JPH06112820A - Pll回路 - Google Patents

Pll回路

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JPH06112820A
JPH06112820A JP4261537A JP26153792A JPH06112820A JP H06112820 A JPH06112820 A JP H06112820A JP 4261537 A JP4261537 A JP 4261537A JP 26153792 A JP26153792 A JP 26153792A JP H06112820 A JPH06112820 A JP H06112820A
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signal
pll
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JP4261537A
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Inventor
Kazuo Daimon
一夫 大門
Kenji Taniguchi
研二 谷口
Hiroyuki Shirahama
弘幸 白濱
Kenichi Nakatsuka
賢一 中司
Yoshikazu Era
佳和 江良
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速引き込みと低ノイズ出力という所望の特
性を同時に有するPLL回路を提供する。 【構成】 従来形のPLL本体回路1に、周波数差検出
回路2、状態制御回路3、スイッチ回路4、トリガ信号
発生回路5を付加して、PLL回路を構成し、PLL回
路が同期はずれ起こしているとき、またはトリガ信号が
入力したときに、周波数差検出器の出力信号によってそ
の電圧制御発振器の実効自走周波数を制御するようにし
た。 【効果】 ほとんど瞬時に周波数同期を完了し、この
後、従来のPLL回路と同様の動作で位相同期を完了す
る。この結果、引き込み時間を考慮しないPLL回路の
設計ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はPLL(フェ−ズ・ロッ
クド・ル−プ)回路に関するもので、例えば、LAN
(ロ−カル・エリア・ネットワ−ク)、電話回路網等の
デ−タ通信システムのクロック信号再生装置に利用して
有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本願発明者は、LAN等の通信システム
においてクロック信号再生装置として、PLL回路を利
用することを考えた。従来形のPLL回路は基本的には
位相比較器、ロウパスフィルタ、電圧制御発振器(また
は電流制御発振器)から構成されているが、場合によっ
ては平滑フィルタ、チャ−ジポンプを含むこともある。
従来、PLLの高速引き込みのために工夫がされてきて
おり、代表的なものとしてロウパスフィルタの構成を変
化させ動作特性を制御しているものがある(信学会論
文,B−I Vol.J74−B−I,No.10 O
CT.1991)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなPLL回路
では、周波数感度を増加させると引き込み時間が短縮さ
れるが、耐ノイズ特性が劣化するために出力信号の信号
対雑音比(S/N比)は低下する。一方、周波数感度を
低下させると、S/N比は上昇するが、引き込み時間が
増加し、高速引き込みかつ低ノイズ特性を持つPLL回
路を設計することは難しい。この問題を解決するため
に、複数の位相比較器を設けたPLL回路(IEEE
J.Solid−State Circuit,VOL
24,No.6,DEC.1989)や周波数シンセサ
イザ等に用いられるRZ(return tozero)入力信号用に
周波数検出回路を設けたPLL回路が提案されている
が、光通信等に必要なNRZ(non-return to zero)入
力信号のような所定の基本周波数を持ちディジタル信号
によって符号化されたデータ信号用の高速引き込みかつ
低ノイズ特性を持つPLL回路についてはいまだ有効な
PLL回路が提案されていない。
【0004】本発明の目的は、高速引き込みと低ノイズ
出力という所望の特性を同時に有するPLL回路を提供
することにある。この発明の前記ならびにそのほかの目
的と新規な特徴については、本明細書の記述および添附
図面から明らかになるであろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、下記のと
おりである。すなわち、図1に示すように、従来形のP
LL本体回路1に、周波数差検出回路2、状態制御回路
3、スイッチ回路4、トリガ信号発生回路5を付加し
て、PLL回路を構成する。本発明のPLL回路では同
期はずれ状態が検出されてトリガ信号が生成されると
き、あるいは外部からトリガ信号が印加されるとき、こ
れによって動作する状態制御回路3およびスイッチ回路
4によって回路の状態を切り替え、外部入力信号(NR
Z)のクロック信号の周波数とPLL本体回路内部の局
部発振器の出力信号周波数の差を検出する周波数差検出
回路2の出力によって、上記局部発振器の実効自走周波
数を制御し、ほとんど瞬時に周波数同期を完了させ、次
に、状態制御回路3およびスイッチ回路4によってPL
L本体回路の状態を、従来形のPLL回路とほぼ同様の
回路構成に切り換えて、以降PLL回路の位相同期を行
なうように構成したものである。
【0006】
【作用】上記した手段によれば、同期外れ状態が生じた
ときに周波数同期が速やかに完了するので、高速同期特
性及び低ノイズ特性を同時に有するPLL回路の実現が
可能となり、これによって光通信等に用いられるNRZ符
号のようなランダムパルス信号のクロック信号を高速か
つ低ノイズで再生できるようにするという上記目的が達
成される。
【0007】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て説明する。図2および図3に本発明によるPLL回路
の実施例を示す。本実施例のPLL回路は、PLL本体
回路1、周波数差検出回路(DFD)2、状態制御回路
(SC)3、スイッチ回路(TSW)4から成る。この
実施例のPLL本体回路は、位相比較器(PC)11、平
滑フィルタ(SF)12、チャ−ジポンプ(CP)13、ロ
ウパスフィルタ(LPF)14、電圧制御発振器(VC
O)15から構成されている。なお、PLL本体回路1の
構成を簡略化したい場合には、平滑フィルタ(SF)1
2、チャ−ジポンプ(CP)13は省略することができ
る。
【0008】位相比較器(PC)11は、外部入力信号
(INPUT)100と電圧制御発振器(VCO)15の出
力信号を入力とし、この両信号の位相差に応じた信号を
形成し出力する。すなわち、外部入力信号(INPU
T)100の位相が電圧制御発振器(VCO)15の出力信
号位相より進んでいる場合には、位相比較器(PC)11
のup端子111に位相差に応じたパルス幅を持つ信号を
出力し、逆に外部入力信号(INPUT)100の位相が
電圧制御発振器(VCO)15の出力信号位相より遅れて
いる場合には、位相比較器(PC)11のdown端子11
2に位相差に応じたパルス幅を持つ信号を出力する。
【0009】平滑フィルタ(SF)12とチャ−ジポンプ
(CP)13は位相比較器(PC)11のup端子111、d
own端子112の出力信号を入力とし、この入力信号の
パルス幅に応じた電流を出力端子に形成し、この出力電
流によってロウパスフィルタ(LPF)14の電圧を制御
する。ロウパスフィルタ(LPF)14はPLL回路の諸
特性を大きく左右する重要な構成要素であり、位相比較
器(PC)11の出力信号あるいはチャ−ジポンプ(C
P)13の出力信号を入力とし、この入力信号の高周波成
分を除去した信号を出力端子に形成する。
【0010】電圧制御発振器(VCO)15はロウパスフ
ィルタ(LPF)14の出力信号を入力とし、この入力信
号のレベルに応じた発振周波数を持つ発振信号を出力端
子(OUTPUT)101に形成する。すなわち入力信号のレベ
ルが上昇すると出力信号の周波数は上昇し、入力信号の
レベルがが降下すると出力信号周波数は降下する。ま
た、本実施例のPLL回路で用いる電圧制御発振器は、
入力信号のレベルが零である時に、出力信号が一定の発
振周波数(自走周波数)で発振するように構成されてい
るものとして、以下の説明を行う。以上のような、位相
比較器(PC)11、平滑フィルタ(SF)12、チャ−ジ
ポンプ(CP)13、ロウパスフィルタ(LPF)14、電
圧制御発振器(VCO)15から成る一般(従来形)のP
LL回路では、ロウパスフィルタ(LPF)14の出力電
圧によって出力信号の周波数および位相の同期を行う
が、一般的に同期が終了するまでに非常に長い時間が必
要である。
【0011】本実施例では、スイッチ回路(TSW)4
が、後述する状態制御回路(SC)3の出力に応じて、
PLL本体回路1の回路構成を切り換える。そして、こ
のスイッチ回路4には、入力端子としてIS、SAM
P、SET、CLRなる端子が存在するが、これらの役
割については、以下の周波数差検出回路(DFD)2お
よび状態制御回路(SC)3の所で詳しく述べる。
【0012】周波数差検出回路(DFD)2は、外部入
力信号(INPUT)101と電圧制御発振器(VCO)1
5の出力信号(OUTPUT)100の周波数の差を検出
し、この検出出力に応じた信号Vsをスイッチ回路(T
SW)4のIS端子に出力する。このIS端子への入力
信号はスイッチ回路(TSW)4を所定の状態に切り換
え、電圧制御発振器(VCO)15の自走周波数(実効自
走周波数)を制御できるようになっており、周波数差検
出回路(DFD)2の出力VsがIS端子に入力される
と、電圧制御発振器(VCO)15の出力信号の実効自走
周波数はほとんど瞬時に外部入力信号の周波数とほぼ等
しい周波数に設定される。
【0013】状態制御回路(SC)3はPLL回路の同
期外れ状態に対処するために設けられるトリガ信号301
を入力とし、スイッチ回路(TSW)4のSAMP端子
および周波数差検出回路(DFD)2のCLR端子にそ
れぞれ制御パルス信号を出力する。さらに、図3の実施
例では、状態制御回路(SC)3からスイッチ回路(T
SW)4のSET端子およびCLR端子にそれぞれ制御
パルス信号が供給される。
【0014】スイッチ回路(TSW)4はSAMP、S
ETまたはCLR端子への入力信号に応じて、PLL本
体回路1内の電圧制御発振器(VCO)15の発振状態
を、クリア(本来の自走周波数で発振している状態)、
セット(周波数差検出回路出力信号Vsにより発振周波
数を設定している状態)、ラン(周波数差検出回路出力
信号Vsによる発振周波数の設定が完了した状態)のい
ずれかに切り換え、さらに必要に応じて外部入力信号の
パスの切り換えを行う(後掲の図10のSW1)。周波
数検出回路(DFD)2のCLR端子は状態制御回路
(SC)3からの入力信号に応じて周波数差検出回路
(DFD)2の出力を初期化するためのものである。
【0015】このように状態制御回路(SC)3の出力
はスイッチ回路(TSW)4を制御し、PLL本体回路
1の回路状態を切り換える役割を持つ。状態制御回路
(SC)3の出力とスイッチ回路(TSW)4の具体的
な構成およびPLL本体回路1の回路状態については後
に詳述する。本実施例のPLL回路は、図4に示すよう
に、電圧制御発振器(VCO)15の制御電圧の値がVse
tとなって電圧制御発振器(VCO)15の実効自走周波
数が設定された後は、位相引き込み過程を行うだけで引
き込み状態を完了する。従って、本実施例のPLL回路
はPLL本体回路のみの同期過程に比べ、非常に高速に
引き込み動作を行うことが可能となる。
【0016】図5は本発明による状態制御回路(SC)
3の実施例を、また図6、図7および図8には図5の状
態制御回路を用いたPLL回路の実施例をそれぞれ示
す。ここでは図5の状態制御回路(SC)3と図6のP
LL回路の動作について説明し、図7および図8のPL
L回路の動作についてはそれぞれ後に詳述する(図2
3、図26の説明)。状態制御回路(SC)3は、図5
に示されているように、第一パルス信号発生回路(IP
G)31と第二パルス発生回路(SPG)32とから成る。
【0017】第一パルス発生回路(IPG)31は、単発
パルス発生回路あるいは微分回路であり、同期外れ状態
に対応して外部から印加されるか、またはPLL内で発
生されるトリガ信号301を入力とし、この入力信号の変
化に応じて短いパルス幅を持つ制御パルス信号ipを出
力端子302に形成する。第一パルス発生器(IPG)31
の出力信号ipは、周波数差検出回路(DFD)2のC
LR端子の入力信号とされ、第一パルス信号ipが高レ
ベルになると周波数差検出回路(DFD)2の計数値は
初期化される。
【0018】第二パルス発生回路(SPG)32は単発パ
ルス発生回路であり、第一パルス発生器(IPG)の出
力信号を入力とし、この入力信号の立ち下がりエッジに
同期して一定のパルス幅Tsをもつ制御パルス信号sp
を出力端子303に形成する。この第二パルス発生回路
(SPG)の出力信号spは、図6に示すように、スイ
ッチ回路(TSW)4のSAMP端子に供給され、この
出力信号spが高レベルであるとき第一スイッチ(SW
1)16aを閉じ、アナログ加算器(AA)19の出力電圧
(電圧制御発振器(VCO)15の周波数制御電圧)を第
一電圧源(E1)20の値(この場合0V)に設定し、電
圧制御発振器(VCO)15を強制的に本来の自走周波数
(固有周波数)で発振させる。そして、これと同時に第
二スイッチ(SW2)17aを閉じ、周波数差検出回路
(DFD)2において外部入力信号の周波数と電圧制御
発振器(VCO)15の発振周波数との周波数差を計数し
て得られる計数出力信号Vsを用いてバッファ(BF)1
8aの電圧値を周波数差検出回路(DFD)2の出力電圧
値Vsetに設定する。
【0019】次に、第二パルス発生回路(SPG)32の
出力信号(sp)303が低レベルになると、第一スイッ
チ(SW1)16aと第二スイッチ(SW2)17aを開放
し、電圧制御発振器(VCO)15の制御電圧をアナログ
加算器(AA)19を通してほぼVsetに設定し、これに
よって電圧制御発振器(VCO)15の出力信号周波数を
外部入力信号周波数にほぼ等しくする。以後、本実施例
のPLL回路は、従来のPLL回路と同様にアナログ加
算器19を通したロウパスフィルタ(LPF)14の出力電
圧によって電圧制御発振器(VCO)15の位相が微調整
され、高速に同期を完了する。なお、第二パルス信号s
pが低レベルになると、電圧制御発振器(VCO)15の
制御端子電圧Vvcoは、 Vvco=Vset+VLPF (Vset:バッファ出力電圧、VLPF:ロウパスフィルタ
出力電圧)とされ、通常Vset>>VLPFであるので、 Vvco≒Vset となる。
【0020】図9に本発明による状態制御回路(SC)
の他の実施例を、また図10に本実施例の状態制御回路
を用いたPLL回路の実施例を示す。図10の実施例の
PLL回路では、同期完了時に定常位相誤差を生じない
ようにするため、PLL本体回路内部のロウパスフィル
タ(LPF)14に、抵抗RL14aと容量CL 14bを直列
に接続した完全積分型フィルタを用いている。図9の状
態制御回路(SC)3は、第一パルス信号発生器(IP
G)31、第二パルス発生器(SPG)32、第三パルス発
生器(CPG)33から成る。
【0021】第一パルス発生回路(IPG)31は、単発
パルス発生回路あるいは微分回路であり、同期外れ状態
に対応して外部から印加されるか、またはPLL内で発
生されるトリガ信号301を入力とし、この入力信号の変
化に応じて短いパルス幅を持つ制御パルス信号ipを出
力端子302に形成する回路である。第一パルス発生器
(IPG)31の出力信号ipは、周波数差検出回路(D
FD)2のCLR端子とスイッチ回路(TSW)4のC
LR端子に入力され、第一パルス信号ipが高レベルに
なると周波数差検出回路(DFD)2の計数値が初期化
され、同時に第四スイッチ(SW4)22dを閉じてPL
L本体回路内部のロウパスフィルタ(LPF)14の容量
CL 14bの両端の電圧差が初期化(0Vに)される。
【0022】第二パルス発生回路(SPG)32は単発パ
ルス発生回路であり、第一パルス発生器(IPG)31の
出力信号ipを入力とし、この入力信号ipの立ち下が
りエッジに同期して一定のパルス幅(Ts)をもつ制御
パルス信号spを出力端子303に形成する。この第二パ
ルス発生回路(SPG)32の出力信号spは、図10に
示すように、スイッチ回路(TSW)4のSAMP端子
に供給され、この出力信号が高レベルであるとき第一ス
イッチ(SW1)16dを開放して外部入力信号(INP
UT)101のPLL本体回路への供給を遮断する。この
時、第二スイッチ(SW2)17d、第四スイッチ(SW
4)22dは開放された状態であり、第三スイッチ(SW
3)21dは導通された状態にある。
【0023】第三パルス発生回路(CPG)33は単発パ
ルス発生回路であり、第二パルス発生器(IPG)32の
出力信号spを入力とし、この入力信号spの立ち下が
りエッジに同期して一定のパルス幅(Tc)をもつ制御
パルス信号opを出力端子304に形成する。この第三パ
ルス発生回路(SPG)33の出力信号opは、図10に
示すように、スイッチ回路(TSW)4のSET端子に
供給され、この出力信号opが高レベルであるとき第三
スイッチ(SW3)21dを開放して周波数差検出回路
(DFD)2の入力を絶ち、周波数差検出回路(DF
D)2の出力を保持状態にする。
【0024】そして、これと同時に第二スイッチ(SW
2)17dを閉じ、PLL本体回路内部のロウパスフィル
タ(LPF)14の容量CL 14bを周波数差検出回路(D
FD)2の出力信号Vsによって充電し、これによっ
て、局部発振器(VCO)15の発振周波数を外部入力信
号周波数にほぼ等しく設定する。この時、第一スイッチ
(SW1)16dは接続された状態であり、第四スイッチ
(SW4)22dは開放された状態にある。この後、第三
パルス信号(cp)304が低レベルになると第二スイッ
チ(SW2)17dを開放し、第三スイッチ(SW3)21d
を閉じ、本PLL回路は従来のPLL回路と同様にロウ
パスフィルタ(LPF)14の出力電圧によって電圧制御
発振器15は位相を微調整され、PLL回路の同期は高速
に完了する。
【0025】このPLL回路の周波数差検出回路(DF
D)2は、後述のように外部入力信号の立ち上がりエッ
ジ(あるいは立ち下がりエッジ)で作動するので、周波
数差検出回路(DFD)2と外部入力信号の接続を遮断
すると、周波数差検出回路(DFD)の出力の値は変化
せず保持状態となる。また、図10に示したPLL回路
の実施例において、第一スイッチ(SW1)16dは状態
制御回路(SC)3の第二パルス出力信号spが高レベ
ルにあるとき、PLL本体回路1への外部入力信号のパ
スを遮断するために設けられたスイッチであり、その設
置の位置は外部信号入力端子100と位相比較器(PC)1
1の間に限定されず、図11に示すPLL回路のように
斜線を施した何れかの場所(16d-1、16d-2、16d-3)に
少なくとも1つの設ければよい。さらに、電圧制御発振
器(VCO)15の制御端子を開放した状態で、電圧制御
発振器(VCO)15が本来の自走周波数(固有周波数)
で発振することが可能な場合には、図11に二重枠で示
す部分(16d-4,16d-5)に第一スイッチ(SW1)16dを
設置することもできる。
【0026】本発明による周波数差検出回路(DFD)
2は位相比較型周波数差検出回路であり、その周波数差
の検出原理は以下の通りである。周波数差を比較する2
つの信号の位相をθ1、θ2、周波数をf1、f2とする
と、2つの信号の位相差△θおよび周波数差△fは △θ=θ1−θ2 △f=f1−f2 =(dθ1/dt−dθ2/dt)/2π (ここでは、位相および周波数の基準をそれぞれθ2,
f2とした。)と表すことができる。ここで、一定時間
△tにおける両信号間の平均周波数差△favは △fav=△(θ1−θ2)/△t/2π =△(△θ)/△t/2π となる。
【0027】これより2つの入力信号の周波数差は、あ
る一定時間△tの間に両入力信号間の位相差の変化量を
測定することより、間接的に測定することができること
がわかる。そして、本実施例の周波数差検出回路(DF
D)及び後述の簡易型周波数検出回路は以下に説明する
ように、一定時間内の両入力信号の位相差をπ[rad]単
位に検出するものである。この2つの入力信号間の位相
差を比較することによる周波数差の検出方法は2つの利
点を持っている。第一の利点は、入力信号の一方の信号
がNRZ符号信号であってもNRZ信号のクロック信号周波数
と他の入力信号周波数との差が検出できること。第二の
利点は位相比較器(PC)11との回路の共用ができるこ
とである。
【0028】図12および図13に本発明による周波数
差検出回路(DFD)2の実施例をそれぞれ示す。この
うち図13に示す周波数差検出回路(DFD)は、図1
2の周波数差検出回路(DFD)の簡易型である。以下
に、図12に示す周波数差検出回路(DFD)2につい
て説明を行う。本実施例の周波数差検出回路(DFD)
2は、第一、第二、第三、第四、第五フリップフロップ
(FF1,FF2,FF3,FF4,FF5)23a、24
a、25a、26a、27a、第一、第二論理和回路(OR1,O
R2)28a、29a、第一カウンタ回路(CO1)30、D/
A変換器(DA)41、出力変調器(OM)42から成る。
【0029】第一フリップフロップ回路(FF1)23a
はクリア優先型のフリップフロップ回路であり、外部入
力信号をCLK入力、電圧制御発振器(VCO)15の出
力信号をDATA入力(D入力)、電圧制御発振器(V
CO)15の反転信号をCLR入力とし、図14に示すよ
うに、外部入力信号の立ち上がりエッジの位相が電圧制
御発振器(VCO)15の立ち上がりエッジの位相より遅
れていると、出力端子に外部入力信号の立ち上がりエッ
ジに同期した高レベルの信号を出力する。第二フリップ
フロップ回路(FF2)24aはクリア優先型のフリップ
フロップ回路であり、外部入力信号の反転信号をCLK
入力、電圧制御発振器(VCO)15の出力信号をDAT
A入力(D入力)、電圧制御発振器(VCO)15の反転
信号をCLR入力とし、図14に示すように、外部入力
信号の立ち下がりエッジの位相が電圧制御発振器(VC
O)15の立ち上がりエッジの位相より遅れていると、出
力端子に外部入力信号の立ち下がりエッジに同期した高
レベルの信号を出力する。
【0030】第三フリップフロップ回路(FF3)25a
はクリア優先型のフリップフロップ回路であり、外部入
力信号をCLK入力、電圧制御発振器(VCO)15の出
力信号の反転信号をDATA入力(D入力)、電圧制御
発振器(VCO)15の出力信号をCLR入力とし、図1
4に示すように外部入力信号の立ち上がりエッジの位相
が電圧制御発振器(VCO)15の立ち上がりエッジの位
相より進んでいると、出力端子に外部入力信号の立ち上
がりエッジに同期した高レベルの信号を出力する。第四
フリップフロップ回路(FF4)26aはクリア優先型の
フリップフロップ回路であり、外部入力信号の反転信号
をCLK入力、電圧制御発振器(VCO)15の出力信号
の反転信号をDATA入力(D入力)、電圧制御発振器
(VCO)15の出力信号をCLR入力とし、図14に示
すように、外部入力信号の立ち下がりエッジの位相が電
圧制御発振器(VCO)15の立ち上がりエッジの位相よ
り進んでいると、出力端子に外部入力信号の立ち下がり
エッジに同期した高レベルの信号を出力する。
【0031】この様に第一、第二、第三、第四フリップ
フロップ(FF1,FF2,FF3,FF4)23a、24
a、25a、26aは外部入力信号の立ち上がりあるいは立ち
下がりエッジが入力する毎に、外部入力信号と電圧制御
発振器(VCO)15出力信号の位相の進み遅れの関係を
判定する回路である。第一論理和回路(OR1)28aは
第一フリップフロップ回路(FF1)23aの出力信号と
第二フリップフロップ回路(FF2)24aの出力信号を
入力とし、両入力信号の論理和を出力する回路である。
第二論理和回路(OR2)29aは第三フリップフロップ
回路(FF3)25aの出力信号と第四フリップフロップ
回路(FF4)26aの出力信号を入力とし、両入力信号
の論理和を出力する回路である。
【0032】第五フリップフロップ(FF5)27aはD
ATA入力(D入力)が高レベルに固定(プルアップ)
され、第一論理和回路(OR1)28aの出力信号をCL
K端子入力、第二論理和回路(OR2)29aの出力信号
をCLR端子入力とし、外部入力信号の位相と電圧制御
発振器(VCO)15の出力信号の位相の遅れ進みの関係
が変化すると、第一論理和回路(OR1)28aの出力信
号に同期して(外部入力信号にほぼ同期して)出力信号
を反転させたパルス信号を出力する。この様に、第五フ
リップフロップ(FF5)27aは、外部入力信号と電圧
制御発振器(VCO)15の出力信号の位相関係が電圧制
御発振器(VCO)15の位相に換算してπ[rad]だけ変
化すると、出力が変化する。従って、第五フリップフロ
ップ(FF5)27aの出力信号のパルス数(反転回数)
を計数すると、両入力信号間の位相差が計測でき、さら
にこの計数時間を固定することで両入力信号間の周波数
差を計測できる。
【0033】第一カウンタ(CO1)30はCLR端子付
きのカウンタ回路であり、第五フリップフロップ回路
(FF5)27aの出力信号を入力とし、第五フリップフ
ロップ回路(FF5)27aり出力信号のパルス数を計数
し出力する。第一カウンタ(CO1)30の出力信号の値
COUNTは、外部入力信号周波数と電圧制御発振器(VC
O)15周波数の差△favと以下の関係がある。 |△fav|=COUNT/△t(但し、△tはサンプリング
時間) この様に、第一カウンタ(CO1)30の出力信号は両入
力信号間の周波数差に比例する。
【0034】D/A変換器(DA)41はLSBビット入
力を第五フリップフロップ回路(FF5)27aの出力信
号、上位ビット入力を第一カウンタ(CO1)30の出力
信号とし、外部入力信号周波数と電圧制御発振器(VC
O)15の発振周波数の差に応じたアナログ信号を出力す
る。従って、D/A変換器(DA)41の出力信号の値DA
と両入力信号の周波数の差△favの関係は DA=K(2COUNT/△t) DA=2K|△fav| =K’|△fav| (但し、KはD/A変換器の利得、K’=2K)とな
る。従って、D/A変換器(DA)41の出力信号は両入
力信号の周波数差に応じて変化することになるので、D
/A変換器の利得Kを適当に調整することにより電圧制
御発振器(VCO)15の実効自走周波数を制御すること
が可能となる。そして、この出力信号は周波数差検出回
路2の実質的な出力信号となる。
【0035】出力変調器(OM)42はD/A変換器(D
A)41の出力信号を入力とし、この入力信号を適当に変
調した信号を出力端子に出力する。 Om=f(DA) (Omは出力変調器(OM)42の出力信号値)出力変調器
(OM)42は、上記局部発振器15の実効周波数を制御す
るための制御信号(周波数差検出器の出力信号)と外部
入力信号周波数と上記局部発振器(VCO)15の発振周
波数との差の関係が線形関係でないときに用いる。
【0036】次に、図13に示した簡易型の周波数差検
出回路(DFD)2の動作について説明する。図13に
示した周波数差検出回路(DFD)2は、図12の周波
数検出回路(DFD)2の簡易型であり、図12の回路
における第二、第三、第四フリップフロップ回路(FF
1,FF2,FF3,FF4)24a、25a、26aを省略し
た回路である。図13の周波数差検出回路(DFD)2
は、図15に示すように、外部入力信号の立ち上がりエ
ッジの位相が電圧制御発振器(VCO)15出力信号の立
ち上がりエッジの位相より遅れている時のみに、第一フ
リップフロップ回路(FF1)22bの出力信号を高レベ
ルに設定し、両入力信号間の位相関係(遅れ、進み)を
判定する。
【0037】すなわち、外部入力信号の立ち上がりエッ
ジが入力した時に、第一フリップフロップ回路(FF
1)23bの出力信号が高レベルなら、外部入力信号の位
相が電圧制御発振器(VCO)15の出力信号の位相より
遅れていると判断し、また第一フリップフロップ回路
(FF1)23bの出力信号が低レベルなら、外部入力信
号の位相が電圧制御発振器(VCO)15の出力信号の位
相より進んでいると判断する。この様に、第一フリップ
フロップ回路(FF1)23bの出力信号は両入力信号の
位相の正負の関係を出力しているので、このパルスの反
転回数を計数すれば、両入力信号間の位相差および周波
数差を計測できる。従って、図13に示した簡易型周波
数差検出回路(DFD)2は、図12に示した周波数差
検出回路(DFD)2に比べて、周波数差の検出精度は
劣るが、回路構成を簡略化できる。
【0038】以上のような構成の周波数差検出回路(図
12,図13)を、図2,図3または図6、図7、図8
または図10に示すPLL回路の周波数差検出回路2と
して用いることにより、PLLの高速引き込み化を図る
ことができる。また、上記実施例で示した周波数差検出
回路(DFD)2は、図16に示すように、電圧制御発
振器(VCO)15の出力信号と外部入力信号の周波数の
比が約n:1(n>1)であるときに両者の周波数の差
を比較することができる(図14、図15ではn=2で
ある)。なお、本実施例で示した周波数差検出回路(D
FD)2の出力は外部入力信号の周波数と電圧制御発振
器(VCO)15の発振周波数との差の絶対値のみを出力
する回路であるが、さらに2つの入力信号間の周波数の
差の符号を検出するディジタル回路を付加する工夫を行
った周波数差検出回路を用いて電圧制御発振器(VC
O)15の実効自走周波数を制御する具体的な方法につい
て以下に詳しく述べる。
【0039】図17に図12または図13の周波数差検
出回路(DFD)2を用いたPLL回路の実施例を示
す。前述したように、図12または図13の周波数差検
出回路(DFD)2は2つの入力信号の周波数差の絶対
値しか検出することができない。そこで、本実施例では
2つの入力信号間の周波数差の正負の符号を検出する回
路を周波数差検出回路(DFD)2の内部に取り付けた
周波数差検出回路(DFD)2bを使用し、2つの入力
信号間の周波数の差の絶対値(|△f|)及び符号
(±)の情報を持つ信号を出力させ、この信号を用い
て、電圧制御発振器(VCO)15の実効自走周波数を設
定し、PLLの高速引き込み化を図るようにしている。
【0040】また、図17に示した実施例のPLL回路
では、周波数差検出回路(DFD)2bの2つの出力信
号によってPLL本体回路を制御するようにしているの
で、第二スイッチ(SW2,SW2a)が2つ設置され
ている。ただし、これらの第二スイッチ(SW2,SW
2a)17e,17eaの開閉のタイミングは、図6の第二スイ
ッチ(SW2)17aと同じである。この実施例のPLL
回路は、図6の実施例と同一の制御形式をもつPLL回
路の例であるが、図7、図8、図10の制御形式を持つ
PLL回路についても同様に本実施例の周波数制御回路
(DFD1)2bを用いることができる。2つの入力信
号間の周波数の差の符号情報は、周波数差検出回路(D
FD)2のある出力信号のパルス幅を計測する方法等で
回路規模が多少増大するが比較的簡単な回路構成で検出
できる。
【0041】図18に、図12、図13の周波数差検出
回路(DFD)2を用いたPLL回路の他の実施例を示
す。前述したように、図12、図13の周波数差検出回
路(DFD)2は、2つの入力信号の周波数差の符号を
検出することができない。そこで、図18に示したPL
L回路は、図19に示すように電圧制御発振器(VC
O)15の本来の自走周波数(固有周波数)frを外部入
力信号周波数より所望の値だけ低く(あるいは高く)設
定しておき、外部入力信号周波数と電圧制御発振器(V
CO)15の出力信号周波数の符号関係を検出することな
く、図12、図13の周波数差検出回路(DFD)2の
みで、電圧制御発振器(VCO)15の実効自走周波数f
vcoを制御するPLL回路である。
【0042】本実施例の電圧制御発振器(VCO)15の
実効自走周波数の制御原理は以下の通りである。まず、
外部入力信号周波数finがfo±fdev(foは入力信号
の中心周波数、fdevは入力信号の周波数変動の大きさ
を表す)であり、電圧制御発振器(VCO)15の出力信
号の本来の自走周波数(固有周波数)をfrとする。こ
のとき、finとfrの関係が以下の関係を満たしている
ように固有周波数frを設定するならば、 fr<f0−fdev (あるいはfr>f0+fdev)図19に示すように、両
入力信号の周波数差△f(=fin−fvco=fin−fr)
は必ず正(あるいは負)となる。従って、入力信号間の
周波数差の絶対値の情報しか持たない図12、図13の
周波数差検出回路(DFD)2の出力信号|△f|を符号
情報を持った信号+|△f|(あるいは−|△f|)と
みなし、電圧制御発振器(VCO)15の実効発振周波数
を制御することができる。
【0043】本実施例によるPLL回路を用いると、周
波数差検出回路の回路規模を増大させることなくPLL
の高速引き込み化を図ることができる。また、この実施
例のPLL回路は図6の制御形式をもつPLL回路の例
であるが、図7、図8、図10の制御形式を持つPLL
回路についても同様に本実施例の周波数制御方式を適用
することができる。
【0044】図20に、図12、図13に示されている
周波数差検出回路(DFD)2を用いたPLL回路の他
の実施例を示す。前述したように図12、図13の周波
数差検出回路(DFD)2は2つの入力信号の周波数差
の符号関係を検出することができない。図20に示した
PLL回路は、同期外れ状態に対応するトリガ信号301
で起動される状態制御回路(SC)3の出力信号(i
p)302(周波数差検出回路のCLR信号)によって動
作する符号制御信号発生回路としての第6フリップフロ
ップ回路(FF6)5の出力と、図12、図13の周波
数差検出回路(DFD)2の出力|△f|を用い、電圧
制御発振器(VCO)15の実効自走周波数を制御するP
LL回路である。
【0045】第6フリップフロップ回路(FF6)5は
状態制御回路(SC)3の出力信号(ip)302を入力
とするトグルフリップフロップであり、入力信号パルス
数が奇数の時は高レベル(あるいは低レベル)、偶数の
時には低レベル(あるいは高レベル)の値を出力する。
そして、この出力信号を外部入力信号周波数と電圧制御
発振器(VCO)15の出力周波数の差の符号情報信号と
みなし、電圧制御発振器(VCO)15の実効自走周波数
を制御する。すなわち、第6フリップフロップ回路(F
F6)5の出力信号が正であるとき△f>0(△f=f
in−fvco)、負であるときには△f<0と仮定し電圧
制御発振器(VCO)15の実効自走周波数を制御する。
【0046】以下に、△f>0(△f=fin−fvco)
の場合におけるPLL回路の引き込み過程(図21)に
ついて説明する。最初PLL回路は同期はずれ状態にあ
るとする。この状態でトリガ信号301が状態制御回路
(SC)3に入力されると、状態制御回路(SC)3は
出力端子302にパルス信号ipを出力し、第6フリップ
フロップ回路(FF6)5の出力を高レベルにする。
今、第6フリップフロップ回路(FF6)5の出力信号
が高レベルであるとき△f>0(△f=fin−fvco)
と設定していたとすると、状態制御回路(SC)3の出
力信号spの立ち上がりエッジに同期して、周波数差検
出回路(DFD)2と第6フリップフロップ回路(FF
6)5の出力信号により電圧制御発振器(VCO)15の
出力周波数は△fだけ上昇させられ、PLL回路は速や
かに同期する。
【0047】次に、△f<0(△f=fin−fvco)の
場合におけるPLL回路の引き込み過程(図22)につ
いて説明する。最初PLL回路は同期はずれ状態にあ
る。この状態で、トリガ信号301が状態制御回路(S
C)5に入力されると、状態制御回路(SC)5は出力
端子302にパルス信号ipを出力し、第6フリップフロ
ップ回路(FF6)5の出力を高レベルにする。する
と、周波数差検出回路(DFD)2と第6フリップフロ
ップ回路(FF6)5の出力信号により電圧制御発振器
(VCO)15の出力周波数は△fだけ上昇させられ、P
LL回路は同期外れ状態のままとなる。
【0048】そして、この状態で再びトリガ信号301が
入力されたとすると、状態制御回路(SC)3の出力信
号spによって、電圧制御発振器(VCO)15の発振周
波数は初期化され、(spが高レベルになると第一スイ
ッチ(SW1)16fが閉じられ、電圧制御発振器(VC
O)15は本来の自走周波数(固有周波数)で発振させら
れる)、同時に第6フリップフロップ回路(FF6)5
出力は低レベルとなり、周波数差検出回路(DFD)2
と第6フリップフロップ(FF6)5の出力信号により
電圧制御発振器(VCO)15の出力周波数は△fだけ降
下させられ、PLL回路は速やかに同期状態に移行す
る。
【0049】本実施例によるPLL回路を用いると、周
波数差検出回路の回路規模を増大させることなく(フリ
ップフロップ1個の増加で済む)PLLの高速引き込み
化を図ることができる。また、この実施例のPLL回路
は図6の実施例の制御形式をもつPLL回路の例である
が、図7、図8、図10の制御形式を持つPLL回路に
ついても同様に本実施例の周波数制御方式を適用するこ
とができる。
【0050】図23は、これ迄で述べた周波数差検出回
路(DFD)2(あるいは2b)を用いたPLL回路の
具体的な実施例を示したものであり、図7のPLL回路
と同じものであるが、ロウパスフィルタ(LPF)14の
具体例を示してある。図23の実施例では、周波数差検
出回路(DFD)2の出力をロウパスフィルタ(LP
F)14の容量(CL)14bに供給して電圧制御発振器(VC
O)15の実効自走周波数を制御したものである。以下
に、図23に示したPLL回路について説明する。
【0051】図24に、図23の実施例のPLL回路に
おける引き込み過程を示す。最初、PLL回路は同期外
れ状態にあるとする。そして、同期はずれ状態に対応し
てトリガ信号が状態制御回路(SC)3に入力される
と、第一パルス信号ipが端子302より出力され、この
信号によって、周波数差検出回路(DFD)2の出力が
初期化される。
【0052】次に、第一パルス信号(ip)302の立ち
下がりエッジに同期して、第二パルス信号(sp)303
が出力され、この出力により第一スイッチ(SW1)16
gを閉じ、電圧制御発振器(VCO)15を本来の自走周
波数(固有周波数)で発振させる。そして、周波数差検
出回路(DFD)2によって外部入力信号の周波数と電
圧制御発振器(VCO)15の本来の自走周波数(固有周
波数)の周波数差が検出され、第二スイッチ(SW2)
17gを通して、周波数差検出回路(DFD)2の出力信
号Vs(|△f|)は、ロウパスフィルタ(LPF)14
の容量(CL)14bを充電する。
【0053】続いて、第二パルス信号(sp)303の出
力が低レベルになると、第一スイッチ(SW1)16g、
第二スイッチ(SW2)17gを開放する。すると、PL
L本体回路内のロウパスフィルタ(LPF)14の容量C
L 14bの初期電位は、第二スイッチ(SW2)17g開放直
前の周波数差検出回路(DFD)2の出力信号電圧レベ
ルVsetに設定され、以後本PLL回路は通常(従来形)
のPLL回路の動作により急速に同期を完了する。ま
た、本実施例のPLL回路をより確実に動作させるため
には、図25に示されているPLL回路のように、ディ
レイ回路(DELAY)を設け、第一スイッチ(SW
1)16gのスイッチング動作を第二スイッチ(SW2)1
7gより僅かに早く完了させるとよい。
【0054】本実施例のPLL回路では、図18に示し
た方式、すなわち周波数差検出回路(DFD)2を用い
電圧制御発振器(VCO)15の実効自走周波数を制御す
る方式を適用しているが、図17の実施例のように符号
付きの信号を出力する周波数差検出回路(DFD)2b
を用いたり、あるいは図19の実施例のように周波数差
検出回路(DFD)2と第6フリップフロップ(FF
6)を用いて電圧制御発振器(VCO)15の実効自走周
波数を制御してもよい。
【0055】図26は電圧制御発振器(VCO)15の自
走周波数を決定するパラメタを制御することによって電
圧制御発振器(VCO)15の実効自走周波数を制御する
方法を用いたPLL回路の具体的な実施例を示したもの
であり、図8のPLL回路と同じものである。図26の
実施例に示すPLL回路では電圧制御発振器(VCO)
15にエミッタ結合マルチバイブレ−タ回路を用いてお
り、電圧制御発振器(VCO)15の具体的な回路構成例
が図27に示されている。
【0056】図27のエミッタ結合型マルチバイブレ−
タ回路の発振周波数fvcoは以下の式で表される(参考
文献:柳沢健 著、PLL応用回路、p27、総合電子
出版社)。 fvco=fr=1/4CcRc=K1/Cc , (K1=1
/4Rc) ここで、エミッタ結合型マルチバイブレ−タ回路の結合
容量Ccの値を変化させる事ができるものを用いると、
エミッタ結合型マルチバイブレ−タ回路の出力信号周波
数fvcoは、 fvco=fr+△f=K1/(Cc+△C) で表すことができる。ただし、Cc=Co+△Cで、C
oは中心周波数を決定する容量、△Cは入力信号の周波
数変化のための容量変化分である。そして、Cc>>△
Cなる関係が成り立つならば、エミッタ結合型マルチバ
イブレ−タ回路の出力信号周波数fvcoは、 fvco〜K1/Cc−K1△C/Cc2 となる。
【0057】さらに、PLLが同期したときには、電圧
制御発振器(VCO)15の発振周波数と外部入力信号周
波数は等しいので、 fvco=fin=fo+△f となる。(fin:外部入力信号の中心周波数、△f:外
部入力信号と外部入力信号の中心周波数との周波数差)
従って、 △f=−K1△C/Cc2 −△C=K’△f (K’=Cc2
/K1) 上式の右辺は、周波数差検出回路(DFD)2の出力信
号値であるので、エミッタ結合型マルチバイブレ−タの
結合容量を周波数検出器(DFD)2の出力に比例して
減少させるように制御すれば、本実施例のPLL回路の
電圧制御発振器(VCO)15の実効自走周波数を制御で
きることがわかる。
【0058】以下に、本実施例のPLL回路の動作を説
明する。図28に本実施例のPLL回路の引き込み過程
を示す。最初PLL回路は同期外れ状態にあるとする。
そして、同期はずれ状態に対応してトリガ信号301が状
態制御回路(SC)3に入力されると、第一パルス信号
ipが端子302より出力され、この信号によって、周波
数差検出回路(DFD)2の出力が初期化される。
【0059】次に、第一パルス信号(ip)302の立ち
下がりエッジに同期して、第二パルス信号(sp)303
が出力されると、この出力により第一スイッチ(SW
1)16hが閉じられ、電圧制御発振器(VCO)15のC
LR端子に高レベルの信号が入力され、電圧制御発振器
(VCO)15の結合容量CcはCoに設定され、電圧制
御発振器(VCO)15は本来の自走周波数(固有周波
数)で発振する(但し、電圧制御発振器(VCO)15は
CLR端子入力が高レベルである時、CONT端子入力
信号を受け付けないCLR優先型の電圧制御発振器(V
CO)とする)。さらに、第二スイッチ(SW2)17h
が閉じられ、バッファ回路(BF)18hの出力は周波数
差検出回路(DFD)2の出力信号Vs(|△f|)を
保持する。
【0060】次に、第二パルス信号(sp)302が低レ
ベルになると、第一スイッチ(SW1)16h、第二スイ
ッチ(SW2)17hは開放され、電圧制御発振器(VC
O)15の制御電圧はロウパスフィルタ(LPF)14の出
力によって制御されるとともに、バッファ回路(BF)
18hの出力信号の値は保持状態となる。また、この時、
電圧制御発振器(VCO)15のCLR端子入力は低レベ
ルとなるので、電圧制御発振器(VCO)15の結合容量
Ccの値は、バッファ回路(BF)18hの出力によって
制御され、電圧制御発振器(VCO)15の出力信号の周
波数はほとんど瞬間的に入力周波数に等しくなり、以
後、本実施例のPLL回路はロウパスフィルタ(LP
F)14の出力によって電圧制御発振器(VCO)15の出
力信号位相を微調整し、同期を完了する。
【0061】本実施例で示したPLL回路では、電圧制
御発振器(VCO)15にエミッタ結合型マルチバイブレ
−タ回路を用いており、その周波数差検出回路(DF
D)2の出力信号の値に応じて結合容量の値を変化させ
実効自走周波数を変化させているが、抵抗Rcの値を変
化させたり、電圧制御発振器(VCO)15の回路構成を
変化させるなどして電圧制御発振器(VCO)15の実効
自走周波数を変化させることも可能である。また、本実
施例のPLL回路では、図18に示されている方式、す
なわち周波数差検出回路(DFD)2を用い電圧制御発
振器(VCO)15の実効自走周波数を制御する方式を適
用しているが、図17の実施例のように符号付きの信号
を出力する周波数差検出回路(DFD)2bを用いた
り、あるいは図19の実施例のように周波数差検出回路
(DFD)2と第6フリップフロップ(FF6)を用い
て電圧制御発振器(VCO)15の実効自走周波数を制御
するようにしてもよい。
【0062】図29に図12の周波数検出回路(DF
D)2の出力を使用した位相比較器(PC)の実施例
を、また図30には図29の位相比較器を用いたPLL
回路の実施例を示す。本実施例の位相比較器(PC)11
は、外部入力信号の立ち上がりエッジあるいは立ち下が
りエッジと電圧制御発振器(VCO)15の立ち上がりエ
ッジ間の時間差に応じたパルス幅を持つパルス信号をU
P出力端子111またはDOWN出力端子112に出力する。
【0063】図29の実施例では、周波数差検出回路
(DFD)2の第一フリップフロップ回路(FF1)23
bが、外部入力信号の立ち上がりエッジの位相が電圧制
御発振器(VCO)15の出力信号の立ち上がりエッジの
位相より遅れている時に、外部入力信号の立ち上がりエ
ッジに同期して高レベルに変化する信号を出力する。こ
の時、出力信号のパルス幅TFF1は、図31に示すよう
に、 TFF1=Tvco/2−Tdel Tvco:VCO出力信号の周期 Tdel:外部入力信号の立ち上がりエッジとVCO出力
信号の立ち上がりエッジの時間差 となる。
【0064】周波数差検出回路(DFD)2の第二フリ
ップフロップ回路(FF2)24bの出力信号は、外部入
力信号の立ち下がりエッジの位相が電圧制御発振器(V
CO)15の出力信号立ち上がりエッジの位相より遅れて
いる時に、外部入力信号の立ち下がりエッジに同期して
高レベルの信号を出力する。この出力信号のパルス幅T
FF2は、図31に示すように、 TFF2=Tvco/2−Tdel Tdel:外部入力信号の立ち下がりエッジとVCO出力
信号の立ち上がりエッジの時間差 となる。
【0065】周波数差検出回路(DFD)2の第三フリ
ップフロップ回路(FF3)25bの出力信号は、外部入
力信号の立ち上がりエッジの位相が電圧制御発振器(V
CO)15の出力信号の立ち上がりエッジの位相より進ん
でいる時に、外部入力信号の立ち上がりエッジに同期し
て高レベルの信号を出力する。この出力信号のパルス幅
TFF3は、図32に示すように、 TFF3=Tadv Tadv:外部入力信号の立ち上がりエッジとVCO出力
信号の立ち上がりエッジの時間差 となる。
【0066】周波数差検出回路(DFD)2の第四フリ
ップフロップ回路(FF4)26bの出力信号は、外部入
力信号の立ち下がりエッジの位相が電圧制御発振器(V
CO)15の出力信号の立ち上がりエッジの位相より進ん
でいる時に、外部入力信号の立ち下がりエッジに同期し
て高レベルの信号を出力する。この出力信号のパルス幅
TFF4は、図32に示すように、 TFF4=Tadv Tadv:外部入力信号の立ち下がりエッジとVCO出力
信号の立ち上がりエッジの時間差 となる。
【0067】この様に、第三、第四フリップフロップ回
路(FF3,FF4)25b,26bは外部入力信号の立ち上
がりあるいは立ち下がりエッジの位相が電圧制御発振器
(VCO)15の出力信号の立ち上がりエッジの位相より
進んでいるときにパルス信号を出力し、そのパルス幅T
FF3、TFF4は外部入力信号の立ち上がりあるいは立ち下
がりエッジと電圧制御発振器(VCO)15の出力信号の
立ち上がりの時間差に等しいので、この出力は位相比較
器(PC)のUP端子出力111を形成していることがわ
かる。
【0068】また、第一、第二フリップフロップ回路
(FF1,FF2)23b,24bは、外部入力信号の立ち上
がりあるいは立ち下がりエッジの位相が電圧制御発振器
(VCO)15の出力信号の立ち上がりエッジの位相より
遅れているときにパルス信号を出力するが、この出力信
号のパルス幅TFF1、TFF2は外部入力信号の立ち上がり
あるいは立ち下がりエッジと電圧制御発振器(VCO)
15出力信号の立ち上がりの時間差に等しくなく、これを
電圧制御発振器(VCO)15の出力信号の周期の1/2か
ら差し引いたものとなる。
【0069】そして、この出力信号のパルス幅を基にし
て、外部入力信号の立ち上がりあるいは立ち下がりエッ
ジと電圧制御発振器(VCO)15出力信号の立ち上がり
エッジの時間差に応じたパルス幅を持つ信号を、DOW
N出力端子112に出力する論理回路が本実施例の位相比
較器(PC)11である。本実施例の位相比較回路は3入
力論理積回路(AND1)43のみで構成され、外部入力
信号の位相が電圧制御発振器(VCO)15の出力信号の
位相より遅れているときに、周波数差検出回路(DF
D)2の遅れ位相の情報を持つ第一論理和回路(OR
1)28bの出力信号と同一のパルス幅を有するパルス信
号の成形を行い、down信号出力とし、外部入力信号
の位相が電圧制御発振器(VCO)15の出力信号の位相
より進んでいるときには、周波数検出回路(DFD)2
の第二論理和回路(OR2)の出力信号が直接up信号
111とする。
【0070】図29の位相比較器(PC)11を構成する
3入力論理積回路(AND1)43は、第一、第二フリッ
プフロップ回路(FF1,FF2)23b,24bの出力信号
の論理和信号(OR1)28bの反転信号、電圧制御発振
器(VCO)15の出力信号、第五フリップフロップ(F
F5)27bの出力信号を入力とし、図33に示すよう
に、外部入力信号の位相が電圧制御発振器(VCO)15
の出力信号の位相より遅れているときに TAND1=Tvco/2−(Tvco/2−Tdel)=Tdel Tdel:外部入力信号の立ち上がりあるいは立ち下がり
エッジとVCO出力信号の立ち上がりエッジの時間差 なるパルス幅を持つ信号を形成し、位相比較器(PC)
のDOWN出力端子に適した信号を出力することがわか
る。
【0071】本実施例の位相比較器の利点は2つあり、
第一にPLL回路の回路規模を大幅に縮小できること、
第二に図34に示すようなフィ−ドバック接続(点線
部)を有する従来形の位相比較器を用いることなく、外
部入力信号の位相と電圧制御発振器(VCO)15の出力
信号の位相を比較することが可能となり、PLL回路が
同期を完了した後に、位相比較器(PC)11の出力がほ
ぼ零となり、出力信号ノイズを低減できることである。
本実施例のPLL回路では、図18に示した方式、すな
わち周波数差検出回路(DFD)2を用い電圧制御発振
器(VCO)15の実効自走周波数を制御する方式を適用
しているが、図17の実施例のように符号付き信号を出
力する周波数差検出回路(DFD)2bを用いたり、あ
るいは図19の実施例のように周波数差検出回路(DF
D)2と第6フリップフロップ(FF6)を用いて電圧
制御発振器(VCO)1の実効自走周波数を制御するよ
うにしてもよい。
【0072】図35に本発明による平滑フィルタ(S
F)12’の実施例を、また図36にその平滑フィルタを
用いたPLL回路の実施例を示す。本実施例の平滑フィ
ルタ(SF)12’は図12の周波数差検出回路(DF
D)2のパルス状の出力信号OR1,OR2を、外部入
力信号と電圧制御発振器15の出力信号VCOとの位相差
に応じた直流信号を持つ信号に波形整形する回路であ
る。本実施例の平滑フィルタ(SF)12’は、第七、第
八、第九、第十フリップフロップ回路(FF7,FF
8,FF9,FF10)12a,12b,12c,12d、第三、第
四、第五論理和回路(OR3、OR4、OR5)12e,12
f,12g、第一、第二容量(C1,C2)12h,12i、第一、
第二電流源(J1,J2)12j,12k、第二電圧源(E
2)12l、第四、第五、第六、第七、第八スイッチ(S
W4,SW5,SW6,SW7、SW8)12m,12n,12o,
12p,12q、電流電圧変換器(V/A)12rから成る。
【0073】第七フリップフロップ回路(FF7)12a
は、クリア優先型ディレイフリップフロップであり、高
レベル信号をデ−タ入力(D入力)、図12に示されて
いる周波数差検出回路(DFD)2の第一論理和回路28
aの出力OR1の反転信号をクロック入力端子CLKへ
の入力信号、電圧制御発振器15の出力信号VCOをクリ
ア端子CLRへの入力信号とし、CLK入力信号の立ち
上がりエッジに同期したパルス幅Tvco/2の出力信号
を形成する(Tvcoは電圧制御発振器15の出力信号VC
Oの周期)。第八フリップフロップ回路(FF8)12b
は、クリア優先型ディレイフリップフロップであり、高
レベル信号をデ−タ入力(D入力)、図12に示されて
いる周波数差検出回路(DFD)2の第二論理和回路29
aの出力OR2の反転信号をクロック入力端子CLKへ
の入力信号、電圧制御発振器15の出力VCOの反転信号
をクリア端子CLRへの入力信号とし、CLK入力信号
の立ち上がりエッジに同期したパルス幅Tvco/2の出
力信号を形成する。
【0074】第九フリップフロップ回路(FF9)12c
は、クリア優先型ディレイフリップフロップであり、高
レベル信号をデ−タ入力(D入力)入力、第七フリップ
フロップ回路(FF7)12aの出力の反転信号をクロッ
ク入力端子CLKへの入力信号、第五論理和回路(OR
5)12gの出力信号をクリア端子CLRへの入力信号と
し、CLK入力信号の立ち上がりエッジに同期して高レ
ベル信号を出力し、図12の第一、第二論理和回路28a,
29aの出力信号OR1,OR2が高レベルになると、低
レベル信号を出力する。第十フリップフロップ(FF1
0)12dは、クリア優先型ディレイフリップフロップで
あり、高レベル信号をデ−タ入力(D入力)、第八フリ
ップフロップ回路(FF8)12bの出力の反転信号をク
ロック入力端子CLKへの入力信号、第五論理和回路
(OR5)12gの出力信号をクリア端子CLRへの入力
信号とし、CLK入力信号の立ち上がりエッジに同期し
て高レベル信号を出力し、図12の第一、第二論理和回
路28a,29aの出力信号OR1,OR2が高レベルになる
と、低レベル信号を出力する。
【0075】第三論理和回路(OR3)12eは第七、第
八フリップフロップ回路(FF7,FF8)12a,12bの
出力信号を入力とし、両信号の論理和信号を出力端子に
形成する。第四論理和回路(OR4)12fは第九、第十
フリップフロップ(FF9,FF10)12c,12dの出力
信号を入力とし、両信号の論理和信号を出力端子に形成
する。第五論理和回路(OR5)12gは図12に示され
ている周波数差検出回路(DFD)2の第一、第二論理
和回路28a,29aの出力信号OR1,OR2を入力とし、
両信号の論理和信号を出力端子に形成する。
【0076】第一容量(C1)12hは第一、第二電流源
(J1,J2)12j,12kの出力電流を入力とし、第四、
第五スイッチ(SW4,SW5)12m,12nを制御する第
一、第二論理和回路(OR1,OR2)28a,29a(図1
2)のパルス幅と第一、第二電流源(J1,J2)12j,
12kの出力電流値の積に応じた電圧で充電(あるいは放
電)され、第七スイッチ(SW7)12pを制御する第四
論理和回路(OR4)12fの出力信号が高レベルになる
と端子間電圧が零とされる。第二容量(C2)12iは第
六スイッチ(SW6)12oを制御する第三論理和回路
(OR3)12eの出力が高レベルの時に、第一容量(C
1)12hの出力電圧が伝達され保持する。
【0077】次に、図37および図38に上記実施例の
平滑フィルタ(SF)12’のタイミング図を示す。外部
入力信号の位相が電圧制御発振器15の出力信号VCOの
位相より進んでいるとする。このとき周波数検出回路
(DFD)2の第一論理和回路27aの出力OR1は、図
37に示すように零(低レベル)であり、第二論理和回路
29aはパルス幅Tadv(Tadv:外部入力信号の立ち上が
りあるいは立ち下がりエッジとVCO出力信号の立ち上
がりエッジの時間差)のパルス信号OR2を出力し(図
32参照)、この出力OR2が高レベルの間は、第四ス
イッチ(SW4)が閉じられ、第一容量(C1)12hの
端子間電圧Vc1は第一電流源(J1)12kによって Vc1=I1*Tadv/C1=K2*Tadv (K2=I1/C1)(I1:電流源J1の電流値)に
充電される。ただしこの時、第五スイッチ(SW5)12
nは開放されたままである。
【0078】次に、図12に示されている周波数差検出
回路(DFD)2の第二論理和回路29aの出力信号OR
2が低レベルになると、第八フリップフロップ回路(F
F8)12bの出力Q8が高レベルとなり、この出力が高
レベルの間、第六スイッチ(SW6)12oは閉じられ、
第一容量C1の充電電圧が第二容量(C2)12iに伝達
され、その端子間電圧Vc2は Vc2=Vc1=K2*Tadv (C1>>C2) となる。そして、この電圧値は再び第六スイッチ(SW
6)12oが閉じられるまで保持される。また、この端子
間電圧Vc2は電流電圧変換器(V/A)12rを経てロウ
パスフィルタ(LPF)に出力される。次に、第八フリ
ップフロップ回路(FF8)12bの出力信号Q8が低レ
ベルになると、第十フリップフロップ回路(FF10)
12dの出力が高レベルとなり、第七スイッチ(SW7)1
2pが閉じられ、第一容量(C1)12hの電荷を放電し、
第一容量(C1)12hの端子間電圧Vc1が必要以上に増
大されることを防止している。
【0079】一方、外部入力信号の位相が電圧制御発振
器15の出力信号VCOの位相より遅れていれば、図38
に示すように周波数検出回路(DFD)2の第二論理和
回路28aの出力OR2は零(低レベル)であり、第一論
理和回路27aはパルス幅Tvco/2−Tdel(Tdel:外部
入力信号の立ち上がりあるいは立ち下がりエッジとVC
O出力信号の立ち上がりエッジの時間差)のパルス信号
OR1を出力し(図31参照)、この出力OR1が高レ
ベルの間は、第五スイッチ(SW5)12nが閉じられ、
第八スイッチ(SW8)12qは第二電圧源(E2)12l側
に接続され、第一容量(C1)12hの端子間電圧Vc1は
第一電流源(J1)12kおよび第二電圧源(E2)12lに
よって Vc1=V+I2*(Tvco/2−Tdel)/C1 (V:E2の電圧値)(I2:J2の電流値)に充電さ
れる。この時、第四スイッチ(SW4)は開放されたま
まである。
【0080】ここで、予め、I2=I1、V=−I2*
Tvco/C1/2のように第二電流源(J2)12kと電圧
源(E)12lの値を設定しておくと、第一容量(C1)1
2hの端子間電圧Vc1は Vc1=−Tdel*I1/C1=−K2*Tdel となり、外部入力信号と電圧制御発振器15の出力信号V
COの位相差(時間差)に比例した電圧値を示す。従っ
て、この電圧を位相比較器(PC)11のDOWN信号に
代わって、ロウパスフィルタ(LPF)14への出力信号
として用いることができる。
【0081】次に、図12に示されている周波数差検出
回路(DFD)2の第一論理和回路29aの出力信号OR
1が低レベルになると、第七フリップフロップ回路(F
F7)12bの出力Q7が高レベルとなり、この出力Q7
が高レベルの間、第六スイッチ(SW6)12oは閉じら
れ、第一容量C1の充電電圧が第二容量(C2)12iに
伝達され、その端子間電圧Vc2は Vc2=Vc1=−K2*Tdel (C1>>C2) となり、この端子間電圧は第六スイッチ(SW6)12o
が再び閉じられるまで保持される。また、この電圧は電
流電圧変換器(V/A)12rを経てロウパスフィルタ
(LPF)14に出力される。次に、第七フリップフロッ
プ回路(FF7)12aの出力信号Q7が低レベルになる
と、第九フリップフロップ回路(FF9)12cの出力Q
9が高レベルとなり、第七スイッチ(SW7)12pが閉
じられ、第一容量(C1)12hの電荷を放電する。
【0082】この様に、本実施例の平滑フィルタ(S
F)12を用いたPLL回路は、図36に示す実施例の様
に位相比較器(PC)11を省略でき、かつ平滑フィルタ
のないPLL回路でのロウパスフィルタの出力電圧VLP
Fを示す図39にハッチングで示されているような電圧
の過剰部分を防止できる利点を持つ。本実施例のPLL
回路では、図18に示した方式、すなわち周波数差検出
回路(DFD)2を用い電圧制御発振器15の実効自走周
波数を制御する方式を適用しているが、符号付き信号を
出力する周波数差検出回路(DFD)2bを用いた方式
(図17)あるいは周波数差検出回路(DFD)2と第
6フリップフロップ(FF6)を用いた方式(図20)
により電圧制御発振器15の実効自走周波数を制御するよ
うにしてもよい。
【0083】一般に、ディジタル信号を出力する論理回
路を用いた位相比較器とチャ−ジポンプを持つPLL回
路では、図39に示すように、チャ−ジポンプの出力UP
が高レベルであるときに、ロウパスフィルタの出力VLP
Fは VLPF=(RL+CL-1∫dt)Icp Icp:チャ−ジポンプの出力電流 となる。ここで、一般に上式の右辺第2項は右辺第1項
に比べ非常に小さい値なので VLPF≒RL・Icp となり、VLPFは入出力信号間の位相関係に全く無関係
な値となり、アナログ位相比較器を持つPLL回路のロ
ウパスフィルタの出力電位よりかなり高い値となる。こ
のように、ディジタル出力位相比較器を用いたPLL回
路はチャ−ジポンプの出力が高レベルであるとき、電圧
制御発振器の発振周波数は過剰に制御されてしまい、ア
ナログ位相比較器を用いたPLL回路と比較して、同期
外れが起こり易くなる。
【0084】図40に本発明によるトリガ信号発生回路
(TPG)6とそれを用いたPLL回路の実施例を示す
(但し、ここでは、簡単のためロウパスフィルタ(LP
F)14の構成は完全積分型のものを用いた場合を示して
いる)。本実施例のトリガ信号発生回路(TPG)6
は、PLL回路が同期外れ状態にあるときあるいは外部
からトリガ信号を印加したときに、PLL回路を引き込
み状態に設定するための諸信号を発生する回路である。
本実施例のトリガ信号発生回路(TPG)6は、図40
に示されているように第六、第七論理和回路(OR6,
OR7)61,62、第二論理積回路(AND2)63、しき
い値回路(HLD)64、分周回路(DI)65から成る。
【0085】第六論理和回路(OR6)61は外部トリガ
信号EXT.TRIGGERおよび第二論理積回路(AND2)63
の出力信号を入力信号とし、これらの入力信号の論理和
を状態制御回路(SC)3に出力する。従って、しきい
値回路(HLD)64の出力信号あるいは外部トリガ信号
EXT.TRIGGERのレベルが低レベルから高レベルに変化す
ると、PLL回路は引き込み動作を開始する。第七論理
和回路(OR7)62は分周回路(DI)65の出力信号お
よび状態制御回路(SC)3の第一パルス信号発生回路
(IPG)31(図9参照)の出力信号302を入力とし、
これらの入力信号の論理和を周波数差検出回路(DF
D)2のクリア端子CLRに出力する。従って、分周回
路(DI)65の出力信号が低レベルであり、かつしきい
値回路(HLD)64の出力信号およびトリガ信号の入力
レベルが低レベルであるときのみ、周波数差検出回路
(DFD)2がクリア状態を解除されて動作状態となる
ことができる。
【0086】第二論理積回路(AND2)63はしきい値
回路(HLD)64の出力信号と、状態制御回路(SC)
3の第二パルス信号(sp)303(図10参照)の反転
信号を入力とし、この両信号の論理積信号を出力信号と
している。従って、このPLL回路が同期はずれ状態を
起こしており、電圧制御発振器(VCO)15の出力信号
の実効自走周波数が周波数差検出回路(DFD)2の出
力によって設定されている状態(第二パルス信号(s
p)303が高レベル)であれば、第二論理積回路出力
(ADN2)63は低レベルとなるので、状態制御回路
(SC)3の出力端子からパルス信号ipは出力されな
い。一方、このPLL回路が同期はずれ状態を起こして
おり、第二パルス信号(sp)303の出力信号が低レベ
ルであれば、第二論理積回路(ADN2)63の出力は高
レベルとなり、状態制御回路(SC)3はパルス信号i
p,spを出力し、PLL回路を引き込み状態に設定す
る。
【0087】しきい値回路(HLD)64は周波数差検出
回路(DFD)2の出力信号を入力とし、周波数差検出
回路(DFD)2の出力信号があるしきい値を越えたと
きに高レベルの信号を出力端子に出力する。すなわち、
しきい値回路(HLD)64は外部入力信号の周波数とP
LL内部の局部発振器(VCO)の発振周波数との差が
許容値以下であれば低レベル信号を出力し、許容値以上
であれば高レベルの信号を出力する回路である。
【0088】分周回路(DI)65は、CLR入力端子付
きの分周回路であり、電圧制御発振器(VCO)15の出
力信号を入力とし、この入力信号をN分周した信号を第
七論理和回路(OR7)62に出力する。従って、分周回
路(DI)65は電圧制御発振器(VCO)15の出力信号
の周期のN倍の時間ごとに、周波数差検出回路(DF
D)2を動作状態(周波数差検出状態)に設定し、外部
入力信号の周波数と電圧制御発振器(VCO)15の出力
信号の周波数の差を検出し、この検出信号をしきい値回
路(HLD)64を通して第二論理積回路(AND2)63
に出力する。また、分周回路(DI)65のクリア端子C
LRは、状態制御回路(SC)3の第一パルス出力信号
(ip)302を入力としており、第一パルス信号(i
p)302信号が高レベルになると分周回路(DI)65の
出力を強制的に低レベルとしている。これは、状態制御
回路(SC)3の第二パルス信号(sp)303が高レベ
ルであるときに周波数差検出回路(DFD)2の出力が
初期化されないようにするためである。
【0089】以下、図40のPLL回路において外部入
力信号が零である状態からのPLL回路の引き込み過程
について、図41のタイミング図を用いて説明する。こ
こでは簡単のために、初期状態において周波数差検出回
路(DFD)2の出力は零、電圧制御発振器(VCO)
15の出力信号の発振周波数は本来の自走周波数(固有周
波数)fr(すなわちfinitial=fr)であると仮定
する。外部入力信号INPUTがPLL回路に入力x;ると、
周波数差検出回路(DFD)2は動作を開始する。そし
て、外部入力信号の周波数と電圧制御発振器(VCO)
15の出力信号の発振周波数frの差が許容値を越えてい
るならば、N*Tvco(Tvco:VCOの周期)の
時間内に周波数差検出回路(DFD)2の出力はしきい
値回路(HLD)64の入力しきい値を越え、しきい値回
路(HLD)64は高レベルの信号を第二論理積回路(A
ND2)63に出力する。
【0090】次に、第二論理積回路63(AND)は状態
制御回路(SC)3の第二パルス信号(sp)303が低
レベルであるので、高レベルの出力信号を状態制御回路
(SC)3に出力する。状態制御回路(SC)3はこの
入力信号の立ち上がりエッジ同期して、第一パルス信号
(ip)302を出力し、周波数差検出回路(DFD)2
及び分周回路(DI)65を初期化する。続いて第一パル
ス信号(ip)302の立ち下がりエッジに同期して、第
二パルス信号(sp)303が出力され、この信号は第
一、第二スイッチ(SW1,SW2)16k,17kを閉
じ、電圧制御発振器(VCO)15の出力信号の周波数を
本来の自走周波数(固有周波数)に設定し、さらに周波
数差検出回路(DFD)2の出力信号VsによってPL
L本体回路内部のロウパスフィルタ(LPF)14の容量
(CL)14bを充放電する。そして、第二パルス信号(s
p)303が低レベルになると、第一、第二スイッチ(S
W1,SW2)16h,17hを開放し、PLL本体回路1は
本来のPLL回路の動作で、位相の微調整を行い、速や
かに同期を完了する。
【0091】次に、ハ−モニックロッキングやノイズ等
で、電圧制御発振器(VCO)15の出力信号の発振周波
数と外部入力信号の周波数の差が許容値を越えたときの
引き込み過程を、図42のタイミングチャートを用いて
説明する。図42の横軸のA点で電圧制御発振器(VC
O)15の出力信号の発振周波数が変化したとする。そし
て、B点で分周回路(DI)65の出力が低レベルになっ
たと仮定する。すると、周波数差検出回路(DFD)2
が動作を開始し、両信号の周波数差が許容値を越えてい
るので、周波数差検出回路(DFD)2の出力信号は、
しきい値回路(HLD)64の入力しきい値を越え、以
下、図41の場合と全く同様の動作でPLL回路は引き
込み状態にされた後、同期を完了する。このように本実
施例のトリガ信号発生回路(TPG)を設けたPLL回
路を用いると、回路規模をほとんど増大させることな
く、ハ−モニックロッキングを防止することができる。
また、本実施例のトリガ信号発生回路は前述した全ての
PLL回路において使用可能である。
【0092】なお、本発明のPLL回路においては、引
き込み状態の初期に電圧制御発振器(VCO)の発振周
波数を初期化する必要があり、実施例では図6、図7、
図8、図17、図18、図20、図23、図25、図2
6、図30、図36、図40に示されているように、第
一スイッチ(SW1)を閉じることによりこれを行って
いるが、電圧制御発振器の発振周波数初期化をより正確
に行うために、第一スイッチ(SW1)の接続を図43
のようにしてもよい。また、第一スイッチ(SW1)を
閉じなくても、電圧制御発振器(VCO)が本来の自走
周波数(固有周波数)での発振状態が実現可能な場合
や、電圧制御発振器の周波数差の補正Δfが周波数差検
出回路(DFD)の出力の符号を含めて行われるため、
特に上記の固有周波数での発振状態が不要な場合におい
ては、第一スイッチ(SW1)と第一電圧源(E1)は
省略し、回路を簡略化するようにしてもよい。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、従来
形のPLL本体回路1に、周波数差検出回路2、状態制
御回路3、スイッチ回路4、トリガ信号発生回路5を付
加して、PLL回路を構成し、PLL回路が同期はずれ
起こしているとき、またはトリガ信号が入力したとき
に、周波数差検出回路の出力信号によってその電圧制御
発振器の実効自走周波数を制御するようにしたので、ほ
とんど瞬時に周波数同期を完了し、その後、従来のPL
L回路と同様の動作で位相同期を完了する。この結果、
引き込み時間を考慮しないPLL回路の設計ができるの
で、高速引き込み特性、低ノイズ特性を同時に満たすP
LL回路を実現できるという効果があるる。また、周波
数差検出回路は位相比較型の周波数差検出回路としたの
で、位相比較器と回路を兼用することができ、従来のP
LL回路の場合に比し回路規模をほとんど増大させるこ
となく、NRZ入力信号のクロック信号周波数と電圧制御
発振器の発振周波数との差を検出できるという効果があ
る。
【0094】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、この発明は上記実施例
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、
PLL本体回路内部の局部発振器は、電圧制御発振器で
あるが、電流制御発振器(CCO)の形態を採ることが
でき、またその回路形式は前述したエミッタ結合型マル
チバイブレ−タ回路に限定されることなく、例えば、リ
ングオシレ−タ等の回路形式を採ることもできる。ま
た、電圧制御発振器の実効自走周波数の設定方法も、前
述した周波数差検出回路の出力信号によって直接電圧制
御発振器の制御電圧を制御する方法に限定されず、例え
ば、スイッチドキャパシタ等を用いて間接的に電圧制御
発振器の実効自走周波数を制御する方法も適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るPLL回路の基本構成を示すブロ
ック図、
【図2】本発明に係るPLL回路の一実施例を示すブロ
ック図、
【図3】本発明に係るPLL回路の他の実施例を示すブ
ロック図、
【図4】本発明に係るPLL回路と従来のPLL回路の
同期過程の違いを示すグラフ、
【図5】本発明に係るPLL回路を構成する状態制御回
路の構成例を示すブロック図、
【図6】図5に示す状態制御回路を用いたPLL回路の
一実施例を示すブロック図、
【図7】図5に示す状態制御回路を用いたPLL回路の
他の実施例を示すブロック図、
【図8】図5に示す状態制御回路を用いたPLL回路の
他の実施例を示すブロック図、
【図9】状態制御回路の他の構成例を示すブロック図、
【図10】図9に示す状態制御回路を用いたPLL回路
の他の実施例を示すブロック図、
【図11】図10に示すPLL回路の変形例(スイッチ
の設定位置)を示すブロック図、
【図12】本発明に係るPLL回路を構成する周波数差
検出回路の構成例を示すブロック図、
【図13】周波数差検出回路の他の構成例を示すブロッ
ク図、
【図14】図12に示す周波数差検出回路のタイミング
図、
【図15】図13に示す周波数差検出回路のタイミング
図、
【図16】外部入力信号周波数とVOC周波数との比が
約1:3のときの図12に示す周波数差検出回路のタイ
ミング図、
【図17】入力信号間の周波数差の絶対値および符号を
検出可能な周波数差検出回路を用いたPLL回路の一実
施例を示すブロック図、
【図18】図12または図13の周波数差検出回路を用
いたPLL回路の一実施例を示すブロック図、
【図19】外部入力信号周波数とVOCの固有周波数と
の関係を示す図、
【図20】本発明に係るPLL回路の他の実施例を示す
ブロック図、
【図21】図20に示すPLL回路におけるΔf=fin
−fvco>0のときの引込み過程を示すタイミング図、
【図22】図20に示すPLL回路におけるΔf=fin
−fvco<0のときの引込み過程を示すタイミング図、
【図23】本発明に係るPLL回路のより具体的な実施
例を示すブロック図、
【図24】図23に示すPLL回路における引込み過程
を示すタイミング図、
【図25】本発明に係るPLL回路の他の具体的実施例
を示すブロック図、
【図26】本発明に係るPLL回路のさらに他の具体的
実施例を示すブロック図、
【図27】電圧制御発振器VCOの具体的回路例を示す
回路図、
【図28】図26に示すPLL回路における引込み過程
を示すタイミング図、
【図29】本発明に係るPLL回路を構成する位相比較
器の実施例を示すブロック図、
【図30】図29の位相比較器を用いたPLL回路の一
実施例を示すブロック図、
【図31】VCO位相>外部入力信号位相のときの周波
数差検出回路の内部信号のタイミングを示す図、
【図32】VCO位相<外部入力信号位相のときの周波
数差検出回路の内部信号のタイミングを示す図、
【図33】図29の位相比較器の出力信号のタイミング
を示す図、
【図34】従来の位相比較器の構成例を示す論理回路
図、
【図35】本発明に係るPLL回路を構成する平滑フィ
ルタの実施例を示す回路構成図、
【図36】図35の平滑フィルタを用いたPLL回路の
一実施例を示すブロック図、
【図37】外部入力信号位相が進んでいる場合の図35
の平滑フィルタの動作を示すタイミング図、
【図38】外部入力信号位相が遅れている場合の図35
の平滑フィルタの動作を示すタイミング図、
【図39】平滑フィルタのないPLL回路の電位を示す
波形図、
【図40】トリガ信号発生回路を備えたPLL回路の実
施例を示すブロック図、
【図41】図40に示すPLL回路における外部入力信
号が零である状態からの引込み過程を示すタイミング
図、
【図42】図40に示すPLL回路におけるVCO発振
周波数と外部入力信号周波数の差が許容値を越えたとき
の引込み過程を示すタイミング図、
【図43】VCO発振周波数の初期化を確実に行なう機
能を備えたPLL回路の実施例を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 PLL回路本体 2 周波数差検出回路 3 状態制御回路 4 スイッチ回路 5 トリガ信号発生回路 11 位相比較器 12 平滑フィルタ 13 チャージポンプ 14 ローパスフィルタ 15 局部発振器(電圧制御発振器) 18 バッファ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中司 賢一 福岡県粕屋郡志免町大字志免1325−1 (72)発明者 江良 佳和 東京都千代田区丸の内1丁目5番1号 株 式会社日立製作所光技術開発推進本部内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の自走周波数を持ちかつ制御信号に
    従って発振周波数が制御される局部発振器と、その出力
    信号と外部入力信号との位相差に従った制御信号を形成
    する位相比較回路と、上記位相比較回路からの制御信号
    を受け上記局部発振器の制御信号入力を形成するロウパ
    スフィルタから成るPLL本体回路と、上記外部入力信
    号の周波数と上記PLL本体回路内部の局部発振器の発
    振周波数との差に応じた信号を出力する周波数差検出回
    路と、内部で生成または外部から印加されるトリガ信号
    に応じて上記PLL本体回路と周波数差検出回路の回路
    状態を設定するための制御信号を生成する状態制御回路
    および上記PLL本体回路への制御信号の切換えを行な
    うスイッチ回路とから成り、上記の周波数差検出回路の
    出力を用いて、上記PLL本体回路内部の局部発振器の
    実効自走周波数をほぼ外部入力信号の周波数に設定する
    ことによって高速引き込みを可能としたことを特徴とす
    るPLL回路。
  2. 【請求項2】 上記状態制御回路は、内部で生成または
    外部から印加されるトリガ信号に応じて複数個のパルス
    信号を形成し、これらのパルス信号と上記スイッチ回路
    によって上記周波数差検出回路を初期化し、次に所定の
    サンプリング時間だけ周波数差検出回路を検出状態に
    し、その結果得られる周波数差に応じた出力信号が上記
    PLL本体回路内部の局部発振器の制御信号設定端子に
    印加されるとともに、上記PLL本体回路内部の局部発
    振器の制御信号入力がPLL本体回路内部のロウパスフ
    ィルタ出力によって制御されるように構成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のPLL回路。
  3. 【請求項3】 上記周波数差検出回路は、所定のサンプ
    リング時間内において、上記外部入力信号の立ち上がり
    エッジと立ち下がりエッジの一方または両方での上記外
    部入力信号と上記PLL本体回路内部の局部発振器の出
    力信号間の位相の進みまたは遅れの関係を示す信号を形
    成する手段と、その信号に基づいて位相の進み、遅れの
    反転回数を計数する計数回路とを備え、連続した同符号
    を含むデ−タ信号における基本周波数差の検出が可能に
    されていることを特徴とする請求項1または請求項2記
    載のPLL回路。
  4. 【請求項4】 上記周波数差検出回路は、上記外部入力
    信号の周波数と上記PLL本体回路内部の局部発振器の
    発振周波数の差の少なくとも絶対値のみを検出できるよ
    うに構成され、ジトリガ信号に応じて交互に出力が反転
    するように構成された符号制御信号発生回路の出力信号
    と上記周波数差検出回路の出力に基づいて、上記PLL
    本体回路内部の局部発振器の実効自走周波数を所要の値
    に設定することを特徴とする請求項3記載のPLL回
    路。
  5. 【請求項5】 上記PLL本体回路内部の局部発振器の
    実効自走周波数は、上記PLL本体回路内部の局部発振
    器の周波数設定用制御電圧(もしくは電流)あるいは上
    記ロウパスフィルタの内部電圧を上記周波数差検出器の
    出力信号および上記状態制御回路の出力を用いて制御す
    ることによって設定されることを特徴とする請求項1、
    請求項2、請求項3または請求項4項記載のPLL回
    路。
  6. 【請求項6】 上記PLL本体回路内部の局部発振器の
    実効自走周波数は、抵抗と容量とから成る完全積分型ロ
    ウパスフィルタの容量への電荷の充放電の量を上記周波
    数差検出回路の出力および上記状態制御回路の出力を用
    いて制御することによって設定されることを特徴とする
    請求項5項記載のPLL回路。
  7. 【請求項7】 上記PLL本体回路内部の局部発振器
    は、上記周波数差検出回路の出力信号に応じて上記PL
    L本体回路内部の局部発振器の回路構成または回路を構
    成する素子の値または発振周波数を設定するためのパラ
    メタを変化させることで上記局部発振器の周波数制御端
    子入力が零である時の発振周波数(固有自走周波数)が
    所定の値に制御されるように構成されていることを特徴
    とする請求項1項、請求項2、請求項3または請求項4
    記載のPLL回路。
  8. 【請求項8】 上記周波数差検出回路は上記外部入力信
    号とPLL本体回路内部の局部発振器の出力信号の周波
    数差を示す信号を出力する端子と、これらの信号の位相
    差関連情報を出力する端子と、上記信号の位相の進み、
    遅れを示す信号を出力する端子とを備え、上記PLL本
    体回路内部の位相比較器は第一の入力を上記周波数差検
    出回路からの上記位相差関連情報信号、第二の入力信号
    を上記PLL本体回路の局部発振器の出力信号とし、第
    三の入力を上記周波数差検出回路からの位相の進み、遅
    れを示す信号とする論理回路を備えてなることを特徴と
    する請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項
    5、請求項6または請求項7記載のPLL回路。
  9. 【請求項9】 上記周波数差検出回路は、上記外部入力
    信号とPLL本体回路内の局部発振器の出力信号の周波
    数の差を示す出力端子とこれらの信号の位相差関連情報
    信号を出力する端子とを備えるとともに、上記PLL本
    体回路内部には、上記位相差関連情報と上記PLL本体
    回路内部の局部発振器を入力信号とし、上記PLL本体
    回路内部の局部発振器の出力信号の立ち上がりエッジと
    上記外部入力信号の立ち上がり(あるいは立ち下がり)
    エッジの時間差に応じた電圧(あるいは電流)をロウパ
    スフィルタに出力する平滑フィルタが設けられているこ
    とを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5、請求項6または請求項7記載のPLL回
    路。
  10. 【請求項10】 上記周波数差検出回路からの出力信号
    に基づいてPLL回路の非同期状態を検出しPLL回路
    を引き込み状態に設定するためのトリガ信号を発生する
    回路を備えてなることを特徴とする請求項1、請求項
    2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項
    7、請求項8または請求項9記載のPLL回路。
  11. 【請求項11】 上記トリガ信号発生回路は、PLL回
    路が同期、非同期状態に関わらず周波数差検出回路をほ
    ぼ一定の間隔で動作させるサンプリング回路と、該サン
    プリング回路出力信号がハイレベルあるいはロウレベル
    である間周波数差検出回路を動作させこの出力信号が一
    定のレベルに達しているか否かを判定し、PLL回路が
    同期、非同期のいずれの状態にあるのかを検出する同期
    はずれ状態検出回路とから成ることを特徴とする請求項
    10記載のPLL回路。
  12. 【請求項12】 上記周波数差検出回路は、所定の基本
    周波数を持ちディジタル信号によって符号化されたデー
    タ信号を第一の入力とし、上記PLL本体回路内部の局
    部発振器の出力または局部発振器の出力を分周した信号
    を第二の入力とし、所定のサンプリング時間内において
    上記デ−タ信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジ
    の一方または両方での、これら両入力信号の位相差の正
    負の反転を計測する計数回路を備え、連続する同符号を
    含むデ−タ信号の基本周波数と局部発振器出力の周波数
    の差を検出可能とされていることを特徴とする請求項1
    〜請求項10記載のPLL回路。
  13. 【請求項13】 上記位相比較器は、所定の基本周波数
    を持ちディジタル信号によって符号化されたデータ信号
    を第一の入力とし、上記PLL本体回路内部の局部発振
    器の出力または局部発振器の出力を分周した信号を第二
    の入力とし、請求項12記載の周波数差検出回路から出
    力される位相差関連情報信号を第三の入力とし、上記P
    LL本体回路内部の局部発振器の出力または局部発振器
    の分周出力の立ち上がりエッジと上記デ−タ信号の立ち
    上がり(あるいは立ち下がり)エッジの時間差に応じた
    パルス幅をもつ信号を出力する論理回路を備えてなるこ
    とを特徴とする請求項12記載のPLL回路。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の周波数差検出回路か
    ら出力される位相差関連情報信号を第一の入力とし、外
    部入力信号を第二入力とし、この外部入力信号の立ち上
    がりエッジ(あるいは立ち下がりエッジ)と上記電圧制
    御発振器の出力信号の立ち上がりエッジの時間差に応じ
    たパルス幅を持つ上記周波数差検出回路の位相差関連情
    報信号を平滑化するための積分器、および該積分器の充
    放電の状態を制御するためのスイッチが設けられ、この
    平滑化された信号をチャ−ジポンプ(あるいはロウパス
    フィルタ)に出力する平滑フィルタが上記PLL本体回
    路内部に設けられていることを特徴とする請求項12ま
    たは請求項13記載のPLL回路。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999000903A1 (fr) * 1997-06-27 1999-01-07 Hitachi Ltd Circuit a phase asservie, et machine et systeme de traitement de donnees
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US7266171B2 (en) 1997-01-30 2007-09-04 Renesas Technology Corp. Phase-locked loop circuit and radio communication apparatus using the same
JP2014504490A (ja) * 2010-12-20 2014-02-20 日本テキサス・インスツルメンツ株式会社 信号の位相混入を低減するための方法及び装置

Cited By (5)

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