JP2006314963A - 浄水器 - Google Patents
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Abstract
【課題】
短時間で効率良く安全確実に加熱殺菌でき、かつ簡便でコンパクトで安価な加熱型浄水器を可能にする。
【解決手段】
筒型1の浄水槽が内部で上下に仕切られ、上段に吸着剤8が充填され下段に電気ヒーター10が内蔵されている。浄水時は下段から水道水が注入され上段の吸着剤を通過し浄水される。加熱時はヒーターが水を加熱沸騰させる。上段に吸着剤の層が存在するために、水蒸気が層を形成して水を押し上げるピストンフローが生じ、上段に滞留する水は速やかに押し上げられ外部に排出される。滞留水が排出された後、吸着剤は直接水蒸気に曝され即時に確実に殺菌される。
【選択図】 図1
短時間で効率良く安全確実に加熱殺菌でき、かつ簡便でコンパクトで安価な加熱型浄水器を可能にする。
【解決手段】
筒型1の浄水槽が内部で上下に仕切られ、上段に吸着剤8が充填され下段に電気ヒーター10が内蔵されている。浄水時は下段から水道水が注入され上段の吸着剤を通過し浄水される。加熱時はヒーターが水を加熱沸騰させる。上段に吸着剤の層が存在するために、水蒸気が層を形成して水を押し上げるピストンフローが生じ、上段に滞留する水は速やかに押し上げられ外部に排出される。滞留水が排出された後、吸着剤は直接水蒸気に曝され即時に確実に殺菌される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、吸着式浄水器に関するものである。
浄水器としては逆浸透膜を使う方式、イオン交換を利用する方式等、多種多様なものが開発され実用化されている。周知の通り最も普及率が高いのは、活性炭等の吸着剤によって塩素等の化学物質を吸着する吸着方式である。
吸着方式は簡便で効率も良く、長期間使用できるという利点があるが、吸着剤を収納した浄水槽内(特に吸着剤表面)でバクテリア等の細菌が繁殖しやすいという問題があった。これは、水道水中に含まれる塩素化合物が吸着剤に吸着されることにより殺菌力の無い水に変わることによるものである。
そこで、吸着剤を収納した浄水槽内での菌の発生を抑止する、発生した菌を捕集する、あるいは発生した菌を殺菌する方法が種々考案され実用化されている。
菌の発生を抑止、捕集、殺菌する方法としては概ね5種類の方法が考案されている。第1の方法は吸着剤で浄化された水を中空糸膜等の緻密なフィルターに通すことにより、細菌を捕集する方式であり、今日最も普及率の高いものである。この方式は簡便で効果的であるが、中空糸膜等のフィルターを頻繁に交換しなければならないという不都合が指摘されている。
第2の方法は、吸着剤を収納した浄水槽を常時冷却することによって菌の発生を抑止する方式である。引用特許文献1及び2では、容器の外側にペルチエ素子を装着し常時冷却することにより菌の発生を抑止すると共に、定期的に加熱モードに切り替えて殺菌する方式を考案している。
菌の発生を抑止する方式としては、その他にも吸着剤に銀をまぶす方法や、容器を銅で作る方法等各種の技術が、開発されて一部普及している。
第3の方法は電気的な手段で菌の発生を抑止する方法である。引用特許文献3では活性炭を負極とし、細菌を活性炭から反発させ付着繁殖することを防ぎ、さらに銀を正極とし滞留水中に銀を溶出させ滞留水中の細菌の繁殖を抑制する方法を考案している。
第4の方法は光学的な手段で発生した菌を殺菌する方法である。例えば引用特許文献4では透明浄化水槽外部に装着した紫外線ランプで水槽内部の吸着剤に紫外線を照射することにより吸着剤表面で繁殖した菌を殺菌する方法を考案している。
第5の方法は熱力学的手段で発生した菌を殺菌する方法である。最もポピュラーである「吸着剤+中空糸膜」方式がカートリッシ゛を頻繁に交換しなければならないという不都合があるのに対して、この加熱方式はカートリッジ交換を必要とせず、また化学的物質の溶出をも伴なわないために、安全で安価で確実な方法として注目を集めている。更に加熱方式は多種多様なものが考案されて、一部は商品化されているが、概ね3つの方式に大別される。
加熱方式の第1は浄水槽外側から加熱する方法である。例えば引用特許文献5では、吸着剤を充填した浄水槽の外側に装着した電気ヒーターやIHヒーターを用い浄水槽を介して吸着剤を加熱することによって殺菌する方式を考案している。この外部加熱方式は、外部から容器全体を加熱するために加熱効率が低く加熱に長時間を要すること、加熱ムラが生じ易いこと、装置全体が大きくなること等の不都合がある。
加熱方式第2は外部で作った熱湯又は蒸気を浄水槽に導いて吸着剤を加熱殺菌する方法である。例えば引用特許文献6では、浄水器を備えた給湯器において給湯器で作った熱湯を浄水器に通す方式を考案している。引用特許文献7及び8では電解水生成装置と組み合わせて使う浄水器の上流に蒸気発生装置を設けて、吸着剤に蒸気を通して殺菌する方法を考案している。また引用特許文献9では弁切換により水道水からの水を外部の加熱槽に通して加熱し、この熱湯を浄水槽に導くことにより吸着剤を殺菌する方法を考案している。これらの外部給湯方式は、加熱効率は高く加熱ムラも生じにくいので、前記外部加熱方式の2点の不都合を補っているが、外部に別途熱源を必要とするために、装置全体はさらに過大となり複雑となるために価格も高額になるという不都合が指摘されている。
加熱方式の第3は浄水槽内部にヒーターを投入する方式である。この方式 装置はコンパクトに収まるという利点はあるが、吸着剤とヒーターが接触するために、ヒーター近傍の吸着剤のみが過剰に加熱される等の不都合がある。実用化には至っていない。
以上のように、加熱方式はカートリッジ等の交換を必要とせず、化学物質の溶出をも伴わない安全安価で確実な方式として期待されているが、これまでに考案あるいは開発されたものはいずれも装置が過大複雑高価であり、十分な満足を得るには至っていない。
特開平5−7865 浄水器
特開平8−117739 冷却、加熱浄水器
特開平5−68968 殺菌浄水器
特開平8−281258 浄水方法及び浄水器
特開2002−96061 浄水器の加熱殺菌装置
特開平6−241564 浄水器を備えた給湯装置
特開平8−89968 蒸気殺菌洗浄機能を備えた連続式電解水生成装置
特開平8□290159 連続式電解整水装置の殺菌・洗浄方法 その装置及び浄水器
特開平10□328652 浄水装置
本発明は上記背景に鑑みためされたもので、その解決しようとする課題は短時間で効率良く安全確実に加熱殺菌でき、かつ簡便コンパクトで安価な加熱式浄水器を可能にする手段を見出すことにある。
本発明では、筒型の浄水槽が内部で上下に仕切られており、上段には吸着剤が充填され下段には、電気ヒーターが内臓されている。通常の浄水時には下段から注入された水道水は上段の吸着剤を通過し浄化されて上端より給水される。加熱時には下段に内蔵されたヒーターが通電され、下段にある水を加熱沸騰させる。上段に吸着剤の層が存在するために、通常の沸騰のように水蒸気が気泡となって抜けることはなく、水蒸気が層を形成して水を下から押し上げる。所謂ピストンフローが生じる。周知の通り、水が水蒸気に変わることによって、その体積は3桁以上大きくなる。そのために下段の少量の水を沸騰させることにより、上段に滞留する水はあたかもピストンが上昇するがのごとく速やかに押し上げられて外部に排出される。滞留水が排出された後、吸着剤は、直接水蒸気に曝されることになり即時に確実に殺菌されることになる。加熱ムラも生じない。
下段の容積も上段の容積の数分の1以下でよく、特別な配管や弁構造を必要としないために簡便かつコンパクトで安価な構造を実現できる。
本発明は短時間で効率良く、安全確実に加熱殺菌でき、浄水性能も良く吸着剤による圧力損失もほとんど無く大流量かつ簡便 コンパクトで安価な加熱式浄水器を実現する手段を初めて見出した。
最良の実施形態を図1を参照しながら説明する。円筒1は耐熱強化ガラスで作られる。ステンレスあるいは耐熱プラスチックあるいは一般にはガラス等でも可能であるが100℃の熱に長期間耐えられる事、腐食しないこと、溶出物が無いこと等の理由により耐熱強化ガラス製円筒が最も好ましい。
上部円板2及び下部円板3は金属またはプラスチックで作られるが、耐熱性、耐久性、非溶出性の点でステンレスで作るのが最も好ましい。
上部ネット4と下部ネット6は、用いられる吸着剤の粒径との兼ね合いで決められる。即ち吸着剤が露出しないようにするために吸着剤粒子よりも細かい目のネットを用いるが、水の抵抗を招かないようにするために過剰には細かい目にしない材質としてはステンレスのネットが最良であるが、不織布あるいはフェルトでも可能である。
上部ネット支持金具5と下部ネット支持金具7とはステンレスで作るのが最良である。また、ネット支持金具は多数の小孔を有する円板状にする方法が水の流れを均一化する上で好ましい。上下部円板と上下部ネット支持金具とは、図1に示すように1本の連結金具9で連結する方式が簡便で最良であるが、円筒を金属で作り、円筒と溶接あるいはネジ止め等の手段で連結する方法も可能である。上下部円板と円筒とで水密性容器を構成する必要があるが、水密性を実現する方法としては図1に示すように、上下部円板がOリング及びシールリングを介して円筒を挟み込み連結金具によって円筒を締め付ける方法が確実・簡便・安価であって最良である。
上下部ネット支持金具はネットを支持すると共に上下ネット間に充填された吸着剤の漏出を防ぐ目的をも兼ねる。上下部ネット支持金具と円筒との漏出を防ぐ方法としては図1に示す如くOリングを用いる方法が最良である。
吸着剤としては粒径の小さい活性炭が性能価格耐久性の点で最良であるが、繊維状活性炭や、粒状ゼオライト等でも構わない。吸着剤は上下部ネット間に隙間無く詰め込むことが浄水性能を高める上で好ましい。
ヒーターは水中に投入されるために防水性のもので無ければならない。最良の形態は図4に示す如き馬蹄形状のステンレス製シーズヒーターである。ヒーターは図1に示すように下部円板にパッキンを介してナットで固定されるのが最も簡便な方法である。
タイマーは設定した時刻に設定した時間レンジだけ自動的にヒーターに通電するためのものである。電子式のタイマーでも構わないが、機械式のものの方が簡便安価で好ましい。
温調三方弁には上部から排出される水の温度を検知して、低温であれば浄水給水パイプ側に切り換えて流すためのものである。温調三方弁としては形状記憶合金式あるいはワックスバルブ式が簡便安価で最良である。
以上のようにして本発明となる浄水器は構成される。タイマーは通常夜間にのみ通電してヒーターを加熱することにより日常の給水を妨げないように設定される。通電時間は図3に示す如く加熱後に蒸気がピストン状に上昇し上端まで水蒸気で満たされるのに要する時間と略同等に設定されるのが好ましい。またヒーターが収納されるピストンフロー生成部は、このピストンフロー生成部内の水が加熱時間中に蒸発して少なくなってもヒーターが露出しない体積であるように設計される。
本発明の実施例を一例示す。円筒は耐熱強化ガラスを用い肉厚は5mmである。内径は110mmであった。全体長さは200mmであった。上下部円板は外径125厚さは20mmであり、図1に示すように、ガラス円筒を上下に挟み込み、且つガラス円筒内面との隙間からの水の漏出を防ぐためのOリング嵌め込み溝が削られている。吸着剤としては粒径約300μmの粒状活性炭700gが用いられた。粒状活性炭を挟み込むネットは、80メッシュ/インチ 線径0.11mmのステンレス製ネットが用いられた。ステンレス製ネットは孔径5mmの小孔を24個有する。ネット支持金具にスポット溶接されている。活性炭層の高さは70mmでありヒーターが収納されるピストンフロー生成部の高さは70mmであった。ヒーターは馬蹄形状ステンレス製シーズヒーターを用いた。ヒーターの消費電力は500Wであった。通電時間は15分とした。
このように設計されて製作された浄水器は性能試験に供された。通電後10分した時点でヒーター付近から沸騰が始まり徐々に図3に示すような蒸気層が形成されて、上部の水を押し上げ始めた。通電後15分経過後に蒸気層は最上端に達し,ドレンパイプからは蒸気のみが排出されるようになって、殺菌再生は滞り無く行われた。
本浄水器の浄水性能は公的機関によって測定されて検証された。表1は測定結果の一例である。通常は浄水が困難なトリハロメタンを例にとると試料水0.1mg/Lであったものが浄水後(濾過水)最小限の検出0.0089mg/L以下になり91.1%以上の浄水効率であることが実証された。
容器内径全体が濾過材また活性炭にて浄水工程を行うために水道水との接触表面積が広いこと。その事により流量抵抗が小さく抑えられ水道水圧力損失を小さく抑えられる。そのため流量を損なうことなく十分に必要なだけ浄水を利用できる。上記の利点より飲料をはじめ浄水を多量に消費する食品関係、養魚等、また健康(塩素障害除去)のため浴場等の利用があげられる。
1.円筒
2.上部円板
3.下部円板
4.上部ネット
5.上部ネット支持金具
6.下部ネット
7.下部ネット支持金具
8.吸着剤
9.連結金具
10.ヒーター
11.タイマー
12.温調三方弁
13.浄水給水パイプ
14.ドレーンパイプ
15.浄水給水孔
16.原水給水孔
17.原水給水パイプ
18.逆流防止弁
19.ストレ−ナ−
20.台座
21.シールリング
22.Oリング
23.ドレーンボルト
24.ピストンフロー生成部
25.原水給水パイプ
26.浄水給水パイプ
27.濾過材
28.中空糸膜
29.中継パイプ
2.上部円板
3.下部円板
4.上部ネット
5.上部ネット支持金具
6.下部ネット
7.下部ネット支持金具
8.吸着剤
9.連結金具
10.ヒーター
11.タイマー
12.温調三方弁
13.浄水給水パイプ
14.ドレーンパイプ
15.浄水給水孔
16.原水給水孔
17.原水給水パイプ
18.逆流防止弁
19.ストレ−ナ−
20.台座
21.シールリング
22.Oリング
23.ドレーンボルト
24.ピストンフロー生成部
25.原水給水パイプ
26.浄水給水パイプ
27.濾過材
28.中空糸膜
29.中継パイプ
Claims (2)
- 浄水給水孔15を有する上部円板2と原水給水孔16を有する下部円板3と円筒1から成る水密性容器、該容器内に充填され上部ネット4と下部ネット6で狭設された吸着剤8、前記浄水給水孔に連結された温調三方弁12、該温調三方弁に接続された浄水給水パイプ13とドレンパイプ14、前記下部円板に支承され前記下部ネットと前記下部円板との間のピストンフロー生成部24、該ピストンフロー生成部内に設置されたヒーター10、該ヒーターに電気的に接続されたタイマー11、前記原水給水孔に接続された原水給水パイプ17から成る浄水器。
- 水に接触する材料の内、吸着材を除く部分が金属、ガラス、耐熱性高分子材料等の耐熱性材料で作られ、熱湯或いは蒸気により濾過材及び活性炭の殺菌再生を可能とすることを特徴とする、前記請求項1記載の吸着式浄水器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005142449A JP2006314963A (ja) | 2005-05-16 | 2005-05-16 | 浄水器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005142449A JP2006314963A (ja) | 2005-05-16 | 2005-05-16 | 浄水器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006314963A true JP2006314963A (ja) | 2006-11-24 |
Family
ID=37536089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005142449A Pending JP2006314963A (ja) | 2005-05-16 | 2005-05-16 | 浄水器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006314963A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015033455A1 (ja) * | 2013-09-09 | 2015-03-12 | 株式会社日立製作所 | 吸着剤再生装置 |
CN106927525A (zh) * | 2016-12-26 | 2017-07-07 | 武汉斯隆电气有限公司 | 加热罐以及净水机 |
JP2017121631A (ja) * | 2017-04-17 | 2017-07-13 | 株式会社日立製作所 | 吸着剤再生装置 |
CN107902785A (zh) * | 2017-12-18 | 2018-04-13 | 李心菊 | 一种家用小型节能净水器 |
-
2005
- 2005-05-16 JP JP2005142449A patent/JP2006314963A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015033455A1 (ja) * | 2013-09-09 | 2015-03-12 | 株式会社日立製作所 | 吸着剤再生装置 |
JPWO2015033455A1 (ja) * | 2013-09-09 | 2017-03-02 | 株式会社日立製作所 | 吸着剤再生装置 |
CN106927525A (zh) * | 2016-12-26 | 2017-07-07 | 武汉斯隆电气有限公司 | 加热罐以及净水机 |
JP2017121631A (ja) * | 2017-04-17 | 2017-07-13 | 株式会社日立製作所 | 吸着剤再生装置 |
CN107902785A (zh) * | 2017-12-18 | 2018-04-13 | 李心菊 | 一种家用小型节能净水器 |
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