JP3107752B2 - 車両の運転指向推定装置および車両の駆動力制御装置 - Google Patents

車両の運転指向推定装置および車両の駆動力制御装置

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JP3107752B2 JP23441396A JP23441396A JP3107752B2 JP 3107752 B2 JP3107752 B2 JP 3107752B2 JP 23441396 A JP23441396 A JP 23441396A JP 23441396 A JP23441396 A JP 23441396A JP 3107752 B2 JP3107752 B2 JP 3107752B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両における運転者の
運転指向を推定するための運転指向推定装置、および推
定された運転指向に基づいて車両の駆動力を制御する駆
動力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、予め設定された変速線図から実
際のエンジン負荷および車速に基づいて自動変速機の変
速比或いはギヤ段を制御する変速制御装置、予め設定さ
れた関係から実際のアクセルペダル操作量に基づいてス
ロットル弁開度を制御するスロットル弁開度制御装置な
どを備えた車両では、運転性を高めるために運転者の運
転指向を反映させた駆動力で走行することが望まれる。
また、車両のパワーステアリングの操舵力を制御する操
舵力制御装置、車両懸架装置のショックアブソーバの減
衰力やばね特性を制御するサスペンション制御装置など
の制御装置を備えた車両においても、運転指向に応じ
て、ステアリングの操舵力、ショックアブソーバの減衰
力或いはばね特性が切り換えられることが望まれる。
【0003】これに対し、たとえば、特開平6−221
420号公報には、運転者が動力性能を重視した加速指
向であるか、燃費を重視した燃費指向であるかを、車両
の各センサにより検出されたセンサ信号に基づいて、予
め学習したニューラルネットワークを用いて判定し、自
動変速機の変速線図を切り換えるようにした変速制御技
術が提案されている。また、たとえば、特開平3−20
4468号公報には、運転者の意志に対応した値の変化
率と、その変化率の平均値に基づき無段変速機の制御パ
ターンを決定する技術や、運転者の意志に対応する値
を、最大スロットル弁開度変化率と平均スロットル開度
変化率との差と、スロットル弁開度とに基づいてファジ
ー推論する技術が提案されている。さらに、たとえば、
特開平7−167272号公報には、推定の応答性を高
めるために、エンジン負荷とタイヤ負荷とのうちの大き
い方の値を求め、それをアクセル操作の緩急度合と加速
指向度の増減に応じてフィルタ定数を変化させるフィル
タを通して運転者の加速指向を推定する方法が提案され
ている。
【0004】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、上記従来の技
術は、過去の運転指向と現在の運転指向との変化傾向を
考慮しておらず、様々な運転状況や道路環境において運
転者の運転指向を高精度に示すものとは言い難かった。
すなわち、上記従来の技術は、現在の運転指向を推定す
るものであるため、運転状況や道路環境によっては現実
の運転者の操作が運転指向が異なっても同一となる場合
があることから、運転指向を誤推定することになるの
で、このような状況下では、一時期のアクセル操作の緩
急度合と加速指向度の増減によってフィルタの変数を変
更するだけでは、誤推定を充分に抑制することができな
かったのである。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、運転者の運転意
志を高精度に反映した運転指向を推定する車両の運転指
向推定装置、および運転者の運転意志を高精度に反映し
て駆動力を制御する車両の駆動力制御装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】本発明者等は、以
上の課題を解決しようとして種々検討を重ねた結果、逐
次算出される運転操作関連変数に基づいて推定される運
転指向或いはその推定に用いた運転操作関連変数を、過
去の運転指向に基づいて修正することによって、様々な
運転状況や道路環境において運転者の運転指向を高精度
に反映できることを見いだした。本発明はこのような知
見に基づいて為されたものである。
【0007】すなわち、本第1発明の要旨とするところ
は、車両の運転指向を推定するための運転指向推定装置
であって、(a) 車両の運転操作関連変数に基づいて車両
の運転指向を逐次推定する運転指向推定手段と、(b) そ
の運転指向推定手段により推定された過去の運転指向に
基づいて、前記車両の標準的運転指向を推定する標準運
転指向推定手段と、(c) その標準運転指向推定手段によ
り推定された標準的運転指向の関数であるフィルタ定数
に基づいて、前記運転指向推定手段により推定された運
転指向にフィルタ処理を施す出力フィルタ手段とを、含
むことにある。
【0008】
【第1発明の効果】このようにすれば、運転指向推定手
段では、運転操作関連変数に基づいて車両の運転指向が
逐次推定されるとともに、標準運転指向推定手段では、
その運転指向推定手段により推定された過去の運転指向
に基づいて、所定の運転者の平均的な運転指向或いは標
準的な運転指向を示す車両の標準運転指向が推定され
る。そして、出力フィルタ手段により、その標準運転指
向推定手段により推定された標準的運転指向の関数であ
るフィルタ定数に基づいて、前記運転指向推定手段によ
り推定された運転指向にフィルタ処理が施される。これ
により、運転指向推定手段により推定された運転指向
が、車両の標準運転指向を反映したフィルタ定数を備え
た出力フィルタ手段によりフィルタ処理されるので、フ
ィルタ処理後においては運転者の運転意志を高精度に反
映した運転指向を得ることができる。
【0009】
【課題を解決するための第2の手段】また、第2発明の
要旨とするところは、車両の運転指向を推定するための
運転指向推定装置であって、(a) 車両の運転操作に関連
してに発生させられる第1運転操作関連変数と所定期間
毎に周期的に発生させられる第2運転操作関連変数とに
基づいて車両の運転指向を逐次推定する運転指向推定手
段と、(b) その運転指向推定手段により推定された過去
の運転指向に基づいて、前記車両の標準的運転指向を推
定する標準運転指向推定手段と、(c) その標準運転指向
推定手段により推定された標準的運転指向の関数である
フィルタ定数に基づいて、前記運転指向推定手段に入力
される第2運転操作関連変数にフィルタ処理を施す入力
フィルタ手段とを、含むことにある。
【0010】
【第2発明の効果】このようにすれば、運転指向推定手
段では、車両の運転操作に関連して発生させられる第1
運転操作関連変数と所定期間毎に周期的に発生させられ
る第2運転操作関連変数とに基づいて、車両の運転指向
が逐次推定されるとともに、標準運転指向推定手段で
は、その運転指向推定手段により推定された過去の運転
指向に基づいて、所定の運転者の平均的な運転指向或い
は標準的な運転指向を示す車両の標準運転指向が推定さ
れる。そして、入力フィルタ手段により、その標準運転
指向推定手段により推定された標準的運転指向の関数で
あるフィルタ定数に基づいて、前記運転指向推定手段に
入力される第2運転操作関連変数にフィルタ処理が施さ
れる。これにより、運転指向推定手段により推定された
運転指向が、車両の標準運転指向を反映したフィルタ定
数を備えた入力フィルタ手段によりフィルタ処理された
第2運転操作関連変数に基づいて推定されるので、運転
者の運転意志を高精度に反映した運転指向を得ることが
できる。
【0011】
【課題を解決するための第3の手段】また、第3発明の
要旨とするところは、車両の運転指向の推定値に基づい
て駆動力を制御する車両の駆動力制御装置であって、
(a) 車両の運転操作関連変数に基づいて車両の運転指向
を逐次推定する運転指向推定手段と、(b) その運転指向
推定手段により推定された過去の運転指向に基づいて、
前記車両の標準的運転指向を推定する標準運転指向推定
手段と、(c) 前記運転指向推定手段により推定された運
転指向と、上記標準運転指向推定手段により推定された
標準的運転指向に基づいて求められる判断基準値とを比
較することにより、車両の実際の駆動力を選択する駆動
力選択手段とを、含むことにある。
【0012】
【第3発明の効果】このようにすれば、運転指向推定手
段により推定された運転指向と標準運転指向推定手段
により推定された標準的運転指向に基づいて求められる
判断基準値とを比較することにより車両の実際の駆動力
が選択されることから、運転指向の誤推定が防止され、
運転者の運転意思を高精度に反映した駆動力が得られ
る。
【0013】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記出力フィル
タ手段は、前記運転指向推定手段により逐次推定される
運転指向を示す値のうち燃費指向側へ変化している部分
に対して、前記運転指向推定手段により推定された運転
指向にフィルタ処理を施すものである。このようにすれ
ば、運転指向が加速指向側へ変化するときには、たとえ
ばアクセルペダルが急に踏み込まれて駆動力が要求され
ている場合には、フィルタ処理が行われないので、運転
指向を示す値が急速に加速指向側へ変化させられ得て応
答性が高められ、反対に、運転指向が燃費指向側へ変化
するときには、運転状況や道路環境によりやむをえず誤
推定している可能性があるため、フィルタ処理によって
運転指向の推定の応答性が低くされる利点がある。
【0014】また、好適には、前記出力フィルタ手段
は、前記標準運転指向が加速指向である場合は、燃費指
向である場合に比較して前記フィルタ定数を大きくして
フィルタリング効果を高めるものである。これにより、
運転指向が燃費指向側へ変化したとしてもそれ以前の運
転指向の成分の高い標準運転指向が加速指向側の値であ
る場合は前記フィルタ定数が大きくされてフィルタ処理
によって運転指向の推定の応答性が低くされることによ
り、運転指向の誤推定が緩和される。また、反対に、運
転指向が加速指向側へ変化したとしてもそれ以前の運転
指向の成分の高い標準運転指向が燃費指向側の値である
場合は前記フィルタ定数が小さくされてフィルタ処理に
よって運転指向の推定の応答性が高くされることによ
り、実際の運転者の意志に近い運転指向の推定が可能と
なる。
【0015】また、好適には、前記運転指向推定手段に
より推定され且つ前記出力フィルタ手段によりフィルタ
処理された運転指向に基づいて、車両の実際の駆動力を
選択する駆動力選択手段がさらに含まれる。このように
すれば、駆動力選択手段により、フィルタ処理された運
転指向に基づいて、変速判断の基礎となる変速線図或い
はスロットル弁開度を制御する基礎となる関係が選択さ
れることにより、車両の駆動力が切り換えられるので、
運転者の意志に適合した十分な加速性或いは燃費が得ら
れる。
【0016】また、好適には、前記入力フィルタ手段
は、前記運転指向推定手段により逐次推定される運転指
向を示す値が燃費指向側へ変化している場合に、前記運
転指向推定手段に入力される第2運転操作関連変数にフ
ィルタ処理を施すものである。このようにすれば、運転
指向が加速指向側へ変化するときには、たとえばアクセ
ルペダルが急に踏み込まれて駆動力が要求されている場
合には、第2運転操作関連変数にフィルタ処理が行われ
ないので、運転指向を示す値が急速に加速指向側へ変化
させられ得て応答性が高められ、反対に、運転指向が燃
費指向側へ変化するときには、運転状況や道路環境によ
りやむをえず誤推定している可能性があるため、フィル
タ処理によって運転指向の推定の応答性が低くされる利
点がある。
【0017】また、好適には、前記入力フィルタ手段
は、前記標準運転指向が加速指向である場合は、燃費指
向である場合に比較して前記フィルタ定数を大きくして
フィルタリング効果を高めるものである。これにより、
運転指向が燃費指向側へ変化したとしてもそれ以前の運
転指向の成分の高い標準運転指向が加速指向側の値であ
る場合は前記フィルタ定数が大きくされてフィルタ処理
によって運転指向の推定の応答性が低くされることによ
り、運転指向の誤推定が緩和される。また、反対に、運
転指向が加速指向側へ変化したとしてもそれ以前の運転
指向の成分の高い標準運転指向が燃費指向側の値である
場合は前記フィルタ定数が小さくされてフィルタ処理に
よって運転指向の推定の応答性が高くされることによ
り、実際の運転者の意志に近い運転指向の推定が可能と
なる。
【0018】また、好適には、前記運転指向推定手段に
より、前記入力フィルタ手段によりフィルタ処理された
第2運転操作関連変数に基づいて推定された運転指向に
より、車両の実際の駆動力を選択する駆動力選択手段が
さらに含まれる。このようにすれば、駆動力選択手段に
より、フィルタ処理された第2運転操作関連変数に基づ
いて推定された運転指向により、変速判断の基礎となる
変速線図或いはスロットル弁開度を制御する基礎となる
関係が選択されることから、車両の駆動力が切り換えら
れるので、運転者の運転指向に適合した加速性或いは燃
費が得られる。
【0019】また、好適には、上記駆動力選択手段は、
標準運転指向推定手段により推定された標準運転指向に
基づいて、駆動力を選択するための判断基準値を決定す
るための判断基準値決定手段と、運転指向推定手段によ
り推定された運転指向とそれら判断基準値とを比較し
て、変速制御手段において用いられる変速線図を切り換
えることにより駆動力を選択する比較判定手段とを備え
たものである。このようにすれば、標準運転指向に基づ
いて決定された判断基準値を用いて変速線図が切り換え
られるので、運転者の運転指向に適合した加速性或いは
燃費が得られる。
【0020】また、好適には、前記標準運転指向推定手
段は、前記運転指向推定手段により逐次推定された運転
指向を表す値に、なまし処理、或いは所定の移動区間に
おける重み付け平均値処理を施すことにより標準運転指
向を推定するものである。
【0021】また、好適には、前記車両は、予め設定さ
れた変速線図からエンジン負荷および車速に基づいて変
速出力を行う自動変速制御手段を含み、前記駆動力選択
手段は、その自動変速制御手段の変速制御に用いる変速
線図を、予め記憶された複数種類の変速線図のうちから
一つ選択するものである。或いは、前記車両は、予め設
定された関係から実際のアクセルペダル操作量に基づい
てスロットル弁開度を制御するスロットル弁開度制御手
段を含み、前記駆動力選択手段は、そのスロットル弁開
度制御手段のスロットル弁開度制御に用いる関係を、予
め記憶された複数種類の関係のうちから一つ選択するも
のである。
【0022】また、好適には、前記運転指向推定手段
は、前記運転操作関連変数が入力されるニューラルネッ
トワークを備え、そのニューラルネットワークの出力に
基づいて運転指向を推定するものである。
【0023】また、好適には、前記第1運転操作関連変
数および第2運転操作関連変数を算出する運転操作関連
変数算出手段が含まれ、その運転操作関連変数算出手段
は、上記第1運転操作関連変数として、車両発進時の出
力操作量、出力操作量の最大変化率、車両の制動操作時
の最大減速度、車両の惰行走行時間、車速一定走行時間
を算出し、それらのいずれか一つを算出する毎に、前記
ニューラルネットワークへ入力させ、上記第2運転操作
関連変数として、入力信号区間最大値、最大車速を所定
の周期毎に算出し、それらのいずれか一つを算出する毎
に、前記ニューラルネットワークへ入力させるものであ
る。
【0024】また、好適には、前記車両の運転指向推定
装置において、前記運転指向推定手段は、前記運転操作
関連変数算出手段によって車両発進時の出力操作量、出
力操作量の最大変化率、車両の制動操作時の最大減速
度、車両の惰行走行時間、車速一定走行時間のいずれか
一つが算出される毎に、前記ニューラルネットワークの
出力に基づいて、車両の運転指向を推定するものであ
る。このようにすれば、運転操作関連変数が算出される
毎に、運転指向の推定結果が得られるので、運転指向の
推定の応答性が高められる利点がある。
【0025】また、好適には、前記運転操作関連変数算
出手段には、所定区間内の入力信号の分散を示す値を算
出する入力信号分散値算出手段が設けられ、その入力信
号分散値算出手段により算出された所定区間内の入力信
号の分散を示す値が前記運転指向推定手段に入力させら
れる。このようにすれば、高速道路走行においてエンジ
ン回転数や車速が高くなった場合において、燃費指向で
は上記分散が小さくなる性質があることから、加速指向
と推定されることが好適に防止される。
【0026】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0027】図1には、車両の自動変速機および変速制
御装置が示されている。図1において、車両のエンジン
10から出力された動力は、トルクコンバータ12、自
動変速機14、および図示しない差動歯車装置および車
軸を経て図示しない駆動輪へ伝達されるようになってい
る。
【0028】上記トルクコンバータ12は、クランク軸
16に連結されたポンプ翼車18と、自動変速機14の
入力軸20に連結され且つ流体を介してポンプ翼車18
から動力が伝達されるタービン翼車22と、一方向クラ
ッチ24を介して位置固定のハウジング26に固定され
た固定翼車28と、ポンプ翼車18およびタービン翼車
22をダンパ30を介して直結するロックアップクラッ
チ32とを備えている。このロックアップクラッチ32
は、解放側油室33と係合側油室35との圧力差により
係合制御される。
【0029】上記自動変速機14は、たとえば前進4速
或いは5速のギヤ段が達成される遊星歯車式の多段変速
機である。前進4速である場合の自動変速機14は、同
軸上に配設された3組のシングルピニオン型遊星歯車装
置34,36,38と、前記入力軸20と、遊星歯車装
置38のリングギヤとともに回転する出力歯車39と前
記差動歯車装置との間で動力を伝達するカウンタ軸(出
力軸)40とを備えている。それら遊星歯車装置34,
36,38の構成要素の一部は互いに一体的に連結され
るだけでなく、3つのクラッチC0 ,C1 ,C2 によっ
て互いに選択的に連結されている。また、上記遊星歯車
装置34,36,38の構成要素の一部は、4つのブレ
ーキB0 ,B1 ,B2 ,B3 によってハウジング26に
選択的に連結されるとともに、さらに、構成要素の一部
は3つの一方向クラッチF0 ,F 1 ,F2 によってその
回転方向により相互に若しくはハウジング26と係合さ
せられるようになっている。
【0030】上記クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキ
0 ,B1 ,B2 ,B3 は、例えば多板式のクラッチや
1本または巻付け方向が反対の2本のバンドを備えたバ
ンドブレーキ等にて構成され、それぞれ図示しない油圧
アクチュエータによって作動させられるようになってい
る。後述の電子制御装置42からの指令に従って作動す
る油圧制御回路44によりそれ等の油圧アクチュエータ
の作動がそれぞれ制御されることにより、図2に示され
ているように変速比γ(=入力軸20の回転速度/カウ
ンタ軸40の回転速度)がそれぞれ異なる前進4段・後
進1段の変速段が得られる。図2において、「1st」,
「2nd」,「3rd」,「O/D(オーバドライブ)」は、そ
れぞれ前進側の第1速ギヤ段,第2速ギヤ段,第3速ギ
ヤ段,第4速ギヤ段を表しており、上記変速比は第1速
ギヤ段から第4速ギヤ段に向かうに従って順次小さくな
る。なお、上記トルクコンバータ12および自動変速機
14は、軸心に対して対称的に構成されているため、図
1においては入力軸20の回転軸線の下側およびカウン
タ軸40の回転軸線の上側を省略して示してある。
【0031】上記油圧制御回路44には、自動変速機1
4のギヤ段を制御するための変速制御用油圧制御回路
と、ロックアップクラッチ32の係合を制御するための
係合制御用油圧制御回路とが設けられている。変速制御
用油圧制御回路は、ソレノイドNo.1およびソレノイドN
o.2によってそれぞれオンオフ駆動される第1電磁弁4
6および第2電磁弁48を備えており、それら第1電磁
弁46および第2電磁弁48の作動の組み合わせによっ
て図1に示すようにクラッチおよびブレーキが選択的に
作動させられて前記第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段のう
ちのいずれかが成立させられるようになっている。
【0032】また、上記係合制御用油圧制御回路は、ロ
ックアップクラッチ32を解放状態とする解放側位置と
ロックアップクラッチ32を係合状態とする係合側位置
とに切り換える図示しないクラッチ切換弁をオンオフ作
動させる切換用信号圧を発生する第3電磁弁50と、係
合側油室35および解放側油室33の圧力差ΔPを調節
してロックアップクラッチ32のスリップ量を制御する
図示しないスリップ制御弁を作動させるスリップ制御用
信号圧を電子制御装置42からの駆動電流に従って発生
させるリニアソレノイド弁54とを備えている。
【0033】前記電子制御装置42は、CPU60、R
AM62、ROM64、図示しない入出力インターフェ
ースなどを含む所謂マイクロコンピュータであって、そ
れには、エンジン10の吸気配管66に設けられたスロ
ットル弁68の開度TAを検出するスロットルセンサ7
0、エンジン10の回転速度を検出するエンジン回転速
度センサ72、自動変速機14の入力軸20の回転速度
を検出する入力軸回転速度センサ74、車速Vを検出す
るために自動変速機14のカウンタ軸40の回転速度を
検出する車速センサ76、シフトレバー78の操作位
置、すなわちL、S、D、N、R、Pレンジのいずれか
を検出する操作位置センサ80、ブレーキペダル82の
操作を検出するブレーキスイッチ84から、スロットル
弁開度TAを表す信号、エンジン回転速度NE を表す信
号、入力軸回転速度NINを表す信号、出力軸(カウンタ
軸40)の回転速度NOUT を表す信号、シフトレバー7
8の操作位置PS を表す信号、ブレーキペダル82の操
作を表す信号SBKがそれぞれ供給されるようになってい
る。上記スロットル弁68は、たとえば図24に示す関
係から電子制御装置42により出力操作部材に対応する
アクセルペダル58の操作量Accに基づいてスロットル
アクチュエータ86によりスロットル弁開度TAが制御
されるものである。
【0034】電子制御装置42のCPU60は、予めR
OM64に記憶されたプログラムに従って上記入力信号
を処理し、たとえば運転指向推定制御、変速制御、ロッ
クアップクラッチ制御、スロットル開度制御などを実行
する。したがって、本実施例では、電子制御装置42が
運転指向推定装置、変速制御装置として機能している。
【0035】上記電子制御装置42の運転指向推定制御
では、入力信号から所定の運転操作関連変数を算出し、
その運転操作関連変数が入力されるニューラルネットワ
ークNNの出力に基づいて運転指向が推定される。ま
た、電子制御装置42の変速制御やロックアップクラッ
チ制御では、予めROM64に記憶された複数種類の変
速線図すなわち図3の加速指向の変速線図、図4の中間
指向(通常)の変速線図、図5の燃費指向の変速線図か
ら運転指向に対応する変速線図が選択され、その選択さ
れた変速線図から実際の車速Vおよびスロットル弁開度
TAに基づいて所定のギヤ段へのシフト判定或いはロッ
クアップオンオフ判定が行われる。たとえば、図4の通
常の変速線図において実際の車速Vおよびスロットル弁
開度TAを示す点がアップシフト線或いはダウンシフト
線と交差するとアップシフト判定或いはダウンシフト判
定が行われる。そして、そのシフト判定が行われたギヤ
段を成立させるように、図1に示す第1電磁弁46およ
び第2電磁弁48が駆動され、或いはロックアップクラ
ッチ32の係合制御のために第3電磁弁50およびリニ
アソレノイド弁54が駆動される。
【0036】なお、図3、図4、図5において、実線は
シフトアップ線を示し、破線はシフトダウン線を示し、
1点鎖線はロックアップクラッチの係合線を示し、2点
鎖線はロックアップクラッチの開放線を示している。図
3の加速指向の変速線図では、図4と比較して、高車速
(高エンジン回転速度)で変速が実行されるように変速
線が設定されている。また、図5の燃費指向の変速線図
では、図4と比較して、低エンジン回転速度で変速が実
行されるように変速線が設定されている。
【0037】図6は、上記電子制御装置42の制御機能
を説明する機能ブロック線図である。図において、(電
子)スロットル制御手段88は、図24に示す関係から
実際のアクセルペダル操作量Accに基づいてスロットル
アクチュエータ86を駆動することによりスロットル弁
開度TAを制御する。変速制御手段90は、ROM64
に予め記憶された複数種類の変速線図から駆動力選択手
段92により選択された変速線図から、車速センサ76
により検出された実際の車速Vおよびスロットルセンサ
70により検出された実際のスロットル弁開度TAに基
づいて所定のギヤ段への変速判断を実行し、その変速判
断により判断されたギヤ段を達成するための電磁弁4
6、48、50に対して変速出力を行って自動変速機1
4のギヤ段を切換制御する。
【0038】駆動力選択手段92は、ROM64に予め
記憶された図3、図4、図5に示す複数種類の変速線図
から、運転指向推定部94により推定された運転指向を
示す値DL或いはFDLに基づいて変速線図を選択す
る。たとえば、駆動力選択手段92では、たとえば図1
0の実線に示される、運転指向推定部94から出力され
た運転指向を示す値DL或いはFDLが予め設定された
加速指向判断基準値PSLを越えた場合には、図3の加
速指向の変速線図が選択されるが、燃費指向判断基準値
ESLを下回った場合には、図5の燃費指向の変速線図
が選択され、加速指向判断基準値PSLと燃費指向判断
基準値ESLとの間にある場合には、それら加速指向の
変速線図および燃費指向の変速線図の中間的な特性を備
えた図4の中間指向の変速線図が選択されるのである。
【0039】上記運転指向推定部94は、複数種類の運
転操作関連変数のいずれかの算出毎にその運転操作関連
変数が入力されて推定演算が起動されるニューラルネッ
トワークNNを備え、そのニューラルネットワークNN
の出力に基づいて車両の運転指向を推定し、その運転指
向を示す値DL或いはFDLを出力する。この運転指向
を示す値DL或いはFDLは、たとえば「0」から
「1」までの連続値である。
【0040】たとえば図7に示すように、上記運転指向
推定部94は、前記各センサ70、72、74、76、
84などからの検出信号を比較的短い所定の周期で読み
込む信号読込手段96と、この信号読込手段96により
逐次読み込まれた信号から、運転指向を反映する運転操
作に密接に関連する複数種類の運転操作関連変数、すな
わち車両発進時の出力操作量(アクセルペダル操作量)
すなわち車両発進時のスロットル弁開度TAST、加速操
作時の出力操作量の最大変化率すなわちスロットル弁開
度の最大変化率ACCMAX 、車両の制動操作時の最大減速
度GNMAX、車両の惰行走行時間TCOAST 、車速一定走行
時間TVCONST、所定区間内において各センサから入力さ
れた信号の区間最大値、運転開始以後における最大車速
max などをそれぞれ算出する運転操作関連変数算出手
段すなわち前処理手段98と、この前処理手段98によ
り運転操作関連変数が算出される毎にその運転操作関連
変数が許可されて運転指向推定演算を行うニューラルネ
ットワークNNを備え、そのニューラルネットワークN
Nの出力である運転指向推定値を出力する運転指向推定
手段100と、その運転指向推定手段100により推定
された過去の運転指向に基づいて、車両の標準的運転指
向SDLを推定する標準運転指向推定手段102と、そ
の標準運転指向推定手段102により推定された標準的
運転指向の関数であるフィルタ定数KDL2 に基づいて、
運転指向推定手段100により推定された運転指向DL
にフィルタ処理を施す出力フィルタ手段104とを備
え、ニューラルネットワークNNの出力信号NNOUT
基づく運転指向を示す値DL或いはFDLを前記駆動力
選択手段92へ供給するとともに、車両に搭載され且つ
運転指向に関連して制御を変更することが必要な他の制
御装置へ供給する。
【0041】上記他の制御装置としては、たとえば上記
運転指向推定部94により推定された運転指向に基づい
て車両のパワーステアリングの操舵力が制御される操舵
力制御装置、上記運転指向推定部94により推定された
運転指向DL或いはFDLに基づいて車両懸架装置のシ
ョックアブソーバの減衰力或いはばね特性が制御される
サスペンション制御装置である。上記運転指向推定手段
100では、車両発進時のスロットル弁開度TAST、加
速操作時のスロットル弁開度の最大変化率ACC MAX 、車
両の制動操作時の最大減速度GNMAX、車両の惰行走行時
間TCOAST 、車速一定走行時間TVCONSTが入力される毎
に演算されるニューラルネットワークの出力に基づい
て、車両の運転指向が推定されることから、より正確に
運転指向を推定でき、複数回の推定を要することなく、
運転者の操作に対する運転指向結果の応答性が十分に得
られる。
【0042】上記図7の前処理手段98には、車両発進
時の出力操作量すなわち車両発進時のスロットル弁開度
TASTを算出する発進時出力操作量算出手段98a、加
速操作時における出力操作量の最大変化率すなわちスロ
ットル弁開度の最大変化率A CCMAX を算出する加速操作
時出力操作量最大変化率算出手段98b、車両の制動操
作時の最大減速度GNMAXを算出する制動時最大減速度算
出手段98c、車両の惰行走行時間TCOAST を算出する
惰行走行時間算出手段98d、車速一定走行時間T
VCONSTを算出する車速一定走行時間算出手段98e、た
とえば3秒程度の所定区間内における各センサからの入
力信号(スロットル弁開度TA、車速V、エンジン回転
速度NE 、前後加速度NOGBW )のうちの最大値を周期的
に算出する入力信号区間最大値算出手段98f、運転開
始以後における最大車速Vmax をたとえば3秒程度の所
定区間内において周期的に算出する最大車速算出手段9
8gなどがそれぞれ備えられている。
【0043】上記入力信号区間最大値算出手段98fに
おいて算出される所定区間内の入力信号のうちの最大値
としては、スロットル弁開度TAmaxt、車速Vmaxt、エ
ンジン回転速度NEmaxt 、前後加速度NOGBW maxt (減
速のときは負の値)或いは減速度GNMAXt (絶対値)が
用いられる。前後加速度NOGBW maxt 或いは減速度G
NMAXt は、たとえば車速V(NOUT )の変化率から求め
られる。
【0044】図7の運転指向推定手段100には、上記
車両発進時のスロットル弁開度TA ST、加速操作時にお
けるスロットル弁開度の最大変化率ACCMAX 、車両の制
動操作時の最大減速度GNMAX、車両の惰行走行時間T
COAST 、車速一定走行時間TVC ONSTなどの運転操作に関
連して発生させられる第1運転操作関連変数と、上記各
センサからの入力信号のうちの最大値、運転開始以後に
おける最大車速Vmax など周期的に発生させられる第2
運転操作関連変数とが入力される。運転指向推定手段1
00は、ニューラルネットワークNNを利用して、それ
ら第1運転操作関連変数および第2運転操作関連信号の
入力毎にそれらに基づいて、たとえば少なくとも3秒毎
に運転指向の度合を示す値すなわち運転指向DLを逐次
出力する。
【0045】運転指向推定手段100に備えられたニュ
ーラルネットワークNNは、コンピュータプログラムに
よるソフトウエアにより、或いは電子的素子の結合から
成るハードウエアにより生体の神経細胞群をモデル化し
て構成され得るものであり、たとえば図7の運転指向推
定手段100のブロック内に例示されるように構成され
る。図7において、ニューラルネットワークNNは、r
個の神経細胞要素(ニューロン)Xi (X1 〜Xr )か
ら構成された入力層と、s個の神経細胞要素Y j (Y1
〜Ys )から構成された中間層と、t個の神経細胞要素
k (Z1 〜Z t )から構成された出力層とから構成さ
れた3層構造の階層型である。そして、上記入力層から
出力層へ向かって神経細胞要素の状態を伝達するため
に、結合係数(重み)WXij を有して上記r個の神経細
胞要素Xi とs個の神経細胞要素Y j とをそれぞれ結合
する伝達要素DXij と、結合係数(重み)WYjk を有し
てs個の神経細胞要素Yj とt個の神経細胞要素Zk
をそれぞれ結合する伝達要素DYjk が設けられている。
【0046】上記ニューラルネットワークNNは、その
結合係数(重み)WXij 、結合係数(重み)WYjk を所
謂誤差逆伝搬学習アルゴリズムによって学習させられた
パターン連想型のシステムである。その学習は、前記運
転操作関連変数の値と運転指向とを対応させる走行実験
によって予め完了させられているので、車両組み立て時
では、上記結合係数(重み)WXij 、結合係数(重み)
Yjk は固定値が与えられている。上記の学習に際して
は、複数の運転者についてそれぞれ燃費指向、加速指
向、それらの中間的な中間(ノーマル)指向の運転がた
とえば高速道路、郊外道路、山岳道路、市街道路などの
種々の道路において実施され、そのときの運転指向を教
師信号とし、教師信号とセンサ信号を前処理したn個の
指標(入力信号)とがニューラルネットワークNNに入
力させられる。なお、上記教師信号は運転指向を0から
1までの値に数値化し、たとえば燃費指向を0、中間指
向を0.5、加速指向を1とする。また、上記入力信号
は−1から+1までの間あるいは0から1までの間の値
に正規化して用いられる。
【0047】標準運転指向推定手段102では、運転指
向推定手段100により逐次推定された運転指向を示す
値DLのうちの過去の運転指向に基づいて、前記車両の
標準的運転指向の度合を示す値すなわち標準運転指向S
DLが推定される。すなわち、前記運転指向推定手段1
00により逐次推定された運転指向を表す値DLn に、
なまし処理、或いは所定の移動区間における重み付け平
均値処理が施されることにより、運転開始からの運転者
の平均的な運転指向或いは標準的な運転指向を示す成分
を有する標準運転指向SDLが推定される。数式1は、
上記なまし処理の一例を示している。数式1において、
nはサンプリング番号を示す整数であり、KDL1 はなま
し処理の特性を示すなましフィルタ定数であって、たと
えば「10」程度に設定されている。このフィルタ定数
が大きくなるほど、標準運転指向SDL内の過去の成分
が多くなる。
【0048】
【数1】SDLn+1 =〔DLn+1 +KDL1 ・SDLn
/(1+KDL1
【0049】出力フィルタ手段104は、数式2から上
記標準運転指向SDLに基づいてフィルタ定数KDL2
算出し、そのフィルタ定数KDL2 を備えた数式3のフィ
ルタ処理式を用いて、運転指向推定手段100から出力
された運転指向DLのうちの減少傾向にある部分すなわ
ち燃費指向側へ変化している部分に対してフィルタ処理
を施す。すなわち、出力フィルタ手段104は、標準運
転指向推定手段102により推定された標準運転指向S
DLの関数であるフィルタ定数KDL2 すなわちフィルタ
特性に基づいて、運転指向DLに遅れ処理或いはなまし
処理のフィルタ処理を施す。数式2においてCKDLは基
準フィルタ定数であり、KSDLOはたとえば「6」程度の
定数である。また、数式3においてnはサンプリング番
号を示す整数であり、FDLはフィルタ処理後の運転指
向を示す値である。
【0050】
【数2】KDL2 =CKDL+KSDLO・SDL
【0051】
【数3】FDLn+1 =〔DLn+1 +KDL2 ・FDLn
/(1+KDL2
【0052】図8および図9は、電子制御装置42の制
御作動の要部、すなわち運転指向推定作動および駆動力
選択作動をそれぞれ説明するフローチャートである。図
8のステップ(以下、ステップを省略する)SM1で
は、初期処理が実行されることにより、RAM62内に
設けられた種々の記憶領域或いはレジスタ、計数或いは
計時などのためのカウンタやタイマ等がクリアされると
ともに、推定許可フラグXNNCAL の内容が「0」にクリ
アされ且つ停車フラグXSTOPの内容が「1」にセットさ
れる。次いで、前記信号読込手段96に対応するSM2
では、各センサからの入力信号が読み込まれる。
【0053】次に、前記前処理手段(運転操作関連変数
算出手段)98に対応するSM3では、各運転操作に関
連するイベントの発生時期とイベントの量、すなわち運
転操作関連変数が算出される。すなわち、車両発進時の
スロットル弁開度TAST、運転開始以後におけるスロッ
トル弁開度の最大変化率ACCMAX 、車両の制動操作時の
最大減速度GNMAX、車両の惰行走行時間TCOAST 、車速
一定走行時間TVCONST、所定区間内における各センサか
らの入力信号のうちの区間最大値たとえばスロットル開
度TAmaxt、車速Vmaxt、エンジン回転速度NEmaxt
前後加速度NOGBW(GNMAXt ) などの複数種類の運転操作
関連変数が、各センサからの入力信号に基づいて算出さ
れる。なお、シフトレバー78によりP、Rレンジが選
択されている時には運転指向の推定は実行されない。
【0054】次いで、SM4において、推定許可フラグ
NNCAL の内容が「1」にセットされているか否かが判
断される。推定許可フラグXNNCAL の内容が「1」にセ
ットされていない場合には、このSM4の判断が否定さ
れて上記SM2以下が繰り返し実行されるが、推定許可
フラグXNNCAL の内容が「1」にセットされている場合
には、SM4の判断が肯定されて、前記運転指向推定手
段100に対応するSM5において、運転指向の推定演
算が実行される。上記推定許可フラグXNNCALは、前記
運転操作関連変数の算出毎に、または惰行走行時間T
COAST の計測中、車速一定走行時間TVCONSTの計測中、
或いは制動時の最大減速度GNMAXの計測中の場合は3秒
程度の所定時間毎にその内容が「1」にセットされるも
のであり、SM4はその推定許可フラグXNNCAL のセッ
ト毎に上記SM5の運転指向推定演算を許可するのであ
る。
【0055】上記SM5では、前記運転指向推定手段1
00において説明したように、車両発進時のスロットル
弁開度TAST、運転開始以後におけるスロットル弁開度
の最大変化率ACCMAX 、車両の制動操作時の最大減速度
NMAX、車両の惰行走行時間TCOAST 、車速一定走行時
間TVCONST、所定区間内における各センサからの入力信
号のうちの区間最大値すなわちスロットル開度T
maxt、車速Vmaxt、エンジン回転速度NEmaxt 、前後
加速度NOGBW maxt( GNMAXt ) などの複数種類の運転操
作関連変数が入力されるニューラルネットワークNNが
用いられ、そのニューラルネットワークNNの出力信号
に基づいて、運転指向を示す値DLが出力される。この
運転指向を示す値DLは、その値が大きくなるに従っ
て、燃費指向、中間指向、加速指向を順次意味する。
【0056】次いで、前記標準運転指向算出手段102
に対応するSM6では、上記SM5において逐次推定さ
れた運転指向を表す値DLn に、数式1に示すなまし処
理が施されることにより、運転開始からの運転者の平均
的な運転指向或いは標準的な運転指向を示す成分を有す
る標準運転指向SDLが推定される。そして、前記出力
フィルタ手段104に対応するSM7では、数式2から
上記標準運転指向SDLに基づいてフィルタ定数KDL2
が算出され、そのフィルタ定数KDL2 を備えた数式3の
フィルタ処理式を用いて上記SM5において算出された
運転指向DLのうちの減少傾向にある部分に対してフィ
ルタ処理が施されることにより、フィルタ処理後の運転
指向FDLが出力される。
【0057】そして、上記のようにフィルタ処理後の運
転指向FDLが推定された後においては、SM8におい
て推定許可フラグXNNCAL の内容が「0」にクリアさ
れ、その後、前記SM2以下が繰り返し実行される。
【0058】図9は、前記駆動力選択手段92に対応す
る変速線図切換ルーチンを示している。図9において、
SH1では、出力フィルタ手段104から出力された運
転指向FDLが予め設定された加速指向判断基準値PS
L以上であるか否かが判断される。このSH1の判断が
肯定された場合は、SH2においてたとえば図3に示す
加速指向の変速線図が選択されるが、否定された場合
は、SH3において、出力フィルタ手段104から出力
された運転指向FDLが予め設定された燃費指向判断基
準値ESL以上であるか否かが判断される。このSH3
の判断が肯定された場合は、SH4において、たとえば
図4の中間指向の変速線図が選択されるが、否定された
場合は、SH5においてたとえば図5の燃費指向の変速
線図が選択される。これにより、上記変速線図が加速指
向のものとなるほど走行中の車両の駆動力が高められる
ので、本変速線図切換ルーチンにより車両の駆動力が選
択される。
【0059】上述のように、本実施例によれば、運転指
向推定手段100(SM5)では、運転操作関連変数に
基づいて車両の運転指向DLが逐次推定されるととも
に、標準運転指向推定手段102(SM6)では、その
運転指向推定手段100により推定された過去の運転指
向に基づいて、所定の運転者の平均的な運転指向或いは
標準的な運転指向を示す車両の標準運転指向SDLが推
定される。そして、出力フィルタ手段104(SM7)
により、その標準運転指向推定手段102により推定さ
れた標準的運転指向SDLの関数であるフィルタ定数K
DL2 に基づいて、上記運転指向推定手段100により推
定された運転指向DLに対してフィルタ処理が施され
る。これにより、運転指向推定手段100により推定さ
れた運転指向DLが、車両の標準運転指向SDLを反映
したフィルタ定数KDL2 を備えた出力フィルタ手段10
4によりフィルタ処理されるので、フィルタ処理後にお
いては運転者の運転意志を高精度に反映した運転指向F
DLを得ることができる。
【0060】因みに、図10の破線は、出力フィルタ手
段104によりフィルタ処理が施されない運転指向DL
を示している。この運転指向DLによれば、フィルタ処
理された運転指向FDLに比較して、アクセルペダル5
8の戻し操作による影響が大きいことから、図10のt
1 乃至t2 に示す区間において燃費指向と判断されるの
で、図5に示す燃費指向用変速線図に切り換えられて駆
動力が低くされる。このため、運転者は加速指向である
にも拘わらず、その意に適合しない駆動力での走行期間
が避けられなかったのである。
【0061】さらに、上級運転者が4kmのテストコース
を、図11に示すように加速指向を意図して走行したと
きの車両の標準運転指向SDLを反映したフィルタ定数
DL 2 を備えたフィルタにより処理された運転指向(以
下、段落
【0062】まで前者の運転指向という)FDLおよび
フィルタ定数KDL2 を図12および図14に示し、従来
技術(特開平7−167272号)で用いられた一時期
のアクセル操作の緩急度合と加速指向度の増減に基づい
てフィルタ定数KDL2 を変更するフィルタ処理された運
転指向(以下、段落
【0063】まで後者の運転指向という)DLおよびフ
ィルタ定数KDL2 を図13および図15に示す。このと
き、加速指向判断基準値PSLが「0.5」に設定され
たとすると、前者の運転指向FDLのうちの加速指向判
断基準値PSL以上の部分は94.98%となるが、後
者の運転指向DLのうちの加速指向判断基準値PSL以
上の部分は79.94となり、本実施例の前者の運転指
向FDLは後者の運転指向DLに比較して、精度が15
%以上高められている。また、このとき、黒塗り部分に
示す誤判定された部分で両図を比較すると、では、前
者の運転指向FDLの場合は加速指向の判定が維持され
ているが、後者の運転指向DLの場合は加速指向の判定
が維持できない状態とされる。
【0064】また、本実施例によれば、出力フィルタ処
理手段104(SM7)では、運転指向推定手段100
から出力される運転指向DLが燃費指向側への変化傾向
すなわち減少傾向にあるときだけその運転指向DLにフ
ィルタ処理が施されることから、運転指向DLが加速指
向側へ変化するときに、たとえばアクセルペダル58が
急に踏み込まれて駆動力が要求されている場合にはフィ
ルタ処理が行われないので、運転指向を示す値FDLが
急速に加速指向側へ変化させられ得て応答性が高めら
れ、反対に、運転指向DLが燃費指向側へ変化するとき
には、運転状況や道路環境によりやむをえず誤推定して
いる可能性があるため、フィルタ処理によって運転指向
FDLの推定の応答性が低くされる利点がある。因み
に、黒塗り部分に示す誤判定された部分で前記図12
および図13を比較すると、前者の運転指向FDLの場
合は、運転指向DLが減少傾向にある部分だけフィルタ
処理が施されているため、前者の運転指向FDLの増加
に対する応答性が高く、誤推定してからの復帰が従来に
比較して速やかとなり、運転指向の増加に対応する駆動
力が応答性よく得られるが、後者の運転指向DLの場合
は、運転指向DLが増加するときもフィルタ処理が施さ
れるので運転指向DLの増加に対応する応答性が抑制さ
れ、誤推定してからの復帰も遅くなっている。
【0065】また、本実施例では、出力フィルタ手段1
04(SM7)は、標準運転指向SDLが加速指向であ
る場合は、燃費指向である場合に比較してフィルタ定数
DL 2 を大きくしてフィルタリング効果を高めるもので
あることから、運転指向DLが燃費指向側へ変化したと
してもそれ以前の運転指向の成分の高い標準運転指向S
DLが加速指向側の値である場合は上記フィルタ定数K
DLが大きくされてフィルタ処理によって運転指向FDL
の推定の応答性が低くされることにより、運転指向FD
Lの誤推定が一層緩和される。また、反対に、運転指向
DLが加速指向側へ変化したとしてもそれ以前の運転指
向の成分の高い標準運転指向SDLが燃費指向側の値で
ある場合はフィルタ定数KDLが小さくされてフィルタ処
理によって運転指向FDLの推定の応答性が高くされる
ことにより、実際の運転者の意志に近い運転指向の推定
が可能となる。
【0066】また、本実施例では、運転指向推定手段1
00により推定され且つ出力フィルタ手段104により
フィルタ処理された運転指向FDLに基づいて、車両の
実際の駆動力を選択する駆動力選択手段92(SH1乃
至SH5)が設けられており、この駆動力選択手段92
により、フィルタ処理された運転指向FDLに基づい
て、変速判断の基礎となる変速線図が選択されることに
より、車両の駆動力が切り換えられるので、運転者の意
志に適合した十分な加速性或いは燃費が得られる。すな
わち、図10の実線に示すように駆動力選択手段92に
より運転指向FDLに基づいて変速線図が切り換えられ
る結果、たとえ運転状況や道路環境によって運転者の操
作や車両の挙動が燃費指向と同じとなったとしても、出
力された運転指向FDLには出力フィルタ処理104に
より標準運転指向SDLが加味されているため、運転者
の運転指向に適した駆動力或いは加速力が得られ、違和
感のない走行が可能となる。
【0067】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の説明において前述の実施例と共通する部分に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】図16および図17は、本発明の他の実施
例における電子制御装置42の制御機能の要部を説明す
る機能ブロック線図、および制御作動の要部を説明する
フローチャートである。
【0069】図16は、運転指向推定部94の他の構成
例を示す図6に相当する図である。図において、前述の
実施例と同様に、運転指向推定手段100には、車両発
進時のスロットル弁開度TAST、加速操作時におけるス
ロットル弁開度の最大変化率ACCMAX 、車両の制動操作
時の最大減速度GNMAX、車両の惰行走行時間TCOAST
車速一定走行時間TVCONSTなどの第1運転操作関連変数
と、各センサからの入力信号のうちの所定区間内の最大
値、運転開始以後における最大車速Vmax など周期的に
発生させられる第2運転操作関連変数が前処理手段98
から供給されており、運転指向推定手段100は、その
第1運転操作関連変数の供給毎に或いは所定周期毎にそ
れら第1運転操作関連変数および第2運転操作関連変数
に基づいて車両の運転指向DLを逐次推定する。そし
て、標準運転指向推定手段102により推定された標準
的運転指向SDLの関数であるフィルタ定数KDL3 に基
づいて、運転指向推定手段100に入力される第2運転
操作関連変数にフィルタ処理を施す入力フィルタ手段1
10が、前記出力フィルタ手段104に替えて設けられ
ている。
【0070】上記入力フィルタ手段110は、数式2と
同様の数式4から上記標準運転指向SDLに基づいてフ
ィルタ定数KDL3 を算出し、そのフィルタ定数KDL3
備えた数式3と同様の数式5のフィルタ処理式を用い
て、運転指向推定手段100から出力された運転指向D
Lの減少傾向にある期間すなわち燃費指向側へ変化して
いる期間において、第2運転操作関連変数に対してフィ
ルタ処理を施す。数式4においてCKDL3 は基準フィル
タ定数であり、KSDLO3 はたとえば「6」程度の定数で
ある。また、数式5においてnはサンプリング番号を示
す整数であり、OPn 、OPn+1 はフィルタ処理前の第
2運転操作関連変数を示す値であり、FOPn+1 はフィ
ルタ処理後の第2運転操作関連変数を示す値である。
【0071】
【数4】KDL3 =CKDL3 +KSDLO3 ・SDL
【0072】
【数5】FOPn+1 =〔OPn+1 +KDL3 ・FOPn
/(1+KDL3
【0073】図17は、本実施例の電子制御装置42の
制御作動の要部、すなわち運転指向推定作動を説明する
フローチャートであって、前記図8に相当する図であ
る。この図17のフローチャートでは、図8のSM7の
出力フィルタ処理が除去されることに替えて、SM4と
SM5の間にSM9の入力フィルタ処理が設けられてい
る点において相違する。以下、その相違点を中心に説明
する。
【0074】上記入力フィルタ手段110に対応するS
M9では、数式4から実際の標準運転指向SDLに基づ
いてフィルタ定数KDL3 が決定され、運転指向推定手段
100から出力された運転指向DLの減少傾向にある期
間すなわち燃費指向側へ変化している期間において、運
転指向推定手段100に入力される入力信号のうち、各
センサからの入力信号のうちの所定区間内の最大値、運
転開始以後における最大車速Vmax など周期的に発生さ
せられる第2運転操作関連変数に対して、数式5に示す
フィルタ処理が実行される。
【0075】本実施例によれば、運転指向推定手段10
0(SM5)では、車両の運転操作に関連して発生させ
られる第1運転操作関連変数と所定期間毎に周期的に発
生させられる第2運転操作関連変数とに基づいて、車両
の運転指向DLが逐次推定されるとともに、標準運転指
向推定手段102(SM6)では、その運転指向推定手
段100により推定された過去の運転指向DLに基づい
て、所定の運転者の平均的な運転指向或いは標準的な運
転指向を示す車両の標準運転指向SDLが推定される。
そして、入力フィルタ手段110(SM9)により、そ
の標準運転指向推定手段102により推定された標準的
運転指向SDLの関数であるフィルタ定数KDL3 に基づ
いて、運転指向推定手段100に入力される第2運転操
作関連変数にフィルタ処理が施される。これにより、運
転指向推定手段100により推定された運転指向DL
が、車両の標準運転指向SDLを反映したフィルタ定数
DL 3 を備えた入力フィルタ手段110によりフィルタ
処理された第2運転操作関連変数に基づいて推定される
ので、運転者の運転意志を高精度に反映した運転指向を
得ることができる。
【0076】また、本実施例によれば、入力フィルタ手
段110(SM9)は、運転指向推定手段100により
逐次推定される運転指向を示す値DLが燃費指向側へ変
化している期間に、前記運転指向推定手段100に入力
される第2運転操作関連変数にフィルタ処理を施すもの
であることから、運転指向DLが加速指向側へ変化する
ときには、たとえばアクセルペダルが急に踏み込まれて
駆動力が要求されている場合には、第2運転操作関連変
数にフィルタ処理が行われないので、運転指向を示す値
DLが急速に加速指向側へ変化させられ得て応答性が高
められ、反対に、運転指向DLが燃費指向側へ変化する
ときには、運転状況や道路環境によりやむをえず誤推定
している可能性があるため、フィルタ処理によって運転
指向の推定の応答性が低くされる利点がある。
【0077】また、本実施例によれば、入力フィルタ手
段110(SM9)は、標準運転指向SDLが加速指向
である場合は、燃費指向である場合に比較して前記フィ
ルタ定数KDL3 を大きくしてフィルタリング効果を高め
るものであることから、運転指向DLが燃費指向側へ変
化したとしてもそれ以前の運転指向の成分の高い標準運
転指向SDLが加速指向側の値である場合は前記フィル
タ定数KDL3 が大きくされてフィルタ処理によって第2
運転操作関連変数の応答性すなわち運転指向の推定の応
答性が低くされることにより、運転指向の誤推定が緩和
される。また、反対に、運転指向DLが加速指向側へ変
化したとしてもそれ以前の運転指向の成分の高い標準運
転指向SDLが燃費指向側の値である場合はフィルタ定
数KDL3が小さくされてフィルタ処理によって第2運転
操作関連変数の応答性すなわち運転指向の推定の応答性
が高くされることにより、実際の運転者の意志に近い運
転指向の推定が可能となる。
【0078】また、本実施例によれば、運転指向推定手
段100により、入力フィルタ手段110によりフィル
タ処理された第2運転操作関連変数に基づいて推定され
た運転指向DLにより車両の実際の駆動力を選択する駆
動力選択手段92がさらに含まれることから、その駆動
力選択手段92により、フィルタ処理された第2運転操
作関連変数に基づいて推定された運転指向DLにより、
変速判断の基礎となる変速線図が選択されて車両の駆動
力が切り換えられるので、運転者の運転指向に適合した
充分な加速性或いは燃費が得られる。
【0079】図18は、本発明の他の実施例における制
御機能の要部を説明する機能ブロック線図であり、図1
9および図20は、本発明の他の実施例における制御作
動の要部を説明するフローチャートである。本実施例で
は、運転指向推定部94には標準運転指向推定手段10
2が設けられ、駆動力選択手段92が運転指向推定手段
100により推定された運転指向DLと標準運転指向推
定手段102により推定された標準的運転指向SDLと
に基づいて、車両の実際の駆動力を選択する点を特徴と
している。
【0080】図18において、駆動力選択手段92は、
標準運転指向推定手段102により推定された標準的運
転指向SDLに基づいて、駆動力を選択するための判断
基準値CPSLおよびCESLを決定するための判断基
準値決定手段114と、運転指向推定手段100により
推定された運転指向DLとそれら判断基準値CPSLお
よびCESLとを比較して、変速制御手段90において
用いられる変速線図を切り換えることにより駆動力を選
択する比較判定手段116とを備えている。
【0081】上記判断基準値決定手段114は、数式6
から標準運転指向を示す値SDLおよび予め「0.8」
程度の一定値に設定された加速指向判断基準値CPSL
に基づいて実際に用いる加速指向判断基準値PSLを算
出するとともに、数式7から標準運転指向を示す値SD
Lおよび予め「0.2」程度の一定値に設定された燃費
指向判断基準値CESLに基づいて実際に用いる燃費指
向判断基準値ESLを算出する。なお、数式6および数
式7において、KPSL およびKESL はたとえば「0.
2」程度の一定値に設定された定数であり、CNDL
は、上記加速指向判断基準値CPSLと燃費指向判断基
準値CESLとの中間付近に設定された定数であり、た
とえば「0.5」程度の一定値に設定されたものであ
る。
【0082】
【数6】 PSLn =CPSL+KPSL (CNDL−SDLn
【0083】
【数7】 ESLn =CESL+KESL (CNDL−SDLn
【0084】上記比較判定手段116は、運転指向推定
手段100により推定された運転指向DLが上記加速指
向判断基準値CPSL以上となる場合には、たとえば図
3に示す加速指向用変速線図を選択し、運転指向DLが
上記加速指向判断基準値CPSLを下回るが燃費指向用
判断基準値CESL以上となる場合には、たとえば図4
に示す中間指向用変速線図を選択し、運転指向DLが燃
費指向用判断基準値CESLを下回る場合には、たとえ
ば図5に示す燃費指向用変速線図を選択する。
【0085】図19の運転指向推定制御ルーチンでは、
運転指向推定手段100に対応するSM5において前述
と同様にして運転指向DLが算出され、標準運転指向推
定手段102に対応するSM6において前述と同様にし
て標準運転指向SDLが算出される。
【0086】図20の変速線図切換ルーチンは、前述の
図9の変速線図切換ルーチンに、加速指向用判断基準値
CPSLおよび燃費指向用判断基準値CESLを予め算
出するSH6が加えられている点において相違する。図
20では、先ず、前記判断基準値決定手段114に対応
するSH6が実行される。このSH6では、前記数式6
から標準運転指向を示す値SDLおよび予め設定された
加速指向判断基準値CPSLに基づいて実際に用いる加
速指向判断基準値PSLが算出されるとともに、前記数
式7から標準運転指向を示す値SDLおよび予め設定さ
れた燃費指向判断基準値CESLに基づいて実際に用い
る燃費指向判断基準値ESLが算出される。次いで、比
較判定手段116に対応するSH1およびSH3を含む
SH1乃至SH5が前述と同様にして実行されることに
より、実際の運転指向に適した変速線図に切り換えられ
て駆動力が選択される。
【0087】本実施例によれば、運転指向推定手段10
0(SM5)により推定された運転指向DLと標準運転
指向推定手段102(SM6)により推定された標準的
運転指向SDLとに基づいて、駆動力選択手段92(S
H6、SH1乃至SH5)により車両の実際の駆動力が
選択されることから、運転指向の誤推定が防止され、運
転者の運転意志を高精度に反映した駆動力が得られる。
【0088】すなわち、判断基準値決定手段114(S
H6)により、標準運転指向SDLに基づいて加速指向
判断基準値CPSLおよび燃費指向判断基準値CESL
が決定され、比較判定手段116(SH1、SH3)に
より、運転指向推定手段100により推定された運転指
向DLとそれら加速指向判断基準値CPSLおよび燃費
指向判断基準値CESLとが比較され、比較結果に基づ
いて変速制御手段90において用いられる変速線図が切
り換えられることから、図21に示すように、加速指向
での走行中にアクセルペダル58の戻し操作が行われた
ことに関連して運転指向を示す値DLが急激に減少した
としても、燃費指向であるとの誤推定が防止される。因
みに、図21の破線に示す、予め一定値に設定された加
速指向判断基準値CPSLおよび燃費指向判断基準値C
ESLが用いられる場合には、t 1 時点乃至t2 時点の
範囲に示すように、燃費指向であるとの誤推定が行われ
て燃費指向用変速線図に切り換えられることにより、運
転者の運転指向に適合しない駆動力での走行が強いられ
ていたのである。
【0089】図22および図23は、本発明の他の実施
例における電子制御装置42の制御機能の要部を説明す
る機能ブロック線図、および電子制御装置42の制御作
動の要部を説明するフローチャートである。本実施例
は、所定期間内における入力信号の分散を示す値が運転
指向推定手段94のニューロネットワークNNに入力さ
せられる点を特徴とする。
【0090】図22において、本実施例の前処理手段9
8には、前記各算出手段98a、98b、98c、98
d、98e、98f、98gに加えて、入力信号の所定
区間内における分散を示す値を算出する入力信号分散値
算出手段98hが設けられており、その入力信号分散値
算出手段98hにより算出された所定区間内の入力信
号、たとえばスロットル弁開度TA、エンジン回転速度
E 、車速V、前後加速度などの分散値が運転指向推定
手段94のニューロネットワークNNに入力されるよう
になっている。上記入力信号の分散を示す値とは、入力
信号値の所謂標準偏差値σや分散値σ2 だけでなく、最
高値と最低値との差など、入力信号値のばらつきを示す
値であればよい。
【0091】図23は、図8の前処理ルーチンSM3に
含まれる入力信号分散値算出ルーチンSM3hを示して
いる。この入力信号分散値算出ルーチンSM3hは、上
記入力信号分散値算出手段98hに対応するものであっ
て、たとえばスロットル弁開度TA、エンジン回転速度
E 、車速V、前後加速度などの入力信号の分散を示す
値を算出する。
【0092】本実施例によれば、たとえばスロットル弁
開度TA、エンジン回転速度NE 、車速V、前後加速度
などの入力信号の分散値が運転指向推定手段94のニュ
ーロネットワークNNに入力されるようになっているこ
とから、高速道路走行のように車速Vやエンジン回転速
度NE が高い状態において、燃費指向では上記分散値が
小さいため加速指向と誤って推定することが回避され
る。このため、運転者の運転指向に対応した運転指向D
Lが高精度で出力されるとともに、駆動力選択手段92
によってその運転指向DLに基づいて駆動力が選択され
ることにより、運転者の意志に即した運転性が得られ
る。
【0093】以上、本発明の一実施例を示す図面に基づ
いて説明したが、本発明はその他の態様においても適用
される。
【0094】たとえば、前述の実施例の駆動力選択手段
92は、運転指向DL或いはFDLに基づいて、予め記
憶された複数種類の変速線図を切り換えるものであった
が、たとえば図24に示す予め記憶された複数種類のア
クセルペダル操作量Accとスロットル弁開度TAとの関
係を切り換えるものであっても差し支えない。図24に
は、1点鎖線に示す加速指向用の関係、実線に示す中間
指向用の関係、2点鎖線に示す燃費指向用の関係が記載
されており、上記駆動力選択手段92は、スロットルア
クチュエータ86を駆動制御するスロットル制御手段8
8において用いられる関係を切り換える。
【0095】また、前述の標準運転指向推定手段102
は、遅れ処理或いはなまし処理に類似した数式1を用い
て推定されていたが、イグニションスイッチがオンされ
てからの期間内において運転指向推定手段100により
推定された運転指向DLの平均値、所定区間内の運転指
向DLの移動平均値、或いはそれらの重み付け平均値な
どであっても差し支えない。
【0096】また、前述の信号読込手段96は、車輪速
度、横加速度、操舵角度などの信号を読み込むものであ
っても差し支えない。
【0097】また、前述の図7、図16、図18、図2
2に示す各実施例では、単独で実施された場合が説明さ
れていたが、相互に組み合わせて実施されても差し支え
ない。
【0098】また、前述の実施例において、運転指向推
定手段100のニューラルネットワークNNには、発進
時のスロットル弁開度TAST、アクセル踏込時の最大ス
ロットル弁開度変化率ACCMAX 、制動時最大減速度G
NMAX、惰行走行時間TCOAST 、車速一定走行時間T
VCONSTが入力されていたが、それらのうちの何れか1つ
或いはその何れか1つ以上が入力されていても一応の信
頼性のある推定が可能である。
【0099】また、前述の実施例では、運転指向が、ニ
ューラルネットワークNNの出力から加速指向、中間指
向、燃費指向の3段階に推定されていたが、加速指向と
燃費指向との2段階に推定されてもよい。さらに加速指
向と燃費指向の間を連続的に推定されてもよい。このよ
うな場合には、加速指向と燃費指向との間の指向は、ニ
ューラルネットワークNNの補完機能により推定され
る。
【0100】また、前述の実施例の運転指向推定手段1
00のニューラルネットワークNNは、入力層、中間
層、出力層からなる3層構造であったが、4層以上の階
層型であってもよいし、各神経細胞要素が相互に結合さ
れた相互結合型であっても差支えない。
【0101】また、前述の実施例では、スロットル弁開
度TAおよび最大スロットル弁開度変化率ACCMAX が用
いられていたが、ディーゼルエンジン搭載車のようにス
ロットル弁68が設けられていない車両などでは、それ
らスロットル弁開度TAおよび最大スロットル弁開度変
化率ACCMAX に替えて、アクセルペダル操作量およびア
クセルペダル踏込速度が用いられ得る。
【0102】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の運転指向推定機能を備えた
車両用自動変速機の変速制御装置を説明する図である。
【図2】図1の自動変速機におけるギヤ段とそれを成立
させるための電磁弁或いは摩擦係合装置の作動状態との
組み合わせを示す図表である。
【図3】図1の変速制御装置において用いられる変速線
図であって、運転が加速(スポーツ)指向であると推定
されたときに選択される変速線図である。
【図4】図1の変速制御装置において用いられる変速線
図であって、運転が中間(ノーマル)指向であると推定
されたときに選択される変速線図である。
【図5】図1の変速制御装置において用いられる変速線
図であって、運転が燃費(エコノミー)指向であると推
定されたときに選択される変速線図である。
【図6】図1の電子制御装置の制御機能の要部を説明す
る機能ブロック線図である。
【図7】図6の運転指向推定部の制御機能を詳しく説明
する機能ブロック線図である。
【図8】図1の電子制御装置の制御作動の要部、すなわ
ち運転指向推定作動を説明するフローチャートである。
【図9】図1の電子制御装置の制御作動の要部、すなわ
ち駆動力選択作動を説明するフローチャートである。
【図10】図9の駆動力選択作動を説明する図であっ
て、運転指向を示す値FDLの変化と選択される変速線
図との関係を説明するタイムチャートである。
【図11】所定距離内の試験走行として、加速指向の運
転を行った場合のスロットル弁開度TA、車速V、およ
びエンジン回転速度NE を示すタイムチャートである。
【図12】図11の加速指向走行において、図8の制御
作動により推定され且つフィルタ処理が行われた運転指
向FDLの変化を示すタイムチャートである。
【図13】図11の加速指向走行において、図8のフィ
ルタ処理が行われない運転指向DLの変化を示すタイム
チャートである。
【図14】図11の加速指向走行において、図8の制御
作動により決定されたフィルタ処理に用いるフィルタ定
数の変化を示すタイムチャートである。
【図15】図11の加速指向走行において、図8の制御
作動のように決定されないフィルタ定数の変化を示すタ
イムチャートである。
【図16】本発明の他の実施例における電子制御装置の
制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、
図7に相当する図である。
【図17】図16の電子制御装置の制御作動の要部、す
なわち運転指向推定作動を説明するフローチャートであ
って、図8に相当する図である。
【図18】本発明の他の実施例における電子制御装置の
制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、
図7に相当する図である。
【図19】図18の電子制御装置の制御作動の要部、す
なわち運転指向推定作動を説明するフローチャートであ
って、図8に相当する図である。
【図20】図18の電子制御装置の制御作動の要部、す
なわち駆動力選択作動を説明するフローチャートであっ
て、図9に相当する図である。
【図21】図18の電子制御装置の制御作動を説明する
タイムチャートであって、図10に相当する図である。
【図22】本発明の他の実施例における電子制御装置の
制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、
図7に相当する図である。
【図23】図22の電子制御装置の制御作動の要部、す
なわち所定区間入力信号の分散値を算出する作動を説明
するフローチャートである。
【図24】本発明の他の実施例におけるスロットル制御
手段において用いられる、アクセルペダル操作量Accと
スロットル弁開度TAとの関係を示す図である。
【符号の説明】
14:自動変速機 90:変速制御手段 92:駆動力選択手段 94:運転指向推定部 98:前処理手段(運転操作関連変数算出手段) 100:運転指向推定手段 102:標準運転指向推定手段 104:出力フィルタ手段 110:入力フィルタ手段 NN:ニューラルネットワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福村 景範 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 友松 秀夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 谷口 浩司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 早川 喜三郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大澤 正敬 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大嶋 満寿治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 吉田 浩之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 平6−221420(JP,A) 特開 平3−204468(JP,A) 特開 平7−167272(JP,A) 特開 平6−249008(JP,A) 特開 平6−249007(JP,A) 特開 平6−249006(JP,A) 特開 平6−249004(JP,A) 特開 平7−40763(JP,A) 特開 平8−200139(JP,A) 特開 平2−99439(JP,A) 特開 平4−341657(JP,A) 特開 平4−131561(JP,A) 特開 平4−102757(JP,A) 特開 平9−257124(JP,A) 特開 平9−217822(JP,A) 特開 平9−210195(JP,A) 特開 平8−72589(JP,A) 特開 平7−259974(JP,A) 特開 平7−167272(JP,A) 特開 平5−203039(JP,A) 特開 平4−293626(JP,A) 特開 平7−101271(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/34 B60K 28/02 F02D 29/02 F02D 45/00 370 F16H 61/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の運転指向を推定するための運転指
    向推定装置であって、 車両の運転操作関連変数に基づいて車両の運転指向を逐
    次推定する運転指向推定手段と、 該運転指向推定手段により推定された過去の運転指向に
    基づいて、前記車両の標準的運転指向を推定する標準運
    転指向推定手段と、 該標準運転指向推定手段により推定された標準的運転指
    向の関数であるフィルタ定数に基づいて、前記運転指向
    推定手段により推定された運転指向にフィルタ処理を施
    す出力フィルタ手段とを、含むことを特徴とする車両の
    運転指向推定装置。
  2. 【請求項2】 車両の運転指向を推定するための運転指
    向推定装置であって、 車両の運転操作に関連して発生させられる第1運転操作
    関連変数と所定期間毎に周期的に発生させられる第2運
    転操作関連変数に基づいて車両の運転指向を逐次推定す
    る運転指向推定手段と、 該運転指向推定手段により推定された過去の運転指向に
    基づいて、前記車両の標準的運転指向を推定する標準運
    転指向推定手段と、 該標準運転指向推定手段により推定された標準的運転指
    向の関数であるフィルタ定数に基づいて、前記運転指向
    推定手段に入力される第2運転操作関連変数にフィルタ
    処理を施す入力フィルタ手段とを、含むことを特徴とす
    る車両の運転指向推定装置。
  3. 【請求項3】 車両の運転指向の推定値に基づいて駆動
    力を制御する車両の駆動力制御装置であって、 車両の運転操作関連変数に基づいて車両の運転指向を逐
    次推定する運転指向推定手段と、 該運転指向推定手段により推定された過去の運転指向に
    基づいて、前記車両の標準的運転指向を推定する標準運
    転指向推定手段と、 前記運転指向推定手段により推定された運転指向と、該
    標準運転指向推定手段により推定された標準的運転指向
    に基づいて求められる判断基準値とを比較することによ
    、車両の実際の駆動力を選択する駆動力選択手段と
    を、含むことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  4. 【請求項4】 前記出力フィルタ手段は、前記運転指向推
    定手段により推定された運転指向が燃費指向へ変化して
    いる場合に、該運転指向にフィルタ処理を施すものであ
    る請求項1の車両の運転指向推定装置。
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