JP3108789U - 自動弁 - Google Patents

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弘幸 今井
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株式会社システムリソーセズ
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Abstract

【課題】金型からの真空引きの利用範囲を広げ、自動弁に突き出しピン用の孔を穿ち、真空口を2個所にして金型の真空管路の設計に自由度を広げ、自動弁内に固化して残る残滓物をスムーズに剥離するために、成形材料に囲まれる弁体の稜線形状をエッジにせずR面取り加工をする。
【解決手段】真空管路7内で冷却固化した残滓物を、製品の金型からの離型と同時に押し出しピンで押し出すための、押し出しピン用の孔1b、2bが定位置に穿ってあり、又、押し出しピンで残滓物を押し出す際の離型抵抗を軽減するために、残滓物に囲まれる弁体3の稜9にR面取りを施して、冷凝収縮した残滓物の離型を容易ならしむる形状を伴う弁体3と、そして、2個所の真空口1a、2aを有することによって、固定側型板、又は可動側型板のどちら側でも真空管路の設定を選択させることができる構造を有することを特徴とする
自動弁。
【選択図】図2

Description

考案の詳細な説明
本考案はプラスチック射出成形用金型やアルミダイカスト用金型において、金型を閉じ、溶融した樹脂又はアルミが金型内に流入する直前に金型内の残留大気を真空によって金型外へ排気する金型構造に関するものである。
従来の技術としては、実願平11−007057で見るように、スリープレート構造の金型の固定側型板に埋設して使用する自動弁であり、使用範囲はスリープレート構造(ピンポイントゲート用)の金型である。
考案が解決しようとする課題
従来の方法である実願平11−007057は、プラスチック射出成形用金型のスリープレート構造における真空引きに供するため、固定側型板に埋設されて使用する自動弁である。その動作原理は、射出された樹脂がランナ内を流動して自動弁のゲート口から流入し、その流動圧力によって弁体が移動して自動弁の真空管路を閉鎖するが、自動弁に流入した樹脂は冷却固化して残滓物(8)となり、金型が開いた時にランナと一緒にランナストリッパプレートに付いて行き離型する仕組みになっているが、通常は自動弁のゲート上にランナロックピンを配置し残滓物を自動弁内から確実に剥離している。このように自動弁内において冷却固化した残滓物を金型から除去するメカニズムを無視することはできない。この自動弁をプラスチック射出成形用のツープレート構造の金型やアルミダイカスト成形用の金型に使用しようとした場合、自動弁内で冷却固化した残滓物を金型から確実に剥離する細工が必要である。
又、実願平11−007057の真空口は一個所しかなく、金型内の真空管路を設計する場合の自由度に大きな制約を与えている。
本考案は従来の技術の有するこのような問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは実願平11−007057を改良することによって更に真空引き金型の利用範囲を広げる自動弁を提供しようとするものである。
課題を解決するための手段と作用
溶融したプラスチック又はアルミは、ゲート口(6)から自動弁の真空管路(7)にその流動圧力を持って流入し、弁体(3)に衝突して弁体(3)を後退させ、カバー(2)の一部に弁体(3)を押し付けて真空管路を遮断し、自動弁内の真空管路内(7)に充填し、冷却固化して残滓物(8)として自動弁の中に残る。アルミダイカストの金型やプラスチック射出成形に使われるツープレートの金型にこの自動弁を使用して空気またはガスの真空引きを行う場合の残滓物(8)の処理は、製品の離型と同時に残滓物(8)を突き出しピンにて自動弁から押し出して確実に剥離すればよい。そのために突き出しピン(13)が往復運動できる孔(1b)(2b)を基板(1)とカバー(2)におけるゲート口(6)にそれぞれ穿って解決した。
自動弁の真空管路(7)で冷却固化した残滓物(8)は、その材質によって冷却固化の際の収縮率は異なり同一ではないが、弁体(3)に抱きつく形で収縮し、カバー(2)と弁体(3)に抜きテーパーは付いているものの、突き出しピン(13)で離型させる時にはそれなりの抵抗があり、突き出し時に突き出しピン(13)を破損する場合がある。離型の時の抵抗を小さくするために、弁体(3)が残滓物(8)に囲まれる稜線(9)をエッジ形状ではなくRを付けて丸め、離型の際の抵抗を少なくした。
従来の自動弁実願平11−007057は、金型の真空管路に通じる孔が自動弁の一個所だけであり、金型を設計する上で自由度が制約されている。本考案では図1の(10)(11)で示すように、固定側型板か可動側型板のどの方向からも真空管路の接続が可能なように自動弁に(1a)(2a)の2個所に孔を穿ったことによってその利便性は向上した。
本考案は、プラスチックの射出成形に用いられるツープレート構造の金型及びアルミダイカスト成形に用いられる金型に埋設して、金型外に設置する真空ポンプと真空ホース、金型内の真空管路と連通し、型締め完了後に真空によって金型内に残留する空気やガスを金型外に排気する。ツープレート構造の金型では可動側に埋設し、金型内の真空管路は図1で示すごとく固定側(10)か可動側(11)か金型設計上の選択ができる。又、射出後に自動弁内に残る残滓物(8)は、型開時に製品と一緒に突き出しピン(12)で離型する。
実施例について図面を参照して説明する。
〔図1〕はツープレート構造の金型に自動弁を埋設した断面図である。固定側型板(14)には真空管路(10)が穿ってあり、可動側型板(15)には真空管路(11)が穿ってある。従って、自動弁には2個所の真空吸引の孔(1a)(2a)が穿ってあり、金型設計者がどちらか一方の孔を選定して実施する。又、成形材料が冷却固化した残滓物(8)は、成形した製品を取り出す突き出しピン(13)と共に突き出しピン(12)によって押し出され離型する。
〔図2〕は自動弁の平面図と断面図である。この図では、未だ成形材料が自動弁内に流入していない状態であり、(5)は金型に組みこむ時の締付ボルトが入る孔である。弁体(3)は圧縮コイルばね(4)によってゲート口(6)の内壁まで押し出されており、成形材料が流入した時に囲まれる弁体(3)の稜線はR面取り加工(9)がなされている。又、突き出しピンが出入りする孔(1b)(2b)と真空口(1a)(2a)が図示されている。(2)は自動弁のカバーであり(1)の自動弁の基板とボルトで締結し、弁体(3)と圧縮コイルばね(4)を内蔵する。
〔図3〕は自動弁内に成形材料が充填した状態を示す自動弁の平面図である。高い流動圧力を持った成形材料がゲート口(6)から自動弁内に流入し、弁体(3)がその流動圧力によって後退してカバー(2)の一部壁面に当って止まり、弁体(3)に穿った真空管路を遮断する。その時、自動弁内部の真空管路(7)と弁体(3)の後退によって広がった空間に充填した成形材料が冷却固化して残滓物(8)となる。
〔図4〕は自動弁内の残滓物(8)が、金型開後に製品離型と同時に突き出しピン(12)によって自動弁から突き出され剥離した状態を示す図である。
考案の効果
本考案は先の実願平11−007057を改良することによって金型の真空引きの利用範囲を広げるものである。即ち、実願平11−007057はスリープレートの金型構造を念頭に考案されたものであり、本考案はツープレートの金型構造において使用するために考案したものである。例えば、突き出しピンが出入りする孔(1b)(2b)を穿ち、金型の真空管路を固定側型板(14)でも可動側型板(15)でも任意の位置に設定できるように自動弁の真空口を2個所(1a)(2a)に穿った。又、残滓物(8)の離型を無理なく行うため、弁体(3)の稜線にR加工(9)を施し、実願平11−007057の利用範囲を広げることができた。
ツープレート構造の金型断面図。自動弁が埋設されている状態を示す図。 自動弁平面図及びその断面図。自動弁の内部構造を示す図。 自動弁に成形材料が流入した状態を示す図。 冷却固化した残滓物を突き出しピンが押し出した状態を示す図。
符号の説明
1.基板(自動弁を構成する部品はこの基板上に組みこまれる)
1a.基板側に穿かれた真空口
1b.基板側に穿かれた突き出しピン用孔
2.カバー(基板1とカバー2はボルトによって締結する)
2a.カバー側に穿かれた真空口
2b.カバー2のゲート口6に穿かれた突き出しピン用孔
3.弁体(真空口1a、2aに通じる真空管路を有する)
4.圧縮コイルばね(弁体3を原点に復帰させる)
5.ボルト孔(金型に締結するボルト用の孔)
6.自動弁ゲート口(真空管路の一部)
7.自動弁内の真空管路
8.成形材料が冷却固化した残滓物
9.弁体の稜につけたR面取り加工
10.固定側真空管路
11.可動側真空管路
12.突き出しピン(残滓物8を離型する)
13.突き出しピン(製品を離型する)
14.固定側型板
15.可動側型板

Claims (3)

  1. 溶融した樹脂又はアルミニウム等の溶融物体が本自動弁内に流入し、冷却固化した残滓物(8)を、製品を金型から離型する時と同時に突き出しピン(12)で押し出すための押し出しピン用の孔、(1b)(2b)を有する自動弁で金型の可動側に埋設する。
  2. 本自動弁内で冷却固化した残滓物(8)の弁体(3)への抱き付きに依る離型時の突き出しピン(12)への抵抗力を軽減するために弁体の一部の稜(9)にR面を施した弁体。
  3. 金型内の真空孔を固定側型板(14)、可動側型板(15)のどちら側でも設定できるように上下2個所に真空穴(1a)(2a)を有する自動弁。
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