JPH05310727A - 生理活性物質コウジ酸ダイマー、その製造方法および生理活性物質コウジ酸ダイマーを有効成分とする美白剤 - Google Patents
生理活性物質コウジ酸ダイマー、その製造方法および生理活性物質コウジ酸ダイマーを有効成分とする美白剤Info
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- JPH05310727A JPH05310727A JP13607092A JP13607092A JPH05310727A JP H05310727 A JPH05310727 A JP H05310727A JP 13607092 A JP13607092 A JP 13607092A JP 13607092 A JP13607092 A JP 13607092A JP H05310727 A JPH05310727 A JP H05310727A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 美白活性を有し、かつ皮膚刺激性が少ない新
規生理活性物質を提供する。 【構成】 シュードノカルディア属に属する微生物であ
るシュードノカルディア・スピノサ・エスピー・T−1
00(Pseudonocardia spinosa
sp.T−100、微工研菌寄第12910号)株の
菌体および/またはその菌体の有する酵素によりコウジ
酸をダイマー化して、下記の平面構造式で示される新規
生理活性物質コウジ酸ダイマーを製造する。 【化1】
規生理活性物質を提供する。 【構成】 シュードノカルディア属に属する微生物であ
るシュードノカルディア・スピノサ・エスピー・T−1
00(Pseudonocardia spinosa
sp.T−100、微工研菌寄第12910号)株の
菌体および/またはその菌体の有する酵素によりコウジ
酸をダイマー化して、下記の平面構造式で示される新規
生理活性物質コウジ酸ダイマーを製造する。 【化1】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な生理活性物質お
よびその製造方法ならびにそれを有効成分とする美白剤
に関するものである。
よびその製造方法ならびにそれを有効成分とする美白剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、美白化粧料に配合する美白活
性物質としてはコウジ酸が使用されている(たとえば、
特公昭56−18569号公報)。
性物質としてはコウジ酸が使用されている(たとえば、
特公昭56−18569号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コウジ
酸は弱い皮膚刺激性を有するという問題があり、より皮
膚刺激性の弱いものが求められている。
酸は弱い皮膚刺激性を有するという問題があり、より皮
膚刺激性の弱いものが求められている。
【0004】したがって、本発明の目的の1つはコウジ
酸と同等以上の美白活性を有し、かつ皮膚刺激性がコウ
ジ酸より弱い物質を提供することである。
酸と同等以上の美白活性を有し、かつ皮膚刺激性がコウ
ジ酸より弱い物質を提供することである。
【0005】本発明の他の目的は上記物質の製造方法を
提供することである。
提供することである。
【0006】本発明のさらに他の目的は上記物質を有効
成分とする美白剤を提供することである。
成分とする美白剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、新規生
理活性物質コウジ酸ダイマーを製造することによって達
成される。
理活性物質コウジ酸ダイマーを製造することによって達
成される。
【0008】以下、本発明の生理活性物質コウジ酸ダイ
マー、その製造方法および上記コウジ酸ダイマーを有効
成分とする美白剤について詳細に説明する。
マー、その製造方法および上記コウジ酸ダイマーを有効
成分とする美白剤について詳細に説明する。
【0009】本発明の生理活性物質コウジ酸ダイマー
は、シュードノカルディア属に属する微生物であるシュ
ードノカルディア・スピノサ・エスピー・T−100
(Pseudonocardia spinosa s
p.T−100)株と呼ばれる新株の菌体および/また
はその菌体の有する酵素によりコウジ酸をダイマー化す
ることによって得られる。
は、シュードノカルディア属に属する微生物であるシュ
ードノカルディア・スピノサ・エスピー・T−100
(Pseudonocardia spinosa s
p.T−100)株と呼ばれる新株の菌体および/また
はその菌体の有する酵素によりコウジ酸をダイマー化す
ることによって得られる。
【0010】上記シュードノカルディア・スピノサ・エ
スピー・T−100株は、本発明者らが大阪府高槻市で
採取した土壌中から発見された微生物であり、通商産業
省工業技術院微生物工業技術研究所に寄託され、その微
生物寄託番号は微工研菌寄第12910号である。
スピー・T−100株は、本発明者らが大阪府高槻市で
採取した土壌中から発見された微生物であり、通商産業
省工業技術院微生物工業技術研究所に寄託され、その微
生物寄託番号は微工研菌寄第12910号である。
【0011】このシュードノカルディア・スピノサ・エ
スピー・T−100株(微工研菌寄第12910号)の
菌学的性状を示すと、次の通りである。
スピー・T−100株(微工研菌寄第12910号)の
菌学的性状を示すと、次の通りである。
【0012】(1)形態学的特徴 気菌糸、基生菌糸の性状は、真性の菌糸を作り、菌糸が
分断することはない。培養後の菌糸は先端が膨潤し、隔
壁を生じて長楕円形の細胞となり、ジグザグ状に短い連
鎖をなす。
分断することはない。培養後の菌糸は先端が膨潤し、隔
壁を生じて長楕円形の細胞となり、ジグザグ状に短い連
鎖をなす。
【0013】(2)培養性状 麦芽エキス寒天培地またはポテトデキストロース寒天培
地を用い、培養すると、両者とも橙黄色のコロニーが発
現する。
地を用い、培養すると、両者とも橙黄色のコロニーが発
現する。
【0014】(3)生理学的性質 生育温度範囲:5℃で生育せず、25℃で生育、3
7℃で生育せず 生育pH範囲:4〜8.5 色素生産:陰性 各種炭素の資化性 グルコース : ++ キシロース : ++ マルトース : ++ マンノース : ++ ラクトース : + シュークロース : ++ ラフィノース : + ガラクトース : ++ + : 利用する ++ : かなり利用する
7℃で生育せず 生育pH範囲:4〜8.5 色素生産:陰性 各種炭素の資化性 グルコース : ++ キシロース : ++ マルトース : ++ マンノース : ++ ラクトース : + シュークロース : ++ ラフィノース : + ガラクトース : ++ + : 利用する ++ : かなり利用する
【0015】つぎに、コウジ酸ダイマーの製造について
述べる。
述べる。
【0016】本発明のコウジ酸ダイマーはシュードノカ
ルディア・スピノサ・エスピー・T−100株の菌体お
よび/またはその菌体の有する酵素により下記の構造式
で表されるコウジ酸をダイマー化することによって得ら
れる。
ルディア・スピノサ・エスピー・T−100株の菌体お
よび/またはその菌体の有する酵素により下記の構造式
で表されるコウジ酸をダイマー化することによって得ら
れる。
【0017】
【化2】
【0018】菌体を用いたダイマー化の方法としては、
水などの溶媒に菌体およびコウジ酸を添加しpH調整を
した後、菌体を生存させるため最適温度で通気攪拌する
ことによって得られる。菌体量としては溶媒100重量
部に対して0.5〜20重量部、特に1〜10重量部が
好ましく、コウジ酸の量としては溶媒100重量部に対
して0.1〜10重量部、特に0.5〜5重量部が好ま
しい。反応時の温度は15〜35℃、特に20〜30℃
が好ましく、反応時のpHは4〜8.5、特に5.5〜
7が好ましい。
水などの溶媒に菌体およびコウジ酸を添加しpH調整を
した後、菌体を生存させるため最適温度で通気攪拌する
ことによって得られる。菌体量としては溶媒100重量
部に対して0.5〜20重量部、特に1〜10重量部が
好ましく、コウジ酸の量としては溶媒100重量部に対
して0.1〜10重量部、特に0.5〜5重量部が好ま
しい。反応時の温度は15〜35℃、特に20〜30℃
が好ましく、反応時のpHは4〜8.5、特に5.5〜
7が好ましい。
【0019】ダイマー化の反応は通常コウジ酸ダイマー
が最大になるまで行う。その時間は条件によって異なる
が5〜30時間となる。反応が長時間になる場合は菌体
の生存時間をのばすため、適量の栄養を添加しておくこ
とが好ましい。pH調整は菌体の生存を阻害しない酸ま
たはアルカリならばどんなものでも良い。上記菌体のか
わりに菌体の有する酵素を用いることによってダイマー
化を行うことができる。その場合も、通常は上記条件が
そのまま適用できるが、酵素が失活しない条件であれば
特に問題はない。
が最大になるまで行う。その時間は条件によって異なる
が5〜30時間となる。反応が長時間になる場合は菌体
の生存時間をのばすため、適量の栄養を添加しておくこ
とが好ましい。pH調整は菌体の生存を阻害しない酸ま
たはアルカリならばどんなものでも良い。上記菌体のか
わりに菌体の有する酵素を用いることによってダイマー
化を行うことができる。その場合も、通常は上記条件が
そのまま適用できるが、酵素が失活しない条件であれば
特に問題はない。
【0020】上記シュードノカルディア・スピノサ・エ
スピー・T−100株の菌体より酵素を得るには、菌体
を超音波処理、ホモジナイズその他の処理を施した後、
抽出精製することによって得られる。
スピー・T−100株の菌体より酵素を得るには、菌体
を超音波処理、ホモジナイズその他の処理を施した後、
抽出精製することによって得られる。
【0021】さらに、上記ダイマー化反応は菌体および
/または菌体の有する酵素をカラギーナンなどにより固
定化処理を施したものによっても行うことができる。
/または菌体の有する酵素をカラギーナンなどにより固
定化処理を施したものによっても行うことができる。
【0022】上記シュードノカルディア・スピノサ・エ
スピー・T−100株の菌体は、好気的条件下に利用し
得る炭素源および窒素源を含有する栄養培地中で生育さ
せることによって得られる。培地成分として使用する炭
素源としては、たとえばグルコース、ガラクトース、シ
ュクロース、マルトース、ラクトース、ラフィノース、
イノシトール、マンニット、糖蜜、グリセロール、デキ
ストリン、でんぷん、大豆油、綿実油などが用いられ、
特にグルコース、でんぷんが好ましい。
スピー・T−100株の菌体は、好気的条件下に利用し
得る炭素源および窒素源を含有する栄養培地中で生育さ
せることによって得られる。培地成分として使用する炭
素源としては、たとえばグルコース、ガラクトース、シ
ュクロース、マルトース、ラクトース、ラフィノース、
イノシトール、マンニット、糖蜜、グリセロール、デキ
ストリン、でんぷん、大豆油、綿実油などが用いられ、
特にグルコース、でんぷんが好ましい。
【0023】窒素源としては、たとえば大豆粉、落花生
粉、綿実粕、魚粉、コーンスティーブリカー、ペプト
ン、肉エキス、酵母、酵母エキス、麦芽エキス、米ぬ
か、ふすま、アスパラギン、硝酸ソーダ、硝酸アンモニ
ウム、硫酸アンモニウム、尿素、アミノ酸、NZアミン
TypeA(商品名、和光純薬工業社製)などが用いら
れ、特にペプトン、アスパラギンが好ましい。
粉、綿実粕、魚粉、コーンスティーブリカー、ペプト
ン、肉エキス、酵母、酵母エキス、麦芽エキス、米ぬ
か、ふすま、アスパラギン、硝酸ソーダ、硝酸アンモニ
ウム、硫酸アンモニウム、尿素、アミノ酸、NZアミン
TypeA(商品名、和光純薬工業社製)などが用いら
れ、特にペプトン、アスパラギンが好ましい。
【0024】その他、食塩、リン(燐)酸塩、炭酸カル
シウム、塩化カルシウム、微量金属塩(たとえば、マン
ガン、亜鉛、銅、モリブデン、鉄、ホウ素、コバルト、
セレン、バナジウム、ヨウ素などの硫酸塩、リン酸塩、
塩酸塩、硝酸塩など)などの無機塩を必要に応じて適宜
添加してもよい。また、液体培養に際しては、シリコン
油、植物油、鉱油、液体パラフィン、界面活性剤などを
消泡剤として適宜添加してもよい。
シウム、塩化カルシウム、微量金属塩(たとえば、マン
ガン、亜鉛、銅、モリブデン、鉄、ホウ素、コバルト、
セレン、バナジウム、ヨウ素などの硫酸塩、リン酸塩、
塩酸塩、硝酸塩など)などの無機塩を必要に応じて適宜
添加してもよい。また、液体培養に際しては、シリコン
油、植物油、鉱油、液体パラフィン、界面活性剤などを
消泡剤として適宜添加してもよい。
【0025】培養方法は、特に限定されるものではない
が、たとえば振盪培養、深部培養などを採用し、通気攪
拌を充分に行うのが好ましい。
が、たとえば振盪培養、深部培養などを採用し、通気攪
拌を充分に行うのが好ましい。
【0026】培養時のpH、培養温度、培養時間などの
培養条件は、シュードノカルディア・スピノサ・エスピ
ー・T−100株の生育条件に適し、かつコウジ酸から
コウジ酸ダイマーへの反応率が高い菌体を得る条件を選
べばよい。たとえば、培養時のpHとしては4〜8.
5、特に5.5〜7が好ましい。
培養条件は、シュードノカルディア・スピノサ・エスピ
ー・T−100株の生育条件に適し、かつコウジ酸から
コウジ酸ダイマーへの反応率が高い菌体を得る条件を選
べばよい。たとえば、培養時のpHとしては4〜8.
5、特に5.5〜7が好ましい。
【0027】そして、培養温度は15〜35℃、特に2
0〜30℃が好ましく、培養時間は24〜168時間、
特に48〜96時間が好ましい。
0〜30℃が好ましく、培養時間は24〜168時間、
特に48〜96時間が好ましい。
【0028】上記のようにして得られる反応液からコウ
ジ酸ダイマーを回収するには、たとえば溶媒抽出法、ク
ロマトグラフィによる分離法や溶媒中からの再結晶法、
反応液の濃縮による直接晶析法など、微生物が生産する
生理活性物質の回収、精製などに通常使用されている種
々の方法を採用することができる。
ジ酸ダイマーを回収するには、たとえば溶媒抽出法、ク
ロマトグラフィによる分離法や溶媒中からの再結晶法、
反応液の濃縮による直接晶析法など、微生物が生産する
生理活性物質の回収、精製などに通常使用されている種
々の方法を採用することができる。
【0029】具体的処理にあたっては、反応液から菌体
を濾過または遠心分離を行って除く。酵素は硫酸アンモ
ニウムなどを添加する塩析法などの沈殿操作を行った
後、濾過または遠心分離を行って除く。
を濾過または遠心分離を行って除く。酵素は硫酸アンモ
ニウムなどを添加する塩析法などの沈殿操作を行った
後、濾過または遠心分離を行って除く。
【0030】上記反応液からコウジ酸とコウジ酸ダイマ
ーを分離するには、コウジ酸のエーテルなどによる溶媒
抽出、スチレン共重合体などを充填したカラムを用いて
の溶出分離、分離せずに濃縮してコウジ酸ダイマーを析
出、液体クロマトグラフィーによる分離などにより、コ
ウジ酸ダイマーを分離することができる。コウジ酸、コ
ウジ酸ダイマー以外のものを除くには活性炭処理が有効
である。
ーを分離するには、コウジ酸のエーテルなどによる溶媒
抽出、スチレン共重合体などを充填したカラムを用いて
の溶出分離、分離せずに濃縮してコウジ酸ダイマーを析
出、液体クロマトグラフィーによる分離などにより、コ
ウジ酸ダイマーを分離することができる。コウジ酸、コ
ウジ酸ダイマー以外のものを除くには活性炭処理が有効
である。
【0031】さらに、コウジ酸ダイマーの純度を上げる
には、水、メタノールなどを用いた再結晶、液体クロマ
トグラフィーなどを用いることが有効である。また上記
の方法を組み合わせることにより、さらに純度の高いも
のが得られる。
には、水、メタノールなどを用いた再結晶、液体クロマ
トグラフィーなどを用いることが有効である。また上記
の方法を組み合わせることにより、さらに純度の高いも
のが得られる。
【0032】このようにして得られたコウジ酸ダイマー
は、陽イオン交換樹脂カラムによるリン酸バッファ(p
H3)を用いた高速液体クロマトグラフィーによって、
単一の物質であることが判明した。得られたコウジ酸ダ
イマーは、次の理化学的および生物学的性質を有する。
は、陽イオン交換樹脂カラムによるリン酸バッファ(p
H3)を用いた高速液体クロマトグラフィーによって、
単一の物質であることが判明した。得られたコウジ酸ダ
イマーは、次の理化学的および生物学的性質を有する。
【0033】〔コウジ酸ダイマーの理化学的性質〕 (1) 融点91〜93℃ 〔矢澤化学社製の微量融点測定装置BY−1を用いて行
った融点測定〕
った融点測定〕
【0034】(2) 薄層クロマトグラム 和光純薬工業社製シリカゲル70F254 プレートワコー
を使用し、酢酸エチル:メタノール=7:3で展開した
Rf値は0.14である。また、同じく和光純薬工業社
製シリカゲル70F254 プレートワコーを使用し、酢酸
エチル:エタノール:酢酸=39:60:1で展開した
Rf値は0.70である。
を使用し、酢酸エチル:メタノール=7:3で展開した
Rf値は0.14である。また、同じく和光純薬工業社
製シリカゲル70F254 プレートワコーを使用し、酢酸
エチル:エタノール:酢酸=39:60:1で展開した
Rf値は0.70である。
【0035】(3) 分子量282 〔ヒューレットパッカード(HEWLETT PACK
ARD)社製の5970B型のGC−MS分析計を用い
て行ったマススペクトル測定〕
ARD)社製の5970B型のGC−MS分析計を用い
て行ったマススペクトル測定〕
【0036】(4) 元素分析 パーキンエルマー(PERKIN−ELMER)社製の
2400CHN元素分析装置を用いて測定した元素分析
の結果は次の通りである。 炭素 50.9% 水素 3.4% 酸素 45.7% 上記分子量および元素分析値より、分子式はC12H10O
8 であることが判明した。
2400CHN元素分析装置を用いて測定した元素分析
の結果は次の通りである。 炭素 50.9% 水素 3.4% 酸素 45.7% 上記分子量および元素分析値より、分子式はC12H10O
8 であることが判明した。
【0037】(5) 紫外吸収スペクトル 日立製作所社製の220型ダブルビーム分光光度計を用
いてメチルアルコール中(コウジ酸ダイマー濃度0.0
1mg/ml)で測定した紫外吸収スペクトルは図1に
示す通り、220nm(ε=13600リットル/mo
l・cm)および273nm(ε=9800リットル/
mol・cm)に極大吸収を示す。これらのデータより
二重結合の存在が確認される。
いてメチルアルコール中(コウジ酸ダイマー濃度0.0
1mg/ml)で測定した紫外吸収スペクトルは図1に
示す通り、220nm(ε=13600リットル/mo
l・cm)および273nm(ε=9800リットル/
mol・cm)に極大吸収を示す。これらのデータより
二重結合の存在が確認される。
【0038】(6) 赤外吸収スペクトル パーキンエルマー(PERKIN−ELMER)社製の
1600SeriesFTIRを用いてKBr錠剤法で
測定した赤外吸収スペクトルは図2に示す通りである。
3400cm-1付近のピークから水酸基(−OH)の存
在が、また1600cm-1付近のピークからカルボニル
基(−CO−)の存在が確認される。
1600SeriesFTIRを用いてKBr錠剤法で
測定した赤外吸収スペクトルは図2に示す通りである。
3400cm-1付近のピークから水酸基(−OH)の存
在が、また1600cm-1付近のピークからカルボニル
基(−CO−)の存在が確認される。
【0039】(7) 核磁気共鳴(NMR)スペクトル 日本電子社製のEX−270NMR測定器を用いて(C
D3 )2 SO(d6 −DMSO)中でテトラメチルシラ
ンを基準物質として測定した 1H−NMRスペクトルを
図3に、その要部拡大図を図4に示す。なお、図3およ
び図4における化学シフト値は次の通りである。 δ(ppm):4.228(2H,m,J=5.94H
z)、5.661(1H,t,J=5.94Hz)、
5.748(1H,d,J=5.61Hz)、6.32
6(1H,s)、6.494(1H,s)、6.719
(1H,d,J=5.61Hz)、8.006(1H,
s)、9.177(1H,s)、9.486(1H,
s)
D3 )2 SO(d6 −DMSO)中でテトラメチルシラ
ンを基準物質として測定した 1H−NMRスペクトルを
図3に、その要部拡大図を図4に示す。なお、図3およ
び図4における化学シフト値は次の通りである。 δ(ppm):4.228(2H,m,J=5.94H
z)、5.661(1H,t,J=5.94Hz)、
5.748(1H,d,J=5.61Hz)、6.32
6(1H,s)、6.494(1H,s)、6.719
(1H,d,J=5.61Hz)、8.006(1H,
s)、9.177(1H,s)、9.486(1H,
s)
【0040】また、13C−NMRスペクトルを図5に示
す。図5における174ppm付近のピークはスペース
上の制約から一つのように図示されているが、実際には
173.837ppmと173.945ppmの二つで
ある。なお、図5における化学シフト値は次の通りであ
る。
す。図5における174ppm付近のピークはスペース
上の制約から一つのように図示されているが、実際には
173.837ppmと173.945ppmの二つで
ある。なお、図5における化学シフト値は次の通りであ
る。
【0041】δ(ppm);59.446、63.92
0、109.130、110.640、139.62
4、142.715、145.877、146.43
4、165.877、167.961、173.83
7、173.945
0、109.130、110.640、139.62
4、142.715、145.877、146.43
4、165.877、167.961、173.83
7、173.945
【0042】以上のデータの解析によりコウジ酸ダイマ
ーの平面構造式は、
ーの平面構造式は、
【0043】
【化3】
【0044】であると決定される。また、これを既知物
質と比較した結果、コウジ酸ダイマーは新規物質である
と判定された。
質と比較した結果、コウジ酸ダイマーは新規物質である
と判定された。
【0045】〔コウジ酸ダイマーの生物学的性質〕 (1) 美白活性 コウジ酸およびコウジ酸ダイマーのB−16メラノーマ
細胞における白色化作用を下記の方法により測定した。
細胞における白色化作用を下記の方法により測定した。
【0046】B−16メラノーマ細胞を1ml中に5×
104 個含む培養液〔ダルベッコMEM(大日本製薬社
製)90容量%とFBS(シグマ社製の牛胎児血清)1
0容量%との混合物〕4mlをコーニング製プラスチッ
クシャーレ(直径59mm×高さ15mm)に添加し、
CO2 インキュベータ(5容量%の炭酸ガスを含んだ空
気)にて37℃で48時間静置培養した。48時間後、
培養液を除き、コウジ酸およびコウジ酸ダイマーをそれ
ぞれ前述の培地1リットル中に1mmolの割合で含む
培養液(可溶化剤としてジメチルスルホキシドを培養液
1ml中に12.5μl含有)4mlを加えた。また、
対照として前述の培養液1ml中にジメチルスルホキシ
ドを12.5μl含有する培養液を4ml加えた。
104 個含む培養液〔ダルベッコMEM(大日本製薬社
製)90容量%とFBS(シグマ社製の牛胎児血清)1
0容量%との混合物〕4mlをコーニング製プラスチッ
クシャーレ(直径59mm×高さ15mm)に添加し、
CO2 インキュベータ(5容量%の炭酸ガスを含んだ空
気)にて37℃で48時間静置培養した。48時間後、
培養液を除き、コウジ酸およびコウジ酸ダイマーをそれ
ぞれ前述の培地1リットル中に1mmolの割合で含む
培養液(可溶化剤としてジメチルスルホキシドを培養液
1ml中に12.5μl含有)4mlを加えた。また、
対照として前述の培養液1ml中にジメチルスルホキシ
ドを12.5μl含有する培養液を4ml加えた。
【0047】これらのシャーレ中のB−16メラノーマ
細胞を37℃で24時間培養した。0.2重量%トリプ
シン(和光純薬工業社製)のリン酸バッファ溶液(pH
7.2)を用いて細胞を個々に分離し、生細胞を120
万個サンプリングして以下の測定を行った。
細胞を37℃で24時間培養した。0.2重量%トリプ
シン(和光純薬工業社製)のリン酸バッファ溶液(pH
7.2)を用いて細胞を個々に分離し、生細胞を120
万個サンプリングして以下の測定を行った。
【0048】サンプリングした生細胞にリン酸バッファ
溶液(pH7.2)を加え、1500rpmで5分間遠
心分離した。
溶液(pH7.2)を加え、1500rpmで5分間遠
心分離した。
【0049】遠心分離後、上澄を除き、濃度1重量%の
ツウィーン80〔アルドリッチケミカル社(Aldri
ch Chemical Company Inc.)
製の非イオン界面活性剤〕溶液を2ml添加した後、1
0秒間超音波処理をして生細胞を破壊した。
ツウィーン80〔アルドリッチケミカル社(Aldri
ch Chemical Company Inc.)
製の非イオン界面活性剤〕溶液を2ml添加した後、1
0秒間超音波処理をして生細胞を破壊した。
【0050】得られたスラリー状混合物を再び1500
rpmで5分間遠心分離して、上澄を取り出し、比色光
電計を用いて上澄の吸光度(420nm)を1重量%の
ツウィーン80水溶液を対照にして測定した。測定は2
回行い、2回の平均を測定値として表1に示した。この
値が低いほどB−16メラノーマ細胞に対する白色化作
用が高いものと判定される。
rpmで5分間遠心分離して、上澄を取り出し、比色光
電計を用いて上澄の吸光度(420nm)を1重量%の
ツウィーン80水溶液を対照にして測定した。測定は2
回行い、2回の平均を測定値として表1に示した。この
値が低いほどB−16メラノーマ細胞に対する白色化作
用が高いものと判定される。
【0051】
【表1】
【0052】表1に示す結果から明らかなように、1m
mol/lの濃度においては、コウジ酸ダイマーはコウ
ジ酸とほぼ同等の白色化作用を有している。
mol/lの濃度においては、コウジ酸ダイマーはコウ
ジ酸とほぼ同等の白色化作用を有している。
【0053】 (2) ウサギを用いた皮膚一次刺激性試験 ニュージーランドホワイト種の雄性ウサギ(体重1.6
9〜2.18kgのもの)を用い、最も一般的に採用さ
れているDraize法〔フレグランスジャーナル臨時
増刊No.5,p294,(1984)〕により皮膚一
次刺激性試験を行った。
9〜2.18kgのもの)を用い、最も一般的に採用さ
れているDraize法〔フレグランスジャーナル臨時
増刊No.5,p294,(1984)〕により皮膚一
次刺激性試験を行った。
【0054】試験物質はコウジ酸とコウジ酸ダイマーで
あるが、試験結果の客観性を明確にするために、陽性対
照物質として5重量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を
用い、陰性対照物質として生理食塩水を用いて同様に試
験を行った。
あるが、試験結果の客観性を明確にするために、陽性対
照物質として5重量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を
用い、陰性対照物質として生理食塩水を用いて同様に試
験を行った。
【0055】投与量は検体が液体のもの(5重量%ラウ
リル硫酸ナトリウム水溶液および生理食塩水)は0.5
mlをリント布に適用し、固体のもの(コウジ酸および
コウジ酸ダイマー)は0.5gを生理食塩水を少量添加
してリント布に適用し、除毛したウサギ背部に24時間
検体暴露した。検体投与部位は健常部位と損傷部位に分
けた。損傷部位の損傷は、パッチのあたる場所に井桁模
様の4本の切傷を入れた。
リル硫酸ナトリウム水溶液および生理食塩水)は0.5
mlをリント布に適用し、固体のもの(コウジ酸および
コウジ酸ダイマー)は0.5gを生理食塩水を少量添加
してリント布に適用し、除毛したウサギ背部に24時間
検体暴露した。検体投与部位は健常部位と損傷部位に分
けた。損傷部位の損傷は、パッチのあたる場所に井桁模
様の4本の切傷を入れた。
【0056】皮膚反応の判定は検体除去後、24時間お
よび72時間にDraize法に基づいて行った。試験
物質の評価については、検体除去後、24時間および7
2時間の健常部位および損傷部位の評点を総合して一次
刺激指数(P.I.I.)を算出し、試験物質の刺激強
度を分類した。
よび72時間にDraize法に基づいて行った。試験
物質の評価については、検体除去後、24時間および7
2時間の健常部位および損傷部位の評点を総合して一次
刺激指数(P.I.I.)を算出し、試験物質の刺激強
度を分類した。
【0057】コウジ酸とコウジ酸ダイマーの試験結果は
表2に、また陽性対照物質の5重量%ラウリル硫酸ナト
リウム水溶液と陰性対照物質の生理食塩水の試験結果は
表3に示す。表3においては、5重量%ラウリル硫酸ナ
トリウム水溶液を簡略化して5%ラウリル硫酸ナトリウ
ムと表示する。なお、表2および表3において、Iは健
常部位を示し、Aは損傷部位を示す。また、一次刺激指
数と皮膚刺激性評価との関係は表4に示す通りである。
表2に、また陽性対照物質の5重量%ラウリル硫酸ナト
リウム水溶液と陰性対照物質の生理食塩水の試験結果は
表3に示す。表3においては、5重量%ラウリル硫酸ナ
トリウム水溶液を簡略化して5%ラウリル硫酸ナトリウ
ムと表示する。なお、表2および表3において、Iは健
常部位を示し、Aは損傷部位を示す。また、一次刺激指
数と皮膚刺激性評価との関係は表4に示す通りである。
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】表3に示すように、コウジ酸は、一次刺激
指数が0.3であり、表4より弱い刺激物と判定され
る。これに対して、コウジ酸ダイマーは、一次刺激指数
が0であり、表4より無刺激物と判定される。
指数が0.3であり、表4より弱い刺激物と判定され
る。これに対して、コウジ酸ダイマーは、一次刺激指数
が0であり、表4より無刺激物と判定される。
【0062】(3) マウスに対する急性毒性 コウジ酸およびコウジ酸ダイマーをICR雌性マウス
(一群5匹、平均体重26.5g)の腹腔内に1回投与
することによって、それらの急性毒性を調べた。その結
果、コウジ酸のLD50値は1g/kgで、コウジ酸ダイ
マーのLD50値は5g/kgであり、コウジ酸ダイマー
の方がコウジ酸よりLD50値が大きく、毒性が少ないも
のと推定される。
(一群5匹、平均体重26.5g)の腹腔内に1回投与
することによって、それらの急性毒性を調べた。その結
果、コウジ酸のLD50値は1g/kgで、コウジ酸ダイ
マーのLD50値は5g/kgであり、コウジ酸ダイマー
の方がコウジ酸よりLD50値が大きく、毒性が少ないも
のと推定される。
【0063】つぎに、コウジ酸ダイマーの美白剤として
の適用例である化粧料について説明する。
の適用例である化粧料について説明する。
【0064】コウジ酸ダイマーは、前記のようにコウジ
酸と同程度の美白活性を有することから、美白剤として
使用することができる。美白剤としての用途としてはメ
ラニン生成による傷害の回復剤として使用できる。その
具体例としては、たとえば、シミぬき(染抜)剤、日焼
け回復剤などが挙げられる。また、その適用例として化
粧料などへ配合し利用することができる。
酸と同程度の美白活性を有することから、美白剤として
使用することができる。美白剤としての用途としてはメ
ラニン生成による傷害の回復剤として使用できる。その
具体例としては、たとえば、シミぬき(染抜)剤、日焼
け回復剤などが挙げられる。また、その適用例として化
粧料などへ配合し利用することができる。
【0065】〔化粧料への利用〕前記のようにコウジ酸
ダイマーは、美白活性を示し、かつ皮膚に対する刺激性
が少ない。それ故、このコウジ酸ダイマーを配合するこ
とによって美白化粧料を提供することができる。
ダイマーは、美白活性を示し、かつ皮膚に対する刺激性
が少ない。それ故、このコウジ酸ダイマーを配合するこ
とによって美白化粧料を提供することができる。
【0066】すなわち、コウジ酸ダイマーを他の配合成
分と混合し、化粧水、化粧油、クリーム、乳液、パッ
ク、パウダーなどの形態の美白化粧料とすることができ
る。他の配合成分は特に限定されるものではなく、化粧
料の種類に応じてその化粧料に必要とされる配合成分を
用いればよい。また、従来から使用されているメラニン
生成抑制剤(たとえば、ビタミンC、胎盤抽出物な
ど)、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、抗炎症、抗酸化剤
なども配合することができる。コウジ酸ダイマーの配合
量は、化粧料中において、0.01〜10.0重量%、
特に0.1〜5.0重量%の範囲が好ましい。
分と混合し、化粧水、化粧油、クリーム、乳液、パッ
ク、パウダーなどの形態の美白化粧料とすることができ
る。他の配合成分は特に限定されるものではなく、化粧
料の種類に応じてその化粧料に必要とされる配合成分を
用いればよい。また、従来から使用されているメラニン
生成抑制剤(たとえば、ビタミンC、胎盤抽出物な
ど)、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、抗炎症、抗酸化剤
なども配合することができる。コウジ酸ダイマーの配合
量は、化粧料中において、0.01〜10.0重量%、
特に0.1〜5.0重量%の範囲が好ましい。
【0067】
【実施例】つぎに本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定
されるものではない。なお、以下において、濃度を示す
%で単に%と示すものは重量%である。
説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定
されるものではない。なお、以下において、濃度を示す
%で単に%と示すものは重量%である。
【0068】実施例1 コウジ酸ダイマーの製造 500ml容の坂口フラスコに培地組成−1で示される
滅菌培地100mlを加え、これにシュードノカルディ
ア・スピノサ・エスピー・T−100株のスラントの1
白金耳分を植菌し、28℃で72時間高崎科学器機社製
TA−60Rレシプロ振盪機を用いて116rpmで培
養を行った。
滅菌培地100mlを加え、これにシュードノカルディ
ア・スピノサ・エスピー・T−100株のスラントの1
白金耳分を植菌し、28℃で72時間高崎科学器機社製
TA−60Rレシプロ振盪機を用いて116rpmで培
養を行った。
【0069】培地組成−1 グルコース 3g アスパラギン 0.2g KH2 PO4 0.1g MgSO4 ・7H2 O 0.1g NaCl 0.05g CaCl2 ・2H2 O 0.05g 酵母エキス 0.05g FeCl3 ・6H2 O 0.2mg ZnSO4 ・7H2 O 0.3mg 蒸留水 100ml (1N−NaOHと1N−HClでpH5.5に調整)
【0070】この培養液2.5mlを坂口フラスコで用
いたものと同じ組成の滅菌培地が500ml入った5リ
ットル容の三角フラスコ8本にそれぞれ植菌し、28℃
で72時間サンキ精機社製MODEL SCS−45N
ロータリー培養機を用いて150rpmで培養を行っ
た。この培養液を濾過して菌体128gを得た。この濾
過菌体およびコウジ酸を次に示す反応液組成−1、2、
3、4のように混合し、この混合液500mlを5リッ
トル容の三角フラスコに加え、28℃で24時間サンキ
精機社製MODEL SCS−45Nロータリー培養機
を用いて150rpmで反応を行った。
いたものと同じ組成の滅菌培地が500ml入った5リ
ットル容の三角フラスコ8本にそれぞれ植菌し、28℃
で72時間サンキ精機社製MODEL SCS−45N
ロータリー培養機を用いて150rpmで培養を行っ
た。この培養液を濾過して菌体128gを得た。この濾
過菌体およびコウジ酸を次に示す反応液組成−1、2、
3、4のように混合し、この混合液500mlを5リッ
トル容の三角フラスコに加え、28℃で24時間サンキ
精機社製MODEL SCS−45Nロータリー培養機
を用いて150rpmで反応を行った。
【0071】反応液組成−1 コウジ酸 2.5g 濾過菌体 15g 蒸留水 500ml (1N−NaOHと1N−HClでpH6.5に調整)
【0072】反応液組成−2 コウジ酸 2.5g 濾過菌体 25g 蒸留水 500ml (1N−NaOHと1N−HClでpH6.5に調整)
【0073】反応液組成−3 コウジ酸 2.5g 濾過菌体 50g 蒸留水 500ml (1N−NaOHと1N−HClでpH6.5に調整)
【0074】反応液組成−4 コウジ酸 2.5g 濾過菌体 15g 培地組成−1で示した培養液 50ml 蒸留水 450ml (1N−NaOHと1N−HClでpH6.5に調整)
【0075】24時間反応後に反応液組成−1、2、
3、4をそれぞれ濾過し、エバポレーターによる濃縮を
行ってコウジ酸ダイマーをそれぞれ、1.9g、1.3
g、0.9g、1.5g含む粗結晶を得た。
3、4をそれぞれ濾過し、エバポレーターによる濃縮を
行ってコウジ酸ダイマーをそれぞれ、1.9g、1.3
g、0.9g、1.5g含む粗結晶を得た。
【0076】実施例2 500ml容の坂口フラスコに培地組成−2で示される
滅菌培地100mlを加え、これにシュードノカルディ
ア・スピノサ・エスピー・T−100株のスラントの1
白金耳分を植菌し、28℃で72時間高崎科学器機社製
TA−60Rレシプロ振盪機を用いて116rpmで培
養を行った。
滅菌培地100mlを加え、これにシュードノカルディ
ア・スピノサ・エスピー・T−100株のスラントの1
白金耳分を植菌し、28℃で72時間高崎科学器機社製
TA−60Rレシプロ振盪機を用いて116rpmで培
養を行った。
【0077】培地組成−2 ポテトエキス末 0.4g グルコース 2g 蒸留水 100ml (1N−NaOHと1N−HClでpH5.6に調整)
【0078】この培養液2.5mlを坂口フラスコで用
いたものと同じ組成の滅菌培地が500ml入った5リ
ットル容の三角フラスコに植菌し、28℃で72時間ロ
ータリー培養機を用いて150rpmで培養を行った。
この培養液を濾過し菌体15gを得た。この濾過菌体お
よびコウジ酸を前記実施例1の反応液組成−1で示すよ
うに混合して、この混合液500mlを5リットル容の
三角フラスコに加え、28℃で24時間サンキ精機社製
MODEL SCS−45Nロータリー培養機を用いて
150rpmで反応を行った。
いたものと同じ組成の滅菌培地が500ml入った5リ
ットル容の三角フラスコに植菌し、28℃で72時間ロ
ータリー培養機を用いて150rpmで培養を行った。
この培養液を濾過し菌体15gを得た。この濾過菌体お
よびコウジ酸を前記実施例1の反応液組成−1で示すよ
うに混合して、この混合液500mlを5リットル容の
三角フラスコに加え、28℃で24時間サンキ精機社製
MODEL SCS−45Nロータリー培養機を用いて
150rpmで反応を行った。
【0079】24時間反応後に反応液を濾過しコウジ酸
ダイマーを0.9g含む反応濾液を約500ml得た。
ダイマーを0.9g含む反応濾液を約500ml得た。
【0080】反応濾液をダイヤイオンHP−20〔三菱
化成工業(株)製のハイポーラス型ポリマー〕が充填さ
れたカラムに展開し、コウジ酸ダイマーを吸着させた。
吸着されたコウジ酸ダイマーは水:メタノール=1:1
の溶液を150ml滴下して溶出を行った。
化成工業(株)製のハイポーラス型ポリマー〕が充填さ
れたカラムに展開し、コウジ酸ダイマーを吸着させた。
吸着されたコウジ酸ダイマーは水:メタノール=1:1
の溶液を150ml滴下して溶出を行った。
【0081】このコウジ酸ダイマーを含むメタノール溶
液を1/10量までエバポレータを用いて濃縮し、放置
して沈殿を生じさせた。この沈殿を濾別し、精製水10
0mlに溶解した後、活性炭を0.05g添加して、攪
拌を10分間行った。この混合物から活性炭を濾別し、
エバポレータを用いて溶液を1/3量にまで濃縮し、放
置後、生じた沈殿を濾別した後、乾燥してコウジ酸ダイ
マーの粉末0.5gを得た。
液を1/10量までエバポレータを用いて濃縮し、放置
して沈殿を生じさせた。この沈殿を濾別し、精製水10
0mlに溶解した後、活性炭を0.05g添加して、攪
拌を10分間行った。この混合物から活性炭を濾別し、
エバポレータを用いて溶液を1/3量にまで濃縮し、放
置後、生じた沈殿を濾別した後、乾燥してコウジ酸ダイ
マーの粉末0.5gを得た。
【0082】このようにして得られたコウジ酸ダイマー
の理化学的性質および生物学的性質は、前記したコウジ
酸ダイマーの理化学的性質および生物学的性質の通りで
ある。
の理化学的性質および生物学的性質は、前記したコウジ
酸ダイマーの理化学的性質および生物学的性質の通りで
ある。
【0083】応用例1 下記の配合組成でコウジ酸ダイマー含有クリームを調製
した。
した。
【0084】 コウジ酸ダイマー 1.0% ステアリン酸 3.0% 蜜ロウ 6.0% ワセリン 4.0% ラノリン 6.0% セチルアルコール 2.0% 流動パラフィン 26.0% ソルビタン・オレート 1.0% セチルアルコール・ポリオキシエチレン・エーテル 2.0% エチレンクリコール 3.0% 香料 適 量 精製水 残 余
【0085】
【発明の効果】本発明の生理活性物質コウジ酸ダイマー
は、新規物質であり、コウジ酸と同等の美白活性を有
し、かつコウジ酸より皮膚刺激性、毒性などが少なく、
たとえば美白化粧料の美白活性成分として使用するのに
適した美白剤として有用である。
は、新規物質であり、コウジ酸と同等の美白活性を有
し、かつコウジ酸より皮膚刺激性、毒性などが少なく、
たとえば美白化粧料の美白活性成分として使用するのに
適した美白剤として有用である。
【図1】生理活性物質コウジ酸ダイマーの紫外吸収スペ
クトル(メチルアルコール溶液中)である。
クトル(メチルアルコール溶液中)である。
【図2】生理活性物質コウジ酸ダイマーの赤外吸収スペ
クトル(KBr錠剤)である。
クトル(KBr錠剤)である。
【図3】生理活性物質コウジ酸ダイマーの 1H−核磁気
共鳴スペクトル(d6 −DMSO溶液中)である。
共鳴スペクトル(d6 −DMSO溶液中)である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】生理活性物質コウジ酸ダイマーの13C−核磁気
共鳴スペクトル(d6 −DMSO溶液中)である。
共鳴スペクトル(d6 −DMSO溶液中)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01) 7804−4B (72)発明者 奥宮 毅 大阪市大正区船町1丁目3番47号 テイカ 株式会社内 (72)発明者 杉原 良介 大阪市大正区船町1丁目3番47号 テイカ 株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 下記の平面構造式で表される生理活性物
質コウジ酸ダイマー。 【化1】 - 【請求項2】 シュードノカルディア属に属する微生物
であるシュードノカルディア・スピノサ・エスピー・T
−100(Pseudonocardiaspinos
a sp.T−100)株の菌体および/またはその菌
体の有する酵素によりコウジ酸をダイマー化することを
特徴とする請求項1記載の生理活性物質コウジ酸ダイマ
ーの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の生理活性物質コウジ酸ダ
イマーを有効成分とする美白剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13607092A JPH05310727A (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | 生理活性物質コウジ酸ダイマー、その製造方法および生理活性物質コウジ酸ダイマーを有効成分とする美白剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13607092A JPH05310727A (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | 生理活性物質コウジ酸ダイマー、その製造方法および生理活性物質コウジ酸ダイマーを有効成分とする美白剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05310727A true JPH05310727A (ja) | 1993-11-22 |
Family
ID=15166523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13607092A Pending JPH05310727A (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | 生理活性物質コウジ酸ダイマー、その製造方法および生理活性物質コウジ酸ダイマーを有効成分とする美白剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05310727A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100365072B1 (ko) * | 2000-12-29 | 2002-12-18 | 주식회사 태평양 | 신규 코지산 이합체 및 이의 제조방법 |
WO2016164898A1 (en) * | 2015-04-10 | 2016-10-13 | Rutgers, The State University Of New Jersey | Kojic acid polymers |
-
1992
- 1992-04-27 JP JP13607092A patent/JPH05310727A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100365072B1 (ko) * | 2000-12-29 | 2002-12-18 | 주식회사 태평양 | 신규 코지산 이합체 및 이의 제조방법 |
WO2016164898A1 (en) * | 2015-04-10 | 2016-10-13 | Rutgers, The State University Of New Jersey | Kojic acid polymers |
US10543162B2 (en) | 2015-04-10 | 2020-01-28 | Rutgers, The State University Of New Jersey | Kojic acid polymers |
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