JP3102373B2 - 周波数シンセサイザ - Google Patents

周波数シンセサイザ

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JP3102373B2 JP09056759A JP5675997A JP3102373B2 JP 3102373 B2 JP3102373 B2 JP 3102373B2 JP 09056759 A JP09056759 A JP 09056759A JP 5675997 A JP5675997 A JP 5675997A JP 3102373 B2 JP3102373 B2 JP 3102373B2
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は周波数シンセサイザ
に関し、特に所定周期で分周比を変化させることのでき
る分数分周型周波数シンセサイザに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、PLL(Phase Lock
ed Loop)シンセサイザにおいては、大容量のシ
ステムに対応するために、チャンネル間隔が小さい場合
には、PLLループの分周比が大きくなり、基準周波数
が低くなるために高速化が難しくなる。従来は、高速化
を実現するために、可変分周器の分周比を時間的に変化
させ、等価的に分数の分周比を実現する分数分周方式が
採られていた。例えば、足立寿史,小杉裕昭,上野伴
希,中部考治による電子情報通信学会論文誌´93/1
1 Vol.J76−C−1 No.11,(1993
年11月発行)の445〜451頁に記載されている。
【0003】同方式のPLLシンセサイザにおいては、
図7に示されるように分数値1/{M+(k/L)}を
分周比とし、基準周波数を出力周波数のチャンネル間隔
の任意の整数倍に設定できる。したがって、基準周波数
を高くしてPLLの応答を求めることができる。同図に
おいては、位相比較器(PD)1,チャージポンプ回路
(CP)2,ループフィルタ(LPF)3,電圧制御発
振器(VCO)4及び可変分周器5によってPLLを形
成している。そして、分周比の分数化(N→M+(k/
L))は、同図中の加算器(adder)6及びラッチ
回路(latch)7からなるアキュムレータ8と、可
変分周器5とにより、実現される。なお、制御部9は、
可変分周器5に「M」を与え、加算器6に「k」を与え
る。
【0004】かかる構成において、アキュムレータ8は
基準周波数に等しいクロックによりカウントを行う。そ
して、加算器からオーバフロー信号OFが出力された
時に可変分周器5の分周比をM+1とする。一方、オー
バフロー信号が発生しない時には可変分周器5の分周比
はMを保つものとする。ここで、図8に示されているよ
うに、基準信号の1周期1/f2を1クロックとし、1
クロック(時間T)の間に1度だけ分周比をMからM+
1に変化させるとき、時間Tにおける分周比の平均値は
M+1/Lで示される。1/Lはk/Lに拡張して考え
ることができ、k=0,1,2,…とすることによって
1/Lステップで分周比を決定できる。
【0005】位相比較器1の感度をKPD,電圧制御発振
器4の感度をKV ,出力周波数をfout ,基準周波数を
fref とすると、ループゲインKO は、 KO =KV ・KPD/n=KV ・KPD/(fout /fref
) となる。よって、ループゲインKO は、nが小さいと
き、すなわちfref が高いときに大きくなり、収束の時
間を短縮できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した分数分周方式
では、分周比が時間Tを基本周期として変化し、1/T
とその整数倍の周波数成分が位相比較器の出力信号に現
れる。すると、電圧制御発振器の出力信号が変調され、
中心周波数近傍に高いレベルのスプリアスが発生すると
いう欠点がある。
【0007】本発明は上述した従来技術の欠点を解決す
るためになされたものであり、その目的は収束同期時に
スプリアスを除去し位相雑音を低減することのできる周
波数シンセサイザを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による周波数シン
セサイザは、発振出力信号と基準信号との位相差を示す
パルス信号に応じて発振する発振器を含む位相同期ルー
と、前記位相同期ループがロック状態であるときに前
記パルス信号を間引く間引き手段とを有する周波数シン
セサイザであって、前記位相同期ループは、入力される
制御電圧に応じた繰返し周波数を有する信号を出力する
電圧制御発振手段と、周期1/Nで変化させることので
きる分周比で前記電圧制御発振手段の出力を分周するN
分数型分周手段と、この分周手段の出力と基準信号との
位相を比較しその位相差に対応する制御信号を出力する
位相比較手段と、この制御信号の直流成分を前記電圧制
御発振手段に与える濾波手段とを含み、 前記間引き手段
は、前記位相同期ループがロック状態であるとき前記周
期1/N毎に1回だけ前記位相比較手段から出力される
制御信号を前記濾波手段に与えることを特徴とする。
【0009】本発明による他の周波数シンセサイザは、
発振出力信号と基準信号との位相差を示すパルス信号に
応じて発振する発振器を含む位相同期ループと、前記位
相同期ループがロック状態であるときに前記パルス信号
を間引く間引き手段とを有する周波数シンセサイザであ
って、 前記位相同期ループは、入力される制御電圧に応
じた繰返し周波数を有する信号を出力する電圧制御発振
手段と、周期1/Nで変化させることのできる分周比で
前記電圧制御発振手段の出力を分周するN分数型分周手
段と、この分周手段の出力と基準信号との位相を比較し
その位相差に対応する制御信号を出力する位相比較手段
と、この制御信号の直流成分を前記電圧制御発振手段に
与える濾波手段とを含み、 前記間引き手段は、前記位相
同期ループがロック状態であるとき前記周期1/N毎に
1回だけ前記位相比較手段から出力される制御信号を前
記濾波手段に入力し該濾波手段の出力を前記電圧制御発
振手段に与えることを特徴とする
【0010】要するに本周波数シンセサイザは、位相同
期ループがロック状態にあるときに、分数分周比の変調
周期の周期T毎に1パルスのみ位相比較信号を伝達させ
る機能を設けることによって、PLLの位相比較サイク
ルを1/Tとし、整数分周型シンセサイザと等価の動作
を実現しているのである。これによって、位相同期ルー
プがロック状態にあるときにおけるスプリアスの発生を
抑制しているのである。
【0011】なお、特開平3−198424号公報及び
特開平7−111454号公報はPLLの高速引込みに
関するものであり、上記欠点を解決することはできな
い。
【0012】つまり、本周波数シンセサイザは、N分数
分周型シンセサイザであって、位相比較出力のNパルス
毎に選択伝達する機能を有している。そして、チャンネ
ル切換え時には通常の分数分周型シンセサイザとして動
作し、収束同期時には位相比較信号の出力サイクルを分
周比変調周期にまで落として動作させる制御部を備えて
いる。
【0013】より具体的には、位相比較器の比較信号入
力前段に、ロック確認時に分周比変調周期T毎に1パル
スのみ、基準信号と分周信号との比較信号を位相比較器
に出力する比較信号の入力選択回路を有するPLL系を
構成している。そして、位相比較器においては、位相差
が一定値以下となり、同期収束状態に入ったと判断され
た時にロック信号を出力する。そして分数分周信号の変
調器T毎に1パルスのみ基準信号と分周信号の比較信号
を位相比較器に出力し、分周比変調時の位相差の生じた
比較信号は出力しない。このため、伝達する位相比較信
号には1/Tとその整数倍の周波数成分が現れることが
なく、電圧制御発振器の出力信号へのスプリアスの発生
が抑制される。
【0014】また、他の実現手段としては、位相比較器
の後段においてロック確認時に、分周比変調周期T毎に
位相比較出力を1パルスのみループフィルタに伝える出
力信号濾波回路を有する系がある。かかる場合はロック
時に分数分周器と基準信号の位相比較信号が全て出力さ
れず、分数分周信号の変調周期T毎に1パルスのみ出力
される。したがって、分周比が周期Tで変調することに
よる一定位相の基準周波数信号との間に生じるミスフィ
ット(misfit)による比較出力がキャンセルされ
る。このため、電圧制御発振器の出力が分周比変調の影
響を受け、スプリアスを発生させることはない。
【0015】さらに、他の実現手段として、チャージポ
ンプ部(CP)においてロック確認時に分周比変調周期
T毎に位相比較出力信号に対して1パルスの信号のみに
おいて後段のループフィルタ内のコンデンサの充放電を
行うCP電流遮断・導通制御による系もあげられる。か
かる場合は、ロック時に位相比較信号出力の全てに対し
て後段に接続れるループフィルタのコンデンサの充放電
の電流出入の動作を行わず、分数分周信号の変調周期T
毎に1パルスのみ充放電のための電流出入動作を行う。
分周比が周期Tで変調することによる一定位相の基準周
波数信号との間に生じるミスフィットによる比較出力は
PLL動作に反映されない。よって、電圧制御発振器の
出力が分周比変調の影響を受け、スプリアスを発生させ
ることはない。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の一形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0017】図1は本発明による周波数シンセサイザの
実施の一形態を示すブロック図であり、図7と同等部分
は同一符号により示されている。
【0018】同図において、本発明の実施の形態による
分数分周型シンセサイザでは、従来のものと同様に、入
力される制御電圧に基づき出力周波数を発生する電圧制
御発振器4と、出力周波数を分周して分周信号を出力す
る可変分周器5と、分周信号と基準信号との位相比較を
行い、位相差電流を出力する位相比較器1と、この位相
差電流のフィルタリングを行い電圧制御発振器4への制
御電圧を出力するループフィルタ3とでPLLループを
形成している。可変分周器5においては、以下のように
分周比を変えている。すなわち、アキュムレータ8内で
基準周波数でLクロック加算カウントを行うと、設定分
数分周比「M+k/L」の「k」の値に応じてオーバフ
ロー信号OFが発生する。このオーバフロー信号OFで
分周比をMからM+1に変えているのである。
【0019】また、本実施の形態では、kではなく1ず
つ加算を行い、基準信号でLクロックカウントした時に
発生するオーバフロー信号OF2を利用して、T周期毎
に1パルスのみ位相比較器1に比較信号を伝達してい
る。位相比較器1の比較信号入力前段に設けられている
比較信号入力選択回路20では、変調周期T毎に1パル
スのみ基準信号と分周信号の比較信号が位相比較器1に
入力される。
【0020】比較信号入力選択回路20は、PLLのロ
ック状態において位相比較器1から出力されるロック信
号LOCKを反転した信号とオフセット信号OF2´と
の論理和を演算するオアゲート17と、このオアゲート
17の出力を夫々入力の一方とするアンドゲート18及
び19とを含んで構成されている。アンドゲート18の
もう一方の入力には可変分周器5の出力fV が印加さ
れ、アンドゲート19のもう一方の入力には入力信号f
r が印加されている。
【0021】さらに比較信号入力選択回路20は、アキ
ュムレータ8内の加算器6及びラッチ回路7と同様にカ
ウント動作を行ってオフセット信号OF2を出力する加
算器13及びラッチ回路14と、出力fV と入力信号f
r との論理和を演算するオアゲート15と、このオアゲ
ート15の出力をクロック入力とし、オフセット信号O
F2をD入力とするフリップフロップ16とを含んで構
成されている。このフリップフロップ16のQ出力が上
述したオフセット信号OF2´となる。
【0022】また、PLLのロック状態において位相比
較器1から出力されるロック信号LOCKは、初期位相
制御回路12にも入力される。初期位相制御回路12
は、入力信号fr をクロック入力とし、ロック信号LO
CKの出力がローレベルに遷移するタイミングでリセッ
トされるフリップフロップ10と、このフリップフロッ
プ10のQ出力とロック信号LOCKを反転した信号と
の論理和を演算するオアゲート11とを含んで構成され
ている。オアゲート11の出力は、リセット信号RES
ETとしてアキュムレータ8内の位相比較器5及び制御
部9に与えられる。
【0023】かかる構成において、PLLループがロッ
ク状態のときにのみ位相比較器1からロック信号LOC
Kが出力され、オアゲート17を介してオフセット信号
OF2´がアンドゲート21及び22に入力される。オ
フセット信号OF2´は図1の場合と同様に、変調周期
T毎に1パルスのみハイレベルになるので、位相比較器
1に入力されるパルスが間引かれることになる。したが
って、位相比較器1は、PLLループがロック状態のと
き、変調周期T毎に1パルスのみ位相比較動作を行うこ
とになる。
【0024】この図1に示されている周波数シンセサイ
ザの各部の動作について図2のタイミングチャートを参
照して説明する。同図のタイミングチャートは、分数分
周比を、M+k/L(=4+1/4)に簡略化した例で
ある。なお、同図において図1中の信号と同一の信号は
同一符号により示されている。分数分周器5の分周開始
後、基準信号fr によりアダー6,ラッチ7でk(同図
ではk=1)ずつカウントし、L値(同図ではL=1)
をオーバフローした時にオーバフロー信号OFが発生す
る。このオーバフロー信号OFの発生区間においては分
周比をM+1(同図では4+1=5)とする。オーバフ
ロー信号OFによる分周比のM+1への変化は分周信号
Lクロックパルス間にk回(0≦k≦L,kは整数)起
こり得るが、その周期はT/a(aはk,Lの最大公約
数、図1では1)で表される。
【0025】分数分周方式の位相同期ループで、位相差
が一定値以下となりロックが確認された時、位相比較器
1からロックLOCK信号が出力される。このロック信
号を入力とする初期位相制御回路12により分数分周器
5をリセットする。こうすることにより、分周信号の第
1パルス出力と基準信号との位相を揃えて(図中)、
分周動作を開始させることができる。
【0026】分数分周器5は4+1/4分周を行う場
合、オフセット信号OFの発生する分周出力4パルス目
までは4分周を行い(N=4)、5パルス目(N=5)
のみ4+1分周後に立上る(図中)。このため、図2
に示されているようにロック時にも(2)〜(4)パル
スにおいて基準信号との間に位相差が生じる。
【0027】ロック信号検出後の分数分周器5のリセッ
ト後に、同様に基準信号毎に1ずつ加算するアダー13
でLカウントした時に発生するオーバフロー信号OF2
が、フリップフロップ16に入力される。フリップフロ
ップ16のQ出力は次の基準信号fr 及び分周信号fv
の立上り時にハイレベルとなり、更に続く両比較信号の
立上り時にローレベルとなる。このフリップフロップ1
6の出力がオーバフロー信号OF2´となる。
【0028】このオーバフロー信号OF2´とロック検
出信号(Lock)を反転したものとの論理和をオアゲ
ート17で演算する。これにより、比較信号入力選択回
路20は、基準信号fr と分周信号fv の比較信号を夫
々入力とするアンドゲート18,19により、アンロッ
ク状態の時には常時ハイレベルを出力し、位相比較器へ
の比較信号入力を妨げることはない。
【0029】逆に、ロック状態の時には比較信号の位相
の合った第1パルスからL(同図では(5))パルス目
の信号fr ,信号fv の立上りまでローレベルを出力
し、ロック状態であるにも関わらず、位相差を有する信
号fr ,信号fv の(2)〜(4),(6)〜(8),
(10)〜(12),…の各パルスを削除する。
【0030】aL+1(図2においてLは5,aは整
数)パルス(5),(9)…に関しては、その両比較信
号パルスの位相比較区間中はハイレベルを出力する。こ
のため、(5),(9)…パルスは位相比較器1に出力
され、同期収束にあれば、この分周比変調周期T毎に1
の分周信号パルスと基準信号とがロック状態であると判
断される。このときは一定値以下の微少な位相差が存在
するのみである。
【0031】ロック状態における位相同期ループは、分
周比N=M・L+k(=17)の整数分周型シンセサイ
ザと等価の動作を行う。したがって、分数分周型シンセ
サイザの分周比が周期T/1で変調することによる1/
Tとその整数倍の周波数成分とが位相比較の出力信号に
あらわれない。このため、同期収束時には電圧制御発振
器4の出力信号でのスプリアス発生が起こらない。
【0032】次に、本発明の他の実施形態による周波数
シンセサイザについて図3を参照して説明する。同図に
おいて、図1と同等部分は同一符号により示されてお
り、その部分の詳細な説明は省略する。同図に示されて
いる周波数シンセサイザの構成が図1のものと異なる点
は、位相比較器の前段ではなく、その後段で変調周期T
毎に1パルスのみ位相比較出力を伝達する回路を設けて
いる点である。つまり、位相比較器1から出力されチャ
ージポンプ回路2に入力されるパルスを、出力信号濾波
回路23によって間引く構成である。
【0033】より具体的には、位相比較器1とチャージ
ポンプ回路2との間にアンドゲート21及び22を設
け、これらアンドゲート21及び22の入力の一方にオ
アゲート17の出力を入力しているのである。
【0034】かかる構成において、図1の場合と同様
に、PLLループがロック状態のときにのみ位相比較器
1からロック信号LOCKが出力され、オアゲート17
を介してオフセット信号OF2´がアンドゲート21及
び22に入力される。オフセット信号OF2´は図1の
場合と同様に、変調周期T毎に1パルスのみハイレベル
になるので、位相比較器1からチャージポンプ回路2に
伝達されるパルスが間引かれることになる。したがっ
て、チャージポンプ回路2は、PLLループがロック状
態のとき、変調周期T毎に1パルスのみ位相比較器1の
出力に基づくチャージポンプ動作を行うことになる。
【0035】この図3に示されている周波数シンセサイ
ザの動作について図4のタイミングチャートを参照して
説明する。同図においても、図3中の信号と同一の信号
は同一符号により示されている。同図において、図1及
び図2の場合と同様に、オーバフロー信号OF2´とロ
ック信号LOCKを反転した信号との論理和をオアゲー
ト17で演算する。分数分周比の変調周期T毎に1回の
み位相比較区間としてハイレベルとなるオアゲート17
の出力信号は、アンドゲート22に入力され、位相比較
器1の位相比較出力である信号f1Vを反転した信号との
論理積が演算される。また、オアゲート17の出力信号
は、アンドゲート21にも入力され、位相比較器1の他
の位相比較出力である信号f1Dを反転した信号との論理
積が演算される。
【0036】したがって同期収束時には、これらアンド
ゲート21及び22の出力fV 及びfD が後段のチャー
ジポンプ回路2に入力されることになる。これらアンド
ゲート21及び22の出力fV 及びfD は、出力信号濾
波回路23の出力となる。このように、出力信号濾波回
路23から出力fV 及びfD が図4に示されているよう
に送出される結果、回路全体としては比較周波数fr×
T=fr/4,分周比M×L+h=17の整数分周型シ
ンセサイザと等価の動作が行われる。
【0037】次に、本発明の他の実施形態による周波数
シンセサイザについて図5を参照して説明する。同図に
おいて、図1及び図3と同等部分は同一符号により示さ
れており、その部分の詳細な説明は省略する。同図に示
されている周波数シンセサイザの構成が図1のものと異
なる点は、位相比較器の前段ではなく、その後段で変調
周期T毎に1パルスのみ位相比較出力を伝達する回路を
設けている点である。また、同図に示されている周波数
シンセサイザの構成が図1のものと異なる点は、チャー
ジポンプ回路2を、PLLループがロック状態のときに
は変調周期T毎に1回のみ動作させる点である。つま
り、充放電電流遮断導通制御回路27でチャージポンプ
回路2の動作を制御することによって、位相比較器1か
ら出力されるパルスを間引く構成である。
【0038】より具体的には、チャージポンプ回路2内
の電源側に電流遮断スイッチ25、接地側に電流遮断ス
イッチ26を夫々設け、これらスイッチ25及び26を
オアゲート17及びインバータ24でオンオフ制御して
いるのである。
【0039】かかる構成において、図1の場合と同様
に、PLLループがロック状態のときにのみ位相比較器
1からロック信号LOCKが出力される。すると、オア
ゲート17を介してオフセット信号OF2´がスイッチ
25及び26に入力され、かつ、インバータ24でオフ
セット信号OF2´が反転されてスイッチ25及び26
に入力される。このとき、スイッチ25及び26はオン
状態になる。
【0040】オフセット信号OF2´は図1及び図3の
場合と同様に、変調周期T毎に1パルスのみハイレベル
になるので、位相比較器1からループフィルタに伝達さ
れるパルスが間引かれることになる。したがって、ルー
プフィルタ3内のコンデンサは、PLLループがロック
状態のとき、変調周期T毎に1パルスのみ位相比較器1
の出力に基づく充放電動作を行うことになる。
【0041】この図5の周波数シンセサイザの動作につ
いて図6のタイミングチャートを参照して説明する。同
図においても、図5中の信号と同一の信号は同一符号に
より示されている。同図において、オーバフロー信号O
F2´とロック信号を反転した信号との論理和をオアゲ
ート17で演算する。そして、このオアゲート17の出
力がハイレベルの場合にのみチャージポンプ回路2内に
設けられた電流遮断スイッチ25及び26をオン状態に
させる。これらスイッチ25及び26がオン状態になる
ことにより、ループフィルタ3内のコンデンサCの充放
電動作を行わせる。一方、オアゲート17の出力がロー
レベルの場合には電流遮断スイッチ25及び26をオフ
状態にさせる。これらスイッチ25及び26がオフ状態
になることにより、ループフィルタ3内のコンデンサC
は充放電動作を行わない。
【0042】電流遮断導通制御回路27が以上の動作を
行うので、PLLでのループフィルタ電荷による電圧制
御発振器4の変調電圧VAPC には分数分周器の変調同期
T毎に1回だけ位相比較信号が反映される。したがって
回路全体としては、図1〜図4の場合と同様に、比較周
波数fr×T=fr/4,分周比M×L+h=17の整
数分周型シンセサイザと等価の動作が行われることにな
る。
【0043】以上のように、本周波数シンセサイザは、
分数分周型でありながら、同期収束時には整数分周型の
シンセサイザと等価のPLL動作を行っているのであ
る。これにより、PLL内の電圧制御発振器の出力信号
でのスプリアスの発生を抑制することができるのであ
る。また、同期収束時には、位相比較器による比較結果
の伝達を1/Tに縮小してPLLのループゲインを下げ
ることにより、同期収束時での電圧制御発振器の出力信
号の耐雑音特性を改善することができるのである。
【0044】要するに本周波数シンセサイザは、位相同
期信号をそのまま伝達する動作モードと、位相同期信号
のパルスを間引く動作モードとを有し、これら2つの動
作モードを切替えつつ動作しているのである。そして、
位相同期ループがロック状態でないときには位相同期信
号をそのまま伝達する動作モードとし、位相同期ループ
がロック状態であるときには位相同期信号のパルスを間
引く動作モードとしているのである。この動作モードの
切替えにより、位相同期ループがロック状態でないとき
に位相同期信号をそのまま伝達してロック状態への引込
みを速めることができ、かつ、位相同期ループがロック
状態であるときには位相同期信号のパルスを間引いてス
プリアスの発生を抑制することができるのである。
【0045】請求項の記載に関連して本発明は更に次の
態様をとりうる。
【0046】(1)入力される制御電圧に応じた繰返し
周波数を有する信号を出力する電圧制御発振手段と、周
期1/Nで変化させることのできる分周比で前記電圧制
御発振手段の出力を分周するN分数型分周手段と、この
分周手段の出力と基準信号との位相を比較しその位相差
に対応する制御信号を出力する位相比較手段と、この位
相比較手段の直流成分を前記電圧制御発振手段に与える
濾波手段とを含んで構成される位相同期ループを有する
周波数シンセサイザであって、制御指令が入力されてい
ないとき前記制御信号を前記電圧制御発振手段にそのま
ま与え前記制御指令が入力されているときに前記周期1
/N毎に1回だけ前記制御信号を前記電圧制御発振手段
に与える制御信号印加制御手段を含むことを特徴とする
周波数シンセサイザ。
【0047】(2)前記制御指令は、前記位相同期ルー
プがロック状態であるときにのみ発生することを特徴と
する(1)記載の周波数シンセサイザ。
【0048】(3)前記制御信号印加制御手段は、前記
制御指令が入力されているとき前記周期1/N毎に1回
だけ前記分周手段の出力及び前記基準信号を前記位相比
較手段に与え前記制御指令が入力されていないとき前記
分周手段の出力及び前記基準信号を前記位相比較手段に
常時与えることを特徴とする(1)又は(2)記載の周
波数シンセサイザ。
【0049】(4)前記制御信号印加制御手段は、前記
制御指令が入力されているとき前記周期1/N毎に1回
だけ前記位相比較手段から出力される制御信号を前記濾
波手段に与え前記制御指令が入力されていないとき前記
位相比較手段から出力される制御信号を前記濾波手段に
常時与えることを特徴とする(1)又は(2)記載の周
波数シンセサイザ。
【0050】(5)前記制御信号印加制御手段は、前記
制御指令が入力されているとき前記周期1/N毎に1回
だけ前記位相比較手段から出力される制御信号を前記濾
波手段の出力を前記電圧制御発振手段に与え前記制御指
令が入力されていないとき前記位相比較手段から出力さ
れる制御信号を前記電圧制御発振手段に常時与えること
を特徴とする(1)又は(2)記載の周波数シンセサイ
ザ。
【0051】(6)前記制御指令が入力されたタイミン
グで前記分周手段をリセットして該分周手段の出力と前
記基準信号との位相を合せることを特徴とする(1)〜
(5)のいずれかに記載の周波数シンセサイザ。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、位相同期
信号をそのまま伝達するモードと、位相同期信号のパル
スを間引くモードとを有し、位相同期ループがロック状
態でないときには位相同期信号をそのまま伝達し、位相
同期ループがロック状態であるときには位相同期信号の
パルスを間引くことにより、位相同期ループがロック状
態でないときに位相同期信号をそのまま伝達してロック
状態への引込みを速めることができ、かつ、位相同期ル
ープがロック状態であるときには位相同期信号のパルス
を間引いてスプリアスの発生を抑制でき、位相雑音を低
減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態による周波数シンセサイ
ザの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の周波数シンセサイザの動作を示すタイミ
ングチャートである。
【図3】本発明の実施の他の形態による周波数シンセサ
イザの構成を示すブロック図である。
【図4】図3の周波数シンセサイザの動作を示すタイミ
ングチャートである。
【図5】本発明の実施の他の形態による周波数シンセサ
イザの構成を示すブロック図である。
【図6】図5の周波数シンセサイザの動作を示すタイミ
ングチャートである。
【図7】従来の周波数シンセサイザの構成を示すブロッ
ク図である。
【図8】図7の周波数シンセサイザの動作を示すタイミ
ングチャートである。
【符号の説明】
1 位相比較器 2 チャージポンプ回路 3 ループフィルタ 4 電圧制御発振器 5 可変分周器 6,13 加算器 7,10,14,16 ラッチ回路 9 制御部 20 比較信号入力選択回路 23 位相差信号濾波回路 25,26 電流遮断スイッチ 27 充放電電流遮断導通制御回路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振出力信号と基準信号との位相差を示
    すパルス信号に応じて発振する発振器を含む位相同期ル
    ープと、前記位相同期ループがロック状態であるときに
    前記パルス信号を間引く間引き手段とを有する周波数シ
    ンセサイザであって、前記位相同期ループは、入力される制御電圧に応じた繰
    返し周波数を有する信号を出力する電圧制御発振手段
    と、周期1/Nで変化させることのできる分周比で前記
    電圧制御発振手段の出力を分周するN分数型分周手段
    と、この分周手段の出力と基準信号との位相を比較しそ
    の位相差に対応する制御信号を出力する位相比較手段
    と、この制御信号の直流成分を前記電圧制御発振手段に
    与える濾波手段とを含み、 前記間引き手段は、前記位相同期ループがロック状態で
    あるとき前記周期1/N毎に1回だけ前記位相比較手段
    から出力される制御信号を前記濾波手段に与えることを
    特徴とする周波数シンセサイザ。
  2. 【請求項2】 発振出力信号と基準信号との位相差を示
    すパルス信号に応じて発振する発振器を含む位相同期ル
    ープと、前記位相同期ループがロック状態であるときに
    前記パルス信号を間引く間引き手段とを有する周波数シ
    ンセサイザであって、 前記位相同期ループは、入力される制御電圧に応じた繰
    返し周波数を有する信号を出力する電圧制御発振手段
    と、周期1/Nで変化させることのできる分周比で前記
    電圧制御発振手段の出力を分周するN分数型分周手段
    と、この分周手段の出力と基準信号との位相を比較しそ
    の位相差に対応する制御信号を出力する位相比較手段
    と、この制御信号の直流成分を前記電圧制御発振手段に
    与える濾波手段とを含み、 前記間引き手段は、前記位相同期ループがロック状態で
    あるとき前記周期1/N毎に1回だけ前記位相比較手段
    から出力される制御信号を前記濾波手段に入力し該濾波
    手段の出力を前記電圧制御発振手段に与えることを特徴
    とする 周波数シンセサイザ。
  3. 【請求項3】 前記位相同期ループがロック状態になっ
    たタイミングで前記分周手段をリセットして該分周手段
    の出力と前記基準信号との位相を合せることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の周波数シンセサイザ。
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