JP2002322588A - マスキング材の製造方法及びマスキング材 - Google Patents

マスキング材の製造方法及びマスキング材

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JP2002322588A
JP2002322588A JP2001127391A JP2001127391A JP2002322588A JP 2002322588 A JP2002322588 A JP 2002322588A JP 2001127391 A JP2001127391 A JP 2001127391A JP 2001127391 A JP2001127391 A JP 2001127391A JP 2002322588 A JP2002322588 A JP 2002322588A
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Kinji Okamoto
欣司 岡本
Kazuichi Yamazaki
和一 山崎
Takenobu Shinkawa
武信 新川
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Nitto Shinko Corp
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  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】レーザー加工時での炭化物の発生、付着を防止
し、物理的強度、寸法安定性、耐熱性、電気特性、耐湿
熱特性等に優れたマスキング材を提供する。 【解決手段】繊維強化合成樹脂層とシリコーンゴム層と
の積層体に対して、レーザー加工により開口部を形成す
るマスキング材の製造方法及びマスキング材において、
このレーザー加工の際に発生した炭化物の除去が容易と
なるように、前記繊維強化合成樹脂層中の耐熱性合成樹
脂に無機質フィラーを分散、配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品のリード
フレーム等の表面に金、銀などの金属をメッキするとき
に使用されるマスキング材に関し、特に、レーザー加工
時の炭化物の発生を極力抑え、しかも炭化物が僅かに発
生した場合、その除去を容易にして、炭化物除去工程を
簡略化すると共に、経時的寸法変化率が極めて少なく、
加工精度を高めることができるようにしたマスキング材
の製造方法及びマスキング材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子部品のリードフレームなどの
表面に金、銀等をメッキする場合に使用されるマスキン
グ材としては、所定形状に形成した型にシリコーンゴム
を流し込み、このシリコーンゴムとガラス・エポキシ板
にドリルもしくはレーザー加工で所定形状に加工したも
のとを一体的に成形させる製造方法を用いたものが主流
となっているであった。
【0003】しかしながら、この製造方法によれば、こ
のリードフレームやメッキパタ−ンの形状変更ごとに未
加硫シリコーンゴムを流し込みCステ−ジ状の積層成形
品[繊維強化合成樹脂層(FRP層)]と一体的に成形
させる金型を製作、変更する必要があるが、金型は高価
であり、しかも電子部品の改良と共にリードフレームや
メッキパタ−ンの形状が頻繁に変更される今日では非常
にコスト高になり、極めて不経済となる。このため、今
日ではこの製造方法によるマスキング材は少なくなりつ
つある。
【0004】この方法に代わって現在採用されているマ
スキング材の製造方法としては、補強材に熱硬化性樹脂
組成物の溶液を含浸させた後、加熱してA〜Bステ−ジ
状のプリプレグを形成し、この後、このプリプレグを複
数枚積み重ね、加熱加圧してCステ−ジ状の積層成形品
(FRP層)を形成し、このFRP層と未加硫シリコー
ンゴム層を積み重ね加熱加圧してシリコーンゴムの加硫
と同時にFRP層と接着一体化させマスキング材の原版
とし、次いで、レーザー加工等によって所定形状に加工
しマスキング治具とする方式が一般的である。
【0005】そして、この種、マスキング材に用いられ
るFRP層は強度、電気特性、耐湿熱性、寸法安定性及
び耐熱性が優れていることが要求されるので、専ら、補
強材としてはガラス布、ガラスマット、ガラスペ−パな
どのガラス補強材が用いられ、又、これに含浸させるマ
トリックス樹脂としてはエポキシ樹脂組成物を用いる、
いわゆるG−10グレードのガラス・エポキシ積層成形
品が用いられている。
【0006】このガラス・エポキシ積層成形品を用いた
マスキング材は、打抜加工ができず、ドリル加工あるい
はル−タ−加工が適しているとされているが、ドリル加
工やル−タ−加工ではマスキング材には欠かせない例え
ば小さい角乳状の開口部を高精度に形成することが困難
ないし不可能である。そこで、マスキング材における開
口部は専らレーザー加工によって形成されているのが実
情である。
【0007】ところが、このレーザー加工においては開
口部における切断面及びその近傍が炭化するという、致
命的な問題がある。そして、この切断面及びその近傍の
炭化の原因は、明確では無いが、本発明者らの実験結果
によると、ガラス繊維等の無機繊維の切断加工には高エ
ネルギーが必要であり、この高エネルギーの影響によっ
て合成樹脂層が炭化するためであると解釈される。
【0008】具体的には、例えば図4の斜視模式図に示
すように、この炭化した部分C(ハッチングで示す)
は、マスキング材M’の開口部3の切断面10cと表・
裏両面10a・10cにわたって形成されるが、この炭
化物は電気的に良導性であるために、メッキ工程におい
てリードフレームからこの炭化層にわたって連続するメ
ッキ層が形成され、メッキ後にマスキング材をリードフ
レームから取り除く時にリードフレーム上に形成される
べきメッキ層が剥離するという問題を生じたり、所定寸
法通りのメッキができないなどの問題が発生する。
【0009】このため、マスキング材として使用する前
に、この炭化物を除去する必要があるが、その除去工程
数が多くなりコスト高になって不経済となるなどの問題
があるばかりか、前記炭化物はマスキング材表面に強固
に付着しているため、「ふき取り」や「洗浄」というソ
フトな手段では、この強固に付着した炭化物を完全に除
去することができず、従って、ブラシやヤスリ等を用い
て「削り取る」というハードな手段を講じる必要があ
り、この結果、開口部の寸法精度が損なわれるという致
命的な問題が生じる。
【0010】そこで、本発明者らは、レーザー加工時の
炭化問題を解決する方法として、品質悪化の原因となる
炭化物の発生そのものを防止して炭化物除去工程を省略
できるようにし、もって生産性を大幅に向上させたり、
レーザー加工費を削減して製造コストを大幅に削減でき
るようにし、しかも開口部などの加工精度を高めること
ができるマスキング材の製造方法及びマスキング材につ
いて提案している(特開平10−86253号(特許第
3106106号))。
【0011】即ち、このマスキング材の製造方法(及び
マスキング材)は、合成樹脂層と、補強材と、加硫シリ
コーンゴム層との積層体にレーザー加工により開口部を
形成するマスキング材の製造方法において、合成樹脂と
してフェノール樹脂を除く耐熱性合成樹脂を用い、補強
材が有機繊維で形成されていることを特徴とするもので
あり、このような製造方法を用いることにより、レーザ
ー加工時に補強材が合成樹脂相と同程度の低エネルギー
で短時間に切断され、開口部の切り口に炭化物が生成し
ていないマスキング材を得ることができるのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この製
造方法で作成されたマスキング材は、その製造時におい
ては非常に精密な寸法に加工することができ、小サイズ
のマスキング材においては、寸法安定性も良好なもので
あったが、補強材として用いる有機繊維が水分を吸収し
易いため、吸水による寸法変化が生じ、その結果、30
0mm以上の大サイズのマスキング材や高精度のマスキ
ング材が望まれる場合にあっては、経時的寸法安定性に
問題があった。
【0013】即ち、前述のように、マスキング材(原
版)を加工するにあたり、FRP層がガラス繊維製の補
強材の場合には、寸法安定性は優秀であるが、レーザー
加工によって炭化物が発生するなどの問題があり、一
方、FRP層が有機繊維製の補強材の場合には、レーザ
ー加工性が良好であるが、所要の寸法安定性が得られな
い場合があり、従って、当業界において、経時的寸法安
定性とレーザー加工性が極めて優れた高精度マスキング
材が要請されている。
【0014】つまり、マスキング材の業界においては、
高精度で、且つ経時的寸法安定性が良好であり、しかも
炭化物の付着が無いマスキング材の製造方法が強く要求
されているのであり、この問題を解決するため、現在、
このマスキング材の製造方法においては、(1)炭化物
の発生の原因となるレーザー加工の手段を用いずに、
「他の加工手段を用いて高精度の開口部を形成しうる製
造方法」に関する検討、或いは(2)経時的寸法安定性
に劣る有機繊維を用いずに、有機繊維以外の補強材を用
いて、「レーザー加工における炭化物の発生を防止する
製造方法」に関する検討、のいずれかについての検討が
行われている。
【0015】しかしながら、前記の(1)及び(2)の
いずれにおいても効果的な解決手段は見い出されておら
ず、従って、高精度で、且つ経時的寸法安定性が良好
で、しかも炭化物の付着が無いマスキング材の製造方法
は、未だ見い出されていない。
【0016】本発明者は、前記の(1)及び(2)の技
術開発における動向に左右されることなく、前記技術的
課題を解決すべく、独自の思想を持って鋭意検討を重ね
た結果、マスキング材に対する「レーザー加工時におけ
る炭化物の発生を防止する」、或いは「レーザー加工時
に発生する炭化物を極力抑え、しかもこのレーザー加工
時において発生した僅かな炭化物が、ふき取りや超音波
洗浄等といった簡便な手段で容易に除去し得るものであ
る」ことにより、前記技術的課題を解決するといった、
全く独創的な解決手段を見い出すに至ったのである。
【0017】即ち、本発明者は、有機繊維を補強材と
し、かつ耐熱性合成樹脂に無機質フィラーを混合する
と、耐熱性合成樹脂の絶対量を減少してレーザー加工の
際に発生する炭化物の量を抑制すると共に、その付着力
を至極減少して、例えば超音波洗浄や拭き取りなどの簡
便な手段で除去が可能であり、また、このように構成す
ると、マスキング材として重要な特性である保管時の吸
水やメッキ液中での吸水による寸法変化率に関しては、
膨張係数が優秀な無機質補強材のエポキシガラスクロス
板(積層体)の寸法変化レベルに相当し、しかも負の膨
張、つまり収縮するのであり、これは、使用時の加温を
考慮すれば更に寸法安定性に優位な特性といえる2つの
特性を両立させたマスキング材となるとの知見を得た。
【0018】本発明者は、補強材として有機繊維でも特
に寸法安定性が優れているなどの観点から芳香族アラミ
ド繊維、特にパラ系芳香族アラミド繊維が適しているこ
とを見い出したが、芳香族アラミド繊維の高耐熱特性が
影響してレーザー加工性が悪く、炭化物の付着が発生し
た。そこで、耐熱性合成樹脂に発生するレーザー加工時
の炭化物の減少と、当該炭化物の拭き取りや超音波洗浄
機での除去を容易にするとの観点から、無機質フィラ
ー、特に含水無機質フィラーの分散、配合することによ
り、極めて優れた寸法安定性とレーザー加工性が両立し
得るとの知見を得たのである。
【0019】そして、本発明者は、繊維強化合成樹脂層
とシリコーンゴム層との積層体にレーザー加工により開
口部を形成するマスキング材の製造方法において、前記
繊維強化合成樹脂層中の耐熱性合成樹脂に無機質フィラ
−を分散、配合することにより、レーザー加工時におい
て発生する炭化物が、マスキング材の開口部(切断部)
に強固に付着するのではなく、拭き取りや超音波洗浄な
どの「ソフトな手段で容易に除去し得る炭化物」であっ
て、ブラシやヤスリ等によって「削り取る」というハー
ドな手段を用いる必要が無くなり、その結果、レーザー
加工によって高精度に形成された開口部を、高精度なま
ま維持することができるとの知見を得た。
【0020】又、このように構成することにより、マス
キング材を構成する補強材や耐熱性合成樹脂の選択範囲
の幅が広がり、補強材や耐熱性合成樹脂の選択、組み合
わせにより、用途に応じた性能のマスキング材、即ち、
要求される物理的強度や寸法安定性に応じたマスキング
材を容易に提供し得るとの知見も得た。
【0021】本発明は、前記知見に基づき完成されたも
のであって、補強材として有機繊維を採用してレーザー
加工時での炭化物の発生、付着を極力防止したり、その
炭化物は耐熱性合成樹脂に無機質フィラーを分散、配合
さることによって、優れた寸法安定性とレーザー加工性
が両立し得るのであり、特に、補強材として寸法安定性
が極めて優れた芳香族アラミド繊維を採用し、レーザー
加工の際の炭化物付着に対しては耐熱性合成樹脂に無機
質フィラー、特に含水無機質フィラーを分散、配合する
ことにより、その発生を極力抑制すると共に、この少量
の炭化物も、例えば拭き取りや超音波洗浄などの簡便な
手段で極めて容易に除去できるのであり、これにより、
寸法安定性は無機繊維であるガラス繊維のレベルを確保
し、しかもレーザー加工の際に炭化物が発生した場合、
この炭化物を拭き取りや超音波洗浄などの簡便な手段
で、且つ短時間で除去、洗浄が可能であり、又、ガラス
繊維を用いた場合より、炭化物の除去費用を大幅に削減
できるので、生産性が大幅に向上するのであり、更に、
レーザー加工による開口部の形成等の加工精度を高める
ことができるのであり、加えて、材料選択の幅を広げる
ことができる上、物理的強度、寸法安定性、耐熱性、電
気特性、耐湿熱特性等に優れたマスキング材の製造方法
及びマスキング材を提供することを目的とするものであ
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明に係るマスキング
材の製造方法(以下、本発明方法という。)は、繊維強
化合成樹脂層とシリコーンゴム層との積層体にレーザー
加工により開口部を形成するマスキング材の製造方法に
おいて、前記目的を達成するために、以下の技術的手段
を講じたものである。
【0023】即ち、本発明方法においては、マスキング
材にレーザー加工によって開口部を形成する際に発生し
た炭化物の除去が容易となるように、前記繊維強化合成
樹脂層は耐熱性合成樹脂と補強材とからなり、この補強
材はレーザー加工の際に炭化物が、発生しない或いは殆
ど発生しないように有機繊維で形成されており、しかも
前記耐熱性合成樹脂には無機質フィラ−が分散、配合さ
れていることを特徴とするものである。
【0024】このように耐熱性合成樹脂には無機質フィ
ラ−を分散、配合することにより、レーザー加工におい
て発生する炭化物がマスキング材の切断部周辺に強固に
固着することを防止し、拭き取りや超音波洗浄などのソ
フトな手段を用いて簡単に炭化物を除去することができ
るのであり、これより、レーザー加工によって高精度に
形成された開口部の寸法を高精度なまま維持することが
できる。
【0025】又、このように構成することにより、マス
キング材を構成する補強材や耐熱性合成樹脂の選択範囲
の幅が広がり、補強材や耐熱性合成樹脂の選択、組み合
わせにより、用途に応じた性能のマスキング材、即ち、
要求される物理的強度や寸法安定性に加えて、更に所要
の電気特性、耐湿熱特性、耐熱性等に応じたマスキング
材を容易に製造することができる。
【0026】以下、本発明方法を更に詳細に説明する。
本発明方法は、繊維強化合成樹脂層とシリコーンゴム層
との積層体にレーザー加工により開口部を形成すること
を前提とするマスキング材の製造方法である。
【0027】本発明方法において、用いられる耐熱性合
成樹脂としては、マスキング材に要求される特性に応じ
て適宜選択されるものであり、特に制限されるものでは
ないが、未加硫シリコーンゴム層と重ね合わせて加熱、
加圧し、未加硫シリコーンゴム層を加硫して接着する際
に熱劣化や熱変形更に樹脂のダレ等の発生を防止するな
どの観点から、軟化点が80℃以上であるポリエステル
等の熱可塑性樹脂、或いは熱硬化性樹脂組成物が挙げら
れるが、これらを総称して本発明においては耐熱性合成
樹脂という。
【0028】具体的には、例えばポリエステル、ポリア
ミド、ポリアセタール、ポリカーボネ−ト、変性ポリフ
ェニレンオキサイド、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リサルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレ
ンサルファイド、ジアリルフタレート樹脂、ポリアミド
イミド、ビスマレイミド・トリアジン、芳香族ポリアミ
ド、芳香族ポリエステル、エポキシ樹脂、脂環式エポキ
シ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ニトリルゴム変性
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、ポリイミド樹脂、アルキッド樹脂等がその例とし
て挙げられるが、レーザー加工時に炭化物を生成し易い
といわれる熱硬化性樹脂の一種であるフェノール樹脂は
避けるのが望ましい。
【0029】これらの耐熱性合成樹脂の中では、熱硬化
性樹脂に、硬化剤或いは硬化促進剤等を配合した熱硬化
性樹脂組成物が耐熱性、耐湿特性、電気特性、物理的強
度及び接着性等の観点から好ましく、特に、電気特性、
耐湿特性、寸法安定性、耐熱性、接着性、製造時の作業
性及び価格等を総合的に考慮してエポキシ樹脂組成物、
ポリエステル又は不飽和ポリエステルを用いることが望
ましい。
【0030】本発明方法で用いられるエポキシ樹脂組成
物としては、例えば(A)ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、(B)シアノグアニジン、(C)イミダゾ−ル或
いはその誘導体、又は(D)3級アミンを必須成分とす
るものが望ましい。
【0031】ここで好適に用いられる(A〉ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエ
ピクロルヒドリンとをアルカリの存在下で反応させて得
られるものであれば特に限定されるものではない。
【0032】前記(A)ビスフェノールA型エポキシ樹
脂としては、所望により、複数種のものを混合して用い
てもよく、又、ポットライフやシートライフ、更に、剪
断接着力に悪影響を与えない範囲で、他のエポキシ樹
脂、例えばウレタン変性エポキシ樹脂やニトリルゴム変
性エポキシ樹脂などを混合してもよいのである。
【0033】前記(A)ビスフェノールA型エポキシ樹
脂の市販品の例としては、例えばシェル化学社製のEp
on825、Epon1002又はEpon1007等
や油化シェルエポキシ社製のエピコート827、エピコ
ート1001−X−70又は旭化成社製のAER33
4、AER661又はAER669等が挙げられる。
【0034】又、前記(B)シアノグアニジンの市販品
としては、例えばエイ・シー・アイ・ジャパン・リミテ
ッド社製のDICY CGシリ−ズであるCG−NA、
CG、CG−325、CG−1200、CG−140
0、DICIANEX−200、DICIANEX−3
25及びDICIANEX−1200等が挙げられる。
【0035】更に、前記(C)イミダゾ−ル或いはその
誘導体としては液状のもの或いは固形状のものであれば
特に限定れるものではなく、その市販品の例としては、
例えば四国化成社製のキュアゾールORシリ−ズである
2E4MZ、1B2MZ、同社製のキュアゾールCNシ
リ−ズである2MZ−CN、2E4MZ−CN、同社製
のキュアゾールHZシリ−ズである2PHZ−CNの
他、同社製の1M2EZ、1B2EZ、C11Z、2M
A−OK等が挙げられる。
【0036】加えて、前記(D)3級アミンとしては特
に限定されるものではなく、その市販品の例としては、
例えばエアープロダクツ社製のアンカミンシリーズであ
るK−54、K−1110、K−61B、Curing
Agent D(シェル社製)、2−エチルヘキサノ
イン酸塩(DMP−30)等が挙げられる。
【0037】前記の(A)〜(C)又は(A)(B)及
び(D)を必須成分とするエポキシ樹脂組成物を用いる
場合、これらの配合量は、所要のポットライフ、電気特
性、接合強度、耐熱性、シートライフ、剪断接着力、耐
湿性、接着性及び柔軟性を得ると共に、割れの防止やベ
タツキの減少を図るという観点から、(A)ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂100重量部に対し、(B)シア
ノグアニジン1〜20重量部、(C)イミダゾ−ル或い
はその誘導体0.1〜3重量部、又は(D)3級アミン
0.1〜2重量部とするのが好ましく、特に、(A)ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対し、
(B)シアノグアニジン2〜10重量部、(C)イミダ
ゾ−ル或いはその誘導体0.2〜2重量部、又は(D)
3級アミン0.15〜1.5重量部とするのが一層好ま
しい。
【0038】前記の(A)〜(C)又は(A)(B)及
び(D)を必須成分とするエポキシ樹脂には、これら
(A)、(D)の成分の他に、(E)ビスフェノールA
型弾性エポキシ樹脂、(F)フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂及び(G)芳香族ポリアミンを配合して、ポ
ットライフ及び耐熱性を一層高めたり、又、強靱性や接
着性を一層高めることができる。
【0039】この場合、その配合割合は、(A)ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂10〜50重量部と、(F)
フェノールノボラック型エポキシ樹脂50〜90重量部
とし、この(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂と
(F)フェノールノボラック型エポキシ樹脂との合計重
量を100重量部とし、この100重量部に対して
(B)シアノグアニジン1〜20重量部、(C)イミダ
ゾ−ル或いはその誘導体0.1〜3重量部、又は(D)
3級アミン0.1〜2重量部、(E)ビスフェノールA
型弾性エポキシ樹脂1〜20重量部、(G)芳香族ポリ
アミン0.5〜20重量部とすることが好ましく、特
に、(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂と(F)フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂との合計の100重
量部に対して、(B)シアノグアニジン2〜10重量
部、(C)イミダゾール或いはその誘導体0.2〜2重
量部、又は(D)3級アミン0.15〜1.5重量部、
(E)ビスフェノールA型弾性エポキシ樹脂3.5〜1
5重量部、(G)芳香族ボリアミン5〜15重量部とす
ることが一層好ましい。
【0040】前記(E)ビスフェノールA型弾性エポキ
シ樹脂としては、ビスフェノールA型骨格を有し、か
つ、硬化物が弾性を有するエポキシ樹脂であり、その市
販品の例としては、例えば新日本理化社製のリカレジン
BEO−60E、旭電化社製のアデカレジンEP400
0、油化シェルエポキシ社製のエピコート871、東部
化成社製のエポトートYD−171等が挙げられる。
【0041】前記(F)フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂は、ノボラック樹脂とエピクロルヒドリンとを反
応させてグリシジルエーテル化させた樹脂をいい、その
市販品の例としては、油化シェルエポキシ社製のエピコ
ート157S65、大日本インキ社製のエピクロンN−
800、ダウ化学社製のDEN438、油化シェル社製
エピコート152、エピコート154、ダウケミカル社
製DEN−431、DEN−438、DEN一439、
DEN−485、チバガイギー社製のアラルダイトEP
N−1138、アラルダイトEPN−1139、DIC
社製のエピクロンN−730、エピクロンN−738、
エピクロンN−740等が挙げられる。
【0042】前記(G)芳香族ポリアミンとしては特に
限定されるものではないが、具体的には例えばジアミノ
ジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノ
ジフェニルスルホン及びトルエンジアミン等が挙げられ
る。
【0043】加えて、前記(A)〜(G)の成分に、更
に(H)ニトリルゴムを含有させて、特に、柔軟性や可
携性を高めるようにしてもよいが、この場合、その配合
割合は、(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂10〜
50重量部と、(F)フェノールノボラック型エホキシ
樹脂50〜90重量部とし、この(A)ビスフェノール
A型エポキシ樹脂と(F)フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂との合計重量を100重量部とし、この100
重量部に対して(B)シアノグアニジン1〜20重量
部、(C)イミダゾ−ル或いはその誘導体0.1〜3重
量部、又は(D)3級アミン0.1〜2重量部、(E)
ビスフェノールA型弾性エポキシ樹脂1〜20重量部、
(G)芳香族ポリアミン0.5〜20重量部、(H)ニ
トリルゴム5〜100重量部とすることが好ましく、特
に、(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂と(F)フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂との合計の100重
量部に対して、(B)シアノグアニジン2〜10重量
部、(C)イミダゾ−ル或いはその誘導体0.2〜2重
量部、又は(D)3級アミン0.15〜1.5重量部、
(E)ビスフェノールA型弾性エポキシ樹脂3.5〜1
5重量部、(G)芳香族ポリアミン5〜15重量部、
(H)ニトリルゴム10〜50重量部とすることがより
好ましい。前記の好ましい配合割合の範囲以外では成分
全体のバランスが崩れ、所要の諸特性、ポットライフ、
シートライフ等が得られなくなることがあるので好まし
くない。
【0044】前記(H)ニトリルゴムとしては、特に限
定されるものではなく、その市販品の例としては、例え
ば日本合成ゴム社製のEXR−91、日本ゼオン社襲の
Nipolシリ−ズであるNipol DN002、N
ipol DN003又はNipol DN009、N
ipol 1072J、HF10又はHF21等が挙げ
られる。
【0045】更に加えて、前記(A)〜(H)の成分
に、(I)シランカップリング剤を含有させて、特に耐
湿接着性、接着力、電気特性を一層改善してもよい。
【0046】この場合の配合割合は、(A)ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂10〜50重量部と、(F)フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂50〜90重量部と
し、この(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂と
(F)フェノールノボラック型エポキシ樹脂との合計重
量を100重量部とし、この100重量部に対して
(B)シアノグアニジン1〜20重量部、(C)イミダ
ゾ−ル或いはその誘導体0.1〜3重量部、又は(D)
3級アミン0.1〜2重量部、(E)ビスフェノールA
型弾性エポキシ樹脂1〜20重量部、(G)芳香族ポリ
アミン0.5〜20重量部、(H)ニトリルゴム5〜1
00重量部、(I)シランカップリング剤0.05〜5
重量部とすることが好ましく、特に、(A)ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂と(F)フェノールノボラック型
エポキシ樹脂との合計の100重量部に対して、(B)
シアノグアニジン2〜10重量部、(C)イミダゾ−ル
或いはその誘導体0.2〜2重量部、又は(D)3級ア
ミン0.15〜1.5重量部、(E)ビスフェノールA型
弾性エポキシ樹脂3.5〜15重量部、(G)芳香族ポ
リアミン5〜15重量部、(H)ニトリルゴム10〜5
0重量部、(I)シランカップリング剤0.1〜3重量
部とすることがより好ましい。シランカップリング剤の
配合割合が0.05重量部未満であると効果が乏しく配
合する意味がないのであり、一方、5重量部を超えると
効果に限界が生じる上、不経済であり、しかも、成分全
体のバランスが崩れ、逆に諸特性が悪化する恐れがある
ので好ましくない。
【0047】前記シランカップリング剤としては、特に
限定されるものではなく、例えばビニルトリス(β−メ
トキシ−エトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピル−トリメトキシシラン、γ−グリード
シドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(ア
ミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランN
−β(アミノエチル)γ−アミノプロビルメチルジメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、又は
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ
る。
【0048】本発明方法においては、耐熱性合成樹脂層
に無機質フィラーを分散、配合させる点に特徴を有する
ものであり、このように構成することにより、レーザー
加工時に発生する炭化物が切断部に強固に付着すること
を防止し得る結果、その除去を容易にできるのであり、
その他、必要により硬化剤、硬化促進剤或いは各種安定
剤更に溶剤等が配合される。
【0049】本発明で用いられる無機質フィラ−として
は、耐熱性合成樹脂に分散、配合されて、レーザー加工
に際して発生する炭化物が切断部に強固に付着を防止し
得るものであれば特に限定されるものではないが、具体
的には例えば、アルカリ金属類及びアルカリ土類金属類
の塩や、カオリン、ベンナイト、パーミキュライト、ア
ルミナ、シリカ粉、クレー、パーライト、ゼオライト、
亜鉛華や酸化チタン等の金属酸化物、タルク、塩化アル
ミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、水酸
化アルミニウム等を挙げることができるが、中でもレー
ザー加工時に切断面において発生する熱を好適に放散し
得る結果、レーザー加工性が一層向上すると共に、炭化
物が発生してもその除去が極めて容易であるなどの理由
から、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの
金属水酸化物等の含水無機質フィラーを用いることが好
ましい。
【0050】前記の耐熱性合成樹脂と無機質フィラーと
の配合割合としては、耐熱性合成樹脂100重量部に対
して、無機質フィラーが、30〜200重量部の範囲が
好ましく、更に、50〜150重量部の範囲とするのが
特に好ましい。
【0051】前記無機質フィラ−の配合割合が、耐熱性
合成樹脂100重量部に対して、30重量部未満になる
と、所要のレーザー加工時において炭化物の付着抑止と
付着した炭化物の易剥離性が得られないので好ましくな
く、一方、200部重量部を超えると、耐熱性合成樹脂
の絶対量が不足し、脆くなったり、機械的強度の低下し
たりするため好ましくなく、特に、含水無機質フィラー
を用いた場合にあっては、レーザー加工時に含水無機質
フィラーからの脱水による吸熱反応が過剰となることに
よる温度低下につながり、レーザー出力の増強が必要に
なるなどの理由により好ましくない。
【0052】本発明方法においては、前記耐熱性合成樹
脂が溶融状態或いは有機溶媒に溶解ないし分散させた状
態で無機質フィラーが配合される。具体的には、例えば
耐熱性合成樹脂としてエポキシ樹脂組成物を例にする
と、所望により、有機溶媒が配合されるが、この有機溶
媒としては、有機溶媒として代表的なケトン系有機溶媒
の他に、ベンゼン、トルエン、パラキシレン等が挙げら
れる。
【0053】ケトン系有機溶媒はケトン基を有する有機
溶媒であり、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メ
チルプロピルケトン、イソプロピルメチルケトン、ブチ
ルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、ピナコロ
ン、ジエチルケトン(プロピオン)、プチロン又はジイ
ソブチルケトンなどの脂肪族飽和ケトン、メチルビニル
ケトン、メジチルオキシド又はメチルヘプテノン等の不
飽和ケトン、シクロブタノン、シクロペンタノン又はシ
クロヘキサノン等の脂環式ケトン、アセトフェノン、プ
ロピオフェノン、ブチロフェノン、バレロフェノン、ベ
ンゾフェノン、ジベンジルケトン又は2−アセトナフト
ン等の芳香族ケトン、アセトチエノン又は2−アセトフ
ロンなどの複素環式ケトン等が挙げられる。
【0054】前記の耐熱性合成樹脂と無機質フィラーと
を混合するにあたり、この混合物と有機溶媒との配合割
合は均一な混合物が得られるのであれば特に限定される
ものではなく、取扱性や塗膜形成性などを配慮して任意
に選択、決定されるが、前記耐熱性合成樹脂100重量
部に対し50〜1000重量部の範囲、特に100〜7
50重量部の範囲とするのが望ましい。
【0055】本発明方法においては、前記無機質フィラ
ー含有耐熱性合成樹脂の溶融液或いは溶液ないし分散液
が補強材に担持、冷却、或いは加熱、乾燥してBステー
ジ状のプリプレグが得られるが、この補強材としては、
レーザー加工の際、開口部における切断面及びその近傍
において発生する炭化物を無くするか或いは極力少なく
し、また無機質フィラーとの相乗効果によって発生した
炭化物の除去を極めて容易にするため、有機繊維で形成
されたものが挙げられる。
【0056】本発明で用いられる有機繊維としては、天
然繊維、再生繊維、半合成繊維又は合成繊維が挙げられ
る。前記天然繊維としては植物繊維又は動物繊維が挙げ
られるが、これらの具体例としては、例えば木綿、カポ
ック、マニラ麻、サイザル麻、絹、羊毛、モヘア、カシ
ミア、ラクダまたはアルパカなどが挙げられる。
【0057】前記再生繊維としては、例えばビスコース
レーヨン又は銅アンモニアレーヨン等が挙げられるので
あり、又、前記半合成繊維としては、例えばアセテート
或いはプロミックスが挙げられるのであり、更に、前記
合成繊維としては、例えばポリアミド系繊維、芳香族ポ
リアミド系繊維(アラミド繊維)、ポリエステル系繊
維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニル系繊
維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、アクリル系繊維、メタ
クリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、フルオロカーボ
ン系繊維又はポリウレタン系繊維等が挙げられる。
【0058】前記有機繊維のうち、寸法安定性、物理的
強度、耐熱性及び耐湿熱性等が極めて優れるなどの理由
から、芳香族アラミド繊維、結晶性ポリエステル繊維、
超高分子量ポリエチレン繊維等から選ばれた少なくとも
1種以上を含むものを用いることが好ましく、特に、芳
香族アラミド繊維の中でもパラ系芳香族アラミド繊維を
用いることが、有機繊維のレーザー加工性を兼ね備えた
高精度のマスキング材が得られるので最も望ましい。
【0059】本発明方法において、補強材の形態は特に
限定されるものではないが、取扱性を考慮して、不織
布、織布、マット、クロス又は編み物が挙げられるので
あり、しかもこの補強材としては前述の天然繊維、再生
繊維、半合成繊維又は合成繊維から選ばれた少なくとも
一種、或いはこれらの混合繊維で形成される。
【0060】又、この補強材としては、取扱性、補強信
頼性、耐熱性、寸法安定性、耐湿熱性、強度及び電気特
性等の理由より、その坪量が15〜500g/mの範
囲、好ましくは20〜300g/mの範囲、特に30
〜200g/mの範囲とするのが望ましい。
【0061】ところで、補強材にエポキシ樹脂組成物な
どの熱硬化性樹脂組成物の溶液ないし分散液を塗布又は
含浸させ、加熱、乾燥させてBステ−ジのプリプレグを
製造するにあたり、その加熱・乾燥条件としては、用い
られる熱硬化性樹脂組成物の種類や硬化剤等によっても
異なるが、一般には、温度100〜150℃で5〜20
分間、好ましくは温度120〜130℃で10〜15分
間加熱することによりBステ−ジ状態に形成することが
できる。
【0062】本発明において、熱硬化性樹脂組成物等の
無機質フィラー含有耐熱性合成樹脂の溶液ないし分散液
或いは溶融液を補強材に塗布する方法としては特に限定
されるものではないが、具体的には、例えばフローコー
ト、ヘッドコート、ローラーブラシ、ナイフコート、ロ
ールコート、スピンコート、パイプドクターノズル方式
(PDN方式)、キスコート、吹き付け、アプリケート
又はコーティングなどの方法が挙げられるのであり、
又、熱硬化性樹脂組成物等の耐熱性合成樹脂の溶液ない
し分散液を補強材に含浸させる方法としては、塗布の他
に浸漬法がある。
【0063】そして、本発明において、特に、補強材に
エポキシ樹脂組成物などの熱硬化性樹脂組成物の溶液な
いし分散液を塗布又は含浸させた後、加熱することによ
り、その表面のべとつきが無くなる程度に乾燥させ、い
わゆる、Bステ−ジのプリプレグが得られ、このプリプ
レグを複数枚重ね加圧加熱して、Cステ−ジ状の積層体
を形成する。
【0064】次いで、このCステ−ジ状の積層体と未加
硫シリコーンゴム層とを積み重ね、加熱、加圧して未加
硫シリコーンゴム層を加硫させる共に、一体化させてマ
スキング材の原版を製造し、このマスキング材の原版を
レーザー加工によって、加工、開口部を形成することに
よりマスキング材が得られる。
【0065】又、補強材と無機質フィラー含有熱硬化性
樹脂組成物等の無機質フィラー含有耐熱性合成樹脂の溶
融液或いは溶液ないし分散を塗布又は含浸させるにあた
り、補強材と無機質フィラー含有耐熱性合成樹脂(固形
分)の割合は、補強材100重量部に対し、無機質フィ
ラー含有耐熱性合成樹脂(固形分)が、60〜230重
量部の範囲、特に好ましくは80〜200重量部の範囲
とするのが望ましく、耐熱性合成樹脂(固形分)が50
重量部未満と少な過ぎると成形の際、樹脂欠け、ピンホ
ール等が発生し易くなり、電気特性、接着性、物理的強
度が劣り、マスキング材として品質が安定しない虞れが
あるので好ましくなく、一方、耐熱性合成樹脂(固形
分)が230重量部を超えると成形工程にて、樹脂の流
れが多くなり易く成形性が悪い上、成形品の厚さのバラ
ツキが大きくなり易く、補強材不足による強度不足や寸
法の膨張係数の増大が起こったり、メッキ工程にて、メ
ッキ漏れが発生し易いので好ましくない。これによって
繊維強化合成樹脂層が得られる。
【0066】本発明方法において、繊維強化合成樹脂層
とシリコーンゴム層との積層体を形成する手段として
は、特に限定されないが、マスキング材として使用する
上で繊維強化合成樹脂層の層厚が正確に制御されること
が好ましく、例えば、補強材にエポキシ樹脂組成物など
の熱硬化性樹脂組成物の溶液ないし分散液を含浸させた
後、加熱してA〜Bステ−ジのプリプレグを形成し、こ
のプリプレグを複数枚重ね、加圧、加熱して所定厚さ
で、Cステ−ジ状の積層体を形成し、この後、この積層
体と未加硫シリコーンゴム層とを重ね合わせて加熱、加
圧し、未加硫シリコーンゴム層を加硫すると共に、前記
所定厚さの積層体と接着一体化させたものをその例とし
て挙げることができる。かくして得られた繊維強化合成
樹脂層とシリコーンゴム層との積層体にレーザー加工に
より開口部を形成してマスキング材が製造される。
【0067】このように構成すると、生産性が向上する
うえ、品質が安定し、しかも所要の諸特性が確保できる
などの観点から一層好ましい。
【0068】本発明方法においては、このように、無機
質フィラー含有耐熱性合成樹脂層と補強材とからなる積
層体を複数枚重ね、相互に接着して所定厚さの積層体を
得た後、この所定厚さの積層体と未加硫シリコーンゴム
層とを重ね、加熱加圧して加硫、一体的に接着させ、次
いで、これをレーザー加工によって所定形状の開口部を
形成することによりマスキング材を得ても良い。
【0069】又、所定厚さの積層体と未加硫シリコーン
ゴム層とを重ね、加熱加圧して当該未加硫シリコーンゴ
ム層を加硫すると共に、接着させるにあたり、その接着
条件としては、選択された加硫剤の種類等に応じて適宜
決定されるものであり、特に制限はないが、一般的には
温度100〜200℃で、圧力2〜50Kg/cm
好ましくは温度130〜160℃で、圧力5〜10Kg
/cm程度で行われる。
【0070】ここで、積層体の製造方法としては特に限
定されるものではないが、例えば所定の輪郭形状を有す
る金型に補強材をセットし、これに無機質フィラー含有
熱硬化性樹脂組成物の溶液ないし分散液を流し込み、加
熱、乾燥させた後、離型させて所定の輪郭形状のプリプ
レグを製造したり、或いは耐熱性の熱可塑性樹脂の溶融
液を、補強材をセットしてなる金型に流し込んで成形し
た後、冷却、離型する、いわゆる、型流し法や、ベルト
などの離型牲を有する支持体上に補強材をセットし、こ
れに無機質フィラー含有熱硬化性樹脂組成物の溶液ない
し分散液を例えばフローコート、ヘッドコート又はナイ
フコート等、前述の方法により一定の厚さに塗布し、加
熱乾燥させてBステージのプリプレグを製造したり、或
いは無機質フィラー含有耐熱性熱可塑性樹脂の溶融液
を、補強材をセットしてなる離型性支持体上に例えばフ
ローコート、ヘッドコート又はナイフコート等、前述の
方法により一定の厚さに塗布し、冷却する方法などをそ
の例として挙げることができる。
【0071】この場合において、その接着条件として
は、繊維強化合成樹脂層、特にこれに用いられた耐熱性
合成樹脂の種類等に応じて適宜決定され、特に限定され
るものではないが、一般的には温度80〜180℃で、
圧力10〜100Kg/cm、好ましくは温度130
〜160℃で、圧力30〜70Kg/cm程度で行わ
れる。
【0072】次に、本発明に係るマスキング材(以下、
本発明品という。)は、繊維強化合成樹脂層とシリコー
ンゴム層との積層体にレーザー加工により開口部が形成
されたマスキング材において、前記目的を達成するため
に、前記繊維強化合成樹脂層は耐熱性合成樹脂と補強材
とからなり、この補強材は有機繊維で形成されており、
しかも前記耐熱性合成樹脂には無機質フィラ−が分散、
配合されていることを特徴とするものである。
【0073】本発明品においては、このように構成する
ことにより、レーザー加工時に開口部に発生する炭化物
が開口部に強固に固着することを防ぎ、開口部形成後の
炭化物除去工程が極めて容易になり、製造コストを大幅
に削減できると共に開口部の寸法精度が損なわれるおそ
れもなくなるり、又、マスキング材において、用いられ
る耐熱性合成樹脂や補強材等の選択範囲を拡大し、用途
に応じた特性を発現する至極高精度且つ高性能のマスキ
ング材となるのである。
【0074】本発明品において、耐熱性合成樹脂、補強
材、未加硫シリコーンゴム及び無機質フィラーの詳細な
説明は、本発明方法の場合と同様であるので、重複説明
を避けるため省略する。
【0075】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例に係るマ
スキング材の製造方法及びこの方法により製造されたマ
スキング材を図面に基づいて具体的に説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。
【0076】実施例1 まず、図1の工程図に示すように、坪量60g/m
芳香族パラ系アラミド繊維不織布(日本バイリーン社
製、商品名OX−3351)からなる補強材1aを用
い、以下の方法で厚さ1mmのCステ−ジ状の積層成形
品(積層体)(B)を形成した。
【0077】即ち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(東部化成社製 商品名エポトートYD−011)10
0重量部、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(油化
シェルエポキシ社製 商品名エピコート828)20重
量部、ジシアンアミド(日本カーバイド社製 商品名D
ICY)3重量部及び2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール(四国化成工業社製 商品名キュアゾール2E4M
Z)0.5重量部を、溶剤(メチルセルソルブ)40重
量部と同じく溶剤(ジメチルホルムアミド)10重量部
と更に溶剤(メチルエチルケトン)200重量部に溶解
させた後、無機質フィラーとしての水酸化アルミニウム
(昭和電工社製 商品名ハイジライトH−42M)12
0重量部を配合して均一に混合することにより、無機質
フィラーが分散配合されたエポキシ樹脂組成物1bの溶
液(含浸用配合体)を得た。
【0078】得られた含浸用配合体を、前記補強材(芳
香族パラ系アラミド繊維不織布 坪量60g/m)1
aに乾燥後の不織布分が40重量%になるように溶剤の
割合を調整して含浸し、120℃で10分間乾燥して、
A〜Bステ−ジのプリプレグ1(A)を形成した後、こ
のプリプレグ1(A)を10枚重ね、その上下にセパレ
ーターとして40μmの2軸延伸ポリプロピレンフィル
ムを介してステンレス板に挟み込み、温度150℃、3
0Kg/cmの加圧下で90分間にわたり加熱加圧
し、厚さ1mmのBステ−ジ状で、アラミド繊維強化積
層成形品(無機質フィラー入り積層体)1(B)を得
た。
【0079】更に、この無機質フィラー入り積層体1
(B)に厚さ1mmの未加硫シリコーンゴム層2を重
ね、温度150℃、10Kg/cmの加圧下で90分
間にわたり加熱加圧して未加硫シリコーンゴム層2を加
硫すると共に、無機質フィラー入り積層体1(B)と接
着、一体化させた。
【0080】この後、出力設定250W、送り速度50
0mm/分、周波数1,000Hz、アシストガスN
2、ヂューティー値25%、平均出力20W及び集光ス
ポット径0.2mmの条件下、レーザー加工により、開
口部3を切開すると共に、マ−キング用の切欠4及び位
置決め孔5を有するほぼ長方形の輪郭形状に切断して、
図2の平面図に示すマスキング材Mを得た。
【0081】製造後速やかに、このマスキング材Mの開
口部3及び輪郭の切り口を観察したところ、ごくわずか
な炭化物の付着が認められたが、超音波洗浄により、開
口部の寸法を損ねることなく容易に除去することが認め
られた。
【0082】この後、このマスキング材Mを用いてリー
ドフレームの金メッキを行ったところ、メッキ後のマス
キング材の除去時にメッキの剥離などの問題は全く発生
せず、しかも、リードフレーム上に高精細なメッキパタ
−ンが形成されていることが認められた。
【0083】比較例1 前記実施例1において、水酸化アルミニウムを添加しな
い以外は、前記実施例1と同様にしてマスキング材を得
た。
【0084】比較例2 実施例1において、パラ系芳香族アラミド繊維不織布に
代えて坪量210g/mのガラスクロス織物(旭シュ
−ベル社製、商品名AS7628/450)を使用し、
乾燥後のガラスクロス分が50重量%になるように含浸
し、120℃で10分間乾燥してガラスクロスフィラ−
入りエポキシ樹脂プリプレグを得た。
【0085】得られたガラスクロスフィラ−入りエポキ
シ樹脂プリプレグを5枚重ねた後、実施例1と同様にし
てマスキング材を得た。
【0086】以上の様にして作製したマスキング材につ
いて、レ−ザ−加工性と寸法安定性について調べた。そ
の結果のまとめを表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】試験法を以下に説明する。評価◎について
は、レ−ザ−加工で炭化物の付着がないか、極少量あっ
ても超音波洗浄で極めて容易に炭化物が取れるレベルと
した。 評価○については、少量あっても超音波洗浄で
容易に炭化物が取れるレベルとした。評価△は炭化物付
着が多く、超音波洗浄では容易に取れないが、溶剤(メ
チルエチルケトン)を含ませた布での拭き取りで取れる
レベルとした。評価×は炭化物付着が多くかつ溶剤(メ
チルエチルケトン)を含ませた布での拭き取りでは取れ
ないレベルとした。
【0089】寸法安定性は、マスキング材のテストパタ
−ン(試験片110mm×110mmサイズで10mm
×10mmの開口を等間隔で25個レ−ザ−加工したも
の)を浸水(23℃)と温水(40℃)に浸漬し、寸法
変化率を30日間測定した。判定基準は以下の通りとし
た。評価○は寸法変化率がマスキング材として合格のレ
ベル(ガラスクロス補強材の比較例2に相当する。)と
した。又、評価△は寸法変化率が合格のレベルの±15
0%未満とした。更に、評価×は寸法変化率が合格レベ
ルの±150%以上とした。
【0090】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明方法によ
れば、有機繊維を補強材とし、かつ耐熱性合成樹脂に無
機質フィラーを混合すると、補強材として有機繊維を用
いることにより、レーザー加工の際の炭化物の発生を無
くするか或いは極力抑制し、しかも耐熱性合成樹脂の絶
対量を減少して、この点からもレーザー加工の際に発生
する炭化物の量を抑制すると共に、その付着力を至極減
少して、例えば超音波洗浄や拭き取りなどの簡便な手段
で除去が可能であり、また、このように構成すると、マ
スキング材として重要な特性である保管時の吸水やメッ
キ液中での吸水による寸法変化率が極めて小さいなどの
効果を奏するのである。
【0091】即ち、本発明方法においては、レーザー加
工の際に炭化物が発生した場合、レーザー加工後に開口
部(切断部)の炭化物を除去する処理工程が至極容易に
なる結果、例えばふき取りや超音波洗浄等のソフトな手
段を用いて容易に除去することができるので、後処理時
に紙ヤスリやブラシによって開口部(切断部)が傷つけ
られたり、炭化物の除去によって寸法精度が損なわれる
おそれがなくなり、開口部(切断部)の寸法精度が著し
く高めることができるのであり、しかも材料選択の幅を
広げることができる上、物理的強度、寸法安定性、耐熱
性、電気特性、耐湿熱特性等が至極優れるなどの効果を
奏するのである。
【0092】しかも、本発明方法においては、マスキン
グ材を構成する補強材や合成樹脂層の選択範囲の幅が広
がり、補強材や耐熱性合成樹脂の選択・組み合わせによ
り、用途に応じた性能のマスキング材、即ち、要求され
る物理的強度や寸法安定性に応じたマスキング材になり
得るなどの効果を奏するのである。
【0093】又、このように構成することにより、マス
キング材を構成する補強材や耐熱性合成樹脂の選択範囲
の幅が広がり、補強材や耐熱性合成樹脂の選択、組み合
わせにより、用途に応じた性能のマスキング材、即ち、
要求される物理的強度や寸法安定性に応じたマスキング
材を容易に得られるなどの効果を奏するのである。
【0094】本発明方法において、補強材としては有機
繊維でも特に寸法安定性が優れているなどの観点から芳
香族アラミド繊維、特にパラ系芳香族アラミド繊維が適
している。しかしながら、芳香族アラミド繊維の高耐熱
特性が逆に影響してレーザー加工性が悪く、炭化物の付
着が発生するのであり、マスキング材に発生するレーザ
ー加工時の炭化物の減少と、当該炭化物の拭き取りや超
音波洗浄機での除去を容易にするために、無機質フィラ
ー、特に含水無機質フィラーの分散、配合することによ
り、極めて優れた寸法安定性とレーザー加工性が両立し
得るなどの効果を奏するのである。
【0095】本発明品は、前記構成を有し、補強材とし
て有機繊維を採用してレーザー加工時での炭化物の発
生、付着を極力防止したり、その炭化物は耐熱性合成樹
脂に無機質フィラーを分散、配合さることによって、優
れた寸法安定性とレーザー加工性が両立し得るのであ
り、特に、補強材として寸法安定性が極めて優れた芳香
族アラミド繊維を採用し、レーザー加工の際の炭化物付
着に対しては耐熱性合成樹脂に無機質フィラー、特に含
水無機質フィラーを分散、配合することにより、その発
生を極力抑制すると共に、この少量の炭化物も、例えば
拭き取りや超音波洗浄などの簡便な手段で極めて容易に
除去できる結果、寸法安定性は無機繊維であるガラス繊
維のレベルを確保し、しかもレーザー加工の際に炭化物
が発生した場合、この炭化物を拭き取りや超音波洗浄な
どの簡便な手段で、且つ短時間で除去、洗浄が可能であ
り、又、ガラス繊維を用いた場合より、炭化物の除去費
用を大幅に削減できるので、生産性が大幅に向上するの
であり、更に、レーザー加工による開口部の形成等の加
工精度を高めることができるのであり、加えて、材料選
択の幅を広げることができる上、物理的強度、寸法安定
性、耐熱性、電気特性、耐湿熱特性等に優れるなどの効
果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明方法の工程図である。
【図2】図2は本発明のマスキング材の平面図である。
【図3】図3は本発明のマスキング材の断面模式図であ
る。
【図4】図4はレーザー加工終了時の従来のマスキング
材の斜視模式図である。
【符号の説明】
1 A〜Bステ−ジのプリプレグ 1a 補強材(芳香族パラ系アラミド繊維) 1b 無機質フィラー入り樹脂組成物 2 未加硫シリコーンゴム層 3 開口部 M マスキング材
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H01L 23/50 H01L 23/50 D B29K 223:00 B29K 223:00 267:00 267:00 277:00 277:00 (72)発明者 新川 武信 福井県坂井郡丸岡町舟寄110号1番地1 日東シンコー株式会社内 Fターム(参考) 4F072 AA04 AA05 AA07 AB04 AB05 AB06 AB28 AB29 AB30 AD23 AE00 AF03 AG03 AH22 AJ22 AK05 AL12 AL14 4F100 AA00B AA00H AA19B AA19H AK01B AK04B AK41B AK47B AK47K AK52A AK53B AN02A BA02 BA10A BA10B CA23B DG01B DG06B DG12B DG13B DG15B DH02B EC051 EC052 EJ062 EJ081 EJ201 EJ202 EJ333 EJ421 EJ422 GB41 GB90 JA07B JA11B JJ03B JL01 YY00B 4K024 AA10 AA11 AB08 BB13 FA16 GA16 5E343 AA02 BB23 DD43 ER16 FF12 GG08 5F067 DC02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化合成樹脂層とシリコーンゴム層
    との積層体にレーザー加工により開口部を形成するマス
    キング材の製造方法において、前記繊維強化合成樹脂層
    は耐熱性合成樹脂と補強材とからなり、この補強材はレ
    ーザー加工の際に炭化物が、発生しない或いは殆ど発生
    しないように有機繊維で形成されており、しかも前記耐
    熱性合成樹脂には無機質フィラ−が分散、配合されてい
    ることを特徴とするマスキング材の製造方法。
  2. 【請求項2】 繊維強化合成樹脂層を複数枚重ね、加
    熱、加圧して硬化させた所定厚さの積層体を得た後、こ
    の所定厚さで、Cステ−ジ状の積層体と未加硫シリコー
    ンゴム層とを重ね合わせて加熱、加圧し、未加硫シリコ
    ーンゴム層の加硫と共に前記所定厚さの積層体と接着一
    体化させる請求項1に記載のマスキング材の製造方法。
  3. 【請求項3】 補強材の一部ないし全部が芳香族アラミ
    ド繊維、液晶ポリエステル繊維及び超高分子量ポリエチ
    レン繊維から選ばれた少なくとも1種以上からなるもの
    である請求項1又は2に記載のマスキング材の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 芳香族アラミド繊維がパラ系芳香族アラ
    ミド繊維である請求項3に記載のマスキング材。
  5. 【請求項5】 補強材の形態が不織布、織布、マット、
    クロス又は編み物である請求項1ないし4のいずれか1
    項に記載のマスキング材の製造方法。
  6. 【請求項6】 無機質フィラ−が、含水無機質フィラ−
    である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のマスキ
    ング材の製造方法。
  7. 【請求項7】 耐熱性合成樹脂に対する無機質フィラ−
    の配合割合が、耐熱性合成樹脂100重量部に対して、
    30〜200重量部の範囲である請求項1ないし6のい
    ずれか1項に記載のマスキング材の製造方法。
  8. 【請求項8】 無機質フィラ−含有耐熱性合成樹脂に対
    する補強材の割合は、補強材100重量部に対し、無機
    質フィラ−含有耐熱性合成樹脂が60〜230重量部の
    範囲である請求項1ないし7のいずれか1項に記載のマ
    スキング材の製造方法。
  9. 【請求項9】 繊維強化合成樹脂層とシリコーンゴム層
    との積層体にレーザー加工により開口部が形成されたマ
    スキング材において、前記繊維強化合成樹脂層は耐熱性
    合成樹脂と補強材とからなり、この補強材は有機繊維で
    形成されており、しかも前記耐熱性合成樹脂には無機質
    フィラ−が分散、配合されていることを特徴とするマス
    キング材。
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