JPH02229189A - 新規物質イノスタマイシン、その使用および製造 - Google Patents

新規物質イノスタマイシン、その使用および製造

Info

Publication number
JPH02229189A
JPH02229189A JP5085189A JP5085189A JPH02229189A JP H02229189 A JPH02229189 A JP H02229189A JP 5085189 A JP5085189 A JP 5085189A JP 5085189 A JP5085189 A JP 5085189A JP H02229189 A JPH02229189 A JP H02229189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inostamycin
culture
medium
observed
strain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5085189A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomio Takeuchi
富雄 竹内
Masaya Imoto
正哉 井本
Yoshikazu Takahashi
良和 高橋
Hiroshi Osanawa
博 長縄
Tsutomu Sawa
沢 力
Kazuo Umezawa
梅沢 一夫
Masaaki Ishizuka
雅章 石塚
Masa Hamada
雅 浜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Microbial Chemistry Research Foundation
Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Microbial Chemistry Research Foundation
Kirin Brewery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Microbial Chemistry Research Foundation, Kirin Brewery Co Ltd filed Critical Microbial Chemistry Research Foundation
Priority to JP5085189A priority Critical patent/JPH02229189A/ja
Publication of JPH02229189A publication Critical patent/JPH02229189A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 技術分野 本発明は新規物質に関し、より具体的にはイノシトール
リン脂質代謝回転阻害活性および抗腫瘍活性を有する新
規生理活性物質イノスタマイシンに関する。
先行技術 抗腫瘍性物質に関しては既に多数のものが医薬として実
用化されているが、これらは薬効および副作用の点て必
ずしも満足できるものではなく、より優れた新規な抗腫
瘍物質に関しては不断の希求があるのが現状である。
なわち、本発明による抗腫瘍剤およびイノシトールリン
脂質代謝回転阻害剤は、次式(1)で示される化合物イ
ノスタマイシンまたはその塩を有効成分とするものであ
る。
本発明は、更にまた、この物質の製造法に関する。すな
わち、本発明による次式(I)で示される化合物イノス
タマイシンの製造法は、ストレプトミセス属に属し、イ
ノスタマイシンの生産能を有する菌株を適当な培地で好
気的に培養し、その培養物よりイノスタマイシンを得る
こと、を特徴とするものである。
また、イノシトールリン脂質代謝回転は、種々の細胞増
殖因子やraS,SrC等の癌遺伝子によって活性化さ
れる細胞内情報伝達機構であり、この活性化が細胞増殖
や癌化に密接に関与していると考えられる〔ザイエンス
(Science. 231 407〜410 (19
86))、〔ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミ
ストリ−(J. Biol. Chem. 261 4
978〜 4985 (198B) 〕。それゆえ、イ
ノシトールリン脂質代謝回転の阻害物質は、制癌活性が
期待され、更に細胞増殖の機構解明の道具あるいは試薬
としても有用である。
〔発明の概要〕 要旨 本発明は上記の希求に応えることを目的とし、新規物質
イノスタマイシンを提供することによりこの目的を達成
しようとするものである。
すなわち、本発明による化合物イノスタマイシンは、次
式(I)で示されるものである。本発明は、また、この
化合物の塩にも関するものである。
本発明は、また、この物質の使用に関する。す坊一呈 本発明による新規物質イノスタマイシンおよびその塩は
、抗腫瘍活性と共にイノシトールリン脂質代謝回転阻害
活性を有しており、抗腫瘍剤として有用であると共に、
イノシトールリン脂質代謝回転阻害剤として、すなわち
癌化あるいは動脈硬化などにおける細胞増殖の機構解明
の手段として、有用である。
〔発明の具体的説明〕
新規物質イノスタマイシン 化学構造 本発明による新規物質イノスタマイシンは、前記の式(
I)で示される化学構造を有する。
イノスタマイシンの化学構造は、プロトン核磁気共鳴ス
ペクトル、炭素13核磁気共鳴スペクトル、赤外部吸収
スペクトル、質量分析スペクトルを詳細に検討すること
によって前記の通り決定された。
物理化学的性状 以下にイノスタマイシン・ナトリウム塩の物理化学的性
状を示す。
(1)外  観 無色結晶 (2)比旋光度 +2.4度(co.5CHC13) (3)溶解性 メタノール、エタノール、クロロホルム
、アセトンに可溶、水、ヘキサンに難溶。
(4)Rf値(メルク社製「シリカゲル60F254」
使用) クロロホルムーメタノール(20 : 1)0.43 (5)マススペクトル(SIMS)  m/z723(
M+Na) 赤外部吸収スペクトル 第1図に示す。
プロトン核磁気共鳴スペクトル 第2図に示す。
す。
(9)分子式 (10)元素分析 実験値 C:62. H:9. 0:24. Na:  3. (l1)融  点 炭素13核磁気共鳴スペクトル 第3図に示C38H6
7011Na 計算値 99%  C:63.13% 37%  H:9.34% 11%  O:24.34% 54%Na:3.18% 181−182℃ ( C sgH 870 11N a )として本発明
による化合物は遊離のカルボキシル基を有するから、そ
の塩が存在する。その場合の塩としては、例えばナトリ
ウム、カリウム、ルビジウムなどのアルカリ金属、ある
いはカルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属
、などの金属塩類、アンモニウム塩、あるいはアミン塩
がある。
イノスタマイシンの製造 概要 イノスタマイシンは現在のところ微生物の培養によって
のみ得られているが、類縁化合物の合成化学的修飾によ
って製造することも、あるいは全合成化学的に製造する
こともできよう。また、遺伝子工学的手法によることも
できよう。即ち、イノスタマイシン産生遺伝子を適当な
微生物に組み込み、この様な形質転換微生物を培養し、
この培養物から得ることも可能である。
微生物の培養による場合の菌株としては、例えばストレ
プトミセス属に属するイノスタマイシン生産能を有する
ものが使用される。具体的には、本発明者らの分離した
ストレプトミセス・エスピ−MH816−AF15がイ
ノスタマイシンを生8 一 産することが本発明者等によって明らかにされているが
、その他の菌株については、抗生物質生産菌単離の常法
によって適当なものを自然界より分離することが可能で
ある。また、ストレプトミセス・エスビーMH816−
AF15を含めてイノスタマイシンの生産菌を放射線照
射その他の変異処理に付して、イノスタマイシンの生産
能を高める余地も残されている。更に遺伝子工学的手法
によるイノスタマイシンの生産も可能であることは前記
したところである。
生産菌MH816−AF15株 イノスタマイシン生産能を有するストレプトミセス属の
菌株として本発明者らの見出しているMH816−AF
15株は、下記の内容のものである。
1.由来および寄託番号 この生産菌は、昭和60年10月に、財団法人微生物化
学研究所によって、世田谷区等々力の土壌より分離され
た放線菌でMH816−AF15の菌株番号が付された
このMH816−AF15株は、昭和63年11月22
日に工業技術院微生物工業技術研究所に寄託されて[微
工研菌寄第10398号(FERM  P−1 039
8)]の番号を得ている。
2.菌学的性状 MH8 1. 6−AP 1 5株の菌学的性状は、以
下のとおりである。
1)形態 MH816−AP15株は顕微鏡下で分技した基中菌糸
より気菌糸を伸長する。気菌糸は螺旋を形成し、輪生技
及び胞子嚢は認められない。成熟した胞子は約0.6〜
0.7X0.7〜1.0ミクロン位の大きさを示し、そ
の表面はとげ状であり、胞子の連鎖は10〜50個程度
である。
2)各種培地における生育状態 MH81.6−AF 1.5株を各種培地で培養した結
果は(1)〜(14)に示すとおりである。なお、色の
記載について〔 〕内に示す標準は、コンティナー・コ
ーポレーション・オブ・アメリカ(Conta]ncr
 Corporation or/merica)のカ
ラ* ハー モニー ●7−ユアル(Color ha
rmoney+nanual)を用いた。
(1)シュクロース・硝酸塩寒天培地(27゜C培養)
無色〜うす黄N I/2 ic, Lt Antiqu
e Gold )の発育上に、白〜明るい灰(2dc,
 Natural 〕の気菌糸を着生する。溶解性色素
は認められない。
(2)グルコース・アスパラギン寒天培地(27℃培養
) 少量のうす黄 1:1 ]/2 ea, Lt Yel
low 〕の発育上に、うず黄[:1 1/2 ea.
, Lt Yellow 〕の気菌糸をうつすらと着生
ずる。溶解性色素は認められない。
(3)グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP培地
5、27゜C培養) 黄茶[4pe, Orange Rusシ−4ne, 
LuggageTan ]の発育上に、うす黄〔l I
/2 ea, LtYellow)−明るい灰[2dc
, Natural )の気菌糸を着生する。溶解性色
素は認められない。
(4)スターチ・無機塩寒天培地(ISP一培地4、1
〕 27℃培養) 無色のわずかな発育」二に、白〜明るい灰[2dcNa
Lural ]の気菌糸を着生ずる。溶解性色素は認め
められない。
(5)チロンン寒天培地(I SP一培1t!!7、2
7℃培養) 暗い黄Dpg, Golden Brown)−黄茶C
4pgDk Luggage Tanlの発育上に、黄
味白(11/2eaLt Yellow )−明るい灰
[2cb, Ivory Tinljの気菌糸を肖生ず
る。溶解性色素は認められない。
(6)栄養寒天培地(27゜C培養) 黄[2pc, Brite goldlの発育上に、黄
味白C2ca  Lt Ivory)の気菌糸を着生す
る。溶解性色素は認められない。
(7)イースト・麦芽寒天培地(I SP−培地2、2
7゜C培養) 暗い黄[3pc, Amber 〕〜黄茶[4 ne.
l−uggageTan ]の発育]二に、明るい灰[
1 dc, Putty 〕の気菌糸を比較的豊富に着
生する。溶解性色素は認められない。
〕2 ー (8)オートミール寒天培地(ISP−培地3、27゜
C培養) 無色〜うす黄( 1. l./2 Ca, Crean
+ 3の発育上に、白〜明るい灰[2dc, Natu
ral ]の気菌糸を着生する。溶解性色素は認められ
ない。
(9)グリセリン・硝酸塩寒天培地(27゜C培養)発
育は黄[2nc: Brite Gold) −にぶ黄
[]. l./2 nc: Gold:lであり、気菌
糸は着生しない。
溶解性色素も認められない。
(10)スターチ寒天培地(27℃培養)生育は非常に
悪く、無色の発育上にほんのわずかに白の気菌糸を着生
する。溶解性色素は認められない。
(11)リンゴ酸石灰寒天培地(27゜C培養)発育は
極めて悪く無色であり、気菌糸は着生しない。溶解性色
素も認められない。
(12)セルロース(冫戸紙片添加合成液、27℃培養
)培養後21日間観察したか、生育は認められなかった
(13)ゼラチン穿刺培養 15%単純ゼラチン培地(20℃培養)、グルコース・
ペプトン・ゼラチン培地(27℃培養)共に、発育は無
色〜うす黄であり、気菌糸は着生せず、溶解性色素も認
められない。
(l4)脱脂牛乳(30℃培養) 37℃培養では3週間の観察でも生育は認められない。
30℃培養では、発育はうす黄であり、気菌糸は着生せ
ず、溶解性色素も認められない。
3)生理的性質 (1)生育温度範囲 グルコース・アスパラギン寒天培地(グルコス],0%
、L−アスパラギン0.05%、K2HPO4 0.0
5%、紐寒天3.0%、pH7.0)を用い、20゜C
124゜C127℃、30°0137℃および50°C
の各温度で試験した結果、37℃および50℃以外の温
度で発育したが、生育至適温度は、27℃〜30℃付近
と思われる。
(2)ゼラチンの液化(15%単純ゼラチン培地、20
℃培養;グルコース・ペプトン・ゼラチン培地、27゜
C培養) 15%単純ゼラチン培地では、培養後21日間観察した
が、液化を認めなかった。
グルコース・ペブトン・ゼラチン培地では、培養後14
日目頃から液化が始まったが、その作用は弱いものであ
る。
(3)スターチの加水分解(スターチ・無機塩寒天培地
及びスターチ寒天培地、いずれも27℃培養)スターチ
・無機塩寒天培地、スターチ寒天培地ともに培養後21
日間観察したが、氷解性は認められなかった。
(4)脱脂牛乳の凝固、ペプトン化(脱脂牛乳、30℃
培養) 前項に記載したように、本菌株は37゜Cで生育を認め
ず、30’C培養で試験した。
30℃では培養後3日目頃より生育が始まり、14日目
頃より凝固が認められる。凝固開始と同時にペプトン化
が認められた。その作用は中等度〜弱い方である。
(5)メラニン様色素の生成(トリプトン・イースト・
ブロス、ISP一培地1、ペプトン・イースト鉄寒天培
地、ISP=培地6、チロシン寒天培地、ISP一培地
7、いずれも27℃培養)いずれの培地でも陰性である
(6)炭素源の利用性(プリドハム・ゴトリーブ寒天培
地、ISP一培地9、27℃培養)D−グルコース、ラ
ムノース、イノシトールを利用して生育する。D−キシ
ロースは利用しない。
L−アラビノース、D−フラクトース、シュクロス、ラ
フィノース、D−マンニトール、ラクトスはおそらく利
用しないと思われる。イノシトールを利用して非常に良
く生育するのは、本菌株の特徴であろう。
(7)リンゴ酸石灰の溶解(リンゴ酸石灰寒天、27゜
C培養) 前項に記載したように、培養後21日間観察したが生育
は極めて悪く、リンゴ酸石灰の溶解は認められなかった
16 一 (8)硝酸塩の還元反応(0.1%硝酸カリ含有ペプト
ン水、ISP−培地8、27℃培養)培養後7日目、1
4日目、21日目のいすれも陰性である。
(9)セルロースの分解(冫戸紙片添加合成液、27℃
培養) 前項に記載したように、生育を認めなかった。
以上の性状を要約すると、MH816 AF15株の気菌糸は、螺旋を形成し、輪生技及び胞子
嚢は認められない。成熟した胞子鎖は10〜50個程度
の胞子を着生し、その表面はとげ状を呈する。
種々の培地でうす黄〜黄茶の発育上に、うす黄〜明るい
灰の気菌糸を着生する。溶解性色素はいずれの培地でも
認められず、メラニン色素の生成も陰性である。蛋白分
解力は、中等度〜弱い方で、スターチの氷解性、硝酸塩
の還元反応も認められない。D−グルコース、ラムノー
ス、イノシトルを利用して生育し、なかでもイノシトー
ルの利用は顕著であった。
なお、細胞壁に含まれる2.6−ジアミノピメリン酸は
LL型である。
これらの性状より、MH816−AF15株は、ストレ
プトミセス(Streptomyces)に属する放線
菌と考えられる。本菌株に類似の既知菌種を検索したが
、該当するものを見川せず、気菌糸の形態、及びメラニ
ン色素を生成しない性質に主眼をおいて、類似する4種
の閑について検討した。すなわち、ストレプトミセス・
ナタレンンス (SLrcpLomyces  natalcnsis
,文献International  Journal
  of’  SystematicBacterio
logy, 2 2巻、323頁、1972年、特許公
報昭和36−10696) 、ストレプトミセス・ビリ
ドジアスタテイクス( St reptomycesv
i ridodiasLaLicus,文献1nter
nat+Ona+Journal or SysLem
aLic 13acteriology, 1 9巻、
500頁、1969年)、ストレプトミセス・アルハダ
ンクス(Streptomyces  albadun
cus,文献International Journ
al orSystematicBacterto+o
gy , 2 2巻、269頁、1972年)及びス1
・レプトミセス・グリゼオフラブス(Streptom
yces  griseof’lavus,文献Int
ernational Journal ofSyst
ematicBacteriology、19巻、43
3頁、1969年)である。このうち、MH816−A
F15株とストレプトミセス・ナタレンシス以外の菌と
は、気菌糸及び発育の色、糖の利用等より、明確に区別
される。又、最も類似していると思われるストレプトミ
セス・ナタレンシスについては、種々の性状を比較検討
し、その結果が次表に示されている。
表から明らかな様に、MH816−AF15株とストレ
プトミセス・ナタレンシスはスターチの加水分解、蛋白
分解作用、硫酸塩の還元反応及びラムノース、D−マン
ニトール、ラク1・−スの利用等の点で大きく異なって
いる。
よって、MH8 1. 6−AF L 5株をス1・レ
プ1・ミセス●エスピー(Streptomyces 
sp.) MH8]6−AF]5と命名するものとする
培養/イノスタマイシンの生産 イノスタマイシンは、ストレプトミセス属に属するイノ
スタマインン生産菌を適当な培地で好気的に培養し、そ
の培養物から目的物を採取することによって製造するこ
とが出来る。培地は、イノスタマイシン生産菌か利用し
うる任意の栄養源を含有するものでありうる。具体的に
は、例えば、炭素源としてグルコース、ガラクトース、
グリセロール、デキストリン、シュークロース、マルト
ス、スターチおよび油脂類などが使用でき、窒素源とし
て大豆粉、綿実粕、乾燥醇母、酵母エキスおよびコーン
スティープリカーなどの有機物並びにアンモニウム塩ま
たは硝酸塩、例えば硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム
および塩化アンモニウムなとの無機物が利用できる。ま
た必要に応して、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩
化カリウム、燐酸塩、重金属塩なと無機塩類を添加する
ことができる。醗酵中の発泡を抑制する為に、常法にし
たかって適当な消泡剤、例えばシリコーン油を添加する
こともできる。
培養方法としては、一般に用いられている抗生物質の生
産方法と同じく、好気的液体培養法か最も適している。
培養温度は2tD−309Cが適当であるが、25−3
0°Cが好ましい。この方法でイノスタマイシンの生産
量は、振とう培養、通気攪はん培養共に培養6日間で最
高に達する。
このようにして、イノスタマイシンの蓄積された培養物
が得られる。この培養物中では、イノスタマインンは培
a>戸液中にも菌体にも存在する。
このような培養物からイノスタマイシンを採取するには
、合口的的な任意の方法が利用可能である。そのひとつ
の方法は抽出の原理に基づくものであって、具体的には
、培養冫戸液中のイノスタマイシンについてはこれを水
不混和性のイノスタマイシン用溶剤、例えば酢酸エチル
なとで抽出する方法、あるいは菌体内のイノスタマイン
ンについては遠心分離なとで得た菌体集体をメタノール
、アセトンなとで処理して同収する方法などかある。
菌体を分離せずに培養物そのままを上記の抽出操作に付
すこともできる。適当な溶媒を用いた向流分配法も抽出
の範ちゅうに入れる事かできる。
培養物からイノスタマイシンを採取する他のひとつの方
法は吸着の原理に基づくものてあっ−C、既に液状とな
っているイノスタマイシン含有物、例えば培養冫戸液あ
るいは上記のようにして抽出操作を行なうことによって
得られる抽出液、を対象として、適当な吸着剤、例えば
シリカゲル、活性炭なとを用いて口的のイノスタマイシ
ンを吸るさせ、その後、適当な溶媒にて溶離させること
によってイノスタマイシンを得る事かできる。このよう
にして得られたイノスタマイシン溶液を減圧濃縮乾固す
れば、イノスタマイシン粗標品が得られる。
このようにして得られるイノスタマイシンの粗標品を更
に精製する為には、上記の抽出法および吸着法にゲル枦
過法、高速液体クロマ1・グラフィ、自流分配法などを
必要に応して組み合わせて必要回数行なえばよい。具体
的には、例えば、イノスタマイシン粗標品をヘキザン−
アセトニトリル系で向流分配クロマ1・グラフィーを行
なうことによりイノスタマイシンの純品が得られる。
イノスタマイシンの用途 本発明による化合物イノスタマイシンは、抗腫瘍活性お
よびイノシトールリン脂質代謝回転阻害活性を有すると
いう点で有用である。
生物活性 イノスタマイシンは、腫瘍細胞に対して細胞増殖抑制活
性を示した。例えばマウス白血病細胞L 1 2 ]−
 0細胞を5X104個/mlとなるように10%仔牛
血清を含むRPMI  1.640培地に浮遊させ、種
々の濃度のイノスタマイシンと共に37°Cて2口間培
養した後の■C5o値は、0.17μg / m+であ
った。またイノスタマイシンは、イノシトールリン脂質
代謝回転、すなわち癌遺伝子や増殖因子により活性化さ
れ細胞増殖、癌化および癌形質の維F,+7に重要な役
割を演じている代謝回転、をも阻害する。例えば3X1
0”個/m+となるようなヒト上皮性力ルシノーマ細胞
A431は、上皮性細胞増殖囚子EGFによりイノシト
ールリン脂質代謝回転が急速に促進される〔バイオケミ
ストリー(Biochemistry 20 [i28
0−Ei2gB (1981) )。イノスタマインン
は濃度依.存的にこのイノシトールリン脂質代謝回転を
阻害し、IC5o値は0.52μg/mlであった。
一方ICRマウスの皮下に2×106個/マウスのエー
リッヒ・カルシノーマ細胞を移植し、移植1日後より本
発明によるイノスタマイシンの溶液を0.25’mlず
つ9日間腹腔内に注射した。
15日目に固形癌重量を測定し、その結果が下表に示さ
れている。
投与量   結  果 μg/マウス/日 固形癌重74 (mg=!:SD)
  阻害率(%)0        1164±295
     00.98      587±296  
  493.9       537±289    
 5315.6       372+169    
 6862.5       401±137    
 65イノスタマイシン投与群では、0.98〜62.
511g/マウス/日で制癌効果が示されている。
上記のように、本発明によるイノスタマイシンは、抗腫
瘍性およびイノシトールリン脂質代謝回転阻害活性を示
すことが明らかにされた。従って、本発明によるイノス
タマイシンは抗腫瘍剤およびイノシトールリン脂質代謝
回転阻害剤として使用することができる。また本発明に
よる化合物は、このイノシトールリン脂質代謝回転阻害
活性によって、動脈硬化などの循環器系疾患などの治療
剤として使用できる可能性をも有している。
抗腫瘍剤 抗腫瘍剤としての本発明化合物は合I]的的な任意の投
与経路で、また、採用投与経路によって決る剤型で、投
与することができる。薬剤としては、製薬上許容される
担体あるいは希釈剤で希釈された形態が普通である。
抗腫瘍剤として本発明化合物を実際に投与する場合には
、これらを注射用蒸溜水または生理食塩水に溶解して注
射する方法か代表的なもののひとつとして挙げられる。
具体的には、動物の場合には腹腔内注射、皮下注射、静
脈または動脈への血管内注射および注射による局所投与
なとの方法が、ヒトの場合は静脈または動脈への血管内
注射または注,射による局所投与などの方法かある。
本発明化合物の投与量は、動物試験の結果および種々の
状況を勘案して、連続的または間欠的に投与したときに
総投与量が一定量を越えないように定められる。具体的
な投与間は、投与方法、患者または被処理動物の状況、
たとえば年齢、体重、性別、感受性、食餌、投与時間、
併用する薬剤、27 一 患者またはその病気の程度に応じて変化することは言う
までもなく、また一定の条件のもとにおける適量と投与
回数は、上記指針をちととして専門医の適量決定試験に
よって決定されなければならない。具体的には、成人一
日あたり、0.001〜0.1g程度である。
イノシトールリン脂、質代謝回転阻害剤イノシトールリ
ン脂質代謝回転阻害剤としての本発明化合物は、癌化あ
るいは動脈硬化などにおける細胞増殖の機構解明のため
の試薬として用いられると共に、動脈硬化などの循環器
系疾患の治療剤として使用できる可能性を有しているも
のであり、該試薬に用いる場合には、たとえば癌細胞、
動脈硬化組織細胞などの増殖の活発な細胞の培養液中に
、必要に応じて種々の細胞増殖因子(例えばEGFSP
DGFなど)と組み合わせて、そのまま、あるいは安定
剤などを加えた水溶液あるいは粉末などの形態で任意の
濃度で加えるなどして用いることができる。
実験例 実施例 1)種母の調整 使用した培地は、下記の組成の成分を1リットルの水に
溶解してpH7.4に調整したものである。
ガラクトース      20g デキストリン      20g バクトソイトン     10g コーンスティーブリ力−  5g 硫酸アンモニウム     2g 炭酸カルシウム      2g (殺菌前 pH7.4) 上記培地100mlを500mlのイボ付き三角フラス
コヘ分注し、殺菌後、ストレプトミセス・エスピーMH
81 6−AF1 5をスラントより1白菌耳接種し、
30℃にて5目間振とぅ培養したものを種母とした。
2)使用した培地は、下記の組成の成分を1リットルの
水に溶解して、pH7.4に調整したちのてある。
グリセロール      20g デキス1・リン      20g バクトソイトン      コOg イーストエキス      3g 硫酸アンモニウム     2g 炭酸カルンウム      2g (殺菌前 pH7.4) 上記培地110mlを500ml溶三角フラスコに分注
殺菌した物へ、上記種母3%を添加し、27℃にて6日
間培養を行なった。
3)イノスタマイシンの採取 上記の条件で培養後、培養液(5リットル)を罎過し、
冫戸液を等量の酢酸エチルで抽出する。菌体はアセトン
で抽出後、アセトンを除き酢酸エチルで抽出し、酢酸エ
チル層を集め濃縮乾固する。
これを少量のクロロホルムに溶解し、不溶物を除いた後
、シリカゲル(メルク社製「キーゼルゲル」)のカラム
(4 cmφX1.5cm)に吸着させ、クロロホルム
ーメタノール(100:1)で溶出する。活性フラクシ
ョンを濃縮乾固し、アセI・ニトリルを添加し、その不
溶性画分をヘキサンージク口口メタンで結晶化すること
によりイノスタマイシンの結晶42.2mgを得る。
【図面の簡単な説明】
第1図はイノスタマイシン●ナトリウム塩のKBrディ
スク法による赤外吸収スペクトルを模写したものである
。 第2図及び第3図はそれぞれイノスタマイシン・ナトリ
ウム塩の重クロロホルム中における500MHzプロト
ン及び125MHz炭素13核磁気共鳴スペクトルを模
写したものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、次式( I )で示される化合物イノスタマイシンま
    たはその塩。 ▲数式、化学式、表等があります▼( I ) 2、次式( I )で示される化合物イノスタマイシンま
    たはその塩を有効成分とするイノシトールリン脂質代謝
    回転阻害剤。 ▲数式、化学式、表等があります▼( I ) 3、次式( I )で示される化合物イノスタマイシンま
    たはその塩を有効成分とする抗腫瘍剤。 ▲数式、化学式、表等があります▼( I ) 4、ストレプトミセス属に属し、イノスタマイシンの生
    産能を有する菌株を適当な培地で好気的に培養し、その
    培養物より化合物イノスタマイシンを得ることを特徴と
    する、次式( I )で示されるイノスタマイシンの製造
    法。 ▲数式、化学式、表等があります▼( I )
JP5085189A 1989-03-02 1989-03-02 新規物質イノスタマイシン、その使用および製造 Pending JPH02229189A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5085189A JPH02229189A (ja) 1989-03-02 1989-03-02 新規物質イノスタマイシン、その使用および製造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5085189A JPH02229189A (ja) 1989-03-02 1989-03-02 新規物質イノスタマイシン、その使用および製造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH02229189A true JPH02229189A (ja) 1990-09-11

Family

ID=12870224

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5085189A Pending JPH02229189A (ja) 1989-03-02 1989-03-02 新規物質イノスタマイシン、その使用および製造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH02229189A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003033491A1 (fr) * 2001-10-16 2003-04-24 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Composition medicinale de prevention ou de soulagement d'effets secondaires chez les patients souffrant de cancer et composition anticancereuse medicinale

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003033491A1 (fr) * 2001-10-16 2003-04-24 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Composition medicinale de prevention ou de soulagement d'effets secondaires chez les patients souffrant de cancer et composition anticancereuse medicinale

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2802097B2 (ja) 新規な制癌抗生物質mi43―37f11及びその製造法
EP0185456A2 (en) CL-1577D and CL-1577E antibiotic/antitumor compounds, their production and use
JPH02229189A (ja) 新規物質イノスタマイシン、その使用および製造
JPH1045738A (ja) 抗生物質エポキシキノマイシンcおよびdとその製造法ならびに抗リウマチ剤
JPH08239379A (ja) 新規物質kr2827誘導体、その製造法および使用
JP2706843B2 (ja) 新規アントラキノン誘導体、その製造方法及び該誘導体を含有する抗腫瘍剤
JP3066166B2 (ja) 新規化合物hc34、その使用および製造
JP2879394B2 (ja) ベンズアントラセン誘導体、該誘導体を含有する抗腫瘍剤及びその製造方法
JPH0259596A (ja) 新規物質、その使用および製造
JPH0495069A (ja) 新規生理活性物質ec40
JPH0367077B2 (ja)
JPS59148795A (ja) アントラサイクリン化合物、その製造法およびその用途
JPH02221292A (ja) 新規物質02―3、その使用および製造
JPS63203676A (ja) 新規物質kr2827
JPH04316573A (ja) 新規化合物cf‐24、その使用および製造
JPH0149357B2 (ja)
JPH07277971A (ja) 抗腫瘍剤、ヒト腫瘍細胞に対する選択的細胞障害剤、ヘプテリジン酸クロロヒドリンの生産菌及びその製造方法
JPH0279987A (ja) 新規物質al081、その使用および製造法
JPH0585998A (ja) 新規化合物ca39‐aおよびca39‐b、ならびにその使用および製造
JPH03232887A (ja) 新規物質bk97、その使用および製造
JPH01290673A (ja) 新規物質k3543r1、その使用および製造
JPS63203695A (ja) 新規物質k818
JPH06157520A (ja) 新規物質hq24
JPH06135982A (ja) 新規生理活性物質hr04
JPS6025999A (ja) アンスラサイクリン化合物ag−2およびその用途