JP3100937B2 - 軽量コンクリート建材の製造方法および塗装材 - Google Patents

軽量コンクリート建材の製造方法および塗装材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量コンクリート
建材の製法に関し、詳しくは、軽量コンクリートからな
る基層と該基層上に形成されたタイル状に硬化された表
層との二層構造を有する軽量コンクリート建材を製造す
る方法および当該二層構造軽量コンクリート建材を製造
するために使用される塗装材に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる軽量コンクリート(典型的には
シリカ質成分を含む軽量骨材や珪砂等のシリカ質原材料
を含有して成る気泡コンクリート)は、その軽量性に加
えて断熱性や不燃・耐火性等に優れることから建築材料
の一つとして重要である。従来、建築物の外装材または
内装材として使用される気泡コンクリート等の軽量コン
クリート建材は、一般的には工場においてパネル形状や
ブロック形状に成形された後に出荷され、現場施工に供
されている。
【0003】ところで、耐候性、防水性、耐火性等の諸
性能を向上させる観点から、工場出荷された外装用若し
くは内装用軽量コンクリート建材の表面仕上げは、典型
的には、施工現場でのタイル張付け仕上げによってい
た。あるいは、現場での仕上げ処理の手間を省くために
予め工場においていわゆるタイル先打工法(タイルを敷
き詰めた型枠にコンクリートを流し込む工法)によって
表面にタイルを張付けた状態の建材(以下「タイル付き
軽量コンクリート建材」という。)を製造し、出荷して
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現場で
のタイル仕上げあるいは上記タイル付き軽量コンクリー
ト建材によっても、張り付けたタイルの浮きや剥離が発
生する場合があり、張り直し等の補修にかかる施工後の
負担が大きかった。
【0005】本発明は、上述した従来の軽量コンクリー
ト建材における問題点に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは、現場施工における仕上げ作業を
省略若しくは簡略化し得るとともに、耐候性、防水性、
耐火性、耐久性等に優れる軽量コンクリート建材および
その製造方法ならびにそのような軽量コンクリート建材
を製造するために使用される塗装材を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、オートクレーブ養生された軽量コンクリ
ート建材の製造方法であって、ほぼ硬化した状態の軽量
コンクリートの表面に、磁器質粉とポルトランドセメン
ト(その同等品を包含する。以下同じ。)と珪砂粉とを
主成分として含む塗装材を水と混和して調製したペース
トを塗布する工程、水分の蒸散を遮断し得る被覆材によ
って上記塗装材を塗布した表面を被覆した状態で上記軽
量コンクリートの養生(以下「前養生」という。)を行
う工程、および、当該養生を終えた上記軽量コンクリー
トをオートクレーブ養生する工程を包含し、上記オート
クレーブ養生によって硬化された軽量コンクリートから
なる基層と当該基層表面において硬化された上記塗装材
からなる表層とが一体に形成された軽量コンクリート建
材を製造する方法(以下「本発明の軽量コンクリート建
材製造方法」という。)を提供する。
【0007】本発明の軽量コンクリート建材製造方法で
は、ほぼ硬化した状態(即ち流動性を失って取り扱い可
能な状態に固まった状態。以下同じ。)のオートクレー
ブ養生前軽量コンクリートの表面に上記塗装材のペース
トを塗布するとともに当該塗布面を被覆した状態で前養
生した後にオートクレーブ養生する。このようにして製
造された軽量コンクリート建材の表面部分における塗装
剤塗布面にはひび割れが発生せず、結果、上記塗装材か
ら成る磁器質タイル様に硬化されて且つ磁器質タイルと
同等の物性を有する表層が形成される。そして、この表
層は、オートクレーブ養生によって基層となる軽量コン
クリートと一体に形成されるため、上述のタイル先打工
法によって製造・出荷される従来のタイル付き軽量コン
クリート建材におけるような施工後のタイル浮きや剥離
といった弊害を回避し得る。従って、本発明の軽量コン
クリート建材製造方法によれば、耐候性、防水性、耐火
性、耐久性等に優れる軽量コンクリート建材(典型的に
は気泡コンクリート建材)を、現場施工においてのタイ
ル仕上げ作業を行うことなく提供することができる。
【0008】好ましい本発明の軽量コンクリート建材製
造方法は、上述の製造工程において、上記塗装材を塗布
する前に、上記軽量コンクリートの表面を粗くしておく
ことを特徴とする。このようにすることで、上記塗装材
を塗布する前に上記コンクリート表面の表面積を増大さ
せることができる。従って、本様式の本発明の軽量コン
クリート建材製造方法によれば、上記塗装材と当該軽量
コンクリートとの接触面積が増大し、結果、当該塗装材
とコンクリートとの接合強度がさらに向上する。
【0009】さらに好ましい本発明の軽量コンクリート
建材製造方法は、上記被覆された状態の上記被覆材の上
から上記表面に塗布された塗装材に模様付けを行い、そ
の後に上記オートクレーブ養生を行うことを特徴とす
る。このようにすることで、当該塗装材からなるタイル
様表層の表面に所望の模様(典型的には凹凸模様)を予
め表現させた軽量コンクリート建材を提供することがで
きる。
【0010】また、本発明の他の側面は、上記目的を達
成するために、塗装材が表面に塗布された軽量コンクリ
ートの当該塗装材の外表面が水分の蒸散を遮断し得る被
覆材によって被覆された状態で軽量コンクリートが養生
され、次いでオートクレーブ養生される軽量コンクリー
ト建材用の塗装材であって、ポルトランドセメントと磁
器質粉と珪砂粉とを主成分として含有し、前記ポルトラ
ンドセメント1重量部に対して、前記磁器質粉を0.5
重量部以上0.6重量部以下及び前記珪砂粉を0.4重
量部以上0.5重量部以下含有し、前記主成分と、前記
ポルトランドセメント1重量部に対して0.6重量部以
上0.7重量部以下の比率の水との混和によって調製さ
れるペーストとして塗布される、塗装材(以下「本発明の
塗装材」という。)を提供することである。而して、本発
明の塗装材を上述のように本発明の軽量コンクリート建
材製造方法に適用することによって、上記塗装材中のセ
メント成分と水との水和反応に基づいて磁器質タイル様
に硬化した表層を有する二層構造軽量コンクリート建材
が製造され得る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、軽量コンクリート建材の一
典型品としてオートクレーブ養生された人工軽量骨材気
泡軽量コンクリート(HLCともいう。)からなる外壁
用パネル材(以下「HLC板」という。)を製造する場
合の本発明の軽量コンクリート建材製造方法の好適な実
施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図1
は、本実施形態に係る本発明の軽量コンクリート建材製
造方法の概要を示す流れ図である。また、図2および図
3は、本発明の軽量コンクリート建材製造方法における
HLC板の製造過程を模式的に示す断面図である。な
お、本発明の軽量コンクリート建材製造方法の実施にあ
たっては、以下において特に言及しない限り、従来の軽
量コンクリート(典型的にはシリカ質成分を含む軽量骨
材や珪砂等のシリカ質原材料を含有して成る気泡コンク
リート)を製造する場合に適用される当業者における周
知技術がそのまま適用され得る。
【0012】図1に示すように、本発明の軽量コンクリ
ート建材製造方法において、先ず、所定の形状を有する
HLCを成形するためにセメント材料およびシリカ質成
分を含む軽量骨材や珪砂等からなる気泡コンクリート原
材料の混練・型枠流し込み工程(図1中のS1)を行
う。なお、本工程自体は従来のHLC板(即ち下地段階
のもの)製造方法と同様に行い得る。すなわち、セメン
ト、人工軽量骨材、珪砂等の主成分を所定の割合で調合
した軽量気泡コンクリート製造用原材料を混練してペー
ストを調製し、防錆処理した補強用鉄筋5(図2参照)
を予め配置しておいた成型用型枠に当該ペーストを注入
する。そして、2℃以上好ましくは60℃程度に保温し
つつ湿潤環境下で一次養生(図1のS2)を行い、型枠
内に流し込んだ気泡コンクリート2(図2参照)の水和
反応(凝結・硬化反応)を進行させる。そして、ほぼ硬
化した状態のコンクリートを脱型する。
【0013】このようにして得られたほぼ硬化した状態
の気泡コンクリート2は、本発明の塗装材を塗布する工
程(図1のS3)に提供されるが、このとき、当該気泡
コンクリート2における表面2a(即ち施工後に仕上げ
面となる部分。図2参照。)は湿潤状態に保っておくこ
とがよい。また、上記気泡コンクリート2が長期間保管
されたことによってその表面2aがやや乾燥した状態と
なっている場合には、当該表面2aを十分に水で潤して
再び湿潤状態としておくことが望ましい。
【0014】また、当該表面2aに本発明の塗装材を塗
布する前に当該表面2aを好ましくはワイヤブラシ掛け
を施すことによって細かな凹凸が生じる程度にまで粗く
する処理を施しておく(図2参照;以下この処理を「粗
面処理」という。)ことが本発明の軽量コンクリート建
材製造方法として特に好ましい。これにより、当該表面
2aの表面積を増大させ、結果、後述する本発明の塗装
材との接触面を増やし接合強度を向上させることができ
る。而して、表面が湿潤状態におかれ且つ粗面処理され
た気泡コンクリート2は、本発明の塗装材を塗布する工
程(図1中のS3)に提供される。
【0015】まず、本発明の実施に好適な上記塗装材3
について説明する。本発明の軽量コンクリート建材製造
方法に使用され得る塗装材3は、上記のとおり、磁器質
粉(例えば、石英、長石、陶石および少量の粘度を概ね
1300℃〜1400℃で焼成して得たものの粉体)と
ポルトランドセメントと珪砂粉とを主成分として含む塗
装材3であり、上記磁器質粉および珪砂粉として平均粒
径が1mm以下のいわゆる微粒粉状態となったものが特
に好ましい。また、本発明の実施において上記各主成分
が表1に示した重量比で調合されたものが好適である。
【0016】
【表1】
【0017】すなわち、表1に示した重量比で上記各主
成分を調合した塗装材3によれば、オートクレーブ養生
後に基層10(図3)となる上記気泡コンクリート2と
ともに所定の硬度を維持しつつ当該コンクリート2表面
2aにおいて良好な硬度を有する表層11(即ち仕上げ
層:図3参照)を一体的に形成することができる。ま
た、本発明の塗装材3には、上記各主成分の調合比を変
えない範囲内において、副成分として無機質系顔料(例
えばベンガラ、チタン白、カーボンブラックのような着
色剤、あるいは艶出し剤)および/または無機質系の防
水剤等を適量添加し得る。このような副成分を本発明の
塗装材3に適宜含有させることによって、色彩等の所望
する性状の表層11を上記コンクリート表面上に形成す
ることができる。
【0018】而して、図2に示すように、上記本発明の
塗装材3は、典型的にはこてやローラーによって上記粗
面処理された気泡コンクリート表面2aに塗布される。
特に限定するものではないが、一般的な外壁用HLC板
を製造する場合、上記重量比で調合された本発明の塗装
材3であれば3〜15mm程度の厚みに塗布するのが好
適であり、5〜10mm厚が特に好ましい。
【0019】上記のようにして、気泡コンクリート表面
2aに本発明の塗装材3を塗布した後、上記被覆材によ
る塗装材表面の被覆工程(図1中のS4)を行う。すな
わち、図2に示すように、当該塗布された塗装材3の表
面(以下「塗面3a」という。)を上記被覆材4によっ
て密着した状態で被覆する。なお、本発明の軽量コンク
リート建材製造方法において好適に使用し得る被覆材4
は、水分の蒸散を遮断し得るもの(即ち水分の透過が極
めて困難な材質のもの)であれば特に限定されるもので
はないが、食品包装等の分野で一般的に使用されている
ラップ材等は、本発明に係る被覆材4として好適であ
る。特にポリ塩化ビニリデンをベースとするラップ材が
水分の非透過性、密着性、耐熱性等の観点から好まし
い。
【0020】ところで、本発明の軽量コンクリート建材
製造方法では、図2に示すように、典型的には表面に凹
凸を設けたデザインローラー6等を被覆材4のうえから
塗面3aに押し付けることによって当該被覆材4越しに
塗面3aに模様付けを行ってもよい。これにより、後述
するオートクレーブ養生後によってタイル様表面に所望
する模様を形成することができる。
【0021】次いで、好ましくは、室温以上(好ましく
は60℃程度)に保温された高湿度条件下で被覆材4を
はずすことなく局所的な水分蒸発を防いだ状態で二次養
生(即ち上述の前養生;図1中のS5)を行い、塗装材
3と気泡コンクリート2との調和した水和反応を進行さ
せる(例えば、このときに塗装材3の水分が気泡コンク
リート2中に移動拡散する)。而して、ほぼ硬化した状
態の気泡コンクリート2および当該コンクリート表面2
aの塗装材3を典型的には上記被覆材4を剥がした状態
でオートクレーブ養生する(図1中のS6)。このこと
によって、コンクリート全体の硬化が促進され、結果、
上述の磁器質タイル様に硬化された表層11を有するH
LC板1が製造される(図3参照)。そして、オートク
レーブ養生が終了したHLC板は、従来品と同様、出荷
されて現場施工に使用される(図1中のS7)。なお、
オートクレーブ養生の操作自体および条件は、従来のH
LC板を製造する場合と同様であって特に限定するもの
ではないが、本発明の実施にあたってはオートクレーブ
(図示せず)内の温度約180℃、ゲージ圧約10kg
/cm2 の条件下、10〜15時間程度のオートクレー
ブ処理が特に好ましい。
【0022】上記の実施形態に係る本発明の軽量コンク
リート建材製造方法によって得られたHLC板1は、図
3に示すように、従来のHLC板下地に相当するオート
クレーブ養生された上記気泡コンクリート2からなる基
層10と、表面に模様付け(図2参照)が施された上記
塗装材3からなる表層11との二層構造建材である。こ
のため、現場施工においての仕上げ作業が省略若しくは
著しく軽減され、結果、施工コストの削減を実現するこ
とができる。
【0023】上記実施形態で示したような工程によって
製造された上記二層構造HLC板1においては、当該塗
装材3からなる表層11における耐候性、防水性等の諸
性能が、磁器質タイル仕上げが施されたHLC板従来品
の仕上げ面(即ちタイル面)における耐候性、防水性等
の性能と同等である。その一方で、本発明に係る二層構
造HLC板1においては、基層10と表層11とが一体
に形成されており、従来のタイル先打工法に基づいて製
造・出荷された上記タイル付き軽量コンクリート建材に
おける問題点であったタイルの浮き・剥離などの不都合
が生じることがない。このため、現場施工後のタイル張
り直し作業等を行う必要がなく、現場施工後の補修等に
かかる維持管理費を軽減することができる。
【0024】
【実施例】以下の実施例において、本発明の軽量コンク
リート建材製造方法をさらに具体的に説明するが、この
実施例によって本発明の特許請求の範囲を限定すること
を意図したものではない。
【0025】
【表2】
【0026】表2に示す重量比に従ってセメント、珪
砂、人工軽量骨材、発泡剤(ここでは界面活性剤)およ
び水を混合し、ペースト状の気泡コンクリート原材料を
調製した。次いで、この原材料を予め鉄筋を配置した型
枠に注入した。室温で8〜12時間程度の一次養生を行
うことによって発泡および水和反応を進行させ、ほぼ硬
化した状態の気泡コンクリートを形成し、脱型した。次
いで、上記気泡コンクリートの表面(仕上げ面に相当す
る部分)をワイヤブラシ掛けすることによって粗面処理
を施し、当該表面に微細な凹凸を形成した。而して、粗
面処理後の表面は水で十分に潤し、後述する塗装材塗布
時まで湿潤状態を保持した。
【0027】一方、本実施例においては、普通ポルトラ
ンドセメントと磁器質粉と珪砂粉とを重量比で1:0.
56:0.42で配合し、さらに無機顔料としてベンガ
ラを重量比0.0152の割合で混合して塗装材を調製
した。これに水を上記セメントとの重量比で0.67と
なるように加え、よく混和することによってペースト状
の塗装材を作製した。而して、上記粗面処理されたコン
クリート表面に、上記ペースト(塗装材)を5mm〜1
0mmの範囲内の厚さとなるように均等にこてで塗布し
た。塗布後、すぐに市販の食品包装用ラップ材(ポリ塩
化ビニリデンを主成分とする透明な樹脂製品)を本発明
における被覆材として使用し、上記塗装材の表面(塗
面)を被覆した。次いで、所定の凹凸形状を有するデザ
インローラーを用いて当該被覆材越しに塗面上に模様付
けを行った(図2参照)。
【0028】その状態のまま室温条件下の保管庫におい
て、塗装材がほぼ硬化するまで上述の前養生を行った。
このとき、塗装剤表面にひび割れは認められなかった。
その後、被覆材を剥がし、全体がほぼ硬化した状態の上
記コンクリートをオートクレーブ内に移した。そして、
温度180℃前後およびゲージ圧約10kg/cm2
条件下、約10時間のオートクレーブ処理を実施した。
以上の工程によって、上記塗装材と上記HLCとが一体
に硬化・固化された上述の図3に模式的に示すような二
層構造HLC板が製造された。本実施例によって得られ
た二層構造HLC板における上記気泡コンクリートの表
層(即ち図3における表層11に相当する部分)の性状
(耐候性、吸水性、硬さ、熱伝導度、耐ひび割れ性等)
は、外壁パネルに使用される一般的な磁器質タイルとほ
ぼ同等であった。さらに、本実施例においては、上記塗
装材からなる部分が上記気泡コンクリートからなる部分
から剥離する現象は認められなかった。このことは、本
発明の軽量コンクリート建材製造方法によって得られた
二層構造HLC板が耐久性の点でも優れていることを示
すものである。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、現場施工における仕上
げ作業を省略若しくは簡略化し得る軽量コンクリート建
材およびその製造方法ならびにそのような軽量コンクリ
ート建材を製造するために使用する塗装材を提供するこ
とができる。すなわち、本発明の軽量コンクリート建材
製造方法および塗装材によれば、軽量コンクリート(典
型的には気泡コンクリート)からなる基層と上記塗装材
からなる磁器タイルと同等の性状の表層とからなる二層
構造軽量コンクリート建材が製造され得る。このため、
現場施工においてタイル仕上げを行っていた従来の軽量
コンクリート建材と比較して、現場施工に係る労力を大
幅に削減することができる。また、上記タイル先付工法
に基づいて製造される従来のタイル付き軽量コンクリー
ト建材におけるような施工後のタイルの浮きや剥離が生
じないため、施工後の補修作業を大幅に低減させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軽量コンクリート建材製造方法の一例
を示す流れ図である。
【図2】一実施形態に係る本発明の軽量コンクリート建
材製造方法におけるHLC板の製造過程を模式的に示す
断面図である。
【図3】一実施形態に係る本発明の軽量コンクリート建
材製造方法によって得られたHLC板を模式的に示す断
面図である。
【符号の説明】
1 HLC板 2 気泡コンクリート 2a 表面 3 塗装材 3a 塗面 4 被覆材 5 鉄筋 6 ローラー 10 基層 11 表層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 11/04 B28B 1/50 C04B 41/65

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オートクレーブ養生された軽量コンクリー
    ト建材の製造方法であって、 ほぼ軟化した状態の軽量コンクリートの表面に、磁器質
    粉とポルトランドセメントと珪砂粉とを主成分として含
    む塗装材を水と混和して調整したペーストを塗布する工
    程; 水分の蒸散を遮断し得る被覆材によって前記塗装材を塗
    布した表面を被覆した状態で前記軽量コンクリートの養
    生を行う工程;および前記養生を終えた前記軽量コンク
    リートをオートクレーブ養生する工程; を包含し、 前記オートクレーブ養生によって硬化された軽量コンク
    リートからなる基層と該基層表面において硬化された前
    記塗装材からなる表層とが一体に形成された軽量コンク
    リート建材を製造する方法。
  2. 【請求項2】前記塗装材を塗布する前に、前記軽量コン
    クリートの表面を粗くしておくことを特徴とする請求項
    1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】前記被覆された状態の被覆材の上から前記
    表面に塗布された塗装材に模様付けを行い、その後に前
    記オートクレーブ養生を行うことを特徴とする請求項1
    又は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 塗装材が表面に塗布された軽量コンクリ
    ートの当該塗装材の外表面が水分の蒸散を遮断し得る被
    覆材によって被覆された状態で軽量コンクリートが養生
    され、次いでオートクレーブ養生される軽量コンクリー
    ト建材用の塗装材であって、 ポルトランドセメントと磁器質粉と珪砂粉とを主成分と
    して含有し、 前記ポルトランドセメント1重量部に対して、前記磁器
    質粉を0.5重量部以上0.6重量部以下及び前記珪砂
    粉を0.4重量部以上0.5重量部以下含有し、 前記主成分と、前記ポルトランドセメント1重量部に対
    して0.6重量部以上0.7重量部以下の比率の水との
    混和によって調製されるペーストとして塗布される、塗
    装材。
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