JP3101981B2 - 倍力装置の反力伝達機構 - Google Patents

倍力装置の反力伝達機構

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JP3101981B2
JP3101981B2 JP04021816A JP2181692A JP3101981B2 JP 3101981 B2 JP3101981 B2 JP 3101981B2 JP 04021816 A JP04021816 A JP 04021816A JP 2181692 A JP2181692 A JP 2181692A JP 3101981 B2 JP3101981 B2 JP 3101981B2
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valve
brake pedal
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booster
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真太郎 宇山
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ボッシュ ブレーキ システム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は倍力装置の反力伝達機構
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シェル内に摺動自在に設けたバル
ブボディと、このバルブボディに穿設した貫通孔に摺動
自在に嵌合されて入力軸に連動する弁プランジャと、上
記バルブボディに基部を摺動自在に嵌合させた出力軸
と、上記出力軸の基部と上記貫通孔が開口するバルブボ
ディの端面との間に介在されるとともに上記弁プランジ
ャの先端面に対向するリアクションディスクとを備え、
出力軸に作用する出力の反力をリアクションディスクと
弁プランジャを介して入力軸に伝達するように構成した
倍力装置は周知である。そして、そのような構成を前提
としたうえで、ブレーキペダルの踏み込み時とブレーキ
ペダルの解放時とでサーボ比を異ならせることで、ヒス
テリシスを大きくする技術も知られている(例えば、実
公平3−3095号公報)。すなわち、実公平3−30
95号公報の倍力装置においては、上記リアクションデ
ィスクと弁プランジャとの間にカラー部材を介在させて
あり、倍力装置の作動開始後におけるサーボバランス領
域において、弁機構の大気弁と真空弁とが両方とも閉鎖
されたサーボバランス状態からブレーキペダルが踏み込
まれた時には大気弁が開放される。その際には、リアク
ションディスクはカラー部材および弁プランジャの両方
に当接するので、小さなサーボ比で出力が上昇する。他
方、上記サーボバランス状態からブレーキペダルの踏み
込みが解放された時には真空弁が開放されるので、変圧
室内の大気が定圧室側に逃げて出力が低下し、その際に
はリアクションディスクは弁プランジャだけに当接して
いるので、大きなサーボ比で出力が減少する。このよう
に、上記実公平3−3095号公報の倍力装置において
は、ブレーキペダルの踏み込み時のサーボ比よりもブレ
ーキペダルの解放時のサーボ比を大きくすることによっ
て、大きなヒステリシスを得るようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た実公平3−3095号公報の倍力装置では、リアクシ
ョンディスクと弁プランジャとの間に上記カラー部材を
介在させるようにしていたので、該カラー部材の分だけ
部品点数が増加するとともに構成が複雑になるという欠
点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した事情に鑑み、本
発明は、シェル内に摺動自在に設けたバルブボディと、
このバルブボディに穿設した貫通孔に摺動自在に嵌合さ
れて入力軸に連動する弁プランジャと、上記バルブボデ
ィに基部を摺動自在に嵌合させた出力軸と、上記出力軸
の基部と上記貫通孔が開口するバルブボディの端面との
間に介在されるとともに上記弁プランジャの先端面に対
向するリアクションディスクとを備え、出力軸に作用す
る出力の反力をリアクションディスクと弁プランジャを
介して入力軸に伝達するように構成した倍力装置の反力
伝達機構において、上記リアクションディスクと当接す
るバルブボディの端面の内周縁をフロント側が拡径する
テーパ面とし、弁プランジャがバルブボディに対してフ
ロント側に前進されるブレーキペダルの踏み込み時に
は、上記弁プランジャの先端面が上記テーパ面の内方側
に位置するように構成するとともに、上記弁プランジャ
がバルブボディに対してリア側に後退されるブレーキペ
ダルの解放時には、上記弁プランジャの先端面が上記ブ
レーキペダルの踏み込み時よりもバルブボディに対して
リヤ側に位置するように構成して、ブレーキペダルの踏
み込み時の方がブレーキペダルの解放時よりも上記テー
パ面に対するリアクションディスクの接触面積が小さく
なるように設定したものである。
【0005】
【作用】このような構成によれば、倍力装置の作動開始
後におけるサーボバランス領域において、弁機構の大気
弁と真空弁とが両方とも閉鎖されたサーボバランス状態
からブレーキペダルが踏み込まれて大気弁が開放される
時の弁プランジャのバルブボディに対する位置は、上記
サーボバランス状態からブレーキペダルの踏み込みが解
放されて真空弁が開放される時の弁プランジャのバルブ
ボディに対する位置よりも前になる。このようにブレー
キペダルの解放時よりもブレーキペダルの踏み込み時の
方が、バルブボディに対する弁プランジャの位置が前に
なると、その分だけ弁プランジャによってリアクション
ディスクが前方に押出されることになる。そのため、ブ
レーキペダルの解放時に比較してブレーキペダルの踏み
込み時の方が上記テーパ面に接触するリアクションディ
スクの接触面積が小さくなって、サーボ比も小さくな
る。これによって、ブレーキペダルの解放時とブレーキ
ペダルの踏み込み時の入力の差であるヒステリシスを大
きくすることができる。したがって、上述した従来に比
較すると、簡略な構成によって大きなヒステリシスを得
ることができる。
【0006】
【実施例】以下図示実施例について本発明を説明する
と、図1は基本的に従来公知の構成からなる負圧式ブレ
ーキ倍力装置のシェル内の要部を示したものである。図
1において、1は図示しないシェル内に摺動自在に設け
たバルブボディであり、このバルブボディ1の軸部には
フロント側が大径となる段付孔1Aを穿設している。こ
の段付孔1Aにおけるリヤ側の小径部1aには、弁機構
の一部を構成する弁プランジャ2を摺動自在に嵌合して
あり、この弁プランジャ2における図示しないリヤ側端
部に入力軸を連結している。バルブボディ1における段
付孔1Aの段部はフロント側にむけて伸長させた環状突
起1bとしてあり、その環状突起1bの外周面に出力軸
3の基部に形成した凹陥部3aを摺動自在に嵌合させて
いる。上記出力軸3の凹陥部3a内にはゴム製で円盤状
のリアクションディスク4を収納している。リアクショ
ンディスク4の右方端面4aおよび左方端面4bは、全
域を平坦面としてあり、右方端面4aの外周側を上記バ
ルブボディ1の環状突起1bの端面1cに当接させると
ともに、右方端面4aの軸部側は上記弁プランジャ2の
先端面2aに対向させている。図示しないが、ブレーキ
倍力装置の非作動状態においては、リアクションディス
ク4の右方端面4aと弁プランジャ2の先端面2aとの
間には所要の間隙が形成されている。そして、上記非作
動状態からブレーキペダルが踏み込まれたブレーキ倍力
装置の作動時には、入力軸および弁プランジャ2が前進
(左行)されるので、図示しない弁機構が作動される。
つまり、弁機構の真空弁が閉鎖される一方、大気弁が開
放されるので、図示しない変圧室内に大気が導入され
る。これによって定圧室と変圧室との間に圧力差が生じ
てバルブボディ1が前進されるとともに、リアクション
ディスク4の右方端面4aの軸部がリヤ側にむけて膨出
するので、上述した間隙が解消されてリアクションディ
スク4の右方端面4aと弁プランジャ2の先端面2aと
が当接する。したがって、この時点から全負荷点に至る
までは、弁プランジャ2の先端面2aの面積とバルブボ
ディ1の環状突起1bの端面1cの面積とによって決ま
る所定のサーボ比で出力が上昇するようになり、また同
時に出力軸3に作用する出力の反力はリアクションディ
スク4および弁プランジャ2を介して図示しない入力軸
に伝達されるようになっている。上述した構成およびそ
れに基づく作動は、従来公知の負圧式ブレーキ倍力装置
のものと変わるところはない。
【0007】しかして、本発明は、上記環状突起1bの
端面1cの内周縁に、フロント側が拡径するテーパ面1
dを形成したものである。そして、本実施例では、上記
テーパ面1dは次のように設定している。つまり、図示
しない弁機構が備える大気弁と真空弁がともに閉鎖した
サーボバランス状態から、弁プランジャ2が前進して上
記大気弁が開放される時の該弁プランジャ2の先端面2
aの位置が図1の中心線より上方側に示してあり、また
上記サーボバランス状態から弁プランジャ2が後退して
上記真空弁が開放される時の該弁プランジャ2の先端面
2aの位置が図1の中心線より下方側に示してある。そ
して上記テーパ面1dは、上記大気弁が開放される時の
弁プランジャ2の先端面2aの位置と真空弁が開放され
る時の弁プランジャ2の先端面2aの位置とを含むよう
に形成している。このような本実施例の構成によれば、
ブレーキ倍力装置の作動開始後におけるサーボバランス
領域において、ブレーキペダルの踏み込み時とブレーキ
ペダルの解放時とでサーボ比を変更することが可能とな
り、大きなヒステリシスを得ることができる。すなわ
ち、弁機構の大気弁と真空弁とが両方とも閉鎖されたサ
ーボバランス状態から、図1の中心線より上方側に示し
たブレーキペダルが踏み込まれて大気弁が開放される時
の弁プランジャ2の先端面2aの位置は、図1の中心線
より下方側に示したサーボバランス状態からブレーキペ
ダルが解放されて真空弁が開放される時の弁プランジャ
2の先端面2aの位置よりも前になる。このようにブレ
ーキペダルの解放時よりもブレーキペダルの踏み込み時
の方が、バルブボディ1に対する弁プランジャ2の先端
面2aの位置が前になると、その分だけ弁プランジャ2
の先端面2aによってリアクションディスク4が前方に
押出されることになる。そのため、ブレーキペダルの解
放時に比較してブレーキペダルの踏み込み時の方が上記
テーパ面1dに接触するリアクションディスク4の接触
面積は小さくなる。したがって、図3に示すように、ブ
レーキペダルの踏み込み時のサーボ比(直線A)に比較
して、ブレーキペダルの解放時のサーボ比(直線B)は
大きくなり、しかも入力の小さな領域におけるサーボバ
ランス状態に比較して、入力の大きな領域におけるサー
ボバランス状態の方がより大きなヒステリヒスを得るこ
とができる。以上のように、本実施例では、従来公知の
構成を前提として、部品点数を増やすことなく、しかも
簡略な構成によって大きなヒステリヒスを得ることがで
きるので、倍力装置のコストを安くすることができる。
【0008】(第2実施例) 図2は本発明の第2実施例を示したものである。この第
2実施例は、上記図1に示した第1実施例の構成を前提
としたうえで、さらに弁プランジャ102の先端面10
2aの外周縁を大きく面取りして、その部分をテーパ面
102bとしたものである。そのほかの構成は上記第1
実施例と同じであり、第1実施例と対応する部材には、
それぞれ100を加算した部材番号を付している。この
ような第2実施例の構成によれば、弁プランジャ102
のテーパ面102bによってもリアクションディスク4
の接触面積を変更することができるので、より大きなヒ
ステリヒスを得ることができる。
【0009】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、従来に
比較して簡略な構成によって大きなヒステリシスを得る
ことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図
【図2】本発明のほかの実施例を示す断面図
【図3】本発明の一実施例による入力と出力との関係を
示す特性線図
【符号の説明】
1 バルブボディ 1a 小径部(孔) 1c 端面 1d テーパ面 2 弁プランジャ 2a 先端面 3 出力軸 3a 凹陥部(基部) 4 リアクションディスク

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェル内に摺動自在に設けたバルブボデ
    ィと、このバルブボディに穿設した貫通孔に摺動自在に
    嵌合されて入力軸に連動する弁プランジャと、上記バル
    ブボディに基部を摺動自在に嵌合させた出力軸と、上記
    出力軸の基部と上記貫通孔が開口するバルブボディの端
    面との間に介在されるとともに上記弁プランジャの先端
    面に対向するリアクションディスクとを備え、出力軸に
    作用する出力の反力をリアクションディスクと弁プラン
    ジャを介して入力軸に伝達するように構成した倍力装置
    の反力伝達機構において、 上記リアクションディスクと当接するバルブボディの端
    面の内周縁をフロント側が拡径するテーパ面とし、弁プ
    ランジャがバルブボディに対してフロント側に前進され
    るブレーキペダルの踏み込み時には、上記弁プランジャ
    の先端面が上記テーパ面の内方側に位置するように構成
    するとともに、上記弁プランジャがバルブボディに対し
    てリア側に後退されるブレーキペダルの解放時には、上
    記弁プランジャの先端面が上記ブレーキペダルの踏み込
    み時よりもバルブボディに対してリヤ側に位置するよう
    に構成して、 ブレーキペダルの踏み込み時の方がブレーキペダルの解
    放時よりも上記テーパ面に対するリアクションディスク
    の接触面積が小さくなるように設定したこと を特徴とす
    る倍力装置の反力伝達機構。
  2. 【請求項2】 上記弁プランジャの先端面における外周
    縁を面取りして、その部分をフロント側が小径となるテ
    ーパ面としたことを特徴とする請求項1に記載の倍力装
    置の反力伝達機構。
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JPH05185926A JPH05185926A (ja) 1993-07-27
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