JP3106106B2 - マスキング材の製造方法及びマスキング材 - Google Patents

マスキング材の製造方法及びマスキング材

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JP3106106B2 JP08284529A JP28452996A JP3106106B2 JP 3106106 B2 JP3106106 B2 JP 3106106B2 JP 08284529 A JP08284529 A JP 08284529A JP 28452996 A JP28452996 A JP 28452996A JP 3106106 B2 JP3106106 B2 JP 3106106B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リードフレーム等
に金、銀などの金属をメッキするときに使用されるマス
キング材の製造方法及びマスキング材に関し、特に、レ
ーザ加工時の炭化物の発生を防止して、炭化物除去工程
を省略すると共に、レーザ加工時間を短縮することによ
り製造コストを大幅に削減できる上、加工精度を高める
ことができるようにしたマスキング材の製造方法及びマ
スキング材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子部品のリードフレームなどの
表面に金、銀等をメッキする場合に使用されるマスキン
グ材の製造方法としては、所定形状に形成した型にシリ
コーンゴムを流し込み、シリコーンゴムとガラス・エポ
キシ板にドリルもしくはレーザー加工で所定形状に加工
したものとを一体的に成形させる方法があった。
【0003】しかしながら、この方法によれば、このリ
ードフレームやメッキパターンの形状変更ごとに未加硫
シリコーンゴムを流し込みBステージ状の積層成形品
(FRP)と一体的に成形させる金型を製作、変更する
必要があるが、金型は高価であり、しかも電子部品の改
良と共にリードフレームやメッキパターンの形状が頻繁
に変更される今日では非常にコスト高になり、極めて不
経済となる。このため、今日ではこの方法による例は少
なくなりつつある。
【0004】この方法に代わって採用されているマスキ
ング材の製造方法としては、補強材に熱硬化性樹脂組成
物の溶液を含浸させた後、加熱してBステージ状のプリ
プレグを形成し、この後、このプリプレグを複数枚積み
重ね、加熱加圧してBステージ状の積層成形品(FR
P)を形成し、このFRPと未加硫シリコーンゴムシー
トを積み重ね加熱加圧して、これらを接着、硬化させた
後、レーザ加工等によって所定形状の開口部を形成する
方法が一般的である。
【0005】そして、この種、マスキング材に用いるF
RPは、電気特性、耐湿特性、寸法安定性及び耐熱性が
優れていることが要求されるので、専ら、補強材として
はガラス布、ガラスマット、ガラスペーパなどのガラス
補強材が用いられるが、これに含浸させるマトリックス
樹脂としてはエポキシ樹脂組成物を用いる、いわゆる、
ガラス・エポキシ積層成形品が用いられている。
【0006】このガラス・エポキシ積層成形品は、打抜
加工ができず、ドリル加工あるいはルーター加工が適し
ているとされているが、ドリル加工やルーター加工では
マスキング材には欠かせない例えば小さい角孔状の開口
部を高精度に形成することが困難ないし不可能である。
そこで、マスキング材における開口部は専らレーザ加工
によって形成されているのが実情である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このレーザ
加工においては開口部における切断面及びその近傍が炭
化するという、致命的な問題がある。そして、この切断
面及びその近傍の炭化の原因は、明確では無いが、本発
明者らの実験結果によると、ガラス繊維の切断加工には
高エネルギーが必要であり、この高エネルギーの影響に
よって合成樹脂層が炭化するためであると解釈される。
【0008】具体的には、例えば図4の斜視模式図に示
すように、この炭化した部分C(ハッチングで示す)
は、マスキング材M’の開口部3の切断面10cと表・
裏両面10a・10cにわたって形成されるが、この炭
化物は電気的に良導性であるために、メッキ工程におい
てリードフレームからこの炭化層にわたって連続するメ
ッキ層が形成され、メッキ後にマスキング材をリードフ
レームから取り除く時にリードフレーム上に形成される
べきメッキ層が剥離するという問題を生じたり、所定寸
法通りのメッキができないなどの問題が発生する。
【0009】このため、マスキング材として使用する前
に紙ヤスリやブラシなどによってこの炭化物を完全に除
去する必要があり、工程数が多くなり、コスト高になっ
て不経済となると共に、開口部の寸法精度が損なわれる
という、致命的な問題が生じる。
【0010】本発明者らは、レーザ加工に際し炭化物の
発生を防止して炭化物除去工程を省略できるようにし、
もって生産性を大幅に向上させたり、レーザ加工費用を
削減して製造コストを大幅に削減できるようにし、しか
も開口部などの加工精度を高めることができるマスキン
グ材について鋭意検討を重ねてきた。
【0011】その結果、合成樹脂層としてフェノール樹
脂を用いると、レーザ加工の際に炭化し易く、又、補強
材としてガラス補強材を用いると、レーザ加工の際に炭
化し易いが、合成樹脂層としてフェノール樹脂以外の耐
熱性合成樹脂を用い、しかも補強材として有機繊維で形
成されたものを用いると、レーザ加工による開口部の形
成が容易で、しかも炭化物の発生がなく、精密なレーザ
加工ができるうえ、所要の電気特性、耐湿特性、寸法安
定性及び耐熱性が得られるとの知見を得た。
【0012】本発明は、前記知見に基づき完成されたも
のであって、合成樹脂層としてフェノール樹脂以外の耐
熱性合成樹脂を用い、しかも補強材として有機繊維で形
成されたものを用いることにより、レーザ加工に際し炭
化物の発生を防止して炭化物除去工程を省略できるよう
にし、もって生産性を大幅に向上させたり、レーザ加工
費用を削減して製造コストを大幅に削減できるように
し、しかも開口部などの加工精度を高めることができる
うえ、所要の電気特性、耐湿特性、寸法安定性及び耐熱
性が得られるマスキング材の製造方法及びマスキング材
を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係るマスキング
材の製造方法(以下、本発明方法という。)は、合成樹
脂層と、補強材と、未加硫シリコーンゴムシートとの積
層体にレーザ加工により開口部を形成するマスキング材
の製造方法において、前記の目的を達成するために次の
技術的手段を講じている。
【0014】即ち、合成樹脂層としてフェノール樹脂を
除く耐熱性合成樹脂を用い、補強材として有機繊維で形
成されたものを用いることを特徴とする。
【0015】このように合成樹脂層としてフェノール樹
脂を除く耐熱性合成樹脂を用い、補強材が有機繊維で形
成されていることにより、ガラス補強材に比べれば低エ
ネルギーで補強材を切断することができるから、短時間
で、しかも切断面及びその近傍部、つまり切断部におけ
る合成樹脂層が炭化される前に積層体の切断を完了する
ことができる。
【0016】従って、切断部に炭化物が生成することが
なくなり、開口部形成後の炭化物除去工程が不要にな
り、もって生産性を大幅に向上させたり、切断に要する
時間も短縮され、レーザ加工費用を削減して製造コスト
を一層大幅に削減できるようにし、しかも開口部などの
加工精度を高めることができるうえ、所要の電気特性、
耐湿特性、寸法安定性及び耐熱性が得られるのである。
【0017】以下、本発明方法を更に詳細に説明する。
本発明方法においては、合成樹脂層としてフェノール樹
脂を除く耐熱性合成樹脂を用い、補強材が有機繊維で形
成されていることを特徴とする。
【0018】本発明方法において用いられる耐熱性合成
樹脂としては、未加硫シリコーンゴムシートと加熱、加
圧して接着する際に熱劣化や変形更に樹脂のダレ等の発
生を防止するなどの観点から、軟化点が80℃以上の熱
可塑性樹脂、或いはフェノール樹脂を除く熱硬化性樹脂
が挙げられる。
【0019】具体的には、例えばポリエステル、ポリア
ミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフ
ェニレンオキサイド、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リサルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリアミドイミド、ビスマレイミド・
トリアジン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステルエ
ポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリイミド樹脂、アルキッド樹脂等がその例として
挙げられるが、熱硬化性樹脂の一種であるフェノール樹
脂はレーザ加工時に炭化物を生成し易いので除かれる。
【0020】前記耐熱性合成樹脂には、必要により、硬
化剤、硬化促進剤或いは各種安定剤更に溶剤等が配合さ
れる。
【0021】これらの耐熱性合成樹脂の中では、熱硬化
性樹脂に、硬化剤或いは硬化促進剤等を配合した熱硬化
性樹脂組成物が耐熱性、電気特性及び強度等の観点から
好ましく、特に、電気特性、耐湿特性、寸法安定性、耐
熱性、接着性及び価格等を総合的に考慮してエポキシ樹
脂組成物、ポリエステル又は不飽和ポリエステルを用い
ることが望ましい。
【0022】本発明方法において、合成樹脂層と、補強
材と、未加硫シリコーンゴムシートとの積層体を形成す
る方法は、特に限定されないが、マスキング材として使
用する上で合成樹脂層の層厚が正確に制御されることが
好ましく、例えば、有機繊維で形成された補強材にエポ
キシ樹脂組成物などの熱硬化性樹脂組成物の溶液ないし
分散液を含浸させた後、加熱してBステージのプリプレ
グを形成し、このプリプレグを複数枚重ね加圧加熱し
て、Bステージ状の積層成形品(FRP)を形成し、こ
の後、このFRPと未加硫シリコーンゴムシートとを積
み重ね、加熱加圧して接着、硬化させる方法をその例と
して挙げることができる。
【0023】この方法において、エポキシ樹脂組成物な
どの熱硬化性樹脂組成物の溶液ないし分散液を補強材に
塗布する方法は特に限定されるものではないが、具体的
には、例えばフローコート、ヘッドコート、ローラーブ
ラシ、ナイフコート、ロールコート、スピンコート、パ
イプドクターノズル方式(PDN方式)、キスコート、
吹き付け、アプリケート又はコーティングなどの方法が
挙げられるのであり、又、エポキシ樹脂組成物などの熱
硬化性樹脂組成物の溶液ないし分散液を補強材に含浸さ
せる方法としては、塗布の他に浸漬法がある。
【0024】そして、有機繊維で形成された補強材にエ
ポキシ樹脂組成物などの熱硬化性樹脂組成物の溶液ない
し分散液を塗布又は含浸させた後、加熱することによ
り、その表面のべとつきが無くなる程度に乾燥させ、い
わゆる、Bステージのプリプレグが得られ、このブリプ
レグを複数枚重ね加圧加熱して、Bステージ状の積層成
形品(FRP)を形成する。
【0025】次いで、このFRPと未加硫シリコーンゴ
ムシートとを積み重ね、加熱加圧して接着、硬化させる
ことによって積層体が得られ、この積層体をレーザ加工
によって開口部を形成することにより本発明に係るマス
キング材が得られる。
【0026】又、本発明方法においては、合成樹脂層と
補強材とからなる積層体を複数枚重ね、相互に接着して
所定厚さの積層体を得た後、この所定厚さの積層体と未
加硫シリコーンゴムシートとを重ね、加熱加圧して接着
させ、次いで、これをレーザ加工によって開口部を形成
することにより本発明に係るマスキング材を得ても良
い。
【0027】ここで、積層体の製造方法としては特に限
定されるものではないが、例えば所定の輪郭形状を有す
る金型に補強材をセットし、これにエポキシ樹脂組成物
などの熱硬化性樹脂組成物の溶液ないし分散液液を流し
込み、加熱、乾燥させた後、離型させて所定の輪郭形状
のブリプレグを製造したり、或いは耐熱性の熱可塑性樹
脂の溶融液を、補強材をセットしてなる金型に流し込ん
だ後、冷却、離型する、いわゆる、型流し法や、ベルト
などの離型性を有する支持体上に補強材をセットし、こ
れにエポキシ樹脂組成物などの熱硬化性樹脂組成物の溶
液ないし分散液を例えばフローコート、ヘッドコート、
ローラーブラシ、ナイフコート、ロールコート、スピン
コート、パイプドクターノズル方式(PDN方式)、キ
スコート、吹き付け、アプリケート又はコーティングな
どの方法により一定の厚さに塗布し、加熱乾燥させてB
ステージのプリプレグを製造したり、或いは耐熱性の熱
可塑性樹脂の溶融液を、補強材をセットしてなる離型性
支持体上に例えば前記フローコート、ヘッドコート、ロ
ーラーブラシ、ナイフコート、ロールコート、スピンコ
ート、パイプドクターノズル方式(PDN方式)、キス
コート、吹き付け、アプリケート又はコーティングなど
の方法により一定の厚さに塗布し、冷却する方法などを
その例として挙げることができる。
【0028】得られた積層体を複数枚重ね、相互に接着
して所定厚さの積層体を得るにあたり、その接着条件と
しては温度80〜180℃で、圧力10〜50Kg/c
、好ましくは温度140〜160℃で、圧力15〜
30Kg/cmで行われる。
【0029】又、所定厚さの積層体と未加硫シリコーン
ゴムシートとを重ね、加熱加圧して接着させるにあた
り、その接着条件としては温度100〜200℃で、圧
力2〜50Kg/cm、好ましくは温度140〜16
0℃で、圧力5〜10Kg/cmで行われる。
【0030】ところで、補強材にエポキシ樹脂組成物な
どの熱硬化性樹脂組成物の溶液ないし分散液を塗布又は
含浸させ、加熱乾燥させてBステージのプリプレグを製
造するにあたり、その加熱乾燥条件としては、用いられ
るエポキシ樹脂組成物などの熱硬化性樹脂組成物の種類
や硬化剤等によっても異なるが、一般には、温度100
〜150℃で5〜20分間、好ましくは温度120〜1
30℃で10〜15分間加熱することによりBステージ
状態に形成することができる。
【0031】又、補強材とエポキシ樹脂組成物などの熱
硬化性樹脂組成物の溶液ないし分散液を塗布又は含浸さ
せるにあたり、補強材とエポキシ樹脂組成物などの熱硬
化性樹脂組成物(固形分)の割合は、補強材100重量
部に対し、エポキシ樹脂組成物などの熱硬化性樹脂組成
物(固形分)が、50〜150重量部の範囲、特に80
〜120重量部の範囲とするのが望ましく、エポキシ樹
脂組成物などの熱硬化性樹脂組成物(固形分)が50重
量部未満と少な過ぎると成形の際、樹脂カケ、ピンホー
ル等が発生し易くなり、電気特性、強度が劣り、マスキ
ング材として使用できなくなるので好ましくなく、一
方、エポキシ樹脂組成物などの熱硬化性樹脂組成物(固
形分)が150重量部を超えると成形工程にて、樹脂の
流れが多くなり易く成形性が悪い上、成形品の厚さのバ
ラツキが大きくなり易く、メッキ工程にて、メッキ漏れ
が発生し易いので好ましくない。
【0032】本発明方法においては、前述のとおり、合
成樹脂層がエポキシ樹脂組成物で形成されたものが好ま
しいが、特に、ポットライフ、電気特性、耐湿特性、寸
法安定性、耐熱性及び接着性等の観点から、例えば
(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(B)シアノ
グアニジン、(C)イミダゾール或いはその誘導体及び
(D)3級アミンを必須成分とするものが望ましい。
【0033】ここで好適に用いられる(A)ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエ
ピクロルヒドリンとをアルカリの存在下で反応させて得
られるものであれば特に限定されるものではない。
【0034】前記(A)ビスフェノールA型エポキシ樹
脂の市販品の例としては、例えばシェル化学社製のEp
on825、Epon828、Epon1001、Ep
on1002、Epon1004、Epon1007、
又はEpon1009、油化シェルエポキシ社製のエピ
コート815、エピコート827、エピコート828、
エピコート834、エピコート1055、エピコート8
27−X−75、エピコート1001−B−80、エピ
コート1001−X−70、エピコート1001−X−
75、エピコート1001、エピコート1002、エピ
コート1004、エピコート1007又はエピコート1
009、旭化成社製のAER334、AER330、A
ER331、AER337、AER661、AER66
4、AER667又はAER669、旭電化社製のアデ
カレジンEP−4200、アデカレジンEP−430
0、アデカレジンEP−4100、アデカレジンEP−
4340、アデカレジンEP−5100、アデカレジン
EP−5200、アデカレジンEP−5400、アデカ
レジンEP−5700又はアデカレジンEP−590
0、住友化学社製のスミエポキシELA−115、スミ
エポキシELA−127、スミエポキシELA−12
8、スミエポキシELA−134、スミエポキシESA
−011、スミエポキシESA−012、スミエポキシ
ESA−014、スミエポキシESA−017又はスミ
エポキシESA−019、大日本インキ社製のエピクロ
ン855、エピクロン840、エピクロン860、エピ
クロン1050、エピクロン2050、エピクロン40
50、エピクロン7050又はエピクロン9050、ダ
ウ・ケミカル(日本)社製のDER330、DER33
1、DER661、DER662、DER664、DE
R667又はDER669、大日本色材社製のプリエポ
ーPE−10、プリエポーPE−25、プリエポーPE
−70、プリエポーPE−80、プリエポーPE−10
0、プリエポーPE−120又はプリエポーPE−15
0、東都化成社のエポトートYD−115、エポトート
YD−127、エポトートYD−128、エポトートY
D−134、エポトートYD−011、エポトート−Y
D−012、エポトートYD−014、エポトートYD
−017又はエポトートYD−019、日本チバガイギ
ー社製のアラルダイトGY−250、アラルダイトGY
−261、アラルダイトGY−30、アラルダイト60
71、アラルダイト6084、アラルダイト6097又
はアラルダイト6099三井化学エポキシ社製のエポミ
ックR−130、エポミックR−139、エポミックR
−140、エポミックR−144、エポミックR−30
1、エポミックR−302、エポミックR−304、エ
ポミックR−307又はエポミックR−309等が挙げ
られる。
【0035】前記(A)ビスフェノールA型エポキシ樹
脂としては、所望により、複数種のものを混合して用い
てもよく、又、ポットライフやシートライフ、更に、剪
断接着力に悪影響を与えない範囲で、他のエポキシ樹
脂、例えばウレタン変性エポキシ樹脂やニトリルゴム変
性エポキシ樹脂などを混合してもよいのである。
【0036】又、前記(B)シアノグアニジンは、下記
構造式、
【0037】
【化1】
【0038】を有する化合物である。
【0039】この(B)シアノグアニジンの市販品とし
ては、例えばエイ・シー・アイ・ジャパン・リミテッド
社製のDICY CG シリーズであるCG−NA、C
G、CG−325、CG−1200、CG−1400、
DICIANEX−200、DICIANEX−325
及びDICIANEX−1200等が挙げられる。
【0040】更に、前記(C)イミダゾール或いはその
誘導体としては液状のもの或いは固形状のものであれば
特に限定れるものではなく、その市販品の例としては、
例えば四国化成社製のキュアゾールORシリーズである
2E4MZ、1B2MZ、同社製のキュアゾールCNシ
リーズである2MZ:CN、2E4MZ−CN、同社製
のキュアゾールHZシリーズである2PHZ−CNの
他、同社製の1M2EZ、1B2EZ、C11Z、2M
A−OK等が挙げられる。
【0041】加えて、前記(D)3級アミンとしては特
に限定されるものではなく、その市販品の例としては、
例えばエアープロダクツ社製のアンカミンシリーズであ
るK−54、K−1110、K−61B、Curing
Agent D(シェル社製)、2−エチルヘキサノ
イン酸塩(DMP−30)等が挙げられる。
【0042】前記(A)〜(D)を必須成分とするエポ
キシ樹脂組成物を用いる場合、これらの配合量は、所要
のポットライフ、電気特性、接合強度、耐熱性、シート
ライフ、剪断接着力、耐湿性、接着性及び柔軟性を得る
と共に、割れの防止やベタツキの減少を図るという観点
から、(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重
量部に対し、(B)シアノグアニジン3〜25重量部、
(C)イミダゾール或いはその誘導体0.1〜3重量
部、(D)3級アミン0.1〜2重量部とするのが好ま
しく、特に、(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂1
00重量部に対し、(B)シアノグアニジン5〜20重
量部、(C)イミダゾール或いはその誘導体0.2〜2
重量部、(D)3級アミン0.15〜1.5重量部とす
るのが一層好ましい。
【0043】前記(A)〜(D)を必須成分とするエボ
キシ樹脂には、これら(A)〜(D)の成分の他に、
(E)ビスフェノールA型弾性エポキシ樹脂、(F)フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂及び(G)芳香族ポ
リアミンを配合して、ポットライフ及び耐熱性を一層高
めたり、又、強靱性や接着性を一層高めることができ
る。
【0044】この場合、その配合割合は、(A)ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂10〜50重量部と、(F)
フェノールノボラック型エポキシ樹脂50〜90重量部
とし、この(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂と
(F)フェノールノボラック型エポキシ樹脂との合計重
量を100重量部とし、この100重量部に対して
(B)シアノグアニジン3〜25重量部、(C)イミダ
ゾール或いはその誘導体0.1〜3重量部、(D)3級
アミン0.1〜2重量部、(E)ビスフェノールA型弾
性エポキシ樹脂1〜20重量部、(G)芳香族ポリアミ
ン0.5〜20重量部とすることが好ましく、特に、
(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂と(F)フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂との合計の100重量部
に対して、(B)シアノグアニジン5〜20重量部、
(C)イミダゾール或いはその誘導体0.2〜2重量
部、(D)3級アミン0.15〜1.5重量部、(E)
ビスフェノールA型弾性エポキシ樹脂3.5〜15重量
部、(G)芳香族ポリアミン5〜15重量部とすること
が一層好ましい。
【0045】前記(E)ビスフェノールA型弾性エポキ
シ樹脂としては、ビスフェノールA型骨格を有し、か
つ、硬化物が弾性を有するエポキシ樹脂であり、その市
販品の例としては、例えば新日本理化社製のリカレジン
BEO−60E、旭電化社製のアデカレジンEP400
0、油化シェルエポキシ社製のエビコート871、東都
化成社製のエポトートYD−171等が挙げられる。
【0046】前記(F)フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂は、ノボラック樹脂とエピクロルヒドリンとを反
応させてグリシジルエーテル化させた樹脂をいい、下記
一般式で示されるものである。
【0047】
【化2】
【0048】前記(F)フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂の市販品の例としては、油化シェルエポキシ社製
のエピコート157S65、大日本インキ社製のエピク
ロンN−800、ダウ化学社製のDEN438、油化シ
ェル社製エピコート152、エピコート154、ダウケ
ミカル社製DEN−431、DEN−438、DEN−
439、DEN−485、チバガイギー社製のアラルダ
イトEPN−1138、アラルダイトEPN−113
9、DIC社製のエピクロンN−730、エピクロンN
−738、エピクロンN−740等が挙げられる。
【0049】前記(G)芳香族ポリアミンとしては特に
限定されるものではないが、具体的には例えばジアミの
ジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノ
ジフェニルスルホン及びトルエンジアミン等が挙げられ
る。
【0050】加えて、前記(A)〜(G)の成分に、更
に(H)ニトリルゴムを含有させて、特に、柔軟性や可
撓性を高めるようにしてもよいが、この場合、その配合
割合は、(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂10〜
50重量部と、(F)フェノールソボラック型エポキシ
樹脂50〜90重量部とし、この(A)ビスフェノール
A型エポキシ樹脂と(F)フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂との合計重量を100重量部とし、この100
重量部に対して(B)シアノグアニジン3〜25重量
部、(C)イミダゾール或いはその誘導体0.1〜3重
量部、(D)3級アミン0.1〜2重量部、(E)ビス
フェノールA型弾性エポキシ樹脂1〜20重量部、
(G)芳香族ポリアミン0.5〜20重量部、(H)ニ
トリルゴム5〜100重量部とすることが好ましく、特
に、(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂と(F)フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂との合計の100重
量部に対して、(B)シアノグアニジン5〜20重量
部、(C)イミダゾール或いはその誘導体0.2〜2重
量部、(D)3級アミン0.15〜1.5重量部、
(E)ビスフェノールA型弾性エポキシ樹脂3.5〜1
5重量部、(G)芳香族ポリアミン5〜15重量部、
(H)ニトリルゴム10〜50重量部とすることがより
好ましい。前記の好ましい配合割合の範囲以外では成分
全体のバランスが崩れ、所要の諸特性、ポットライフ、
シートライフ等が得られなくなることがあるので好まし
くない。
【0051】前記(H)ニトリルゴムとしては、特に限
定されるものではなく、その市販品の例としては、例え
ば日本合成ゴム社製のEXR−91、日本ゼオン社製の
NipolシリーズであるNipol DN002、N
ipol DN003、Nipol DN009、Ni
pol DN101、Nipol DN101L、Ni
pol DN103、Nipol DN115、Nip
ol DN200、Nipol DN201、Nipo
l DN202、Nipol DN202H、Nipo
l DN206、Nipol DN207、Nipol
DN211、NipolDN212、Nipol D
N215、Nipol DN219、Nipol DN
223、Nipol DN225、Nipol DN3
00、Nipol DN302、Nipol DN30
2H、Nipol DN306、Nipol DN31
5、Nipol DN401、Nipol DN401
L、Nipol DN402、Nipol DN40
6、Nipol DN601、Nipol DN21
4、Nipol DN631、Nipol DN120
1、Nipol DN1201L、Nipol DN2
24、Nipol DN1105、Nipol DN1
205、Nipol DN1305、NipolFN3
703、NipolFN4002、Nipol 104
1、Nipol1041L、Nipol 1031、N
ipol 1001、Nipol 1042、Nipo
l 1042AL、Nipol 1052J、Nipo
l 1032、Nipol 1043、Nipol 1
312、Nipol 1432J、Nipol 141
1、Nipol 1422、Nipol 1072J、
HF10又はHF21等が挙げられる。
【0052】更に加えて、前記(A)〜(H)の成分
に、(I)シランカップリング剤を含有させて、特に耐
湿接着性、接着力、電気特性を一層改善してもよい。
【0053】この場合の配合割合は、(A)ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂10〜50重量部と、(F)フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂50〜90重量部と
し、この(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂と
(F)フェノールノボラック型エポキシ樹脂との合計重
量を100重量部とし、この100重量部に対して
(B)シアノグアニジン3〜25重量部、(C)イミダ
ゾール或いはその誘導体0.1〜3重量部、(D)3級
アミン0.1〜2重量部、(E)ビスフェノールA型弾
性エポキシ樹脂1〜20重量部、(G)芳香族ポリアミ
ン0.5〜20重量部、(H)ニトリルゴム5〜100
重量部、(I)シランカップリング剤0.05〜5重量
部とすることが好ましく、特に、(A)ビスフェノール
A型エポキシ樹脂と(F)フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂との合計の100重量部に対して、(B)シア
ノグアニジン5〜20重量部、(C)イミダゾール或い
はその誘導体0.2〜2重量部、(D)3級アミン0.
15〜1.5重量部、(E)ビスフェノールA型弾性エ
ポキシ樹脂3.5〜15重量部、(G)芳香族ポリアミ
ン5〜15重量部、(H)ニトリルゴム10〜50重量
部、(I)シランカップリング剤0.1〜3重量部とす
ることがより好ましい。シランカップリング剤の配合割
合が0.05重量部未満であると効果が乏しく配合する
意味がないのであり、一方、5重量部を超えると効果に
限界が生じる上、不経済であり、しかも、成分全体のバ
ランスが崩れ、逆に特性が悪化する恐れがあるので好ま
しくない。
【0054】前記シランカップリング剤としては、特に
限定されるものではなく、例えばビニルトリス(β−メ
トキシ−エトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリドシド
キシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノ
エチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランN−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、又はγ−ク
ロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0055】本発明方法で用いられるエポキシ樹脂組成
物には、所望により、有機溶媒が配合されるが、この有
機溶媒としては、有機溶媒として代表的なケトン系有機
溶媒の他に、ベンゼン、トルエン、パラキシレン等が挙
げられる。
【0056】ケトン系有機溶媒はケトン基を有する有機
溶媒であり、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メ
チルプロピルケトン、イソプロピルメチルケトン、ブチ
ルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、ピナコロ
ン、ジエチルケトン(プロピオン)、プチロン又はジイ
ソプチルケトンなどの脂肪族飽和ケトン、メチルビニル
ケトン、メジチルオキシド又はメチルヘプテノン等の不
飽和ケトン、シクロブタノン、シクロペンタノン又はシ
クロヘキサノン等の脂環式ケトン、アセトフェノン、プ
ロピオフェノン、ブチロフェノン、バレロフェノン、ベ
ンゾフェノン、ジベンジルケトン又は2−アセトナフト
ン等の芳香族ケトン、アセトチエノン又は2−アセトフ
ロンなどの複素環式ケトン等が挙げられる。
【0057】前記エポキシ樹脂組成物を前記溶媒に溶解
ないし分散させるに当り、溶媒の配合割合は特に限定さ
れるものではなく、取扱性や塗膜形成性などを配慮して
任意に選択、決定されるが、前記エポキシ樹脂組成物1
00重量部に対し50〜1000重量部の範囲、特に1
00〜750重量部の範囲で好適な結果を得ることがで
きる。
【0058】本発明方法においては、前記の補強材が有
機繊維で形成されたものを用いるのであり、ガラス繊維
や金属繊維更にセラミック繊維等の無機繊維は、レーザ
加工の際に高エネルギーを必要とし、開口部における切
断面及びその近傍に炭化物が発生するので好ましくな
い。
【0059】即ち、有機繊維は、炭化することなく、レ
ーザによって短時間で切断されると共に、切断に要する
エネルギーが比較的少なくて済み、その結果、レーザ加
工の際、開口部における切断面及びその近傍が炭化する
事がないのである。
【0060】この有機繊維としては、天然繊維、再生繊
維、半合成繊維又は合成繊維が挙げられる。前記天然繊
維としては植物繊維又は動物繊維が挙げられるが、これ
らの具体例としては、例えば本綿、カポック、マニラ
麻、サイザル麻、絹、羊毛、モヘア、カシミア、ラクダ
またはアルパカなどが挙げられる。
【0061】前記再生繊維としては、例えばビスコース
レーヨン又は銅アンモニアレーヨン等が挙げられるので
あり、又、前記半合成繊維としては、例えばアセテート
或いはプロミックスが挙げられるのであり、更に、前記
合成繊維としては、例えばポリアミド系合成繊維、ポリ
エステル系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊
維、ポリ塩化ビニル系合成繊維、ポリ塩化ビニリデン系
合成繊維、アクリル系合成繊維、メタクリル系合成繊
維、ポリオレフィン系合成繊維、フルオロカーボン系合
成繊維又はポリウレタン系合成繊維等が挙げられる。
【0062】補強材の形態は特に限定されないが、取扱
性を考慮して、不織布、織布、マット、クロス又は編み
物が挙げられるのであり、しかもこの補強材は天然繊
維、再生繊維、半合成繊維又は合成繊維から選ばれた少
なくとも一種、或いはこれらの混合繊維で形成される。
【0063】又、この補強材としては、取扱性、補強信
頼性、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性、耐湿性、強度及
び電気特性等の理由より、その坪量が10〜500g/
の範囲、特に30〜100g/mの範囲とするの
が望ましい。
【0064】本発明方法においては、フェノール樹脂を
除く耐熱性合成樹脂からなる合成樹脂シートと、有機繊
維からなる補強材と、未加硫シリコーンゴムシートとを
積み重ね、加熱加圧して補強材にシートの耐熱性合成樹
脂を滲入させると共に、シートと未加硫シリコーンゴム
シートとを接着させた後、所定形状の開口部をレーザ加
工により形成しても良いのである。
【0065】ここで用いられる合成樹脂シート、補強材
及び未加硫シリコーンゴムシートとしては前述のものが
挙げられるのであり、従って、この合成樹脂シートとし
ては耐熱性の熱可塑性樹脂とBステージのプリプレグが
挙げられる。
【0066】本発明方法において、前記未加硫シリコー
ンゴムシートとしては、一般にこの種のマスキング材に
用いられるものが挙げられるのであり、又、本発明方法
において、合成樹脂層と、補強材と、未加硫シリコーン
ゴムシートとの積層体にレーザ加工により開口部を形成
する方法は、従来と同様の方法で行えば良いのである。
もちろん、この開口部のレーザ加工と同時に、又はその
前に、もしくはその後にレーザ加工によりマスキング材
を所定の輪郭形状に切断することは可能である。
【0067】次に、本発明に係るマスキング材は、合成
樹脂層と、補強材と、未加硫シリコーンゴムとからなる
積層体にレーザ加工により開口部を切開したマスキング
材において、前記の目的を達成するために、この合成樹
脂層がフェノール樹脂を除く耐熱性合成樹脂からなり、
又、補強材が有機繊維で形成されていることを特徴とす
る。
【0068】この場合、本発明方法の場合と同様に、耐
熱性合成樹脂が熱硬化性樹脂であるものが好ましく、
又、補強材と熱硬化性樹脂組成物からなるBステージ状
のプリプレグに未加硫シリコーンゴムシートを接着、硬
化させてなるマスキング材が、信頼性が高いので好まし
い。
【0069】なお、有機繊維としては天然繊維、再生繊
維、半合成繊維又は合成繊維が挙げられるが、補強材は
これらの有機繊維で形成されている。
【0070】これにより、短時間で、合成樹脂層が炭化
される前に積層体に開口部を形成することが可能にな
り、開口部形成後の炭化物除去工程が不要になり、製造
コストを大幅に削減できると共に開口部の寸法精度が損
なわれるおそれもなくなる。又、切断に要するエネルギ
ーを小さくできると共に、切断に要する時間も短縮さ
れ、レーザ加工費用を削減して製造コストを一層大幅に
削減できる。
【0071】本発明に係るマスキング材における合成樹
脂層、補強材及び未加硫シリコーンゴムの詳細な説明
は、本発明方法の詳細な説明におけるこれらの説明と重
複するので、ここでは省略する。
【0072】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施例に係るマ
スキング材の製造方法及びこの方法により製造されたマ
スキング材を図面に基づいて具体的に説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。
【0073】まず、図1の工程図に示すように、坪量5
5g/mのポリエステル織物(株式会社帝人製、商品
名:T−3340)からなる補強材1aを用い、以下の
方法で厚さ1mmのBステージ状の積層成形品(FR
P)(B)を形成した。
【0074】即ち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(東都化成社製商品名エポコートYD−011)70重
量部、油化シェル(EP−154)10.5重量部、ジ
シアンアミド(日本カーバイド社製 商品名DICY)
3.5重量部及びDMBA(花王(株)社製商品名カオ
ライザーNo.20)0.215重量部に、溶剤(メチ
ルセルソルブ)60重量部を配合して均一に混合してエ
ポキシ樹脂組成物1bの溶液を得た。
【0075】次に、前記補強材1aに、前記エポキシ樹
脂組成物1bの溶液を固形分重量比で1:1になるよう
に含浸させてAステージのプリプレグ1(A)を形成し
た後、このプリプレグ1(A)を8枚重ね、温度150
℃、30kg/cmの加圧下で90分間にわたり加熱
加圧し、厚さ1mmのBステージ状の積層成形品(FR
P)(B)を形成した。
【0076】更に、この積層成形品(FRP)(B)に
厚さ1mmの未加硫シリコーンゴムシート2を重ね、温
度150℃、10kg/cmの加圧下で60分間にわ
たり加熱加圧して補強材1aで補強された合成樹脂層1
と、未加硫シリコーンゴムシート2とからなる積層体を
得た。
【0077】この後、出力設定250W、送り速度50
0mm/分、周波数2,000Hz、アシストガス
、ヂューティー値25%、平均出力14W及び集光
スポット径0.125mmの条件下、レーザ加工によ
り、開口部3を切開すると共に、マーキング用の切欠4
及び位置決め孔5を有するほぼ長方形の輪郭形状に切断
して、図2の平面図に示すマスキング材Mを得た。
【0078】このマスキング材Mの開口部3及び輪郭の
切り口を観察したところ、図2及び図3の断面図に示す
ように、炭化物の付着は全くなく、又、開口部3が高精
度に形成されていることが認められた。
【0079】この後、このマスキング材Mを用いてリー
ドフレームの金メッキを行ったところ、メッキ後のマス
キング材の除去時にメッキの剥離などの問題は全く発生
せず、しかも、リードフレーム上に高精細なメッキパタ
ーンが形成されていることが認められた。
【0080】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明方法によ
れば、合成樹脂層としてフェノール樹脂を除く熱硬化性
樹脂からなる合成樹脂層を用い、補強材として有機繊維
からなる補強材を用いるので、レーザ加工時に補強材が
合成樹脂層と同等程度の低エネルギーで短時間に切断さ
れ、開口部の切り口に炭化物が生成していない本発明の
マスキング材を得ることができる。
【0081】その結果、レーザ加工後に開口部の炭化物
を除去する処理工程が不要になり、工程数を削減して製
造コストを大幅に削減することができると共に、このよ
うな後処理時に紙ヤスリやブラシによって開口部が傷つ
けられたり、炭化物の除去によって寸法精度が損なわれ
るおそれがなくなり、開口部の寸法精度を著しく高める
ことができる効果が得られる。
【0082】しかも、レーザ加工におけるレーザのエネ
ルギーを少なくできると共に加工時間を短縮できるの
で、加工費用を削減して一層大幅に製造コストを削減す
ることができる効果が得られる。
【0083】又、本発明のマスキング材は、合成樹脂層
がフェノール樹脂を除く熱硬化性樹脂からなり、補強材
が有機繊維からなるので、レーザ加工時に補強材が合成
樹脂層と同等程度の低エネルギーで短時間に切断され、
切り口に炭化物のない開口部を有することになる。
【0084】従って、レーザ加工後に開口部の炭化物を
除去する処理工程が不要になり、工程数を削減して製造
コストを大幅に削減することができると共に、このよう
な後処理時に紙ヤスリやブラシによって開口部が傷つけ
られたり、炭化物の除去によって寸法精度が損なわれる
おそれがなくなり、開口部の寸法精度を著しく高めるこ
とができる効果が得られる。
【0085】しかも、レーザ加工におけるレーザのエネ
ルギーを少なくできると共に加工時間を短縮できるの
で、加工費用を削減して一層大幅に製造コストを削減す
ることができる効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の工程図である。
【図2】本発明のマスキング材の平面図である。
【図3】本発明のマスキング材の断面模式図である。
【図4】レーザ加工終了時の従来のマスキング材の斜視
模式図である。
【符号の説明】
1 合成樹脂層 1a 補強材 1b エポキシ樹脂組成物 1(A) プリプレグ 1(B) プリプレグ 2 未加硫シリコーンゴムシート 3 開口部 M マスキング材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−210069(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 5/02 B23K 26/18 H01L 23/50

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂層と、補強材と、未加硫シリコ
    ーンゴムシートとの積層体にレーザ加工により開口部を
    形成するマスキング材の製造方法において、 合成樹脂層としてフェノール樹脂を除く耐熱性合成樹脂
    を用い、補強材が有機繊維で形成されていることを特徴
    とするマスキング材の製造方法。
  2. 【請求項2】 耐熱性合成樹脂が熱硬化性樹脂である請
    求項1に記載のマスキング材の製造方法。
  3. 【請求項3】 合成樹脂層と補強材とからなる積層体を
    複数枚重ね、相互に接着して所定厚さの積層体を得た
    後、この所定厚さの積層体と未加硫シリコーンゴムシー
    トとを重ね、加熱加圧して接着させる請求項1又は2の
    いずれか1項に記載のマスキング材の製造方法。
  4. 【請求項4】 合成樹脂層がエポキシ樹脂組成物、ポリ
    エステル又は不飽和ポリエステルで形成されている請求
    項1ないし3のいずれか1項に記載のマスキング材の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 補強材が有機繊維で形成された不織布、
    織布、マット、クロス又は編み物である請求項1ないし
    4のいずれか1項に記載のマスキング材の製造方法。
  6. 【請求項6】 有機繊維が天然繊維、再生繊維、半合成
    繊維又は合成繊維で形成されている請求項1ないし5の
    いずれか1項に記載のマスキング材の製造方法。
  7. 【請求項7】 フェノール樹脂を除く耐熱性合成樹脂か
    らなる合成樹脂シートと、有機繊維からなる補強材と、
    未加硫シリコーンゴムシートとを積み重ね、加熱加圧し
    て補強材にシートの耐熱性合成樹脂を滲入させると共
    に、シートと未加硫シリコーンゴム、シートとを接着さ
    せた後、所定形状の開口部をレーザ加工により形成する
    ことを特徴とするマスキング材の製造方法。
  8. 【請求項8】 合成樹脂層と、補強材と、未加硫シリコ
    ーンゴムとからなる積層体にレーザ加工により開口部を
    形成したマスキング材において、 合成樹脂層がフェノール樹脂を除く耐熱性合成樹脂から
    なり、補強材が有機繊維で形成されていることを特徴と
    するマスキング材。
  9. 【請求項9】 耐熱性合成樹脂が熱硬化性樹脂である請
    求項8に記載のマスキング材。
  10. 【請求項10】 補強材と熱硬化性樹脂組成物からなる
    Bステージ状のプリプレグに未加硫シリコーンゴムシー
    トを接着、硬化させてなる請求項9に記載のマスキング
    材。
  11. 【請求項11】 有機繊維が天然繊維、再生繊維、半合
    成繊維又は合成繊維で形成されている請求項8ないし1
    0のいずれか1項に記載のマスキング材。
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