JP2802242B2 - 施釉セメント製品の製造方法 - Google Patents

施釉セメント製品の製造方法

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JP2802242B2
JP2802242B2 JP7069999A JP6999995A JP2802242B2 JP 2802242 B2 JP2802242 B2 JP 2802242B2 JP 7069999 A JP7069999 A JP 7069999A JP 6999995 A JP6999995 A JP 6999995A JP 2802242 B2 JP2802242 B2 JP 2802242B2
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cement
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繁夫 吉田
聡 北川
昌良 鳥居
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ナショナル住宅産業株式会社
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  • Panels For Use In Building Construction (AREA)
  • Aftertreatments Of Artificial And Natural Stones (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、施釉セメント製品の
製造方法に関し、詳しくは、建築物の外装面や内装面な
どに利用されるコンクリートパネルなどのセメント製品
であって、その表面にガラス質の釉面を備えた施釉セメ
ント製品を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】施釉セメント製品は、コンクリートパネ
ルなどのセメント製品の表面に、陶磁器の表面のような
ガラス質の釉面を形成したものである。この施釉セメン
ト製品は、従来のセメント製品に比べて、非常に美しく
滑らかな外観を備え、かつ、汚れ難く、傷も付き難いと
いう利点も備えており、各種建築物の内装仕上げ面ある
いは外装仕上げ面に利用されるようになってきている。
【0003】施釉セメント製品を製造するには、まず、
普通ポルトランドセメントと骨材と水とを使用してこれ
らの材料を混ぜ、これを所定の形状の型枠で養生成形し
たり押し出し成形して半硬化のセメント成形体を作る。
このセメント成形体表面に、陶磁器の製造などで用いら
れているような釉薬をかける。この作業を、施釉と呼
ぶ。施釉の具体的作業としては、塗装などで用いられる
スプレーガンを用いて、液体状の釉薬をセメント成形体
の表面に塗布して所定の厚みの釉薬層を形成する。この
釉薬層が形成されたセメント成形体を焼成して釉薬仕上
げ層を形成した後、セメント成形品を再水和養生硬化さ
せれば、前記したようなガラス質の釉面を備えた施釉セ
メント製品が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにして製造さ
れた施釉セメント製品は、成形硬化を完全に終えたセメ
ント製品に釉薬を塗って焼成する製造方法に比べて焼成
時にセメントが半乾きのため、焼成処理における高温加
熱による影響を受けにくく、出来上がったセメント製品
の品質劣化が少ない。しかし、混練時に同量の水を加え
ても気候や湿度の影響で混練されたセメント材料の粘度
が一定にならない場合、水を加えて水分添加量を調整す
ることがある。このような調整時に水分を加えすぎると
成形後のセメント成形体に余分な水分が残留して強度が
低下し、釉薬を塗布して焼成すると施釉面にクラックが
生じやすい。
【0005】そこで、この発明の課題は、前記した施釉
セメント製品の製造方法において、セメント成形体の強
度不足による施釉面でのクラックの発生を可及的に防止
し、品質のすぐれた施釉セメント製品が得られる方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、請
求項1の発明に係る施釉セメント製品の製造方法は、以
下の工程を含む。 (1) セメントと骨材とワラストナイト,セピオライト及
びチタン酸カリウムからなる群から選ばれた少なくとも
ひとつの無機繊維状物質と水とを混練してなるセメント
材料を成形する工程。 (2) 前工程で成形されたセメント成形品の表面に釉薬層
を形成する工程。 (3) 前工程で釉薬層が形成されたセメント成形品を焼成
して釉仕上げ層を有するセメント成形品に形成する工
程。 (4) 前工程で形成されたセメント成形品を再水和養生硬
化させて表面に釉面を備えた施釉セメント製品を製造す
る工程。
【0007】請求項2に係る施釉セメント製品の製造方
法は、請求項1記載の製造方法において、無機繊維状物
質をセメント100重量部に対して1〜14重量部添加
する。無機繊維状物質が14重量部より多くなると粘度
が高くなりすぎてセメント材料を所定の形に成形しにく
くなり、隅部までセメント材料が行き渡らずピンホール
等が発生しやすくなり、隅部での強度が低下する。ま
た、1重量部より少ないと、無機繊維状物質の添加の影
響がでない。
【0008】
【0009】
【作用】請求項1に係る施釉セメント製品の製造方法で
は、セメントと骨材と無機繊維状物質と水とを混練した
コンクリートやモルタル等のセメント材料を成形した
後、セメント成形品の表面に釉薬層を形成し、この釉薬
層を有するセメント成形体を焼成して釉仕上げ層を有す
るセメント成形体に形成した後、セメント成形品を再水
和養生硬化させて表面に釉面を備えた施釉セメント製品
を製造する。ここでは、セメント材料に無機繊維状物質
を添加することで、無機繊維状物質がセメント材料のつ
なぎとして作用してセメント成形体の強度を向上させる
ので、焼成時のクラックの発生を抑制できる
【0010】請求項2に係る施釉セメント製品の製造方
法では、無機繊維状物質をセメント100重量部に対し
て1〜14重量部添加しているので、セメント材料の粘
度が高くなり過ぎずに流動性を確保できるとともにセメ
ント成形体の強度が向上する。請求項3に係る施釉セメ
ント製品の製造方法では、無機繊維状物質が、ワラスト
ナイト,セピオライト,石綿,セラミックファイバー及
びチタン酸カリウムからなる群から選ばれた少なくとも
ひとつを含んでいるので、つなぎとしての作用がより発
揮される。
【0011】
【実施例】以下、この発明の実施例について、図面を参
照しながら説明する。図1は、本発明に係る施釉セメン
ト製品の製造方法の一実施例の製造工程を示すフローチ
ャートである。図1において、施釉セメント製品である
施釉セメントパネルは、セメントと骨材と無機繊維状物
質と水とを混練してセメント材料を得る工程、セメント
材料を型枠内に打設する工程、型枠内にて養生する工
程、脱型後にセメント成形体を乾燥する工程、セメント
成形体の表面に施釉する工程、施釉したセメント成形体
を焼成する工程及び冷却後のセメント成形体を再水和し
養生する工程からなっている。この混練工程において、
無機繊維状物質をセメントに混ぜて混練することが本発
明の特徴である。
【0012】以下、工程順に施釉セメントパネルの製造
方法を説明する。まず、ミキサーに普通ポルトランドセ
メントと骨材と水と高性能減水剤と針状の無機繊維状物
質とを入れてよく練り混ぜてモルタルやコンクリート等
のセメント材料を作る。セメントとしてはポルトランド
セメントや混合セメント等を用いることができる。また
骨材としては、頁岩系の骨材や磁気質シャモット、坑火
石等それぞれ通常に用いられるものを使用すればよい。
また、針状の無機繊維状物質としては、ワラストナイ
ト,セピオライト,石綿,チタン酸カリウム、セラミッ
クファイバー等を用いればよい。なお施釉セメントパネ
ルに要求される強度や耐水性等の特性に応じて適度な混
和剤や混和材を使用してもよい。また、施釉セメントパ
ネルを補強する場合には、型枠内に鉄筋やネット等の補
強材を予め埋設しておいてもよい。
【0013】続いて、得られたセメント材料を型枠に打
設する。セメント材料を型枠に打設した後、養生条件を
コントロールして所定時間養生する。なおこの養生は、
温風養生や自然養生や赤外線加熱養生や高周波加熱養生
等で行うことができる。養生後に脱型を行い、取り出し
たセメント成形体を温風循環式乾燥機等で予備乾燥して
半乾きの状態にする。乾燥温度及び乾燥時間は、セメン
ト成形体の厚さ等により異なるが、それぞれ250〜3
50℃及び3〜5時間が目安である。
【0014】乾燥後に、セメント成形体の表面に生釉,
ほう酸系フリット釉、有鉛系釉等の釉薬を塗布する。釉
薬の塗布量は特に限定されないが、概ね0.3〜2kg
/m 2 であり、刷毛塗り、スプレー塗り、流し塗り等に
より施釉される。施釉後のセメント成形体はローラハー
スキルン等の焼成炉によって焼成される。焼成条件は釉
薬の種類等によって異なるが、800〜900℃の範囲
で1時間程度の焼成が行われる。
【0015】焼成されたセメント成形体は、再水和させ
るべく、水中に30〜60分程度浸漬された後、50〜
60℃、90〜98%RH下で3日間程度養生され、図2
に示す施釉セメントパネル10が製造される。この施釉
セメントパネル10は、セメント成形体12とセメント
成形体12の表面に形成された釉面(釉仕上げ層)11
とを備えている。
【0016】次に、本発明の具体的な実施例について説
明する。表1は、無機繊維状物質の添加量をセメントに
対して変化させた場合に釉面状態がどのように変化する
かをまとめた表である。
【0017】
【表1】
【0018】ここでは、セメント材料としては、普通ポ
ルトランドセメント30.5重量%と、頁岩系骨材のう
ち粒径の小さなものを36.7重量%と、粒径の大きな
ものを32.8重量%とを混合したものを用いた。ま
た、高性能減水剤をセメントに対して2.0重量%添加
した。さらにセメントに対して水を50重量%(水セメ
ント比50)混入しミキサーでよく混練した。
【0019】また、無機繊維状物質については、比較例
1では、無機繊維状物質を添加せず、比較例2及び3で
はセメントに対して15重量%、20重量%それぞれ添
加した。また実施例1,2,3では、1.0重量%、
5.0重量%、10.0重量%それぞれ添加した。この
ようにして得られた5つのセメント材料を10個ずつ、
別々に300幅×300長×30高の型枠に流し込み、
20℃で12時間養生後脱型して各10個のセメント成
形体を作成した。得られたセメント成形体を300℃で
5時間乾燥後、ほう酸フリット系釉薬を表面(型枠の底
面側)に施釉し、850℃で1時間程度焼成を行った。
焼成後冷却して、30分水中に浸漬して再水和処理を行
い、60℃,98%RH下で3日間養生を行い施釉セメン
トパネルを製造した。
【0020】この結果、表1の右欄に示すように、比較
例1では、10個製造した施釉セメントパネルに対し
て、釉面の状態が4個だけ良好であり、他の6個では釉
面にクラックが発生した。また、3つの実施例1,2,
3では、それぞれ10個製造したセメントパネルのうち
10個とも釉面にクラックが発生しなかった。なお比較
例2及び比較例3においては、無機繊維状物質が多く添
加され過ぎたため、コンクリートの粘性が増加して流動
性がなくなり、型枠に流し込むことができなかった。
【0021】このような結果、無機繊維状物質が1重量
%から14重量%までの間では、無機繊維状物質がつな
ぎとして作用して釉面でのクラックが減少することが分
かった。また無機繊維状物質を入れないと釉面でのクラ
ックが発生しやすいことが分かった。さらに無機繊維状
物質を多く入れすぎると、コンクリートの粘度が増加し
て打設できないことが分かった。
【0022】
【発明の効果】請求項1に係る施釉セメントの製造方法
では、セメント材料に無機繊維状物質を添加すること
で、無機繊維状物質がセメント材料のつなぎとして作用
してセメント成形体の強度を向上させるので、焼成時の
クラックの発生を抑制できる請求項2に係る施釉セメ
ント製品の製造方法では、無機繊維状物質をセメント1
00重量部に対して1〜14重量部添加しているので、
セメント材料の粘度が高くなり過ぎずに流動性を確保で
きるとともにセメント成形体の強度が向上する。
【0023】請求項3に係る施釉セメント製品の製造方
法では、無機繊維状物質が、ワラストナイト,セピオラ
イト,石綿,セラミックファイバー及びチタン酸カリウ
ムからなる群から選ばれた少なくともひとつを含んでい
るので、つなぎとしての作用がより発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の施釉セメント製品の一実施例の製造工
程を示すフローチャート。
【図2】製造された施釉コンクリートパネルの断面模式
図。
【符号の説明】
10 施釉コンクリートパネル 11 釉面 12 セメント成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭56−48464(JP,B2) 特公 平2−54291(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 41/65 - 41/69 C04B 28/00 - 28/36 C04B 40/00 - 40/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメントと骨材とワラストナイト,セピオ
    ライト及びチタン酸カリウムからなる群から選ばれた少
    なくともひとつの無機繊維状物質と水とを混練してなる
    セメント材料を成形する工程と、 前工程で成形されたセメント成形品の表面に釉薬層を形
    成する工程と、 前工程で釉薬層が形成されたセメント成形品を焼成して
    釉仕上げ層を有するセメント成形品に形成する工程と、 前工程で形成されたセメント成形品を再水和養生硬化さ
    せて表面に釉面を備えた施釉セメント製品を製造する工
    程とを含む施釉セメント製品の製造方法。
  2. 【請求項2】前記無機繊維状物質を前記セメント100
    重量部に対して1〜14重量部添加する、請求項1記載
    の施釉セメント製品の製造方法。
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