JP3106284B2 - アンチロックブレーキの検査方法 - Google Patents

アンチロックブレーキの検査方法

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JP3106284B2
JP3106284B2 JP07113291A JP11329195A JP3106284B2 JP 3106284 B2 JP3106284 B2 JP 3106284B2 JP 07113291 A JP07113291 A JP 07113291A JP 11329195 A JP11329195 A JP 11329195A JP 3106284 B2 JP3106284 B2 JP 3106284B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、左右の車輪の回転速度
差が所定値以上になったときにブレーキを解放する機能
を持つアンチロックブレーキの検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アンチロックブレーキの検査方法
として、特開平4−305133号公報や特開平4−3
05134号公報により、自動車の各車輪を乗せる各別
のローラを備える台上試験機を用い、各車輪を各ローラ
に乗せた状態で自動車を走行させ、所定の速度に達した
時点でブレーキを作動させて、各ローラが停止するまで
にかかった制動時間と、制動時間中のローラの回転変動
とに基いてアンチロックブレーキの良否を判定する方法
が知られている。このもので、各ローラは、所定速度に
達したところで相互の連結を解かれ、ブレーキ作動中は
各ローラが各車輪に追従して夫々独立して回転され、各
ローラの回転変動に基いて各車輪のブレーキング状態を
個別に検出し得るようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アンチロッ
クブレーキは、一般的に、車輪の減速度が基準減速度を
上回ったときブレーキ圧の増圧を停止すると共に、各車
輪の回転速度から割出される疑似車速に基いて決定され
るブレーキング時の車輪の基準速度と車輪速度とを比較
して、車輪速度が基準速度を下回ったとき減速度が基準
減速度に低下するまでブレーキ圧を減圧し、車輪速度が
基準速度を上回ったところでブレーキ圧を増圧するよう
な制御を行っている(特開昭54−99879号公報参
照)。
【0004】また、アンチロックブレーキには、上記し
た一般的な機能のほかに、ブレーキング時の自動車の姿
勢を安定させるために、左右の車輪(主として後輪)の
回転速度差が所定値以上になったときにブレーキを解放
する、という特殊機能を付加したものがある。このよう
なアンチロックブレーキを搭載した自動車のブレーキ検
査を上記した従来法で行うと以下の問題を生ずる。
【0005】即ち、従来法では各ローラを夫々独立させ
た状態でブレーキ検査を行うため、各車輪に対する制動
力のばらつきによって左右の車輪の回転速度差を生ずる
ことがあり、この回転速度差が所定値以上になると上記
特殊機能が働いてブレーキが解放され、この場合、実走
行時は、ブレーキの解放により左右の車輪が車速に相当
する速度で回転するようになるため、左右の車輪の回転
速度差が減少して再度ブレーキがかかるが、検査時は、
左右の車輪が独立した左右のローラ上で夫々慣性回転す
るため、回転速度差が減少するまでに時間がかかり、ブ
レーキが解放されたままになって、ブレーキ検査を行い
得なくなる。
【0006】本発明は、以上の点に鑑み、アンチロック
ブレーキが上記特殊機能を持つものであっても、アンチ
ロックブレーキの良否を支障なく判定し得るようにした
検査方法を提供することを第1の目的とし、また、アン
チロックブレーキの一般的な機能の良否に加えて上記特
殊機能の良否も判定し得るようにした検査方法を提供す
ることを第2の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
べく、本願の第1発明は、左右の車輪の回転速度差が所
定値以上になったときにブレーキを解放する、という特
殊機能を持つアンチロックブレーキを搭載した自動車
を、左右のローラに夫々左右の車輪を乗せた状態で走行
させ、所定の速度に達した時点でブレーキを作動させ
て、各ローラが停止するまでにかかった制動時間と、制
動時間中の各ローラの回転変動とに基いてアンチロック
ブレーキの良否判定を行う検査方法において、ブレーキ
の作動開始後、左右のローラの回転速度差を検出し、こ
の回転速度差が前記所定値以上になったときは、左右の
ローラを互に連結して検査を続行すると共に、良否判定
に際し、制動時間の判定基準値を通常値より大きくし、
且つ、左右のローラの連結開始時点から所定時間内に発
生したローラの回転変動を判定対象から除く、ことを特
徴とする。また、本願の第2発明は、上記第2の目的を
達成すべく、左右の車輪の回転速度差が所定値以上にな
ったときにブレーキを解放する、という特殊機能を持つ
アンチロックブレーキを搭載した自動車を、左右のロー
ラに夫々左右の車輪を乗せた状態で走行させ、所定の速
度に達した時点でブレーキを作動させて、アンチロック
ブレーキの検査を行う方法において、ブレーキの作動時
に、左右のローラの回転速度差を生じさせる手段を用い
て、前記特殊機能の作動条件を満たすシミュレート状態
を作り出し、その後左右のローラを互に連結して検査を
続行し、ローラが停止するまでにかかった制動時間と、
前記シミュレート状態下及び左右のローラの連結開始時
点から所定時間内に発生したローラの回転変動を除く、
制動時間中のローラの回転変動とに基いてアンチロック
ブレーキの一般的な機能の良否を判定し、前記シミュレ
ート状態下で発生したローラの回転変動に基いてアンチ
ロックブレーキの前記特殊機能の良否を判定する、こと
を特徴とする。
【0008】
【作用】第1発明によれば、左右のローラの回転速度差
(左右の車輪の回転速度差に等しい)が所定値以上にな
ったとき、即ち、上記特殊機能の働きでブレーキが解放
されたとき、左右のローラが連結されるため、左右の車
輪の回転速度差が減少して上記特殊機能の働きが停止さ
れる。従って、アンチロックブレーキの一般的な機能の
働きが一時的に中断されるものの、ローラ連結後は一般
機能の働きが再開される。この場合、制動時間は、一般
機能が継続して働いた場合より長くなり、そのため、制
動時間の判定基準値を通常値よりも大きくし、一般機能
が正常に働いているのに不良と判定することのないよう
にしている。また、左右のローラを連結すると、連結に
起因したローラの回転変動を生ずる。そのため、連結開
始時点から所定時間内に発生したローラの回転変動を判
定対象から除き、アンチロックブレーキの一般機能の働
きに起因するローラの回転変動のみに基いて良否判定を
正確に行い得られるようにしている。
【0009】第2発明によれば、上記特殊機能の作動条
件を満足するシミュレート状態を作り出したとき、上記
特殊機能が正常に働けばブレーキが解放されることにな
る。従って、シミュレート状態下でのローラの回転変動
に基いてブレーキが解放されたか否かを判別することに
より、上記特殊機能の良否を正確に判定できる。また、
アンチロックブレーキの一般機能の働きは、シミュレー
ト状態下で中断され、左右のローラの連結後に再開され
る。従って、ローラが停止するまでにかかった制動時間
と、シミュレート状態下及び左右のローラの連結開始時
点から所定時間内に発生したローラの回転変動を除く、
制動時間中のローラの回転変動とに基いて一般機能の良
否を正確に判定できる。尚、制動時間の判定基準値は、
シミュレート状態下での一般機能の働きの中断を考慮し
て、予め大きく設定しておく。
【0010】
【実施例】図1はブレーキの検査装置を示し、該装置
は、前輪用の左右1対のローラ11、11と、後輪用の左
右1対のローラ12、12とを備え、前輪用のローラ
1、11間に該各ローラ11を夫々クラッチ21を介して
連結したギアボックス31と、後輪用のローラ12、12
間に該各ローラ12を夫々クラッチ22を介して連結した
ギアボックス32とを配置し、両ギアボックス31、32
をドライブシャフト4を介して連結し、前記各ローラに
各車輪を乗せて自動車を走行させたとき、駆動輪たる前
輪の回転によりローラ11とクラッチ21とギアボックス
1とドライブシャフト4とギアボックス32とクラッチ
2とローラ12とを介して後輪が回転されるようにし
た。
【0011】各ローラ11、11は、同期回転するように
ベルト5を介して連結した前後1対の分割ローラ1a、
1bで構成されており、両分割ローラ1a、1bの外周
面の摩擦係数を大きく設定すると共に、両分割ローラ1
a、1bの回転慣性モーメントを互に等しく且つ合計の
回転慣性モーメントが各車輪の回転慣性モーメントより
若干大きくなるように設定し、ブレーキ作動時に各車輪
が各分割ローラ1a、1bに対し実質的にスリップしな
いようにした。又、各ローラ11、12の後側の分割ロー
ラ1bにフライホイール6を連結し、該分割ローラ1b
とフライホイール6との間にトルクメータ7を介設し
て、各ローラ11、12の減速度をトルクとして検出し、
トルクメータ7の検出信号をマイクロコンピュータから
成るモニター回路8に入力して、後記する検査を行うよ
うにした。
【0012】前輪用のローラ11、11は固定台9上に、
又後輪用のローラ12、12は前後動自在な摺動台10上
に設けられており、前記ドライブシャフト4の後部をス
リーブ4aとこれに嵌合するスプライン軸4bとで伸縮
自在な構造とし、摺動台10の動きにより自動車の軸距
に合わせて前輪用のローラ11と後輪用のローラ12との
間の距離を調整し得るようにした。前記各クラッチ
1,22はコントローラ11によりオンオフ制御される
ようになっており、コントローラ11には各ローラ
1,12の回転速度を検出する図外の速度センサからの
信号が入力されている。
【0013】ブレーキ検査に際しては、各車輪を各ロー
ラ11、12上に乗せて自動車を走行させ、所定の速度
(例えば60Km/h)に達したとき、各ローラ11、12
のクラッチ21、22をオフして各ローラ11、12が夫々
独立して回転されるようにし、この状態でブレーキペダ
ルを踏む。
【0014】図2は、油圧系統にPCVを設けた後輪ブ
レーキが正常にアンチロック制御されたときの、車輪の
回転速度Vの変化と、車輪の減速度νの変化と、ブレー
キ圧Pの変化と、トルクメータ7で検出されるトルクT
の変化とを示す。ブレーキの作動開始時、ブレーキ圧P
が所定値Psに上昇すると以後ブレーキ圧はPCVの働
きで緩やかに昇圧され、減速度νが所定の設定値νsを
上回ったときブレーキ圧の増圧が停止され、各車輪の回
転速度から割出される疑似車速に基いて決定される基準
速度Vs以下に車輪速度Vが低下したとき減速度νがνs
以下になるまでブレーキ圧が減圧され、車輪速度VがV
sを上回ったときブレーキ圧が増圧されて、以後上記の
作動が繰返され、最後に疑似車速が所定の低速度Voに
低下したところでアンチロック制御が解除され、ノーマ
ルブレーキ状態で車輪が制動されて車輪及びローラが停
止する。アンチロック制御が行われている間、車輪は基
準速度Vsの減速特性に合致したほぼ一定の減速度で減
速され、トルクTに大きなピーク変化は現われない。
又、ローラ停止時には、車輪、ローラ、フライホイール
から成る慣性系に貯えられていた弾性エネルギーが解放
されて、減速度ν及びトルクTが一旦ゼロレベル以下に
低下する。
【0015】モニター回路8における検査処理に際して
は、トルクTが所定のスレッショルドレベルT0以上に
なった時点をブレーキの作動開始時点t0として検出す
ると共に、トルクTがゼロレベル以下になった時点をロ
ーラ停止時点t1として検出し、t0とt1の時間差から
制動時間tを演算し、基準速度の減速時性に応じて定め
られる下限値tLと上限値tHとの間の合格範囲に制動
時間tが入っているか否かを判別する。また、t0から
所定の設定時間ta(例えば、0.3秒)内に発生した
最大トルクTmaxを検出し、Tmaxが所定の下限値
TL1と上限値TH1との間の合格範囲に入っているか
否かを判別し、更に、ta経過後に発生したトルクTが
所定の下限値TL2と上限値TH2との間の合格範囲に
入っているか否かを判別する。
【0016】上記TL1はアンチロック制御が開始され
る減速度νsに対応する値、TH1は車輪がロックしな
い最大減速度に対応する値、TL2及びTH2はアンチ
ロック制御の通常の作動条件に基いた値に夫々設定され
ている。ここで、制動力が不足しているときは、図2
(d)に点線aで示したようにta経過時点でトルクT
がTL1まで増加せず、一方、アンチロック制御が働か
ずにブレーキ圧が急増したときは、点線bで示したよう
にta経過前にトルクTがTH1を上回り、また、油圧
系統へのエア混入等によりブレーキ圧の制御に応答遅れ
を生ずると、トルクの変動幅が大きくなり、トルクTが
TL2とTH2との間の範囲に収まらなくなる。従っ
て、上記の判別を行うことによりアンチロック制御が正
常に行われたか否かを判定できる。
【0017】ところで、左右の両後輪のブレーキ圧は、
一般に、共通の油圧系統で制御されており、このような
ものでは、ブレーキング時の自動車の姿勢を安定させる
ため、両後輪の回転速度差が所定値以上になったとき、
両後輪のブレーキを解放して速度差を減少させることが
望まれる。然し、アンチロックブレーキに、上記した一
般的な機能に加えて、左右の後輪の回転速度差が所定値
以上になったとき両後輪のブレーキを解放する、という
特殊機能を付加すると、アンチロックブレーキの検査に
際し、以下の不具合を生ずる。
【0018】即ち、ブレーキング時は、各ローラ11
2間の連結が解かれるため、後輪用の左右の各ローラ
2上で各後輪が夫々独立して回転する状態になり、両
後輪に対するブレーキ力のばらつきで両後輪の回転速度
差を生ずることがあり、この速度差が所定値以上になる
と上記特殊機能の働きで両後輪のブレーキが解放される
が、ブレーキを解放しても実走行時のようには両後輪の
回転速度差が減少しないため、ブレーキが解放されたま
まになり、ブレーキ検査を行い得なくなる。
【0019】そこで、本実施例では、後輪用の左右のロ
ーラ12,12の回転速度差を検出し、この速度差が所定
値以上になったときは、これら各ローラ12のクラッチ
2をオンし、両ローラ12,12を相互に連結した状態
で検査を続行するようにした。その詳細は、図3に示す
通りであり、先ず、S1のステップでフラグFが1か否
かを判別し(Fは当初0にリセットされる)、F=0の
ときはS2のステップで左右のローラ12,12の回転速
度差△Vの絶対値が所定値△Vs以上か否かを判別す
る。|△V|≧△Vsのときは、S3のステップでタイ
マを起動し、S4のステップでタイマの計時時間tmが
所定時間tms以上になったか否かを判別する。tmは
|△V|<△VsのときにS5のステップで0にリセッ
トされ、かくて|△V|≧△Vsの状態がtms以上継
続した場合にのみ、tm≧tmsになる。そして、tm
≧tmsになると、S6のステップで左右のローラ
2,12のうち高速側のローラの回転速度Vmが所定値
Vms(例えば20km/h)以上か否かを判別し、Vm
≧VmsのときはS7のステップでフラグFを1にセッ
トし、S8のステップで各ローラ12のクラッチ22をオ
ンする。このようにしてクラッチ22がオンされると、
次回からはS1のステップからS8のステップに進み、
クラッチ22はオン状態に維持される。
【0020】上記特殊機能は、一般的に、両後輪の回転
速度差が所定時間(例えば30msec)継続して所定
値以上になっているときに働くようになっており、この
所定時間に合わせて上記tmsを設定し、上記特殊機能
が働くときにのみクラッチ22をオンするようにしてい
る。
【0021】また、Vm<Vmsのときは、両ローラ1
2,12が停止直前の状態であるため、クラッチ22をオ
ンしても無駄であり、そのためVm≧Vmsのときにの
みクラッチ22をオンするようにした。尚、S1のステ
ップを省略し、上記特殊機能が働かない状態になったと
きクラッチ22をオフするようにしても良い。
【0022】以上の如くして、クラッチ22をオンし、
両ローラ12,12を連結すると、両後輪の回転速度差が
減少し、アンチロックブレーキの一般機能の働きが再開
されるが、両ローラ12,12の連結時には前輪用と後輪
用のローラ11,12間のドライブシャフト4の慣性力で
後輪用の両ローラ12,12が加速され、各ローラ22
減速度、即ち、トルクTが、図4に示す如く、一時的に
減少してTL2を下回ることがある。このままでは、ア
ンチロックブレーキの一般機能が正常に働いていても不
合格と判定されるため、両ローラ12、12の連結開始時
点から所定時間tb内に発生したトルクTを判定対象か
ら除いて、トルクTに基く良否判定を行うようにした。
例えば、図4に仮想線で示す如く、tb内におけるトル
ク波形をtbの前後のトルク値を結ぶ直線に置き換えて
良否判定を行う。
【0023】また、上記特殊機能の働きでブレーキが一
旦オフされると、制動時間tが通常値より延びることに
なり、そこで、上記特殊機能が働いた場合、即ち、ブレ
ーキ作動後にクラッチ22がオンされた場合には、制動
時間tの判定基準値たる少なくとも上限値tHを通常値
tHn(図2(d)のtH)より+α大きくした値に設定
して、制動時間tに基く良否判定を行う。
【0024】このようにすることで、アンチロックブレ
ーキの上記制御機能が働いても、該ブレーキの一般機能
の良否を正確に判定することができる。
【0025】尚、上記実施例では、両後輪の回転速度差
でブレーキを解放するという特殊機能についての良否判
定は行っていないが、ブレーキの作動時に、左右のロー
ラ12、12の回転速度差を積極的に生じさせて、上記特
殊機能の作動条件を満たすシミュレート状態を作り出
し、上記特殊機能の良否判定を行うことも可能である。
【0026】例えば、各クラッチ21,22をオンした状
態で走行して所定の速度に達したとき、各クラッチ
1、22を全てオフせずに、後輪用の左右一方のローラ
2のクラッチ22をオンしたままブレーキを作動させ
る。
【0027】これによれば、一方のローラ12がそのク
ラッチ22を介してドライブシャフト4に連結されるた
め、該一方のローラ12の等価慣性モーメントが大きく
なり、該一方のローラ12が他方のローラ12よりも減速
しにくくなって、両後輪に対するブレーキ力が同一であ
っても、該一方のローラ12及び該ローラ上の一方の後
輪の回転速度が他方の後輪の回転速度より速くなり、上
記シミュレート状態が作り出されて、両後輪のブレーキ
が解放される。
【0028】この場合、トルクTは図5に示す如く変化
し、最初のトルクピークTmaxから所定時間tc経過
するとトルクTは所定値TH3以下に減少してほぼ安定
する。その後、他方のローラ12のクラッチ22をオン
し、両ローラ12,12を連結して検査を続行する。両ロ
ーラ12、12の連結時、低速側の他方のローラ12は加
速されるため、該他方のローラ12のトルクTは図5に
実線で示す如く一時的に低下し、また、高速側の一方の
ローラ12は減速されるため、該一方のローラ12のトル
クTは図5に点線で示す如く一時的に増加し、その後一
般機能の働きが再開されて両ローラ12,12のトルクT
が何れも所定レベルに増加し、最後にノーマルブレーキ
状態になって停止する。良否判定に際しては、ブレーキ
の作動開始時点t0から所定時間ta内に発生した最大
トルクTmaxがTL1とTH1との間の合格範囲内か
否か、上記特殊機能が働き始めるまでの期間td内にお
けるトルクTがTL2とTH2との間の合格範囲に収ま
っているか否か、制動時間tがtLとtHとの間の合格
範囲内か否かを判別し、これらの統合判別結果に基いて
一般機能の良否判定を行う。尚、上記シミュレート状態
を作り出すことによって制動時間tは必然的に長引くか
ら、tL,tHはシミュレート状態を作り出さずに検査
する場合の値より大きく設定しておく。
【0029】また、上記したtcの経過時点から両ロー
ラ12、12の連結開始時点までの間の期間te内におけ
るトルクTがTH3以下になっているか否かを判別し
て、上記特殊機能の良否を判定する。
【0030】尚、上記シミュレーション状態を作り出す
方法としては、上記のものに限らず、例えば、ブレーキ
の作動開始後に後輪用の左右一方のローラ12を図外の
ブレーキ手段で減速する方法もある。
【0031】以上、両後輪の回転速度差が所定値以上に
なったときにブレーキを解放する、という特殊機能を持
つアンチロックブレーキの検査について説明したが、両
前輪の回転速度差が所定値以上になったときにブレーキ
を解放する、という特殊機能を持つアンチロックブレー
キの検査についても同様に本発明を適用できる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、左右の車輪の回転速度差が所定値以上になっ
たときにブレーキをオフする、という特殊機能を持つア
ンチロックブレーキでも、その一般機能の良否を支障な
く判定でき、更には、一般機能の良否に加えて上記制御
機能の良否も判定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法の実施に用いるブレーキ検査装置
の一例の平面図
【図2】 (a)〜(d)アンチロックブレーキの一般
機能が中断することなく正常に働いたときの、車輪速度
と車輪減速度とブレーキ圧とトルクとの各々の変化を示
すグラフ
【図3】 ブレーキ作動時のクラッチの制御プログラム
を示すフローチャート
【図4】 アンチロックブレーキの特殊機能が働いたと
きのトルクの変化を示すグラフ
【図5】 アンチロックブレーキの特殊機能の作動条件
を満足するシミュレート状態を作り出したときのトルク
の変化を示すグラフ
【符号の説明】
1,12 ローラ、 21,22 クラッチ、
7 トルクメータ 8 モニター回路、 11 コントローラ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 17/00 - 17/007 G01L 5/28 B60T 8/32 - 8/96

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の車輪の回転速度差が所定値以上に
    なったときにブレーキを解放する、という特殊機能を持
    つアンチロックブレーキを搭載した自動車を、左右のロ
    ーラに夫々左右の車輪を乗せた状態で走行させ、所定の
    速度に達した時点でブレーキを作動させて、各ローラが
    停止するまでにかかった制動時間と、制動時間中の各ロ
    ーラの回転変動とに基いてアンチロックブレーキの良否
    判定を行う検査方法において、 ブレーキの作動開始後、左右のローラの回転速度差を検
    出し、 この回転速度差が前記所定値以上になったときは、左右
    のローラを互に連結して検査を続行すると共に、良否判
    定に際し、制動時間の判定基準値を通常値より大きく
    し、且つ、左右のローラの連結開始時点から所定時間内
    に発生したローラの回転変動を判定対象から除く、 ことを特徴とするアンチロックブレーキの検査方法。
  2. 【請求項2】 左右の車輪の回転速度差が所定値以上に
    なったときにブレーキを解放する、という特殊機能を持
    つアンチロックブレーキを搭載した自動車を、左右のロ
    ーラに夫々左右の車輪を乗せた状態で走行させ、所定の
    速度に達した時点でブレーキを作動させて、アンチロッ
    クブレーキの検査を行う方法において、 ブレーキの作動時に、左右のローラの回転速度差を生じ
    させる手段を用いて、前記特殊機能の作動条件を満たす
    シミュレート状態を作り出し、その後左右のローラを互
    に連結して検査を続行し、 ローラが停止するまでにかかった制動時間と、前記シミ
    ュレート状態下及び左右のローラの連結開始時点から所
    定時間内に発生したローラの回転変動を除く、制動時間
    中のローラの回転変動とに基いてアンチロックブレーキ
    の一般的な機能の良否を判定し、 前記シミュレート状態下で発生したローラの回転変動に
    基いてアンチロックブレーキの前記特殊機能の良否を判
    定する、 ことを特徴とするアンチロックブレーキの検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102331353A (zh) * 2011-06-21 2012-01-25 上海理工大学 基于虚拟仪器的汽车abs测控系统及测试方法

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