JP3103038B2 - 拡底アンカー工法 - Google Patents

拡底アンカー工法

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JP3103038B2
JP3103038B2 JP08333132A JP33313296A JP3103038B2 JP 3103038 B2 JP3103038 B2 JP 3103038B2 JP 08333132 A JP08333132 A JP 08333132A JP 33313296 A JP33313296 A JP 33313296A JP 3103038 B2 JP3103038 B2 JP 3103038B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、底部の拡孔され
たアンカー孔を形成してアンカーを施す拡底アンカー工
法に関する。
【0002】
【従来の技術】土砂の崩壊を防止するために、たとえ
ば、コンクリート体としてなる山留壁等の構造物が設け
られている。この山留壁(構造物)は、たとえば、背面
の地盤に含まれる湧水(地下水)の水圧を負担するよう
に、止水性に優れた構造とされる。そして、土質調査等
の資料をもとに背面の地盤に含まれる湧水の水位を想定
し、山留壁に作用する湧水の水圧を計算して、山留壁が
設計されている。
【0003】そして、山留壁背後の地盤安定化のため
に、アンカーが施されている。アンカーは、削孔機(ボ
ーリング機)により山留壁から地盤に掛けて削孔したア
ンカー孔への、PC鋼より線等の緊張材を主体とするアン
カーテンドンの挿入、固定によって施され、このアンカ
ーテンドンによる引張力を地盤に伝達することにより、
要耐力を得て地盤の安定化をはかっている。
【0004】ところで、このようなアンカーにおいて
は、地盤改良といわれる地盤の強化によって、アンカー
に生じる引張力、いわゆるアンカーの耐力を高める工法
が知られている。
【0005】このようなアンカー工法として、たとえ
ば、アンカー定着長部のアンカー孔の口径を、アンカー
自由長部の口径より拡径(拡底)することで、地盤に対
するアンカーの強固な固定、定着を得ようとする、いわ
ゆる拡底アンカー工法が提供されている。このような拡
底アンカー工法として、たとえば、特開平06−002333号
公報に開示のものが例示できる。
【0006】この公知の拡底アンカー工法によれば、外
管によって削孔したアンカー孔の底部を、内管先端のノ
ズルからの高圧水の噴射のもとで深く広く削孔し、その
後、高圧水に代えてセメントミルクを内管のノズルから
噴射することによって地盤改良を行っている。
【0007】この工法によれば、通常の削孔機によるア
ンカー孔の削孔で足りるとともに、拡底部分の特定化が
容易にはかられるため、アンカー孔全体を大口径とする
工法、薬液を使用する工法、および、大型の特殊機械を
使用する工法等の公知の他の工法に比べて削孔時間が短
縮でき、削孔に要するコストも低減化できる。
【0008】そして、アンカー定着長部を部分的に拡径
すれば足りるため、削孔の際における泥水の発生が低減
でき、周囲の汚染が抑制できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平06−002333号公報に開示する公知の拡底アンカー工
法においては、高圧水の噴射によってアンカー孔を深く
かつ広く削孔するため、拡孔作業時に噴射した高圧水に
起因する泥水の発生は避けられない。そして、この削孔
の際に生じた泥水は、通常、アンカー定着長部、つまり
は拡開した拡底部分に溜められるため、セメントミルク
等のグラウト材がアンカー定着長部に注入されると、こ
の泥水はグラウト材に混合される。
【0010】グラウト材に泥水が混合されると、グラウ
ト材の希薄化に伴う部分的な固化不良等により、アンカ
ー定着長部において形成されるセメント幹体が不均一な
形状となりやすい。そのため、アンカー定着長部におけ
るアンカーテンドンの定着強度の低下を招く虞れがあ
る。
【0011】また、公知の工法においては、内管からの
高圧水の噴射によって、アンカー孔を外管による削孔深
度より更に深くかつ広く削孔するため、拡底されたアン
カー孔の底部位置は、外管の先端位置からアンカー定着
長部の長さだけ離反されることになる。そして、外管の
先端がアンカー定着長部とアンカー自由長部との境界部
分に位置するため、この外管を介して挿入されたアンカ
ーテンドンが外管から突出すると、アンカーテンドンを
支持する手段は皆無となり、アンカーテンドンの先端が
その自重等によって湾曲し、アンカー孔のセンター位置
からずれる虞れがある。
【0012】このような湾曲等による、アンカー孔のセ
ンター位置からのアンカーテンドンのずれは、地盤等に
対する緊張力の伝達の妨げとなるため、アンカーとして
の機能の低下を招く虞れがある。
【0013】この発明は、アンカー定着長部における定
着強度の向上をはかる拡底アンカー工法の提供を目的と
している。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明によれば、二重管としてなる削孔機の削孔
管の外管によって、アンカー全長の予定深度まで、アン
カー孔を構造物から地盤に掛けて一旦削孔し、その後、
アンカー定着長部の予定長に相当する長さ分だけ、当該
外管を引き上げて保持する。また、上記外管の先端か
ら、削孔管の内管をアンカー孔の底部方向にのばし、当
該内管を回転させながら、内管先端部周面のノズルから
アンカー孔の周面方向に所定の改良剤を高圧噴射して、
アンカー定着長部の拡径および地盤改良を行う。
【0015】そして、上記外管内から上記内管を引き抜
いて回収した後、再度、上記外管をアンカー孔の底部位
置まで押し込み、当該外管内部からセメントミルクを注
入してアンカー定着長部のグラウトを行うとともに、当
該外管を介して、所定のアンカーテンドンをアンカー孔
内に挿入する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】この発明に係る拡底アンカー工法において
は、図1に示すような、底部の拡径(拡底)されたアン
カー孔12が、所定の削孔機によって、山留壁14等の構造
物と地盤16とに掛けて削孔される。そして、このアンカ
ー孔12に、PC鋼より線18等の緊張材を主体としたアンカ
ーテンドン20を挿入するとともに、アンカー定着長部L1
をグラウトしてPC鋼より線(緊張材)を緊張、定着させ
ることで、地盤16の安定化をはかっている。
【0018】この発明の拡底アンカー工法においては、
図2(A) に示すような、内管22-Iと外管22-Oとの二重管
としてなる削孔管22を備えた削孔機が削孔の際に使用さ
れ、まず、ビット24を先端に有する外管22-Oによって、
アンカー全長L0の予定深度まで、外管に対応する口径の
アンカー孔12を一旦削孔する。
【0019】ここで、この発明においては、外管22-Oで
アンカー全長L0のアンカー孔12を削孔した後、図2(B)
に示すように、外管の先端をアンカー自由長部L2の先端
予定位置に整列させるように、アンカー定着長部L1の予
定長に相当する長さだけ外管を引き上げて保持してい
る。
【0020】そして、次に、図3(A) に示すように、た
とえば、内管22-Iを外管22-Oの先端からアンカー孔12の
底部位置まで一旦のばし、この位置から、内管を回転さ
せながら引き込んで、内管先端のビット26に設けられた
特殊差圧弁としてなるノズル28から、所定の改良剤30を
アンカー孔の周面方向に高圧噴射する。改良剤30とし
て、たとえば、高強度タイプのセメント系グラウトが利
用され、このセメント系グラウトは、200Kg/cm2 の常用
圧力および0.08m3/ 分の吐出量のもとで、内管のノズル
28から噴射される。
【0021】外管22-Oの引き上げによって残されたアン
カー孔12のアンカー定着長部L1の周面は、この改良剤30
の高圧噴射のもとで半径方向外方に拡大(拡径)される
ため、アンカー孔の底面位置から外管先端までの、内管
22-Iの引き込みのもとでの改良剤の高圧噴射によって、
外管により削孔されたアンカー孔の口径、つまりはアン
カー自由長部L2の口径に対するアンカー定着長部の拡底
が得られる(図3(B)参照)。
【0022】このように、この発明においては、アンカ
ー孔12のアンカー定着長部L1の周面に改良剤30を高圧噴
射することにより、アンカー定着長部の地盤改良が、改
良剤30の高圧噴射による当該部分の拡径工程において同
時に行われる。
【0023】改良剤30の高圧噴射によってアンカー孔12
のアンカー定着長部L1の拡径、地盤改良を行った後、内
管22-Iを外管22-Oから引き抜いて回収し、図4(A) に示
すように、外管22-Oを、アンカー孔12の底部位置まで再
度押し込む。そして、この押し込んだ状態の外管22-Oを
介してグラウト材、たとえばセメントミルクを注入して
アンカー定着長部L1のグラウトを行うとともに、このグ
ラウト後、同様に外管を介して、アンカーテンドン20を
アンカー孔内に挿入する(図4(B) 参照)。
【0024】その後、アンカーテンドン20を残した状態
で、アンカー孔12から外管22-Oを引き抜いて回収し(図
1参照)、通常のアンカー工法によってアンカーテンド
ン、ひいてはPC鋼より線18の緊張、定着が施される。つ
まり、アンカー定着長部L1の固定されたアンカーテンド
ンのPC鋼より線18をジャッキ等による牽引によって緊張
し、アンカープレート、アンカーヘッド(いずれも図示
しない)によるアンカー頭部の固定によって、地盤16の
定着がはかられる。
【0025】上記のように、この発明の拡底アンカー工
法では、外管のビット24で削孔したアンカー孔12の口径
を、改良剤30の高圧噴射のもとでアンカー定着長部L1の
範囲にわたって拡径(拡底)している。つまり、公知の
工法と異なり、この発明においては、アンカー定着長部
L1の拡径工程において高圧水を使用することがない。そ
して、改良剤30の高圧噴射によってアンカー定着長部L1
の拡径を行うことにより、改良剤が地盤16と攪拌されて
固化するため、拡径工程における泥水の発生が十分に抑
制できる。
【0026】そのため、アンカー孔12の削孔時における
泥水の発生が一層低減でき、泥排水の比較的容易な処理
のもとで、作業の簡素化が容易にはかられる。従って、
周囲の汚染が確実に防止できる。
【0027】そして、アンカー定着長部L1の拡径工程に
おける泥水の発生が十分に低減されるため、アンカー定
着長部に泥水が溜り難くなる。つまり、アンカー定着長
部L1におけるグラウト材、改良剤30への泥水の混入量が
確実に抑制できるため、グラウト材等の希薄化の防止に
より、アンカー定着長部におけるPC鋼より線18の定着強
度が確実に向上される。
【0028】また、高圧噴射された改良剤30が地盤16の
攪拌を伴って固化されるため、アンカー定着長部L1の拡
径、地盤改良の双方が一工程において可能となる。従っ
て、アンカー孔12の削孔工程数が削減でき、作業性が確
実に向上する。
【0029】更に、改良剤30によるアンカー定着長部L1
の拡径、地盤改良であるため、アンカー孔12の底部の地
盤16の崩落が一層生じ難くなる。そのため、軟弱層での
アンカー孔12の削孔においても、アンカーテンドン20が
地盤16の崩落に妨げられることなく、アンカー孔の底部
まで挿入できる。従って、この点からも、作業の確実性
が一層向上する。
【0030】ここで、この発明においては、アンカー定
着長部L1を拡径した後、再度、外管22-Oをアンカー孔12
の底部位置まで押し込み、この押し込み状態の外管を介
してグラウトを施すため、外管の内部には、地盤16や泥
水との混合のない状態のグラウト材が残される。そし
て、このようなグラウトを行った後に、この外管22-Oを
介してアンカーテンドン20を挿入するため、図4(B) に
示すように、このアンカーテンドンの回りはほぼ純粋な
グラウト材31によって固められることになる。
【0031】つまり、この発明によれば、改良剤30への
泥水の混入が十分に抑制されることに加えて、アンカー
テンドン20の回りに位置するほぼ純粋なグラウト材31に
よって、アンカーテンドンが確実に固定されるため、ア
ンカーテンドンの定着強度が一層向上する。
【0032】なお、この発明においては、アンカー孔12
の底部位置まで押し込んだ外管22-Oを介してアンカーテ
ンドン20をアンカー孔に挿入するため、外管がアンカー
テンドンの挿入の際のガイドとして機能して、アンカー
テンドンが、アンカー孔の拡底されたアンカー定着長部
L1のほぼセンター位置に挿入できる。従って、アンカー
孔12の拡底されたアンカー定着長部L1における、アンカ
ーテンドン20の挿入方向および配置位置の特定化が容易
にはかられる。
【0033】ところで、図1に示すように、この発明に
おいては、伸縮自在の複数の可動アーム32を持つスペー
サ34が、アンカーテンドン20のアンカー定着長部L1に配
設されている。
【0034】このスペーサ34は、支軸36の回りの複数箇
所、たとえば、等間隔離反した4ヶ所に回動自在な可動
アーム32を有して形成され、この可動アームが、板ばね
等の偏倚手段38によって、伸長方向、つまりは拡開方向
に偏倚されている。
【0035】この実施の形態においては、スペーサ34
が、アンカーテンドン20の耐荷体40の先端位置と、耐荷
体より後方の中間位置との2ヶ所に配置されている。
【0036】このようなスペーサ34は、偏倚手段38の偏
倚力に抗した可動アーム32の回動のもとでその外径が小
径化できるため、その小径化により、外管22-Oへのアン
カーテンドン20の挿入が容易に保障される。そして、図
4(B) に示すように、スペーサ34が外管22-Oの先端から
突出したとき、偏倚手段38の偏倚力のもとで可動アーム
32が拡開されるため、この可動アームでの支持によっ
て、アンカーテンドン20、つまりはPC鋼より線18が、ア
ンカー孔のアンカー定着長部L1のセンター位置に配置、
保持される。
【0037】つまり、このスペーサ34をアンカーテンド
ン20に設けることにより、アンカー孔12の拡底部分、つ
まりはアンカー定着長部L1においても、アンカーテンド
ン20の対応部分が拡底部分のほぼセンター位置に確実に
保持できるため、アンカーテンドンの機能が十分に得ら
れ、地盤16の定着強度が一層高く維持できる。
【0038】そして、このような伸縮自在な可動アーム
32を有するスペーサ34によれば、可動アームの縮小のも
とでの小径化が可能となるため、外管22-Oの内部の挿通
が容易に得られる。更に、外管22-Oからの突出のもと
で、可動アーム32が偏倚手段38の偏倚力のもとで自動的
に拡開されてスペーサ34を拡径するため、アンカー孔12
の拡底部分、つまりはアンカー定着長部L1における、セ
ンター位置でのアンカーテンドン20の支持が円滑、容易
に確保できる。
【0039】なお、この発明の実施の形態においては、
グラウト材31としてセメントミルクを例示しているが、
これに限定されず、たとえば、セメントペースト、セメ
ントモルタル等の他の液状体をグラウト材として利用し
てもよい。
【0040】上述した発明の実施の形態は、この発明を
説明するためのものであり、この発明を何等限定するも
のでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施さ
れたものも全てこの発明に包含されることはいうまでも
ない。
【0041】
【発明の効果】上記のように、この発明に係る拡底アン
カー工法によれば、改良剤の高圧噴射によってアンカー
定着長部の拡径、地盤改良を行うため、改良剤と地盤と
の攪拌によって拡径工程の際の泥水の発生が確実に抑制
される。そのため、アンカー孔の削孔時における泥排水
が比較的容易に処理でき、周囲の汚染が確実に防止でき
る。
【0042】そして、アンカー定着長部の拡径工程にお
ける泥水の発生の低減により、セメントミルクに混入さ
れる泥水の量が確実に抑制できるため、アンカー定着長
部のグラウトのもとで、均一な形状のセメント幹体が形
成できる。従って、アンカー定着長部におけるアンカー
テンドンの定着強度が確実に向上される。
【0043】また、高圧噴射された改良剤が地盤の攪拌
を伴って固化されるため、強固な地盤改良が容易に可能
となるとともに、アンカー定着長部の拡径、地盤改良の
双方が一工程において可能となる。従って、アンカー孔
の削孔工程数が削減でき、作業性が確実に向上する。
【0044】更に、改良剤による拡径作業であるため、
アンカー定着長部の周囲の地盤の崩落が生じ難い。その
ため、軟弱層でのアンカー孔の削孔においても、アンカ
ーテンドンが地盤の崩落に妨げられることなく、アンカ
ー孔の底部まで挿入できる。従って、この点からも、作
業の確実性が一層向上する。
【0045】また、アンカー定着長部を拡径した後に、
外管をアンカー孔の底部位置まで再度押し込み、この押
し込み状態の外管を介してグラウト材の注入、アンカー
テンドンの挿入を行うため、外管がガイドとなって、ア
ンカーテンドンがアンカー孔のセンター位置に確実に挿
入できる。
【0046】そして、外管を介したグラウト材の注入に
より、外管内部にはほぼ純粋なグラウト材が残されるた
め、このほぼ純粋なグラウト材によって、アンカーテン
ドンが確実に固定される。従って、アンカーテンドンの
定着強度が一層向上する。
【0047】更に、伸縮自在な可動アームを有するスペ
ーサは、可動アームの伸縮のもとで外管の内部への挿
通、および、アンカー定着長部でのスペーサの拡径が容
易に確保できるため、拡底アンカーにおける作業性、機
能性に優れている。つまり、このスペーサをアンカーテ
ンドンに設けることによって、アンカーテンドンがアン
カー定着長部のセンター位置に配置、保持できるため、
アンカーテンドンの定着、緊張による地盤の定着強度が
一層高く維持される。
【0048】また、内管を外管内に引き込みながら改良
剤を高圧噴射すれば、削孔時における地盤、改良剤等に
妨げられることのない、円滑な動作が内管に得られるた
め、アンカー定着長部におけるアンカー孔の拡径工程の
際の作業性が一層向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る拡底アンカー工法の概略図であ
る。
【図2】拡底アンカー工法の概略工程図である。
【図3】拡底アンカー工法の概略工程図である。
【図4】拡底アンカー工法の概略工程図である。
【符号の説明】
12 アンカー孔 14 山留壁(構造物) 16 地盤 20 アンカーテンドン 22 削孔機の削孔管 22-I 削孔管の内管 22-O 削孔管の外管 30 改良剤 32 可動アーム 34 スペーサ L0 アンカー全長(アンカー孔の予定深度) L1 アンカー定着長部 L2 アンカー自由長部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二重管としてなる削孔機の削孔管の外管
    によって、アンカー全長の予定深度まで、アンカー孔を
    構造物から地盤に掛けて一旦削孔し、その後、アンカー
    定着長部の予定長に相当する長さ分だけ、当該外管を引
    き上げて保持し、 上記外管の先端から、削孔管の内管をアンカー孔の底部
    方向にのばし、当該内管を回転させながら、内管先端部
    周面のノズルからアンカー孔の周面方向に所定の改良剤
    を高圧噴射して、アンカー定着長部の拡孔および当該部
    分の地盤改良を行い、 上記外管内から上記内管を引き抜いて回収した後、再
    度、上記外管をアンカー孔の底部位置まで押し込み、当
    該外管内部からグラウト材を注入してアンカー定着長部
    のグラウトを行うとともに、当該外管を介して、所定の
    アンカーテンドンをアンカー孔内に挿入する拡底アンカ
    ー工法。
  2. 【請求項2】 二重管としてなる削孔機の削孔管の外管
    によって、アンカー全長の予定深度まで、アンカー孔を
    構造物から地盤に掛けて一旦削孔し、その後、アンカー
    定着長部の予定長に相当する長さ分だけ、当該外管を引
    き上げて保持し、 上記外管の先端から、削孔管の内管をアンカー孔の底部
    方向にのばし、当該内管を回転させながら、内管先端部
    周面のノズルからアンカー孔の周面方向に所定の改良剤
    を高圧噴射して、アンカー定着長部の拡孔および当該部
    分の地盤改良を行い、 上記外管内から上記内管を引き抜いて回収した後、再
    度、上記外管をアンカー孔の底部位置まで押し込み、当
    該外管内部からグラウト材を注入してアンカー定着長部
    のグラウトを行うとともに、 アンカー孔に挿入されるアンカーテンドンが、偏倚手段
    の偏倚力のもとで伸長可能な伸縮自在の複数の可動アー
    ムを持つスペーサを、定着長部に有して形成され、上記
    外管を介して、所定のアンカーテンドンをアンカー孔内
    に挿入し、外管からの突出位置における、可動アームの
    伸長に伴うスペーサの拡径によって、アンカーテンドン
    の定着長部をアンカー孔の拡孔部のセンター位置に保持
    可能とする拡底アンカー工法。
  3. 【請求項3】 内管を、外管内からアンカー孔の底部位
    置まで一旦のばし、内管を回転させて引き込みながら、
    内管先端部周面のノズルからアンカー孔の周面方向に改
    良剤を高圧噴射する請求項1または2記載の拡底アンカ
    ー工法。
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