JP2532321B2 - アンチロックブレ―キの検査装置 - Google Patents

アンチロックブレ―キの検査装置

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JP2532321B2
JP2532321B2 JP4025521A JP2552192A JP2532321B2 JP 2532321 B2 JP2532321 B2 JP 2532321B2 JP 4025521 A JP4025521 A JP 4025521A JP 2552192 A JP2552192 A JP 2552192A JP 2532321 B2 JP2532321 B2 JP 2532321B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の車輪をローラ
に乗せた状態でアンチロックブレーキの検査を行う装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の検査装置として、特開昭
63−233349号公報により、各車輪を乗せる各ロ
ーラを連動して回転する前後1対の分割ローラで構成
し、後側の分割ローラの摩擦係数を小さくして、ブレー
キング時に車輪の制動力とローラの回転力との関係で車
輪の中心が後側にずれたとき、後側の分割ローラと車輪
との間でスリップを生じさせ、車輪をロック状態に近付
けてアンチロック制御によるブレーキ圧の減圧が行われ
るようにし、この減圧で制動力が低下して車輪の中心が
前側に移動したとき、前側の分割ローラで車輪が加速さ
れてブレーキ圧が増圧され、この増圧により車輪が再度
後側にずれて後側の分割ローラに対しスリップし、ブレ
ーキ圧の減圧と増圧とが繰返されるようにしたものは知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来装置によれ
ば、アンチロック制御によるブレーキ圧の増減が実走行
時と同様に再現され、車輪の回転速度の変化からアンチ
ロックブレーキの作動状態を判定できるが、このもので
は車輪がローラに対しスリップするため車輪とローラと
の回転速度が一致せず、結局車輪の回転速度を検出する
ために、アンチロック制御用として予め自動車に取付け
られている車輪速度センサからの信号を取出すか、或い
は自動車に別途センサを取付ける必要があって、作業が
面倒になる。ところで、アンチロックブレーキは、特開
昭54−99879号公報に見られるように、車輪の減
速度が基準減速度を上回ったときブレーキ圧の増圧を停
止すると共に、各車輪の回転速度から割出される疑似車
速に基いて決定されるブレーキング時の基準速度と車輪
速度とを比較して、車輪速度がその時点での基準速度を
下回ったとき減速度が基準減速度に低下するまでブレー
キ圧を減圧し、車輪速度がその時点での基準速度を上回
ったところでブレーキ圧を増加するような制御も行って
いる。従って、車輪をローラ上でスリップさせなくて
も、ローラの慣性重量を小さくして、ブレーキング時に
車輪減速度が所定レベル以上に増加するようにすればア
ンチロックブレーキが働く。この場合、ローラの慣性重
量が小さ過ぎると、アンチロック制御によるブレーキ圧
の増減の応答遅れによって、ブレーキ圧が実際に減圧さ
れる前に車輪が停止してしまう。本発明は、以上の知見
に基き、車輪をローラ上でスリップさせずにアンチロッ
クブレーキを働かせられるようにし、車輪の回転速度に
ローラの回転速度を一致させて、ローラの回転変動から
アンチロックブレーキの作動状態を判定し得るようにし
た検査装置を提供することをその目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明は、ローラと、ローラの回転変動を検出する手段
とを備え、アンチロックブレーキを搭載した自動車をロ
ーラ上に車輪を乗せた状態で走行させ、所定の速度に達
した時点でブレーキを作動させて、このブレーキング時
のローラの回転変動からアンチロックブレーキの作動状
態を判定するアンチロックブレーキの検査装置であっ
て、ローラの摩擦係数を、ブレーキング時にローラと車
輪との間に働く摩擦力がローラの慣性力を上回るように
設定すると共に、ローラの慣性重量を、ブレーキング時
に車輪の減速度がアンチロック制御の開始に必要な所定
レベル以上に増加可能で且つアンチロック制御によるブ
レーキ圧の1回目の減圧完了前に車輪が停止しないよう
な値に設定することを特徴とする。
【0005】尚、本発明でローラの慣性重量とは、ロー
ラ及びこれと一体に回転するフライホイール等の全ての
回転体を含む慣性重量を意味する。
【0006】
【作用】ブレーキング時にローラと車輪との間に働く摩
擦力がローラの慣性力を上回るため、車輪とローラとの
間でのスリップは発生せず、ローラの回転変動から車輪
の回転変動を正確に検出できる。そして、ローラの慣性
重量を上記の如く設定するため、車輪がローラ上でスリ
ップしなくても、ブレーキング時に車輪の減速度が上記
所定レベルを上回ってアンチロック制御が開始され、且
つアンチロック制御によるブレーキ圧の増減の応答遅れ
があっても、一回目の減圧前や減圧中に車輪が停止する
ようなことはなく、減圧後車輪速度が基準速度を上回っ
たときブレーキ圧が増圧され、かくてブレーキ圧の減圧
と増圧とが少なくとも1回は行われ、ブレーキ圧の増減
に伴う車輪の回転変動をローラの回転変動として検出し
て、アンチロックブレーキの作動状態を判定できる。
【0007】ところで、各車輪を各ローラ上に安定に支
持するため、各ローラをベルト等の連動手段を介して同
期回転する前後1対の分割ローラで構成することが考え
られるが、後輪ブレーキの制動力は比較的小さいため、
ブレーキング時に後輪の減速度をアンチロックブレーキ
制御の開始に必要な所定レベル以上に増加させるには、
後輪用ローラの慣性重量を比較的小さく設定する必要が
あり、かかる後輪用ローラを同期回転する前後1対の分
割ローラで構成すると、各分割ローラを夫々小径、軽量
に形成せざるを得なくなって、各分割ローラの曲げ剛性
を確保することが困難になる。そのため、前輪用ローラ
のみを同期回転する前後1対の分割ローラで構成し、後
輪用ローラは単一のローラで構成することが望ましい。
この場合、後輪の落ち込みを防止するため、後輪用ロー
ラと平行に、後輪の前側を受ける、該後輪用ローラに対
し独立して自由回転する補助ローラを設ける。
【0008】
【実施例】図1はブレーキの検査装置を示し、該装置
は、前輪用の左右1対のローラ11、11と、後輪用の左
右1対のローラ12、12とを備え、前輪用のローラ
1、11間に該各ローラ11を夫々クラッチ21を介して
連結したギアボックス31と、後輪用のローラ12、12
間に該各ローラ12を夫々クラッチ22を介して連結した
ギアボックス32とを配置し、両ギアボックス31、32
をドライブシャフト4を介して連結し、前記各ローラに
車輪を乗せて自動車を走行させたとき、駆動輪たる前輪
の回転によりローラ11とクラッチ21とギアボックス3
1とドライブシャフト4とギアボックス32とクラッチ2
2とローラ12とを介して後輪が回転されるようにした。
前輪用のローラ11、11は固定台5上に、又後輪用のロ
ーラ12、12は前後動自在な摺動台6上に設けられてお
り、前記ドライブシャフト4の後部をスリーブ4aとこ
れに嵌合するスプライン軸4bとで伸縮自在な構造と
し、摺動台6の動きにより自動車の軸距に合わせて前輪
用のローラ11と後輪用のローラ12との間の距離を調整
し得るようにした。各ローラ11、12は、同期回転する
ようにベルト7を介して連結した前後1対の分割ローラ
1a、1bで構成されており、各ローラ11、12の後側
の分割ローラ1bにフライホイール8を連結し、該分割
ローラ1bとフライホイール8との間にトルクメータ9
を介設して、各ローラ11、12の減速度をトルクとして
検出し、トルクメータ9の検出信号をマイクロコンピュ
ータから成るモニター回路10に入力して、後記する検
査を行うようにした。
【0009】前記各分割ローラ1a、1bの外周面の摩
擦係数は、ブレーキング時に車輪と該各分割ローラ1
a、1bとの間に働く摩擦力がフライホイール8を含む
各分割ローラ1a、1bの慣性力を上回るような大きな
値に設定されている。そのため、ブレーキング時に各ロ
ーラ11、12は各車輪に対しスリップすることなくこれ
と等速度で回転し、かくて各トルクメータ9で検出され
る各ローラ11、12の減速度は各車輪の減速度に一致す
る。又、両分割ローラ1a、1b、ベルト7、フライホ
イール8を含む各ローラ11、12の慣性重量は、ブレー
キング時に車輪の減速度がアンチロック制御の開始に必
要な所定レベル(例えば後記する基準速度Vsの減速
度)以上に増加可能で且つアンチロック制御によるブレ
ーキ圧の1回目の減圧完了前に、好ましくは1回目の減
圧後のブレーキ圧の増圧によっても車輪が停止しないよ
うな所定の値に設定される。図2を参照して、ν1は前
記所定レベル、ν2は、ブレーキ圧の増減の反応時間に
基いて求められる、1回目の減圧後のブレーキ圧の増圧
によっても車輪が停止しないために必要な減速度の上限
レベルを示し、上記したローラ慣性重量の値は、所定の
踏力でブレーキをかけたときに発生する制動力下でのロ
ーラ慣性重量に対する車輪減速度の変化特性を示すa線
がν1とν2との間に入る慣性重量の範囲内の任意の値
に設定される。尚、ラインオフしたばかりの自動車にお
いてはブレーキの当り付けが不十分なため、所定の踏力
でブレーキをかけても所定の制動力が発生しないことが
あり、また十分に当りが出ていても公差内でより大きな
制動力が発生することがある。図2でb線は制動力が小
さいときの変化特性、c線は制動力が大きいときの変化
特性であり、制動力がばらついてもアンチロックブレー
キが働くように、b線がν1以上となる慣性重量の値I
1を上限値、c線がν2以下となる慣性重量の値I2を下
限値として、この上下限値の範囲内にローラ慣性重量の
値を設定する。
【0010】ところで、後輪ブレーキの制動力は、その
油圧系統に設けたブレーキ圧の上昇を抑制するプロポー
ショニングコントロールバルブ(以下PCVと記す)の
働きで比較的弱くなり、前輪ブレーキの制動力下での上
記a、b、cの各変化特性線に対応する後輪ブレーキの
制動下での各変化特性線は夫々図2のa´、b´、c´
となり、後輪用ローラ12の慣性重量は、b´線がν1
以上となる上限値I´1とc´線がν2以下となる下限
値I´2との間の範囲内の値に設定される。
【0011】ブレーキ検査に際しては、各車輪を各ロー
ラ11、12上に乗せて自動車を走行させ、所定の速度に
達したとき、各ローラ11、12のクラッチ21、22をオ
フして各ローラ11、12が夫々独立して回転されるよう
にし、この状態でブレーキペダルを踏む。図4はアンチ
ロックブレーキが正常に働いたときの、トルクメータ9
で検出されるトルクTと車輪の回転速度Vの変化と、車
輪の減速度νの変化と、ブレーキ圧Pの変化とを示す。
アンチロックブレーキは、車輪の減速度νが所定の設定
値νsを上回ったときブレーキ圧の増圧を停止し、車輪
速度Vが所要の減速特性に従って定められる基準速度V
sを下回ったときブレーキ圧を減圧して、減速度νが設
定値νsを下回ったときブレーキ圧の減圧を停止し、車
輪速度Vが基準速度Vsを上回ったときブレーキ圧を増
圧して、以後上記の作動を繰返すように構成されてい
る。トルクTは減速度νに対応して変化し、その波形に
ブレーキ圧の増減制御に応じたピークが現われる。各ロ
ーラ11、12の慣性重量を上記の如く設定することによ
りブレーキ圧の1回目の減圧に続く増圧後にブレーキ圧
の2回目の減圧が行われ、アンチロックブレーキが正常
に作動すればトルク波形に少なくとも2つのピークが現
われる。又、ローラ停止時には、車輪、ローラ、フライ
ホイールから成る慣性系に貯えられていた弾性エネルギ
ーが解放されて、減速度ν及びトルクTが一旦ゼロレベ
ル以下に低下する。
【0012】モニター回路10における検査処理は図3
に示す手順で実行される。これを詳述するに、図外の制
御盤からブレーキ開始信号が入力されたとき各ローラ1
1、12のトルクメータ9で検出されるトルクを単位時間
間隔で所定時間例えば4秒間サンプリングし(S1)、
その後各ローラについてサンプリングデータを時系列的
に読出し(S2)、トルクTが所定のスレッショルドレ
ベルT0以上になった時点をブレーキの作動開始時点t0
として格納する(S3、S4)。次に、トルクTがゼロ
レベル以下であるか否かを判別し(S5)、T>0であ
る間は各時点のトルク値に対しこれが極大値であってそ
の後に所定レベル例えば0.8Kg・m以上の低下を生
じたときをピークと判別し(S6)、ピークのときはそ
のトルクの値をピーク値として格納する(S7)。トル
クがゼロレベル以下になったときは、その時点をローラ
停止時点t1として格納する(S8)。尚、停止時には
ブレーキ圧を減圧しなくてもトルクがゼロレベル以下に
急激に低下するため、その直前のピークをブレーキ圧の
増減制御によって発生するピークと同一視することはで
きず、時点t1の直前のピークはカウントしない。次
に、t0とt1との時間差から制動時間tを演算すると共
に、記憶されたピーク値の数から制動時間中に発生した
ピーク数を求め(S9)、ピーク数、ピーク値、制動時
間を夫々について設定した基準値と比較して合否判定を
行う(S10、S11、S12)。ピーク数の基準値は
例えば「2」に設定され、2以上であれば合格とし、
「0」又は「1」のときは不合格としてNGデータを作
成する(S10a)。ピーク値及び制動時間は、夫々に
ついて設定された下限値TL、tLと上限値TH、tH
との間の許容範囲内であれば合格とし、許容範囲外であ
れば不合格としてNGデータを作成する(S11a、S
12a)。
【0013】図5は、油圧系統へのエア混入等によりブ
レーキ圧の応答遅れを生じた場合のテスト結果を示し、
図5(d)に点線で示すブレーキ圧の正規の変化に対し
ブレーキ圧の変化が遅れ、制動時間は合格であるが、ピ
ーク数(×印を付けたところがカウントするピーク)が
不合格になると共にピーク値が上限値THを上回って不
合格となる。図6のテスト結果は、ブレーキ圧の1回目
の減圧制御で車輪速度が基準速度を上回った後ブレーキ
圧を増圧しても制動力が充分に上がらず、基準速度を上
回ったまま基準速度の減速特性に近い減速度で車輪速度
が減少した場合であり、制動時間とピーク値とは合格で
あるが、ピーク数は不合格となる。尚、制動力が絶対的
に不足しているときは、制動時間が長くなると共に車輪
速度が基準速度を下回ることなく緩慢に減速されてピー
クが発生せず、制動時間、ピーク数、ピーク値の全てが
不合格となる。図7は、アンチロックブレーキが働か
ず、車輪が急制動された場合のテスト結果であり、この
際車輪がローラの慣性回転力で後方に動いて2回目のピ
ークが現われることがあり、この場合ピーク数は合格に
なるが、制動時間が下限値tLを下回って不合格になる
と共にピーク値が上限値THを上回って不合格になる。
又、パッドにごみ等の異物が付着していると、ブレーキ
圧を低圧に保持しているとき即ちトルクが下限値TLを
下回っているときに異物がブレーキディクスで擦られて
取れることがあり、この際トルクが一旦低下してその直
前にピークが現われる。このピーク値は下限値TLを下
回り、これにより異物の付着を検出できる。以上の如
く、制動時間とピーク数とピーク値との何れが合格で何
れが不合格かの合否パターンに基いてアンチロックブレ
ーキの不良原因を推定することができる。尚、アンチロ
ック制御を解除する上記V0より高速度でアンチロック
制御が解除される等して車輪の停止直前の減速度が大き
くなった場合には、停止時に発生するトルクのゼロレベ
ル以下への低下量−Tmaxが大きくなり、この低下量を
基準値と比較して、低下量が基準値を上回ったとき不合
格と判定することも可能である。
【0014】ところで、後輪は上記したPCVの効果に
より基準速度の減速特性にほぼ等しい一定の減速度を保
ったまま減速されて停止することがある。図8は、油圧
系統にPCVを設けた後輪ブレーキが正常にアンチロッ
ク制御されたときの、トルクメータ9で検出されるトル
クTの変化と、車輪の回転速度Vの変化と、車輪の減速
度νの変化と、ブレーキ圧Pの変化とを示す。ブレーキ
の作動開始時、ブレーキ圧Pが所定値Psに上昇すると
以後ブレーキ圧はPCVの働きで緩やかに昇圧され、減
速度νが所定の設定値νsを上回ったときブレーキ圧の
増圧が停止され、車輪速度Vが基準速度Vs以下に低下
したとき減速度νがνs以下になるまでブレーキ圧が減
圧され、車輪速度VがVsを上回ったときブレーキ圧が
増圧されて、以後上記の作動が繰返され、最後に車輪速
度Vが所定の低速度Voに低下したところでアンチロッ
ク制御が解除され、ノーマルブレーキ状態で車輪が制動
されて車輪及びローラが停止する。アンチロック制御が
行われている間、車輪は基準速度Vsの減速特性に合致
したほぼ一定の減速度で減速され、トルクTに大きなピ
ーク変化は現われない。従って、制動時間は合格になっ
ても、ピーク数が不合格になる。制動力が不足している
場合にも、制動時間は合格でピーク数が不合格になるこ
とがあり、このままではPCV効果によるものか否かの
判断ができない。この場合、アンチロック制御が開始さ
れる減速度即ち上記νsに対応する値を下限値TL1、
車輪がロックしない最大減速度に対応する値を上限値T
H1として許容範囲を設定すると、アンロック制御が正
常に働いた場合には、ブレーキの作動開始から所定時間
ts(例えば0.3秒)経過前に発生した最大トルクT
max1は許容範囲に入るが、制動力が不足していると
きは、図8(a)に点線aで示す如く、トルクはts経
過時点でTL1まで増加せず、また、アンチロック制御
が働かずにブレーキ圧が急増したときは、図8(a)に
点線bで示す如く、トルクはts経過時点でTH1を上
回り、Tmax1が許容範囲に入っていないときはブレ
ーキが異常であると判定できる。また、油圧系統へのエ
ア混入等によりブレーキ圧の制御に応答遅れを生ずる
と、図8(a)に点線cで示すようにトルクの変動幅が
大きくなり(PCVの働きによりピークとして検出でき
る程の急激な変化は生じない)、トルクがアンチロック
制御の通常の作動条件に基づいて決定される下限値TL
2と上限値TH2との間の許容範囲に収まらなくなる。
【0015】以上の点を考慮して、本実施例では、図3
に示すように、上記した制動時間、ピーク数、ピーク値
の合否判定が4輪全てについて終了したとき(S1
3)、後輪の制動時間が合格でピーク数が不合格と判定
されているか否かを判別し(S14)、ピーク数が
「0」のとき又はピーク数が「1」でピーク値が合格の
ときは、後輪のサンプリングデータを再度読出して、ブ
レーキの作動開始時点toから所定の設定時間ts内に
発生した最大トルクTmax1と、ts経過後ローラ停
止時点t1前に発生した最大トルクTmax2とを検索
し(S15)、次いでTmax1がTL1とTH1の間
の許容範囲内か否か及びTmax2がTL2とTH2の
間の許容範囲内か否かの判別を行ない(S16)、許容
範囲内なら合格とし、許容範囲外なら不合格としてNG
データを作成するようにした(S16a)。そして、最
後に4輪各々の合否判定データを出力すると共に、各車
輪についてのトルク波形をプリントアウトする(S1
7、S18)。尚、ts経過後の各時点でのトルクが全
てTL2とTH2の間の許容範囲に収まっているか否か
を判別しても良いが、油圧系統にPCVを設けたブレー
キでは、PCVの働きで減速度の変動が抑制されるた
め、本実施例では、上記の如くTmax2のみを検出し
て、これが許容範囲に入っているか否かを判別するよう
にした。また、本実施例では、後輪についてもピーク数
とピーク値との合否判定を行なうようにしたが、後輪に
ついては制動時間とTmax1とTmax2との合否判
定だけを行なうようにしても良い。
【0016】ところで、後輪ブレーキの制動力は比較的
小さいため、ブレーキング時に後輪の減速度がアンチロ
ック制御の開始に必要な所定レベル以上に増加するよう
に、後輪用ローラ12の慣性重量は比較的小さく設定す
る必要がある。従って、該ローラ12を図1に示す実施
例のように同期回転する前後1対の分割ローラ1a、1
bで構成すると、分割ローラ1a、1bを夫々小径、軽
量に形成せざるを得なくなって、各分割ローラ1a、1
bの曲げ剛性を確保することが困難になることがある。
この場合には、図9に示す如く、前輪用ローラ11のみ
を、上記実施例と同様に、ベルト7を介して同期回転す
る前後1対の分割ローラ1a、1bで構成し、後輪用ロ
ーラ12は単一のローラで構成する。これによれば、該
ローラ1を比較的大径に形成して曲げ剛性を確保でき
る。該後輪用ローラ1の前側には、後輪の前側を受け
てその落ち込みを防止する補助ローラ1cが並設されて
いるが、該補助ローラ1cは後輪用ローラ12に対し独
立して自由回転するようになっており、後輪用ローラ1
2の慣性重量に補助ローラ1cの慣性重量は付加されな
い。尚、車体は前輪用ローラ11を構成する前後1対の
分割ローラ1a、1bにより前輪において前後方向に位
置決めされており、且つ後輪ブレーキのアンチロック制
御による制動力の変化幅は小さいため、後輪は常時後輪
用ローラ12に圧接し、該ローラ12はブレーキング中常
に後輪と等速度で回転する。尚、図中11は前記ベルト
7のテンションプーリである。
【0017】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1の発明によれば、車輪をローラに対しスリップさせず
にアンチロックブレーキを働かせることができ、車輪の
回転変動を直接検出せずにローラの回転変動に基いてア
ンチロックブレーキの作動状態を正確に判定できるよう
になり、車輪の回転変動を検出するためのセンサの取付
けといった準備作業が不要となり、検査作業の能率アッ
プを図れる効果を有する。 また、請求項2の発明によ
れば、前輪用ローラのみを前後1対の分割ローラで構成
し、慣性重量を比較的小さく設定する必要がある後輪用
ローラは単一のローラで構成するため、後輪用ローラの
曲げ剛性を確保して、後輪のアンチロックブレーキの検
査も正確に行ない得られる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明装置の一例の平面図
【図2】 ローラ慣性重量の設定範囲を示す線図
【図3】 検査の実行プログラムを示すフローチャート
【図4】 ブレーキが正常に作動したときの、トルク波
形と、車輪速度、車輪減速度、ブレーキ圧の変化とを示
す線図
【図5】 ブレーキ圧の応答遅れを生じた場合の図4に
対応する線図
【図6】 制動力が不足したときの図4に対応する線図
【図7】 ノーマルブレーキ状態になったときのトルク
波形を示す線図
【図8】 後輪側のトルク波形と、車輪速度、車輪減速
度、ブレーキ圧の変化とを示す線図
【図9】 本発明装置の他の実施例の前輪用と後輪用の
ローラを示す概略側面図
【符号の説明】
1 前輪用ローラ 12 後輪用ローラ 1a、1b 分割ローラ 7ベルト(連動手
段) 9 トルクメータ(回転変動検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前川 桂一郎 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホ ンダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 丸尾 勝 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホ ンダエンジニアリング株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラと、ローラの回転変動を検出する
    手段とを備え、アンチロックブレーキを搭載した自動車
    をローラ上に車輪を乗せた状態で走行させ、所定の速度
    に達した時点でブレーキを作動させて、このブレーキン
    グ時のローラの回転変動からアンチロックブレーキの作
    動状態を判定するアンチロックブレーキの検査装置であ
    って、ローラの摩擦係数を、ブレーキング時にローラと
    車輪との間に働く摩擦力がローラの慣性力を上回るよう
    に設定すると共に、ローラの慣性重量を、ブレーキング
    時に車輪の減速度がアンチロック制御の開始に必要な所
    定レベル以上に増加可能で且つアンチロック制御による
    ブレーキ圧の1回目の減圧完了前に車輪が停止しないよ
    うな値に設定することを特徴とするアンチロックブレー
    キの検査装置。
  2. 【請求項2】 前記ローラのうち自動車の前輪を乗せる
    前輪用ローラは、連動手段を介して同期回転される前後
    1対の分割ローラで構成され、自動車の後輪を乗せる後
    輪用ローラは単一のローラで構成され、該後輪用ローラ
    と平行に、後輪の前側を受ける、該後輪用ローラに対し
    独立して自由回転する補助ローラを設けたことを特徴と
    する請求項1に記載のアンチロックブレーキの検査装
    置。
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