JPH06135982A - 新規生理活性物質hr04 - Google Patents

新規生理活性物質hr04

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JPH06135982A
JPH06135982A JP4199699A JP19969992A JPH06135982A JP H06135982 A JPH06135982 A JP H06135982A JP 4199699 A JP4199699 A JP 4199699A JP 19969992 A JP19969992 A JP 19969992A JP H06135982 A JPH06135982 A JP H06135982A
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methanol
compound
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chloroform
culture
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JP4199699A
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Inventor
Shinichiro Kato
慎一郎 加藤
Kazutoshi Shindo
一敏 新藤
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Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フェナジン骨格を有し、活性酸素種消去作用
さらには過酸化脂質生成抑制作用を有するものを得る。 【構成】 次式: 【化3】 で示される、化合物HR04。本化合物はStreptomyces
sp. HR04 株(FERM BP-3904)の培養物から得られ、融
点71〜73℃(分解)を有する淡緑色粉末状物質である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェナジン骨格を有する
新規物質に関する。さらに詳しくは、本発明は活性酸素
消去作用さらには過酸化脂質生成抑制作用を有する新規
物質HR04に関する。
【0002】
【従来の技術】高齢化社会の到来と食生活の変化に伴
い、脳虚血障害や虚血性心疾患などの虚血性各種疾患並
びにリウマチ・動脈硬化症・腎炎といった疾患が近年急
増している。これら疾患の発症や進展に、活性酸素種
(active oxygen radicals)が関与していることが示唆
されている。すなわち生体の病的状態にあっては、活性
酸素種が疾患組織中に多量に発生し、場合によっては内
因性の鉄と錯体を形成することによってさらに強力な反
応性を有するハイドロキシラジカル(OH・)となり、組
織に大量の過酸化脂質生成をもたらす。活性酸素種の一
種でもあるこの過酸化脂質は、血管をはじめ正常な臓器
・組織に障害をもたらし、血管障害・炎症・浮腫などの
二次的病変の原因となる[日本臨床、46(10), 64 (198
8) ]。
【0003】これらの知見をもとに、上記記載の疾患以
外の各種病態における活性酸素種の関与についても幅広
く研究された結果、小腸や肝臓などの虚血性障害、肺酸
素毒症、アルツハイマー型痴呆症、敗血症、喘息、エン
ドトキシンショック、潰瘍、白内障、気管支炎・肝炎・
膵炎・皮膚炎・関節炎など各種臓器の炎症、さらには発
癌や放射線障害などにも、活性酸素種の関与が示唆され
るようになった[大柳善彦著、SODと活性酸素調節
剤、日本医学館 (1989) ]。
【0004】さらに虚血性障害に加え、虚血後に血流を
再開通した際に組織の再酸素化状態により活性酸素種の
生成が著増することが近年示唆され、各種臓器の虚血再
灌流性障害や臓器移植障害等にあっても、活性酸素種や
過酸化脂質が障害原因物質として注目されつつある[活
性酸素・フリーラジカル、 1(3), 258 (1990) ]。
【0005】従って、活性酸素種を消去し過酸化脂質生
成抑制ができれば、細胞機能の低下や壊死が防止され、
組織障害を抑止して活性酸素種に基づく上記した各種疾
患の予防・治療が可能になるものと期待される。このよ
うな観点からこれまでにも活性酸素消去剤・抗酸化剤が
種々検討され、上記疾患の予防・治療剤として提案され
てきた[近藤元治監修、フリーラジカルの臨床、第3
巻、41 (1988) ]。これらの典型的なものとして、ビタ
ミンC及びE、イデベノン[Biochem. Biophys.Res. Co
mmun., 125 , 1046 (1984) ]、CV−3611[武田
研究所報、47, 27(1988) ]、ニゾフェノン[J. Neuroc
hem., 37 , 934 (1981)]、フルナリジン[Arch. Int.
Pharmacodyn. Ther., 272, 283 (1984)]等がある。こ
れら各物質については、活性酸素消去作用ないし過酸化
脂質生成抑制作用があるとする報告がなされているが、
その作用は強力であるとはいえず、病態の予防治療目的
に十分なものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、活性
酸素種を消去し過酸化脂質生成を強力に抑制する作用を
有する物質は、上記各種疾患に対し予防及び治療剤とし
て使用できる。このような物質を提供することが、常に
求められている所以である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題につ
き鋭意検討し、次式(I)で示される化合物HR04を
見いだした。
【0008】
【化2】
【0009】[新規化合物HR04]化合物HR04
は、式(I)で示された構造を有する。この化学構造
は、プロトン核磁気共鳴スペクトル、13C核磁気共鳴ス
ペクトル、紫外部吸収スペクトル、赤外部吸収スペクト
ル及び質量分析スペクトルを詳細に解析して決定された
ものである。
【0010】本発明化合物の物理化学的性状を記す。
【0011】(1)外観 淡緑色粉末 (2)融点 71〜73℃(分解) (3)溶解性 メタノール、エタノール、クロロホル
ム、アセトン、酢酸エチルに可溶、水、n-ヘキサンに不
溶 (4)Rf値(メルク社製「シリカゲル60F254 」使
用) クロロホルム−メタノール(10:1) 0.38 (5)高分解能FAB−MSスペクトル(m/z) 実測値:439.1876((M+H)+ ) [計算値:439.1869] (6)紫外部吸収スペクトル(メタノール中) 図1
に示されている。
【0012】λ max nm (ε) 253(71730)、348(11
590)、366(16860) (7)赤外部吸収スペクトル(KBrディスク法) 図
2に示されている。主な吸収ピークを下に示す。
【0013】3400, 2980, 2920, 1740, 1530, 1420, 12
70, 1120, 1020, 980, 940,760 (8)プロトン核磁気共鳴スペクトル(500MHz、重メタ
ノール中) 図3に示されている。主なピークを下に示す。
【0014】8.33 (1H,dd,J=8.6,1.4), 8.23 (1H,dd,J=
7.0,1.4), 8.02 (1H,d,J=8.7),7.93 (1H,dd,J=8.6,7.
0), 7.84 (1H,dd,J=8.7,6.5), 7.70 (1H,d,J=6.5),6.47
(1H,d,J=1.8), 5.52 (1H,t,J=15.0), 4.16 (1H,dq,J=
6.5,1.7),4.09 (2H,d,J=15.0), 4.01 (1H,ddd,J=3.1,1.
8,1.7),3.86 (1H,dd,J=3.1,3.1), 3.66 (1H,ddd,J=3.1,
1.7,1.7), 1.80 (3H,s),1.77 (3H,s), 1.30 (3H,d,J=6.
5) (9)13C核磁気共鳴スペクトル(125MHz、重メタノー
ル中) 図4に示されている。主なピークを下に示す。
【0015】166.7(s), 144.6(s), 143.6(s), 143.2
(s), 142.7(s), 140.9(s),134.7(s), 133.7(d), 132.9
(d), 132.9(d), 132.9(s), 130.7(d),130.6(d), 127.9
(d), 123.4(d), 97.6(d), 74.0(d), 71.4(d), 71.2(d),
67.1(d), 30.1(t), 26.0(q), 18.1(q), 17.0(q) (10)分子式 C24262 6 本発明に係る化合物HR04には、不斉炭素原子等の理
由による各種立体異性体が存在する。本発明はそれらの
いずれの形態をも包含するものであって、例えば個々の
エナンチオマー、光学対掌体、ラセミ混合物等も、すべ
て本発明の範囲に含まれる。
【0016】本発明者は、化合物HR04を微生物培養
により取得したが、それ以外の方法で製造することも可
能であろう。例えば類縁化合物から出発して、これを合
成化学的ないし微生物学的修飾により製造したり、ある
いは全合成によることも考えられる。さらに微生物培養
による場合も、化合物HR04生産に関与する遺伝子を
適当な宿主微生物に組み込み、得られた形質転換体を培
養し、この培養物から化合物HR04を取得するとい
う、遺伝子工学的手法を経てもよい。
【0017】化合物HR04を微生物培養により取得す
る場合の菌株としては、ストレプトミセス属に属し、H
R04生産能を有するものがよい。具体的には、本発明
者らが分離した、Streptomyces sp. HR04 株がこのよう
なHR04生産能を有する。抗生物質生産菌探索に慣用
されている手法で、自然界から他の適当な菌株を得るこ
とも可能である。Streptomyces sp. HR04 株を含むHR
04生産菌を放射線照射その他の変異処理に付して、H
R04生産能を高める余地もある。前述のように、遺伝
子工学的手法を利用してもよい。
【0018】[HR04株]HR04生産能を有するス
トレプトミセス属菌株で、本発明者らが分離したHR0
4株は、下記のような内容のものである。
【0019】1)由来および寄託 本株は、紀伊半島で採取した土壌から分離されたもの
で、平成4年6月29日、工業技術院微生物工業技術研究
所に微工研条寄第3904号(FERM BP-3904)として寄託さ
れている。
【0020】2)菌学的性状 (1) 形態 HR04株は、シュクロース・硝酸塩寒天培地での生育
は貧弱、グルコース・ アスパラギン寒天培地、イース
ト・麦芽寒天培地、及び栄養寒天培地では中程 度であ
るが、グリセロール・アスパラギン寒天培地、チロシン
寒天培地、スタ ーチ無機塩寒天培地、及びオートミー
ル寒天培地では良く生育する。
【0021】気菌糸の着生は、グリセロール・アスパラ
ギン寒天培地、及びスターチ無機塩寒天培地で良く生育
する。基生菌糸より生じた気菌糸は、単純分枝をなして
伸長し、胞子の連鎖は10〜50個程度で、その胞子鎖は直
鎖及びループ状をなしている。胞子形は0.7 〜 0.9×1.
2 〜 1.7μmの円筒形または長円形で、その表面は平滑
である。また、気菌糸束が存在するが、胞子嚢、鞭毛胞
子、菌核などの特殊形態は認められない。
【0022】(2) 各種培地上の生育状況 HR04株を、各種培地に27℃、3週間培養した際の、
生育状況を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】(3) 生理的性質 表2のとおり。
【0025】
【表2】
【0026】(4) 炭素源の利用性 プリドハム・ゴトリーブ寒天培地上におけるHR04の
炭素源利用性を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】(5) ジアミノピメリン酸の分析 細胞壁構成のアミノ酸の一つである、ジアミノピメリン
酸を分析した結果、LL−ジアミノピメリン酸が検出さ
れた。
【0029】上記した菌学的性状を要約すると、 i)胞子鎖は直鎖、またはループ状で、胞子の表面は平滑
である。
【0030】ii) 気菌糸の着生は、グリセロール・アス
パラギン寒天培地、及びスターチ無機塩寒天培地で良好
である。その色は、黄味白〜明るい茶灰であり、裏面の
色は茶色及び暗い赤茶を示す。
【0031】iii)チロシン寒天培地、ペプトン・イース
ト・鉄寒天培地、トリプトン・イースト液体培地のいず
れでも、メラニン様色素が認められた。
【0032】iv) L−アラビノース、D−キシロース、
イノシトール、L−ラムノース、及びソルビトールは資
化はするが弱い。
【0033】上記性状をISP(インターナショナル・
ストレプトミセス・プロジェクト)の記載[E.B.Shirli
ng & D.Gottlieb: Int. J. Syst. Bact., 18, 69-189,
279-392 (1968); 19, 391-512 (1969); 22, 265-394 (1
972)]、及びバージーズ・マニュアル・オブ・システマ
ティック・バクテリオロジー[Bergey’s Manual ofSys
tematic Bacteriology ]第4巻の記載と対比し、スト
レプトミセス属に属するものと同定した。前述のとお
り、本菌株はStreptomyces sp. HR04 として、平成4年
6月29日付で工業技術院微生物工業技術研究所に微工研
条寄第3904号(FERM BP-3904)として寄託された。
【0034】[HR04の生産]培養法による化合物H
R04の生産は、以下のようにストレプトミセス属に属
するHR04生産菌を適当な培地で好気的培養した産物
から採取して行なう。
【0035】培地は、HR04生産菌が利用しうる任意
の栄養源を含有するものでよい。具体的な例としては、
炭素源としてグルコース、マンニトール、ガラクトー
ス、グリセロール、及び油脂類などが利用でき、窒素源
としては大豆粉、魚粉、綿実粕、乾燥酵母、酵母エキ
ス、及びコーンスティープリカーなどの有機物、並びに
アンモニウム塩または硝酸塩、たとえば硫酸アンモニウ
ム、硝酸ナトリウム及び塩化アンモニウムなどの無機物
が利用できる。必要に応じ、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、炭酸カルシウム、燐酸塩、重金属塩などの無機塩
類を添加することもできる。醗酵中の発泡を抑制するた
め、慣用の適する消泡剤、たとえばシリコーン油を添加
することもできる。
【0036】培養方法としては、一般に抗生物質採取目
的で常用されている生産方法におけると同じく、好気的
液体培養法が適している。培養の温度は15〜30℃が適当
で、特に25〜30℃がよい。この条件で振盪培養すると、
5日間でHR04生産量は最高に達する。
【0037】HR04が蓄積された培養物中において、
HR04の一部は培養瀘液中にあるが、大部分は菌体中
に存在する。これからHR04を採取するには、任意の
合目的的な方法でよいが、抽出操作によることができ
る。具体的には、培養瀘液中のものを前記した水不混和
性溶媒、例えば酢酸エチルで抽出する。菌体中のHR0
4については、瀘過・遠心分離などで菌体集体を得、こ
れをメタノール、エタノール、アセトンなどで処理す
る。菌体の分離を省略し、培養物をそのまま抽出操作に
付すこともできる。適当な溶媒による向流分配法も、広
義の抽出の範疇に含めることができる。
【0038】HR04採取のための第2の手法は、吸着
法に基づくものである。HR04含有の液状物、例えば
培養瀘液や上記の抽出液を対象とし、適する吸着剤、例
えばシリカゲル、活性炭、「ダイヤイオンHP20」(三菱
化成社製)などにHR04を吸着せしめた後、適する溶
媒で溶離して、これを減圧濃縮乾固することにより、H
R04粗標品が得られる。
【0039】かくして得られたHR04粗標品をさらに
精製するには、上記の抽出および吸着操作に必要に応じ
ゲル瀘過法、高速液体クロマトグラフィーなどを必要回
数組み合わせる。具体的には、シリカゲルなどの吸着
剤、「セファデックスLH-20 」(ファルマシア社製)な
どのゲル瀘過剤によるカラムクロマトグラフィー、「Y
MCパック」(山村科学社製)などによる高速液体クロ
マトグラフィー、さらにこれらと向流分配法の組合わせ
が可能である。好ましくは、HR04粗標品を少量のメ
タノールに溶解し、「セファデックスLH-20 」カラムに
付し、メタノールで活性画分を溶出せしめ、これを濃縮
乾固するとHR04の純品が得られる。
【0040】
【用途】本発明に係る化合物HR04は、活性酸素種を
消去し過酸化脂質生成を抑制する作用を有する。本剤は
従って、活性酸素や過酸化脂質の関与する諸疾患に対す
る有用な予防及び治療剤として使用できるものと期待さ
れる。
【0041】医薬品として本剤を使用する際の製剤ない
し投与の手法は、従来から知られた各種のものを適用で
きる。投与は注射、経口、直腸などが可能で、製剤形態
としては注射剤、顆粒剤、錠剤、粉末剤、坐剤があり得
る。経口投与、直腸投与に際しては、徐放化製剤として
もよい。
【0042】いずれの製剤形態にあっても、HR04に
悪影響を及ぼさない限り、医薬用途で従来から用いられ
てきた各種補助剤、すなわち担体やその他の助剤、たと
えば安定剤、防腐剤、無痛化剤、乳化剤などを、必要に
応じて使用可能である。
【0043】単位製剤形態におけるHR04の含量は、
当該製剤形態により広範囲に変更可能である。
【0044】HR04の投与量は、成人1人1日当たり
0.1〜100 mg程度であり、年齢、病態に応じて適宜増減
されよう。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る化合物HR04は、活性酸
素種を消去し過酸化脂質生成を抑制する作用を有する。
本剤は従って、活性酸素種や過酸化脂質の関与する諸疾
患、すなわち脳・心臓・小腸・肝臓など各種臓器の虚血
性疾患や虚血再灌流障害、リウマチ、動脈硬化症、肺酸
素毒症、アルツハイマー型痴呆症、敗血症、喘息、エン
ドトキシンショック、潰瘍、白内障、気管支炎・肝炎・
膵炎・皮膚炎・関節炎・腎炎など各種臓器の炎症、さら
には浮腫、癌、放射線障害、臓器移植時の障害などに対
しても、予防ないし治療剤として有用であると考えられ
る。
【0046】
【実施例】 [過酸化脂質生成抑制作用]ウィスター系雄ラットの前
脳を摘出し、67 mM の燐酸緩衝液(pH 7.4)でホモジナ
イズして、脳ホモジネートを作成した。このラット脳ホ
モジネートに直ちにアスコルビン酸を100 μM、硫酸第
1鉄を10μM加え、振盪しながら37℃で1時間インキュ
ベートした。脳ホモジネート中にはこれにより活性酸素
種が発生し、それによる過酸化脂質生成がみられる。被
験薬物をアスコルビン酸添加と同時に反応液に加え、同
様にインキュベートした。インキュベート混合物中に生
成したマロンジアルデヒド(MDA)を、八木ら[Ana
l. Biochem. 95,351 (1979)]のチオバルビツール酸法
によって定量した。被験薬物を加えたときのMDA量
(a)とコントロール値 (b)とから、次式により過酸化脂
質生成抑制率を算出した。
【0047】過酸化脂質生成抑制率(%)=[(b−
a)/b]× 100 被験薬物の濃度を数段階に変えてそれぞれの場合におけ
る過酸化脂質生成抑制率を求め、これから回帰直線式を
決定して、被験薬物の過酸化脂質生成50%抑制濃度(I
50)を算出した。被験薬物は水に難溶のため、メタノ
ールに溶かし稀釈してから試験に供した。
【0048】対照薬物としてビタミンE(和光純薬社
製)及び塩酸フルナリジン(Sigma 社製)を選び、上記
試験を実施した。その結果ビタミンEのIC50(μM)
は 100以上、塩酸フルナリジンのそれは55.0であったの
に対し、HR04のそれは15.0と強力な過酸化脂質生成
抑制作用が認められた。
【0049】[製造] (1)種母の調製 使用した培地は、下記組成の成分を1リットルの水に溶
解し、これをpH 6.2に調整したものである。
【0050】グルコース 25.0g 脱脂大豆粉 15.0g 乾燥酵母 2.0g 炭酸カルシウム 4.0g 上記培地各100 mlを500 ml容のイボ付き三角フラスコへ
分注したものを2本用意し、殺菌後、Streptomyces sp.
HR04 株(FERM BP-3904)をスラントより各々のフラス
コへ1白金耳ずつ接種し、27℃にて3日間、200 rpm で
振盪培養して前培養液を得た。
【0051】(2)培養 種母調製の際と同様にして、培地15リットル分、すなわ
ちイボ付き三角フラスコ150 本分を用意した。各三角フ
ラスコに種母1 mlずつを植菌し、27℃にて5日間、200
rpm で振盪培養した。
【0052】(3)HR04の採取 上記の条件で培養した後の培養液(15リットル)をブフ
ナー瀘過し、菌体を得た。得られた菌体を各15リットル
のアセトンで2回抽出し、抽出液を5リットルまで濃縮
してから、2倍量の酢酸エチルで2回抽出する。抽出液
を無水硫酸ナトリウム上で脱水し、瀘過の後、瀘液を濃
縮すると 1.47 gの濃縮物が得られた。クロロホルムで
予め平衡化したシリカゲル(和光純薬製「ワコーゲル C
-200」)のカラム(10 cm φ×50 cm )にこの濃縮物を
吸着させ、クロロホルム300 mlを流した後、クロロホル
ム−メタノール(80:1)で溶出した。活性フラクショ
ンを濃縮乾固して、HR04の粗標品66.6 mg を得た。
この粗標品を少量のメタノールに溶解し、セファデック
スLH-20 カラム(5 cmφ×100 cm)にてゲル瀘過すべ
く、メタノールで展開した。HR04画分を濃縮乾固し
て得た52.8 mg を、再度シリカゲルのカラム(2.5 cmφ
×50 cm )に吸着させ、クロロホルム−メタノール(3
0:1)で溶出した。活性フラクションを濃縮乾固し
て、HR04の精製品45 mg を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る新規物質HR04の紫外部吸収ス
ペトクル(メタノール中)が示されている。
【図2】本発明に係る新規物質HR04の赤外部吸収ス
ペトクル(KBrディスク法)が示されている。
【図3】本発明に係る新規物質HR04のプロトン核磁
気共鳴スペクトル(500MHz、重メタノール中)が示され
ている。
【図4】本発明に係る新規物質HR04の13C核磁気共
鳴スペクトル(125MHz、重メタノール中)が示されてい
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:46)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式: 【化1】 で示される化合物HR04。
JP4199699A 1992-07-27 1992-07-27 新規生理活性物質hr04 Pending JPH06135982A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996022996A1 (fr) * 1995-01-25 1996-08-01 Nippon Chemiphar Co., Ltd. Derives de dihydrophenazine

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