JP3102204B2 - まがり歯傘歯車の歯形構造 - Google Patents

まがり歯傘歯車の歯形構造

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JP3102204B2 JP05128578A JP12857893A JP3102204B2 JP 3102204 B2 JP3102204 B2 JP 3102204B2 JP 05128578 A JP05128578 A JP 05128578A JP 12857893 A JP12857893 A JP 12857893A JP 3102204 B2 JP3102204 B2 JP 3102204B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、まがり歯傘歯車、例え
ばハイポイドギヤの歯形構造に関する。
【0002】
【従来の技術】リングギヤとこれより小径のピニオンギ
ヤとの組み合わせからなるまがり歯傘歯車、例えばハイ
ポイドギヤにおいては、歯車の強度を向上させる手段と
して歯幅を増加させることが有効であるとされている。
その一方、図3に示すようにハイポイドギヤの歯幅Wを
増加させると、それに伴って歯面Fの小端部側に噛み合
い干渉mが発生することから、何らかのかたちでこの噛
み合い干渉mを回避する必要がある。なお、図3の斜線
部分aは有効噛み合い範囲を、符号bは噛み合いの進行
方向をそれぞれ示している。
【0003】このようなことから、従来は例えば図6に
示すように歯切り工程において一方の歯面Fと小端側の
歯側面Jとのコーナー部にフラットな面取り(面取り部
を符号C1で示す)を施したり、あるいは図7に示すよ
うにヘリカルギヤの噛み合い初期の衝撃音を低減するた
めに、歯面の仕上げ工程において一方の歯面Fと歯先面
tおよび小端側の歯側面Jとのなすコーナー部に面取
り(面取り部を符号C2で示す)を施すようにしている
(類似構造が例えば特開平2−224920号公報に開
示されている)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、歯車の
歯幅Wを増加させた上で噛み合い干渉防止のために面取
りを施した場合、歯幅増加による相応の強度向上が認め
られるものの、いずれの場合にも図6,7に示すように
面取り部C1またはC2によって有効噛み合い範囲aの一
部を除去しているために、噛み合い率が低下して噛み合
いノイズの増大を招くという問題がある。
【0005】すなわち、傘歯車においてその噛み合い率
εと歯幅Wとは(1)式のような関係にある。
【0006】 ε={W/(2A−W)}・f(A・P・θ)‥‥‥(1) A:円錐距離 P:ピッチ θ:ねじれ角 したがって、図6,7に示したように、面取り部C1
たはC2の加工に伴って有効噛み合い範囲aの面積が減
少することは(1)式での歯幅Wが減少することにほか
ならないから、結果的に噛み合い率が低下して噛み合い
ノイズの増大を招くことになる。なお、上記(1)式は
重なり噛み合い率が歯幅寸法に比例することを定義して
おり、例えば、仙波正荘「歯車の強さ計算法」(昭55
−2−28)日刊工業新聞社、P.198−199
記載されている。
【0007】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたもので、その目的とするところは、歯車の強度向上
のために歯幅を増加させた場合にも、噛み合い率を低下
させることなく噛み合い干渉を効果的に回避できるよう
にしたハイポイドギヤ等のまがり歯傘歯車の歯形構造を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のハイポイドギヤ
等のまがり歯傘歯車の歯形構造は、歯先面と小端側の歯
側面とのなすコーナー部に、半径Rの値のアール面取り
加工を施したことを特徴としている。
【0009】上記の半径Rの値は、図3および図6,7
示した歯面F上での有効噛み合い範囲aを切除するこ
となしに噛み合い干渉を回避できる最小半径と定義さ
れ、次式によって求められる。
【0010】 R={t+c+(2ct)1/2}・cosθ+ΔR c:歯面小端部での歯幅方向の干渉長さ t:歯面小端部において噛み合いに関与しない部分の歯
先面からの高さ(歯先面から有効噛み合い範囲aまでの
高さ) θ:小端側のねじれ角ΔR:加工誤差補正分
【0011】
【作用】この構造によると、有効噛み合い範囲の減少を
伴わないで済むことから、噛み合い率を低下させること
なく噛み合い干渉を回避することができるようになっ
て、ハイポイドギヤの歯幅増加による強度向上と噛み合
いノイズの低減とを両立させることができる。
【0012】
【実施例】図1の(A),(B)は本発明の一実施例を
示す図で、自動車の最終減速装置用のハイポイドギヤの
リングギヤ(大歯車)に適用した場合の例を示してい
る。
【0013】図1の(A),(B)に示すように、通常
よりも歯幅Wを増大させたリングギヤ1の各々の歯1a
について、歯先面Ctと小端側の歯側面Jとのなすコー
ナー部に、その歯面Fの有効噛み合い範囲aを切除する
ことがないように所定の曲率半径Rのアール面取り加工
を施してアール面取り部Qを形成した点で従来のものと
異なっている。
【0014】そして、上記のリングギヤ1は例えばグリ
ーソン式のハイポイド歯切盤によって歯切加工されるも
のであるが、歯切加工前の素材に予め旋削等によりアー
ル面取り加工を施しておくものとする。2はリングギヤ
1と噛み合うピニオンギヤである。
【0015】上記のアール面取り部Qの半径Rの値は、
図3,4に示すように、噛み合い率の低下の原因となる
有効噛み合い範囲aの切除を防止しつつ、各歯1aの小
端側での噛み合い干渉を回避し得る最小半径と定義さ
れ、歯面小端部での歯幅方向の干渉mの長さをc、歯面
小端部において噛み合いに関与しない部分の歯先面Ct
からの高さ(歯先面C t から有効噛み合い範囲aまでの
高さ)をt、小端側のねじれ角をθとしたとき、(2)
式によって表される。なお、Bは歯底面である。
【0016】 R={t+c+(2ct)1/2}・cosθ ‥‥‥(2)より詳しくは、図5に示すように、上記の噛み合いに関
与しない部分の高さtは、言い換えるならば、理論的に
は噛み合い時に相手側歯車と接触しない部分の幅寸法で
あるから、先に述べた干渉は、この噛み合い時に相手側
歯車と接触しない部分のうち、噛み合い時に相手側歯車
と接触する部分に近いところに発生する。そして、上記
干渉が限りなく相手側歯車と接触する部分に近いところ
に発生したと仮定すると、この干渉位置を回避すること
ができる円弧は、高さtと幅cとの交点Eを通ることに
なる。 ここで、図5の(A)において、点Eを頂部にも
つ三角形a,b,Eの三辺について考えると、 2 =(r−t) 2 +(r−c) 2 となる。 この式をrについて解くと、 r=t+c±(2ct) 1/2 となる。 このrを半径とする円は、図5の(B)に示す
ように大小二つ存在することになるものの、本実施の形
態ではその目的よりして大きい方の円を求めようとして
いるので、その大きい方の円のrは次のようになる。 r=t+c+(2ct)1/2 このrの値に歯すじのねじれ角θを考慮すると、求めよ
うとする円の半径Rの値は次式であらわされる。R=r・cosθ ={t+c+(2ct) 1/2 }・cosθ そして、実際のアール面取り加工時の加工誤差補正分Δ
Rを考慮すると(2)式は次のようになる。
【0017】 R={t+c+(2ct)1/2}・cosθ+ΔR ‥‥‥(3) 図2は表1の諸元のハイポイドギヤにおけるアール面取
り部Qの半径Rと、干渉長さおよび噛み合い率との関係
を示す図である。
【0018】
【表1】
【0019】図2から明らかなように、アール面取り部
Qの半径Rの値がおよそ4.8mm以上になるとそのア
ール面取り部Qのために図3に示した有効噛み合い範囲
aが図6,7と同様に部分的に切除されるようになって
噛み合い率が急激に低下するとともに、逆にアール面取
り部Qの半径Rの値がおよそ4.5mmよりも小さくな
ると噛み合い干渉が発生する。
【0020】そこで、上記のアール面取り部Qの半径R
の選定にあたっては、噛み合い干渉長さが0であるこ
と、および噛み合い率の減少が可及的に少ないこと、を
条件として、旋削加工時の加工誤差を考慮して選定す
る。
【0021】例えば、噛み合い干渉が0となる半径Rの
値を(2)式より求めるとR=4.5mmとなり、これ
に(3)式に示すように加工誤差ΔR=0.5mmを上
乗せして最終的な半径Rの値を求めるとR=5.0mm
となる。
【0022】そして、このR=5.0mmを図2に当て
はめてみると、R=5.0mmの場合には噛み合い干渉
長さが0であり、しかも噛み合い率は2.800となっ
て、半径Rの値を考慮していない場合の噛み合い率2.
801と比べてほとんど変わらない。これによって、先
の(2),(3)式が適切であることが証明された。
【0023】なお、上記の例では、加工誤差ΔRの値の
選定次第では半径Rの値が5.0mmを越えることもあ
り得るが、図2から明らかなように半径Rの値が5.0
mmを越えると噛み合い率の低下が著しくなるのでRの
値の許容範囲としては4.5〜5.5mmの範囲内で、
望ましくはR=5.0mmということになる。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、歯先面と
小端側の歯側面とのなすコーナー部に、特定の式によっ
て求められる半径Rの値の大きさのアール面取り加工を
施したことにより、歯車の強度向上のために歯幅を増加
させたとしても、噛み合い率を低下させることなく噛み
合い干渉を効果的に回避できることから、噛み合いノイ
ズの増大を伴うことなしに所期の目的である歯幅増加に
よる強度向上を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図で、(A)のハイポ
イドギヤの要部断面説明図、(B)は同図(A)の要部
拡大斜視図。
【図2】図1に示すアール面取り部と噛み合い率および
干渉長さとの関係を示す説明図。
【図3】アール面取り加工を施す前の歯形の斜視図。
【図4】図3の歯形の説明図。
【図5】アール面取り部の半径Rの算出方法を示す説明
図。
【図6】従来の歯形の要部拡大図。
【図7】従来の歯形の他の例を示す要部拡大図。
【符号の説明】
1…リングギヤ 1a…歯 2…ピニオンギヤ Ct…歯先面 F…歯面 J…歯側面 Q…アール面取り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 1/14 F16H 55/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯先面と小端側の歯側面とのなすコーナ
    ー部に、次式によって求められる半径Rの値のアール面
    取り加工を施したことを特徴とするまがり歯傘歯車の歯
    形構造。 R={t+c+(2ct)1/2}・cosθ+ΔR c:歯面小端部での歯幅方向の干渉長さ t:歯面小端部において噛み合いに関与しない部分の歯
    先面からの高さ θ:小端側のねじれ角ΔR:加工誤差補正分
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