JP7259190B1 - 浄水器及び浄水器の運転方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 0007259190000001
【課題】吸着剤を交換せずに、吸着剤を収納した浄水槽内にバクテリア等の細菌が繁殖することを防止できる浄水器を提供すること。
【解決手段】本発明に係る浄水器は、ヒーターを有する給湯室と、バッファー室と、給湯室とバッファー室の間に設けられ、吸着剤が収納された浄化室とを有する浄水器本体と、給湯室に原水を供給するための原水中継パイプと、原水中継パイプに接続された層流形成ノズルと、バッファー室から外部に浄水を供給するための浄水パイプとを備える。また、層流形成ノズルは、断面積が原水入口からノズル吹出口まで徐々に大きくなるように構成されたノズル傾斜部を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、浄水器及び浄水器の運転方法に関するものである。
浄水器としては、活性炭を使う方式、中空糸膜を使う方式、逆浸透膜を使う方式、イオン交換樹脂を利用する方式、或いはこれらの方式を組み合わせたものなど、多種多様なものが開発され実用化されている。
特許文献1には、活性炭と、中空糸膜とを備えた浄水カートリッジ及び浄水器が開示されている。活性炭を用いる方式では、活性炭により塩素等の化学物質が吸着されて除去されて、水を浄化できることが知られている。吸着方式は簡便で効率も良く、長期間使用できるという利点がある。しかし、吸着剤を長時間使用すると、吸着剤を収納した浄水槽内(特に吸着剤表面) にバクテリア等の細菌が繁殖し、水質が劣化することがある。引用文献1に開示されているように、活性炭と中空糸膜を組み合わせた浄水器において、活性炭により塩素等の化学物質を吸着し除去すると共に、中空糸膜により細菌を捕集する方式が提案されている。
特開2021-176609号公報
しかし、中空糸膜等の緻密なフィルターで細菌を捕集する方式では、吸着剤及び中空糸膜等のフィルターを頻繁に交換しなければならないという課題がある。
そこで、吸着剤及び中空糸膜等のフィルターを交換せずに、吸着剤を収納した浄水槽内(特に吸着剤表面) にバクテリア等の細菌が繁殖することを防止できる浄水器を提供することを課題とする。
本発明に係る浄水器は、原水を吸着剤を用いて浄化するための浄水器であって、ヒーターを有する給湯室と、バッファー室と、前記給湯室と前記バッファー室の間に設けられると共に前記吸着剤が収納された浄化室とを有する浄水器本体と、前記給湯室に前記原水を供給するための原水中継パイプと、前記原水中継パイプの出口側に接続された層流形成ノズルと、前記浄水器で浄化された浄水を前記バッファー室から外部に供給するための浄水パイプとを備える。前記層流形成ノズルは、前記原水中継パイプの前記出口側に接続される原水入口と、前記給湯室に前記原水を層流状態で供給するためのノズル出口と、前記原水入口と前記ノズル出口の間に設けられたノズル傾斜部を有し、当該ノズル傾斜部の断面積が前記原水入口から前記ノズル吹出口まで徐々に大きくなるように構成されていることを特徴とする。
本発明に係る浄水器では、浄化室に収納された吸着剤により、原水に含まれる塩素、トリハロメタン(THM)、トリハロメタン前駆物質(THMFP)、アンモニア性窒素、アニオン系界面活性剤、農薬等、水中の有害物質や臭気物質等が吸着されて、浄化することができる。また、給湯室内にヒーターが設けられており、このヒーターにより生成された高温水蒸気或いは熱水を用いて吸着剤を殺菌可能に構成されているので、吸着剤を交換せずに、吸着剤を収納した浄化室内 にバクテリア等の細菌が繁殖することを防止できる。さらに、原水中継パイプの出口側に層流形成ノズルを接続することにより、この層流形成ノズルを介して給湯室に供給された原水が、層流の状態で給湯室の内壁面に沿って螺旋状に上方に移動することができる。層流状態で浄化室に到達した原水は、浄化室に収納された吸着剤全体に一様に拡がり、浄化されて、浄水として外部に供給される。非層流状態(所謂、乱流状態)で浄化室に原水が供給された場合、一部の吸着剤により浄化されることになるので、浄化能力、或いは、上記の塩素等の除去能力が低下する可能性がある。一方、本発明に係る浄水器では、上記で説明したように、層流の状態で浄化室に原水を供給できるので、高い浄化能力を有することができる。
また、本発明に係る浄水器において、前記浄化室内に、前記吸着剤を間に挟んで保持するための上部ネット及び下部ネットが設けられており、前記吸着剤が、加圧手段により前記上部ネット及び前記下部ネットを介して、所定の圧力で加圧されて保持されていることを特徴としてもよい。前記吸着剤が、加圧手段により前記上部ネット及び前記下部ネットを介して、所定の圧力で加圧されて保持されているので、供給された原水が、吸着剤全体にほぼ均一に浸透することができる。原水の圧力によって押上げられて、浄化室内をゆっくりと上方に移動しながら吸着剤により浄化されて、浄水を供給することができる。
また、本発明に係る浄水器において、前記原水中継パイプと前記浄水パイプとを接続するためのバイパスパイプと、前記ヒーターにより生成された熱水を、前記浄化室及び前記バッファー室を介して外部に排出するための上ドレンパイプとを更に備えることができる。前記原水中継パイプと前記バイパスパイプの一端とが、第1の分岐バルブを介して接続されており、前記バイパスパイプの他端、前記浄水パイプ、及び前記上ドレンパイプが、第2の分岐バルブを介して接続されていることを特徴としてもよい。本発明に係る浄水器では、第2の分岐バルブを介して、バイパスパイプから浄水パイプを通してバッファー室に原水を供給し、バッファー室内の熱水と混合し、冷却された温水として外部へ排出することができる。
また、本発明に係る浄水器において、前記第1の分岐バルブは、前記原水中継パイプと前記バイパスパイプに供給する流体の流量比を調整可能に構成されており、前記第2の分岐バルブは、前記バイパスパイプから供給され、前記浄水パイプと前記上ドレンパイプに分岐する流体の流量比を調整可能に構成されていることを特徴としてもよい。第1の分岐バルブを用いて、原水中継パイプと記バイパスパイプに供給する流体の流量比を調整することができる。また、第2の分岐バルブを用いて、バイパスパイプから供給され浄水パイプと上ドレンパイプに分岐する流体の流量比を調整することができる。これにより、バッファー室内に供給されて混合される熱水と原水の割合を調整することによって、外部に排出される温水の温度を所定に温度に調整することができる。
また、本発明に係る浄水器において、前記吸着剤は、粉末活性炭、粒状活性炭、破砕状活性炭、繊維状活性炭、粒状ゼオライト、又はその混合物であることを特徴としてもよい。
また、本発明に係る浄水器の運転方法は、原水を吸着剤により浄化する浄水工程と、前記吸着剤を殺菌するための殺菌工程とを備える。前記浄水工程と前記殺菌工程とが繰り返し行われ、前記殺菌工程は、前記浄水器の給湯室に設けられたヒーターを用いて生成した水蒸気を用いて前記吸着剤を殺菌するための水蒸気殺菌工程と、前記ヒーターを用いて生成した熱水により前記吸着剤を殺菌するため熱水殺菌工程とを含む殺菌工程を有し、前記熱水殺菌工程において、原水中継パイプにより供給される原水の水圧を利用して前記給湯室を加圧することにより、前記熱水が吸着剤まで押し上げられて、前記吸着剤が殺菌されることを特徴とする。
本発明に係る浄水器の運転方法では、熱水により吸着剤を殺菌するため熱水殺菌工程を含むので、吸着剤に含まれる細菌を高い確率で殺菌、或いは除去することができる。さらに、水蒸気殺菌工程では、吸着剤に吸着された不純物等を吸着剤から脱離することが可能である。熱水殺菌工程においても、吸着剤に吸着された不純物等を吸着剤から脱離する効果を得ることができる。殺菌工程を繰り返し行うことで、吸着剤に吸着された不純物や細菌を低減し、常に活性な状態を維持することができる。
また、本発明に係る浄水器の運転方法において、殺菌工程の後に行われる排出工程を更に有することができる。前記排出工程は、第1の分岐バルブを操作して、所定の流量比で、原水中継パイプから給湯室に原水を供給する共に当該第1の分岐バルブに接続されたバイパスパイプに原水を供給する工程と、第2の分岐バルブを操作して、当該第2の分岐バルブ接続されている前記バイパスパイプから浄水パイプを介してバッファー室に原水を供給する工程と、前記給湯室内の前記熱水が供給された原水により押上げられ、前記浄化室を通って前記バッファー室に到達し、前記浄水パイプを介して供給された前記原水と混合することにより、当該熱水の温度を冷却する工程と、前記冷却された前記熱水が、前記浄水パイプ、第2の分岐バルブ、及び上ドレンパイプを介して前記バッファー室から外部へ排出される工程とを含み、前記第2の分岐バルブは、前記バイパスパイプから供給された原水を前記浄水パイプと前記上ドレンパイプに分岐するための流量比を調整可能に構成されていることを特徴としてもよい。
本発明に係る浄水器の運転方法では、給湯室から押上げられた熱水が、浄化室を通ってバッファー室に到達し、浄水パイプを介して供給された原水と混合することにより、熱水の温度を冷却する工程を含むので、熱水の冷却効果を高めることができる。
本発明に係る浄水器では、浄化室に収納された吸着剤により、原水に含まれる塩素、トリハロメタン(THM)、トリハロメタン前駆物質(THMFP)、アンモニア性窒素、アニオン系界面活性剤、農薬等、水中の有害物質や臭気物質等が吸着されて、浄化することができる。また、給湯室内にヒーターが設けられており、このヒーターにより生成された高温水蒸気或いは熱水を用いて吸着剤を殺菌可能に構成されているので、吸着剤を交換せずに、吸着剤を収納した浄化室内 にバクテリア等の細菌が繁殖することを防止できる。さらに、原水中継パイプの出口側に層流形成ノズルを接続することにより、この層流形成ノズルを介して給湯室に供給された原水が、層流の状態で給湯室の内壁面に沿って螺旋状に上方に移動することができる。層流状態で浄化室に到達した原水は、浄化室に収納された吸着剤全体に一様に拡がり、浄化されて、浄水として外部に供給される。非層流状態(所謂、乱流状態)で浄化室に原水が供給された場合、一部の吸着剤により浄化されることになるので、浄化能力、或いは、上記の塩素等の除去能力が低下する可能性がある。一方、本発明に係る浄水器では、上記で説明したように、層流の状態で浄化室に原水を供給できるので、高い浄化能力を有することができる。
本発明に係る浄水器の運転方法では、熱水により吸着剤を殺菌するため熱水殺菌工程を含むので、吸着剤に含まれる細菌を高い確率で殺菌、或いは除去することができる。さらに、水蒸気殺菌工程では、吸着剤に吸着された不純物等を吸着剤から脱離することが可能である。熱水殺菌工程においても、吸着剤に吸着された不純物等を吸着剤から脱離する効果を得ることができる。殺菌工程を繰り返し行うことで、吸着剤に吸着された不純物や細菌を低減し、常に活性な状態を維持することができる。
図1は、第1の実施形態に係る浄水器を模式的に示す図である。 図2は、浄水器の層流形成ノズルを概略的に示す図である。 図3は、浄水器による浄水生成方法を説明するためのフローチャートである。 図4は、浄水器により浄化される様子を概略的に説明するための図である。 図5は、浄水器に用いられる吸着剤の充填状態を説明するための図である。図5(a)には、吸着剤が隙間無く緻密に充填された状態での水の流れの様子を示した。図5(b)は、吸着剤に隙間がある場合の水の流れの様子を示した。図5(b)において、水の通路(所謂、水みち)が形成される様子が示されている。 図6は、水蒸気殺菌工程における浄水器の状態を説明するための図である。 図7は、熱水殺菌工程における浄水器の状態を説明するための図である。 図8は、熱水冷却排出工程における浄水器の状態を説明するための図である。 図9は、洗浄工程における浄水器の状態を説明するための図である。
いくつかの実施形態に係る浄水器及び浄水器用活性炭の殺菌方法を、以下に図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付する。
まず、本実施形態に係る浄水器について、詳細に説明する。図1に、本実施形態に係る浄水器1を模式的に示す。図1に示すように、浄水器1は、円筒状の浄水器本体2と、浄水器本体2の内部に設けられた浄化室3を備えることができる。浄化室3には、吸着剤4を収納することができる。吸着剤4は、例えば、粉末活性炭、粒状活性炭、破砕状活性炭、形状が繊維状である繊維状活性炭、粒状ゼオライト、又はその混合物を用いることができる。本実施形態では、ヤシガラ活性炭を粉砕して粒径を小さくした破砕状の活性炭(所謂破砕炭)を用いることができる。浄水器本体2の浄化室3の内部には、吸着剤4が、隙間なく均一の密度で充填されている。吸着剤4を用いることにより、水に含まれる不純物等を吸着し除去することができる。吸着剤4の粒度は、例えば、約0.1mm~約1.0mm程度とすることができる。また、浄水器本体2内の所定の位置に吸着剤4を保持し収納するために、浄化室3の下側には下部ネット5を設けることができる。この下部ネット5を設けることにより、吸着剤4を、浄水器本体2内の所定の位置に配置することができる。下部ネット5は、例えば支持金具(図示せず)により浄水器本体2内に取り付けることができる。下部ネット5は、例えばステンレス製の金網を用いることができる。下部ネット5のメッシュ粗さは、吸着剤4の粒度に合わせて、例えば、吸着剤4の粒度が、約0.2mm程度の時に、目開きを約0.1mm、又はそれ以上とすることができる。
また、浄化室3の上部側には、上部ネット6が設けられている。上部ネット6は、吸着剤4の蓋として機能し、吸着剤4が浄水器本体2の外部に漏れだすのを防いでいる。上部ネット6は、下部ネット5と同様に、例えばステンレス製の金網を用いることができる。また、上部ネット6のメッシュ粗さは、吸着剤4の粒度に合わせて、例えば、吸着剤4の粒度が、約0.2mm程度の時に、目開きを約0.1mm、又はそれ以上とすることができる。
吸着剤4の容積によって、浄水器1のろ過能力が決定される。例えば20リットル/分の水をろ過するために、吸着剤4として、3リッターのヤシガラ活性炭を浄化室3内に収納することができる。このときのヤシガラ活性炭の重量は、約1100g~1400g程度とすることができる。また、40リットル/分の水をろ過するために、吸着剤4として、6リッターのヤシガラ活性炭を浄化室3内に収納することができる。このときのヤシガラ活性炭の重量は、約2200g~2800g程度とすることができる。つまり、浄水器1の浄水器本体2内に収納されたヤシガラ活性炭の平均密度が約0.37g/ml程度~0.47g/ml程度とすることができる。この浄水器本体2の浄化室3内に収納されたヤシガラ活性炭の平均密度は、ヤシガラ活性炭の比重とほぼ同じである。これは、浄水器本体2の浄化室3内部に、ヤシガラ活性炭が隙間なく均一の密度で充填されていることを示している。
さらに、吸着剤4に所定の圧力で加圧し保持するための加圧手段50が設けられている。本実施形態では、吸着剤4を加圧するための加圧手段50として、ナット50a及び/又はナット50bを用いている。具体的には、上部ネット6及び下部ネット5で吸着剤4を挟み、例えばナット50bで、下部ネット5を支持し、ナット50aで上部ネット6を保持した後、センター支持棒51のねじ山を利用しナット50aを締めて上部ネットを下方に押すことで、吸着剤4を圧着するように構成している。これにより、下部ネット5と上部ネット6とで確実に圧着され、吸着剤は緻密な状態で加圧保持される。
再び図1を参照すると、浄水器本体2の底部9と浄化室3との間には、給湯室7が設けられている。給湯室7には、ヒーター8が取付けられている。本実施形態では、パイプ内に発熱体(例えばニクロム線)が内蔵されたステンレス製シーズヒーターを用いることができる。浄水器1では、給湯室7のヒーター8で熱水を生成し、熱水により吸着剤4(ヤシガラ活性炭)を定期的に繰り返し殺菌することで、殺菌するだけで長期間使用(また熱水に浸かることで吸着物を吐き出す作用により)吸着剤を交換せずに浄水能力を維持したまま長期間使用することができる。また、給湯室7にはヒーター8で熱水を生成時、水が不足し空焚きを避けるために、水位センサー14が設けられている。水位センサー14の高さ位置より水位が不足すると、自動で原水分岐バルブ16を開き原水を給湯室に一定量補給する構造となっている。
また、給湯室の原水供給孔には、層流形成ノズル10が設けられている。整流部材は、断面積が出口に行くほど徐々に大きくなるように構成された、パイプ形状を有している。本実施形態では、層流形成ノズル10の断面は長方形であるが、円形等でもよい。層流形成ノズル10を設けることによって、原水供給孔から給湯室7に供給された原水が給湯室の円筒内壁面に沿って螺旋状に上方に移動するよう、原水の流れる方向を制御することができる。
また、浄水器本体2の頂部の天板11と浄化室3との間には、バッファー室12が設けられている。バッファー室12を設けることにより、給湯室7から浄化室3内に供給された原水が、浄化室3内の吸着剤4全体により均一にろ過され、浄化された浄水を外部に供給することができる。バッファー室を設けない場合は、給湯室7から浄化室3内に供給された原水が、浄化室3内の吸着剤4の一部のみを通りろ過される場合があるため、浄化能力が低下する場合がある。従い、バッファー室を設けることで、吸着剤4全量で浄化できるため高い浄化能力を常に維持することができる。
次に、浄水器本体2に接続された配管及びバルブについて、以下に説明する。図1に示したように、浄水器本体2の底部9には、原水を浄水器本体2の給湯室7に供給するための原水中継パイプ17が接続されている。外部から原水を供給するための原水供給パイプ15は、原水分岐バルブ(三方弁)16を介して、原水中継パイプ17に接続されている。外部から供給される原水は、原水供給パイプ15を通り、原水分岐バルブ16を切り変えることで、原水中継パイプ17を経由して、給湯室7に供給される。また、給湯室7に接続されている原水中継パイプ17の出口には、原水供給孔18が設けられている。なお、本実施形態における原水分岐バルブ(三方弁)16が、第1の分岐バルブに相当する。
また、原水供給孔18部には、層流形成ノズル10が設けられている。図2に、層流形成ノズル10の概略図を示す。図2に示すように、層流形成ノズル10は、流路入口40が設けられた円筒ボス部41と、円筒ボス部41に接続されたノズル吹出口45を有するノズル傾斜部43を含むことができる。ノズル傾斜部43は、円筒ボス部41からの原水を導入するための原水入口44と給湯室に層流状態で原水を供給するためのノズル吹出口45を有することができる。流路入口40は、原水中継パイプ17の一端側に設けられている原水供給孔18に接続されている。また、ノズル吹出口45は、給湯室7に接続されており、ノズル吹出口45から給湯室7に層流状態の原水を供給することができる。本実施形態では、円筒ボス部41は、原水中継パイプ17の形状に合わせて、略円筒形のパイプ形状を有することがきる。また、ノズル傾斜部43は、円筒ボス部41の延伸方向に交差する方向に延伸するパイプ形状を有しており、原水中継パイプ17から供給される原水の流れの向きを、給湯室7の底面の方向に合わせて制御することができる。さらに、ノズル傾斜部43は、円筒ボス部41に接続された原水入口44を有し、原水入口44の断面積は、円筒ボス部41の断面積とほぼ同じになるように設計されている。一方、ノズル傾斜部43のノズル吹出口45の断面積は、原水入口44の断面積よりも大きくなるように設定されている。ノズル傾斜部43の断面積は、原水入口44からノズル吹出口45まで、連続的に、徐々に変化するように設計されている。また、ノズル吹出口45は、高さよりも幅が大きい横長の形状を有することができる。本実施形態では、ノズル傾斜部43の原水入口44は、略矩形の形状を有している。一方、ノズル吹出口45は、高さよりも幅が大きい横長の略矩形形状を有し、原水入口44とノズル吹出口45の形状とが異なるようになっている。このとき、ノズル傾斜部43の形状は、原水入口44からノズル吹出口45まで、原水入口44の略矩形の形状からノズル吹出口45の横長の形状まで連続的に、徐々に変化するように設計されている。ノズル傾斜部43の入口部の断面積よりもノズル吹出口45の断面積を拡大することにより、ノズル傾斜部43の原水入口44から入った原水の流速よりも、ノズル吹出口45での流速が小さくなり減速される。ノズル吹出口45の形状を横長の矩形形状とすることにより、給湯室7の底面方向又は内壁に沿って、ノズル吹出口45から供給される原水の流れを安定した層流として供給できる。さらに、原水が底面に沿うように流れ円筒形の内壁に沿い平面の螺旋を描くように上昇するので、吸着剤全量にムラ無く接触させることが可能となりさらに、全量に分散されることにより、接触時間も長く保持できるため、高い浄化性能を維持できることが可能となった。
なお、本実施形態では、ノズル傾斜部43の原水入口44は、略矩形の形状を有し、ノズル吹出口45は、横長の略矩形形状を有することができる。しかし、これに限らず、原水入口44の形状は、略円形、或いは略楕円形状とすることができる。また、ノズル吹出口45の形状は、横長の略楕円形状とすることもできる。いずれの形状を用いた場合でも、ノズル傾斜部43の形状は、流路入口40からノズル吹出口45まで、その形状が、連続的に、徐々に変化するように設計されている。
また、浄水器本体2の頂部の天板11には、バッファー室12から浄水を外部に取り出すための浄水パイプ20が取り付けられている。さらに、浄水パイプ20は、浄排水分岐バルブ(三方バルブ)21を介して浄水供給パイプ22に接続されている。また、浄水供給パイプ22の出口側には、浄水供給バルブ23が取り付けられている。原水供給パイプから供給された原水は、原水中継パイプ17を介して、給湯室に入り、その後、浄化室3に収納された吸着剤4を通過して、ろ過されて、バッファー室に到達する。この吸着剤4によりろ過され浄化された浄水は、浄水パイプ20、及び浄水供給パイプ22を介して外部に供給される。なお、本実施形態における浄排水分岐バルブ(三方バルブ)21が、第2の分岐バルブに相当する。
また、上記でも説明したが、浄水器1は、給湯室7のヒーター8で熱水を生成し、熱水により吸着剤4(ヤシガラ活性炭)を定期的に繰り返し殺菌するように構成されている。この吸着剤4(ヤシガラ活性炭)を殺菌するために使用した熱水を外部に排出するための上ドレンパイプ26が、浄排水分岐バルブ(三方バルブ)21に接続されている。図1に示したように、浄排水分岐バルブ(三方バルブ)21には、浄水パイプ20、浄水供給パイプ22、及び上ドレンパイプ26が接続されており、例えば、浄水パイプ20から供給された浄水又は熱水を、浄水供給パイプ22、及び上ドレンパイプ26のいずれかに切り替えるためのものである。
また、吸着剤4(ヤシガラ活性炭)を殺菌するために使用した熱水を強制的に冷却するために、原水分岐バルブ16と浄水供給パイプ22とに接続されたバイパスパイプ25が設けられている。
また、下ドレンパイプ30が、浄水器本体2の底部9に設けられている。下ドレンパイプ30の出口側には、下ドレンバルブ31が取り付けられている。給湯室7のヒーター8で熱水を生成すると、原水に含まれるカルシウム、シリカ、マグネシウム等のミネラル成分が給湯室7内に析出することがある。このミネラル成分が、ヒーター8表面に付着すると、ヒーターを破損する場合がある。これを回避するために、給湯室7を原水で洗浄し、下ドレンパイプ30を用いて、洗浄後の水を排出することができる。
次に、浄水器1の機能について、詳しく説明する。図3に、浄水器1による浄水生成方法を説明するためのフローチャートを示す。また、図4に、浄水器により浄化される様子を概略的に説明するための図を示す。図3に示すように、本浄水器1では、浄水工程S100と殺菌工程S120を繰り返し行うことにより浄水が生成され供給されるように設定されている。通常は、浄水工程により、浄水器1に供給される水道水(原水)を浄化して、浄化された浄水を外部に供給することができる。なお、以下の説明では、特に必要がない限り、40リットル/分の水をろ過するための浄水器を例示して説明する。
まず、浄水工程S100について説明する。浄水工程S100では、原水供給工程S101、浄化工程S102、及び浄水供給工程S103を含むことができる。図3を参照しながら、浄水工程S100について説明する。原水供給工程S101では、まず原水分岐バルブ16を開けて、原水供給パイプ15から原水中継パイプ17を介して浄水器本体2の給湯室7に原水を供給する。このとき原水は所定の水圧で給湯室に供給される。次に、浄化工程S102では給湯室7に供給された原水は、浄化室3に充填された吸着剤4全体に均一に浸透し、ゆっくりと上方に押上げられながら、一定時間(約3分程度)を掛けて浄化室3の吸着剤4を通過し、バッファー室12に到達する。原水が吸着剤4を通過するときに、原水に含まれる不純物が、吸着剤に吸着・除去される。浄化工程S102を通過した浄水は、バッファー室12に到達し次に、浄水供給工程S103では浄水を浄水器本体2から外部に供給する工程である。始めに浄排水分岐バルブ21を浄水供給パイプ22側に切換、浄排水分岐バルブ21に接続された浄水パイプ20、たとえば、バッファー室に集められた浄水は浄水パイプ20を通過し浄排水分岐バルブ21を経て浄水供給パイプ22に浄水供給バルブ23を開放することで外部に浄水を供給することができる。特に、浄化工程S102では、原水が吸着剤4全体にムラ無く均一に浸透し、一定時間吸着剤4に接触することで、不純物を連続して浄化することができる。特に原水に含まれる塩素、トリハロメタン(THM)、トリハロメタン前駆物質(THMFP)、アンモニア性窒素、アニオン系界面活性剤、農薬等、水中の有害物質や臭気物質等を吸着・除去し色度を低減させて、浄化される。
次に、浄化工程S102について、詳しく説明する。浄化室3に充填される吸着剤4は、例えば、約0.1mm~約1.0mm程度の略一定の粒径を有することができる。浄化室3の容量に対応させて、所定の重量(容量)の吸着剤4を振動を加え数回に分けて充填していく。また、細長い箸等を差込みながら振動加圧することで緻密な状態での充填がされる。さらに、吸着剤4に所定の圧力で加圧し保持するための加圧手段が設けられている。本実施形態では、吸着剤4を加圧するための加圧手段50として、上部ネット6及び下部ネット5で吸着剤4を挟み、センター支持棒のねじ山を利用し上部ネット6をナット50aで圧着するように構成している。これにより、下部ネット5と上部ネット6とで確実に圧着され、吸着剤は緻密な状態で加圧保持される。
図5に、浄水器1の浄化室3に充填される吸着剤4の充填状態を説明するための図を示した。図5(a)には、吸着剤が隙間無く緻密な状態で充填され、さらに所定の圧力で加圧保持された場合の水の流れの様子を示した。一方、図5(b)に、吸着剤に隙間がある場合の水の流れの様子を示した。図5(a)に示したように、吸着剤が浄化室3内に緻密な状態で充填され、さらに加圧されることにより、浄化室3内に供給された原水が、吸着剤全体にほぼ均一に浸透し、原水の圧力によって押上げられて、ゆっくりと上方に原水が移動し、これにより浄化されることができる。一方、図5(b)において、浄化室3内の吸着剤の充填の状態が不均一であったり、加圧が不十分である場合、原水を供給して浄水を生成する際に、水の勢いに押されて、吸着剤4が移動し、例えば吸着剤4の密度が小さい箇所に水が集中して流れ、水みちが形成される。。この場合は、一部の原水が、吸着剤を介さずに、この水みちを通ってバッファー室12に到達してしまうので、浄化が十分に行われない。
上記でも述べたように、浄化室3に吸着剤4を「緻密な状態」でしっかりと充填し、さらに下部ネット5及び上部ネット6で吸着剤4を挟んで所定の圧力で加圧することにより、水みちの発生を避けることができる。この結果、給湯室7から浄化室3に供給される原水が、浄化室3に充填された吸着剤4全体に均一に浸透して、ゆっくりと上方に押上げられる。これにより、原水が吸着剤4により浄化される。本実施形態では、原水に含まれる塩素、トリハロメタン(THM)、又はトリハロメタン前駆物質(THMFP)などの不純物を約90%以上除去することができている。
浄化室3を通過して浄化され、バッファー室12に到達した浄化水は、バルブ21を介して、例えば浄水器1が接続された屋内の上水道配管に供給され、飲料水やお風呂等の水として供される。
次に、殺菌工程について説明する。殺菌工程S120では、吸着剤4に吸着された不純物の除去や細菌をすることを目的として、所定時間の間、吸着剤4を熱水により処理する。本実施形態では、24時間ごとに、約1時間程度の間、殺菌工程が実施されるように設定されている。これにより、定期的に、浄水器1に収納された活性炭などの吸着剤が殺菌される。浄水器本体2内にカビ、や細菌が繁殖することを効果的に防ぐことができる。また、殺菌工程では、加熱することにより吸着剤に捕集また吸着された不純物等も放出されるので、殺菌の他に、これらの不純物を除去することができる。なお、殺菌工程S120の間は、浄水が生成されないので、原水分岐バルブを操作して、原水供給パイプからバイパスパイプ25に供給される原水を、バイパスパイプ25を介して、浄水供給バルブ23から直接外部に供給される。
次に、殺菌工程S120について、詳しく説明する。再び、図3を参照すると、殺菌工程S120、排出工程S130、及び洗浄工程S140を含むことができる。さらに、殺菌工程S120は、水蒸気殺菌工程S121、及び熱水殺菌工程S122を含むことができる。
殺菌工程S120において、まず浄化室3に収納された吸着剤4を加熱殺菌するための殺菌工程S120を行う。殺菌工程S120は、水蒸気殺菌工程S121、及び熱水殺菌工程S122を含むことができる。水蒸気殺菌工程S121は、給湯室7で発生させた水蒸気を用いて吸着剤4を殺菌するための工程であり、熱水殺菌工程S122は、給湯室7で生成された高温の熱水により吸着剤4を殺菌するための工程である。図6及び図7に、水蒸気殺菌工程S121、及び熱水殺菌工程S122の各工程における浄水器1の状態を説明するための図を示した。
図6を参照すると、水蒸気殺菌工程S121では、原水分岐バルブ16を閉じ、給湯室7への原水供給を停止する。一方、浄排水分岐バルブ21を操作して、浄排水分岐バルブ21を介して浄水パイプ20と上ドレンパイプ26とが接続される状態となっている。この状態で、給湯室7に配置されたヒーター8に給電し、給湯室7内の水を加熱し、熱水を生成する。本実施形態では、給湯室7の容積は約6リットル程度である。ヒーター8の電源を入れた後、約20分程度で給湯室7内の水が沸騰しはじめ、高温の水蒸気を発生させることができる。熱水の温度は、高温にするほど高い殺菌効果を得ることができるが、例えば、70度以上 好ましくは85度以上とすることで、吸着剤の殺菌効果を得ることができる。熱水から発生する水蒸気は、吸着剤4を通過しながら上方に移動しバッファー室に到達した後、浄水パイプ20及び上ドレンパイプ26を通過して外部に排出される。この水蒸気に吸着剤4が曝(曝露)されて、吸着剤4が殺菌される。本実施形態では、吸着剤4が緻密に充填されており、さらに、上部ネット6及び下部ネット5により所定の圧力で加圧されているので、給湯室7が吸着剤4で蓋をされた状態となっている。これにより、給湯室内の水蒸気圧が高められているとともに、水蒸気が吸着剤4を通過するために、一定以上の時間が掛かっている。この結果、高温で、かつ1気圧よりも高い比較的高圧の水蒸気が、浄化室3に充填された吸着剤4全体に拡がって、ゆっくりと上昇するので、比較的長時間にわたって吸着剤4が水蒸気に曝露されて殺菌できるので、高い殺菌効果を得ることができる。水蒸気による水蒸気殺菌工程S121は、約30分~80分程度行うことができる。本実施形態では、水蒸気殺菌工程S121を約50分程度に設定して行った。
なお、水蒸気殺菌工程S121において、熱水を生成し水蒸気を発生することにより、給湯室7の水が減少する。このため給湯室の水の量を一定に保持するための水位センサー14が、給湯室7内に設けられている。水位センサー14により、給湯室7の水位が低下すると、コントローラー33により原水分岐バルブ16を操作して、自動的に原水を給湯室7に供給するように構成されている。これにより、給湯室7の空焚きを防ぐことができる。
次に、熱水殺菌工程S122について説明する。熱水殺菌工程S122は、水蒸気殺菌工程S121後に、中断せずに連続して行われる。図7を参照すると、水蒸気殺菌工程S121において生成された熱水が、給湯室7内に保持されている。熱水殺菌工程S122では、ヒーター8の電源をOFFにする。次に、原水分岐バルブ16を操作して、原水分岐バルブ16を僅かに開けて、給湯室7内の水(熱水)を加圧する。これにより、給湯室内の熱水を浄化室3まで押し上げることができる。このとき、原水分岐バルブ16を開けすぎて、多量の原水が給湯室7に供給されて、熱水が冷却されるのを防ぐ必要がある。本実施形態では、約100ml/分程度の原水が供給される程度に、原水分岐バルブ16を僅かに開けて、給湯室7内の水(熱水)を加圧している。また、原水供給パイプ15から供給される原水の水圧は、0.1MPa~0.5MPa程度とすることができる。給湯室7の容積は約6リットル程度であるので、給湯室7に供給される水量が約100ml/分程度であれば、給湯室7内の熱水の温度を高温のまま維持することができる。
給湯室7内の水(熱水)を加圧することにより、熱水が浄化室3まで押し上げられ、吸着剤4が熱水に暴露される。これにより、吸着剤4が熱水により殺菌される。本実施形態では、水蒸気殺菌工程S121でも述べたように、吸着剤4が緻密に充填されており、さらに、上部ネット6及び下部ネット5により所定の圧力で加圧されているので、給湯室7が吸着剤4で蓋をされた状態となっている。水蒸気殺菌工程S121と同様に、熱水が吸着剤4を通過するために、一定以上の時間を要する。この結果、高温の熱水が、浄化室3に充填された吸着剤4全体に拡がって、ゆっくりと上昇する。この結果、熱水が吸着剤4が充填された浄化室3の一部に偏ることなく、吸着剤4全体が熱水に暴露される。
熱水が浄化室3まで押し上げられた後、原水分岐バルブ16を閉じ、所定時間、浄化室3に熱水を保持し、吸着剤4を熱水により殺菌することができる。この結果、熱水殺菌工程S122においても高い殺菌効果を得ることができる。高温の熱水による熱水殺菌工程S122は、約20分~60分程度行うことができる。本実施形態では、熱水殺菌工程S122を約40分程度に設定して行った。
本実施形態では、熱水殺菌工程S122を、水蒸気殺菌工程S121後に、中断せずに連続して行っている。これにより、高温の水蒸気を発生するために水蒸気殺菌工程S121で生成した熱水を、そのまま熱水殺菌工程S122でも利用できるので、効率よく吸着剤の殺菌が可能である。さらに、水蒸気殺菌工程S121で吸着剤4を殺菌した後に、続けて熱水殺菌工程S122において殺菌するので、吸着剤4に含まれる細菌を高い確率で殺菌、或いは除去することができる。さらに、水蒸気殺菌工程S121では、吸着剤に吸着された不純物等を吸着剤から脱離する作用が期待できる。熱水殺菌工程S122においても、吸着剤に吸着された不純物等を吸着剤から脱離する効果を得ることができる。しかし、水蒸気殺菌工程S121では、脱離した不純物等を浄化室3から排出することは困難であると考えられる。熱水殺菌工程S122を、水蒸気殺菌工程S121後に行うことで、脱離した不純物等を熱水を排出する際に、同時に排出することができる。この結果、殺菌工程を繰り返し行うことで、吸着剤4に吸着された不純物や細菌を低減し、常に活性な状態を維持することができる。
また、水蒸気を用いて吸着剤4に吸着された不純物や細菌を除去するためには、約2時間程度を要していた。水蒸気殺菌工程S121と熱水殺菌工程S122とを組み合わせることにより、約1時間30分程度で殺菌が可能となり、殺菌工程の時間を短縮することができる。
なお、本実施形態では、殺菌工程S120として、まず水蒸気殺菌工程S121を行い、その後に熱水殺菌工程S122を行っているが、これに限定されず、水蒸気殺菌工程S121又は熱水殺菌工程S122のいずれか一方を行うようにしてもよい。また、殺菌工程S120として、熱水殺菌工程S122を行った後に、水蒸気殺菌工程S121を行うようにしてもよい。
次に、殺菌工程S120後に行う排出工程S130について説明する。図8に、排出工程S130における浄水器1の状態を説明するための図を示した。
再び、図3を参照すると、殺菌工程S120後に、給湯室7及び浄化室3に溜まった熱水を外部に排出するための排出工程S130を行う。排出工程S130において、まず、浄化室3に満たされている熱水を浄化室3から外部に排出するために、浄排水分岐バルブ21の3方弁が全て開の状態となるように浄排水分岐バルブ21を操作する。このとき、浄排水分岐バルブ21に接続される浄水供給パイプ22、浄水パイプ20、及び上ドレンパイプ26が接続される状態となっている。
次に、給湯室7及び浄化室3に原水(室温、約10℃~20℃程度)を供給するために、原水分岐バルブ16の3方弁が全て開の状態となるように原水分岐バルブ16を操作する。このとき、原水分岐バルブ16に接続される原水供給パイプ15、原水中継パイプ17、及びバイパスパイプ25が接続される状態となっている。
上記のように原水分岐バルブ16を操作することにより、原水がバイパスパイプ25、浄排水分岐バルブ21、及び浄水パイプ20を通って、バッファー室12に供給され、熱水と原水とが混合し、再び浄排水分岐バルブ21を介して、上ドレンパイプ26から外部に排出される。このとき、バッファー室12、あるいは浄水パイプ20に滞留している熱水は、原水と混ざることで冷却されながら、外部に排出される。
一方、原水は、原水分岐バルブ16に接続された原水中継パイプ17を経由して、給湯室7にも供給され、給湯室7及び浄化室3に満たされた熱水をバッファー室12の方向に押上げる。このとき、原水と熱水が混ざることで冷却されながら、バッファー室12の方向に押上げられる。
給湯室7、及び浄化室3に満たされた熱水は、原水中継パイプ17から供給された原水により、下から上方に押上げられる。このとき原水と熱水が混ざることで冷却され、外部に排出される。本実施形態では、この原水中継パイプ17から給湯室7、及び浄化室3に供給される原水と合わせて、浄水供給パイプ22から浄排水分岐バルブ21を介してバッファー室12にも原水が供給される。この結果、バッファー室12には、下方、及び上方からの2方向から原水が供給されるので、バッファー室12で原水と熱水が混ざることにより、一層、熱水の冷却効果を高めることができる。これにより、上ドレンパイプ26から排出される水の温度は、約40~50℃程度とするこができる。
また、原水分岐バルブ16を操作することにより、原水がバイパスパイプ25、浄排水分岐バルブ21、及び浄水パイプ20を通って、バッファー室12に供給されると同時に、原水中継パイプ17を経由して、給湯室7にも供給される。このとき、浄化室3には吸着剤が充填されているため、これが抵抗となり原水が給湯室7からバッファー室12に向かって移動する時間は、バイパスパイプ25、浄排水分岐バルブ21、及び浄水パイプ20を通って、バッファー室12に供給される時間よりも長い時間を要する。この結果、バッファー室の水温が十分に低温の状態で、給湯室7、及び浄化室3の熱水がバッファー室に押上げらるので、熱水の状態で外部に排出されることを回避することができる。
上ドレンパイプ26から排出される温水が所定の温度となるまで冷却、原水を供給し、その後、原水分岐バルブ16、及び浄排水分岐バルブ21のそれぞれの3方弁を閉じて、排出工程S130を終了する。
再び、図3を参照しながら、洗浄工程S140について説明する。図9に、洗浄工程S140における浄水器の状態を説明するための図を示した。洗浄工程S140は、給湯室の洗浄を行うためのものであり、本実施形態では、排出工程S130を終了した後に行うことができる。浄水器1に供給される原水は、通常の水道水を用いることができる。水道水には、一般的に、カルシウムやマグネシウム シリカが含まれている。上記の殺菌工程において、原水を加熱沸騰させたとき、原水(水道水)に含まれるカルシウム、マグネシウム、シリカなどの不純物の濃度が高まり、原水に溶解可能な濃度以上の飽和状態になると、これらの不純物が水中に析出することとなる。ヒーター8は、たとえばニクロム線等の抵抗体からなり、この抵抗体を、たとえばステンレス製のパイプ内に収納した構造となっている。これらの不純物が、ヒーター8を収納する金属パイプ表面に付着すると、金属パイプの露出した表面を腐食する。さらに腐食した箇所から水が浸入することで、さらにヒーター8の劣化が早まることが分かった。このヒーター8の表面への不純物の付着を避けるために、排出工程後に、給湯室7に原水を供給し、入れ替えることにより、給湯室7内の原水中に析出した不純物を給湯室7から排出することができる。
本実施形態では、まず、原水分岐バルブ16を操作し、原水供給パイプ15から原水中継パイプ17を介して、給湯室7に原水を供給する。その後、下ドレンバルブ31を開けて、給湯室7に接続された下ドレンパイプ30を介して、給湯室7の原水を入れ替えて、洗浄を行うことができる。これにより、給湯室7内のカルシウム、マグネシウム、シリカなどの不純物の濃度を所定の値以下に保持することができるので、これらの不純物の析出を回避することが可能となっている。この結果、ヒーター8の表面にこれらの不純物が付着することを防止できるので、ヒーターの長寿命化が実現できる。
なお、本実施形態では、原水分岐バルブ16、及び浄排水分岐バルブとして、3方向弁を用いたが、これに限定されず、3方向の弁が、同時に開の状態とすることができる構造を有する弁であればよい。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
1 浄水器
2 浄水器本体
3 浄化室
4 吸着剤
5 下部ネット
6 上部ネット
7 給湯室
8 ヒーター
9 底部
10 層流形成ノズル
11 天板
12 バッファー室
14 水位センサー
15 原水供給パイプ
16 原水分岐バルブ
17 原水中継パイプ
18 原水供給孔
19 浄水吸水孔
20 浄水パイプ
21 浄排水分岐バルブ
22 浄水供給パイプ
23 浄水供給バルブ
24 浄水供給口
25 バイパスパイプ
26 上ドレンパイプ
27 上ドレン排水口
29 下ドレン吸水孔
30 下ドレンパイプ
31 下ドレンバルブ
32 下ドレン排水口
33 コントローラー
40 流路入口
41 円筒ボス部
43 ノズル傾斜部
44 原水入口
45 ノズル吹出口
50a 上部ネット保持材
50b 下部ネット保持材
51 センター支持棒

Claims (7)

  1. 原水を吸着剤を用いて浄化するための浄水器であって、
    ヒーターを有する給湯室と、バッファー室と、前記給湯室と前記バッファー室の間に設けられると共に前記吸着剤が収納された浄化室とを有する浄水器本体と、
    前記給湯室に前記原水を供給するための原水中継パイプと、
    前記原水中継パイプの出口側に接続された層流形成ノズルと、
    前記浄水器で浄化された浄水を前記バッファー室から外部に供給するための浄水パイプと、を備え、
    前記層流形成ノズルは、前記原水中継パイプの前記出口側に接続される原水入口と、前記給湯室に前記原水を層流状態で供給するためのノズル吹出口と、前記原水入口と前記ノズル吹出口の間に設けられたノズル傾斜部を有し、当該ノズル傾斜部の断面積が前記原水入口から前記ノズル吹出口まで徐々に大きくなるように構成されていることを特徴とする浄水器。
  2. 前記浄化室内に、前記吸着剤を間に挟んで保持するための上部ネット及び下部ネットが設けられており、
    前記吸着剤が、加圧手段により前記上部ネット及び前記下部ネットを介して、所定の圧力で加圧されて保持されていることを特徴とする請求項1に記載の浄水器。
  3. 前記原水中継パイプと前記浄水パイプとを接続するためのバイパスパイプと、
    前記ヒーターにより生成された熱水を、前記浄化室及び前記バッファー室を介して外部に排出するための上ドレンパイプと、を更に備え、
    前記原水中継パイプと前記バイパスパイプの一端とが、第1の分岐バルブを介して接続されており、
    前記バイパスパイプの他端、前記浄水パイプ、及び前記上ドレンパイプが、第2の分岐バルブを介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の浄水器。
  4. 前記第1の分岐バルブは、前記原水中継パイプと前記バイパスパイプに供給する流体の流量比を調整可能に構成されており、
    前記第2の分岐バルブは、前記バイパスパイプから供給され、前記浄水パイプと前記上ドレンパイプに分岐する流体の流量比を調整可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の浄水器。
  5. 前記吸着剤は、粉末活性炭、粒状活性炭、破砕状活性炭、繊維状活性炭、粒状ゼオライト、又はその混合物であることを特徴とする請求項1に記載の浄水器。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載した浄水器の運転方法であって、
    原水を吸着剤により浄化する浄水工程と、
    前記吸着剤を殺菌するための殺菌工程と、を備え、
    前記浄水工程と前記殺菌工程とが繰り返し行われ、
    前記殺菌工程は、前記浄水器の給湯室に設けられたヒーターを用いて生成した水蒸気を用いて前記吸着剤を殺菌するための水蒸気殺菌工程と、前記ヒーターを用いて生成した熱水により前記吸着剤を殺菌するため熱水殺菌工程とを含み、
    前記熱水殺菌工程において、原水中継パイプにより供給される原水の水圧を利用して前記給湯室を加圧することにより、前記熱水が前記吸着剤が収納された浄化室まで押し上げられて、前記吸着剤が殺菌されることを特徴とする浄水器の運転方法。
  7. 前記殺菌工程の後に行われる排出工程を更に有し、
    前記浄水器は、原水中継パイプと浄水パイプとを接続するためのバイパスパイプと、ヒーターにより生成された熱水を浄化室及びバッファー室を介して外部に排出するための上ドレンパイプとを備え、
    前記原水中継パイプと前記バイパスパイプの一端とが、第1の分岐バルブを介して接続されており、前記バイパスパイプの他端、前記浄水パイプ、及び前記上ドレンパイプが、第2の分岐バルブを介して接続されており、
    前記排出工程は、前記第1の分岐バルブを操作して、所定の流量比で、前記原水中継パイプから前記給湯室に原水を供給する共に当該第1の分岐バルブに接続された前記バイパスパイプに原水を供給する工程と、
    前記第2の分岐バルブを操作して、当該第2の分岐バルブに接続されている前記バイパスパイプから前記浄水パイプを介して前記バッファー室に原水を供給する工程と、
    前記給湯室内の前記熱水が、前記原水中継パイプから供給された原水により押上げられ、前記浄化室を通って前記バッファー室に到達し、前記浄水パイプを介して供給された前記原水と混合することにより、当該熱水の温度を冷却する工程と、
    前記冷却された熱水が、前記浄水パイプ、第2の分岐バルブ、及び上ドレンパイプを介して前記バッファー室から外部へ排出される工程と、を含み、
    前記第2の分岐バルブは、前記バイパスパイプから供給された原水を前記浄水パイプと前記上ドレンパイプに分岐するための流量比を調整可能に構成されていることを特徴とする請求項6に記載の浄水器の運転方法。
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