JP3104249B2 - フィードバック制御装置 - Google Patents

フィードバック制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、燃焼制御等に用いられるフィードバック制
御装置に関する。
(従来の技術) 最近各種制御にファジィ推論制御が採用されており、
燃焼制御等のフィードバック制御においても、第7図の
制御系統図に示すような、PID(比例積分微分)制御に
ファジィ推論制御を加えたハイブリッド制御を行うこと
が考えられる。
第7図において、1はフィードフォワード(FF)制御
量出力部、2は比例積分(PI)制御量出力部、4は微分
(D)制御量出力部、6はファジィ推論制御量出力部で
あり、フィードフォワード制御量出力部1は、設定デー
タに基づいてフィードフォワード制御量を出力する。こ
れに対し、比例積分制御量出力部2、微分制御量出力部
4、ファジィ推論制御量出力部6のそれぞれは、第1演
算部8で算出される制御対象側からの検出データと設定
データ(目標値)との偏差に基づいて比例積分制御量、
微分制御量、ファジィ推論制御量のそれぞれを出力す
る。そして、まず、フィードフォワード制御量、比例積
分制御量、微分制御量のそれぞれが第2演算部10で加算
され、その加算された制御量に第3演算部12でさらにフ
ァジィ推論制御量が加算されて得られる操作量が制御対
象14に与えられるようになっている。上記ファジィ推論
制御量出力部6は、例えば与えられる偏差の1回微分値
と、2回微分値との2入力に基づいてファジィ推論制御
量を推論出力するように構成される。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記のようにファジィ推論制御量が加
えられた制御によっては、PID制御による応答性の悪さ
は解消されて外乱時のオーバーシュート等は小さくなる
ものの、ゲインがPID制御の場合より等価的に大きくな
り逆に整定性が悪化するという問題点が発生する。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので
あって、フィードバック制御における整定性と応答性と
が常時ともに良好に維持される制御装置を提供すること
を目的としている。
(課題を解決するための手段) このような目的を達成するために、本発明では、目標
設定値と制御対象における検出値との偏差に基づいて比
例制御量を出力する比例制御手段と、前記偏差に基づい
てファジィ推論制御量を出力するファジィ推論制御手段
と、前記ファジィ推論制御手段からの出力をON/OFF切り
替えする切り替え手段と、前記比例制御手段からの比例
制御量に前記切り替え手段から与えられるファジィ推論
制御量を加算して出力する加算出力手段と、前記切り替
え手段のON/OFF切り替えを制御する切り替え制御手段と
を備え、前記切り替え制御手段は、制御対象における前
記検出値が、前記目標設定値から所定の巾の整定帯に入
ってから設定時間が経過するまでの期間、および、当該
フィードバック制御装置の動作開始時を除いて前記検出
値が整定帯に入っていない期間に亘って前記切り替え手
段をONさせて前記加算出力手段にファジィ推論制御量を
与える構成とした。
(作用) 本発明の構成によれば、ファジィ推論制御手段からの
出力がON/OFF切り替えされることにより、一方では比例
制御手段からの比例制御量のみからなる操作量が、他方
では比例制御量にファジィ推論制御量を加算した操作量
が出力される。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明す
る。第1図は本発明の制御系統図である。本発明の制御
装置における制御動作は、総てマイクロコンピュータに
よりソフトウエア処理されるものである。
本発明は、フィードフォワード制御量出力部1、比例
制御手段としての比例積分制御量出力部2、微分制御量
出力部4、ファジィ推論制御手段としてのファジィ推論
制御量出力部6、第1演算部8、第2演算部10、加算出
力手段としての第3演算部12を備える構成は第7図に示
すものと同様である。
そして、本発明では、切り替え制御手段としての起動
判断部20が備えられるとともに、その起動判断部20から
の起動信号によりファジィ推論制御量出力部6からの出
力をON/OFF切り替えする切り替え部22が設けられ、その
切り替え部22がONする際にのみ第3演算部12でファジィ
推論制御量が加算されて操作量として出力される構成と
なっている。
起動判断部20は、基本的には検出データが入力されそ
の値が、第3図に示す、目標値から所定の巾の整定帯の
範囲に有る際に起動信号の出力を停止するように構成さ
れ、実施例においては、後に示すフローチャートに示す
ように、装置の制御動作開始時、検出データ値が整定帯
の範囲に入って設定時間経過時には起動信号を出力せ
ず、それ以外の状態では起動信号を出力するように構成
されている。
次に、上記構成の制御装置における制御動作を第2図
のフローチャートを参照して説明する。
まず、制御対象14からの検出データが与えられると
(ステップ1)、検出データと設定データ(目標値)と
の偏差を算出する(ステップ2)。そして、設定データ
によりフィードフォワード制御量を(ステップ3)、偏
差により比例積分制御量(ステップ4)、微分制御量
(ステップ5)、ファジィ推論制御量(ステップ6)を
それぞれ出力し、フィードフォワード制御量、比例積分
制御量、微分制御量のそれぞれを加算する(ステップ
7)。
次に、制御開始時がどうかの判定を行い(ステップ
8)、制御開始時には起動信号は出力されず、スイッチ
手段はOFFされ、この場合はステップ7で得られた加算
制御量が操作量として出力される(ステップ9)。ステ
ップ8で制御開始時でないと判断すると、検出データ値
が整定帯の範囲に入るかどうかを判断し(ステップ1
0)、整定帯に入ると判断すると、さらに、整定帯に入
った後にT時間経過したかどうかを判定する(ステップ
11)。そして、T時間経過していない場合には起動信号
の出力(ステップ12)によりスイッチ部22がONされて
(ステップ13)、これにより上記ステップ7で加算され
た制御量にファジィ推論制御量がさらに加算されて(ス
テップ14)、操作量として出力され(ステップ15)、ス
テップ1に移行する。上記ステップ11でT時間経過して
いる場合はステップ9に移行し、その場合はファジィ推
論制御量が加算されない操作量の出力が行われる。
第3図は上記の制御動作に対応する検出データ値とス
イッチ手段のON/OFFとの対応を示す図であり、Aでは制
御開始時であるのでスイッチはOFF(ファジィ推論制御
量が加算されない操作量の出力)、Bでは検出データ値
が整定帯内に入り、かつ、T時間経過していないのでON
(ファジィ推論制御量が加算された操作量の出力)、C
では検出データ値が整定帯内に入り、かつ、T時間経過
したのでOFF、Dでは外乱により検出データ値が整定帯
内から出たのでONとなり、Eでは検出データ値が整定帯
内に入り、かつ、T時間経過したのでOFFとなる。Bに
おいてすぐにOFFすることなくT時間経過した後Cにお
いてOFFするのは、一度整定帯に入ったとしてもオーバ
ーシュートして整定帯からでることもあり、その場合は
応答性の良いファジィ推論制御量を加えた制御の方が有
効となるのでONを継続し、確実に整定帯に入った状態に
おいてOFFすることによりファジィ推論制御量を除去す
るものである。Dにおいては、外乱発生により検出デー
タ値が整定帯から外れることによりONとなり、検出デー
タ値が一旦整定帯に入ってもOFFすることなく、整定帯
に入った後T時間経過後EにおいてOFFとなる。
この実施例においては、とくにファジィ推論制御部に
おけるファジィ推論が外乱応答に対応して行われるの
で、ステップ8の動作によりAにおいてスイッチOFFし
てファジィ推論制御量が加えられることがないようにな
っている。
第4図はファジィルール例を示すルールテーブルであ
り、Dは一方の前件部変数となる偏差の1回微分値、DD
は他方の前件部変数となる2回微分値であり、それらは
ともにNB〜PBの5ラベルを有し、それら変数の各ラベル
は、第5図(A)、第5図(B)に示すメンバシップ関
数を備えている。Uは後件部変数となるファジィ推論制
御量であり、このファジィ推論制御量もNB〜PBの5ラベ
ルを有し、各ラベルは、第6図に示すメンバシップ関数
を備えている。
例えば、上記のルールテーブルおけるDがNB、DDがPB
における場合のルールは、[if D=NB DD=PB then
U=ZR]となるものであり、ルールテーブルには5×
5の合計25個のルールが書き込まれている。なお、ファ
ジィ推論制御部6のファジィ推論動作は、上記のファジ
ィルール及びメンバシップ関数に基づいて通常の方法に
より行われる。
(発明の効果) 以上説明したことから明らかなように、本発明によれ
ば、整定帯においては整定特性に優れる比例制御により
のみ制御が行われ、整定帯から外れる領域においては応
答特性に優れるファジィ推論制御が加味されて制御が行
われるので、これにより整定性と応答性とが常時ともに
良好に維持される燃焼制御装置が得られる。
さらに、検出値が、整定帯に入ってから設定時間が経
過するまでの期間、すなわち、整定帯に入って安定する
までの期間は、切り替え手段をONしてファジィ推論制御
を加味した制御を継続するので、一度整定帯に入っても
オーバーシュートして整定帯から外れるような場合に、
比例制御よりも有効な応答特性に優れるファジィ推論制
御を加味した制御が行われることになる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図は本発明の実施例に係り、第1図は
本発明の実施例に係る制御系統図、第2図は動作説明に
供するフローチャート、第3図は上記の制御動作に対応
する検出データ値とスイッチ手段のON/OFFとの対応を示
す図、第4図はファジィ推論に用いるルールテーブル
図、第5図(A)(B)、第6図の各図はファジィ推論
に用いるメンバーシップ関数を示す図である。 第7図は従来例に係る制御系統図である。 2……比例積分制御量出力部(比例制御手段)、 6……ファジィ推論制御量出力部(ファジィ推論制御手
段)、 12……第3演算部(加算出力手段)、 18……スイッチ部(切り替え手段)。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−164903(JP,A) 特開 平3−201103(JP,A) 特開 平1−250103(JP,A) 特開 平2−105202(JP,A) 特開 平3−85602(JP,A) 特開 平2−8903(JP,A) 特開 平2−138602(JP,A) 特開 平1−293402(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 11/36 G05B 13/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】目標設定値と制御対象(14)における検出
    値との偏差に基づいて比例制御量を出力する比例制御手
    段(2)と、 前記偏差に基づいてファジィ推論制御量を出力するファ
    ジィ推論制御手段(6)と、 前記ファジィ推論制御手段からの出力をON/OFF切り替え
    する切り替え手段(18)と、 前記比例制御手段(2)からの比例制御量に前記切り替
    え手段(18)から与えられるファジィ推論制御量を加算
    して出力する加算出力手段(12)と、 前記切り替え手段(18)のON/OFF切り替えを制御する切
    り替え制御手段(20)とを備え、 前記切り替え制御手段(20)は、制御対象(14)におけ
    る前記検出値が、前記目標設定値から所定の巾の整定帯
    に入ってから設定時間が経過するまでの期間、および、
    当該フィードバック制御装置の動作開始時を除いて前記
    検出値が整定帯に入っていない期間に亘って前記切り替
    え手段(18)をONさせて前記加算出力手段(12)にファ
    ジィ推論制御量を与えることを特徴とするフィードバッ
    ク制御装置。
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