劣化する。また、長期間
の使用中には、活性炭素繊維には水道水との接触により
無機塩類が付着するが、無機塩類が付着した活性炭素繊
維は特に熱劣化し易い。熱劣化した非常に細い活性炭素
繊維はボロボロに砕け、水流に同伴して黒色の懸濁液と
なって浄水器から流出する。
【0007】また、再生のために活性炭を加熱すると、
活性炭容器内の液相と活性炭との吸着平衡関係がくず
れ、通水浄化中に吸着した水道水中の不要物質(例え
ば、トリハロメタンのような発癌性物質や、2メチルイ
ソボルネオールのような発臭物質)が液相中に脱着され
て来る。この再生時の液相中には不要物質が濃縮されて
おり、不要物質の濃度は本来水道水中に含まれている物
質の濃度よりも高くなっているので、再生中に使用者が
誤って浄水器を使用し、浄水器の水を飲用に供した場合
には、有害であり、或いは使用者に不快感を与える。
【0008】本発明の目的は、活性炭素繊維を使用した
活性炭再生式の浄水器において、活性炭素繊維の熱劣化
や焼損を防止し、活性炭素繊維の寿命を延長させること
にある。
【0009】本発明の他の目的は、活性炭再生中に誤っ
て浄水器を使用するのを防止し、高濃度の不要物質を含
む水を流出させるのを防止することにある。
【0010】
【発明の構成】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の浄水
器は、活性炭素繊維を収容した活性炭容器と、この活性
炭容器を加熱する電気ヒーターと、活性炭容器の温度を
検出する温度検出手段と、電気ヒーターへの通電を制御
する制御手段とを備えている。制御手段は、予め設定さ
れた時刻に前記電気ヒーターへの通電を開始するように
構成することができる。ヒーターへの通電により、活性
炭容器は加熱され、容器内の滞留水は沸騰し始め、活性
炭素繊維に吸着された物質は脱着せられ、活性炭素繊維
は再生される。通電開始後、制御手段は温度検出手段の
出力を監視しており、活性炭容器の温度が水の沸点より
高い設定値、例えば120℃、を超えた時にヒーターへ
の通電を終了させる。
【0011】好ましくは、温度検出手段は活性炭容器の
底部に接触させてあり、容器底部の温度を検出するよう
になっている。容器内の滞留水が完全に蒸発し、活性炭
素繊維が乾燥すると、活性炭容器の底部の温度は水の沸
点よりかなり高くなる。容器底部の温度が120℃を超
えた時にヒーターへの通電を終了させることにより、滞
留水の蒸発乾涸とほぼ同時に加熱を終了させることがで
きる。このように、容器底部の温度が120℃を超えた
時にヒーターへの通電を終了させることにより、活性炭
素繊維の過熱が防止され、活性炭素繊維の熱劣化や焼損
を防止することができる。
【0012】好ましい実施態様においては、本発明の浄
水器は、更に、浄水器の使用許可又は使用禁止を表示す
る表示手段を備えている。制御手段は、ヒーターへの通
電終了後、活性炭容器が水の沸点以下の所定温度、例え
ば40℃以下の温度に冷却するのを待って、表示手段に
使用許可を表示させ、或いは、使用禁止表示を解除す
る。このようにすれば、高温の活性炭素繊維に通水する
ことにより起こるヒートショックを防止し、活性炭素繊
維の寿命を一層延長させることができる。また、活性炭
再生中には使用禁止表示がされるので、誤って高温の活
性炭に通水することにより高濃度の不要物質を含む水が
流出されるのが防止される。
【0013】本発明の他の特徴は、以下の実施例の記載
につれて明らかにする。
【0014】
【実施例】添付図面を参照しながら本発明の浄水器の好
適な実施例を説明する。初めに図1に基づいて本発明の
浄水器の使用例を説明するに、この浄水器10は例えば
流し12を備えた台所カウンター14上に載置して使用
することができる。その場合、流しの既存の任意の水栓
(図示した使用例では、シングルレバー型の湯水混合
栓)16のスパウト18に切換え弁機構を内蔵した蛇口
アダプタ20を取付け、このアダプタ20を上水供給ホ
ース22と浄水吐出ホース24により浄水器10に接続
することができる。アダプタ20のハンドル26を所定
位置に回すと、水栓16からの上水は上水供給ホース2
2により浄水器10に送られ、浄水器で浄化された水は
浄水吐出ホース24からアダプタ20に送られ、その出
口28から吐出される。残留塩素や有害物質や臭気物質
が除去された浄水は飲料水として或いは料理用に使用す
ることができる。ハンドル26を他の位置に回すと、水
栓16からの未処理の上水(又は湯水混合物)は浄水器
を経由することなくアダプタ20の出口28からそのま
ゝ吐出され、野菜や食器の洗浄などの用途に供すること
ができる。図示した使用例では、シングルレバー型湯水
混合栓16には給湯パイプ16Aを介して給湯機(図示
せず)からの湯が供給され、水道管(同じく図示せず)
に接続された給水パイプ16Bから上水が供給されるよ
うになっている。
【0015】次に図2から図5を参照するに、この浄水
器10は、プラスチック製のハウジング30と、このハ
ウジング30にスナップ嵌めされたキャップ32を有す
る。ハウジング30に一体形成された下向きに延長する
例えば6本の脚部34には底板36がねじ38によって
固定してあり、この底板36にねじ止めされた例えば4
個のゴム脚40により浄水器10の荷重は支持される。
【0016】概略的に述べれば、図示した実施例では、
この浄水器10は、水道水中に浮遊する赤錆や微生物な
どの粒子成分を濾過作用により除去するための濾過段4
2と、水道水中に溶存する残留塩素やトリハロメタンや
臭気物質のような有害な或いは不本意な物質を活性炭素
繊維の吸着作用により除去するための吸着段44からな
り、吸着段44の活性炭は加熱手段としての電気ヒータ
ーにより随時加熱され、煮沸滅菌されると共に再生され
るようになっている。濾過段42は吸着段44の活性炭
への粒子成分の負荷を軽減するためのもので、本発明の
目的を達成する上では不可欠ではなく、省略することが
できる。
【0017】より詳しくは、濾過段42は複数のねじ4
6によってハウジング30の水平壁48に液密に固定さ
れた逆コップ形のフィルターケース50を有し、このフ
ィルターケース50内には従来型の中空糸膜フィルター
・モジュール52がキャップ54によって位置決めされ
ている。ハウジング水平壁48とこのキャップ54との
間には半径方向分配通路56が確保してあり、この通路
56はハウジング水平壁48に一体形成された下向きに
延長する入口管58に連通している。この入口管58に
は上水供給ホース22が接続されたホース継手60が固
定してあり、上水供給ホース22から入来する上水が分
配通路56内に流入するようになっている。入口管58
には従来型の逆止弁62が配置してあり、中空糸膜フィ
ルター・モジュール52から上水供給ホース22へと上
水が逆流しないようになっている。半径方向分配通路5
6内に流入した上水は、キャップ54の外周に形成され
た星型突起64間の隙間を経て、フィルターケース50
内周と中空糸膜フィルター・モジュール52外周との間
の環状分配通路66に流入し、中空糸膜フィルター・モ
ジュール52の開口68からモジュール52内に入り、
中空糸膜フィルターによって濾過される。濾過された上
水は、キャップ54に形成された出口70から流出す
る。通常の水質条件下で約7年間にわたり交換すること
なく使用することができるようにするため、中空糸膜フ
ィルター・モジュール52は好ましくは約2m2の膜面
積を有する。中空糸膜フィルター・モジュール52に代
えて、他の形式のフィルターを使用してもよい。
【0018】図2および図5からよく分かるように、ハ
ウジング30の水平壁48には、樋形の通路形成部材7
2が液密に固定してあり、水平壁48と協動して上水通
路74を形成している。この通路形成部材72にはドレ
ーンプラグ76が螺合してあり、浄水器10の搬送など
に当りプラグ76を外すことにより通路74の水抜きが
できるようになっている。上水通路74はハウジング3
0と一体形成された上水供給ライザー78に連通してお
り、濾過段42によって濾過された上水はこのライザー
78を介して後段の吸着段44に送られるようになって
いる。図2および図4からよく分かるように、この上水
供給ライザー78は浄水器10の垂直中央面に関して片
側にオフセットしてあり、他方の側には同様にハウジン
グ30と一体形成された浄水吐出ライザー80が配置し
てある。この浄水吐出ライザー80は後述するように吸
着段44の吸着作用によって浄化された浄水を浄水吐出
ホース24に送るためのもので、このライザー80には
ホース継手82が接続してあり、この継手82に浄水吐
出ホース24が装着してある。
【0019】図6および図7を参照するに、吸着段44
は活性炭素繊維が充填された活性炭カートリッジの形の
活性炭容器84を有する。この活性炭カートリッジ84
はステンレス鋼板製の金属缶86からなる。この金属缶
86は、ステンレス鋼板を深絞り成形してなる有底円筒
形の胴体88とステンレス鋼板製の円環形の蓋90から
なり、両者は周縁92に沿って液密に巻締めてある。金
属缶86の耐食性を向上させるため、胴体88と蓋90
の内周面にはテフロン(デュポン社ポリテトラフルオロ
エチレンの登録商標)がコーティングしてある。蓋90
には円弧状の複数の上水入口開口94が打ち抜きにより
形成してあり、ライザー78を介して濾過段42から送
られた水がカートリッジ84内に流入するようになって
いる。カートリッジ84の中央にはステンレス製の多孔
円筒96が配置してあり、この円筒96の周りには活性
炭素繊維98がバインダーを用いて成型してある。バイ
ンダー成型の代わりに、活性炭素繊維98の不織布をぐ
るぐると巻き付けて適宜拘束してもよい。さらに、活性
炭素繊維に代えて、粒状活性炭や球状活性炭を使用して
もよい。活性炭素繊維層98と胴体88との間には上水
入口94に連通する環状の分配通路100が形成してあ
り、上水入口94からカートリッジ84内に流入した上
水が多孔円筒96に向かって半径方向内側に活性炭素繊
維層98を通過するようになっている。活性炭素繊維層
98を通過する際、水中に溶存する塩素やトリハロメタ
ンや発臭物質は活性炭素繊維に吸着され、除去される。
活性炭素繊維98によって浄化された浄水は多孔円筒9
6内に回収され、カートリッジ84の出口102に送ら
れる。環状分配通路100と多孔円筒96との間で流れ
のショートパスが起こるのを防止するため、活性炭素繊
維充填後、金属缶86の胴体88および蓋90には環状
のV溝型エンボス部104をプレス成形し、これらのエ
ンボス部104を活性炭素繊維層の上下端面に食い込ま
せるのが好ましい。
【0020】図2および図8に示したように、活性炭カ
ートリッジ84はハウジング30の水平壁106に座金
108を介して支持され、マニホールド・アッセンブリ
110によって閉鎖されている。このマニホールド・ア
ッセンブリ110は、上部材112と下部材114に分
割されており、両者は互いに液密に固定されている。下
部材114はライザー78および80の上端に液密に嵌
合されていると共に、それらに支持されている。例えば
7本のねじ116(図4)を用いてハウジング30の水
平壁106に上部材112と下部材114を共締めする
ことにより、マニホールド・アッセンブリ110はハウ
ジング30に固定される。
【0021】図8は図4のVIII−VIII線に沿った断面図
で、図8と図4を参照するに、マニホールド・アッセン
ブリ110の上部材112には細長い膨出部118が形
成してあり、下部材114と協動して上水通路120を
形成している。図8からよく分かるように、この通路1
20は一方においてライザー78に連通していると共
に、他方において下部材114に形成された入口ポート
122に連通している。この入口ポート122は下部材
114とカートリッジ84の蓋90との間に形成された
空間124に開口している。従って、濾過段42の中空
糸膜フィルター・モジュール52によって濾過された上
水は、通路74、ライザー78、通路120、ポート1
22、空間124、金属缶86の上水入口94を介して
環状分配通路100に流入する。
【0022】図2および図4に示したように、マニホー
ルド・アッセンブリ110の上部材112には更に他の
膨出部126が形成してある。この膨出部126には感
温切換え弁128が組み込んであり、従ってこの膨出部
126は感温切換え弁128のハウジングを兼ねてい
る。この膨出部126は、また、マニホールド・アッセ
ンブリ110の下部材114と協動して浄水吐出通路1
30を形成しており、この浄水吐出通路130はライザ
ー80に連通している。
【0023】感温切換え弁128は図9に示したような
感温素子132を有する。この感温素子132は従来型
のもので、熱膨脹性ワックス(図示せず)を収容した本
体133と、2つの弁頭部134および136と、例え
ば3つの摺動ガイド部138と、スピンドル140を有
し、雰囲気温度の上昇に伴いスピンドル140が本体1
33から次第に突出するようになっている。この感温素
子132は図2に示したようにばね受けに作用する復帰
ばね142を介して膨出部126の段付ボアに嵌合さ
れ、そのスピンドル140は膨出部126にねじ止めさ
れたキャップ144に当接させてある。従って、本体1
33と2つの弁頭部134および136との組立体は低
温時には復帰ばね142によって図2において右方に付
勢されているが、温度上昇に伴いスピンドル140が本
体133から突出するにつれてこの組立体は図2におい
て左方に変位する。熱膨脹性ワックスを使用した感温切
換え弁128に代えて、形状記憶合金を使用した感温切
換え弁を用いてもよい。
【0024】マニホールド・アッセンブリ110の上部
材112には活性炭カートリッジ84の出口102に整
列した入口ポート146が形成してあり、活性炭カート
リッジ84から流出する流体に感温素子132が接触す
るようになっている。感温切換え弁128は、流体温度
が50℃以下の時には図2に示したように第1弁頭部1
34により弁座148が閉鎖されると共に第2弁頭部1
36が弁座150を開放し、流体温度が50℃を超える
とスピンドル140の突出に伴い弁座148が開放され
ると共に弁座150が閉鎖されるように設定することが
できる。図4からよく分かるように、感温切換え弁12
8のキャップ144には、スピンドル140から側方に
オフセットした位置において、熱水蒸気排出管152が
形成してあり、この熱水蒸気排出管152は弁座148
(図2)に連通している。図4に示したように、この熱
水蒸気排出管152にはドレーンホース154の一端を
接続することができる。このドレーンホース154はハ
ウジング30の水平壁の開口156を経てライザー80
に沿って下方に延長させ、その他端は図1に示したよう
に流し12まで延長させることができる。
【0025】再び図7を参照するに、活性炭カートリッ
ジ84の缶胴体88の底部には電気ヒーター158が配
置してあり、このヒーターに通電したときに活性炭カー
トリッジ84が底から加熱されるようになっている。ヒ
ーター158としては、ニクロム線を雲母箔で挟んだマ
イカヒーターや、シーズヒータを使用することができ
る。ヒーター158から缶胴体88への熱伝達を向上さ
せるため、ヒーター158と缶胴体88底部との間には
熱伝導性の良いアルミニューム板160を挟持するのが
好ましい。ヒーター158とアルミニューム伝熱板16
0とは、缶胴体88に溶接されたボルト162とナット
164により、アルミニューム放熱板166と共に缶胴
体88に締結されている。
【0026】図7からよく分かるように、缶胴体88の
中央部168は上げ底になっており、この中央上げ底部
168にはその温度検出するためのサーミスタ170が
伝熱関係で接触させてある。サーミスタ170はコイル
ばね172を介して放熱板166に支持されたサーミス
タホルダー174に支持されており、中央上げ底部16
8に弾力接触されている。アルミニューム放熱板166
には、また、クリップにより温度ヒューズ176が伝熱
関係で保持されている。
【0027】再び図2を参照するに、浄水器10のキャ
ップ32の裏には、回路基板178がねじ止めしてあ
り、この回路基板に制御回路180が固定してある。制
御回路180をヒーター158の熱から保護するため、
キャップ32には熱遮蔽板182が装着してある。制御
回路180には電源コード184から交流電力が供給さ
れる。図2に示したように、回路基板178には操作・
表示パネル186が設けてある。
【0028】図10に示したように、サーミスタ170
の出力はリード線188により制御回路180に入力さ
れ、制御回路180は操作・表示パネル186の液晶表
示パネル190とスイッチ192および194に接続す
ることができる。図示した実施例では、制御回路180
はプログラムされたマイクロプロセッサ196を備え、
このマイクロプロセッサ196はソリッド・ステート・
リレー(SSR)198を介してヒーター158への通
電を制御するようになっている。電源回路200の交流
出力は、SSR198、温度ヒューズ176を介して電
気ヒーター158に供給される。
【0029】マイクロプロセッサ196は、予め設定さ
れた所定時刻(好ましくは、深夜の所定時刻)が到来す
ると毎日自動的にヒーター158に通電するようにプロ
グラムすることができる。この時刻は、再生時刻設定ス
イッチ192を押すことにより、例えば1時間単位でイ
ンクレメントすることができる。また、使用者が手動再
生スイッチ194を押した時にもヒーター158に通電
されるようにプログラムすることができる。マイクロプ
ロセッサ196は、ヒーター158への通電開始後はサ
ーミスタ170の出力を監視することによりカートリッ
ジ84の中央上げ底部168の温度を監視し、この温度
に応じてSSR198と液晶表示パネル190を後述す
るように制御する。
【0030】次に、図11のフローチャートを併せ参照
しながらこの浄水器10の作動について説明するに、浄
水供給時には、アダプタ20のハンドル26を浄水器1
0側に回して水栓16を開けると、前述したように、上
水は濾過段42の中空糸膜モジュール52により濾過さ
れ、次いで吸着段44に送られて活性炭素繊維98によ
り吸着浄化され、多孔円筒96内に回収された浄水は活
性炭カートリッジ84の出口102から流出する。前述
したように、感温切換え弁128は出口102から流出
する流体温度が50℃以下の時には出口102を浄水吐
出通路130に接続するように設定されているので、多
孔円筒96内に回収された浄水は浄水吐出通路130か
らライザー80を介して浄水吐出ホース24に送られて
アダプター20の出口28から吐出され、飲用などに供
される。
【0031】活性炭の再生は、所定時刻が到来すると毎
日自動的に行われ、使用者が手動再生スイッチ194を
押した時にはその都度行われる。所定時刻が到来するか
手動再生スイッチ194が押されると、マイクロプロセ
ッサ196はSSR198を励磁し、ヒーター158へ
の通電を開始させる。同時に、液晶表示パネル190に
は“再生中”または“準備中”などの使用禁止表示がな
され、使用者が誤って浄水器を使用するのを防止する。
【0032】ヒーター158に通電が行われると、活性
炭カートリッジ84の底部は加熱され、活性炭カートリ
ッジ84内に滞留する水は熱水となり、やがて沸騰し始
める。中空糸膜フィルター・モジュール52の入口には
逆止弁62が設けてあるので、活性炭カートリッジ84
内に発生した熱水と水蒸気は、中空糸膜フィルター・モ
ジュール52の方へ逆流することなく、活性炭カートリ
ッジ84の出口102から感温切換え弁128に向かっ
て上昇し、感温素子132に接触する。感温素子132
が50℃以上に加熱されると、弁頭部134と136は
図2において左方に移動し、自動的に浄水吐出通路13
0を閉鎖すると共に、カートリッジ出口102および入
口ポート146を熱水蒸気排出管152に接続するの
で、活性炭カートリッジ84内に発生した熱水と水蒸気
はドレーンホース154を介して流し12に排出され
る。
【0033】活性炭カートリッジ84内に滞留する水が
沸騰するに伴い、活性炭素繊維98は煮沸滅菌されると
共に、活性炭素繊維に吸着された塩素や、沸点が水の沸
点より低いトリハロメタンは熱水と水蒸気の作用により
容易に脱着され、活性炭素繊維が再生される。沸点が水
の沸点より高い2メチルイソボルネオールやジオスミン
のような臭気物質は水蒸気によっては脱着し難い。従っ
て、活性炭素繊維98としては、臭気物質に対する吸着
容量に優れた中心細孔直径2.7nm前後の活性炭素繊
維を使用するのが好ましい。このような活性炭素繊維を
約70g充填すれば、通常の水質条件下で約7年の長期
間にわたり活性炭素繊維カートリッジ84を交換するこ
となく高度の浄化を行うことができる。
【0034】ヒーター158への通電は、サーミスタ1
70により検出されるカートリッジ84の中央上げ底部
168の温度が120℃を超えるまで継続される。カー
トリッジ84内の滞留水が蒸発するにつれて滞留水の水
位が下がるが、カートリッジ84の中央底部168は上
げ底になっているので、蒸発と水位低下に伴い先ずこの
中央上げ底部168が滞留水から露出し、他の部分より
早く温度が上昇する。このため、サーミスタ170によ
り検出される中央上げ底部168の温度が120℃にな
った時でも、カートリッジ84の底部には少量の滞留水
が残留している。従って、上げ底部168の温度が12
0℃になった時にヒーターへの通電を終了させることに
より、活性炭素繊維の過熱を防止し、活性炭素繊維の焼
損と熱劣化を防止することができる。
【0035】活性炭カートリッジ84の中央上げ底部1
68の温度が120℃を超えると、制御回路180はヒ
ーター158への通電を終了させる。カートリッジ84
が放熱により冷却され、感温切換え弁128の雰囲気温
度が50℃以下になると、感温切換え弁128は自動的
にカートリッジ84の出口102を浄水吐出通路130
に接続し、使用時に備える。カートリッジ84が更に放
熱冷却し、サーミスタ170の出力により底部168の
温度が40℃に低下したことが検出されると、マイクロ
プロセッサ196は液晶表示パネル190に“使用可
能”又は“READY”と表示させ、浄水器が使用可能な状
態にあることを使用者に知らせる。このようにして、活
性炭素繊維98が十分に冷却した後に通水が行われるの
で、高温の活性炭素繊維に通水することにより起こるヒ
ートショックを防止し、活性炭素繊維の寿命を一層延長
させることができる。また、高温時に活性炭素繊維に通
水すると、吸着成分の脱着が起こるが、このようにすれ
ば活性炭素繊維が十分に冷却した後に通水が行われるの
でそのおそれもない。
【0036】図12を参照しながら浄水器の他の実施例
を説明する。第1実施例との相違点は、再生中、および
再生後活性炭カートリッジの温度が40℃に降下するま
での間に、活性炭への通水を遮断するための電磁弁20
2を設けたことである。この電磁弁202は、例えばラ
イザー78に設けることができる。この電磁弁202は
ドライバ回路を介してマイクロプロセッサ196により
制御される。図13のフローチャートに示したように、
電磁弁202は、ヒーターへの通電が開始されると閉じ
られ、活性炭カートリッジの温度が40℃に降下したと
きに再び開らかれる。
【0037】以上には本発明の特定の実施例について説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種
々の設計変更を加えることができる。例えば、図示した
実施例では、制御回路180にはマイクロプロセッサ1
96が使用してあるが、同等の機能を果たすタイマー装
置やサーモスタットを用いてハード結線回路として制御
回路を構成してもよい。また、中空糸膜フィルター・モ
ジュール52は省略することができる。
【0038】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明は、活性炭
素繊維を使用した活性炭再生式浄水器において、電気ヒ
ーター158への通電開始後、活性炭カートリッジ84
の温度が例えば120℃を超えた時にヒーターへの通電
を終了させるようにしたので、活性炭素繊維98の焼損
や熱劣化を防止することができる。従って、活性炭カー
トリッジ84の寿命を延長させることができ、浄水器の
ランニングコストを低減することができる。
【0039】カートリッジ84の底部に上げ底部168
を形成し、この底部の温度をサーミスタ170によって
検出するようにした場合には、滞留水の蒸発乾涸を事前
に検知することができ、活性炭素繊維の焼損や熱劣化を
一層効果的に防止することができる。
【0040】更に、活性炭再生中、および、再生終了後
活性炭カートリッジ84が所定の温度に冷却するまでの
間使用禁止表示を行うようにした場合には、活性炭素繊
維に対するヒートショックを防止することができ、活性
炭カートリッジ84の寿命を一層延長させることができ
と共に、誤った使用を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の浄水器を台所に設置した使用
例を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示した浄水器の断面図で、図4
のII−II線に沿った断面を示すもので、中空糸膜モジュ
ールと活性炭カートリッジの半径方向寸法が忠実になる
ように描写してある。
【図3】図3は、図1に示した浄水器の分解斜視図であ
る。
【図4】図4は、図1に示した浄水器の平面図で、キャ
ップを外した所を示す。
【図5】図5は、図1に示した浄水器の底面図で、底板
と活性炭カートリッジを取り外したところを示す。
【図6】図6は、図1に示した浄水器の活性炭カートリ
ッジの平面図である。
【図7】図7は、図1に示した浄水器の活性炭カートリ
ッジの断面図である。
【図8】図8は、図4のVIII−VIII線に沿った断面図で
ある。
【図9】図9は、切換え弁の感温素子組立体の斜視図で
ある。
【図10】図10は、制御回路を示すブロック図であ
る。
【図11】図11は、図10の制御回路の動作を示すフ
ローチャートである。
【図12】図12は、制御回路の他の実施例を示すブロ
ック図である。
【図13】図13は、図12の制御回路の動作を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
10: 浄水器 84: 活性炭カートリッジ(活性炭容器) 158: 電気ヒーター(加熱手段) 168: 活性炭カートリッジの上げ底部 170: サーミスタ(温度検出手段) 180: 制御手段 190: 表示手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大倉 利典 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−262984(JP,A) 特開 昭62−53797(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/28 C02F 1/44

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭容器に活性炭素繊維を収容し、前
    記活性炭素繊維に上水を接触させることにより上水を浄
    化し、加熱手段により活性炭容器および/又は容器内の
    上水を随時加熱することにより活性炭素繊維を再生する
    ようになった活性炭再生式の浄水器において、 前記活性炭容器の温度を検出する温度検出手段と、前記
    温度検出手段の出力を監視し前記加熱手段の駆動を制御
    する制御手段とを設け、前記制御手段は、予め設定され
    た時刻に前記加熱手段の駆動を開始し、駆動開始後前記
    活性炭容器の温度が水の沸点より高い設定値を超えた時
    に加熱手段の駆動を終了させることを特徴とする活性炭
    再生式浄水器。
  2. 【請求項2】 前記設定値は120℃である請求項1に
    基づく浄水器。
  3. 【請求項3】 前記温度検出手段は前記活性炭容器の底
    部に接触させてあり、容器底部の温度を検出するように
    なっていることを特徴とする請求項1又は2に基づく浄
    水器。
  4. 【請求項4】 前記活性炭容器の底部の一部は上げ底に
    なっており、前記温度検出手段はこの上げ底部の温度を
    検出することを特徴とする請求項3に基づく浄水器。
  5. 【請求項5】 更に浄水器の使用許可又は使用禁止を表
    示する表示手段を備え、前記制御手段は加熱手段の駆動
    終了後前記活性炭容器が水の沸点以下の所定温度に冷却
    するのを待って前記表示手段に使用許可を表示させるこ
    とを特徴とする請求項1から4のいづれかに基づく浄水
    器。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は加熱手段の駆動終了後活
    性炭容器の温度が40℃以下に低下した後に前記表示手
    段に使用許可を表示させることを特徴とする請求項5に
    基づく浄水器。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は加熱手段の駆動中に前記
    表示手段に使用禁止を表示させることを特徴とする請求
    項5又は6に基づく浄水器。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は加熱手段の駆動中に電磁
    弁を閉弁させて活性炭容器への通水を停止することを特
    徴とする請求項7に基づく浄水器。
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