JP3103883B2 - Eb−162物質およびその製造法 - Google Patents
Eb−162物質およびその製造法Info
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- JP3103883B2 JP3103883B2 JP11531399A JP11531399A JP3103883B2 JP 3103883 B2 JP3103883 B2 JP 3103883B2 JP 11531399 A JP11531399 A JP 11531399A JP 11531399 A JP11531399 A JP 11531399A JP 3103883 B2 JP3103883 B2 JP 3103883B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は界面活性を有する新
規サーファクチン類縁体EB−162物質およびその製
造法に関する。
規サーファクチン類縁体EB−162物質およびその製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】バイオサーファクタントと呼ばれる一群
の生体系界面活性剤は新機能素材であり、その概要、応
用、および最近の研究開発動向について多くの報告があ
る(油化学,43,322(1996),フレグランス
ジャーナル,1995/4,73(1995),表面,
35,515(1997))。これらに示されるように
バイオサーファクタントは糖脂質系、脂肪酸系、リン脂
質系、アシルペプチド系、高分子系に大きく分類されて
おり、それぞれに特徴のある構造を有する物質が知られ
ている。
の生体系界面活性剤は新機能素材であり、その概要、応
用、および最近の研究開発動向について多くの報告があ
る(油化学,43,322(1996),フレグランス
ジャーナル,1995/4,73(1995),表面,
35,515(1997))。これらに示されるように
バイオサーファクタントは糖脂質系、脂肪酸系、リン脂
質系、アシルペプチド系、高分子系に大きく分類されて
おり、それぞれに特徴のある構造を有する物質が知られ
ている。
【0003】中でも枯草菌Bacillus subt
ilisの産生する界面活性能を有するアシルペプチド
系バイオサーファクタントであるサーファクチンは19
68年に発見され(Biochem.Biophys.
Res.Commun.,31,488(1968)、
武田研究所報告,28,140(1969))、抗菌、
溶血、血液凝固反応阻害、蛋白変性阻害および強力な界
面活性などの作用が報告されている。その後、化学構造
の類似したサーファクチン類縁体が見出され(Adva
nces in Appl.Microbiol.,2
6, 229(1980)、J.Colloid an
d Interface Sci.,204,1(19
98))、またサーファクチンのイオノフォア作用、カ
ルシウムイオン等金属イオンの捕捉作用、生体膜へのチ
ャンネル形成作用、抗コレステロール蓄積作用、c−A
MPホスホジエステラーゼに対する作用阻害などが明ら
かにされてきた。このように、サーファクチン類は多彩
な作用のために利用され、また、応用が試みられてい
る。
ilisの産生する界面活性能を有するアシルペプチド
系バイオサーファクタントであるサーファクチンは19
68年に発見され(Biochem.Biophys.
Res.Commun.,31,488(1968)、
武田研究所報告,28,140(1969))、抗菌、
溶血、血液凝固反応阻害、蛋白変性阻害および強力な界
面活性などの作用が報告されている。その後、化学構造
の類似したサーファクチン類縁体が見出され(Adva
nces in Appl.Microbiol.,2
6, 229(1980)、J.Colloid an
d Interface Sci.,204,1(19
98))、またサーファクチンのイオノフォア作用、カ
ルシウムイオン等金属イオンの捕捉作用、生体膜へのチ
ャンネル形成作用、抗コレステロール蓄積作用、c−A
MPホスホジエステラーゼに対する作用阻害などが明ら
かにされてきた。このように、サーファクチン類は多彩
な作用のために利用され、また、応用が試みられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の界面活性に基づくバイオサーファクタントは未だ
十分に満足できるものではなく、さらに新たなバイオサ
ーファクタントが求められている。
従来の界面活性に基づくバイオサーファクタントは未だ
十分に満足できるものではなく、さらに新たなバイオサ
ーファクタントが求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、種
々の微生物の培養物の中から表面張力低下作用を有する
物質(バイオサーファクタント)を探索してきたとこ
ろ、バチルス・ズブチリスに属する微生物がサーファク
チン類縁化合物群を生産しており、その中に新規化合物
EB−162物質が存在することを見出し、本発明を完
成するに至った。
々の微生物の培養物の中から表面張力低下作用を有する
物質(バイオサーファクタント)を探索してきたとこ
ろ、バチルス・ズブチリスに属する微生物がサーファク
チン類縁化合物群を生産しており、その中に新規化合物
EB−162物質が存在することを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は下記式(1)で表され
るEB−162物質またはその塩の製造法を提供するも
のである。
るEB−162物質またはその塩の製造法を提供するも
のである。
【0007】
【化2】
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のEB−162物質は、例
えばバチルス属に属し、EB−162物質を生産する能
力を有する微生物を培養し、その培養物から採取するこ
とにより製造される。本発明者らの検討によれば、EB
−162物質の製造においては、培養時にエタノールを
含む培地を用いれば、含まない場合に比べて、生産性が
飛躍的に向上することを見出した。従って、本方法にお
いてはエタノールを含む培地を用いるのが好ましい。E
B−162物質の生産菌としては、バチルス属に属し、
EB−162物質生産能を有すれば特に限定されない
が、バチルス・ズブチリス・EB−162 (Baci
llus subtilis EB−162)が好まし
い。
えばバチルス属に属し、EB−162物質を生産する能
力を有する微生物を培養し、その培養物から採取するこ
とにより製造される。本発明者らの検討によれば、EB
−162物質の製造においては、培養時にエタノールを
含む培地を用いれば、含まない場合に比べて、生産性が
飛躍的に向上することを見出した。従って、本方法にお
いてはエタノールを含む培地を用いるのが好ましい。E
B−162物質の生産菌としては、バチルス属に属し、
EB−162物質生産能を有すれば特に限定されない
が、バチルス・ズブチリス・EB−162 (Baci
llus subtilis EB−162)が好まし
い。
【0009】バチルス・ズブチリス・EB−162菌株
(以下、単に「EB−162菌株」ということがある)
は千葉県柏市十余二で採集した土壌試料から分離された
ものであり、以下に示すような菌学的性質を有する。
(以下、単に「EB−162菌株」ということがある)
は千葉県柏市十余二で採集した土壌試料から分離された
ものであり、以下に示すような菌学的性質を有する。
【0010】EB−162菌株についての形態観察、生
理的性状試験およびDNAのGC含量の測定結果を表1
に示す。
理的性状試験およびDNAのGC含量の測定結果を表1
に示す。
【0011】
【表1】
【0012】上記諸性状を有する菌種を各種文献(Be
rgey’s Mannual of Systema
tic Bacteriology,2,(198
6),The Genus Bacillus(197
3)等)により検索すると、本菌株はグラム陽性桿菌
で、耐熱性の胞子を形成するバチルス・ズブチリス(B
acillus subtilis)と同定された。従
って、本菌株をバチルス・ズブチリス・EB−162
(Bacillus subtilis EB−16
2)と命名した。このバチルス・ズブチリス・EB−1
62菌株は、通産省工業技術院生命工学工業技術研究所
にFERM P−17319として平成11年3月18
日に寄託した。
rgey’s Mannual of Systema
tic Bacteriology,2,(198
6),The Genus Bacillus(197
3)等)により検索すると、本菌株はグラム陽性桿菌
で、耐熱性の胞子を形成するバチルス・ズブチリス(B
acillus subtilis)と同定された。従
って、本菌株をバチルス・ズブチリス・EB−162
(Bacillus subtilis EB−16
2)と命名した。このバチルス・ズブチリス・EB−1
62菌株は、通産省工業技術院生命工学工業技術研究所
にFERM P−17319として平成11年3月18
日に寄託した。
【0013】EB−162物質生産菌の培養にあたって
は、バチルス属菌が生育する培地を用い、常法に従って
行えばよいが、前記の如くエタノールを含有する培地を
用いるのが生産性の点で好ましい。特に、EB−162
菌株は、エタノールを含有する培地で培養するとエタノ
ールを含有しない培地を用いた場合に比べてEB−16
2物質を含むサーファクチン類縁体群の生産性が全般的
に向上するので、エタノールを含む培地で培養するのが
好ましい。培地中のエタノール濃度は、特に制限されな
いが、0.01〜5(v/v)%が好ましい。特に好ま
しい培地としてはエタノール3%(v/v)、グルコー
ス3%、尿素0.15%、硫安0.15%、硝酸アンモ
ニウム0.15%、リン酸二水素カリウム0.15%、
リン酸一水素ナトリウム水和物0.15%、硫酸マグネ
シウム7水和物0.03%、塩化カルシウム2水和物
0.001%、硫酸亜鉛7水和物0.001%、硫酸第
一鉄7水和物0.001%、硫酸マンガン7水和物0.
0001%、酵母エキス0.1%からなる培地(pH
7.0)が挙げられる。
は、バチルス属菌が生育する培地を用い、常法に従って
行えばよいが、前記の如くエタノールを含有する培地を
用いるのが生産性の点で好ましい。特に、EB−162
菌株は、エタノールを含有する培地で培養するとエタノ
ールを含有しない培地を用いた場合に比べてEB−16
2物質を含むサーファクチン類縁体群の生産性が全般的
に向上するので、エタノールを含む培地で培養するのが
好ましい。培地中のエタノール濃度は、特に制限されな
いが、0.01〜5(v/v)%が好ましい。特に好ま
しい培地としてはエタノール3%(v/v)、グルコー
ス3%、尿素0.15%、硫安0.15%、硝酸アンモ
ニウム0.15%、リン酸二水素カリウム0.15%、
リン酸一水素ナトリウム水和物0.15%、硫酸マグネ
シウム7水和物0.03%、塩化カルシウム2水和物
0.001%、硫酸亜鉛7水和物0.001%、硫酸第
一鉄7水和物0.001%、硫酸マンガン7水和物0.
0001%、酵母エキス0.1%からなる培地(pH
7.0)が挙げられる。
【0014】EB−162物質は前記培養によってEB
−162物質を培地中に生成蓄積せしめ、その培養上清
から回収することができる。回収はクロマトグラフィー
や限外濾過膜等を用いる常法により行うことができる。
例えば上記EBS−3培地にてEB−162菌株を30
℃で72時間培養し、その培養上清からEB−162物
質を回収することができる。回収は培養液を遠心分離ま
たは濾過により菌体を除去した後、濾過液から有効成分
の抽出を行う。すなわち適当な溶剤に対する溶解性およ
び溶解度の差、種々の吸着剤に対する吸着親和性の差、
2種の液相間における分配の差などを利用する一般の低
分子有機化合物製造に用いられる手段によって、分離・
精製される。これらの方法は必要に応じて単独に用いら
れ、あるいは任意の順序で組み合わせ、また反復し適用
できる。
−162物質を培地中に生成蓄積せしめ、その培養上清
から回収することができる。回収はクロマトグラフィー
や限外濾過膜等を用いる常法により行うことができる。
例えば上記EBS−3培地にてEB−162菌株を30
℃で72時間培養し、その培養上清からEB−162物
質を回収することができる。回収は培養液を遠心分離ま
たは濾過により菌体を除去した後、濾過液から有効成分
の抽出を行う。すなわち適当な溶剤に対する溶解性およ
び溶解度の差、種々の吸着剤に対する吸着親和性の差、
2種の液相間における分配の差などを利用する一般の低
分子有機化合物製造に用いられる手段によって、分離・
精製される。これらの方法は必要に応じて単独に用いら
れ、あるいは任意の順序で組み合わせ、また反復し適用
できる。
【0015】得られたEB−162物質は微生物により
生産され、優れた界面活性を有するのでバイオサーファ
クタントであり、広い分野における界面活性剤として有
用である。
生産され、優れた界面活性を有するのでバイオサーファ
クタントであり、広い分野における界面活性剤として有
用である。
【0016】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説
明するが、これらは単に例示するのみであり、本発明は
これらによって何ら限定されるものではない。
明するが、これらは単に例示するのみであり、本発明は
これらによって何ら限定されるものではない。
【0017】実施例1(培養生産、精製) グルコース3%、尿素0.15%、硫安0.15%、硝
酸アンモニウム0.15%、リン酸二水素カリウム0.
15%、リン酸一水素ナトリウム水和物0.15%、硫
酸マグネシウム7水和物0.03%、塩化カルシウム2
水和物0.001%、硫酸亜鉛7水和物0.001%、
硫酸第一鉄7水和物0.001%、硫酸マンガン7水和
物0.0001%、酵母エキス0.1%からなる培地
(pH7.0)を作成し、これを500mLの三角フラ
スコに各100mLずつ分注し、120℃で15分間滅
菌したものにブレイン・ハート・インフュージョン寒天
培地によく生育させたバチルス・スブチリス・EB−1
62菌株の菌塊をかき取って接種し、30℃で48時間
ロータリーシェイカーにて210rpmで攪拌培養を行
い、第一段種培養液とした。次に同様の培地を5000
mLの三角フラスコ9本に各900mLずつ分注し、1
20℃で15分間滅菌したものに無菌濾過した30%エ
タノールを100mLずつ加えた培地を調製し、上で得
た培養物を10mLずつ接種し、30℃、4日間ロータ
リーシェイカーにて210rpmで攪拌培養した。得ら
れた培養液9リットル分を遠心分離し、菌体を除去した
後、得られた培養上清をn−ブタノールで抽出し、濃
縮、乾固した。得られた乾固物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに供し、クロロホルム:メタノール=
9:1から8:2のステップワイズで溶出した。溶出液
を100mLずつ分取し、表面張力低下活性を指標に活
性画分を集めて溶媒を減圧下に留去し、さらにシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに供し、クロロホルム:メ
タノール=8:2で溶出した。溶出液を20mLずつ分
取し、同様に表面張力低下活性を指標に活性画分を集め
て溶媒を減圧下に留去し、残渣を溶出液メタノールでセ
ファデックスLH20のゲル濾過カラムクロマトグラフ
ィーに供した。溶出液を20mLずつ分取し、同様に表
面張力低下活性を指標に活性画分を集めて溶媒を減圧下
に留去し、少量のメタノールに溶解後溶出液メタノー
ル:0.1%トリフルオロ酢酸溶液=90:10で逆相
の高速液体クロマトグラフィーに供し、EB−162物
質30mgを得た。
酸アンモニウム0.15%、リン酸二水素カリウム0.
15%、リン酸一水素ナトリウム水和物0.15%、硫
酸マグネシウム7水和物0.03%、塩化カルシウム2
水和物0.001%、硫酸亜鉛7水和物0.001%、
硫酸第一鉄7水和物0.001%、硫酸マンガン7水和
物0.0001%、酵母エキス0.1%からなる培地
(pH7.0)を作成し、これを500mLの三角フラ
スコに各100mLずつ分注し、120℃で15分間滅
菌したものにブレイン・ハート・インフュージョン寒天
培地によく生育させたバチルス・スブチリス・EB−1
62菌株の菌塊をかき取って接種し、30℃で48時間
ロータリーシェイカーにて210rpmで攪拌培養を行
い、第一段種培養液とした。次に同様の培地を5000
mLの三角フラスコ9本に各900mLずつ分注し、1
20℃で15分間滅菌したものに無菌濾過した30%エ
タノールを100mLずつ加えた培地を調製し、上で得
た培養物を10mLずつ接種し、30℃、4日間ロータ
リーシェイカーにて210rpmで攪拌培養した。得ら
れた培養液9リットル分を遠心分離し、菌体を除去した
後、得られた培養上清をn−ブタノールで抽出し、濃
縮、乾固した。得られた乾固物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに供し、クロロホルム:メタノール=
9:1から8:2のステップワイズで溶出した。溶出液
を100mLずつ分取し、表面張力低下活性を指標に活
性画分を集めて溶媒を減圧下に留去し、さらにシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに供し、クロロホルム:メ
タノール=8:2で溶出した。溶出液を20mLずつ分
取し、同様に表面張力低下活性を指標に活性画分を集め
て溶媒を減圧下に留去し、残渣を溶出液メタノールでセ
ファデックスLH20のゲル濾過カラムクロマトグラフ
ィーに供した。溶出液を20mLずつ分取し、同様に表
面張力低下活性を指標に活性画分を集めて溶媒を減圧下
に留去し、少量のメタノールに溶解後溶出液メタノー
ル:0.1%トリフルオロ酢酸溶液=90:10で逆相
の高速液体クロマトグラフィーに供し、EB−162物
質30mgを得た。
【0018】以下にEB−162物質の理化学的性状を
示す。 赤外部吸収スペクトル:図1(KBr錠)1 H−核磁気共鳴スペクトル:図2 (400MHz,重クロロホルム,内部標準TMS) 分子量 933(positive/negative
FAB−MSスペクトルによる) MH+=994.6453(高分解能FAB−MSスペ
クトルによる) 分子式(C50H87O13N7誤差+1.3mmu
(高分解能FAB−MSスペクトルによる) 紫外部吸収スペクトル:末端吸収 アミノ酸分析 Glu/Asp/Val/Leu・1/
1/1/4
示す。 赤外部吸収スペクトル:図1(KBr錠)1 H−核磁気共鳴スペクトル:図2 (400MHz,重クロロホルム,内部標準TMS) 分子量 933(positive/negative
FAB−MSスペクトルによる) MH+=994.6453(高分解能FAB−MSスペ
クトルによる) 分子式(C50H87O13N7誤差+1.3mmu
(高分解能FAB−MSスペクトルによる) 紫外部吸収スペクトル:末端吸収 アミノ酸分析 Glu/Asp/Val/Leu・1/
1/1/4
【0019】以上の結果とFAB−MSによりフラグメ
ントイオン685.4484はC33H61O9N
6(誤差−1.6mmu)、MS/MSによりH−Le
u−Leu−Val−Asp−Leu−Leu−OH、
フラグメントイオン181,310,423,536は
C9H19CH=CH−CO+、C9H19CH=CH
−CO−NHCH(CH2CH2COOH)CO+、C
9H19CH=CH−CO−Glu−NHCH(CH2
CH(CH3)2)CO+、C9H19CH=CH−C
O−Glu−NHCH(CH2CH(CH3)2)CO
+であり、これらを総合してEB−162物質の構造を
前記式(1)のように決定した。
ントイオン685.4484はC33H61O9N
6(誤差−1.6mmu)、MS/MSによりH−Le
u−Leu−Val−Asp−Leu−Leu−OH、
フラグメントイオン181,310,423,536は
C9H19CH=CH−CO+、C9H19CH=CH
−CO−NHCH(CH2CH2COOH)CO+、C
9H19CH=CH−CO−Glu−NHCH(CH2
CH(CH3)2)CO+、C9H19CH=CH−C
O−Glu−NHCH(CH2CH(CH3)2)CO
+であり、これらを総合してEB−162物質の構造を
前記式(1)のように決定した。
【0020】実施例2(エタノール添加培養による生産
性) グルコース3%、尿素0.15%、硫安0.15%、硝
酸アンモニウム0.15%、リン酸二水素カリウム0.
15%、リン酸一水素ナトリウム水和物0.15%、硫
酸マグネシウム7水和物0.03%、塩化カルシウム2
水和物0.001%、硫酸亜鉛7水和物0.001%、
硫酸第一鉄7水和物0.001%、硫酸マンガン7水和
物0.0001%、酵母エキス0.1%からなる培地
(pH7.0)を作成し、これを100mLの三角フラ
スコに各20mLずつ分注し、120℃で15分間滅菌
したものにブレイン・ハート・インフュージョン寒天培
地によく生育させたバチルス・ズブチリス・EB−16
2菌株の菌塊をかき取って接種し、30℃で48時間ロ
ータリーシェイカーにて210rpmで攪拌培養を行
い、第一段種培養液とした。次に上記培地組成からグル
コースを除いた組成のものを調製し、500mL三角フ
ラスコに分注後120℃で15分間滅菌したものにそれ
ぞれ滅菌したグルコース溶液を加え0、1、2、3%の
ものを調製し、これら培地にさらに滅菌エタノールがそ
れぞれ0、1、2、3%になるように調製し、液量を1
00mLに調製する。上記第一段種培養液を1mLずつ
これら培地に接種し、30℃、4日間ロータリーシェイ
カーにて210rpmで攪拌培養した。培養液を遠心分
離により菌体を除去し、上清を適時希釈して後記実施例
3と同様の方法で表面張力を測定し、表面張力が40m
N/mを示すような界面活性を1ユニットとして定義し
て希釈倍率からその界面活性剤の生産量を換算して算出
した。その結果を図3に示す。この結果、本発明EB−
162物質を含むサーファクチン類はエタノールの添加
培養により約10倍の生産性の増大が認められた。高速
液体クロマトグラフィーによる分析からもEB−162
物質のピークおよびその他のサーファクチン類縁体の生
産性の増大が確認された。
性) グルコース3%、尿素0.15%、硫安0.15%、硝
酸アンモニウム0.15%、リン酸二水素カリウム0.
15%、リン酸一水素ナトリウム水和物0.15%、硫
酸マグネシウム7水和物0.03%、塩化カルシウム2
水和物0.001%、硫酸亜鉛7水和物0.001%、
硫酸第一鉄7水和物0.001%、硫酸マンガン7水和
物0.0001%、酵母エキス0.1%からなる培地
(pH7.0)を作成し、これを100mLの三角フラ
スコに各20mLずつ分注し、120℃で15分間滅菌
したものにブレイン・ハート・インフュージョン寒天培
地によく生育させたバチルス・ズブチリス・EB−16
2菌株の菌塊をかき取って接種し、30℃で48時間ロ
ータリーシェイカーにて210rpmで攪拌培養を行
い、第一段種培養液とした。次に上記培地組成からグル
コースを除いた組成のものを調製し、500mL三角フ
ラスコに分注後120℃で15分間滅菌したものにそれ
ぞれ滅菌したグルコース溶液を加え0、1、2、3%の
ものを調製し、これら培地にさらに滅菌エタノールがそ
れぞれ0、1、2、3%になるように調製し、液量を1
00mLに調製する。上記第一段種培養液を1mLずつ
これら培地に接種し、30℃、4日間ロータリーシェイ
カーにて210rpmで攪拌培養した。培養液を遠心分
離により菌体を除去し、上清を適時希釈して後記実施例
3と同様の方法で表面張力を測定し、表面張力が40m
N/mを示すような界面活性を1ユニットとして定義し
て希釈倍率からその界面活性剤の生産量を換算して算出
した。その結果を図3に示す。この結果、本発明EB−
162物質を含むサーファクチン類はエタノールの添加
培養により約10倍の生産性の増大が認められた。高速
液体クロマトグラフィーによる分析からもEB−162
物質のピークおよびその他のサーファクチン類縁体の生
産性の増大が確認された。
【0021】実施例3(表面張力の測定) 表面張力は自動表面張力計CBVP−Z型(協和界面科
学株式会社製)を用いてプレート法により測定した。測
定サンプルは直径50mm前後、深さ15mm前後のガ
ラスシャーレに水溶液として入れ、EB−162の表面
張力を濃度を変えて測定した。その結果を図4に示す。
図4より臨界ミセル濃度(CMC)を求めたところ、E
B−162物質のCMCは20μg/mLであり、この
濃度での表面張力は30mN/mであった。
学株式会社製)を用いてプレート法により測定した。測
定サンプルは直径50mm前後、深さ15mm前後のガ
ラスシャーレに水溶液として入れ、EB−162の表面
張力を濃度を変えて測定した。その結果を図4に示す。
図4より臨界ミセル濃度(CMC)を求めたところ、E
B−162物質のCMCは20μg/mLであり、この
濃度での表面張力は30mN/mであった。
【0022】
【発明の効果】本発明により、高い界面活性を有するバ
イオサーファクタントである新規な化合物EB−162
およびその生産方法が提供された。本発明の化合物は1
分子当たりの界面活性が従来知られているバイオサーフ
ァクタントのなかでも、極めて高く、界面活性剤一般の
用途はもちろんのこと、バイオサーファクタント特有の
その生分解性の良さおよび界面活性の強さに起因する機
能性界面活性剤として有用である。
イオサーファクタントである新規な化合物EB−162
およびその生産方法が提供された。本発明の化合物は1
分子当たりの界面活性が従来知られているバイオサーフ
ァクタントのなかでも、極めて高く、界面活性剤一般の
用途はもちろんのこと、バイオサーファクタント特有の
その生分解性の良さおよび界面活性の強さに起因する機
能性界面活性剤として有用である。
【図1】本発明の化合物の赤外線吸収スペクトルを示す
図である。
図である。
【図2】本発明の化合物の1H−NMRスペクトルを示
す図である。
す図である。
【図3】本発明のEB−162物質を含むサーファクチ
ン類縁体のエタノール添加培養による生産性の増大を示
す図である。
ン類縁体のエタノール添加培養による生産性の増大を示
す図である。
【図4】本発明の化合物の各濃度における表面張力を示
す図である。
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 本間 夏子 (56)参考文献 特開 平3−261799(JP,A) 特開 平8−92279(JP,A) J.Colloid.Interfa ce Sci.,Vol.204,No. 1,p.1−8(1998) FOOD EMULSIONS AN D FOAMS,No.227,p.296− 304(1999) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 21/02 C07K 7/06 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】 バチルス(Bacillus)属に属
し、下記式(1) 【化1】 で表されるEB−162物質を生産する能力を有する微
生物を培養し、その培養物からEB−162物質を採取
することを特徴とするEB−162物質又はその塩の製
造法。 - 【請求項2】 バチルス属に属する微生物がバチルス・
ズブチリス(Bacillus subtilis)E
B−162(FERM P−17319)である請求項
1記載の製造法。 - 【請求項3】 バチルス属に属する微生物がバチルス・
スブチリス(Bacillus subtilis)E
B−162(FERM P−17319)であり、培養
をエタノール含有培地で行うものである請求項1記載の
製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11531399A JP3103883B2 (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | Eb−162物質およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11531399A JP3103883B2 (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | Eb−162物質およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000273100A JP2000273100A (ja) | 2000-10-03 |
JP3103883B2 true JP3103883B2 (ja) | 2000-10-30 |
Family
ID=14659535
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11531399A Expired - Lifetime JP3103883B2 (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | Eb−162物質およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3103883B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107124933B (zh) * | 2017-05-18 | 2020-07-07 | 安徽省农业科学院园艺研究所 | 一种无籽西瓜免破壳批量播种育苗方法 |
-
1999
- 1999-03-19 JP JP11531399A patent/JP3103883B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
FOOD EMULSIONS AND FOAMS,No.227,p.296−304(1999) |
J.Colloid.Interface Sci.,Vol.204,No.1,p.1−8(1998) |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000273100A (ja) | 2000-10-03 |
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